栗林知絵子の発言 (内閣委員会)
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○栗林参考人 よろしくお願いします。
私は、東京の豊島区で子供の居場所づくりをやっております。そこから、様々なおせっかいな活動に展開していきました。その活動例を通じて、孤独、孤立についての思いをお話しさせていただきます。
豊島区は、人口が二十九万人の都市です。コンパクトな町で、人口密度がとても高い、独居の高齢者がとても多い、さらに、二〇一四年には、唯一、東京で消滅可能性都市に選定されてしまったという、そんな町です。
そのときすぐにやったのが、F1会議という会議です。消滅してはならないということで、行政が私たち女性の声を聞いて、それをすぐに施策に反映するということがありました。その後、民としても、官民連携で、一緒に町が豊かになることを考えていきましょうということで、今も円卓会議というものを実施しております。この人と人との関係づくりが、その後、様々な豊島区の施策の展開に広がっていったという背景があります。
さらに、二〇二〇年、SDGs未来都市、自治体SDGsモデル事業に選定されました。今や、様々な、高齢者から子供までみんな、SDGsのために何ができるか、そういう価値観の共有ができたことも、豊島区の土壌としてとても大きいなと思います。
さらに、二〇二一年、コロナで様々な方が孤立していく中、行政の部課長の女性たちが連携して、庁内で、すずらんスマイルプロジェクトというのを立ち上げました。庁内の中でも、そういう孤立を何とかしたいという思いのある人たちがいる、その職員さんたちが孤立しています。その方たちがつながることで、自分たちがプロジェクトを立ち上げ、そして、十代、二十代の女性の孤立を予防する、そんなことが生まれております。
さらに、昨年までは、豊島区九十周年ということで、あらゆる人たちが、SDGsの活動をとにかくコロナ禍でもやっていこう、そういう地域の対話の場、様々な場ができております。
こういう土壌ができることによって、孤独、孤立というのは、多くの人たちが自分事にできるんじゃないかなと思っています。
私たちの団体は、おせっかいの輪を広げるということをビジョンに掲げ、活動しております。
しかし、子供の貧困というのは、実は、貧困は孤立、そして孤立と虐待というのは、とても近しい関係だと思っております。そういう中で、一番社会の中で弱い子供たち、この子供たちにおせっかいすることによって、親ではない大人が関わることによって、社会をよくしていこうという活動をしております。
私は、孤独、孤立に関して自分の実体験があります。
私自身は、豊かな環境で、人も自然も豊かなところで成長して、上京して、独り暮らしを八年しました。そのときに、本当に何だか独りぼっちでつらい、もう帰りたいと思うことがあったんですね。そんなとき、なぜかいつも、小さいときに楽しかった遊んだ経験、お正月、みんなで集まって御飯を食べた経験、こういう実体験を思い出すと、もう少し頑張ろう、そんな体験がありました。
つらいときに乗り越える、そういう力は、実は小さいときの実体験、原体験なのではないかなと思います。ですから、全ての子供たちが豊かな人の環境の中で育つ、この体験がとても必要なのではないかなと思っております。
そして、豊島区で子供を産み、自分の子供が豊かな環境で成長してほしいという思いから、プレーパークや子供食堂、無料学習支援、地域の子供の居場所をつくってきました。そうすると、そこにやはり同じような思いの人たちが、地域では孤立している、孤立、何かしたいんだけれどもできない人たちが居場所に集まってきます。そうやって、社会の課題を自分たちの力で何とか変えていこうという人たちがつながる、これがある意味、居場所の役割ではないかなと思っています。
さらに、このコロナ禍、子供たちの不登校は大変増えております。この不登校の子供たちは、まさに孤独、孤立の体験を小さいうちからしたり、そのまま社会とつながりがないまま、もしかしたら成長してしまうかもしれない子です。
今年から、行政、教育委員会、地域が連携して、今、高校のカフェというのは施策の中にあるんですけれども、中学校の中で居場所をつくり、そこから地域の居場所に不登校ぎみの子供たちをつなぐ、不登校ぎみの子供たちの声を地域で受け止める、こんな活動が始まっております。全国に中学校はあるわけです、小学校はあるわけです。そこでやはり早期の予防対策というのが必要なのではないかと思っております。
私たちは、今言ったように、子供たちの豊かな環境、暮らし環境、学び環境、遊び環境、これをきっかけに、地域の方たちのボランティアが募るという活動になって、そして、そういう場が豊島区には今、三ページを御覧ください、無料学習支援も、四ページ、子供食堂も、とても多くございます。それを行政が事務局を担い、官民連携で、常に対等な関係の中でこの活動を推し進めております。
こうやって居場所ができても、居場所につながらない、特に、孤独、孤立の状況にある子供たちはつながりません。その子供たちをどうつなげていくかということで、これまで、最初に話しました様々なSDGsの活動、官民連携の土壌の中で、今、地域の人たちがこういうことをやりたいと言うと、庁内の中でまずは関係調整をしてくださいます。そういう調整をする方がいる中で、私たちのこういう活動を行政みんなが応援してくれるというような関係ができています。これこそが官民連携だと思っています。
官ができることというのは限られているんですね。しかし、公平に情報を届けることは官でできることではないでしょうか。
例えば、四ページ、入学準備にはとてもお金がかかるんですね。そのお金を地域の子供たちに手渡ししたい、こういうことを行政に相談しますと、じゃ、中学校全員に学校でチラシを配りましょうということで、そこからつながりをつくることができました。
さらに、フードサポート、食料支援です。コロナの前は、多分、ホームレス支援でしか食料支援はなかったんじゃないかと思います。今や、行政と連携して広く、豊島区、行政が、一人親家庭、児童扶養手当を受給している困窮家庭にチラシを郵送して、そして地域とつながる、そういう伴走をしてくださっております。
さらに、豊島区は小学校が二十二校ございます。そこに公民館のような場所があるんですけれども、そういう開かれた場所に食材を取りに来てもらって、そこで地域の方たちが食材を手渡す、そうやって有機的なつながりをつくるという取組を毎月実施しております。
六ページを御覧ください。コロナ禍は、官民連携での地域がつながるプロジェクト、孤立しがちな家庭の子供に、私たち、個人情報を得て、地域のおせっかいさんと呼ばれる方たちが、食料支援やいろいろな取組に協力してくださっている方が家庭訪問して、そして幼少期のうちからつながり、子供と親のサポートをするという、これはかなり有効な取組でした。こういうことがコロナがきっかけにできました。
そうやって直接つながって、私たちを頼っていいんだよという関係ができると、仕事のサポート、住まいのサポート、そこに困っていることが分かり、さらに、私たちは住まいのサポート、就労サポートも今展開しています。
地域の方たち、こうやって子供に関わっている方たちは、決して子供だけではありません、高齢者も含めて、若者も含めて、困っていたんだったら是非できることを何かしたい、こんなふうに思いがつながっていけるのが地域です。どんなに孤立している方たちも、住まいがある限り地域を持っています。この地域の力を有効に使ってうまく連携して、官民連携での孤独・孤立対策、これが行き届くと法案の大きな成果を生むのではないかなと思っております。
私たち、おせっかいされて、今、おせっかいをしているこの世代はもう本当に少ないです。四十代、五十代ぐらいではないでしょうか。この方たちがしっかりおせっかいできるような環境を官民連携でつくりたいと思っています。
最後に、九ページを御覧ください。
これが私が思う官民連携の孤独、孤立予防の図なんですけれども、孤独、孤立を抱えている親御さん、子供たち、これまでは、子育ては親の責任だということで、なかなか地域にSOSを親が出せない、だから、いろいろな虐待、様々な問題が起こるわけです。その親子に地域が、例えば食料を届けたり、時にはお金を持っていったり、時には住まいを探したり、そうやって直接信頼関係をつくる、これをすることによって受援力、求援力というものが地域で育ちます。
その方たちがいる限り、行政は担当が毎年替わってしまいますが、地域の誰かが見守りをする過程ができると、ずっと継続的にサポートができるんです。何か異変に気づいたら、すぐに行政に一緒に窓口に行く、子供たちを子供食堂に連れていく。私たち、地域で子供食堂を最初に始めたのは、いつも独りぼっちで、親がダブルワークで、毎日コンビニの御飯を一人で食べている、こんな子供に出会ったからです。子供たちの独りぼっちを決してそのままにしてはいけません。
是非、この法案で、官民連携で、まずは子供から、そして、その親、家族が孤立しているときにすぐにサポートができる、そんな体制をつくっていただけたらと思います。
ありがとうございました。(拍手)