外交・安全保障に関する調査会
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会
会議録情報#0
令和五年二月八日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員氏名
会 長 猪口 邦子君
理 事 朝日健太郎君
理 事 こやり隆史君
理 事 松川 るい君
理 事 塩村あやか君
理 事 平木 大作君
理 事 串田 誠一君
理 事 浜口 誠君
理 事 岩渕 友君
赤松 健君
生稲 晃子君
今井絵理子君
上野 通子君
永井 学君
長谷川英晴君
森 まさこ君
吉川ゆうみ君
羽田 次郎君
三上 えり君
水野 素子君
高橋 光男君
金子 道仁君
松野 明美君
浜田 聡君
伊波 洋一君
─────────────
委員の異動
二月八日
辞任 補欠選任
今井絵理子君 古庄 玄知君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 猪口 邦子君
理 事
朝日健太郎君
こやり隆史君
松川 るい君
塩村あやか君
平木 大作君
串田 誠一君
浜口 誠君
岩渕 友君
委 員
赤松 健君
生稲 晃子君
上野 通子君
古庄 玄知君
永井 学君
長谷川英晴君
森 まさこ君
吉川ゆうみ君
羽田 次郎君
三上 えり君
水野 素子君
高橋 光男君
金子 道仁君
松野 明美君
浜田 聡君
伊波 洋一君
事務局側
第一特別調査室
長 中西 渉君
参考人
同志社大学法学
部教授 浅田 正彦君
香川大学法学部
客員教授
上智大学大学院
講師 植田 隆子君
元海上自衛隊自
衛艦隊司令官 香田 洋二君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交・安全保障に関する調査
(「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序
構築~」のうち、「戦争防止のための要件」に
ついて)
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この発言だけを見る →午後一時開会
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委員氏名
会 長 猪口 邦子君
理 事 朝日健太郎君
理 事 こやり隆史君
理 事 松川 るい君
理 事 塩村あやか君
理 事 平木 大作君
理 事 串田 誠一君
理 事 浜口 誠君
理 事 岩渕 友君
赤松 健君
生稲 晃子君
今井絵理子君
上野 通子君
永井 学君
長谷川英晴君
森 まさこ君
吉川ゆうみ君
羽田 次郎君
三上 えり君
水野 素子君
高橋 光男君
金子 道仁君
松野 明美君
浜田 聡君
伊波 洋一君
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委員の異動
二月八日
辞任 補欠選任
今井絵理子君 古庄 玄知君
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出席者は左のとおり。
会 長 猪口 邦子君
理 事
朝日健太郎君
こやり隆史君
松川 るい君
塩村あやか君
平木 大作君
串田 誠一君
浜口 誠君
岩渕 友君
委 員
赤松 健君
生稲 晃子君
上野 通子君
古庄 玄知君
永井 学君
長谷川英晴君
森 まさこ君
吉川ゆうみ君
羽田 次郎君
三上 えり君
水野 素子君
高橋 光男君
金子 道仁君
松野 明美君
浜田 聡君
伊波 洋一君
事務局側
第一特別調査室
長 中西 渉君
参考人
同志社大学法学
部教授 浅田 正彦君
香川大学法学部
客員教授
上智大学大学院
講師 植田 隆子君
元海上自衛隊自
衛艦隊司令官 香田 洋二君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交・安全保障に関する調査
(「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序
構築~」のうち、「戦争防止のための要件」に
ついて)
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猪
猪口邦子#1
○会長(猪口邦子君) ただいまから外交・安全保障に関する調査会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、今井絵理子君が委員を辞任され、その補欠として古庄玄知君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
本日、今井絵理子君が委員を辞任され、その補欠として古庄玄知君が選任されました。
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猪
猪口邦子#2
○会長(猪口邦子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
外交・安全保障に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →外交・安全保障に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
猪
猪口邦子#3
○会長(猪口邦子君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
猪
猪
猪口邦子#5
○会長(猪口邦子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
外交・安全保障に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →外交・安全保障に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
猪
猪
猪口邦子#7
○会長(猪口邦子君) 外交・安全保障に関する調査を議題といたします。
本日は、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」のうち、「戦争防止のための要件」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、同志社大学法学部教授浅田正彦君、香川大学法学部客員教授・上智大学大学院講師植田隆子君及び元海上自衛隊自衛艦隊司令官香田洋二君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、浅田参考人、植田参考人、香田参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず浅田参考人からお願いいたします。浅田参考人。
この発言だけを見る →本日は、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」のうち、「戦争防止のための要件」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、同志社大学法学部教授浅田正彦君、香川大学法学部客員教授・上智大学大学院講師植田隆子君及び元海上自衛隊自衛艦隊司令官香田洋二君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、浅田参考人、植田参考人、香田参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず浅田参考人からお願いいたします。浅田参考人。
浅
浅田正彦#8
○参考人(浅田正彦君) 浅田正彦と申します。
本日は、お招きいただきまして、どうもありがとうございました。時間の関係ありますので、早速冒頭発言をさせていただきます。
レジュメ一枚とそれから若干の資料を付けたものを配付させていただいております。
昨年の二月二十四日に始まりましたロシアによるウクライナ侵攻は、疑いもなく国際法上の武力行使禁止原則の違反であり、侵略行為であります。しかし、プーチン大統領は、侵攻当日に行った演説で、自らの行為を法的に正当化する論を展開しております。それは、第一に個別的自衛権、第二に集団的自衛権、第三に在外自国民の保護、第四に人道的干渉、第五に要請による武力行使。まあ可能な全ての正当化事由を網羅したかのようでありますけれども、事実に照らすと、そのいずれも正当化は不可能ないし困難であります。その理由については、レジュメの方の一、①から⑤まで掲げてありますので、御参照いただければと思います。
ロシアによるいずれの正当化も困難であるとしますと、問題は、国際法のルールにあるのではなくて、主としてロシア、プーチン大統領の遵法意思あるいは国際政治的な要素にあったというふうに言えます。
国際法の観点からは、国際法が違法な武力行使、侵略に対して何ができるかという、こういった点についてお話ししたいと思います。その観点から、国連と、それから国連外の対応を見ることにしたいと思います。
まず、国連について言いますと、武力侵攻に対応する第一義的な責任というのは安保理にあります。しかし、ロシアの拒否権のために安保理は機能しなかったわけであります。大体の概要は資料の一のところに年表の形で出してあります。
拒否権による安保理の機能不全の場合には、問題を国連総会の方に移して総会が集団的な措置を勧告できるというふうなメカニズムがあります。これは一九五〇年の平和のための結集決議という決議に示されております。今回も、その平和のための結集決議を用いて緊急特別総会というものが開かれまして、安保理で拒否権のために否決されたものとほぼ同内容の決議がそこで採択されております。その中で、ロシアによる侵略というものが認定されています。これは、資料の二の方の決議のES―11/1というのがありますけれども、この11というのは第十一回の緊急特別総会の決議一という意味ですけれども、この中で侵略という文字がパラグラフの二のところに書かれていますけれども、こういった形の認定がなされています。
総会はロシアに対して制裁を決議することも当然可能であったわけですけれども、制裁は含まれていません。したがって、今回のロシアの侵略について、拒否権を有する国による侵略なので国連集団安全保障が機能しなかったというよりも、むしろ国際社会が国連による制裁を希望しなかったということではないかと思います。やろうと思えばできたものをしていないということですから。というのも、ロシアに対する制裁というものが国連の外において独自制裁の形で行われているからであります。
そこで、こういった独自制裁というものが国際法上どのように考えるべきかということを次にお話ししたいと思います。
独自制裁、制裁というのは多義的な用語ですけれども、そもそも国際法上適法な措置であれば問題にする必要はありません。したがって、本来は違法であるけれども制裁として行うという場合ですね、これが問題となります。こういった、本来は違法な行為であるけれどもその違法性が阻却されるというふうなルールとして、国際法上、対抗措置というふうな概念があります。
国際社会というのは主権国家が併存していますので、相手国の違法な行為をやめさせるためには被害国の側が対抗措置として違法な行為をするのを認めると、そういった制度があるわけですね。そういった対抗措置、これが言わば制裁になるわけですけれども、そういった対抗措置、制裁を行うことができるのは、基本的には当初の違法行為の被害国だというふうにされています。
もっとも、侵略とかあるいはジェノサイドといった国際社会全体の利益に関わるような義務の違反の場合には、被害国に限らず国際社会の全ての国が対抗措置、制裁をとるということもできるという考え方があります。その場合には、直接の被害国以外の言わば第三国も違反国に対して対抗措置、制裁をとれるというふうなことになります。これが第三者対抗措置、まあちょっと難しいですけれども、第三者対抗措置というふうに言われるものであります。
で、直接の被害国でない国が行う独自制裁、今回でいいますとウクライナ以外の例えばG7とかですね、そういった国が行う制裁を法的に正当化する唯一の論理というのがこの第三者対抗措置であります。この第三者対抗措置というものが適法かどうかということについては争いがあります。国連国際法委員会が二〇〇一年と二〇一一年に作成した条文の中でも玉虫色のよく分からない規定になっているというのが現状であります。
しかし、国際社会で第三者対抗措置の実践がますます増加しておりまして、とりわけ今回のロシアによるウクライナ侵攻に対して行われた第三国、ウクライナ以外の国による独自制裁に対しては、これを国際法上違法だというふうな主張はほとんど聞かれません。ロシアによるあからさまな侵略行為に対する措置として批判しにくかったという点はあるかと思いますけれども、第三者対抗措置というものが合法であるという方向へ、一つの重要な先例になるというふうに思っております。
こういった傾向が続くと、有志国による協調的な独自制裁で侵略に対しては対抗するというふうなことが、今後、違法な武力行使への一つの在り方として期待されると、そうした体制づくりというのが重要ではないかというふうに思います。第二の安保理をつくるというわけじゃありませんけれども、そういった協調的な体制というものをつくるということは重要であるというふうに考えます。
それから、侵略に対するもう一つの措置は、戦後における賠償であります。戦争賠償は伝統的には平和条約において行われてきておりますけれども、平和条約以外にも、裁判の判決によって侵略に対する賠償というのが命ぜられる、これは昨年行われたICJの判決がありますけれども、そういったものがありますし、あるいは、安保理決議によって侵略への賠償のメカニズムというのがつくられることもあります。これは湾岸戦争の際のイラクに対するものでありまして、安保理決議で国連補償委員会というものを設置した例があります。
今回のウクライナ戦争についても、昨年の十一月に採択された緊急特別総会の決議五というのがありますけれども、これは資料の④に付けてありますが、ここで、侵略、人道法違反を含むあらゆる国際違法行為について賠償のための国際制度を構築するという必要が言及されております。
これが賠償実現への第一歩でありまして、今後、いかなる範囲でこういった賠償というのを認めるかという詰めの作業と、それから具体的なそういった賠償メカニズムをどうするかと、その創設の問題というものが出てきますけれども、六千億ユーロ、八十六兆円というふうに言われています損害、これはまだ数字としては古いものですからどんどん増えておりますけれども、そういったものについて賠償が行われるとなると、将来の侵略行為への一定の歯止めといいますか、抑制効果はあるかというふうに思います。
その際の問題は、賠償資金をいかに確保するかということであります。先ほど言いました湾岸戦争のときの国連補償委員会の場合には、イラクの石油輸出の代金を割り当てるというふうなメカニズムが創設されていましたけれども、ロシアの場合にどうするのかという点が問題であります。ロシア中央銀行の凍結資産というのが現在二千億ユーロありますけれども、これを充てるという提案もありますけれども、そういったことが国際法で許されるかという点が問題としてあります。
中央銀行の資産を凍結するということは、基本的に、国際法上は、国家の資産に与えられております免除ですね、に反するというふうに考えられますけれども、これも、先ほども申し上げました対抗措置という観点からしますと、違法であるけれども違法性が阻却されると。先行する違法行為があると、それをやめさせるために違法行為を行うという対抗措置の概念を用いますと違法性が阻却されるということが言えるわけですけれども、しかし、それで終わるわけではなくて若干問題が残りまして、対抗措置というのは、その目的は先行する違法行為をやめさせるということにありますので、相手国が違法行為をやめれば対抗措置もやめなければならないというふうな制度ですね。
したがって、一時的な措置であれば、つまり、凍結というふうな一時的な措置であれば問題ないんですけれども、没収というふうになりますと、これは一時的ではないですよね。没収してしまうと、相手国が違法行為をやめても、こちらとしては違法行為がもうやめれないと。ですから、没収というのは対抗措置として認められないというふうな考え方もあるわけで、こういった辺りは少し問題があるかと思います。
ただ、立法論的に言いますと、国際刑事裁判所、ICC、まあ最近少しよく知られていますけれども、ICCにおいては、単なる戦争犯罪者の処罰だけではなくて、戦争犯罪の被害者に対する賠償を命ずるというふうな制度もあります。そういうことを想起すれば、国家のレベルにおいても同様に賠償という制度を少し制度化するということが考えられるかと思いますけれども、ただ、国際社会の構造からしますと、こういった制度をつくるにしても、条約か、あるいは安保理決議か、あるいは国際司法裁判所の判決、こういったものが必要になってくるわけで、いずれもロシアとの関係でいいますとなかなか想定しづらいというふうに思っております。
侵略国への制裁の対極にある措置としまして、侵略の犠牲国への支援というのがあります。ウクライナ戦争でも、アメリカを始めとして、NATO諸国の軍事支援というのがその帰趨に大きな影響を与えておるところですけれども、こういった、たとえ侵略を行われても外からの支援で反転攻勢できるというふうな体制があれば、侵略の抑止にもなるというふうに思います。これが、本来であれば集団安全保障というのはそういう制度であったわけですけれども、そういった反転攻勢ができる体制というものが必要だろうと思います。
したがって、有志国が協調して支援を行うという事実上の体制というものをどのようにつくるかということが重要になるわけですけれども、こういった軍事支援についても国際法上問題がないかといいますと、ないわけではないということをお話ししたいと思います。
伝統的な国際法の下では、戦争が発生した場合には交戦国以外の国には二つの選択肢があります。一つは一方の側に立って共同交戦国になるということで、もう一つは中立の立場に立つということ、いずれかを選択することになります。
中立国になった場合には当然中立義務を負うことになりますけれども、中立義務の中に公平義務というのがあります。中立国は両交戦国を公平に扱うということが求められまして、一方の交戦国に対して武器弾薬等を提供するということは禁止されているというのがこの中立義務の一部であります。
ただ、この中立義務、伝統的な中立義務は、特に戦争が違法化されて以降は動揺することになります。侵略国と侵略の犠牲国を公平に扱うということは、基本的に戦争を違法化するということとは両立しないと。そして、もっと言えば、侵略国を利するということになる。したがって、侵略の犠牲国に対する支援は許されるというふうな考え方が出てきております。これが限定中立と言われる考え方であります。
こうした考え方を明示的に採用している国としまして、アメリカがあります。アメリカは、軍事マニュアルにおいて、限定中立というものを採用しているということを明記しております。
ただ、侵略の犠牲国に対する支援といっても、誰が侵略国かということが認定されないとそういったメカニズムは働かないわけでありまして、侵略の認定というのが必ず行われるとは限らないと、むしろ行われるのが例外的だというふうなのが現実であります。
こういった限定中立の立場の採用において、国連による侵略国の認定が必要なのかということについては、これもまた争いがあるのが現実でありまして、ただ、今回のウクライナとの関係でいいますと、少なくとも、冒頭言いましたように、緊急特別総会の決議においてロシアの侵略が明確に認定されていますから、この点に問題はなく、軍事支援というのは限定中立として正当化できるというふうに思います。
今後も、安保理の常任理事国による侵略において、安保理が拒否権によって機能しない場合には速やかに緊急特別総会を開催して侵略国の認定を行うということが犠牲国に対する支援としては極めて重要ではないかというふうに思います。
残りの時間で、核兵器に関連する問題と、それから、昨年の十二月に発表されました日本の国家安全保障戦略について一言ずつ申し上げたいと思います。
国連体制の下で常任理事国、安保理の常任理事国が武力行使を行ったということは、これまでもなかったわけではありません。が、ウクライナ戦争において注目すべきは、核保有国が核の使用をほのめかしつつ侵略を完遂しようとしている点であります。ロシアが核の使用を何度もちらつかせているということは周知のとおりですけれども、これが現在のNATO諸国によるウクライナ戦支援に対して大きな足かせとなっております。
これはある意味では、核抑止が実際に機能することを示しております。しかし、逆に、そのことは将来における核保有国による同様の核の脅しを助長するということもありますし、あるいは、核保有国が核兵器放棄の可能性、五大国といいますか、P5の、NPT上のものは別にしまして、それ以外の国ですね、そういった国が核兵器を放棄するという可能性が更に遠のくということもありますし、さらには、核拡散の危険というのも高まるというふうに思います。
ですから、今後は核不拡散の取組とそれから核兵器不使用の取組がますます重要になってくるのではないかというふうに思います。この不使用については、日本の安全保障上の核抑止に頼るというところとどう整合させるかということはかなり難しい問題だと思いますけれども、こういった問題も議論する必要があると思います。
それから、もう一つの国家安全保障戦略との関係ですけれども、日本は侵略の犠牲にならないために何をすべきかという観点からしますと、国家安全保障戦略において表明された反撃能力の保有というのが重要であるというふうに思います。
北朝鮮の弾道ミサイル能力の向上、昨年、物すごい数の実験、発射を行っていますけれども、それから、中国も千基を超える、千から二千の中距離、準中距離ミサイルを保有しております。これに対して日本の迎撃態勢というのは、イージス・アショアの頓挫を始めとしまして心もとない限りでありますし、今回のウクライナ戦争を見ますと、一〇〇%の迎撃の保証がない限り、いかに悲惨な結果が待ち受けているかということを如実に示しているというふうに思います。
そういった現実を前提にしますと、いかに弾道ミサイル攻撃そのものの発生を回避するかということを考えるべきだというふうに思います。もちろんそのためには外交も重要でありますけれども、究極的には、相手方に対して、もし対日攻撃を行えば大変なことになるというふうなことをあらかじめ知らしめるということが重要だと思います。その一つが反撃能力であります。
反撃能力の保有というのは、現に反撃を行うということも、まあ望ましくはないですけれども、そういう可能性を示すと。それから、それを示すことによって攻撃を抑止するというためにも必要でありますが、それだけではなくて、将来あり得べき東アジアにおけるミサイルの削減交渉というものを考えた場合に、そういったものとの関係でも重要であります。
一九七九年のNATOの二重決定に言及するまでもなく、削減交渉の対象となるべき兵器を持たない国が、私は持っていませんけれどもあなたの国のミサイルを廃棄してくれませんかと言って、分かりましたと言う国はないと思います。したがって、そういった将来の削減交渉を考えた場合にもこういった反撃能力の保有というのは重要であるかというふうに思っております。
最後に、ウクライナ戦争の推移に関連してもう一言だけ申し上げますと、侵略を受けた国が世界から支持と支援を得るには、その国が必死に抵抗しているということを示す、それに加えて、その国のトップの政治家がそういった気概を明確に示すということは極めて重要であるというふうに感じております。
この点を申し上げまして、私の冒頭の発言を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、お招きいただきまして、どうもありがとうございました。時間の関係ありますので、早速冒頭発言をさせていただきます。
レジュメ一枚とそれから若干の資料を付けたものを配付させていただいております。
昨年の二月二十四日に始まりましたロシアによるウクライナ侵攻は、疑いもなく国際法上の武力行使禁止原則の違反であり、侵略行為であります。しかし、プーチン大統領は、侵攻当日に行った演説で、自らの行為を法的に正当化する論を展開しております。それは、第一に個別的自衛権、第二に集団的自衛権、第三に在外自国民の保護、第四に人道的干渉、第五に要請による武力行使。まあ可能な全ての正当化事由を網羅したかのようでありますけれども、事実に照らすと、そのいずれも正当化は不可能ないし困難であります。その理由については、レジュメの方の一、①から⑤まで掲げてありますので、御参照いただければと思います。
ロシアによるいずれの正当化も困難であるとしますと、問題は、国際法のルールにあるのではなくて、主としてロシア、プーチン大統領の遵法意思あるいは国際政治的な要素にあったというふうに言えます。
国際法の観点からは、国際法が違法な武力行使、侵略に対して何ができるかという、こういった点についてお話ししたいと思います。その観点から、国連と、それから国連外の対応を見ることにしたいと思います。
まず、国連について言いますと、武力侵攻に対応する第一義的な責任というのは安保理にあります。しかし、ロシアの拒否権のために安保理は機能しなかったわけであります。大体の概要は資料の一のところに年表の形で出してあります。
拒否権による安保理の機能不全の場合には、問題を国連総会の方に移して総会が集団的な措置を勧告できるというふうなメカニズムがあります。これは一九五〇年の平和のための結集決議という決議に示されております。今回も、その平和のための結集決議を用いて緊急特別総会というものが開かれまして、安保理で拒否権のために否決されたものとほぼ同内容の決議がそこで採択されております。その中で、ロシアによる侵略というものが認定されています。これは、資料の二の方の決議のES―11/1というのがありますけれども、この11というのは第十一回の緊急特別総会の決議一という意味ですけれども、この中で侵略という文字がパラグラフの二のところに書かれていますけれども、こういった形の認定がなされています。
総会はロシアに対して制裁を決議することも当然可能であったわけですけれども、制裁は含まれていません。したがって、今回のロシアの侵略について、拒否権を有する国による侵略なので国連集団安全保障が機能しなかったというよりも、むしろ国際社会が国連による制裁を希望しなかったということではないかと思います。やろうと思えばできたものをしていないということですから。というのも、ロシアに対する制裁というものが国連の外において独自制裁の形で行われているからであります。
そこで、こういった独自制裁というものが国際法上どのように考えるべきかということを次にお話ししたいと思います。
独自制裁、制裁というのは多義的な用語ですけれども、そもそも国際法上適法な措置であれば問題にする必要はありません。したがって、本来は違法であるけれども制裁として行うという場合ですね、これが問題となります。こういった、本来は違法な行為であるけれどもその違法性が阻却されるというふうなルールとして、国際法上、対抗措置というふうな概念があります。
国際社会というのは主権国家が併存していますので、相手国の違法な行為をやめさせるためには被害国の側が対抗措置として違法な行為をするのを認めると、そういった制度があるわけですね。そういった対抗措置、これが言わば制裁になるわけですけれども、そういった対抗措置、制裁を行うことができるのは、基本的には当初の違法行為の被害国だというふうにされています。
もっとも、侵略とかあるいはジェノサイドといった国際社会全体の利益に関わるような義務の違反の場合には、被害国に限らず国際社会の全ての国が対抗措置、制裁をとるということもできるという考え方があります。その場合には、直接の被害国以外の言わば第三国も違反国に対して対抗措置、制裁をとれるというふうなことになります。これが第三者対抗措置、まあちょっと難しいですけれども、第三者対抗措置というふうに言われるものであります。
で、直接の被害国でない国が行う独自制裁、今回でいいますとウクライナ以外の例えばG7とかですね、そういった国が行う制裁を法的に正当化する唯一の論理というのがこの第三者対抗措置であります。この第三者対抗措置というものが適法かどうかということについては争いがあります。国連国際法委員会が二〇〇一年と二〇一一年に作成した条文の中でも玉虫色のよく分からない規定になっているというのが現状であります。
しかし、国際社会で第三者対抗措置の実践がますます増加しておりまして、とりわけ今回のロシアによるウクライナ侵攻に対して行われた第三国、ウクライナ以外の国による独自制裁に対しては、これを国際法上違法だというふうな主張はほとんど聞かれません。ロシアによるあからさまな侵略行為に対する措置として批判しにくかったという点はあるかと思いますけれども、第三者対抗措置というものが合法であるという方向へ、一つの重要な先例になるというふうに思っております。
こういった傾向が続くと、有志国による協調的な独自制裁で侵略に対しては対抗するというふうなことが、今後、違法な武力行使への一つの在り方として期待されると、そうした体制づくりというのが重要ではないかというふうに思います。第二の安保理をつくるというわけじゃありませんけれども、そういった協調的な体制というものをつくるということは重要であるというふうに考えます。
それから、侵略に対するもう一つの措置は、戦後における賠償であります。戦争賠償は伝統的には平和条約において行われてきておりますけれども、平和条約以外にも、裁判の判決によって侵略に対する賠償というのが命ぜられる、これは昨年行われたICJの判決がありますけれども、そういったものがありますし、あるいは、安保理決議によって侵略への賠償のメカニズムというのがつくられることもあります。これは湾岸戦争の際のイラクに対するものでありまして、安保理決議で国連補償委員会というものを設置した例があります。
今回のウクライナ戦争についても、昨年の十一月に採択された緊急特別総会の決議五というのがありますけれども、これは資料の④に付けてありますが、ここで、侵略、人道法違反を含むあらゆる国際違法行為について賠償のための国際制度を構築するという必要が言及されております。
これが賠償実現への第一歩でありまして、今後、いかなる範囲でこういった賠償というのを認めるかという詰めの作業と、それから具体的なそういった賠償メカニズムをどうするかと、その創設の問題というものが出てきますけれども、六千億ユーロ、八十六兆円というふうに言われています損害、これはまだ数字としては古いものですからどんどん増えておりますけれども、そういったものについて賠償が行われるとなると、将来の侵略行為への一定の歯止めといいますか、抑制効果はあるかというふうに思います。
その際の問題は、賠償資金をいかに確保するかということであります。先ほど言いました湾岸戦争のときの国連補償委員会の場合には、イラクの石油輸出の代金を割り当てるというふうなメカニズムが創設されていましたけれども、ロシアの場合にどうするのかという点が問題であります。ロシア中央銀行の凍結資産というのが現在二千億ユーロありますけれども、これを充てるという提案もありますけれども、そういったことが国際法で許されるかという点が問題としてあります。
中央銀行の資産を凍結するということは、基本的に、国際法上は、国家の資産に与えられております免除ですね、に反するというふうに考えられますけれども、これも、先ほども申し上げました対抗措置という観点からしますと、違法であるけれども違法性が阻却されると。先行する違法行為があると、それをやめさせるために違法行為を行うという対抗措置の概念を用いますと違法性が阻却されるということが言えるわけですけれども、しかし、それで終わるわけではなくて若干問題が残りまして、対抗措置というのは、その目的は先行する違法行為をやめさせるということにありますので、相手国が違法行為をやめれば対抗措置もやめなければならないというふうな制度ですね。
したがって、一時的な措置であれば、つまり、凍結というふうな一時的な措置であれば問題ないんですけれども、没収というふうになりますと、これは一時的ではないですよね。没収してしまうと、相手国が違法行為をやめても、こちらとしては違法行為がもうやめれないと。ですから、没収というのは対抗措置として認められないというふうな考え方もあるわけで、こういった辺りは少し問題があるかと思います。
ただ、立法論的に言いますと、国際刑事裁判所、ICC、まあ最近少しよく知られていますけれども、ICCにおいては、単なる戦争犯罪者の処罰だけではなくて、戦争犯罪の被害者に対する賠償を命ずるというふうな制度もあります。そういうことを想起すれば、国家のレベルにおいても同様に賠償という制度を少し制度化するということが考えられるかと思いますけれども、ただ、国際社会の構造からしますと、こういった制度をつくるにしても、条約か、あるいは安保理決議か、あるいは国際司法裁判所の判決、こういったものが必要になってくるわけで、いずれもロシアとの関係でいいますとなかなか想定しづらいというふうに思っております。
侵略国への制裁の対極にある措置としまして、侵略の犠牲国への支援というのがあります。ウクライナ戦争でも、アメリカを始めとして、NATO諸国の軍事支援というのがその帰趨に大きな影響を与えておるところですけれども、こういった、たとえ侵略を行われても外からの支援で反転攻勢できるというふうな体制があれば、侵略の抑止にもなるというふうに思います。これが、本来であれば集団安全保障というのはそういう制度であったわけですけれども、そういった反転攻勢ができる体制というものが必要だろうと思います。
したがって、有志国が協調して支援を行うという事実上の体制というものをどのようにつくるかということが重要になるわけですけれども、こういった軍事支援についても国際法上問題がないかといいますと、ないわけではないということをお話ししたいと思います。
伝統的な国際法の下では、戦争が発生した場合には交戦国以外の国には二つの選択肢があります。一つは一方の側に立って共同交戦国になるということで、もう一つは中立の立場に立つということ、いずれかを選択することになります。
中立国になった場合には当然中立義務を負うことになりますけれども、中立義務の中に公平義務というのがあります。中立国は両交戦国を公平に扱うということが求められまして、一方の交戦国に対して武器弾薬等を提供するということは禁止されているというのがこの中立義務の一部であります。
ただ、この中立義務、伝統的な中立義務は、特に戦争が違法化されて以降は動揺することになります。侵略国と侵略の犠牲国を公平に扱うということは、基本的に戦争を違法化するということとは両立しないと。そして、もっと言えば、侵略国を利するということになる。したがって、侵略の犠牲国に対する支援は許されるというふうな考え方が出てきております。これが限定中立と言われる考え方であります。
こうした考え方を明示的に採用している国としまして、アメリカがあります。アメリカは、軍事マニュアルにおいて、限定中立というものを採用しているということを明記しております。
ただ、侵略の犠牲国に対する支援といっても、誰が侵略国かということが認定されないとそういったメカニズムは働かないわけでありまして、侵略の認定というのが必ず行われるとは限らないと、むしろ行われるのが例外的だというふうなのが現実であります。
こういった限定中立の立場の採用において、国連による侵略国の認定が必要なのかということについては、これもまた争いがあるのが現実でありまして、ただ、今回のウクライナとの関係でいいますと、少なくとも、冒頭言いましたように、緊急特別総会の決議においてロシアの侵略が明確に認定されていますから、この点に問題はなく、軍事支援というのは限定中立として正当化できるというふうに思います。
今後も、安保理の常任理事国による侵略において、安保理が拒否権によって機能しない場合には速やかに緊急特別総会を開催して侵略国の認定を行うということが犠牲国に対する支援としては極めて重要ではないかというふうに思います。
残りの時間で、核兵器に関連する問題と、それから、昨年の十二月に発表されました日本の国家安全保障戦略について一言ずつ申し上げたいと思います。
国連体制の下で常任理事国、安保理の常任理事国が武力行使を行ったということは、これまでもなかったわけではありません。が、ウクライナ戦争において注目すべきは、核保有国が核の使用をほのめかしつつ侵略を完遂しようとしている点であります。ロシアが核の使用を何度もちらつかせているということは周知のとおりですけれども、これが現在のNATO諸国によるウクライナ戦支援に対して大きな足かせとなっております。
これはある意味では、核抑止が実際に機能することを示しております。しかし、逆に、そのことは将来における核保有国による同様の核の脅しを助長するということもありますし、あるいは、核保有国が核兵器放棄の可能性、五大国といいますか、P5の、NPT上のものは別にしまして、それ以外の国ですね、そういった国が核兵器を放棄するという可能性が更に遠のくということもありますし、さらには、核拡散の危険というのも高まるというふうに思います。
ですから、今後は核不拡散の取組とそれから核兵器不使用の取組がますます重要になってくるのではないかというふうに思います。この不使用については、日本の安全保障上の核抑止に頼るというところとどう整合させるかということはかなり難しい問題だと思いますけれども、こういった問題も議論する必要があると思います。
それから、もう一つの国家安全保障戦略との関係ですけれども、日本は侵略の犠牲にならないために何をすべきかという観点からしますと、国家安全保障戦略において表明された反撃能力の保有というのが重要であるというふうに思います。
北朝鮮の弾道ミサイル能力の向上、昨年、物すごい数の実験、発射を行っていますけれども、それから、中国も千基を超える、千から二千の中距離、準中距離ミサイルを保有しております。これに対して日本の迎撃態勢というのは、イージス・アショアの頓挫を始めとしまして心もとない限りでありますし、今回のウクライナ戦争を見ますと、一〇〇%の迎撃の保証がない限り、いかに悲惨な結果が待ち受けているかということを如実に示しているというふうに思います。
そういった現実を前提にしますと、いかに弾道ミサイル攻撃そのものの発生を回避するかということを考えるべきだというふうに思います。もちろんそのためには外交も重要でありますけれども、究極的には、相手方に対して、もし対日攻撃を行えば大変なことになるというふうなことをあらかじめ知らしめるということが重要だと思います。その一つが反撃能力であります。
反撃能力の保有というのは、現に反撃を行うということも、まあ望ましくはないですけれども、そういう可能性を示すと。それから、それを示すことによって攻撃を抑止するというためにも必要でありますが、それだけではなくて、将来あり得べき東アジアにおけるミサイルの削減交渉というものを考えた場合に、そういったものとの関係でも重要であります。
一九七九年のNATOの二重決定に言及するまでもなく、削減交渉の対象となるべき兵器を持たない国が、私は持っていませんけれどもあなたの国のミサイルを廃棄してくれませんかと言って、分かりましたと言う国はないと思います。したがって、そういった将来の削減交渉を考えた場合にもこういった反撃能力の保有というのは重要であるかというふうに思っております。
最後に、ウクライナ戦争の推移に関連してもう一言だけ申し上げますと、侵略を受けた国が世界から支持と支援を得るには、その国が必死に抵抗しているということを示す、それに加えて、その国のトップの政治家がそういった気概を明確に示すということは極めて重要であるというふうに感じております。
この点を申し上げまして、私の冒頭の発言を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
猪
植
植田隆子#10
○参考人(植田隆子君) 御紹介にあずかりました植田隆子でございます。
今日は、非常に大きなテーマをいただいておりますが、その中でリスクリダクション、危機低減というところに中心を置いてお話しできたらと考えております。
どうしてこういうテーマを選ぶのか、それから、既に事前にお配りしたものであるとか、今日の五枚の報告の、この順番でお話をするということの中身でございますが、地域的にヨーロッパのお話が出てくると。これは、自分の経歴の中で、八年ぐらい時期を置いてヨーロッパに、研究所にいたりとか、それから三年ずつですね、九〇年代の初めに日本のベルギー大使館でヨーロッパの安全保障、これは物すごい激動の時期で、ソ連がなくなったりとかですね、行ってすぐ湾岸戦争になったんですが、ソ連が崩壊したりとかいう激動の時期で、そこからしばらく置いて、今から十年ぐらい前ですね、今度は同じブラッセルのEU代表部で三年ぐらい勤務をしておりました。よくこれだけ大学を休めたということもあるんですけれども。
それで、EU代表部に行っておりましたときも、これは日本とEUとの今のEPAとかSPAをつくる前の時代で、そのためにEUを引っ張り出すと言ったらちょっと変な言い方ですが、日本の方が非常に熱心だったので一生懸命交流をしておりました時代でございます。ただ、やっぱりこのときも結構大きな国際的な出来事が起こっていて、着任してすぐ、ロシアの侵攻ですね、これはジョージアという小さい国に侵攻したと、それで非常に大きなインパクトがあった。
そういうところから始まった問題でございまして、ただ、別にその自分の研究対象がヨーロッパでも、大使館とかEU代表部に勤めているからには日本のことを、アジア情勢を説明すると。で、十年ぐらい前に起こっておりましたことというのは、EUの今の対中政策と違っておりまして、天安門のときにEUは制裁をしていると。対中制裁をしていると。それは対中武器輸出禁輸であったわけですね。中国に対する武器輸出をしないと。それを、今から十年ぐらい前というのは今のEUの中国政策と違うので、武器を輸出したい国というのがEU圏の中にもございまして、それを解除しようとする動きがあったと、それを解除されないようにするというのも私の仕事の一つだったわけで。
このアジア情勢、日本を取り巻く安全保障情勢などもそのときは御説明をしており、その後も、EUやNATOや、もう一つ今日出てくるのがOSCEという組織でございまして、組織は後ろの方に、アジアを取り巻く組織というのが最後に付いておりまして、その後ろから二番目のページに、欧州の主要な枠組みということで、NATOとかEUとか、ちょっともう日本よりも、あるいはアジアよりも更に複雑に、しかも非常に固い組織がたくさんつくられておりますので、そういうことをやっておりました。
それで、日本の安全保障政策はどんどんいろんな議論が出て動いていると思いますが、対抗抑止という、特定の国から自分の国を守るために行っている措置、これは必要でございますが、これだけが非常に前面的に出てくると、日本の国の位置が米国と違って中国とかロシアという大国に非常に近い、それから北朝鮮もあるということで、もう一つ何か対立を緩和するような措置がつくれないものかと。こういう措置の緩和を一生懸命考えていた地域がたまたま私が専門にしているヨーロッパ方面だったので、そういうことも踏まえてお話ができればということで、この報告を組んでおります。
それで、一のところでございますが、二度の世界大戦は欧州で発火をしたということで、戦争をとにかく防止したいという意欲はヨーロッパに強いと。戦争の防止に成功しているのは欧州連合であると、EUであると、ですからEUの加盟国間では戦争は起こらないと断言できると私は考えております。
それで、それは統合による平和ということで、日本と同じ民主主義の価値に基づくと。で、石炭と鉄鋼、このような資源をめぐって争っていたと、それはもうやめようねということで石炭鉄鋼共同体というのを設立したところから始まりまして、今では経済・通貨、外交安保、警察・刑事協力に協力分野を拡大していると。まあ経済統合のように、のレベルとは外交安保とか警察・刑事協力は違いますけれども、していると。で、入りたいという国もそこに書いてありますように結構多いというか、入っていない国から見れば経済的な繁栄の象徴のように映っているようでございます。
それで、次に欧州の紛争予防のための枠組みというところに参りたいと思いますけれども、これは、そのためにつくられた組織というのが、後ろの方のカラーの枠組みのところにある欧州安全保障協力機構という、OSCEと今名前がそうなっている組織でございます。
これは、七五年にヘルシンキ宣言、ヘルシンキの十原則というのを打ち立てて、これは冷戦のときのデタントの時代ですが、東西、それから中立国も集まって立ち上げた会議体でございました。それで、十原則についてはもうそこに書いてあるとおりで、これは国連憲章と並んで国が尊重すべき原則ということで、よく加盟国以外でも出てくる原則でございます。東西間あるいは中立国も入って合意したものでございますので、西側の原則ではないということでございます。
それで、この七五年に発足した会議の連続体だったCSCEは、ヨーロッパの大きな激変に直面して常設機構になりました。ちょうどこの頃、私はブラッセルのベルギー大使館に勤務をしておりまして、それで、ブラッセルからこういう状態を見たり、一九九二年の七月、ちょっと下、次のところにあるんですが、ヘルシンキで首脳会合をOSCEのレベルで開いたんですね。それも応援出張に行ったりとか、この時期はそういうことをやっておりました。ソ連が崩壊した後のヨーロッパというのは一体どうなるんだろうかと、それから民族紛争がユーゴスラビア辺りで出てきていると、そういう、かなり混乱して、次の国際秩序をつくらなければいけないという時期で、そのときにCSCEというのを強化するという発想が出てきていたということでございます。
それで、そこに書いてありますように、七五年から軍事情報の交換のような軍事的な信頼醸成措置というのは発足しておりましたんですが、それを更に精緻化していくと。基本的には大西洋からウラルまでの地区の、地区と言ったらいいのかどうか分かりませんが、非常に詳細な情報交換措置とか、相手の軍隊を視察したり査察したりできるというような、非常に精緻な、制度が更に精緻化されてきて、現行のはウィーン文書二〇一一という二〇一一年にできたものを、多少ちょっと手は加えられておりますが、使っております。
ただ、ここの軍事的なCSBMというのは陸上編成兵力です。それで、海軍力に対する規制というのは、これは香田様の御専門、米国が好むところではないというふうに理解をしておりますし、ヨーロッパの場合は陸上戦力との戦いに基本的には初めぶつかってなるんだろうということで、この軍事的信頼醸成措置は現在まで続いております。
それから、OSCEの決定はコンセンサスですから、まあコンセンサスビルディングなので、いきなり全会一致だ、議決するということではないんですけれど、コンセンサス方式でやってきていると。
それで、日本の場合は、先ほど少し申しましたけれども、大西洋からウラルまでの間のエリアで何らかの軍備管理措置ができてくると、九〇年代の初めに日本が心配しておりましたことは、ソ連ないしはロシアの兵器がウラル以東に移転されてくるのではないかと。ですから、そこのところは日本にとっては好ましい事態ではないので、ヨーロッパ方面の軍縮というのが日本にとって懸念事項になるということもあり、このCSCEに自分も何らかの形で関与したいという発想になりまして、九二年の七月からオブザーバー的で発言権があるというので出始めているということになって、今日に至っております。
それで、ほかにもパートナー国というのは、域外のパートナー国というのをOSCEは持っております。
それで、ウクライナでございますが、このウクライナについて、OSCEも当然、ロシアもウクライナも含む組織でございますから、取り上げております。二〇一四年の三月から二二年の三月末まで、ロシアを含むコンセンサス方式の決定やりますから、五十七全参加国の合意でウクライナの要請によって非武装の特別監視団を置いていたのですが、ロシア一国の反対で継続できなかったです。
このSMMという、スペシャル・モニタリング・ミッションと言っていたと思いますが、日本も要員を派遣したりとか資金も支援をしておりました。しかしながら、ロシアも入れてずっと、ウィーンに本部がありますから、参加国は代表部も置いており、ずっとOSCEは活動を続けております。
次に、日本を含むアジア地域の枠組みの意義というふうに書いております。多国間の安全保障協力体というのは、この地域は何があるのかと。これは、五ページに参加国を分かるように資料を入れさせていただいておりますが、ASEAN地域フォーラムであるとかASEAN拡大国防大臣会議という枠組みがございます。
それから、安全保障に特化しておりませんけれども、日中韓の三国協力という枠組みがございます。この三国協力事務局、私も何回か行ったことありますけど、二〇一一年の九月にソウルに発足をして、日本からも要員を派遣して活動をしております。
それから、直接的に結び付くかどうかということはありますけれども、過去に朴槿恵大統領が北東アジア平和協力構想というのを、二〇一四年からというふうにお配りしたものに書いてありますが、二〇一二年の十一月に大統領選の候補だった時期にウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿してあるという記録もありまして、これを打ち出しており、日本とかアメリカも結構好意的に受け止めていたように記憶をしております。これは、対象国は南北朝鮮と日、米、中、ロ、モンゴルということで、北東アジアの国を対象にした構想でしたけれども、その後引き継がれなかったということでございます。
三番目は、CUESと呼ばれている海上衝突回避規範、これも信頼醸成措置でございまして、これも香田様の方がずっと詳しいので、私はちょっとだけお話ししますが、二〇一四年の四月に合意して、米中ロを含む二十一か国が参加していて、海上衝突回避で、これは西太平洋ですよね、合意をしてずっと実施されてきているという枠組みで、重要な枠組みだと思います。
それから、四番目でございますけれども、日露海上事故防止協定、これは九三年に発効したものがございまして、年次会合が開かれております。二十五回目の年次会合、これは日本と、まあ基本的には東京とモスクワだと思うんですが、交代交代に開催をされており、一番最近なのは二〇一九年のモスクワでございます。二〇年に東京で開こうとしたんですが、ホームページに載っておりますような御説明だと、コロナで開催できず現在に至っているということのようでございます。
それから、次の五番目、日中防衛当局間の海空連絡メカニズム、これはもうまさに香田様がお詳しいんだと思いますが、一八年の六月に運用が開始されまして、これは防衛省が中心になって外務省はオブザーバーで出ているというふうに聞いておりますけれども、第一回が一八年の十二月、二回が二〇年の一月、三回が二一年の三月ということで開かれており、ホットラインを開設するという準備が、今、技術的細部の調整中というふうに聞いておりますが、一応その両者の間で決まっているというふうにお伺いをしております。
それで、ヨーロッパ方面でどういう戦争を防止するための努力がなされてきているのか、それからアジアの方ではどのような動きがあるのか、二国間とそれからマルチの枠組みでどのようなことがなされてきているのかというのを簡単に御紹介をしてまいりました。
それで、提言と申しましたらちょっとおこがましいかもしれませんが、やはり外交的に解決すると、外交的にリスクを下げたいというのは接触することが必要であると。で、コンタクトというふうに言う信頼醸成措置になるんですけれども、アポイントメントを取ろうとしても相手が応じないと、だから会えないということに、何というんでしょうかね、制度が常設化されていないとなりがちであると。ただ、国際機構のようなものがつくられていて、小さい事務局があって、それで、国連はもう物すごく大きいんですが、組織体になっていると。EUにしろNATOにしろ、そのような組織体であると。
ですから、組織体、国際機関になってしまえば、総会であるとか専門委員会とかそういうのをつくるので、開催日程が決まるのでアポイントメントを取る必要がなくなってくると。その日の何時にそこに行けば、皆さんが今日お集まりになっているみたいに、集まれると。それで、何というんですかね、議題がなくて無理やり集まるというふうにはしない方がいいんですけれど、隔週ぐらいで対面でこのようにお話しできるような意見交換ですね、何かルールをそこで作るところまでいかなくても、単に接触をして、自分の国の安全保障政策について説明すると。
日本だったら十二月に大きな文書が出たので、それを関係国に直接御説明して質疑応答するというような方式も一つのリスクリダクションになると思いますし、本当に何か、例えば今回の米中間で起こっているような問題が起こった場合に、危機状況が起こったときに緊急会合を招集すると。そういうことができれば、招集したからといってすぐに問題が解決しなくても、とにかくコンタクトができない、意思疎通ができないというよりははるかに危機低減がしやすいのではないかと。こういうことを、あらゆることが常設機構化されているヨーロッパを見ていて考えた次第でございます。
どうも御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →今日は、非常に大きなテーマをいただいておりますが、その中でリスクリダクション、危機低減というところに中心を置いてお話しできたらと考えております。
どうしてこういうテーマを選ぶのか、それから、既に事前にお配りしたものであるとか、今日の五枚の報告の、この順番でお話をするということの中身でございますが、地域的にヨーロッパのお話が出てくると。これは、自分の経歴の中で、八年ぐらい時期を置いてヨーロッパに、研究所にいたりとか、それから三年ずつですね、九〇年代の初めに日本のベルギー大使館でヨーロッパの安全保障、これは物すごい激動の時期で、ソ連がなくなったりとかですね、行ってすぐ湾岸戦争になったんですが、ソ連が崩壊したりとかいう激動の時期で、そこからしばらく置いて、今から十年ぐらい前ですね、今度は同じブラッセルのEU代表部で三年ぐらい勤務をしておりました。よくこれだけ大学を休めたということもあるんですけれども。
それで、EU代表部に行っておりましたときも、これは日本とEUとの今のEPAとかSPAをつくる前の時代で、そのためにEUを引っ張り出すと言ったらちょっと変な言い方ですが、日本の方が非常に熱心だったので一生懸命交流をしておりました時代でございます。ただ、やっぱりこのときも結構大きな国際的な出来事が起こっていて、着任してすぐ、ロシアの侵攻ですね、これはジョージアという小さい国に侵攻したと、それで非常に大きなインパクトがあった。
そういうところから始まった問題でございまして、ただ、別にその自分の研究対象がヨーロッパでも、大使館とかEU代表部に勤めているからには日本のことを、アジア情勢を説明すると。で、十年ぐらい前に起こっておりましたことというのは、EUの今の対中政策と違っておりまして、天安門のときにEUは制裁をしていると。対中制裁をしていると。それは対中武器輸出禁輸であったわけですね。中国に対する武器輸出をしないと。それを、今から十年ぐらい前というのは今のEUの中国政策と違うので、武器を輸出したい国というのがEU圏の中にもございまして、それを解除しようとする動きがあったと、それを解除されないようにするというのも私の仕事の一つだったわけで。
このアジア情勢、日本を取り巻く安全保障情勢などもそのときは御説明をしており、その後も、EUやNATOや、もう一つ今日出てくるのがOSCEという組織でございまして、組織は後ろの方に、アジアを取り巻く組織というのが最後に付いておりまして、その後ろから二番目のページに、欧州の主要な枠組みということで、NATOとかEUとか、ちょっともう日本よりも、あるいはアジアよりも更に複雑に、しかも非常に固い組織がたくさんつくられておりますので、そういうことをやっておりました。
それで、日本の安全保障政策はどんどんいろんな議論が出て動いていると思いますが、対抗抑止という、特定の国から自分の国を守るために行っている措置、これは必要でございますが、これだけが非常に前面的に出てくると、日本の国の位置が米国と違って中国とかロシアという大国に非常に近い、それから北朝鮮もあるということで、もう一つ何か対立を緩和するような措置がつくれないものかと。こういう措置の緩和を一生懸命考えていた地域がたまたま私が専門にしているヨーロッパ方面だったので、そういうことも踏まえてお話ができればということで、この報告を組んでおります。
それで、一のところでございますが、二度の世界大戦は欧州で発火をしたということで、戦争をとにかく防止したいという意欲はヨーロッパに強いと。戦争の防止に成功しているのは欧州連合であると、EUであると、ですからEUの加盟国間では戦争は起こらないと断言できると私は考えております。
それで、それは統合による平和ということで、日本と同じ民主主義の価値に基づくと。で、石炭と鉄鋼、このような資源をめぐって争っていたと、それはもうやめようねということで石炭鉄鋼共同体というのを設立したところから始まりまして、今では経済・通貨、外交安保、警察・刑事協力に協力分野を拡大していると。まあ経済統合のように、のレベルとは外交安保とか警察・刑事協力は違いますけれども、していると。で、入りたいという国もそこに書いてありますように結構多いというか、入っていない国から見れば経済的な繁栄の象徴のように映っているようでございます。
それで、次に欧州の紛争予防のための枠組みというところに参りたいと思いますけれども、これは、そのためにつくられた組織というのが、後ろの方のカラーの枠組みのところにある欧州安全保障協力機構という、OSCEと今名前がそうなっている組織でございます。
これは、七五年にヘルシンキ宣言、ヘルシンキの十原則というのを打ち立てて、これは冷戦のときのデタントの時代ですが、東西、それから中立国も集まって立ち上げた会議体でございました。それで、十原則についてはもうそこに書いてあるとおりで、これは国連憲章と並んで国が尊重すべき原則ということで、よく加盟国以外でも出てくる原則でございます。東西間あるいは中立国も入って合意したものでございますので、西側の原則ではないということでございます。
それで、この七五年に発足した会議の連続体だったCSCEは、ヨーロッパの大きな激変に直面して常設機構になりました。ちょうどこの頃、私はブラッセルのベルギー大使館に勤務をしておりまして、それで、ブラッセルからこういう状態を見たり、一九九二年の七月、ちょっと下、次のところにあるんですが、ヘルシンキで首脳会合をOSCEのレベルで開いたんですね。それも応援出張に行ったりとか、この時期はそういうことをやっておりました。ソ連が崩壊した後のヨーロッパというのは一体どうなるんだろうかと、それから民族紛争がユーゴスラビア辺りで出てきていると、そういう、かなり混乱して、次の国際秩序をつくらなければいけないという時期で、そのときにCSCEというのを強化するという発想が出てきていたということでございます。
それで、そこに書いてありますように、七五年から軍事情報の交換のような軍事的な信頼醸成措置というのは発足しておりましたんですが、それを更に精緻化していくと。基本的には大西洋からウラルまでの地区の、地区と言ったらいいのかどうか分かりませんが、非常に詳細な情報交換措置とか、相手の軍隊を視察したり査察したりできるというような、非常に精緻な、制度が更に精緻化されてきて、現行のはウィーン文書二〇一一という二〇一一年にできたものを、多少ちょっと手は加えられておりますが、使っております。
ただ、ここの軍事的なCSBMというのは陸上編成兵力です。それで、海軍力に対する規制というのは、これは香田様の御専門、米国が好むところではないというふうに理解をしておりますし、ヨーロッパの場合は陸上戦力との戦いに基本的には初めぶつかってなるんだろうということで、この軍事的信頼醸成措置は現在まで続いております。
それから、OSCEの決定はコンセンサスですから、まあコンセンサスビルディングなので、いきなり全会一致だ、議決するということではないんですけれど、コンセンサス方式でやってきていると。
それで、日本の場合は、先ほど少し申しましたけれども、大西洋からウラルまでの間のエリアで何らかの軍備管理措置ができてくると、九〇年代の初めに日本が心配しておりましたことは、ソ連ないしはロシアの兵器がウラル以東に移転されてくるのではないかと。ですから、そこのところは日本にとっては好ましい事態ではないので、ヨーロッパ方面の軍縮というのが日本にとって懸念事項になるということもあり、このCSCEに自分も何らかの形で関与したいという発想になりまして、九二年の七月からオブザーバー的で発言権があるというので出始めているということになって、今日に至っております。
それで、ほかにもパートナー国というのは、域外のパートナー国というのをOSCEは持っております。
それで、ウクライナでございますが、このウクライナについて、OSCEも当然、ロシアもウクライナも含む組織でございますから、取り上げております。二〇一四年の三月から二二年の三月末まで、ロシアを含むコンセンサス方式の決定やりますから、五十七全参加国の合意でウクライナの要請によって非武装の特別監視団を置いていたのですが、ロシア一国の反対で継続できなかったです。
このSMMという、スペシャル・モニタリング・ミッションと言っていたと思いますが、日本も要員を派遣したりとか資金も支援をしておりました。しかしながら、ロシアも入れてずっと、ウィーンに本部がありますから、参加国は代表部も置いており、ずっとOSCEは活動を続けております。
次に、日本を含むアジア地域の枠組みの意義というふうに書いております。多国間の安全保障協力体というのは、この地域は何があるのかと。これは、五ページに参加国を分かるように資料を入れさせていただいておりますが、ASEAN地域フォーラムであるとかASEAN拡大国防大臣会議という枠組みがございます。
それから、安全保障に特化しておりませんけれども、日中韓の三国協力という枠組みがございます。この三国協力事務局、私も何回か行ったことありますけど、二〇一一年の九月にソウルに発足をして、日本からも要員を派遣して活動をしております。
それから、直接的に結び付くかどうかということはありますけれども、過去に朴槿恵大統領が北東アジア平和協力構想というのを、二〇一四年からというふうにお配りしたものに書いてありますが、二〇一二年の十一月に大統領選の候補だった時期にウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿してあるという記録もありまして、これを打ち出しており、日本とかアメリカも結構好意的に受け止めていたように記憶をしております。これは、対象国は南北朝鮮と日、米、中、ロ、モンゴルということで、北東アジアの国を対象にした構想でしたけれども、その後引き継がれなかったということでございます。
三番目は、CUESと呼ばれている海上衝突回避規範、これも信頼醸成措置でございまして、これも香田様の方がずっと詳しいので、私はちょっとだけお話ししますが、二〇一四年の四月に合意して、米中ロを含む二十一か国が参加していて、海上衝突回避で、これは西太平洋ですよね、合意をしてずっと実施されてきているという枠組みで、重要な枠組みだと思います。
それから、四番目でございますけれども、日露海上事故防止協定、これは九三年に発効したものがございまして、年次会合が開かれております。二十五回目の年次会合、これは日本と、まあ基本的には東京とモスクワだと思うんですが、交代交代に開催をされており、一番最近なのは二〇一九年のモスクワでございます。二〇年に東京で開こうとしたんですが、ホームページに載っておりますような御説明だと、コロナで開催できず現在に至っているということのようでございます。
それから、次の五番目、日中防衛当局間の海空連絡メカニズム、これはもうまさに香田様がお詳しいんだと思いますが、一八年の六月に運用が開始されまして、これは防衛省が中心になって外務省はオブザーバーで出ているというふうに聞いておりますけれども、第一回が一八年の十二月、二回が二〇年の一月、三回が二一年の三月ということで開かれており、ホットラインを開設するという準備が、今、技術的細部の調整中というふうに聞いておりますが、一応その両者の間で決まっているというふうにお伺いをしております。
それで、ヨーロッパ方面でどういう戦争を防止するための努力がなされてきているのか、それからアジアの方ではどのような動きがあるのか、二国間とそれからマルチの枠組みでどのようなことがなされてきているのかというのを簡単に御紹介をしてまいりました。
それで、提言と申しましたらちょっとおこがましいかもしれませんが、やはり外交的に解決すると、外交的にリスクを下げたいというのは接触することが必要であると。で、コンタクトというふうに言う信頼醸成措置になるんですけれども、アポイントメントを取ろうとしても相手が応じないと、だから会えないということに、何というんでしょうかね、制度が常設化されていないとなりがちであると。ただ、国際機構のようなものがつくられていて、小さい事務局があって、それで、国連はもう物すごく大きいんですが、組織体になっていると。EUにしろNATOにしろ、そのような組織体であると。
ですから、組織体、国際機関になってしまえば、総会であるとか専門委員会とかそういうのをつくるので、開催日程が決まるのでアポイントメントを取る必要がなくなってくると。その日の何時にそこに行けば、皆さんが今日お集まりになっているみたいに、集まれると。それで、何というんですかね、議題がなくて無理やり集まるというふうにはしない方がいいんですけれど、隔週ぐらいで対面でこのようにお話しできるような意見交換ですね、何かルールをそこで作るところまでいかなくても、単に接触をして、自分の国の安全保障政策について説明すると。
日本だったら十二月に大きな文書が出たので、それを関係国に直接御説明して質疑応答するというような方式も一つのリスクリダクションになると思いますし、本当に何か、例えば今回の米中間で起こっているような問題が起こった場合に、危機状況が起こったときに緊急会合を招集すると。そういうことができれば、招集したからといってすぐに問題が解決しなくても、とにかくコンタクトができない、意思疎通ができないというよりははるかに危機低減がしやすいのではないかと。こういうことを、あらゆることが常設機構化されているヨーロッパを見ていて考えた次第でございます。
どうも御清聴ありがとうございました。
猪
香
香田洋二#12
○参考人(香田洋二君) 香田です。
今、浅田参考人、それから植田参考人から、それぞれ御専門の分野から戦争防止についてのお考えが紹介があったわけですけれども、私も、主として現場にいたといいますか、その観点でこれをどう考えるのかということについて、少し違った観点から考え方を御紹介させていただきたいと思います。
まず、今回御案内がありましたときに、戦争防止って、これ何だろうと。恐らく皆さんも同じだと思うんですけれども、もう私は冷戦時代で二十年間やっていました。あのときって本当に戦争は怖かったです。アメリカとソ連が本当にやり出したら、大げさに言いますと、地球が消滅するなということですから。あのときの戦争防止と今の戦争防止とどう違うんだろうということですね、ということなんですが。
そこで、私なりに時代を区切ってみますと、冷戦時代というのはなったんですが、米ソを中心とした恐怖の、通常戦力、戦術核、戦略核の抑止、バランスが成立していたんですね。ということは、このバランスを崩したら駄目ぞという別の力学がありまして、怖いけど最後は何とか踏みとどまろうという、恐らく共通の相場観が我にも彼にもあった。そういう意味で、何とか回避できるだろうという見方が一つあったわけですね。
今度、一九九〇年。八九年、九〇年、九一年、ベルリンの壁崩壊。アメリカに言わせると、冷戦に勝利をしたと。西側諸国、NATOも我々もある意味そうは思ったわけですけれども、そのときに当時のブッシュ父が言った言葉、ニューワールドオーダーなんですね、新たな世界秩序、これはまさにパックス・アメリカーナといいますか。で、もうロシアは九〇年を境にしてがたがたと崩れていったと。中国はようやく経済が離陸をしたところということで、基本的に世界の秩序というのがアメリカのリードでできた。すなわち、アメリカにチャレンジする国がなかった。ということは、大国間の戦争が起こりようもなかったというのが一九九〇年代の十年なんですね。で、今度、二〇〇〇年代に入りますと、まさに九・一一がそうなんですが、テロという新たな脅威が具現してきたと。
その中で、じゃ、世界各国はどうかというと、イデオロギー、かつての共産主義、民主主義、自由主義との対立ではなくて、テロとの戦いにどう組むかということで、実は、ソ連から変わったロシア、中国共に、チェチェンとか、あれですね、ウイグル自治区、イスラムということで、それぞれ国内に、厳密にテロと言うのかどうかは別にして、異端分子を持っていましたので、非常に緩い格好でテロとの戦いということで一緒になれたんですね。
そして、更にロシアと中国にとって都合のいいことは、テロとの戦いという看板を上げれば、人道問題をある程度カバーできたんです。アメリカでも文句を言えない。テロで、自分たちの国民を守るんだから、相当激しいことやっているんだけれどもそこはちょっと片目つぶってくださいという論理まで成立したわけで、やっぱりこの二〇〇〇年代の十年というのにつきますと、米、ロ、それから中のルーズな、何となく仲間意識ができまして、やはりこのときというのは大国間の戦争というのはほとんど心配する必要はなかったということですね。
それが、まさに二〇〇八年、九年に中国がGDPで日本を追い越し、ロシアも二十年、冷戦後二十年で相当核戦力、通常戦力が復活してきた。その中で、さらに、例えばNATO、十八か国から三十か国に増えた。国益の調整というのは非常に難しい。同盟国内でやや不協和音が起きてくる。
そういう中で、それぞれの国益の調整が難しい中で、特に米、中とロの国益の対立というのが非常に先鋭になってきたということで、ざくっと言いますと、二〇一〇年以降というのは、新たに大国間の対立というのが極めて現実味を帯びてきた、更にその度合いが増している。で、恐らく、今、まさに今回提示された大きな勉強項目の中で平和をどうするかという問題が出てきたんだというふうに私は考えております。
といいますと、ここの第一項目のまとめとしましては、やはり二〇一〇年ぐらいを一つのスタートラインとして、現在から見通し得る将来について言いますと、ますます、特に米中に代表される大国間の武力衝突、あるいはロシアみたいに大国が核を使って非核保有国を力で押し潰していく、自分の意図を押し付けていくという構図がこの先ますます出るおそれが大きくなってきたということが、恐らく今回の命題のもの、バックグラウンドにあるんだろうというのがまず最初の私のまとめであります。
次、二つ目ですね。といいましても、やはり無視できないのは実際に起こっている戦争です。これ、ロシアは戦争と呼んでいませんけれども、ウクライナ戦争をどう見るかと。
ここで、軍事の専門家として申し上げますと、まず一番最初に申し上げたいのは、今教訓は導き出すことは非常に危険だということです。これ何かといいますと、戦争というのは非常にいろんな要素がありますので、ウクライナとロシアの戦いにおいて適用し得る教訓というのがあるわけですね。しかし、それは日本には関係ないかもしれない。同時に、普遍的に各国に共通するような教訓というのもあるわけです。これは我々しっかりと押さえなければならない。あるいは、その中で、インド、アジア、あるいはアジア、中国を中心とするアジア地域にある程度翻訳して適用すべき教訓というのもあるわけですね。
これは、今この時点で、まあマスコミでいろいろな方が、軍事専門家あるいは研究家の方が言われていますけれども、これは非常に私は時期早尚だと思います。やはりこれは、一番現場に近いEU、NATO、それと日本、こういう国が戦争が終わって一段落してからしっかりと事実関係を確認をして今の三つの観点から教訓というのを導かないと、例えばドローン、それは普遍的な話なんですけれども、やはり、例えば圧倒的な航空戦力を持っている、あるいはレーザーなんかももう既に実用化しているアメリカが入った戦いだと、全く違った様子になるかもしれませんね。
ただ、これはドローンがいいんだということで日本の政府が飛び付いてもらっちゃ、ひょっとしたら怖いかもしれないんですよ。そういうことはしっかりと、今、専門家のチームを、まあ、そのもう下準備は、私はEU、NATO、日本でやり始めてもいいのかなと、教訓導出チームをつくるということですね。というのが一つあると思いますので、まあ、余りマスコミに振られる必要はないのかなという感じがしています。
ということで、特に過早な教訓というのにつきましては非常に危険だということで、じっくり今何が起こっているのかということを、皆様の、一番重要なのが常識のフィルターで物を見ていただくということが重要だと思います。
そして、その前提で、ただし二つだけ、まあ、言っていいのかなというのが、今から申し上げる二点ですね。
それの二つ目の二の①ですけれども、要するに、ウクライナ、一つの特徴というのは、武力侵攻をクリミア二〇一四年に続いてやるともう腹を決めた核保有国のロシアのプーチン大統領という人を外交で翻意はできなかったということです。で、プーチン大統領にとっては、もう国際法はもう関係ありません、条約も関係ありません、過去のいろんなミュンヘン合意とか、そういうものも関係ありません、やるんだと。こういう大国が出てきたときに我々はどう備えるのか。
で、もっと言えば、お隣の習近平さんも、例えばですけれども、ある意味、国際法の自分に都合のいい解釈で、南シナ海の埋立てをしたり、オバマ大統領との非武装の、南シナ海非武装化を完全にほごにしたり、香港返還のイギリスとの約束というのももう一晩でほごにしてしまったと。こういう傾向にある中国というのをどう見るのか。私は決め付けることは危険だと思いますけれども、兆候はあります。
そういう中国も含めて、外交努力は重要です、当然。外交の失敗が戦争ですから、簡単に言いますと。戦争に持っていっちゃいけないわけですから。しかし、腹を決めた一国のリーダー、それも専制国、権威国のリーダーを外交で翻意をするというのについては限界があるというのが今回の一つの教訓であろうというふうに考えます。
二つ目は、専守防衛です。
専守防衛という言葉は適切かどうか。私は、軍事の専門家としてはこれ非常に不適切な言葉と思っていますけれども、専守防衛、ここは、日本の場合もウクライナも自発的に相手の侵略国を攻撃しない、していないんですね。で、ウクライナの場合は、日本国憲法の制約ありませんので、彼らはできたんです。しかし、物理的に一つは能力がなかった。それから、西側諸国のあれだけの大きな軍事援助を受け入れる一つの暗黙の了解として、ロシアの本国を攻めたら核を使われるぞ、おそれがあるぞと、そのリスクは取りあえず最小にしようじゃないかという、これはもうまさに国家交渉も要らないぐらいのコモンセンスですよね。
ということは、ウクライナは、自分たちが一方的に撃たれながらも、自発的にロシア、まあ一部空軍基地とか攻撃はしましたけれども、あれはまあある意味でジャブでしょうけども、組織的に自国に対する侵略戦争を止めるための侵略国の攻撃というのはやっていない。
日本の場合、今までこの七十年間、専守防衛という一つのイメージは会議室のイメージであって、自衛隊は侵略地域で戦う、そこには、事に臨んでは身の危険を顧みないという自衛隊の宣誓で自衛隊は頑張っている、頑張るんだろうというのは当たり前です。で、我々国民は、ひょっとしたら通常の生活ができるんじゃないかという、何の根拠もないイメージがあったのかもしれませんね。
ところが、実際こういう事態が起きてみると、前線で戦っている兵士以上に困苦欠乏に耐えなければならないのは国民である。ということは、専守防衛というものが本当に成り立つのかどうか。専守防衛を成り立たせるということは、国民にあれだけの困苦欠乏、困難、辛苦を耐えてくださいということを国、政治がお願いするということを、覚悟が要りますよということですよね。この論議が日本でできているかどうか。戦争防止の中では、この理解なくして、私は、戦争の防止ということについて言うと、やや舌足らずになるんじゃないかというふうに思います。
ということで、外交、専守防衛、私は無力だとは言いません。しかし、機能しない場合がある。危機管理とか防衛、安全保障というのは、機能しない場合に国民をどう守るかというのが危機管理なんですよ。機能しているときは、もう皆さんは枕を高くして寝ていていただいて結構なんです。機能しないときに皆さんが本当に汗をかいて動いてもらうというのが危機管理でしょうからということですね。
じゃ、次のページで、あとはそこで、もう申し上げたんですけれども、二人の参考人の方ももう言われましたけれども、去年の十二月十六日に安全保障の三文書が出ました。これは、私は出版物も出していますし、いろんなマスコミでも申し上げていますけれども、ある意味政府に同情的であり、極めて厳しく批判しています。両方持っています。何だ、あいつ、定まらないなとお思いかもしれませんが。
まず、二%という数字は別にして、防衛費を少なくとも一%というおもしを取ったということについて言うと、これは私は極めて、まあ私、徳島県出身で三木総理大臣の同郷なんですが、三木さんが定めた一%がやっとなくなったということですよね。尊敬していますよ。しかし、それでどれだけ自衛隊が苦しんだか。
豆腐ですよね、豆腐一丁の中で、ショーウインドーから見える側は全部きちんとした四角の豆腐なんですよね、自衛隊というのは。しかし、一%という、後方とか教育訓練というのを削っているものだから、ウインドーを横から見ると、豆腐がこんなもうがたがたになって、後ろないんですよ。詐欺です。で、戦うことを求められているわけですよね。これは、私は、国民として本当に考えていただきたい、国民の皆様に。政治に考えていただきたい。二%に上げるということは、それを前から見ても、縦から見ても、横から見てもきちっとした四角の豆腐になれる機会があるんじゃないかということですよね。
と同時に、新しい装備も必要です。当然、特に中国、すごいスピードで行っていますから。しかし、日本の技術力とか防衛産業基盤とかを考えたときに、本当に全て我が国でできるんですかということです。我が国でできるのはやらにゃいかぬのですけれども、それでそこに対して政府の非常に説明が不足であると。
一つだけ申し上げますと、防衛省が防衛秘に係ることだから言えないというのは、岡田さんの質問でトマホーク何発買うんだと。これは駄目ですよ。アメリカは、最終的にこれは米国の武器を輸出ですから、最終的にアメリカの議会と、国務省は議会に了解を取ります。そのときに何発というのは出るんですよ。それなのに、今は国民に防衛上の理由で言わない。これはだましですよね。F35、百四十機買うと言っているんですよ。これは防衛上の秘密じゃないんですか。
私が言いたいことは、国民にこれだけの、二%のお金をいただく、税金をいただくのに、本当に理解をしてもらう、その覚悟と決意が私は欠けていると思います、元自衛官として。自衛隊、自衛隊員が現場で戦うというのは、最後、ウクライナと一緒です。国民が本当に支援をしてくれている、そこで戦えるんですから。いい装備だけじゃないんです。そこを政治が考えていただきたいんです。ということが、広く言いますと、我が国の平和、世界の平和に、軍事力というのを使わない方がいいんだけれども、最悪のときにどう機能させるかということですよね。
ということで、あと最後に、米中関係で台湾ということの見方なんですが、よく言われています、いろいろもうごまんと、マスコミあるいは本。つい先々週ですね、一月の第二週、CSISがシミュレーションを出しました。
ただ、この手のシミュレーションというのを気を付けにゃいけないのは、条件を変えると結論が反転することがあるということですよね。私も、部隊指揮官でテストされるんですよ。一生懸命日本を守るために海上作戦をやるときに、シミュレーションというのはここで止められるんですよね。止めて、ちょっと待てと。あんた、ここまで来たねと。じゃ、相手がここでこうしたとき、どう来ると来たときに、実は私が今までやってきたことが反転し得る。うまく、うまくここいってなかったですよねと、こういう考えがあったんじゃないですかということで、実は、最初からあなたこっちのBというプランを取っておけば日本防衛がもっと効率的にできたんだろうというようなことの比較ができるわけですね。
ということで、ああいうシミュレーションというのは、何も一つ日本を巻き込むとか、被害が幾らとか、特に被害なんかはミサイルの命中率を〇・五%変えることによって戦闘機の落ちる数は五倍になります。あるいは五分の一になります。負傷人員も大きく変わります。そういうことじゃないんですよ。
例えばなんですけれども、あれを全て信用していただく必要はないんですが、あれは何を言いたかったかというと、CSISという一民間の研究機関がアメリカの政府に対して、将来、中国と本気で構えるときは、戦争をするしないは別ですよ、抑止も含めて、日本がいないと駄目だということを言いたかったんです。なんで、ちょっとその被害が大き過ぎるとか、日本が巻き込まれるとかいう、やや近視眼的な論議になり過ぎている。これはやはり、戦争というものをどう抑止するかと、あるいはとどめるかという意味では、こういう論議に偏ると、やや不健全というか目的を見失うということがあるんじゃないかということでニュースに接していただきたいということをお願い申し上げまして、私の発言を終わります。
以上です。ありがとうございました。
この発言だけを見る →今、浅田参考人、それから植田参考人から、それぞれ御専門の分野から戦争防止についてのお考えが紹介があったわけですけれども、私も、主として現場にいたといいますか、その観点でこれをどう考えるのかということについて、少し違った観点から考え方を御紹介させていただきたいと思います。
まず、今回御案内がありましたときに、戦争防止って、これ何だろうと。恐らく皆さんも同じだと思うんですけれども、もう私は冷戦時代で二十年間やっていました。あのときって本当に戦争は怖かったです。アメリカとソ連が本当にやり出したら、大げさに言いますと、地球が消滅するなということですから。あのときの戦争防止と今の戦争防止とどう違うんだろうということですね、ということなんですが。
そこで、私なりに時代を区切ってみますと、冷戦時代というのはなったんですが、米ソを中心とした恐怖の、通常戦力、戦術核、戦略核の抑止、バランスが成立していたんですね。ということは、このバランスを崩したら駄目ぞという別の力学がありまして、怖いけど最後は何とか踏みとどまろうという、恐らく共通の相場観が我にも彼にもあった。そういう意味で、何とか回避できるだろうという見方が一つあったわけですね。
今度、一九九〇年。八九年、九〇年、九一年、ベルリンの壁崩壊。アメリカに言わせると、冷戦に勝利をしたと。西側諸国、NATOも我々もある意味そうは思ったわけですけれども、そのときに当時のブッシュ父が言った言葉、ニューワールドオーダーなんですね、新たな世界秩序、これはまさにパックス・アメリカーナといいますか。で、もうロシアは九〇年を境にしてがたがたと崩れていったと。中国はようやく経済が離陸をしたところということで、基本的に世界の秩序というのがアメリカのリードでできた。すなわち、アメリカにチャレンジする国がなかった。ということは、大国間の戦争が起こりようもなかったというのが一九九〇年代の十年なんですね。で、今度、二〇〇〇年代に入りますと、まさに九・一一がそうなんですが、テロという新たな脅威が具現してきたと。
その中で、じゃ、世界各国はどうかというと、イデオロギー、かつての共産主義、民主主義、自由主義との対立ではなくて、テロとの戦いにどう組むかということで、実は、ソ連から変わったロシア、中国共に、チェチェンとか、あれですね、ウイグル自治区、イスラムということで、それぞれ国内に、厳密にテロと言うのかどうかは別にして、異端分子を持っていましたので、非常に緩い格好でテロとの戦いということで一緒になれたんですね。
そして、更にロシアと中国にとって都合のいいことは、テロとの戦いという看板を上げれば、人道問題をある程度カバーできたんです。アメリカでも文句を言えない。テロで、自分たちの国民を守るんだから、相当激しいことやっているんだけれどもそこはちょっと片目つぶってくださいという論理まで成立したわけで、やっぱりこの二〇〇〇年代の十年というのにつきますと、米、ロ、それから中のルーズな、何となく仲間意識ができまして、やはりこのときというのは大国間の戦争というのはほとんど心配する必要はなかったということですね。
それが、まさに二〇〇八年、九年に中国がGDPで日本を追い越し、ロシアも二十年、冷戦後二十年で相当核戦力、通常戦力が復活してきた。その中で、さらに、例えばNATO、十八か国から三十か国に増えた。国益の調整というのは非常に難しい。同盟国内でやや不協和音が起きてくる。
そういう中で、それぞれの国益の調整が難しい中で、特に米、中とロの国益の対立というのが非常に先鋭になってきたということで、ざくっと言いますと、二〇一〇年以降というのは、新たに大国間の対立というのが極めて現実味を帯びてきた、更にその度合いが増している。で、恐らく、今、まさに今回提示された大きな勉強項目の中で平和をどうするかという問題が出てきたんだというふうに私は考えております。
といいますと、ここの第一項目のまとめとしましては、やはり二〇一〇年ぐらいを一つのスタートラインとして、現在から見通し得る将来について言いますと、ますます、特に米中に代表される大国間の武力衝突、あるいはロシアみたいに大国が核を使って非核保有国を力で押し潰していく、自分の意図を押し付けていくという構図がこの先ますます出るおそれが大きくなってきたということが、恐らく今回の命題のもの、バックグラウンドにあるんだろうというのがまず最初の私のまとめであります。
次、二つ目ですね。といいましても、やはり無視できないのは実際に起こっている戦争です。これ、ロシアは戦争と呼んでいませんけれども、ウクライナ戦争をどう見るかと。
ここで、軍事の専門家として申し上げますと、まず一番最初に申し上げたいのは、今教訓は導き出すことは非常に危険だということです。これ何かといいますと、戦争というのは非常にいろんな要素がありますので、ウクライナとロシアの戦いにおいて適用し得る教訓というのがあるわけですね。しかし、それは日本には関係ないかもしれない。同時に、普遍的に各国に共通するような教訓というのもあるわけです。これは我々しっかりと押さえなければならない。あるいは、その中で、インド、アジア、あるいはアジア、中国を中心とするアジア地域にある程度翻訳して適用すべき教訓というのもあるわけですね。
これは、今この時点で、まあマスコミでいろいろな方が、軍事専門家あるいは研究家の方が言われていますけれども、これは非常に私は時期早尚だと思います。やはりこれは、一番現場に近いEU、NATO、それと日本、こういう国が戦争が終わって一段落してからしっかりと事実関係を確認をして今の三つの観点から教訓というのを導かないと、例えばドローン、それは普遍的な話なんですけれども、やはり、例えば圧倒的な航空戦力を持っている、あるいはレーザーなんかももう既に実用化しているアメリカが入った戦いだと、全く違った様子になるかもしれませんね。
ただ、これはドローンがいいんだということで日本の政府が飛び付いてもらっちゃ、ひょっとしたら怖いかもしれないんですよ。そういうことはしっかりと、今、専門家のチームを、まあ、そのもう下準備は、私はEU、NATO、日本でやり始めてもいいのかなと、教訓導出チームをつくるということですね。というのが一つあると思いますので、まあ、余りマスコミに振られる必要はないのかなという感じがしています。
ということで、特に過早な教訓というのにつきましては非常に危険だということで、じっくり今何が起こっているのかということを、皆様の、一番重要なのが常識のフィルターで物を見ていただくということが重要だと思います。
そして、その前提で、ただし二つだけ、まあ、言っていいのかなというのが、今から申し上げる二点ですね。
それの二つ目の二の①ですけれども、要するに、ウクライナ、一つの特徴というのは、武力侵攻をクリミア二〇一四年に続いてやるともう腹を決めた核保有国のロシアのプーチン大統領という人を外交で翻意はできなかったということです。で、プーチン大統領にとっては、もう国際法はもう関係ありません、条約も関係ありません、過去のいろんなミュンヘン合意とか、そういうものも関係ありません、やるんだと。こういう大国が出てきたときに我々はどう備えるのか。
で、もっと言えば、お隣の習近平さんも、例えばですけれども、ある意味、国際法の自分に都合のいい解釈で、南シナ海の埋立てをしたり、オバマ大統領との非武装の、南シナ海非武装化を完全にほごにしたり、香港返還のイギリスとの約束というのももう一晩でほごにしてしまったと。こういう傾向にある中国というのをどう見るのか。私は決め付けることは危険だと思いますけれども、兆候はあります。
そういう中国も含めて、外交努力は重要です、当然。外交の失敗が戦争ですから、簡単に言いますと。戦争に持っていっちゃいけないわけですから。しかし、腹を決めた一国のリーダー、それも専制国、権威国のリーダーを外交で翻意をするというのについては限界があるというのが今回の一つの教訓であろうというふうに考えます。
二つ目は、専守防衛です。
専守防衛という言葉は適切かどうか。私は、軍事の専門家としてはこれ非常に不適切な言葉と思っていますけれども、専守防衛、ここは、日本の場合もウクライナも自発的に相手の侵略国を攻撃しない、していないんですね。で、ウクライナの場合は、日本国憲法の制約ありませんので、彼らはできたんです。しかし、物理的に一つは能力がなかった。それから、西側諸国のあれだけの大きな軍事援助を受け入れる一つの暗黙の了解として、ロシアの本国を攻めたら核を使われるぞ、おそれがあるぞと、そのリスクは取りあえず最小にしようじゃないかという、これはもうまさに国家交渉も要らないぐらいのコモンセンスですよね。
ということは、ウクライナは、自分たちが一方的に撃たれながらも、自発的にロシア、まあ一部空軍基地とか攻撃はしましたけれども、あれはまあある意味でジャブでしょうけども、組織的に自国に対する侵略戦争を止めるための侵略国の攻撃というのはやっていない。
日本の場合、今までこの七十年間、専守防衛という一つのイメージは会議室のイメージであって、自衛隊は侵略地域で戦う、そこには、事に臨んでは身の危険を顧みないという自衛隊の宣誓で自衛隊は頑張っている、頑張るんだろうというのは当たり前です。で、我々国民は、ひょっとしたら通常の生活ができるんじゃないかという、何の根拠もないイメージがあったのかもしれませんね。
ところが、実際こういう事態が起きてみると、前線で戦っている兵士以上に困苦欠乏に耐えなければならないのは国民である。ということは、専守防衛というものが本当に成り立つのかどうか。専守防衛を成り立たせるということは、国民にあれだけの困苦欠乏、困難、辛苦を耐えてくださいということを国、政治がお願いするということを、覚悟が要りますよということですよね。この論議が日本でできているかどうか。戦争防止の中では、この理解なくして、私は、戦争の防止ということについて言うと、やや舌足らずになるんじゃないかというふうに思います。
ということで、外交、専守防衛、私は無力だとは言いません。しかし、機能しない場合がある。危機管理とか防衛、安全保障というのは、機能しない場合に国民をどう守るかというのが危機管理なんですよ。機能しているときは、もう皆さんは枕を高くして寝ていていただいて結構なんです。機能しないときに皆さんが本当に汗をかいて動いてもらうというのが危機管理でしょうからということですね。
じゃ、次のページで、あとはそこで、もう申し上げたんですけれども、二人の参考人の方ももう言われましたけれども、去年の十二月十六日に安全保障の三文書が出ました。これは、私は出版物も出していますし、いろんなマスコミでも申し上げていますけれども、ある意味政府に同情的であり、極めて厳しく批判しています。両方持っています。何だ、あいつ、定まらないなとお思いかもしれませんが。
まず、二%という数字は別にして、防衛費を少なくとも一%というおもしを取ったということについて言うと、これは私は極めて、まあ私、徳島県出身で三木総理大臣の同郷なんですが、三木さんが定めた一%がやっとなくなったということですよね。尊敬していますよ。しかし、それでどれだけ自衛隊が苦しんだか。
豆腐ですよね、豆腐一丁の中で、ショーウインドーから見える側は全部きちんとした四角の豆腐なんですよね、自衛隊というのは。しかし、一%という、後方とか教育訓練というのを削っているものだから、ウインドーを横から見ると、豆腐がこんなもうがたがたになって、後ろないんですよ。詐欺です。で、戦うことを求められているわけですよね。これは、私は、国民として本当に考えていただきたい、国民の皆様に。政治に考えていただきたい。二%に上げるということは、それを前から見ても、縦から見ても、横から見てもきちっとした四角の豆腐になれる機会があるんじゃないかということですよね。
と同時に、新しい装備も必要です。当然、特に中国、すごいスピードで行っていますから。しかし、日本の技術力とか防衛産業基盤とかを考えたときに、本当に全て我が国でできるんですかということです。我が国でできるのはやらにゃいかぬのですけれども、それでそこに対して政府の非常に説明が不足であると。
一つだけ申し上げますと、防衛省が防衛秘に係ることだから言えないというのは、岡田さんの質問でトマホーク何発買うんだと。これは駄目ですよ。アメリカは、最終的にこれは米国の武器を輸出ですから、最終的にアメリカの議会と、国務省は議会に了解を取ります。そのときに何発というのは出るんですよ。それなのに、今は国民に防衛上の理由で言わない。これはだましですよね。F35、百四十機買うと言っているんですよ。これは防衛上の秘密じゃないんですか。
私が言いたいことは、国民にこれだけの、二%のお金をいただく、税金をいただくのに、本当に理解をしてもらう、その覚悟と決意が私は欠けていると思います、元自衛官として。自衛隊、自衛隊員が現場で戦うというのは、最後、ウクライナと一緒です。国民が本当に支援をしてくれている、そこで戦えるんですから。いい装備だけじゃないんです。そこを政治が考えていただきたいんです。ということが、広く言いますと、我が国の平和、世界の平和に、軍事力というのを使わない方がいいんだけれども、最悪のときにどう機能させるかということですよね。
ということで、あと最後に、米中関係で台湾ということの見方なんですが、よく言われています、いろいろもうごまんと、マスコミあるいは本。つい先々週ですね、一月の第二週、CSISがシミュレーションを出しました。
ただ、この手のシミュレーションというのを気を付けにゃいけないのは、条件を変えると結論が反転することがあるということですよね。私も、部隊指揮官でテストされるんですよ。一生懸命日本を守るために海上作戦をやるときに、シミュレーションというのはここで止められるんですよね。止めて、ちょっと待てと。あんた、ここまで来たねと。じゃ、相手がここでこうしたとき、どう来ると来たときに、実は私が今までやってきたことが反転し得る。うまく、うまくここいってなかったですよねと、こういう考えがあったんじゃないですかということで、実は、最初からあなたこっちのBというプランを取っておけば日本防衛がもっと効率的にできたんだろうというようなことの比較ができるわけですね。
ということで、ああいうシミュレーションというのは、何も一つ日本を巻き込むとか、被害が幾らとか、特に被害なんかはミサイルの命中率を〇・五%変えることによって戦闘機の落ちる数は五倍になります。あるいは五分の一になります。負傷人員も大きく変わります。そういうことじゃないんですよ。
例えばなんですけれども、あれを全て信用していただく必要はないんですが、あれは何を言いたかったかというと、CSISという一民間の研究機関がアメリカの政府に対して、将来、中国と本気で構えるときは、戦争をするしないは別ですよ、抑止も含めて、日本がいないと駄目だということを言いたかったんです。なんで、ちょっとその被害が大き過ぎるとか、日本が巻き込まれるとかいう、やや近視眼的な論議になり過ぎている。これはやはり、戦争というものをどう抑止するかと、あるいはとどめるかという意味では、こういう論議に偏ると、やや不健全というか目的を見失うということがあるんじゃないかということでニュースに接していただきたいということをお願い申し上げまして、私の発言を終わります。
以上です。ありがとうございました。
猪
猪口邦子#13
○会長(猪口邦子君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。
質疑のある方は順次御発言願います。
それでは、生稲晃子さん。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。
質疑のある方は順次御発言願います。
それでは、生稲晃子さん。
生
生稲晃子#14
○生稲晃子君 ありがとうございます。
自由民主党の生稲晃子です。
本日はお忙しい中、貴重なお話をいただきまして、どうもありがとうございました。大変勉強になりました。
それでは質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
まず、お三方にお伺いいたします。
先ほど先生方のお話の中にもウクライナ、ロシア・ウクライナ戦争についてのことが出てきましたけれども、そのウクライナ戦争に関して、最終的にどのような形で終結するかというのは、今後の世界情勢において、また我が国の防衛においてもとても重要だと思っています。
戦争に向かってしまった要因はいろいろあるかと思いますけれども、そこに至るまでの外交努力、あと条約や法の抑止等、様々な角度から各国が尽力した結果、抑えることができなかったという現状だというふうに思っています。
今、支援としてウクライナへ戦車が送られる、またゼレンスキー大統領が戦闘機を望んでいるという報道もあって、そういった支援の部分もまた戦争を長引かせる要因の一つのように感じているんですけれども、また、今もなおたくさんの方が犠牲になって、エネルギー問題等で各国の経済にも多大な影響を与えている点からも、早期に終結してほしいと願うばかりです。
ここで質問です。
この戦争をこれ以上長引かせないためにはどうすることがよいのか、どのような考え方があるのか、お聞かせ願えますでしょうか。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →自由民主党の生稲晃子です。
本日はお忙しい中、貴重なお話をいただきまして、どうもありがとうございました。大変勉強になりました。
それでは質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
まず、お三方にお伺いいたします。
先ほど先生方のお話の中にもウクライナ、ロシア・ウクライナ戦争についてのことが出てきましたけれども、そのウクライナ戦争に関して、最終的にどのような形で終結するかというのは、今後の世界情勢において、また我が国の防衛においてもとても重要だと思っています。
戦争に向かってしまった要因はいろいろあるかと思いますけれども、そこに至るまでの外交努力、あと条約や法の抑止等、様々な角度から各国が尽力した結果、抑えることができなかったという現状だというふうに思っています。
今、支援としてウクライナへ戦車が送られる、またゼレンスキー大統領が戦闘機を望んでいるという報道もあって、そういった支援の部分もまた戦争を長引かせる要因の一つのように感じているんですけれども、また、今もなおたくさんの方が犠牲になって、エネルギー問題等で各国の経済にも多大な影響を与えている点からも、早期に終結してほしいと願うばかりです。
ここで質問です。
この戦争をこれ以上長引かせないためにはどうすることがよいのか、どのような考え方があるのか、お聞かせ願えますでしょうか。よろしくお願いいたします。
猪
浅
浅田正彦#16
○参考人(浅田正彦君) 長引かせない、早く終結させるということは、それは、それ自体としては重要だと思うんですけれども、どのような形で終わらせるかというのは、それと比肩するぐらいに重要だと思います。
先ほど冒頭の発言でも申し上げましたけれども、これは明らかな侵略戦争で、そういった侵略戦争のバックに、核兵器を保有して、その威嚇を行いつつそういった侵略戦争を遂行しているという、その国がそれを成功した形で戦争を終わると、これは、これまで少なくとも国連が創設されて以来の八十年近くに及ぶ国際秩序を瓦解させるということになると思います。
それだけではなくて、いわゆる自由主義、民主主義と、それから専制主義、独裁主義的な国との間の価値観の闘いということでもあると思いますので、そういったものがロシアの戦勝といいますか、勝利によって終わるということであれば、これは本当に早く終わることがいいのかというのはかなり疑問に思っています。
そういう意味で、価値観の闘いであるということと、それから国際社会の戦後の秩序を破壊させるということを認めていいのかという問題ですね。それから、核兵器を持っている国がそれをバックにして侵略を自由に行っていいのかという、そういう様々な問題がありますので、単に犠牲があるからそれをもって早く終わる方がいいということではないと思うんですね。
その私が申し上げた問題というのは、恐らく今後の長期的なことを考えると、一日も早く終わらせるということよりも私自身はより重要ではないかと思っております。
以上です。
この発言だけを見る →先ほど冒頭の発言でも申し上げましたけれども、これは明らかな侵略戦争で、そういった侵略戦争のバックに、核兵器を保有して、その威嚇を行いつつそういった侵略戦争を遂行しているという、その国がそれを成功した形で戦争を終わると、これは、これまで少なくとも国連が創設されて以来の八十年近くに及ぶ国際秩序を瓦解させるということになると思います。
それだけではなくて、いわゆる自由主義、民主主義と、それから専制主義、独裁主義的な国との間の価値観の闘いということでもあると思いますので、そういったものがロシアの戦勝といいますか、勝利によって終わるということであれば、これは本当に早く終わることがいいのかというのはかなり疑問に思っています。
そういう意味で、価値観の闘いであるということと、それから国際社会の戦後の秩序を破壊させるということを認めていいのかという問題ですね。それから、核兵器を持っている国がそれをバックにして侵略を自由に行っていいのかという、そういう様々な問題がありますので、単に犠牲があるからそれをもって早く終わる方がいいということではないと思うんですね。
その私が申し上げた問題というのは、恐らく今後の長期的なことを考えると、一日も早く終わらせるということよりも私自身はより重要ではないかと思っております。
以上です。
植
植田隆子#17
○参考人(植田隆子君) 終わらせるというのはどちらかが戦争に勝つのか負けるのかということになるのでしょうかということをどうしても考えてしまうのですが、やはり、ルールに基づく国際秩序が完全に破壊されることを認められないとすれば、ルールに基づく国際秩序を支援する側が少なくとも負けてはならないということになろうかと思うんですね。
そうすると、戦争が継続することになる。そして、ウクライナだけでは当然戦えないわけですから、もちろんほかの国が参戦するということではないにしろ、今のようなヨーロッパ方面だと、もちろんアメリカもそうですが、兵器の支援を含めた、あるいは兵器を支援しない国の場合は財政的な支援はやると。そうでないとウクライナは持ちこたえられないだろう。
ですから、時々日本の新聞にも支援疲れという、ヨーロッパ方面が支援疲れしているという報道が出るんですが、やはり現地の感覚からすれば、より地続きですので事態は深刻で、支援疲れで引くということにはならないのではないかと考える次第でございます。
この発言だけを見る →そうすると、戦争が継続することになる。そして、ウクライナだけでは当然戦えないわけですから、もちろんほかの国が参戦するということではないにしろ、今のようなヨーロッパ方面だと、もちろんアメリカもそうですが、兵器の支援を含めた、あるいは兵器を支援しない国の場合は財政的な支援はやると。そうでないとウクライナは持ちこたえられないだろう。
ですから、時々日本の新聞にも支援疲れという、ヨーロッパ方面が支援疲れしているという報道が出るんですが、やはり現地の感覚からすれば、より地続きですので事態は深刻で、支援疲れで引くということにはならないのではないかと考える次第でございます。
香
香田洋二#18
○参考人(香田洋二君) お二方の御意見に尽きるわけですけれども、日本から見ますと、非常にたくさんの方が家を失い、命を失い、これ悲惨この上ないですよね。しかし、今支援疲れというのは、これはマスコミの報道ではあるんですが、例えば、NATO、EUの首脳は一言も言っていません。最後まで戦うと言っているんですね。これはなぜかというと、まさに法の秩序とか自由と民主主義というものが負けてはならない、あるいは核恫喝にひるむ国際社会をつくってはならないということなんですね。
ここで余りにも悲惨だからということに注目をし過ぎて軍事的にロシアと妥協するということになると、食い逃げ勝ちを許してしまって、ロシアも今疲れているんですが、十年後に、もう一回石油輸出で経済が立ち直ったときに、また同じことをします。それを見ていた中国は、日本に核恫喝をしてきます。今、北京が見ているのは、核恫喝に世界がどれだけひるむかということなんですよ。
しかも、重要なことは、一部、戦争が始まる前に日本の識者の方が、たかが喜劇俳優の大統領じゃないかと言われた方がいますよね。レーガンさんのときもそう言われたわけですけれども。彼は国民を完全にグリップしているわけです。ウクライナの人たちは、少なくとも今、西側諸国が支援している間は命を賭して戦いますと言っているのを、戦っていない我々が勝手にやめるということについて言うと、これは成り立たないんですよね。
彼らは、まさに大祖国戦争なんですよ。ごめんなさい、戦争賛美をしているつもりは全くないんですよ。ただし、ですけど、自由、彼らにとっての自由、独立、それから自由、民主主義、それから国民の安寧ということの中で、国民の安寧というのを犠牲にしてでも困苦欠乏に耐えてやろうということがありますんでですね。
一番やっちゃいけないのは、朝鮮戦争型の終戦です。朝鮮戦争というのは、私とほぼ同じ、私が朝鮮戦争の一年目に生まれているんですよ。相当じじいです。しかし、七十年たってまだ終わっていないでしょう。戦いは終わりました。しかし、まだ、これだけの世界中のエネルギーを入れても、ずうっと、大きな、何ていうんですかね、慢性病みたいな感じでむしばんでいるわけですよね。これはヨーロッパでつくっちゃいけないと思いますんで。
ただし、ロシアかウクライナがそのうちへたる可能性はあります、どっちか負けたという。私、ウクライナも最後危ないと思っていますよ。二千五百万で何年、人口です、物は西側が補給しますけど、兵隊さんが足りなくなる。ロシアは両方厳しいんですよね。日本とほぼ、ほぼ同じ人口で百五十万の軍隊を持とうとしているわけです。自衛隊の五倍。これはもう大変ですよ。国際的に孤立していると。どちらかがへたる可能性もあるんですが。それを願いつつ、しかし、理念をしっかりと評価をして、ウクライナの人たちを私はエンカレッジするというのが一番いいことじゃないかと思います。
少し違うような答えになったかもしれませんが、そういうように思っています。
以上です。
この発言だけを見る →ここで余りにも悲惨だからということに注目をし過ぎて軍事的にロシアと妥協するということになると、食い逃げ勝ちを許してしまって、ロシアも今疲れているんですが、十年後に、もう一回石油輸出で経済が立ち直ったときに、また同じことをします。それを見ていた中国は、日本に核恫喝をしてきます。今、北京が見ているのは、核恫喝に世界がどれだけひるむかということなんですよ。
しかも、重要なことは、一部、戦争が始まる前に日本の識者の方が、たかが喜劇俳優の大統領じゃないかと言われた方がいますよね。レーガンさんのときもそう言われたわけですけれども。彼は国民を完全にグリップしているわけです。ウクライナの人たちは、少なくとも今、西側諸国が支援している間は命を賭して戦いますと言っているのを、戦っていない我々が勝手にやめるということについて言うと、これは成り立たないんですよね。
彼らは、まさに大祖国戦争なんですよ。ごめんなさい、戦争賛美をしているつもりは全くないんですよ。ただし、ですけど、自由、彼らにとっての自由、独立、それから自由、民主主義、それから国民の安寧ということの中で、国民の安寧というのを犠牲にしてでも困苦欠乏に耐えてやろうということがありますんでですね。
一番やっちゃいけないのは、朝鮮戦争型の終戦です。朝鮮戦争というのは、私とほぼ同じ、私が朝鮮戦争の一年目に生まれているんですよ。相当じじいです。しかし、七十年たってまだ終わっていないでしょう。戦いは終わりました。しかし、まだ、これだけの世界中のエネルギーを入れても、ずうっと、大きな、何ていうんですかね、慢性病みたいな感じでむしばんでいるわけですよね。これはヨーロッパでつくっちゃいけないと思いますんで。
ただし、ロシアかウクライナがそのうちへたる可能性はあります、どっちか負けたという。私、ウクライナも最後危ないと思っていますよ。二千五百万で何年、人口です、物は西側が補給しますけど、兵隊さんが足りなくなる。ロシアは両方厳しいんですよね。日本とほぼ、ほぼ同じ人口で百五十万の軍隊を持とうとしているわけです。自衛隊の五倍。これはもう大変ですよ。国際的に孤立していると。どちらかがへたる可能性もあるんですが。それを願いつつ、しかし、理念をしっかりと評価をして、ウクライナの人たちを私はエンカレッジするというのが一番いいことじゃないかと思います。
少し違うような答えになったかもしれませんが、そういうように思っています。
以上です。
生
生稲晃子#19
○生稲晃子君 台湾有事に関してもちょっと質問させていただきたかったんですけども、お時間が来ましたので、これで質問を終わらせていただきたいと思います。
本当にどうもありがとうございました。
この発言だけを見る →本当にどうもありがとうございました。
猪
三
三上えり#21
○三上えり君 ありがとうございます。
会派、立憲民主・社民の三上えりです。
本日は、お忙しい中、参考人としての御説明、本当にありがとうございます。
私自身、広島出身でして、さきの参議院選挙におきまして、広島選挙区より国政に送っていただきました。広島から、日本が唯一の戦争被爆国として、核兵器の非人道性、そして廃絶を訴え続けております。
まず、浅田参考人にお聞きします。
ロシアによるウクライナ侵攻では、お話にもありましたように、国際法、これがことごとく踏みにじられております。ロシアは国連安保理の常任理事国であります。不法行為はこれ深刻な問題であり、国際社会、そして国際秩序が重大な挑戦を受け続けている、この状況が続いています。さらには、東アジアにおきましても同様の事態の発生が強く懸念されています。
国際法、国際社会が無力であってはならない、この中でこの機能を維持するためにはどのような道があるか、具体的に所見を伺えればと思います。お願いします。
この発言だけを見る →会派、立憲民主・社民の三上えりです。
本日は、お忙しい中、参考人としての御説明、本当にありがとうございます。
私自身、広島出身でして、さきの参議院選挙におきまして、広島選挙区より国政に送っていただきました。広島から、日本が唯一の戦争被爆国として、核兵器の非人道性、そして廃絶を訴え続けております。
まず、浅田参考人にお聞きします。
ロシアによるウクライナ侵攻では、お話にもありましたように、国際法、これがことごとく踏みにじられております。ロシアは国連安保理の常任理事国であります。不法行為はこれ深刻な問題であり、国際社会、そして国際秩序が重大な挑戦を受け続けている、この状況が続いています。さらには、東アジアにおきましても同様の事態の発生が強く懸念されています。
国際法、国際社会が無力であってはならない、この中でこの機能を維持するためにはどのような道があるか、具体的に所見を伺えればと思います。お願いします。
浅
浅田正彦#22
○参考人(浅田正彦君) 冒頭でも私申し上げましたが、国際法が無力といいますか、そもそもルールはあるわけですね。武力行使は禁止されていると。これはもう国連憲章の二条四項というところで、国連憲章、百条以上ありますけれども、最も重要な規定というのは二条四項の武力行使禁止ですね。このルールを疑問視する国はありません。しかしながら、ロシアの場合にはこれを完全に無視したと。
そうすると、じゃ、無力なのかといいますと、違反があれば無力ということではないと私は思っています。例えば、国内においても刑法があります。殺人は毎日のように、毎日と言ったら言い過ぎですね、非常に頻繁に起こっています。じゃ、刑法は無力かと。そういったことは聞きませんよね。
ですから、何が大事かといいますと、そういうルールがあるにもかかわらずそのルールを破る人や国がいる場合に、それに対してどういう対応ができるかということでありまして、国内の場合には裁判所とか警察を含めた執行機関というものがしっかりしていますので対応はできるわけですけれども、国際社会にはそういったものが基本的には存在しないと。そうであるべき国連の安全保障理事会というのがありますけれども、そこのP5というのは拒否権を持っているから自分のところには関わってこないというのが根本的な問題でありますけれども。
ただ、冒頭の発言でも申し上げましたように、拒否権によって機能しない場合であっても、問題を総会に移して、総会の、例えば最初の侵略の認定の場合には百四十一の国が賛成しているわけですね。反対したのは僅か五ですかね。そういった国際社会の大きな声というものはやはり重要だと思います。ですから、今後、そういったP5が拒否権によって動かないという場合、その場合には総会を中心に物事を判断していくというふうな、そういったメカニズムができれば、これはかなり大きなことになると思います。
今まで五つ国連総会の方でウクライナ問題の決議が採択されていますけれども、最後の五つ目というのは賠償を扱っています。これはウクライナが実はかなり水面下で動いて作った決議なんですけれども、そういったものを作るということによって、国内社会のような警察、裁判所は存在していないけれども、それに代わるようなメカニズムとして国連総会をもう少し重視していくということは重要かなと思っています。
それプラス、国連の外においても有志国によるメカニズムをつくるということで、第二次世界大戦後のP5のような存在というものの、かなり国力も落ちている国もありますけれども、そういったものの弊害、拒否権を中心とする弊害というものをどうやって変えていくかということを少し知恵を出して考えるべきかなというふうに思っております。
この発言だけを見る →そうすると、じゃ、無力なのかといいますと、違反があれば無力ということではないと私は思っています。例えば、国内においても刑法があります。殺人は毎日のように、毎日と言ったら言い過ぎですね、非常に頻繁に起こっています。じゃ、刑法は無力かと。そういったことは聞きませんよね。
ですから、何が大事かといいますと、そういうルールがあるにもかかわらずそのルールを破る人や国がいる場合に、それに対してどういう対応ができるかということでありまして、国内の場合には裁判所とか警察を含めた執行機関というものがしっかりしていますので対応はできるわけですけれども、国際社会にはそういったものが基本的には存在しないと。そうであるべき国連の安全保障理事会というのがありますけれども、そこのP5というのは拒否権を持っているから自分のところには関わってこないというのが根本的な問題でありますけれども。
ただ、冒頭の発言でも申し上げましたように、拒否権によって機能しない場合であっても、問題を総会に移して、総会の、例えば最初の侵略の認定の場合には百四十一の国が賛成しているわけですね。反対したのは僅か五ですかね。そういった国際社会の大きな声というものはやはり重要だと思います。ですから、今後、そういったP5が拒否権によって動かないという場合、その場合には総会を中心に物事を判断していくというふうな、そういったメカニズムができれば、これはかなり大きなことになると思います。
今まで五つ国連総会の方でウクライナ問題の決議が採択されていますけれども、最後の五つ目というのは賠償を扱っています。これはウクライナが実はかなり水面下で動いて作った決議なんですけれども、そういったものを作るということによって、国内社会のような警察、裁判所は存在していないけれども、それに代わるようなメカニズムとして国連総会をもう少し重視していくということは重要かなと思っています。
それプラス、国連の外においても有志国によるメカニズムをつくるということで、第二次世界大戦後のP5のような存在というものの、かなり国力も落ちている国もありますけれども、そういったものの弊害、拒否権を中心とする弊害というものをどうやって変えていくかということを少し知恵を出して考えるべきかなというふうに思っております。
三
三上えり#23
○三上えり君 次は、植田参考人に伺います。お願いします。
ロシアによる一方的な侵略、これ、国際社会においてどのような姿勢で向き合うべきか。お話の中に、外交力の必要性、そして接触することが必要である、そのとおりだと思います。
どこにあるか、この点、御指摘ください。お願いします。
この発言だけを見る →ロシアによる一方的な侵略、これ、国際社会においてどのような姿勢で向き合うべきか。お話の中に、外交力の必要性、そして接触することが必要である、そのとおりだと思います。
どこにあるか、この点、御指摘ください。お願いします。
植
植田隆子#24
○参考人(植田隆子君) もう少し詳しくお話をするということでございましょうか。ヤジはい。
外交的に物事を解決する場合に、何が使えるのだろうかということがあると思うんですね。もちろん、皆様方のようなトップの政治家の方がその問題国と交渉すると。あるいは、日本であれば日本の立場に非常に近い国が連合すると。これは、国際連合のような国際組織の場であっても、あるいは組織を使わなくても、外交活動を積極的に展開する必要があるだろうと。
それで、私が自分の実体験から地域的なレベルの枠組みとか組織のお話をしましたが、それは同盟とは少し異なっていると。もちろん、NATOのような同盟自体が組織になっていると、加盟国も多いですし、伝統的に、そういうこともありますけれども、まあ近隣国同士で問題が起こることは結構多いですね。国境線の引き方であるとか過去の歴史的な経緯であるとか。
ただ、対立の火種があるような国と接触をするということが非常に大事で、案件を限定してしまえばいいので、対立案件を物すごく掲げるということではなく、協力案件を一生懸命探して、それで、それに限定して協力をするような仕組みをつくると。制度化、あるいは、英語だとインスティチューショナライゼーションというふうに言うんですが、一々、先ほども申しましたようにアポイントメントを取っていると、相手が会いたくないとかって応じないと、最近も米中の国防大臣関係で何か新聞に報道が出ていますけれども、会おうと思っても会えないと。
それで、もちろん大臣レベルだったらもう皆さん日程がすごく埋まっているから大変だと思いますけれども、外交官とか官僚とか防衛省とかそういう関係の方々でも、とにかく定期的に、用事があってもなくてもと言ったらちょっと失礼でありますけれども、面会する枠組みをつくることは大事だと思います。
それで、ちょっと余談めいてまいりますけれども、その本会議自体が大事ということはもちろんありますが、これは国連でもほかの地域的な組織でも、あるいは目的別の組織でもあると思うんですが、コーヒーブレークというのは普通あると思うんですね。それで、コーヒーブレークのときに、ちょっとアポイントメントを取らなくても話しかけたりとか、あれどうなっているのというふうに聞くことができるんですね。だから、そういう接触で未然に誤解を防ぐと、まあ楽天的だと言われるかもしれませんが。ただ、そういう場があるのとないのとでは、リスクを下げるという意味で随分違ってくるのではないかと思うんですね。
ですから、私が常設機構化にこだわる原因というのはそのようなところにございます。
この発言だけを見る →外交的に物事を解決する場合に、何が使えるのだろうかということがあると思うんですね。もちろん、皆様方のようなトップの政治家の方がその問題国と交渉すると。あるいは、日本であれば日本の立場に非常に近い国が連合すると。これは、国際連合のような国際組織の場であっても、あるいは組織を使わなくても、外交活動を積極的に展開する必要があるだろうと。
それで、私が自分の実体験から地域的なレベルの枠組みとか組織のお話をしましたが、それは同盟とは少し異なっていると。もちろん、NATOのような同盟自体が組織になっていると、加盟国も多いですし、伝統的に、そういうこともありますけれども、まあ近隣国同士で問題が起こることは結構多いですね。国境線の引き方であるとか過去の歴史的な経緯であるとか。
ただ、対立の火種があるような国と接触をするということが非常に大事で、案件を限定してしまえばいいので、対立案件を物すごく掲げるということではなく、協力案件を一生懸命探して、それで、それに限定して協力をするような仕組みをつくると。制度化、あるいは、英語だとインスティチューショナライゼーションというふうに言うんですが、一々、先ほども申しましたようにアポイントメントを取っていると、相手が会いたくないとかって応じないと、最近も米中の国防大臣関係で何か新聞に報道が出ていますけれども、会おうと思っても会えないと。
それで、もちろん大臣レベルだったらもう皆さん日程がすごく埋まっているから大変だと思いますけれども、外交官とか官僚とか防衛省とかそういう関係の方々でも、とにかく定期的に、用事があってもなくてもと言ったらちょっと失礼でありますけれども、面会する枠組みをつくることは大事だと思います。
それで、ちょっと余談めいてまいりますけれども、その本会議自体が大事ということはもちろんありますが、これは国連でもほかの地域的な組織でも、あるいは目的別の組織でもあると思うんですが、コーヒーブレークというのは普通あると思うんですね。それで、コーヒーブレークのときに、ちょっとアポイントメントを取らなくても話しかけたりとか、あれどうなっているのというふうに聞くことができるんですね。だから、そういう接触で未然に誤解を防ぐと、まあ楽天的だと言われるかもしれませんが。ただ、そういう場があるのとないのとでは、リスクを下げるという意味で随分違ってくるのではないかと思うんですね。
ですから、私が常設機構化にこだわる原因というのはそのようなところにございます。
三
三上えり#25
○三上えり君 では、次は香田参考人にお聞きします。
お話にもありましたが、GDP比二%、総額四十三兆円のこの急激な増額、防衛費の、この正当性、妥当性について、そして国民がどのように受け止めているかの辺りを、いま一度御所見をお願いします。
この発言だけを見る →お話にもありましたが、GDP比二%、総額四十三兆円のこの急激な増額、防衛費の、この正当性、妥当性について、そして国民がどのように受け止めているかの辺りを、いま一度御所見をお願いします。
香
香田洋二#26
○参考人(香田洋二君) 四十三兆円どうだと聞かれたら、恐らく神様以外きちっと答えられる方はいないんですが、民主主義の社会の政府として、私は政府に元自衛官として、どちらかというと二%というか防衛費増を支持する人間として本当にお願いしたいのは、説明できるところはきちっと国民に説明をしていただきたいということなんです。
先ほども申し上げましたけれども、あの浜田さんの、浜田大臣の答弁を作った官僚が全く勉強していないでしょう。そして、ああいう答弁がまかり通るということ自体が、国民に対して責任を、安全保障、防衛、で、しかもこれだけ厳しい予算の中で一・六%とか一・八%、二%近くをそのうちいただいていくわけなんで、その中でこう決めたからこれをやりますというので仮にあるとすれば、私は、非常に厳しい言い方になると思いますが、今の政府のやり方はロシア、中国とどこが違うんですかということですよ。ロシア、中国は、国民に情報封鎖をして、俺がやることを聞けと言っているわけですよね。まあ、本当は次元が違うんですが。さほどに、かゆいところをかいた説明ができていない。
そうしたら、国民は本当に苦しい中で、恐らく増税か、まあ国債か分かりませんけれども、基本的には平時の防衛というのは私は税金と思っていますので、お願いする中で、本当に国民が納得して、で、これ最後もう一回申し上げますけれども、自衛隊が、百年に一回かもしれませんが、現場で踏ん張れるというのは、そのときの国民の理解だけなんですよ。
政府は単に物を買うとか自衛隊の制度をつくるということを一生懸命言っていますけれども、本当に目を向けにゃいかぬのは国民の理解をどういただくかという観点から、私はそこが欠けていると。非常にこれも自衛隊のOBとして言いにくいんですが、これをお願いしたいということで、野党の皆様にも少しそういう観点で、余り揚げ足取りじゃない論議をやっていただければいい意見交換ができるんじゃないかなというような気がしております。
以上です。
この発言だけを見る →先ほども申し上げましたけれども、あの浜田さんの、浜田大臣の答弁を作った官僚が全く勉強していないでしょう。そして、ああいう答弁がまかり通るということ自体が、国民に対して責任を、安全保障、防衛、で、しかもこれだけ厳しい予算の中で一・六%とか一・八%、二%近くをそのうちいただいていくわけなんで、その中でこう決めたからこれをやりますというので仮にあるとすれば、私は、非常に厳しい言い方になると思いますが、今の政府のやり方はロシア、中国とどこが違うんですかということですよ。ロシア、中国は、国民に情報封鎖をして、俺がやることを聞けと言っているわけですよね。まあ、本当は次元が違うんですが。さほどに、かゆいところをかいた説明ができていない。
そうしたら、国民は本当に苦しい中で、恐らく増税か、まあ国債か分かりませんけれども、基本的には平時の防衛というのは私は税金と思っていますので、お願いする中で、本当に国民が納得して、で、これ最後もう一回申し上げますけれども、自衛隊が、百年に一回かもしれませんが、現場で踏ん張れるというのは、そのときの国民の理解だけなんですよ。
政府は単に物を買うとか自衛隊の制度をつくるということを一生懸命言っていますけれども、本当に目を向けにゃいかぬのは国民の理解をどういただくかという観点から、私はそこが欠けていると。非常にこれも自衛隊のOBとして言いにくいんですが、これをお願いしたいということで、野党の皆様にも少しそういう観点で、余り揚げ足取りじゃない論議をやっていただければいい意見交換ができるんじゃないかなというような気がしております。
以上です。
三
猪
高
高橋光男#29
○高橋光男君 公明党の高橋光男と申します。
本日は、三名の参考人の皆様には貴重な御講演いただきありがとうございます。
まず、浅田参考人にお伺いしたいと思います。
おっしゃるように、国際法の観点から、今回のロシアのウクライナ侵略は明確な違反だということはこれは間違いないと。その中で、いかにこの国際秩序また法の支配の観点から、この不処罰をやはり認めていかないようにするにはどうしたらいいのかという観点が非常に大事だと思います。
今日は賠償のお話もございましたけれども、特に刑事責任ですね、ロシアの戦争犯罪、人道犯罪、また、今ジェノサイドの話もございますけれども、こうしたものを将来的に追及又は処罰していくために、今ロシアがこの遵法意識というのはほとんどない中で、ウクライナ側は司法の場、証拠を残すというようなことを懸命にやっておりますけれども、このICCへの捜査協力等を行っている中ですけれども、ウクライナ当局がなすべき努力、また国際社会としてそうしたものをどのようにして支援していくかについて御見解をお願いいたします。
この発言だけを見る →本日は、三名の参考人の皆様には貴重な御講演いただきありがとうございます。
まず、浅田参考人にお伺いしたいと思います。
おっしゃるように、国際法の観点から、今回のロシアのウクライナ侵略は明確な違反だということはこれは間違いないと。その中で、いかにこの国際秩序また法の支配の観点から、この不処罰をやはり認めていかないようにするにはどうしたらいいのかという観点が非常に大事だと思います。
今日は賠償のお話もございましたけれども、特に刑事責任ですね、ロシアの戦争犯罪、人道犯罪、また、今ジェノサイドの話もございますけれども、こうしたものを将来的に追及又は処罰していくために、今ロシアがこの遵法意識というのはほとんどない中で、ウクライナ側は司法の場、証拠を残すというようなことを懸命にやっておりますけれども、このICCへの捜査協力等を行っている中ですけれども、ウクライナ当局がなすべき努力、また国際社会としてそうしたものをどのようにして支援していくかについて御見解をお願いいたします。