古谷一之の発言 (議院運営委員会)

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○古谷参考人 古谷一之でございます。
 本日は、所信を述べる機会をいただきまして、ありがとうございます。厚く御礼を申し上げます。
 まず、公正取引委員会委員長の任務についての認識を述べさせていただきます。
 公正取引委員会が所管しております独占禁止法は、公正かつ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇用及び国民実所得の水準を高め、もって一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を促進することを目的としております。
 公正取引委員会の任務はこの目的を達成することであり、そのトップである委員長には、他にも増して、国民全体の奉仕者たる国家公務員としての強い自覚を持ち、国民の皆様や関係各方面の御意見を伺いつつ、公正中立に職務を遂行していくことが求められていると考えております。
 次に、取り組むべき施策の基本的な方向の考え方について申し述べさせていただきます。
 グローバル化やデジタル化など、我が国を取り巻く経済社会環境が急速に変化する中で、我が国は、人口減少、少子高齢化という大きな課題を抱えています。また、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化、エネルギーコストや原材料価格の上昇などにより、日本経済は厳しさを増しております。こうした中、公正かつ自由な競争を促進し、活発なイノベーションを引き出す環境をつくることで、我が国経済の活性化を図り、消費者の利益を確保していくことが極めて重要であると考えます。また、公正な競争が担保された市場の機能を通じて適正な分配が行われ、成長と分配の好循環を実現するためにも、競争政策の果たす役割は小さくないと考えております。
 このように、公正かつ自由な競争を確保する公正取引委員会の役割は、我が国経済の成長、発展と社会の活力を維持する上で極めて重要な基盤を確保するものであると認識いたしております。
 私は、令和二年四月に両院の御同意をいただき、同年九月に着任して以来、公正取引委員会の委員長として、ただいま申し上げた基本的な考え方の下で、他の委員とともに競争政策の推進に努めてまいりましたが、今後も、これまでの経験を生かしつつ、経済社会の変化に的確に対応し、国民経済の発展に資する競争政策を引き続き積極的に推進していきたいと考えております。
 具体的な施策といたしまして、五点申し上げたいと思います。
 第一に、厳正かつ的確な独占禁止法の執行を行っていくことが重要です。
 独占禁止法が禁じる競争制限的な行為に厳正に対処していくことは、経済の活性化、消費者の利益に資するものであります。したがいまして、国民生活に影響の大きい価格カルテル事件や入札談合事件などに厳正に対処していくとともに、合併等の企業結合事案につきましては、迅速かつ的確な審査を進めてまいります。
 第二に、公正な取引環境を確保する観点から、中小企業に不当に不利益を与える行為の取締りをしっかり行うことが必要であると考えております。
 中小企業にとって事業環境が厳しい中、優越的地位の濫用、不当廉売などの不公正な取引方法や下請法違反行為などに厳正かつ積極的に対処するとともに、違反行為を未然に防止していくための施策を実施していくことが重要であると考えております。
 特に、公正取引委員会は、政府の価格転嫁円滑化施策パッケージに基づき、一昨年来、中小企業が労務費、原材料費、エネルギーコストなどの上昇分を適正に価格に転嫁できる取引環境の整備に向けて、緊急調査、自主点検の要請など、従来にない規模の取組を進めてきております。これらの成果を踏まえ、引き続き、中小企業に不当に不利益を与える行為に厳正に対処するとともに、関係省庁とも連携しながら、サプライチェーンの垂直的な競争環境の整備に取り組んでまいります。
 第三として、デジタル経済の進展、グリーン社会の実現など、経済社会の変化に的確に対応して競争環境を整備し、イノベーションを引き出していくことが必要であると考えております。
 デジタル分野については、実態把握を引き続き行い、独占禁止法上の問題点や競争政策上の考え方の整理を行っていくほか、デジタルプラットフォーム事業者による反競争的な行為には厳正に対処してまいります。また、デジタル分野におけるルール整備については、デジタル市場競争本部を中心に政府全体での取組が行われておりますので、公正取引委員会も引き続きこの取組に積極的に参画してまいります。
 さらに、デジタル分野以外の分野における競争環境整備のための取組も行っていく必要があります。公正取引委員会は、現在、グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方の策定に取り組んでおりますが、引き続き、様々な経済社会の動きやビジネスの実態を捉え、実態調査や提言、ガイドラインの策定などを通じて競争環境の整備に取り組んでまいります。
 加えまして、第四には、国際的な連携の推進も重要であると考えております。
 経済が急速にグローバル化し、企業活動が国境を越えて行われている中、大規模なデジタルプラットフォーム事業者による反競争的な行為や国際的な企業結合事案への対応等で、海外競争当局との連携協力の必要性がますます増大しております。このため、二国間、多国間の様々な枠組みを積極的に活用して、競争当局間の国際的な協力関係の強化を図っていくことが重要になっております。引き続き、日本の競争当局としてふさわしい貢献を行ってまいります。
 最後に、これまでに述べました具体的な施策を着実に実施し、公正取引委員会に期待される役割を的確に果たしていくために、公正取引委員会の体制の強化、能力の向上にも努めてまいりたいと考えております。
 終わりに、両院の御同意をいただくことができまして、公正取引委員会委員長に任ぜられました暁には、その職責をしっかりと認識し、国権の最高機関である国会における御議論を始め様々な御意見に耳を傾けながら、公正取引委員会の使命を達成すべく、他の委員とともに力を尽くしてまいる所存でございます。よろしく御指導を賜りますようお願い申し上げます。
 以上、私の所信を述べさせていただきました。
 本日は、このような機会を与えていただき、誠にありがとうございました。

発言情報

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発言者: 古谷一之

speaker_id: 20789

日付: 2023-01-26

院: 衆議院

会議名: 議院運営委員会