2023-05-19
参議院
下地芳郎
政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会
下地芳郎の発言 (政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会)
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○参考人(下地芳郎君) 皆様、こんにちは。沖縄観光コンベンションビューローの下地でございます。本日は貴重な機会を与えていただき、心から感謝申し上げます。
今、前泊先生から沖縄経済全体についてのお話がありましたけれども、私の方からは観光の現状について皆様にお知らせをしたいというふうに思っております。
皆様のお手元に準備しております二種類のペーパーなんですが、A4縦のところで、最初の沖縄観光の現状ということで、沖縄観光を考える場合に大きなその歴史的な節目でいくと、戦前、そして戦後、本土復帰後、そして二〇〇〇年サミット後と、そういったこの大きな節目節目がありますけれども、今、コロナ前まで順調に伸びてきた観光がこの三年間大きく落ち込んで、今はそこからの回復の途中というふうになっております。
皆様のお手元にA4横のパワーポイントの資料を付けておりますけれども、これがざっくりと分かりやすい資料ですので、これを見ていただければ、一番最初のページに本土復帰後の観光の流れを示しておりますけれども、本土復帰当時、六十万人程度だった観光客が、二〇一八年、一九年には一千万人まで成長をいたしました。
先ほど、前泊先生からのお話の中で、県経済、非常に苦しい状況が全国比較の中ではあるというふうなお話がありましたけれども、その中でも沖縄経済を支えるリーディング産業としてこの五十年間発展をしてまいりました。
次のページに、これは、旅行消費額をGDPと比較すると、これは本来の比較の数値ではないんですけれども、全国の旅行消費額がそれぞれの自治体におけるGDPにどれぐらいの比率を占めているのかというのを説明する際によく使っております。
沖縄県に関しましては、旅行消費額がコロナ前の八千八百六十四億円、これがGDPの四兆円ちょっとぐらいの数値からいくと、一九・一%ぐらいになります。四十七位の埼玉県だと一・一%というふうになっておりますので、それぞれ県によって大きくその観光産業のそれぞれの地域経済における割合が違うというふうになります。
もう一枚めくっていただくと、先ほどの数字を少しチャートにしてみていますけれども、圧倒的に沖縄県のその地位というのが、この消費額がGDPに占める割合が非常に高いと。東京都は観光客が非常に多いわけですので観光収入は非常に突出して多いんですが、東京と全体のGDPに占める割合となるとこういった数字になると、全国的に見ると五%台ぐらいが中心というふうになっております。
こういった状況ですので、コロナ禍の中で観光が非常に苦しい状況になっているということを全国の知事の皆様が全国知事会でよく申し上げておりますけれども、結果として見ると、それぞれの県にとってのその観光産業の位置付けというのが大きく違うと。そういう中で、沖縄は、コロナ禍における観光への影響は非常に大きな、甚大なものがあったと。みずほ総合研究所でも調査をしておりますけれども、全国の中で一番県経済に及ぼす影響が大きかったというふうな発表をしております。
最後のページに、そういった中ではありますけれども、沖縄県内における宿泊施設の整備はどんどん進んでおります。現在でいくと、約十七万七千人ほどが滞在できる状況までなってきておりますけれども、今年、来年、再来年と更に新たなホテルが大小できることになっております。そういう意味では、その量と質のバランスをどう取っていくのかというのは極めて大事なタイミングになってまいりました。
資料に戻っていただいて、後半のところに、現在の沖縄の観光の状況ですけれども、ようやく国内の観光はコロナ前に近づいてまいりました。全国旅行支援等の効果もありますけれども、まだ国際観光が地方は戻っておりません。政府の発表等で見ると、コロナ前の七割近くまでインバウンド戻ったというお話がありますけれども、沖縄に関しましては、直行便の再開が遅れているということもありますけれども、まだ二割から三割程度と。その要因の一つに、空港内における人手不足が解決できないと。海外の航空会社からは沖縄就航の依頼はありますけれども、沖縄側で受入れがなかなかできていないと。そこでなかなかインバウンドの戻りが遅れているというふうな状況があります。
それ以外にも、二次交通の問題等も書いておりますけれども、今年は、二〇二三年八月にFIBA、バスケットボールのワールドカップが沖縄で開催をされることになっております。フィリピン、インドネシア、日本、日本の中では沖縄で開催されることになっておりますので、今バスケットボール、非常に人気ですので、今年の夏は私どもも世界に向けて発信する絶好の機会だというふうに捉えております。
二枚目に、これからの沖縄の観光について少し書いております。
先ほど申し上げましたけれども、国内、海外から沖縄への旅行、観光についての関心は非常に高いものがあります。ここから、改めて県経済の回復に向けて観光が大きな役割を果たしていくべきだというふうに考えております。
これから取り組むべきテーマというのが、非常に多岐にわたっておりますけれども、国際観光の回復、あとは経営の問題、人手不足対策、ここが実は今本当に喫緊の課題となっております。観光客は大勢いらっしゃっていますけれども、ホテルも一〇〇%の稼働ができずに、五割、六割にとどめないと経営ができないと。そういった状況の中で、どういうふうにこれを解決していくのかというのが今の喫緊の課題となっております。
ほかにも、持続可能な観光、これは世界的な流れでもありますので、環境をしっかり保全できるような仕組みというのも求められております。
二次交通の改善、これも、これまでレンタカー中心の沖縄観光でしたけれども、やはり今後のことを考えますと、車を運転しない人たちも増えてきておりますし、やはりバスやタクシーを含めた二次交通の整備をこれから改めて強化しないといけないというふうに思っております。
沖縄観光の業界の地位向上のためにも、先ほど前泊さんからもありましたけども、やはり高付加価値型の観光に持っていかないと観光産業の給与が上がっていかないということもありますので、新たな観光コンテンツの開発も含めながら、沖縄観光の質の向上というのがこれからの大きなテーマだというふうに思っております。
今後強化すべき観光政策、これを国、政府への要望という形にまとめてありますけども、やはりこのコロナの中で観光業界、非常に大きなダメージを受けております。グローバルリスク報告書という中でも、今後も、気候変動を含め、感染症を含め、様々なリスクがあるだろうと。そういう中で、改めて今回のコロナ対策、特に経済対策、観光対策を検証していただいた上で、改めて次に備えるというところが一番大事ではないかというふうに考えております。
二番目に、観光の意義の発信ですけども、これは一とも関連しますけども、このコロナ禍の中で観光産業のイメージが大きく損なわれてしまいました。政府が進める観光立国推進基本計画の中でも、観光は成長戦略の柱だと、地域活性化の切り札だというふうに明言をしておりますので、改めて観光の役割、意義というものをしっかり訴えていただきたいというふうに思っております。
三番目に、インフラ整備。これも、時代とともに、本土復帰後進めてまいりましたインフラも更新の時期だったり、那覇空港も世界水準に持っていくためには改めて再整備も必要になっております。基地の跡利用も観光振興の視点から見ると極めて大きな発展可能性を持っている地域が多々ありますので、こういった地域も含めたインフラ整備が重要だというふうに考えております。
四番目、今まさにサミット、広島で開催しておりますけども、今年の広島サミットだけで終わることではなく、今後も国際会議、日本で頻繁に開催していく必要があるというふうに考えております。沖縄も二〇〇〇年サミットを契機として観光が大きく発展をしてまいりました。次の時代に向けても、沖縄でも是非国際会議を開催していただければというふうに思っております。
五番目、観光人材の確保は、先ほど申し上げました空港のスタッフの問題もありますし、特定技能の二号の拡大の話もありますけども、まだまだ十分な確保ができていない状況です。
最後に、観光産業の生産性向上のためには、デジタル化、DX化、これは極めて重要な視点になっております。沖縄の中でも情報通信産業の振興に力を入れておりますけども、特に中小企業のDXを進めていくことが、生産性を上げ、収益を高める大きなきっかけになるものというふうに思っております。
最後に、観光は平和へのパスポート、これは観光に関わる者が常に心している言葉でありますけども、一九六七年に国連が国際観光年の中でこのツーリズム、パスポート・ツー・ピースということを訴えております。今後、沖縄も平和交流拠点として発展をしていくために観光を重要だと思っておりますので、皆様の御支援をいただきたいというふうに思っております。
以上です。