2023-04-28
参議院
中西寛
政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会
中西寛の発言 (政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会)
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○参考人(中西寛君) 御質問ありがとうございます。
お話ありましたとおり、人間の安全保障というのが、私が座長を務めた有識者懇談会報告書の中心概念、日本の開発協力の基本理念として改めて掲げるべきだというふうに書き込みました。これは、有識者のメンバー、皆さんいろいろな立場から御参加をされていたんですけれども、初回に皆さんの総括的な御意見を伺ったときに、基本的に全ての委員からそういうような御発言があったというふうに記憶をしております。
人間の安全保障という言葉が何を意味するかということについては、いろいろな考え方があろうかと思います。先ほど若林委員からお考えがありましたけれども、若林委員のような捉え方も一つではあろうかと思いますが、私は、必ずしもそれに限られるものではない。あえて申しますと、まあいささか曖昧であるけれども、人間という言葉と、つまり個人であったり社会であったり、場、様々なつながりでありますけれども、国家ではなくてそうした人間そのものに焦点を当てるということ、そして、広い意味での安全を高めるということについてコンセンサスが得られやすいということが重要だと思います。
例えば、ミャンマーのような民主化が進んでいると思われた国で、その状況が残念ながら後退してしまうということは現在の国際政治では生じてしまうわけですが、そのときに援助を止めてしまうというのも確かに一つの考え方だろうと思います。しかし、現地でその民主化の支援やそうした政治変動で苦しむ人々がいることも確かですので、そうした人々を助け続けるということも日本の開発協力の在り方ではあると思います。
そういう場合に、その政府を支援するのではなくて、人々を助けるんだという理念そのものを維持しながらどのように対応すべきかということをある程度実践的な観点から検討するということが必要ではないかという、そういう御意見もあったかと思います。
今お話にありました連帯ということについて、UNDPがどのような意味で言っているか、私は詳細に残念ながら承知しないんですが、あるいは、従来の、とりわけ西側が言ってきました人権を重視するという考え方は、個人の人権というのを重視するという考え方が根底にあるわけで、それは確かに一つの理念として正しいものであると思いますけれども、世界的に見たときに、必ずしも個人単位で人々の安全というのを考えるわけではなくて、家族であるとかコミュニティーでありますとか様々なつながりの中で個人が安全を得るという考え方もあろうかと思います。
改めて、UNDPがそういう点を見直すことを言うためにこの連帯という言葉を重視するという話であるとすれば、日本が掲げようと我々が提案しました人間の安全保障という考え方と重なり得るものだと思います。