橋本直子の発言 (法務委員会)

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○橋本参考人 御質問ありがとうございます。
 大きな枠組みで申しまして、本法案というのは、日本に自力で何とかたどり着いた難民、避難民、外国籍者の処遇に関するものですけれども、実は、難民の受入れには全く別のルートが幾つかあります。そのうち日本が可及的速やかに改善する必要があるのが、現地職員の退避、受入れと、あとは第三国定住の拡充です。
 まず、現地職員の退避についてですけれども、資料の五の一、五の二なんですが、日本は長年、顔の見える国際協力というのを推進、標榜して、多額、多数のODA事業を海外で展開しています。そのために多くの現地職員を世界中で雇ってきました。特にアフガニスタンでは、過去二十年、日本はずっとトップドナーの一つです。
 二〇二一年八月、タリバンの復権を受けて、日本などの外国につながる組織で働いていたアフガニスタン人は、タリバンによって裏切り者とみなされて迫害される危険が極めて高くなりました。そこで、日本以外の主要ドナー国は軒並み、直ちに現地職員とその家族を積極的に退避させて、基本的に永住前提で、どの国も数万人規模で既に受け入れています、二〇二一年の八月から起算してですね。主要ドナーの退避要件、支援内容、また実績というのは資料五の一にございますので御覧いただければと思うんですけれども。
 他方、二枚目にありますとおり、日本政府は、残念ながら、元現地職員の圧倒的大多数にビザ発給を拒みまして、要するに、長年日の丸の下で働いてくれた元同僚たちを、ある意味で見捨てている状態です。これはやはり、私は極めて非人道的だと思っています。それだけではなくて、ある意味で、今後、優秀な現地職員の方々は、日本政府のために、日本の組織、JICA、NGOも含めて、そういったところで働かない方が安全ですよと世界に向かって宣伝してしまっているようなものです。これは私は日本の国益に資さないと強く思います。それが一点。
 それから、もう一点目が、第三国定住での難民の受入れです。
 これは日本で二〇一〇年から始まったプログラムで、中川正春先生も大変な御尽力をいただきました。ただ、先ほど滝澤参考人がおっしゃったとおり、今でもたった年間六十人程度ということで、これも、私が国際学会などで発表いたしますと、若干苦笑いをされるような、残念ながらそういった数字でございます。
 もちろん、国の成り立ちが違いますので、突然、アメリカのように年間十二万五千人とかを受け入れるというのが日本として現実的ではないというのは分かりますけれども、北欧の小国ですら、年間、少なくとも数千人規模で受け入れていて、さらに、国によっては、極めて脆弱な、例えば体の不自由な方ですとか、そういった難民をわざわざ選んで積極的に受け入れているというのが世界的な現状です。
 あと、日本の第三国定住政策は量より質だとよく言われますけれども、本当に脆弱な難民を受け入れるのでなければ、やはり質という意味でも説得力にちょっと欠けるかなというふうに思っています。
 ということで、現地職員の退避にしても、第三国定住にいたしましても、やはり、他のG7諸国の規模や基準と比べて異次元に少な過ぎる、狭過ぎるというふうに私は思います。国際的に分相応の責任を果たしているとは言えない状態だと思っています。なので、今後も日本が顔の見える国際協力を推進して、積極的平和主義を標榜し、また、G7諸国と歩調を合わせるということを重視するのであれば、やはり、この現地職員の退避と第三国定住というのは異次元に拡充すべきだというふうに私は思います。
 ありがとうございます。

発言情報

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発言者: 橋本直子

speaker_id: 32030

日付: 2023-04-21

院: 衆議院

会議名: 法務委員会