武見敬三の発言 (予算委員会)
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○武見敬三君 ただいま岸田総理から、このG7広島サミットに関わるその成果を御報告いただきました。私も、改めて、今回のG7広島サミットは大成功であったと思います。その理由を三つほど、私の考えから述べさせていただきます。
第一は、まず、地政学的に、このユーラシア大陸の逆側にございます東西ヨーロッパ、そこと日本国が位置しておるこの東アジアというものが戦略的にも相互に深く関連するようになったという時代状況を、この戦時にあるウクライナのゼレンスキー大統領の来日及びG7サミットへの参加を通じて、この戦略的関連性を明確に、しかも象徴的に示すことに成功いたしました。
この戦略的意義は物すごく大きいと思います。我が国の今後の安全保障の戦略を進める上における、新しい、このNATO諸国や欧州、幅広くこれらの国々と戦略的に連携する一つの枠組みがつくることができたという点において、私は大成果であったと思います。
二つ目の理由を申し述べます。
気候変動、感染症パンデミックなどを人類社会と地球との共存に対する複合的脅威として捉えたことであります。
経済、社会、文化、様々な分野における人間の営みの集積の結果として、こうした複合的脅威が生まれます。その複合的な脅威に、人類社会がいかにしっかりとそのソリダリティーを固め、そして一致してこれに向かうか、その方針を策定するに当たって、特に、先ほども言及されたグローバルサウスの様々な国々に対する深い配慮をその基本方針として、その複合的脅威に対する解決の指針を示したことであります。
このことは、地球規模の課題に関わる我が国の多国間外交のレジティマシーというものを極めて強く強化をすることに成功をいたしました。この多国間外交における我が国のレジティマシーの強化というものは、間違いなくこれは、実は地政学的な対立場裏の中にある日本外交の安全保障上の立場をも強化するという効果を持つだけに、この両者を併せて極めて大きな成果を得ることができたというふうに思います。
そして三つ目、最後には、やはり我が国は唯一の被爆国として、そして、この広島の平和記念資料館に各国の首脳が訪問されたという、その厳然たる事実であります。
このことは、核兵器保有国による核の脅し、さらには武力により現状を変更しようとする国々の非道さというものを際立たせる、極めて大きな外交的な効果を持つことになりました。これらは、いずれも我が国でなければできなかった、また広島でなければできなかったという事実でありまして、これは、我が国のこの戦略的な意図における平和主義というものを明確に示したということになると思います。その意味で、このG7の広島サミットというのは大変大きな成果を上げられたということで、あっぱれであったというふうに私は思います。
その上で、次の段階は、その成果を踏まえて、どのようにフォローアップで実際にこの成果を具体的な形に整えていくかというのがこの次の大きな課題になってまいります。
例えば、二〇〇〇年に開かれたG8の沖縄サミットのときには、沖縄感染症イニシアチブというのを提唱して、三十億ドルのプレッジをいたしまして、これがきっかけになり、二〇〇二年、エイズ、結核、マラリアと闘う世界基金、グローバルファンドの創設に成功をし、そしてエイズ、結核、マラリアの患者数百万の人々の命を我が国は救うことに大きく貢献をいたしました。
二〇〇八年、我が国がG8の洞爺湖サミットのホスト国であったときには、そのとき、いわゆる疾患別の取組だけではなく、保健のシステム強化というホライゾンタルなアプローチをも提唱をし、保健財政、保健情報、そして保健人材を三つの主要なビルディングブロックスとしてこの保健システムアプローチを主流化することに我が国は成功いたしました。
そして、保健システムアプローチの目的は何だろうかという課題が浮上したときに、全ての人々がこの予防可能な、そして負担可能なコストで、そして予防を含む適切な医療にアクセスすることができるという、そのユニバーサル・ヘルス・カバレッジこそがこの保健システムアプローチの目的であるという共通認識を国際社会の中につくり上げ、二〇一五年、SDGsが採択されるときには、その第三でこのユニバーサル・ヘルス・カバレッジは見事にそのターゲットの一つとして採択をされたわけであります。
そして、二〇一六年、SDGsが採択された後最初に開かれたG7伊勢志摩サミットのホスト国としては、我が国はこのとき、エボラ出血熱が西アフリカで発生をしていた後を受け、この危機管理の体制の構築とユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成、そしてまた多剤耐性に対する対処というこの三つの大きな柱を立てて、そして、特に危機管理のためのプリペアドネス、準備と、プリベンション、予防は、いずれもこのユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成するプロセスの一部であるといういわゆる伊勢志摩ビジョンというものを発表をし、そしてその中で、特にこのユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成する上でのファイナンスをこの保健システムを設計する際のコントロールノブとしてそれを重要視をし、そして日本が主導して、世界銀行とWHOとそしてこの日本と三者が共催する形で、世界銀行のワシントンDCで開かれた春季大会においてはその公式のサイドイベントを開き、そして世界各国の財政の専門家がそこでユニバーサル・ヘルス・カバレッジという保健の問題を取り上げて議論をするという歴史上初の快挙を成し遂げたのも我が国日本であります。
そして、その保健の財政の重要性というものをしっかりと位置付けることによって、我が国は、その後さらに、それぞれ途上国自身が保健財政を強化することによって持続可能な形でユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成することを支援するために、今度はG20のホスト国、二〇一九年、大阪において、歴史上初めて今度は保健大臣・財務大臣合同会議というものを共催をし、そしてそこで、それぞれの途上国がそれぞれの保健財政の規模を拡大し、その質的管理の能力を強化することの重要性を指摘したわけであります。
この大きな、今までの我が国のこうした保健外交におけるG7あるいはG8のホスト国としての果たしてきた大きな役割を踏まえて、今回、このフォローアップの中でどのように具体的な大きな成果をつくり出すかがこれから問われることになります。
私は、改めて、保健財政という分野に引き続き大きく焦点を当て、保健システムをそれぞれの国々が設計をし、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成する上でのコントロールノブとして最も重要な役割を果たす保健財政という視点から、改めてこの保健財政に関わる様々な知見というもの、そしてさらには保健財政に関わる世界の政策人材、こういったものを養成していくことをその大きな役割とした、この保健に関わる、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関わるナレッジハブを我が国に設立をし、そして世界銀行、そしてWHO、ユニセフ、そしてさらにはグローバルファンドと、そして民間からはウエルカム・トラストやゲイツ・ファウンデーションといったようなところとも連携をしながら、こうした新しい保健財政に関わるユニバーサル・ヘルス・カバレッジのナレッジハブを我が国に具体的につくることが、私は今後のフォローアップの課題の中の一つの具体的成果につながるポテンシャリティーの高い課題だと考えるわけであります。
この点に関わる総理の御所見を伺っておきたいと思います。