政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会

2023-04-28 参議院 全110発言

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会議録情報#0
令和五年四月二十八日(金曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月七日
    辞任         補欠選任
     広瀬めぐみ君     大家 敏志君
     森屋  隆君     勝部 賢志君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     上月 良祐君     酒井 庸行君
     田中 昌史君     今井絵理子君
     塩田 博昭君     秋野 公造君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     広瀬めぐみ君
     中西 祐介君     山本佐知子君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     広瀬めぐみ君     有村 治子君
     山本佐知子君     友納 理緒君
     秋野 公造君     新妻 秀規君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        三原じゅん子君
    理 事
                青木 一彦君
                江島  潔君
                高野光二郎君
                高橋はるみ君
                石橋 通宏君
                矢倉 克夫君
                清水 貴之君
    委 員
                青山 繁晴君
                朝日健太郎君
                有村 治子君
                今井絵理子君
                上野 通子君
                臼井 正一君
                大家 敏志君
                酒井 庸行君
                高橋 克法君
                友納 理緒君
                広瀬めぐみ君
                松山 政司君
                山本佐知子君
                勝部 賢志君
                塩村あやか君
                田島麻衣子君
                牧山ひろえ君
                水野 素子君
                河野 義博君
                窪田 哲也君
                新妻 秀規君
                石井 苗子君
                鈴木 宗男君
                上田 清司君
                浜口  誠君
                紙  智子君
                大島九州男君
                高良 鉄美君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        中西  渉君
   参考人
       開発協力大綱の
       改定に関する有
       識者懇談会座長
       京都大学大学院
       法学研究科教授  中西  寛君
       東京大学東洋文
       化研究所教授   佐藤  仁君
       特定非営利活動
       法人国際協力N
       GOセンター理
       事
       THINK L
       obby所長   若林 秀樹君
       国際連合世界食
       糧計画日本事務
       所代表      焼家 直絵君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に
 関する調査
 (我が国の開発協力をめぐる諸課題と開発協力
 大綱の在り方に関する件)
    ─────────────
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三原じゅん子#1
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十日までに、森屋隆君、広瀬めぐみ君、塩田博昭君、田中昌史君及び上月良祐君が委員を辞任され、その補欠として勝部賢志君、大家敏志君、秋野公造君、今井絵理子君及び酒井庸行君が選任されました。
 また、昨日、中西祐介君及び有村治子君が委員を辞任され、その補欠として山本佐知子君及び広瀬めぐみ君が選任されました。
 また、本日、秋野公造君が委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君が選任されました。
    ─────────────
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三原じゅん子#2
○委員長(三原じゅん子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に開発協力大綱の改定に関する有識者懇談会座長・京都大学大学院法学研究科教授中西寛君、東京大学東洋文化研究所教授佐藤仁君、特定非営利活動法人国際協力NGOセンター理事・THINK Lobby所長若林秀樹君及び国際連合世界食糧計画日本事務所代表焼家直絵君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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三原じゅん子#3
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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三原じゅん子#4
○委員長(三原じゅん子君) 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のうち、我が国の開発協力をめぐる諸課題と開発協力大綱の在り方に関する件を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、中西参考人、佐藤参考人、若林参考人、焼家参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず中西参考人からお願いいたします。中西参考人。
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中西寛#5
○参考人(中西寛君) 本日お招きいただきまして、ありがとうございます。十五分間ということで時間限られておりますので、早速、報告、陳述に入らせていただきたいと思います。
 お手元に骨子の二ページのものがあるかと思いますので、そちらを御覧いただきながら聞いていただければと存じます。
 私、本日は、先ほど委員長からも御案内ありました開発協力大綱の改定に関する有識者懇談会の座長としてお招きいただいたものと思っておりますが、その内容につきましてはこちらの参考資料の私の部分の二ページの方に骨子があります。また、本文の方もその後続いておりますので、御覧いただければと思います。
 これについては後ほど触れさせていただきまして、本日の陳述は、まず、私個人の観点で現在の国際情勢をどういうふうに見るか、そして日本外交、とりわけ開発協力に関する課題ということをまずお話しさせていただいた上で、先ほどの有識者懇談会、あるいは現在検討中の大綱について後半で触れさせていただくという形でお話をさせていただきたいと思います。
 まず、現在の国際政治の現状についてどう見るかということでありますが、言うまでもなく、昨年二月に始まりましたロシアのウクライナ侵攻によって国際状況は大きく変わりまして、日本外交もそれに伴って大きな変化を経ているということは改めて申すまでもないかと思いますが、もう少し長期的に国際政治構造の変化というのを見ますと、大体、過去四十年ほどの変化の中で位置付けることができると私は考えております。
 一九八〇年頃から二〇〇〇年頃、本格的に今我々が見ておりますようなグローバリゼーションが始まり、深化、拡大をしていったというふうに思いますが、そのときにはアメリカを中心とした西側主導のグローバリゼーションというふうに言うことができたと思います。その中で、アメリカは非常に強力な、政治、軍事、経済、文化、技術、あらゆる面で世界を圧倒する覇権国というふうにみなされていたわけであります。
 しかし、二十一世紀に入りますと、そうした状況は次第に変わってきて、現在に至っているというふうに言えるかと思います。とりわけ、二〇〇一年に御記憶の九・一一事件がありまして、アメリカがテロとの戦いでアフガニスタン、イラクで戦争を行うという辺りから西側の主導性は徐々に後退をし始めまして、二〇〇八年に、いわゆるリーマン・ショックで、アメリカ発の世界経済危機の危険が大きくなる。そういう時代に、西側は自らの力でグローバリゼーションを維持することが次第に困難になりまして、いわゆる新興国、中国、ロシアを含めた新興国の力に頼るということからG20の首脳会議も発足させたという流れであったかと思います。
 しかし、二〇一〇年代に入りますと、そうした新興国の中の一部は西側と価値観を共有しないというふうに認識が強まりまして、次第に大国間競争が強くなってくる。とりわけ、二〇一六年、イギリスがEUを離脱を決定するとか、あるいはアメリカでトランプ政権が、トランプ大統領が当選をして、西側主導の秩序そのものに批判的な姿勢を取るといったようなことが起きましたし、また、アメリカ、イギリス、その他の国々で激しい政治的亀裂が外交にも影響を及ぼすようになってきました。
 他方で、地球規模課題と呼ばれるような、気候変動あるいは感染症対策といったような問題が深刻化をしていったわけであります。今回のウクライナ侵攻の前に世界の大きな関心を集めていました米中の対立ですとか、二〇二〇年の初頭から始まりましたコロナパンデミックはそうした現象の端的な例でありまして、昨年始まりましたウクライナ侵攻は、大きな変化の契機ではありますけれども、こうした一連の流れに位置付けて考えるべきだというふうに考えます。
 実際、昨年二月から今年二月、ロシアのウクライナ侵攻一年を期して国連総会で何度かロシア非難決議がなされたわけですけれども、大体百四十か国ぐらいの国は賛成するけれども、反対はロシアを含めた五から六、棄権、欠席は五十というような数字は変わっておりません。そして、西側を中心にロシアに対しては厳しい経済制裁を掛けているわけですが、そうした制裁に参加しているのは世界の中で四十か国程度という状況も変わっておりません。また、昨年四月に国連の人権理事会でロシアの資格停止決議がなされたわけですが、ここでは、賛成は九十三、反対が二十四、棄権が五十八というような状況でありました。まあ最後の数字辺りが、恐らく現在のロシアに対する世界的な反応という平均値を表しているのではないかと思います。
 すなわち、国際政治は、そのロシアの侵攻が法の支配に反する違法なものであるという点では大多数の国が認めているけれども、だからといって、この問題に全て集中してロシアを非難し、ロシアに対して圧力を掛けるというようにはなっていない。とりわけ制裁については、いわゆる制裁逃れといいますか、抜け穴があります、存在するわけです。
 それは、対ロシアに圧力を掛けるという点からするとマイナスであるということなんですが、昨年の世界経済の状況を見ていましても、中国やインドにロシアからの石油、天然ガス、エネルギーが流れていたということが世界経済に与えたショックをソフトランディングさせたという面も否定できないのでありまして、そういう意味で、法の支配の正当性と同時にグローバルな交流が現在の世界にとっては必要であって、西側の自由民主主義国と権威主義、専制体制の国の分断というのは必ずしも世界全体の利益にはなっていないということが確認されたかと思います。
 そういう中で、昨年十一月にG20のバリ首脳宣言がなされたわけですが、これは、議長国インドネシアと今年議長国になりましたインドを中心にしてロシアも参加する中で取りまとめた内容ということで、取りまとめられたこと自身が一定の成果であったというふうに言えるかと思います。
 その内容については、五十二の段落の中で、ウクライナ戦争に関する言及、これはロシアに対する一定の非難を含んだものですけれども、それは二段落のみでありまして、それ以外は食料、エネルギー、気候変動、生物多様性、SDGs、金融、デジタル化、WTOといったような諸問題について触れられているということであります。
 これは、G20の、とりわけいわゆるグローバルサウスを代表すると考える国々からすると、こうした問題の方が率直に言ってウクライナの戦争よりもより喫緊の深刻な課題であるということでありまして、インフレ、それから気候変動による干ばつによる食料難、そして生活苦難ということが政治にも大きな圧力を掛けていたわけですので、そうした問題をアドレスするという点では、G20は取りあえず一致したということを示しているというふうに言えるかと思います。
 そういう観点からしますと、日本を取り巻く国際情勢についても、二重性といいますか、多層的に考える必要があるというふうに考えます。
 政治、安保面では、日本は、言うまでもなくアメリカの同盟国であり西側の一員でありますから、対ロシアに対する圧力を掛ける、そういう立場にあるということは正当で、アメリカやヨーロッパ諸国と関係を強化する、そうしたことも当然であろうかと思います。
 とりわけ日本は、御案内のように、大国間競争の第一正面として米中対立、北朝鮮の軍事的脅威、そしてロシアの脅威といったようなものに直面しておりますから、日本外交が、昨年十二月に政府が閣議決定した国家安全保障戦略その他の文書を中心として、防衛力、抑止力を強化していくということは必要であろうかと思います。
 しかし、抑止力を強化するのは目的ではなく手段でありまして、その最も重要なことは、抑止と対話によって東アジアの安定を維持し、大国間の戦争を招かないということであります。
 そのためにも考えるべきことは第二の側面でありまして、地球規模の経済社会において日本がどういう役割を果たすかということでありまして、この点では、二〇一〇年代からインド太平洋という枠組みを日本が主唱してきたということは世界的にも高く評価されていることであろうと思います。今日の国際情勢は、このインド太平洋という地域、あるいは地球の中の重点としての重要性が高まっているということでありまして、世界的な競争と協力の焦点にインド太平洋がなってきているということであります。
 その点で、日本外交の役割と任務は、先ほど言いましたように、大国間の競争の戦争化を回避するとともに、自由で開かれたインド太平洋を維持するということでありまして、具体的には、来月広島で開催予定のG7のサミットのような枠組みと、それからグローバルサウス、G20のようなグローバルサウスの諸国の間の架橋をするということをどういうふうに実現していくかということであろうと思います。
 その点で、日本の開発協力政策は非常に重要な役割を持っていると思います。日本の開発協力の特徴として、専門機関、JICAのような組織を持っているということが一つ挙げられると思います。とりわけ、アングロサクソン、アメリカやイギリスはODAについては民間の組織に委ねるという方針を取っているわけですが、日本やドイツは一定の組織を持っていると。そうした組織を持つことによって対象国の関係組織と密接かつ長期的な関係を築くということが一つあります。
 さらに、日本の場合は、インフラ開発もやっているわけですが、社会福祉や教育、医療など非常に多様な側面の開発をやっております。
 二ページの上の方の表に、こちら、政府の政府開発援助白書から引用しているものですけれども、見ていただければ分かりますように、日本の援助、二国間援助は、社会インフラ、経済インフラ、その他の部分についてかなり幅広くバランスよく行われているということで、とりわけ経済インフラについては、西側の中では突出しているという特徴があります。そうした援助は、時には日本の中では、日本の顔が見えていないのではないかというふうに言われることがありますが、少なくともミクロな現場レベルでは、受入れ国からはかなり感謝や評価をされているというふうに思います。
 もちろん、たくさんやっていますので、個々のものについて問題があるものもないとは言えませんが、そうしたミクロのレベルでは一定の意義があると思いますが、問題は、全体として、日本がどういう開発協力をどういう理念の下で行っているのかということが日本人にも外国にも必ずしも明確でないということと、とりわけ日本の中では、ミクロなレベルでどういうことをやっているのかというのが必ずしも認知されていないということだと思います。そういう意味で、私は、今回の大綱改定に向けて、今申し上げたような点を特にアドレスする必要があるというふうに考えておりました。
 冷戦が終わった後、日本は初めてODA大綱というものを出しまして、日本のODA供与の理念というのを示そうとしました。そのとき、日本は世界最大のODA供与国だったわけであります。しかし、その地位は二十一世紀になると失われまして、その中で日本の開発協力をどういうふうにするかということで見直したのが前回、二〇一五年の開発協力大綱でありまして、援助形態やパートナーの多様化といったような状況に対応するものだったというふうに考えております。
 今回の大綱改定も基本的には前回大綱の大きな流れの上に沿っていると思いますが、有識者会議としては、とりわけ日本が打ち出すべき理念としては、人間の安全保障という言葉を改めて重視すべきではないかと。そして、それは日本の国益と国際的な公益、地球規模の課題というものが長期的に一致するという観点をより重視するべきではないか。そして、インド太平洋という地域を中核とする自由で開かれた秩序を推進する、いわゆるFOIPというような考え方を新たにこの大綱にも反映させるべきであると。
 それから、開発援助というのは、かつて二十世紀のある時期までは豊かな国が貧しい国を助けるという垂直的な援助というイメージがありましたけれども、むしろ、今日ではグローバル課題に取り組む水平的な協力関係としての側面が強くなっている。そして、日本として長期的に二〇三〇年までのSDGsを超えた長期ビジョンを考える必要があるし、その中で、十年程度で国際目標であるGNI比〇・七%を実現すべきであるというようなことを含みました。
 今回、新大綱案が出されまして、私の観点から申しますと、おおむね有識者会議の内容を反映していただいていると思いますが、幾つか問題があるというふうに思っております。
 一つは、やや総花的で長文になってしまっているということで、私は、個々の政策についてはより下位の文書によってまとめるべきで、全てを入れるべきではないと思っているんですけれども、なかなかいろいろな都合で長文になってしまっているということで、一読してはっきりしたイメージを持ちにくいということ。
 それから、新たに日本が始める安全保障協力とのすみ分け、とりわけ平和国家として日本が持ってきたイメージと新しい安全保障協力、これは、これ自身は私は一定の必要性はあると思っておりますが、その中でのバランスということが必要だろうと思います。
 最後に、援助規模について、残念ながら大綱では有識者会議の〇・七%を明示的に何年までに達成するという目標は入れられなかったんですけれども、いろいろな財政事情が当然あることは承知しておりますが、ほぼ日本と同規模の経済規模になっているドイツやイギリスやフランスでは、〇・七%や〇・五%は達成しております。日本は〇・三四%です。それらの国との関係、それから、とりわけ中国を始めとする新興ドナー国との交渉力においても、やはり日本が一定の量を出す必要はあるというふうに考えておりますので、この点、具体的な予算において配慮をお願いしたいと思います。
 済みません、私からは以上でございます。
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三原じゅん子#6
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。
 次に、佐藤参考人にお願いいたします。佐藤参考人。
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佐藤仁#7
○参考人(佐藤仁君) 東京大学東洋文化研究所の佐藤と申します。
 今日は貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。また、国民の、一般国民の視点からすると、必ずしも人気があるというか、注目されないようなこのトピックについて、日頃、議員の先生方が議論してくださっていることに対して感謝申し上げたいと思います。
 私の今日の発言は、ODA大綱の書きぶりとか中身そのものというよりも、長期的に見た日本の開発協力の足腰について、私なりにある種の切迫感を持っていますので、そのことについて少しお話をしたいと思っております。
 三つ論点がございまして、お手元の資料を御覧ください。
 まず一点目なんですけれども、これまでやってきたことの総括と資源化、これが余りできていないんじゃないかということですね。開発協力というのはどうしても前のめりになるというか、こういうドキュメントを作ると、こうします、ああしますという話がたくさん出てくるんですが、これまでしたことはどうなったのかという総括が非常にないがしろにされることが多いです。この大綱でいえば、前作った大綱で一体何ができたのか、何ができなかったのかというような振り返りというのがきちんとなされるべきだと思います。
 私は、このことをすごく考えさせられたのが、たまたま二〇二一年に「開発協力のつくられ方」という本を出しましたけれども、その資料集めに東南アジア各国を回って、八〇年代から九〇年代にかけて物すごく批判された案件を見て回りました。
 八〇年代から九〇年代というのは、私ちょうど学生の頃で、その頃出てくる開発協力、ODAの本というのは、ODAがいかにひどいかという本が多かったんですね。いかに公害をまき散らしているかとか、地域住民を追い出して、非常にトップダウンな、かえって害をもたらすものであるかという、いわゆるODA批判が吹き荒れていた時代です。それから二十年、三十年たって、そうやって批判された案件はどうなったのかということを見に行くということで、十六案件見に行きました。
 例えば、訴訟にもなったコトパンジャン・ダムとか、あるいは血塗られたODAと言われたフィリピンのバタンガス港とか、あるいは地獄の木を植えるなといって怒られていた東北タイのユーカリ植林とかですね、そういったところを一個一個回ってみて分かったことは、八割以上は今も生きて案件として機能していて、かつ現地の人にかなり感謝されているということだったんですね。
 もちろん、全てが全て問題案件が魔法のように優良化したわけではありません。その途中にはいろんな話があって、今日は時間がないので申し上げられませんけれども、しかし、これから分かるのは、開発協力というのはやっぱり時間がたたないと本当の効果が分からないということなんですね。十年とか二十年ぐらいで見ないと本当のことが分からない。それを踏まえて考える。
 しかし、日本がやってきたことというのは、問題案件ですら長い期間の中で人々の信頼を勝ち得ているということであって、これをちゃんとアセットとして、資源としてこれからの開発協力に使うべきじゃないかというふうに思うんです。ただ、これが使えていないということなんですね。
 私が、その問題案件が優良化したことはすごく驚きましたけれども、もっと驚いたのは、当時援助を批判していた人も、あるいは当時援助を思い切り批判されていたJICAも、この二、三十年後の問題案件のその推移を誰もフォローしていないということなんです。これはやっぱりフォローしなくてはいけないもので、ここの中に実は日本の足腰に関わる宝がたくさん眠っているというふうに私は思っております。
 過去の案件を信頼醸成のためのアセットにしていただきたいというふうに思っています。また、それだけのアセットが日本の案件のその多様性とそれから量的蓄積の中に眠っているわけで、これを生かさない手はないと思いますし、信頼という観点では、やはり日本が先進ドナーの中で唯一武器輸出をしてこなかった国であるということもとても信頼の底辺にあると思っていますので、このことも付け加えたいと思います。
 二番目の論点に参ります。
 これは、援助に関するドキュメントは、その究極の目的をしばしば自助努力とか自立とかというふうに言っています。これ考えてみますと、援助というのは、当たり前なんですけど、他者あっての援助なんですね。しかし、このことがしばしば忘れられて、自立、自立という、それが呪文のように繰り返されると。しかし、自立というのは、よく考えてみますと、何か全部自分で何でもできるようになるということよりは、必要なときに頼れる先があるというのが本来の自立ではないかと私は思っています。
 そのように考えますと、開発協力というのは、自分で何でもできるようにする手助けをするというよりは、より良い依存関係をつくっていく、必要なときにお互い助け合う世界の仲間をつくっていく触媒だというふうに考えるべきなんじゃないかというふうに思っています。
 実は、日本自身がこれまでの発展の経験の中でいろんな国に助けてもらいながらここまで来たという国であります。明治時代のお雇い外国人とか近代化の歴史はもう先生方よく御承知だと思いますし、戦後のアメリカの対日援助、あるいはもっと直近でいえば、あの東日本大震災のときの世界からの日本に対する援助、こういった日本は援助をされる経験をたっぷり持っている国であるわけですから、そういったことを生かして、より良い依存関係ってどうやってつくっていけるのか。つまり、持ちつ持たれつの関係をつくるためにODAをどう生かせるのかという観点でこれからの政策をつくっていくべきではないかなと思います。
 援助の受入れだけではございません。円借款事業、これは援助を出す側ですけれども、円借款事業にしても、これ細かく見ていきますと、円借款の事業の実施については、半分ぐらいが外国の企業が請け負っているんですね。つまり、日本が幾ら国益だ国益だと叫んでみたところで、それを受注して現場で工事をしているのは外国の企業である場合が非常に多いわけです。そうすると、これは持ちつ持たれつの中で日本の援助事業も行われているという認識をやはりしっかり持つべきなんじゃないかなと思います。
 というわけで、その自助努力を強調するよりも、やはり良い依存関係をつくっていくという発想転換が私は必要だと思いますし、今回の大綱では、例えば個人の保護とか能力強化という文言が出てきますけれども、やはり一人で生きている人はどこにもいないわけであって、みんな何らかの集団の中で組織の中で生きているわけですから、そういった依存関係の中でこういった個人の保護とか能力強化というのを考えていくという視点が必要なんじゃないかなというふうに思っております。
 三点目に移ります。
 これが最も私が職業柄も含めて危機感を持っていて、一番今日のお話の中で大事だと思っている点なんですが、人材育成のことでございます。
 自らアジェンダを設定できる人材がこの業界にもっといなくてはいけないと思います。ODA大綱にどれだけ立派なことが書かれても、それを担う人がいなければ絵に描いた餅なんですね。担う人はどこにいて、どこから集まってくるのか、これが一番重要なことだと思います。
 私自身も自分の学生を何人かJICAに送り込んでいるというか、JICAに入った学生もいますし、受けて落ちた学生もたくさんおりますけれども、実際、JICAは実施機関としていまだにすごく人気のある、学生に人気のある就職先になっています。ただ、残念なことに、三十五歳から四十歳ぐらいにかけて、多くの職員が途中で辞めているという現実がございます。これは、私詳しくは分かりませんけど、周りに聞いている範囲です、もうかなりの数の人が途中で辞めている。これはいろんな理由が恐らくあるでしょうし、別にJICAに限らず、どこの企業だって最近は途中で辞める人多いじゃないかと、あると思います。
 ただ、やっぱり国際協力の分野というのは、言わば特殊なというか、途上国のために、そして日本のためにもですけれども、やる仕事というのは、特別の情熱を持って、そして高い能力を持って入った人なわけですね。それが途中で辞めてしまうというのはいかにも残念なことではないかと思います。
 その人たちを別に全員が全員を辞めさせないようにするというのは無理だと思いますけれども、やはりその現場の職員の待遇問題というのは是非我々考えるべきじゃないかなと思います。これは給料のことだけではなくて、例えば若い職員がプロジェクトを任せてもらえるとか、やりがいを感じられるとか、いろんな角度からこの現場の職員の待遇というのを考えていかないと、結局この大綱にどれだけ立派なことを書いても、足腰がもう細っていくわけですね。だから、開発協力の担い手をどうやって優秀な人たちを集め、その人たちを支えるかという、その発想が必要だと思います。
 私、三十年ほど前にハーバード大学に留学したときに、入学式で、ある教授がこういうことを言っていました。君たち、ハーバードはなぜ成功しているか知っているかと。それは、ハーバードが学生たちをうまくいくように教育しているからではないと、元々成功しているやつを連れてきているから成功しているんだという、そういう話をしていました。これ、もちろん鼻につく言い方だと思います。ただ、一定の真理を僕はついていると思っていて、やはりこの開発協力の世界を盛り上げていってうまくいかせるためには、そこに良い人を集めてくる、良い人を集めてくるにはどうしたらいいかということをやっぱり考えるということが必要だと思います。
 そこで、私自身の活動に引き付けて申し上げますと、やはり私が今危惧しているのは、日本国内に様々ある、いわゆる国際協力とか国際開発系の大学院に進学をしたいという日本人が減っているということですね。名古屋とか神戸に国際協力を専門にする大学院ございますが、まあ六割から七割ぐらいが留学生が占めています。別に留学生が国際協力のカリキュラムに入って問題あるわけではありません。結構だと思いますけれども、しかし、日本のODAの主力を担っていく日本人が、自分も開発のことを勉強したいというふうにやっぱり集まってくるような場であってほしいと僕は思っていますので、これをどうしたらいいかというのは非常に考えています。
 私が一つ思っているのは、やはり大学院レベルではもう遅くて、日本の学部教育の中でこの開発協力の話題をもっと学生たちに振りまく、振りまくというのかな、そういう話をしてあげる先生をもっと増やさなくてはいけないと思っています。もちろん、先生の講義だけがきっかけではありませんけれども、そういった先生が増えるということによってこの分野に関心を持つ一般の人たちが増えていって、その中にはODA大綱の担い手として現場で活躍する人も増えていくという、そういう好循環が期待できるのではないかと思っています。なので、私自身も今までちょっと大学院のことばっかりやっていて学部の教育サボってきたんですけれども、この秋から東大の一、二年生を対象に開発協力の授業を自分自身やりたいというふうに思っているところです。
 最後に書きました国際開発協力の科研、科学研究費の細目を入れると書きました。これ、一見、研究者の利害に引き付けた非常に小さい提案であるように思われるかもしれませんけれども、現在、大学という場所も非常に予算が逼迫していて、みんな外部資金を取ってこい、外部資金を取ってこいと言われます。
 開発協力をやっている先生が外部資金を取ろうとした場合に、細目というのがございまして、これは、あなたは政治学ですか、あなたは経済学ですか、あなたは社会学ですかと言われてしまうんですね。私は国際開発協力をやりたいといったときに細目がないわけです。この細目を作っていただければ、開発協力を専門に、誇りを持ってそれを専門にし、そこから予算をもらい、そういう教員が励まされ、かつ励まされた結果を学生に伝えることもできるということであって、こういった大綱の実施に将来不可欠になってくる若手の育成ということも視野に入れて人材育成を図っていく必要があると思います。
 この人材育成の問題、本当に逼迫しているというか、私は非常に危機感を持っていて、そういった危機感がこの現在の今の大綱の案を読んでいると全く感じられないので、もちろん人材のことだけではありませんけれども、是非この人材の問題は踏み込んで取り上げていただきたいというふうに思っております。
 以上、私、三点申し上げました。一点目は、これからやろうとすることよりも、これまでやってきたことの総括をし、そこから未来を構想するというそういう発想が必要である。二番目は、自助努力とか自立とかということをかたくなに強調することよりも、その良い依存関係を援助を触媒にしてつくっていく、そういう発想転換が必要ではないか。三番目に、自らアジェンダを設定できるような人材の育成。
 これ、ここ、済みません、ちょっとまだ一分ぐらいございますので補足いたしますけれども、最近SDGsがはやっています。これも私から見ると、かなり外から降ってきたようなところがありまして、自分で課題を設定するという能力をむしろそいでしまうような面があります。私は別にSDGsを一生懸命やる人に反対ではございませんけれども、世界の複雑な問題に取り組んで自分なりにアジェンダを設定できる人材というのはこれはこれでつくっていかなくちゃいけない。外からやってきたゴールを、じゃ、私はゴール幾つをやっています、私はゴール幾つをやっていますというのは非常に受け身で、自分でアジェンダを作っていくというそういう力につながってこないところがございますので、是非、その現場にたくさん行って、自分でアジェンダを作れる、そういうような人材をつくっていきたいと私自身も思っていますし、そういう環境をつくるための制度設計ということに先生方のお力をお借りしたいというふうに思っております。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。
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三原じゅん子#8
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。
 次に、若林参考人にお願いいたします。若林参考人。
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若林秀樹#9
○参考人(若林秀樹君) 御紹介いただきました若林と申します。
 今の佐藤仁先生の最後の発言にエコーする形で申し上げたいんですけれど、やはり、特にNGO業界も若い人が入ってこない。それは魅力ある職場であるかどうかという問題もありますが、一方、やっぱり処遇が悪いんですよね。昔は三十歳問題というのがあって、三十になると大体辞めていったというところが、今入ってこないんです。それだけやっぱり処遇、特に賃金の格差が大きいということは非常に将来課題になる可能性はあって、せっかく大学院まで出た人が、夢も希望も破れてほかの業界に行ってしまう、企業に行ってしまうのが今の現実ですので、そういう意味では、政府開発援助についても、政府ができない協力をやっていくというのが市民社会組織の役割だと思いますので、そういう意味で非常に危機感を感じているので、最初、冒頭申し上げておきたいなというふうに思っております。
 私自身は、二種類の資料で、横長のパワーポイントの資料を刷ったもので私の名前が書いてあるやつと、もう一つ、日本のODAに関するデータというのを御説明をさせていただきたいと思います。
 一枚目めくっていただきますと、自己紹介がそこに出ているんですが、まあちょっと変わった経歴でですね、元々、一九九三年にワシントンで、日本大使館で、ODA担当官、一等書記官として三年間勤務をいたしました。元々民間企業出身でありますけれど、労働組合、そして国会議員として、参議院議員としてこの場に立って質問をした側が二〇〇六年です。そういう意味では、二〇一七年に参考人として一回出ていますが、それ以来の登壇ということになるかなと思いますし、その後、シンクタンクで少し国際協力を研究し、そして今、このJANICという国際協力をやっているネットワークNGOで事務局長を五年ほどして、今、シンクタンクを立ち上げてこの問題にも取り組んでくるところです。
 そういう意味で、三十年ほどを振り返って、非常にいい機会だったなというふうには思うんですけれど、この間のやっぱり変化、あるいは、どういうふうに開発協力が変化しているのかということを踏まえて、ちょっと感想も含めてお話をしたいなというふうに思います。
 まさに九〇年代は日本はトップドナーでした、断トツのですね。それが今は第三位でありますけれど、まず、この日本のODAに関するデータというのを見ていただきたいなと思っています。この縦長の表です。是非、皆さん方の御理解を確認しながら進めていきますので、是非見ていただければなというふうに思っております。
 これは、四月の十六日にデータ出た、ほやほやの速報値であります。日本は、アメリカ、ドイツに次ぐ日本は第三位でありまして、百七十四億ドルですね、単位としては。一位のアメリカが五百五十二億ドル、ドイツが三百五十億ドルです。トップドナーだった最後は二〇〇〇年なんですね、日本が。それを一〇〇とすると、アメリカは五・五倍に増えています。ドイツは七倍です。日本は一・三倍です。
 どこかで見たグラフのように、この三十年間の変遷を見ると、本当に日本のODAの実績は伸びていないです。これが実態なんですが、さらに、課題は、日本のODAは円借款が極めて多いんです。
 日本の円借款は、DAC全体の六三%が日本の円借款で占めているんです。二国間贈与、無償資金協力とかそういうものと円借款含めると、五割を超えているのは日本だけなんです。本来は無償資金協力が国際協力をやるべきだという論争もあったんですが、結局、この実績で上乗せしているのは日本の円借款であると、そこも一つ大きな課題であるということもお知りおきいただければと思いますし、今民間資金があふれ出ているんですよね。むしろ、民間資金の方がODAのそれよりは多いんです。
 そういう意味で、この円借款を増やすのもいいんですけれど、もっと大事なのは、一般会計予算におけるODA予算が減っているんです。これもう二分の一ですから、二十五年前の。結果的に防衛予算が増えてODA予算が下がっているということが、この中身の中でなかなか見えにくいんですけれど、そういう実態になっているということをまず御理解をいただきたいなと思っています。
 二ページ目が、ODAの対GN比、比です。〇・七%目標というのは聞かれたと思うんですけれど、速報値で日本は〇・三九%であります。
 ここ増えているんですが、ウクライナの問題もありますし、円借款が増えていて、結果的には〇・三九で高いんですけれど、まだまだ〇・七%には程遠いというのが今の現状になりますので。G7ではドイツのみが〇・八三%で、〇・七%を超えている。これをどうやって国際目標に近づけていけるかというのも是非お考えいただいて、皆さん方のリーダーシップでこの〇・七%目標を達していただければなというふうに思っております。
 それから、更にページをめくっていただきますと、これもこれでショッキングな数字なんですけれど、NGOを通じた政府開発援助の数字が、日本、どこにあるか分かりますか。右から二番目の一・三%ですよ。単純平均で二〇%ぐらいなんですけれど、ODAをNGOを通じてやるというのが結構、国際的にはスタンダードになっているんですが、日本は極めて低いんですよね。これについては後でちょっともう一回触れたいなと思っています。
 それから、その下の政府全体のODA予算が、一九九七年が一兆一千六百八十七億あったものが、今年は五千七百九億で、半減です。これが結果的に二国間援助、無償資金協力の減少につながっていて、表面的には上がっている感じもしますが、実は中身は大きく変わって、無償資金協力がめちゃくちゃ減っているというのが現実だということを御理解をいただきたいなというふうに思っております。
 この横長の資料に戻りたいんですけれど、一枚めくっていただきますと、何のための開発協力大綱なのかということを二枚にまとめているところであります。
 私から見ますと、非常にまとまったいい文書であるんですが、役所の論理が詰まった、調整して整合性が取れたいい文書であるんですが、これを見た人たちが本当に夢を持ってこの業界に入ってくるでしょうか。経済安全保障、国益だ云々という、そうではなくて、何のために開発協力があるかということがこの大綱からにじみ出て、それを読んだ若者が、若い人がこの業界に入ってこないといけないんですよ。そういう意味では、非常に役所の文書としてはいいんでしょうが、私はやっぱり開発協力大綱は何のためなのかということについては少し、一回どうなのかということを考えてもいいんじゃないかなというふうに思っております。
 外務省によれば、開発協力というのは、政府だけではなく民間部門や地方自治体も含めたオールジャパンの協力なんですね。もうこれはそのとおりなんですけれど、一方、大綱を見てみますと、びっくりするんですが、中盤ですね、開発協力はいまだに開発途上地域の開発を主たる目的とする政府及び政府関係機関による国際協力活動という定義があるということは、すごいこれ矛盾しているんですよね。これ、国際協力はもう政府だけのものではないし、資金的には民間部門の方が多いわけですよ。こういう捉え方自体が全体のこの文書の整合性を欠けていることになって、後ほど、いろんなところと連携しなきゃいけないということで、企業とか民間部門とか出てくるんですけれど、定義そのものがこういうことになっているというのがこのスタート段階であるんじゃないかなというふうに思いますので。
 やはりこの三十年間、東西冷戦が終わり、九〇年ですかね、で、九二年に最初の大綱が出ているんですが、そのときは東西格差があったんです、南北格差があったんです。そういう格差の中、日本はトップドナーで頑張って開発援助をずうっとやってきたんですが、もうグローバルサウスと呼ばれる途上国の所得がどんどん上がってきています。最貧国が数が減っています。ほぼアフリカの一部の国で、日本も停滞していますが、その格差は減っているんですよね。
 ですから、全体的なこの文書は、やはり援助、援助国、援助してあげる立場の国の文書であるという感覚がここから抜け出ていない。一方、被援助国、あなたは援助される国ですよというのがこれ全面的に出ているというのは私の感覚で、これ読むと、三十年間を振り返ってそう思うわけで、もはやそういう意味では時代遅れの文書ではないかなというのが私のちょっと全体的な印象であります。
 とはいえ、日本は開発協力に関するやっぱり資金力もありますし、技術、ノウハウも含めてあるんですよ。だから、そういう意味では、一緒につくり上げていく、共創、共生、そういう分野で現地主導の、現地が中心の開発に一緒になって協力していくというのは本来はこのトレンドに合わせて出てこなきゃいけないんですけれど、そういう方には残念ながらなっていないんですね。相変わらずやっぱり国益中心、経済安全、あっ、経済安全保障はないんですけれど、安全保障が重要だとか国の戦略の一環だとか云々、そういう何か自分たちの主張だけを、これが出ているのがこの文書じゃないかなというふうに思っています。
 四ページ目を開けていただきますと、さらに二番目なんですけれど、開発途上地域の人々の暮らしの向上が大綱の全体を流れる哲学であるんですが、現地の人の顔も見えない、あくまで日本の貢献なんだと。現地主導の開発とかそういうことがなくて、日本の安全保障上の危機、我が国の国益の実現に貢献、開発協力の戦略的な活用が前面に出ているという意味では、人々の暮らしの向上、人間の安全保障を第一義的な目的とするべきなんですけれど、残念ながらこれは、この立て方はそうじゃなくて、本来やっぱり国益というのは中長期的に日本の国益の増進が達成されるんであって、短期的な外交目的とか国益の達成のための手段として開発協力を扱うというのはやはり慎むべきではないかと。日本の顔としてのこの国際協力をやる以上、それが今、全面的に国益のためにやっているんだというのがもうあからさまに出ているというこの文書が途上国の人にどう映るでしょうか。是非そんなところもお考えいただければなというふうに思っております。
 そしてまた、何のために改定するのかという五番目であります。
 ですから、人間の安全保障、人々の暮らしの向上であれば、この改定に基づく日本の援助が途上国の開発途上地域の人々にどう貢献しているのか、被援助国の政府の声がどうなのかという、何が現状の大綱では問題なのかというギャップ分析がないんですよ。本来はそこからスタートするべきですよね、この問題、何かあるのかなと。あれば当然改定ということになるんですが、完全に、国際情勢の安全保障上の危機が来ている、国益をもっと出さなきゃいけないということを前提にこの文書がなっているという意味においては、立て方自体に、私は何のための改定なのかということを非常に感じるわけでありますので。
 中西先生は座長で苦労されたと思うんですけど、僅か四回、数時間で大綱のその報告書をまとめられて提出し、それが今の大綱になっているんですが、本当に御苦労されたんじゃないかなというふうには思いますけれど、そういう総合的な国際協力の長年の歴史の上にこの改定がどういう意味があるのかということのギャップ分析がないまでに慌ててまとめて、四回やって出した、それが今回のこの大綱につながっているということでありますので、そういう意味では、開発の大綱ありきというところがあるかなというふうに思っております。
 この私が用意した資料を全部説明するのは時間がないので、後ほどの質疑の中でお答えしたいなというふうに思っております。
 全体の印象なんですが、これ、今回の大綱のまとめ方は、当初の案よりすごいマイルドになっています。客観的な分析も非常にいろんな意見を取り入れているんですね。これ、市民社会の声も非常に取り入れられています。
 そういう意味では評価できるところはあるんですが、元々の文書の起点が、国家安全保障戦略の防衛三文書の中に出ているんです。そこにODAが、国際協力を戦略的に活用し、ODAとは別に、同志国の安全保障上の能力、抑止力向上のための新たな協力の枠組みを設ける、これが後の、今話題になっているOSA、政府安全保障能力強化支援につながっているという、起点がもうそこで閣議決定されているわけですから、なかなかやっぱり変えようがないんですよね。
 ですから、これまで意見交換会ずっとやっていますけれど、これでいいという参加者の声ないんですが、全く変わらないし、恐らく変わる可能性は少ないんじゃないかなというところにおいて、そういう位置付けの文書になっていることを御理解をいただければなというふうに思いますが、そうはいっても皆さん方が声を上げていただければ変わり得る要素はありますので、後で、後ほど後悔しないように、しっかりこの文書を見て変えていただくということは必要じゃないかなと思っております。
 市民社会の連携もすごい後退しています。
 市民社会と連携してほしいというのは、もちろん我々の気持ちはありますけれど、何のために開発協力があるのか。それは、人々の、市民の生活向上、人間の安全保障なんですね。そういう意味ではその人たちのやっぱり連携とか声とかそういうものを大事にしなきゃいけないんですが、残念ながら非常に書き方が薄いし、僅かであるというところは、そこ見えるんじゃないかなと思っています。
 後ほど、八ページ目を開けていただきたいんです。これショッキングなんですけれど、NGOを通じた日本のODAは極めて低いんです。一・三%です。これ、単純平均して一九・四%、二〇%あるんですが、日本は僅か一・三%なんですね。
 何でこうなっているか。世界では、NGOが関わることによって効果的な意味のある開発協力になっているということが前提ですので、みんな安定しているわけです。そういう意味では、草の根レベルで政府では届けにくいきめ細かなニーズを拾って、専門性を生かし、現地コミュニティー、人づくりに貢献できるのがNGOを通じたやっぱり支援でありますので、是非この辺も今後増やしていただきたいなというふうに思っております。
 それ以外にも、人間の安全保障等ありますけれど、非軍事原則についてちょっとやっぱり触れなきゃいけないので。
 十ページ目ですね。一昨日のニュースでありましたように、ミャンマーに供与した船舶が兵器や船員の輸送に使われていたというのが分かって、外務省は抗議をしたと、先方にですね。こういうのは元々分かっていたことなんですよ。そういう一回渡したものがどう使われるかということをモニターするのは特に難しい。それも、やっぱり開発協力の中でのその非軍事原則の原則のぎりぎりのところで。それがあった上で、さらにOSAという新しいやり方も線を引くのは無理なんですね。受け手にとっては、ODAだろうとOSAだろうと、もらったものはどう使おうと関係ないというのが通常のやはり開発協力でありますので。
 そういう意味で、そういうものが、戦後つくり上げてきた我が国の中立性や国際協調主義が後退し、平和主義理念に基づいてきたODAの財産を失いかねないというところにありますので、是非、最後のまとめも行かないでもう終われということでありますので、後ほどの質疑の中でまたポイントについてお答えしたいと思います。
 ありがとうございました。
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三原じゅん子#10
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。
 次に、焼家参考人にお願いいたします。焼家参考人。
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焼家直絵#11
○参考人(焼家直絵君) WFP日本事務所代表の焼家です。
 この度は、本委員会にお招きいただき、誠にありがとうございます。
 本日は、世界の飢餓の現状やWFPの活動についても簡単に御紹介することで、国際機関から見た国際開発協力の現状と課題についてお話しし、開発協力大綱の在り方についての議論に貢献できますと幸いです。
 まず、お手元の水色の表紙の資料の二ページ目を御覧ください。
 現在、世界はかつてない規模の食料危機に直面しています。今年、世界では三億四千五百万人以上が深刻な飢餓に直面し、緊急の人道支援を必要としています。
 なぜ飢餓がかつてないほど増えているのか。それは、紛争や気候危機、新型コロナウイルス感染症の影響や価格の高騰、経済の悪化など様々な要因が重なり引き起こされています。紛争は依然として飢餓の最大の要因で、世界の飢餓に苦しむ人々の約六割は戦争や暴力の影響を受けた地域に住んでいます。ウクライナでの戦争の勃発で、食料、燃料、肥料価格が世界中で高騰しました。加えて、気候危機は世界的な飢餓の急増の要因の一つで、世界人口の四〇%以上が異常気象に対し非常に脆弱な地域に居住していると推定されています。
 次に、三ページ目を御覧ください。
 このような状況の中、WFPは、昨年、百二十を超える国と地域で過去最多となる一億五千八百万人以上を支援しました。飢餓の深刻化に伴い、必要な支援金額も増加しています。
 WFPは、人道支援と両輪で、地域のレジリエンス強化のために、小規模農家の支援、地産地消の学校給食支援、栄養支援のほか、災害や危機に強いインフラづくりなどを通じて、持続可能な食料システムの構築に貢献しています。
 国連機関を通じた支援の強みですが、WFPを始めとした国連機関には現場での強固なプレゼンス、支援対象国政府への影響力があります。首都以外の地域にも活動拠点があり、治安上の理由などから日本による二国間協力ではアクセス困難な地域においても、最も脆弱な立場にいる人々に支援を届けることができます。また、平時より支援対象国政府との良好な関係構築に努めており、いざというときは国連の影響力を発揮して迅速な支援を行うことができます。
 次に、四ページ目をお願いします。
 さて、冒頭に申し上げましたとおり、飢餓状況は、近年、複数の要因が複雑に重なり悪化しており、複合的危機の時代と言えるでしょう。世界の食料安全保障を推進し、また、持続可能な開発を実現するために、緊急の人道支援と同時に中長期的な平和の構築、そして地域のレジリエンスを強化する支援が必要とされています。
 近年、世界各地で多発している自然災害も、気候変動の影響によって同じ場所で繰り返される傾向が強まっています。一方で、現行の国際開発協力のスキームではこういった複合的な危機に十分には対応し切れていない現状があると考えます。
 例えば、二国間支援とマルチセクターでのそれぞれの分業が目立ち、国際開発協力アクター全体で大局的な目標を目指した連携が少ないのが実情です。また、人道支援機関と開発支援機関での役割のすみ分けが固定しがちであり、人道支援の予算は人道支援機関に、また気候変動などの開発支援の予算は開発支援機関にといった形での支援が顕著です。しかし、現実には一つの機関で人道も開発も、支援、開発支援もカバーしているケースも見られ、両方の分野に効果的に拠出がなされなければ包括的なSDGs達成が促進されないと考えます。
 次に、五ページ目をお願いします。
 では、どうしたらいいのかということですけれども、人道と開発と平和の連携を軸に分野横断的な国際協力の形がより一層必要とされています。特に国際開発協力機関の間では連携強化が求められます。若者や雇用支援、農業、水、ジェンダー、教育、またインフラ構築などといった分野は互いに密接に影響し合っており、様々なアクターが集まり、包括的に活動していく必要があります。
 現在は、機関ごとに主にターゲットとするSDGsや活動するセクターが分けられている状況ですが、その既存のセクターに活動範囲を制限するのではなく、互いに得意分野を生かし合いながら、包括的な支援の形をつくっていくことが求められます。
 さて、日本の支援についてなんですけれども、災害への対応など緊急時に迅速な拠出をいただいており、現場からも高い評価が上がってきています。更に国際協力分野で日本のプレゼンスを上げるためにも、他国の支援の形と比較した上で幾つか提言させていただきます。
 まず一点目として、複数年にわたる事業支援です。単年ごとの緊急支援だけではなく、中長期的なレジリエンスの強化などの支援の実施のためには複数年にわたる安定した資金の下で事業運営をしていくことが必要不可欠です。
 また、紛争による難民の発生や気候変動など、国ごとでの支援ではカバーし切れない課題が多く、国境をまたぐ地域的な支援がより効果的なケースが多くなっています。ですので、地域的なアプローチで支援を行うことが容易になるよう期待しています。その際には、AU、例えばアフリカ連合などの地域規模機構や連合との連携促進も効果的だと考えます。
 最後に、テーマ別の事業募集と選定による拠出の形が新たに組まれていくことを期待します。例えば、気候変動対策、学校給食とか、一つのテーマの下で事業を募集し、選ばれた事業に日本が拠出をするという形です。このことにより、機関ごとの人道や開発といった垣根を取り払い、真に大局的な目標達成を目指した支援を実現することができます。また、国際機関やNGO、民間企業やアカデミアなどのパートナーシップを促進し、そのテーマに対して日本ならではのイニシアチブを打ち出しながら支援していくことができるのではないでしょうか。
 次に、六ページ目をお願いします。
 このように、複合的危機に対して分野横断的な解決策が求められている昨今、今回の日本の開発協力大綱改定において、ODAの更なる活用を図る上で、特に、オファー型支援の推進、官民連携の強化と民間資金の動員、ノンイヤマーク拠出や現金給付支援などの検討、GNI比〇・七%目標達成に向けたODA予算の増加に注目しています。
 まず、オファー型支援について、要請主義の原則に加えて、日本から積極的に提案を行うオファー型の支援も盛り込まれたことで、日本の得意分野で日本の外交目的に沿った支援を効果的に打ち出していくことができ、ODAの大きな転換点になるのではないのかと期待しております。日本政府が支援メニューを提案するに当たっては、WFPを始めとする国連機関も時機に応じた情報共有や政策協議をさせていただくことで、現代的な諸問題への対処に向けて共に協働していけるものと確信しております。
 このような連携を進める上でも、国際機関における邦人職員、とりわけ幹部職員を増強することが重要となります。ただ、まだまだ国際機関における幹部職員は少ないので、政府による働きかけが必要と考えます。
 次に、官民連携や民間資金について、気候変動を始めとした現代的な課題に対処していくには、従来の伝統的な開発協力にとどまらず、様々な手法を活用していくことが求められます。とりわけ民間企業が有する専門的知見や最新の技術を活用することで、デジタルトランスフォーメーションやグリーントランスフォーメーション、すなわち脱炭素社会の実現に向けた取組を通じた経済社会システムの変革を推進していくことができます。
 このような幅広い開発課題の解決には、民間資金の活用がより一層重要性を増しており、民間企業が開発協力における大きなアクターとして認識されることを期待しています。
 続いて、ノンイヤマーク拠出や現金給付などについて、国際開発協力機関では、近年、使途を限定しないノンイヤマーク拠出や緊急支援における現金給付が国際的な潮流となりつつあります。ヨーロッパの主要ドナー国の中には、ノンイヤマーク拠出が大半だというところもあります。アカウンタビリティーを確保しなければならないのはもちろんでありますものの、日本においても迅速で柔軟な拠出の在り方が議論され、積極的に取り組まれていくことを期待しています。
 そのような拠出方法の議論に加えて、ODAとしての拠出額そのものについても開発協力大綱改定に際して議論が進むことを期待しています。ODAの対国民所得、GNI比は二〇二一年実績で〇・三四%にとどまり、GNI比〇・七%とする国際目標には程遠いのが現実です。
 外交のツールとしてODAを活用していくことで、国際社会における日本のプレゼンスを維持強化でき、リーダーシップを取ることができます。開発協力大綱改定の機に、ODA予算増加につながるような具体的な目標設定がなされるか注目しております。
 また、開発協力大綱改定において、食料安全保障が経済安全保障の枠組みで重要視されていることを歓迎します。食料安全保障は全てのSDGs達成につながるものであり、グローバルな食料安全保障を推進することは日本の経済安全保障にもつながります。WFPとしても、引き続き、人道支援とレジリエンス強化の両輪で世界の食料安全保障に貢献してまいります。
 現代の複合化する危機に対応できるよう開発協力大綱を時代に沿ったものに改定することで、日本の外交政策や地球規模課題に対する日本の政策を明確化し、日本が確固たるコミットメントを世界に対して積極的に示していくことを期待します。
 国際機関の立場からも、ODAの戦略性の一層の強化に着目し、日本らしい地球規模課題への取組を通じた国際的な指導力の強化が重要だと考えます。より一層、人道、開発、平和の連携を促進する国際開発協力の形、また、気候変動など複雑な課題に対する分野横断的な解決を模索していくスキームの立ち上げを期待いたします。
 御清聴ありがとうございました。
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三原じゅん子#12
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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高橋はるみ#13
○高橋はるみ君 ありがとうございます。自由民主党の高橋はるみでございます。
 参考人の皆様方におかれましては、それぞれのお立場から、そしてそれぞれの御経験を踏まえて大変有意義な御意見をそれぞれ述べていただきましたことに、委員の一人として心から感謝を申し上げます。
 言うまでもないことでありますが、開発協力は日本外交の最も重要なツールの一つであり、その戦略的な実施は大変重要な視点、このように考えるところであります。
 そこで、まず、開発協力の目的についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 ODAが国民の税金を原資とすることなどを踏まえれば、私は、人類的課題の解決と日本の国益の双方の実現を調和を図りながら目指していくべきとする現在の開発協力大綱案を支持する立場でありますが、参考人それぞれの御意見があろうかと思います。中西参考人、そして若林両参考人から御意見をいただきたいと思います。
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中西寛#14
○参考人(中西寛君) 高橋委員、御質問ありがとうございます。
 開発協力に、目的ということでお尋ねをいただきました。
 開発という言葉がありますけれども、今日、開発というのは、ただ単に所得水準を上げるということではなくて、社会、文化全般において地球規模で課題を解決していくという側面が強くなっていると思います。
 高橋参考人がおっしゃったように、現在の開発協力の考え方も、根本的には人類的課題の解決と、それから日本の国益の実現というものを両立させる、調和を図るということだと思いますけれども、今日の人類的課題というのは、まさに気候変動ですとか感染症あるいは生物多様性の維持といったような側面に、より比重が掛かってきておりまして、それはいわゆる途上国、開発途上国であっても先進国であっても、共通の課題になっているということは先般のコロナの流行においても明らかであります。
 そういう意味で、人類公共益と国益の両立という観点を更に進めて、人類公共益を実現する過程で日本の国益、とりわけ日本の広い意味での安全保障を実現していくという過程が重要でありまして、先ほど佐藤参考人もおっしゃいましたように、開発協力は非常に効果が出るのに時間が掛かります。二〇三〇年、二〇五〇年の人類公共益を促進するという観点を持つことが日本の国益につながるというふうに私は思っております。
 以上です。
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若林秀樹#15
○参考人(若林秀樹君) 私からもさっき少しお答えしたんですけれど、今、グローバル化が進んで相互依存主義になって、依存関係にありますので、やっぱり国際協力がすれば、それがやっぱり日本の国益になる、日本の利益になるというのは当然のことです。
 しかし、政策としてそれを前面に出して、国益のためにこれはあるんだと言われたら、被援助国の人はどう思うでしょうか。あっ、これ、国益のためにやっているんだからもらって当然ですよねみたいなところになりかねないですよね。
 ですから、国益というのは、中長期的にずれて、それが日本の利益になってくるということを控えめに言いながら相手国のためにやるというのが国際協力なんですよ。そこを前面に出して安全保障のような国益のためにと言ったら、ああ、じゃ、協力してあげるよということになりかねませんので、その出し方については慎重にした方がいいんじゃないかなというふうに私は思いますので。ただ、日本の税金を使っている以上、そういう考え方はもう当然でありますし、深刻なのは、国債なんですよね。税金じゃないです。もう赤字をつくって今この国際協力が成り立っているというところもお考えいただければなと思っております。
 以上です。
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高橋はるみ#16
○高橋はるみ君 大変参考になりました。ありがとうございます。
 次でありますが、ODAの戦略性の向上、あるいはその効果的な実施に向けてのパートナーとの連携強化、このことについて参考人の多くの方々がお触れいただいたこと、興味深くお伺いをいたしました。
 私自身は、議員になる前に地方自治体で仕事をした経験もあるところでありますが、国内の都道府県であったり市町村であったり、各地方自治体が有する知見やノウハウというものは開発途上国に応用できるものが多いのではないかなと、このように感じながら仕事をしておりました。
 特に、ODAの中で技術やノウハウを各国の人々に伝える人づくりということを重視している観点から、留学生あるいは研修生の受入れなどの分野において特に地方自治体とのパートナーシップが重要と私は思うわけでありますが、これも四人のそれぞれの参考人にお伺いすると時間の関係もございますので、佐藤参考人、お願いできますでしょうか。
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佐藤仁#17
○参考人(佐藤仁君) ありがとうございます。
 私、決して得意分野ではございませんけれども、自治体を通じ、現にもう今JICAが各地に持っている支所を通じて、その海外からの研修員の受入れとか日本の開発経験の共有とかというのはもう盛んに行われているので、是非、更にそれを活性化するのはとても良いことではないかなと思いますし、留学生の受入れについても、コロナ後、今後拡大していくといいなと思っています。
 ただ、このパートナーシップについて私はちょっと違う考え方を持っていまして、何でもかんでもODAにぶら下げていくということでいいのかどうかということなんですね。
 私の冒頭の発言のところで、昔はもっとODAに対してラジカルに批判する勢力がたくさんいたというお話をしましたけれども、最近はそういうラジカルな人、ほとんどいなくなっちゃったんですよね。
 それは良い面もあると思います。つまり、政府がちゃんと批判を受け入れて、NGOとか反対勢力をうまく、と話し合う仕組みをつくった、良いことであるという見方もできますけれども、逆に言うと、何というんでしょうね、何でもかんでも開発協力にぶら下げるというようなところに、非常にいろんなことがそこに従属するかのように仕組みがつくられてしまったというような言い方もできると思うので、私自身は、むしろ開発協力でやるべきテリトリーというか領域を限定して、そうじゃないところについてはそうじゃない支援の仕方、例えば税金であるとか、例えば資金の流し方とか、そういうことをやることによって、何でもかんでもODAとパートナーを組んでそこにぶら下げていくというのはちょっと考え物だなというふうには思っております。
 済みません、余り直接的なお答えになっておりませんが、ありがとうございました。
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高橋はるみ#18
○高橋はるみ君 ありがとうございました。
 それでは次に、実施原則について伺ってまいります。
 ODAの効果的なものあるいは効率的なものという観点に加えまして、そのODAの適正性の確保という観点から、実施原則を定めることの意義、これも大きいと私は考えるところであります。
 今日的、大変錯綜した国際社会の中でありますので、人権問題への配慮であるとか、あるいは非軍事原則などが掲げられているところでありますが、こういったことに加えて、今日的にはジェンダー主流化を始め、いわゆるインクルーシブな社会を促進するという原則の重要性が私自身は増しているのかなという思いを持っているところでありますが、この点については、焼家参考人、御意見いただけますでしょうか。
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焼家直絵#19
○参考人(焼家直絵君) ありがとうございます。
 今先生がおっしゃったような原則、人権、非軍事、ジェンダー、インクルーシブな社会をつくるだとか、そういったことが国連としては活動するまさに根底にある原則です。誰も取り残さないということで、いろいろその開発的な戦略を練る上で、やはりそこの部分で特に開発協力に従事する者、政府、非政府、国連、全て合わせて、そこを特に声を上げていくということが非常に大事だと思います。
 特に開発の現場にいると、そういう弱い立場にある人だとか、守られなければいけないような人が置き去りにされていくことがあるので、そういったところをこのODA大綱でもしっかり強調し、現場の人間がそれを特に現場の組織の理念として実際に反映して、しっかりそれをアドボカシーして実施していくということが今後特に求められているのではないかと考えます。
 ありがとうございます。
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高橋はるみ#20
○高橋はるみ君 ありがとうございました。
 若干まだ時間がございますので、最後の私の質問は、四人の参考人、皆様方にお伺いできればと思っているテーマであります。ポストSDGsということであります。
 今の国連の開発目標であるSDGs、これは期限的には二〇三〇年に期限を迎えるということは周知のとおりでありまして、今、ポストSDGsという議論を始めようというふうな動きも出てきていると、このように理解をするところであります。
 SDGsの中身を改めて見ますと、十七項目、本当に包括的に誰一人取り残さないという観点から、今、世界が抱える、地球が抱える本当にほぼ全ての問題を網羅しているような感じもするわけでありますが、このポストSDGsということに向けて、それぞれの参考人の皆様方、まあ時間の関係もございますので、一言、二言ぐらいずつ御見識を開陳いただければと、このように思います。
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中西寛#21
○参考人(中西寛君) 一言で言うのは難しいですけれども、二〇〇〇年に始まって二〇一五年までミレニアム目標、そしてSDGsが十五年ということで、次、十五年だと二〇四五年、中途半端ですので、多分二〇五〇年が次の目標になるのかなと思いますが、今おっしゃられたように、包括的なことが二〇三〇年に残念ながら全て達成されるわけではないと思います。とりわけ気候変動については、御案内のとおり二〇五〇年がゼロ炭素という形で設定されることが多いですので、それなどをベンチマークとして新たな目標が設定されると思いますし、日本はその議論に主導的に貢献する必要があると思います。
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佐藤仁#22
○参考人(佐藤仁君) 私の冒頭での発言を踏まえれば、新しいゴールに浮き足立つなと。余り次のゴール何だ、じゃ、こう考えようではなくて、やっぱり足下をしっかりしていくということが重要であって、このポストSDGsについても、それを考える人間とそれから場をどうやってつくっていくのかということを見るべきであって、ポストSDGsの中身を、SDGsの中身もよく検討しないまんま、浮き足立ってそこに向かっていくというのはいかがなものかというふうに思っております。
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若林秀樹#23
○参考人(若林秀樹君) 私の意見は、SDGsの本質というのは人権保障なんですね。SDGsの十七の目標と百六十九のターゲットに人権という目標は入っていないんですよ。なぜならば、それをやることによって人権を達成するというのがSDGsの立て方なんです。
 ですから、国連の目標にある人権保障というのは、残念ながら急に全てが解決するわけではないので、何のためにそれをやっているか。でも、時々のイシューについては議論した中で変えていくというのは必要ですから、そういう意味では、これから議論していくということは必要なプロセスではないかなと思います。
 以上です。
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焼家直絵#24
○参考人(焼家直絵君) ここ数年、特に気候変動、紛争、ウクライナ危機により、あと新型コロナウイルスの影響で、状況が複合的になっており複雑化しているので、二〇三〇年までに達成ということが大分厳しくなっている中ではありますが、そんな中、政府だけではなく、さらに民間企業などの力も取り入れながら、官民連携でもっと、二〇三〇年以降にも、SDGsの後も更に開発目標に向けてしっかりと頑張っていく必要があるのではないのかなと考えます。
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高橋はるみ#25
○高橋はるみ君 大変参考になる御意見、誠にありがとうございました。
 これで終わらせていただきます。ありがとうございます。
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塩村あやか#26
○塩村あやか君 立憲民主・社民の塩村でございます。
 本日は、四名の参考人の皆様、本当にありがとうございました。
 今日は、私の方からは、焼家参考人と若林参考人のお二人に、続けて二問ずつお伺いをしたいというふうに思っております。
 焼家参考人とは、昨年でしたか、ラオスの奥地の小学校の給食の視察を御一緒させていただきました。私、WFPの議連の方に入っておりまして、高野さんは前会長でありまして、清水さんも役員ということで、私は新参者なんですが、参加をさせていただきまして非常に勉強になりました。日本にいては全然分からないことに触れることができて、この価値というか、この価値観ですよね、こうしたことを皆共有していくことが非常に重要ではないのかなというふうに思いました。そのときは本当にありがとうございました。
 今日お伺いしたいことなんですけれども、今回のODAの改定案では、非軍事原則を堅持しつつ、その上で、軍及び軍の関係者による人道支援とか災害支援などは排除されるべきではないというふうになっておりまして、懸念をしている方からは、非軍事原則の形骸化という指摘もあると思っております。
 これまで、平和国家日本の信用があったからこそ、紛争地での活動に日本が強みがあったのではないかというふうにも思っております。実際に紛争がある地域で活動をしている職員の皆さんとか日本人の皆さんに、今回の改定により何かしら職員の安全確保に課題が出る場面があるのではないかという声もあるんですけれども、そうした課題が出るかどうか、これをまずお伺いしたいというふうに思っております。
 もう一点なんですけれども、日本の顔の見える支援についてでございます。
 WFPのように国際機関を通じたODAは、専門的な知見とか政治的な中立性、緊急時の迅速な初動体制、独自のネットワーク、国境をまたがる問題の対応など、様々な面で重要な意義と強みを持っておりまして、私も非常に有益、そして重要だというふうに思っております。
 援助というものをしてあげたということではなくて、回り回って日本のためにもなると、これ、よくWFPの議連のメンバーも言っていることなんですけれども、ですので、今後も力強く頑張っていただきたいというふうに思っているんですが、そのためにも、今日何回も出てきておりますけれども、予算ですよね、予算の確保は非常に重要だというふうに思っています。
 一方で、昨今は支援が本当に現地に届いているのかというような厳しい目を向ける人もいるため、国民の深い理解を得るためにも援助が確実に必要な人に届いているという体制の構築を確立させることが重要だというふうに思っておりますけれども、この点についてもお聞きしたいというふうに……ヤジありがとうございます。思っております。
 二点、焼家参考人、お願いいたします。
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焼家直絵#27
○参考人(焼家直絵君) 御質問ありがとうございます。
 まず、第一点目なんですけれども、紛争地での安全確保などの課題などなんですけれども、まずWFPに関して申し上げますと、元々飢餓問題に苦しむ人の六割が紛争地ということですので、紛争地での活動がかなりこれまでも長らくやってきております。私どものようなWFPのような国際機関は紛争地でも一番最後まで残って支援をしているので、そういった面では元々厳しい活動をやる機関ではあるんですが、ただ、その中で特に重要視しているのが、やはり安全管理のシステムというのをちゃんと構築して、国連としての安全管理情報、安全管理システムに従っていますので、かなりリスク管理には厳格に取り組んでいます。そんな中、刻々と変わる治安状況だとかそういった紛争状況を収集して分析して、で、安全対策を講じています。
 私も以前紛争地にはいましたけれども、そういった軍隊出身のエキスパートのような人がちゃんといるので、そういった人のアドバイスをもらいながら行動していましたし、あと、トレーニングはかなりしっかりとしています。要するに、ただ単に開発の勉強を受けただけで紛争地に行くわけにはいかないので、私自身も、例えば、もし誘拐されるとかカージャックに遭うとかそういう状況になったときにどういうふうに行動すべきかとか、そういう訓練も受けてはいるので、やはりそういったちゃんと万全の状態、トレーニング、キャパシティーがある人たち、そういった準備をした中で活動することは非常に重要だと考えています。ただ単に支援しなきゃいけない人がいるからというのでぽんと行くわけにはいかないんだと思うんですね。
 ですから、いろんな今回のODAアクター、ODA大綱でもいろんなアクターを、いろんなステークホルダーをもっと活用していこうということが書かれてはいますが、やはりWFPのような国際機関も、いろんなNGO、JICA、日本、いろんな機関に対する情報共有だとかトレーニングだとか、現場でできる限りの協力はできるとは思っています。
 やはり邦人の安全保障という観点からは、やはり現地大使館とか日本政府との非常に連携とかも重要になってくるのではないかと思います。私も安全状況が悪いシエラレオネにいたときは、国連の幹部として私は残っていたんですけれども、邦人職員は退避勧告が出て皆さんお帰りになっていたので、その辺で安全渡航管理などに関する指示とかも違うので、しっかりいろんな組織の安全対策をしっかりしてやっていくことが重要になるのではないかと考えます。
 第二点の顔の見える支援で、日本のためにもなるけれども本当に支援が届いているかという点なんですけれども、やはりそれは非常に重要な点だと思います。
 国連としてもそういったことは非常に力を入れていますけれども、私がWFPに所属しているのでWFPの観点から特にお話をさせていただきますと、やはりただ単に支援を届けるだけではなくて、その後のモニタリングはしっかりしています。WFPの場合、特に首都だけではなくその国全域の村にまでモニタリングができる職員が駐在しているので、それでしっかり実際に支援を届けるときもそこで現場にいるのと、その支援を届けた後、もう一回戻っていって、どういうふうに支援が使われているとか確認しに行ったり、フィードバックをもらったり、そういったいろんな多層にわたるシステムを構築しています。
 また、最近は新たな技術なども取り入れていろいろなデータ管理をすることで、支援をどのくらい受け取ったかということを随時確認したりとか、重複して支援してしまうということを避けることができるようにはなっています。また、データセキュリティーの管理も非常に重要なので、またいろんな技術を取り込むことで支援のより一層の効率化を図ることをまた努力していこうとは考えています。
 ただ、私たちが支援しようとしているところの人たちはちょっと本当にもう命が危ないというところの人たちなので、やはり食料を、実際に自分でもらった食料を食べないと死んでしまうというところにある人が多いので、余り不正とかは実際にWFPが現場で支援しているところではないんですけど、やはりモニタリングというのは、そのデータ、技術も取り込みながら、最終的には自分たちで行って何度も何度も確認、自分の目で確認するということは必要なので、そういったことも取り入れながら、引き続きしっかりと効率性を上げる支援に取り組んでいきたいと思っています。
 ありがとうございます。
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塩村あやか#28
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 しっかりいろいろと、私たちはまだできる支援とかしてしっかり見える化、一緒に頑張っていきたいなというふうに思っております。ありがとうございました。
 続きまして、若林参考人に二点お伺いいたします。
 今回の大綱の改正案ですね、この問題点なんですけれども、防衛三文書の中で大綱が触れられて、そしてOSAも創設されて、これ表裏一体だと言う方も非常に多いというふうに思います。背景に中国の海洋進出などによる同志国の安全確保や同志国の獲得合戦もあるというふうに思うんですね。その中で、インド太平洋、とりわけ東アジアの脅威を減らすために大切なことや、今回の改定を踏まえて懸念点があれば教えてくださいというのが一点。
 そして、予算のことですね、やっぱり。先ほど来何回も出ておりますけれども、十年でGNI比〇・七%の達成ということで目標年限が報告書では明示されておりましたけれども、大綱では〇・七%を念頭にということで、表現がかなり後退したというふうに思います。つまり、達成の年限を見送ったということになるんですよね。
 お話にもありましたが、二国間のODAの五割を円借款で約二兆円、そして無償資金協力はこの二十五年で半減という状況です。今回の改定でやっぱりこの辺りどのように表現すべきだったか、御意見があれば頂戴したいと思います。
 残りの時間全て使っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
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若林秀樹#29
○参考人(若林秀樹君) 済みません。
 ありがとうございます。
 OSAの問題は、他国、ヨーロッパも含めてほかの国では普通に行っていることなんですよね。北欧の国でも普通に軍事援助というのをやっていますし、やっぱり軍事に関する役割というのはあるんです、これは。
 ただ、一方で、我が国のこれまでの歴史的な経緯、平和主義、これまで築いてきたODAの信頼感に対して今そこに踏み切ることが日本にとってプラスなのかどうかということを、短期的な視野、政策ではなく中長期的に考えていただきたいということなんですよね。
 それよりは、まあ日米関係もありますし、いろんな同志国との関係もありますけれど、我が国がやるべきことは、やはりこの東アジアの脅威を下げるために、あえて私は、やっぱり国際協力を推進すべきであり、人権あるいは民主主義、そういう外交を展開することによって更に脅威を下げていくというのがこの東アジアでも我々の役割ではないか、そのことを間接的には私は米国も望んでいるんではないか。変に刺激をしてOSAだ云々だというよりは、そこがこの問題の本質で、そこを皆さんがどう考えるかというのが非常に重要ではないかなというふうに思っています。
 〇・七%目標については、やっぱりこれは国際約束ですから、世界第三位のやっぱり経済大国の日本がそれを置き去りにしてもう構わないということではないはずなんです。
 一方、軍事費がこれで二五%ぐらい増えていますから、経済大国としての日本としてどういう国際貢献をすべきなのかという観点から、その予算の分配の在り方を皆さん方がリーダーシップを取って発揮していくことが必要ではないかなというふうに思いますので、軍事予算そのものを何か否定するということではなくて、我が国の役割は何なのかというところを真剣に考えていただきたいと思いますし、全体的には国家安全保障戦略が来ているのはあるんですけれど、そこは皆さん方が、どうあるべきかということを政治的なリーダーシップでこの大綱も捉えていただくことが重要かなと思っています。
 一応、答えになっていますかね。まだお時間あったら……ヤジ済みません。
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