浅田正彦の発言 (外交・安全保障に関する調査会)
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○参考人(浅田正彦君) ありがとうございます。
不処罰をいかに回避するかというのは極めて重要な問題でありまして、国内の刑法でも、いかに処罰することによって犯罪抑止するかという考え方はあると思いますけれども、同じようなことは国際社会においても当てはまるというふうに思います。
先ほどおっしゃったように、ICC、国際刑事裁判所が今世紀に入って活動を始めましたが、これまでになかったような制度でして、個人を処罰するということで、しかも、特に今回のロシア、ウクライナについては画期的なことになりそうなところがありまして、といいますのは、ロシアもウクライナもICC規程には入っていないんですね。入っていないけれども、ロシア人、ウクライナ人が処罰される可能性があるという、細かな制度の説明はしませんけれども、そういう画期的なものでありますけれども、問題は、少なくとも侵略については対象外になっていると。戦争犯罪よりも侵略の方が極めて明らかな、事実として明らかであって、その部分について処罰すべきだという声も聞くんですけれども、制度上は侵略は除外、少なくともロシア、ウクライナとの関係では除外されていると。
したがって、その問題については国連総会等で特別な法廷をつくるべきだというふうな議論もありますし、ゼレンスキー大統領はそんなことを言っていますし、それから、民間の国際法学者にもそういうふうな声を、ことを言う人もいますけれども、私自身はそれはちょっと法的には難しいと思いますね。
刑事裁判所、あるいは処罰する場合には、まず通常は条約で、ICCのような条約を使うか、あるいは旧ユーゴ、ルワンダのような形の安保理決議を使うかというぐらいしかなくて、それ以上に、国際法違反があったからそれに対して何らかの法執行を行うか、行うことができるかというと、それはできないと。特に、安保理の場合には、安全保障理事会の決定は法的拘束力を持つということが国連憲章に書いてあります。したがって、国連に入っている国というのは、既にそれを納得した上で入っていますから、安保理決議というのは法的な拘束力を持つと。しかし、総会はそうではないんですね。したがって、総会をベースにつくることはできないというので、侵略については少し問題が大きいというふうに思います。
これに対して、戦争犯罪ですね、もうかなりの数の戦争犯罪が行われていますので、戦争犯罪とかあるいはジェノサイド、そして人道に対する犯罪、こういったものについては、ウクライナ、ロシア間の戦争についてICCで審理、処罰することは可能だと思います。
ただ、それ、しかしながら、刑事裁判の場合には、いかに証拠を収集して、いわゆる疑わしきは罰せずというふうな刑法の理念からするとかなりの証拠が必要なんですけれども、それにロシアがどれだけ協力するかといいますと、これはかなり難しいところなんですね。
それから、簡単ではないけれども、メカニズムは一応あるので、そういったところをどのように利用するかということだと思いますけれども、既にICCが捜査を始めていますので、この辺りを期待したいというふうに思いますし、そのICCの今後のレーゾンデートルといいますか、ICC自体の問題としても頑張ってほしいなというふうに思っております。(発言する者あり)