前泊博盛の発言 (政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会)

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○参考人(前泊博盛君) 今日はお招きをいただきまして、ありがとうございます。
 沖縄はちょうど復帰から五十一年の節目を迎えた直後でございますけれども、今日皆様に資料をお配りをしてありますが、まず、沖縄経済の現状と課題、展望ということで資料を準備させていただきました。
 たくさん解決しなければいけない課題があります。五十一年を経ているんですけれども、最大の課題は、やはり沖縄の低所得の問題があります。四十七都道府県の中で、沖縄はこの五十一年前からずっと低所得のまま放置されている問題があります。
 沖縄振興計画ということで、五十一年間、これまで十三兆五千億円ほどの国費を投入してまいりましたけれども、人口で一%、面積で〇・六%程度のこの沖縄の振興になぜうまくいっていないのかというところが大きな課題であります。
 皆さんにたくさん審議をいただいていますけれども、残念ながら、そういう部分ではまだまだ課題がたくさんある沖縄であります。
 この中に入れましたように、まず失業率でも全国ワーストですね、離職率もワーストレベルです。それから、無業者の率でも、若い人たちの無業者の比率が非常に高いという。そういう意味では、新しい仕事をたくさんつくっていかなければならないという課題を抱えています。それから、非正規率ですね。仕事にありつけても非正規率が非常に高い、四四%ほどが非正規という、こういう数字があります。これも全国ワーストレベルになっています。それから、廃業率というのも高くて、実は開業率は全国一位なんですが、廃業率も全国三位という、ワーストの方に入っています。
 これ、今日、追加資料で皆様にお配りをしてありますけれども、百の指標で見る沖縄ということで、沖縄県がこの四月に新しいデータを出しておりますので、このデータの方を見ていただければ、一位と四十七位が混在をしておりますので、是非一位と四十七位に注目をしていただければというふうに思っています。所得については四十七位のままということになっています。
 それから、高離婚率。この離婚率の背景に何があるのかについても、是非この委員会の方でも調査をしていただきたいというふうに思っています。この離婚率の後で生じるのが、母子家庭、母子世帯の比率が非常に高い、それが非常に貧困に陥るケースが高いという課題を抱えています。
 このエンゲル係数が高いというのは、所得の関係があってどうしても高くならざるを得ないというのがあります。これ、学生たちも今お弁当を買って食べるんですけれども、二百五十円とか三百円の弁当ですね。中身を見ると、もう揚げ物が中心です。こういう若い世代で揚げ物を中心に食べていると、かつての長寿県沖縄が崩壊した理由が分かるような気がします。今はもう三十位台まで、あのトップだった長寿県も崩壊をしつつあるような印象を持たれています。
 それから、この母子世帯の比率の高さが子供の貧困率にもつながっています。是非、子供が貧困なわけありません、子供を持っている世帯の貧困の問題をどう解決をしていただけるかというところの課題が、まさにこの沖縄問題に関する特別委員会の課題だというふうに思っています。
 それから、低進学率。低いという数字でいうと、進学率が非常に低いです。全国五八%の中で沖縄は四〇%程度という、一八ポイントほど低くなっています。これ、大卒の進学率が低い、高卒の進学率も低いんですが、この進学率の低さがそのまま所得の低さにつながっている部分もあります。
 進学率をどう上げていくかというところでは、沖縄は島嶼県ですから、離島から出るというだけで、十五の春でまず家計の負担が大きくなります。それから、本土に進学をするということになると、こちらに家があれば五百万、六百万で済んでも、沖縄から出ると一千五百万円ほどの負担になってきます。この教育費の高さというのが大きな課題になってきます。是非、この人材育成という部分では、進学率を上げるためのサポート体制をどう取るかというのがあります。
 苦労して進学をしても、低賃金、低所得、低貯蓄が、あるいは低就職率が待っているような沖縄です。戻ってきて食べていけるような仕事に就けるのかどうか、そういう意味では、企業の求人率も非常に最低レベルで、残念ながら伸び悩むというところはあります。
 それから、この低持家率。このランキング表にもありますけれども、沖縄は実は四十七位です。東京が四十六位です。この高物価の東京よりも持家率が低いという沖縄の現状をどう理解すればよいか、こういうところがあります。所得の問題、これは恐らく、高齢者になれば貧困に陥る原因の一つにこの持家率の低さというのが出てきます。この解決も是非この中で議論をいただければというふうに思っています。
 それから、高格差社会ということで、低所得でありますけれども、一千万円以上の高額所得者の比率では八位とか九位というところに上がるという数字もあります。そういう意味では、持てる人と持てない人の格差も大きいというのが沖縄の課題ではないかという指摘もありますので、是非この辺りについても御審議をいただければというふうに思っています。
 文書に落としたのが、以下、米印に書いてあるところです。
 この高賃金で雇用の安定度が高い第二次産業の比率が全国最低レベルという。これ実は、サービス産業化が沖縄は進んでいまして、このサービス産業の比率では東京に次ぐ第二位ということになっています。あるいは、東京を超えるぐらいのサービス産業化が進んで、これが所得の中でどういう影響があるかというところで、皆さんにお配りした資料の中でも、実はこのデータで見ると、観光業あるいは飲食業のところで、これは月給ではありませんけれども、所得階級別の産業別有業者数を見ると、ちょっとデータが古いんですが、緑の部分の数字は、実は宿泊業と飲食業です。これは九十九万円以下に一万七千人ぐらいの就業があるというところで、ある意味では、今日、下地会長がいらっしゃっていますけれども、観光業の高付加価値化というのが非常に大きな課題と言えるのではないかというふうに思っています。
 働きたくても仕事がない高失業県、ようやく就職ができても給料が安い低賃金県になっている、全国一、二を争うような長時間労働といった問題もあります。こういったところをどうクリアするかというところで、課題が山積している辺りを是非皆さんに見ていただきたいというふうに思っています。
 はしょりますけれども、公共事業の依存。これも、沖縄に対して十三兆五千億円ほどの復帰後の公共事業あるいは沖縄投資が行われましたけれども、残念ながら歩留り率が非常に低いという指摘があります。四八%ほどは実は本土のゼネコンに還流をしてきたというところでいうと、皆さん一生懸命予算を付けていただいていますけれども、歩留り率が悪過ぎるという問題があります。地元企業にとっては、これだけのお金が入ってくるけれども、実際にはほとんどがだだ漏れ状態で、外に漏れていってしまう。このざる経済の問題についても是非御審議をいただければというふうに思っています。
 それから、基地依存経済。これも、私も基地経済、軍事論も研究をしておりますけれども、基地がもうかる時代からはるかに遠のいてしまっているのが現状です。
 今は、この数字の方で入れましたけれども、普天間基地、一ヘクタール当たり二千万円ほどの収益になりますけれども、実はもう宜野湾市の外の方の数字で見ると、民間経済では一億四千五百万円という七倍ほどです。これは、キャンプ・キンザー、浦添市のキャンプ・キンザーに至っては十倍ほどの開きがあります。これだけの不経済、基地があることによる逸失利益が非常に大きな時代になってきている。しかし、沖縄は基地がなければやっていけないかのような印象を持たれている方も多いと思います。この基地経済についてもしっかりと御議論いただければと思っています。
 それからもう一つ、基地の返還跡地の成功。これは、皆さんも沖縄に視察に行かれたときにたくさんの跡地利用を御覧になったと思います。那覇の新都心あるいは北谷の美浜、この辺りはもう若者にとって観光地としてどれだけ栄えているかということです。返還後、百倍あるいは三十倍という形で基地収入をはるかに上回るような経済効果を生み出しているというところでは、この平和のために、反戦平和のための返還運動から、経済的な利益を得るために基地を返してくれという要求が高まってきているということですね。
 米軍基地は、今、地質学的に見ても、大半が岩盤の上に造られているんですね。ペリーが来たときに調査をして、しっかりと岩盤地域を押さえて基地を造る、その他の軟弱地盤のところに住民が住むという形になっています。返された跡地の発展可能性を考えたら、この基地の跡利用についても、不要な基地については返還を促進をして、そして新しい町づくり、あるいは新しい観光地としての発展を図ってほしいというふうに思っています。
 ほかにもお伝えしたいことはたくさんありますが、質疑の中で御紹介ができればと思います。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 前泊博盛

speaker_id: 12559

日付: 2023-05-19

院: 参議院

会議名: 政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会