赤石千衣子の発言 (国民生活・経済及び地方に関する調査会)
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○参考人(赤石千衣子君) 認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの理事長をしております赤石でございます。今日は、このような機会をいただきまして、大変ありがとうございます。(資料映写)
私、ちょっとパワーポイント多く作ってしまいましたので、駆け足になるところや抜かすところがございますので、それは後で読んでいただければと思います。
私の自己紹介、これは抜かしますね。
「はじめに」です。今、児童手当の所得制限がありかなしかで沸いていると思います。普遍的な制度はもちろん歓迎でございます。基本的には非常にすばらしいと思っています。しかし、普遍的な制度だけでは、コロナ後の格差拡大の中で、非正規で働いている一人親世帯には雇用調整助成金も届かず、正規社員のみだったんですね、結局、届いたのが。仕事が減り、三年間ずっとずっとぎりぎりで生活する親子がたくさんいらっしゃいます。今、こういった世帯に児童手当の所得制限がなくなったとしても、すぐには効かないんです。
では、どうしたらいいのか。やはりこの層には特別の配慮が必要ですということです。せっかくこの世の中に生まれてきた子供たちがしっかり育てられる、そういう社会にしたいではないですか。せっかく生まれてきたんです。国の児童扶養手当の基準額、また複数子の加算、一回上げていただきました。コロナ期に給付金はあったんですけれども、恒久的に制度を、手当を上げるということがなかったので、その点を配慮していただきたい、こういったことをお伝えしたいと思います。
まず、しんぐるまざあず・ふぉーらむの活動はこういったことをやっておりますということで、就労支援事業、相談事業から子育て支援事業、今ですと新入学のお祝い金事業を小学校、中学、高校、大学等に三万円か五万円の給付を二千四百人、計、御寄附で一億円を給付する予定でございます。一団体でここまでやる。でも、入学できない方がいらっしゃるので、それをやっております。
また、食品支援、先ほど大西さんも言ってくださいましたけど、私どもは年間三万世帯、一月だけで二千五百十一世帯にパッケージをお送りしております。この費用はですね、十二・五トンのお米を月に送っています。一世帯五キロです。計算していただければそうなります。これを全国に送っている。そういう状況で支えながら、こういった確かな情報を届けたりしている。そして、シングルマザーサポート団体全国協議会、三十二団体を束ねております。
では、一人親世帯の現状でございます。
まず、この間、十二月二十六日に令和三年度全国ひとり親世帯調査の結果が発表されました。数は若干減っていて、百十九万五千世帯が母子世帯、父子世帯十四万九千世帯。一人親になった理由は、離婚が八割、そして未婚の母が一〇・八%で増えてきております。逆に、死別の方は減っている。
そして、離婚件数は、増えていると思っていらっしゃる方がいらっしゃるかもしれないんですが、二十年前より減少傾向です。ここはしっかり覚えておいていただきたいと思います。人口減の世の中ですからね。未婚率も上がっています。
就業状況です。就業率、母子世帯の母八六・三%ですね。こちらは多分世界一、就業率、母子世帯の就業率が高い国になっていると思います。ここに比較調査がございますが、ほかのどの国よりも断トツ高いですね。また、そういう中で年間就労収入、見てみましょう。母子世帯のお母さん二百三十六万円、年間就労収入二百三十六万円でお子さんが一人あるいは二人の子を育てている。どう思われますでしょうか。これ、母子世帯収入にしますと、親族収入とか合わせても子供のいる世帯の平均収入の半分以下ということになります。
これが大きな特徴なんです、日本の母子世帯の。就労率は高い、しかし就労収入が低い、これが現実です。なぜそうなるか。やはり、お仕事と子育てを両立するということの困難が、パート、アルバイトでしか働くことができない方を、四割いらっしゃる。四割の方は、年収は、就労年収は百五十万円で働いている。もちろん、ちょっと上がったんですよ。やはり最低賃金が上がったことが少しはいい結果をもたらしているから上がっているんですけれども、まだまだ非常に厳しいということがお分かりいただけると思います。でも、非正規でしか働くことができない方たちがこれだけいらっしゃる。
そして、養育費もらったらいいじゃないかと思われるかもしれないんですが、養育費を受けているという方は二八%、そして面会交流率は三割、このようになっております。
ですので、収入階層から見ると、年収百万円から二百万円のところが大きなボリュームゾーンになっております。二百万から三百万の方もいらっしゃるんですけれども、この方たち、教育費を高等教育まで捻出できるでしょうか。厳しいということはお分かりいただけますよね。ですので、高等教育の無償化、いわゆる修学支援新制度できました。大変有り難いんですけれども、これだけではなかなか中学、高校の塾代とか習い事とか部活費用とか賄えない、こういう状況になっております。
世界の大人一人の家庭の相対的貧困率を比べますと、本当に不名誉なことですが、日本は一人親家庭の相対的貧困率は世界の先進国の中で最悪でございます。本当にこれでいいのだろうかということでございます。
では、何で離婚するんですかと絶対おっしゃると思うので、司法統計から見ますと、婚姻関係事件の申立て動機にはDVの家庭が非常に多いということが分かります。御覧いただけますでしょうか。性格が合わないが断トツ一位なんですが、そのほか、生活費を渡さない、二七・五%、精神的に虐待する、二四・九%、暴力を振るう、二四・七%など、これは全部ドメスティック・バイオレンスに属しているものでございます。
で、こういう状況の中でコロナが起こりました。コロナによってシングルマザーの就労、生活にどのような影響があったのでしょうか。七割の方が影響があったと答えています。そして、サービス職、販売職、生産工程職の方に大きな影響があったわけでございます。事務職の方にはそれほどの影響はなかったんですね。でも、そういう、私ども御支援している中でも、ファミリーレストランで働いてますとか、チェーン店で飲食のところで働いてますみたいな方たくさんいらっしゃいます。
こういう方たちは、PCを持っていない、タブレットも持っていない、接続も不足している、こういう方がとても多いんです。この中で、デジタル化とかDXとかいろんなことが話題になっているんですけれども、全くそういうところから外れてしまっている方たちがいらっしゃるということです。
で、この方たち、食べるものも困っていました。お米が買えないという方が二年前に三割、四割いらっしゃいました。これは、二〇二二年十二月、クリスマスですので、食料支援をしたときの子供たちの喜びようです。済みません、何かおかしなこのポーズしている子かわいいんですけど。みんながポーズしているんですけど。こんな支援を二千五百世帯にやっている。資金が途絶えたらこの子たちの笑顔は見られなくなります。
厚労省の食事等支援事業、私ども一団体として五十万円もらっています。でも、一か月に千二百万円掛かるんです。全然足りないです。一人親の方たち、お母さんもクリスマスが準備できて良かったと言っています。
これはちょっと、一年半前の数字なんですが、夏休みになるとお母さんが、前月、小学生のお子さんのことで気掛かりだったこと、お子さんの体重が減ったと答えている方が一〇%超いらっしゃいました。夏休み、なかなかお米も買えない状況があるわけです。
そして、健康面でも心配なそういう民間賃貸住宅に住んでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。騒音が気になる、あるいは、カビが生える、日当たりが悪い、虫やネズミやゴキブリが出る。こういったことを心配している方の割合、非常に多くなっております。
住宅費、先ほど大西委員からもありましたけれども、本当に、就労収入、月収で十二万円ぐらいの方が、民間賃貸住宅、平均、東京だと七万九千円払っている。これでどうやって子供たちを、暮らせていけるとお思いでしょうか。非常にその住宅問題は大きいです。
さらに、そこに物価高が襲いかかりました。今、物価高で本当に就労収入が上がらず、更に非常に厳しい状況になっております。年越しができない、クリスマスもできないと答えている方は非常に多かったんですね。七割の方がどちらもできません。町がクリスマスや年末の準備で沸いているときにこういうふうに答えていらっしゃる方がいらっしゃるんです。そして、修学旅行にも行かせられなかった、新しい洋服、靴が買えなかった、こういった方がこれだけいらっしゃいます。この状況の中で、やはり低所得の一人親世帯に何らかの手だてが必要かと思います。
一人親の現実でございます。
先ほども言いましたように、仕事と子育ての両立の困難というのは非常に厳しい状況です。皆さん、子育てをしっかりやりたいと思っていらっしゃいます。しかし、ブランクがあって正社員にはすぐになれない、そうしたら今はパートタイムになるしかない、ここで悩んでおられます。時間がなく、でもパートタイムで働いていれば昇給はないので、お子さんが中学くらいになると、トリプルワークしていらっしゃる方がいらっしゃいます。もう本当にしんどいんですけれども、三人お子さんがいるお母さんが、もう本当に、土日、二十四時間営業の居酒屋で働いているんですね。それでも何とかして就労支援で転職したいとおっしゃるんですけど、もう倒れるんじゃないかと思っていつも心配しているような方がいらっしゃいます。
そして、このコロナで何が増えたか。子供の不登校です。
この図を見ていただきたいんですけれども、二一年に不登校、長期欠席が増えました。これは、もろに一人親の就労支援をしていると分かります。多くの方は在宅就労の雇用を望むんですね。それはどうしてかっていうと、行き渋っている子供たちがいるので行ってらっしゃいと言いたい。そうすると在宅ワークがいいとおっしゃるんですが、やはりスキルが低い方には在宅での雇用というのを探すのは非常に厳しい状況です。ですので、皆さん非常に低所得で困っておられるということがございます。また、シングルファーザーの方、なかなか支援に行き着かないというのがあります。
ここで、ちょっとだけ別のお話をします。
今、法務省法制審議会家族法制部会では共同親権について議論をしております。また、養育費についても議論しております。しかし、一人親の方に聞くと、共同親権制度を選択したいかという方は非常に僅か、ほとんどの方は選択したくないとおっしゃっています。では、ワクチン接種等で元夫と協議ができましたかと聞くと、協議できた方はほんの三%なんですね。こんな状況で非常に困っておられます。
子供に関する重要事項の共同決定をするのが共同親権、共同監護でございます。一体、共同決定できるのでしょうか。子供の高校進学、公立高校の受験に失敗して私立高校に合格した。お父さんにサインしてくれと頼んだら、そんな高いところに行かせられない、もう中卒でいいではないかと言われたら、この子は高校に進学できなくなります。それから、医療です。急に突発的な医療があったとき、一体、合意が成り立つのでしょうか。滋賀県では、子供が心臓の手術をしたときに、共同親権、まだ離婚は成立していなくてお父さんのサインがいただけなかったがために、病院は後からお父さんに訴えられて損害賠償請求の額を払いました。病院も非常に迷惑すると思います。
こういったことで、よくよく考えますと、この共同決定をするという制度を導入するのは非常に難しいのではないか。例えば、お子さんのことを仲よく離婚後も話せる夫婦は今もやっています。単独親権下で問題ありません。葛藤がある夫婦は子供にとって不利益です。連絡が取れない方が半数以上です。このことは、連絡取れなければ子供に不利益です。DVや子供への虐待があるケースは子供に危険があります。どれを取っても利益がないということになります。
では、この一人親家庭への支援と改善の方向です。
本当に政府もコロナ禍でいろんな努力をしてくださいました。しかし、届くものと届かないものがあったというのが現実でございます。児童扶養手当制度は、その中で二か月に一度の支給になって大変有り難い制度でした。
しかし、このようになっています。皆さん、児童手当のことで支給月のこと議論されていますか。児童扶養手当は今二か月に一度の支給になっているんですが、奇数月です。児童手当は二月、六月、十月の支給です。となると、四月、八月、十二月には両方の支給がない月があるんです。この月は、入学の時期、夏休みの給食がない時期、年越しの時期です。ここに困窮が生じているんです。この支給月の問題も非常に大事なんです。費用が掛かるので言いにくいんですが、児童手当も二か月に一度、偶数月になると大変有り難くなる方たちがいらっしゃることはお伝えしておきます。
また、児童扶養手当の窓口、窓口ハラスメントというものが、私どもが名を付けましたが、あります。皆さん、初対面の方に、女性に、あなた、妊娠していないですかと聞いていいでしょうか。これは間違いなくセクシュアルハラスメントですね。しかし、児童扶養手当の窓口は、これを言わざるを得ないと思って対応している窓口があります。また、男性と交際していないですか、こんなことを言っている窓口もあります。なぜなら、事実婚だと児童扶養手当は支給できないからです。
となりますと、どうやってこの窓口を改善していくのか課題になります。本当は相談してほしい窓口が機能しないことになるんです。嫌な思いをしたり屈辱的な扱いを受けるのが児童扶養手当の窓口だと答えている方は三割、必要だから行かざるを得ないが、できるだけ行きたくないと言っている方が六割超、これでは機能しません。ですので、当事者と御相談いただきながら、せめて、この制度ではどうしても聞かざるを得ないことがありますが、このようなことはありますかと聞くですとか、改善が求められますし、そもそも事実婚の認定を変えてほしいと思っております。
また、物価高で、電力、ガス、食料品等の価格高騰緊急支援給付金、大変有り難かったんですが、やはり非課税世帯なので、非常に、もう本当にその方たちも生活費にすぐに消えてしまったという統計がございます。
特に、多子世帯の子供は非常に我慢させられています。本当に、こういう世帯に困ることのない、入学時に負担のない、そういう制度をこれからつくることが必要かと思います。
時間延長になっていないと思うんですけれども、御清聴ありがとうございました。