阿部浩己の発言 (法務委員会)

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○参考人(阿部浩己君) 先ほどの陳述の中でも幾つか申し上げましたけれども、それに加えて、私がすごく印象に残っている一件申し上げます。
 これは、ある国から逃れてきた女性の方なんですけれども、夫が交通事故で亡くなった、そのことを理由に夫の親族から危害を加えられるという、こういうことを訴えて本国を逃れてきた人だったんですね。このケースは、原審、第一次審査の段階ではインタビューもなく書面審査だけで不認定になって回されてきました。恐らく、それは私人間の紛争であり、プラス夫が交通事故で亡くなったことでなぜ妻が夫の親族から攻撃を受けるのか、これが言ってみれば奇妙きてれつな考え方だろうということで、そもそもきちんとした審査に値しないというようなことで不認定になったように見て取れます。
 しかし、私は、結果的にこれは認定事案、認定すべき事案だというふうにしました。というのは、出身国情報を調べてみますと、その方の出身国では確かに夫が交通事故で亡くなったというような、いろいろな理由で夫が亡くなったときに妻が夫の親族から攻撃を受けるということが頻繁に行われていて、それが重大な人権問題になっていたんです。そして、そのような事案が欧米諸国では少なからず見られて、難民として認定されているんですね。そういうようなことから、私も様々な情報を収集した上で、この人は特定の社会的集団の構成員を理由にして重大な危害を受ける危険性があるから、本国に戻すのは危険だということで難民と認定すべきだというふうな判断を下しました。
 出身国情報が十分に収集されていなかったこと、そして、私人間の紛争だからといって軽視したことが不認定の原因ではないかというふうに思っています。

発言情報

speech_id: 121115206X01620230523_065

発言者: 阿部浩己

speaker_id: 26080

日付: 2023-05-23

院: 参議院

会議名: 法務委員会