金子修の発言 (法務委員会)
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○金子政府参考人 お答えいたします。
保全処分と暫定保全措置命令は、いずれも当事者の権利を保全することを目的とする点では共通しておりますが、保全処分は裁判所が命ずるものであるのに対し、暫定保全措置命令は仲裁廷が命ずるものである、この点が大きな違いでございます。
そして、国際的な事案では、保全処分については、当事者がその発令を求める保全処分ごとに管轄を有する各国の裁判所から発令を受ける必要があるのに対し、暫定保全措置命令については、仲裁廷から発令を受ければ足りるという点で違いが生じてまいります。
例えば、被申立人が複数の国に財産を保有しており、その保全を図ろうとする場合、当該国の仲裁法制が国際商事仲裁モデル法に対応しているときは、仲裁廷から暫定保全措置命令の発令を受けることにより複数の国でその執行を求めることが可能であるのに対し、同じ内容の裁判所の保全処分の方を求めようとしますと、各国の裁判所においてそれぞれ申立てをしなければならないということになります。
このように、暫定保全措置命令は、裁判所に対する申立てをせずに、仲裁手続の中で権利の保全に係る命令を受けることができるため、仲裁手続において紛争を解決しようとする当事者のニーズにかなうものと言うことができます。