小尾尚子の発言 (法務委員会)
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○参考人(小尾尚子君) ありがとうございます。
今回、明文上こうした規定が置かれたことというのは非常に喜ばしく、歓迎したいと思います。
また、研修を実効性あるものとするためには、難民認定手続に関与する全ての当事者への継続的な研修、能力育成が必要になりますので、先ほど来申し上げましたように、難民調査官だけではなく、不服申立ての手続に関わる難民審査参与員ですとか通訳者、弁護士の方も含めてです、それプラス裁判官の方に対しても専門的な研修を行い、それを継続していくことが求められると思います。
特に、難民認定の決裁権を持っていると思われる法務省の政務三役の方、これは以前にもお話が出てまいりましたけれども、現在の一次審査においては、面接を行う、すなわち難民申請者と直接対話をして面接を行うその方が判断権者ではないんですね。その方の意見調書ですか、を基に、ほかの方々、法務省内のほかの方々がそれを御覧になり、最終的にこの人は認定してもいいだろう、あるいはこの人は不認定だという判断が行われるというふうに理解しております。
ですから、面接を行う難民調査官だけに、例えば今回発表されました手引の内容、そしてそれをいかに使うかということを研修するだけでは不十分で、最終的に判断を下される方全て、この手続に関わられる方全てに研修を行うということが必要になってくるんだと思います。
研修の教材についても、例えばUNHCRは、自らが世界の各地でいわゆるマンデート難民審査というのを行っておりまして、その研修の教材も作っております。こういったものを法務省さんと共有させていただいて、一緒に作っていく。しかも、いろいろなガイドラインが例えば新しく発表されたということになれば、それを随時アップデートしていくということも必要になってくるでしょうし、それが実際の難民認定実務に生かされているかどうかということを評価するということも必要になってくるのではないでしょうか。
すなわち、研修をただやりっ放しにして、これで研修をやりました、何かやりました、だから良かったですねというのではなくて、それが効果的に実際の難民認定に確実に反映されているかということを判断するような評価、評価ですね、が行われる必要性があるのではないかと思います。
それから、出身国情報に関してですけれども、これもやはり同じように、最近、先日のお話の中で、五名の方がこの出身国情報の新しくつくられた部署で働いていらっしゃるというお話を伺いました。私が働いていた頃はそういった専門の部署はまだなかったんですね。ですから、この数年の間にそういった専門の部署ができたということは非常に喜ばしいと考えております。
この五名の方というわけですけれども、将来的にはその数も、それから行う範囲ももっともっと拡充していただければと思いますけれども、それプラス、やはりお役所ですから人事異動というのがございます。二年間、三年間働かれて、やっと経験を持ち、そして知識の蓄積が行ったときに、はい、あなたは次の部署に行ってくださいということが実際は起こっているのだと思います。ですから、これまで蓄えられた知識、経験というものをいかに、例えば人事異動を止めるということは恐らく難しいでしょうから、次の人につないでいくことができるのかということも課題ではないかと考えております。
それからもう一つは、出身国情報の収集、分析を単に法務省さんの中だけで完結するのではなくて、これは是非民間と協力して行っていただきたいというのが私の望みでございます。
例えば、他国では、実際に出身国情報を収集、分析している民間団体と、各国の政府の、難民認定を行っている政府の官庁が一緒に協力して、資金を出してそこに託すというようなことも考えられるでしょうし、充実した出身国情報、特にハイクオリティーな出身国情報の分析が行われていると。
しかも、ただ集めるだけではなくて、例えば難民審査参与員、難民調査官の方が、これについてはどうなっているのだろうか、具体的な例は世界のほかの判例にあるのだろうか、そういったクエリーにも答えられるような、そういった体制を整えていかれるというのも一つではないかと思いますし、各国の、そして様々な状況に応じて、こういった出身国情報を私たちは集めましたということを是非公表していただきたい。それを公表、そして共有することが日本全体の難民認定制度の質の向上というものにつながっていくんだと思います。
ありがとうございます。