浅田正彦の発言 (外交・安全保障に関する調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参考人(浅田正彦君) ありがとうございます。
侵略、侵攻、戦争という異なる用語を使っていますけれども、戦争という用語を使ったのは分かりやすさだけを追求したものでありまして、厳密に国際法上の用語としては、戦争というのは宣戦布告を行って武力を行使するというのが戦争で、これは戦争を違法化されて以降はほとんど用語としては使われていません。国連憲章の中に戦争という用語は二、三回出てくるんですけれども、それは第二次世界大戦に言及する場面だけですね。
したがって、戦争宣言をしなければ戦争ではないということが言えますので、そうすると、例えば日本の満州事変とか、あるいは日華事変のように、事変と言えば戦争ではないから戦争禁止に違反してないというふうなことにもなりかねないということで、戦争というのは使わなくなっています。しかしながら、例えばイラク戦争とか実際に使っていますので、分かりやすさという点を追求して戦争という言葉を使いました。
侵攻と侵略ですけれども、侵攻というのはやや現象面を扱っているわけで、国連憲章の中に侵攻という言葉は使われていません。国連憲章の中では侵略という言葉が使われていまして、国連憲章の三十九条に侵略という言葉があります。ですから、侵略というのが最も正確と言えば正確な言葉ですね。
侵略というのは、以前、安倍前総理の国会答弁なんかでも出てきましたけど、侵略というのは定義がないとかいう話ありましたけれども、国連の侵略の定義という決議がありまして、そこでは侵略というのは定義がされておりまして、国際刑事裁判所の侵略犯罪の中でもそれが引用されています。ですから、侵略の定義がないというのは正しくなくて、侵略というのがやはり最も明確な法的な用語だと思います。
侵略に対しては、冒頭申し上げましたように、侵略というのは全ての国に対する法益侵害になるので、全ての国がそれらに対して対抗措置をとれるというふうな考え方ができるかと思います。
サイバーはちょっと、言及されたんですけど、サイバーは常に非常に難しくて、最近まで国連の、GGEというんですか、政府専門家グループですかね、が議論を行っていましたし、それとは別にワーキンググループというのをつくって、二つのグループが対立するような形で議論をして、しかも、いずれもそんなに明確な回答を出していないんですね。
で、おっしゃったように、一体誰がそういったことを行ったかというのを見付けるのも大変ですし、これまでの国際法が適用されるかということもなかなか難しくて、そういった問題を、少し自分に有利な形でルールを作ろうとする国は、これまでの国際法とは違うものを作ろうというふうな、これは例えば中国とかロシアがそうですけれども、それに対して西側、日本を始めとする国はこれまでのルールをベースにしておこうということで、しかしそれはうまく収束していないということで、極めて難しい問題だと思います。
どうもありがとうございました。