国民生活・経済及び地方に関する調査会
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会
会議録情報#0
令和五年二月八日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員氏名
会 長 福山 哲郎君
理 事 加田 裕之君
理 事 上月 良祐君
理 事 高野光二郎君
理 事 小沼 巧君
理 事 竹内 真二君
理 事 高木かおり君
理 事 伊藤 孝恵君
理 事 山添 拓君
岩本 剛人君
越智 俊之君
田中 昌史君
堂故 茂君
友納 理緒君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
和田 政宗君
若林 洋平君
柴 愼一君
高木 真理君
窪田 哲也君
杉 久武君
中条きよし君
木村 英子君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 福山 哲郎君
理 事
加田 裕之君
上月 良祐君
高野光二郎君
小沼 巧君
竹内 真二君
高木かおり君
伊藤 孝恵君
山添 拓君
委 員
岩本 剛人君
越智 俊之君
田中 昌史君
堂故 茂君
友納 理緒君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
和田 政宗君
若林 洋平君
柴 愼一君
高木 真理君
窪田 哲也君
杉 久武君
中条きよし君
木村 英子君
事務局側
第二特別調査室
長 荒井 透雅君
参考人
認定NPO法人
自立生活サポー
トセンター・も
やい理事長 大西 連君
認定NPO法人
しんぐるまざあ
ず・ふぉーらむ
理事長 赤石千衣子君
認定NPO法人
DPI日本会議
副議長 尾上 浩二君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民生活・経済及び地方に関する調査
(「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構
築」のうち、社会経済、地方の現状と国民生活
における課題(社会的な困難の現状)について
)
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この発言だけを見る →午後一時開会
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委員氏名
会 長 福山 哲郎君
理 事 加田 裕之君
理 事 上月 良祐君
理 事 高野光二郎君
理 事 小沼 巧君
理 事 竹内 真二君
理 事 高木かおり君
理 事 伊藤 孝恵君
理 事 山添 拓君
岩本 剛人君
越智 俊之君
田中 昌史君
堂故 茂君
友納 理緒君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
和田 政宗君
若林 洋平君
柴 愼一君
高木 真理君
窪田 哲也君
杉 久武君
中条きよし君
木村 英子君
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出席者は左のとおり。
会 長 福山 哲郎君
理 事
加田 裕之君
上月 良祐君
高野光二郎君
小沼 巧君
竹内 真二君
高木かおり君
伊藤 孝恵君
山添 拓君
委 員
岩本 剛人君
越智 俊之君
田中 昌史君
堂故 茂君
友納 理緒君
星 北斗君
山本 啓介君
山本佐知子君
和田 政宗君
若林 洋平君
柴 愼一君
高木 真理君
窪田 哲也君
杉 久武君
中条きよし君
木村 英子君
事務局側
第二特別調査室
長 荒井 透雅君
参考人
認定NPO法人
自立生活サポー
トセンター・も
やい理事長 大西 連君
認定NPO法人
しんぐるまざあ
ず・ふぉーらむ
理事長 赤石千衣子君
認定NPO法人
DPI日本会議
副議長 尾上 浩二君
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本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民生活・経済及び地方に関する調査
(「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構
築」のうち、社会経済、地方の現状と国民生活
における課題(社会的な困難の現状)について
)
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福
福山哲郎#1
○会長(福山哲郎君) ただいまから国民生活・経済及び地方に関する調査会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、三木亨君が委員を辞任され、その補欠として田中昌史君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、三木亨君が委員を辞任され、その補欠として田中昌史君が選任されました。
─────────────
福
福山哲郎#2
○会長(福山哲郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
福
福山哲郎#3
○会長(福山哲郎君) 御異議ないと認めます。
なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
福
福
福山哲郎#5
○会長(福山哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
福
福
福山哲郎#7
○会長(福山哲郎君) 国民生活・経済及び地方に関する調査を議題といたします。
本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方の現状と国民生活における課題」に関し、「社会的な困難の現状」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長大西連君、認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長赤石千衣子君及び認定NPO法人DPI日本会議副議長尾上浩二君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、大西参考人、赤石参考人、尾上参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず大西参考人からお願いいたします。大西参考人。
この発言だけを見る →本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方の現状と国民生活における課題」に関し、「社会的な困難の現状」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長大西連君、認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長赤石千衣子君及び認定NPO法人DPI日本会議副議長尾上浩二君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、大西参考人、赤石参考人、尾上参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず大西参考人からお願いいたします。大西参考人。
大
大西連#8
○参考人(大西連君) よろしくお願いします。皆さん、こんにちは、大西と申します。よろしくお願いします。(資料映写)
二十分お時間いただいておりますので、こちら、スライドで御紹介をしますが、特に貧困、格差の問題というところをテーマに、コロナ禍での支援現場からの報告と提言という形でお話をさせていただければというふうに思います。
少し簡単に、自己紹介がてらといいますか、活動の御紹介、ちょっとだけさせていただきますが、主に生活困窮者の相談支援の活動を行っているもやいという団体の理事長をしております。特に、このコロナ禍の話、後ほどお話をしますが、かなり経済的に厳しい方ということがかなり増加をしていて、現場の厳しい状況というものがあります。ふだんやっている活動は、相談支援であったり、食料品の配布だったり、住まいの確保に関する支援であったり、いろいろ事業をやっておりますが、そこの現場から見えてきたことということで少しお話をさせていただきたいなと思います。
昨今、コロナというのが少し落ち着きを見られたのではないかとか、いろんな文脈で語られることが多いかなと思いますが、特に昨年秋以降の物価高の影響というものは、現場で今ビビッドに直面しているところかなと思います。
私たちの活動のうちの一つの活動ということで御紹介をさせていただきたいのが、今、毎週土曜日に新宿の都庁の下で食料品の配布の活動を行っております。こちら、人数の推移をグラフにしたものなんですが、四月、二〇二〇年の四月、百人程度の方がいらっしゃっていたのが、今、直近だともう七百人近くの方が食料品の配布の列に並ぶと、そういった状況がございます。
もちろん、コロナ禍でかなり増えてきたというところがあるんですが、特にここ数か月、物価高の影響というところがかなり大きいのかなと思いますが、若年層、女性の方、子育て世帯、そういった方が、路上で行う、元々はホームレス支援の文脈に近いような活動領域なんですが、そういった場所に相談に来られる、食料品を受け取られに来られる、そういった状況があろうかなというところが今起きているところでございます。例えば、ちょっと比較するのもあれなんですが、リーマン・ショックの後に、二〇〇八年、九年の年末年始に東京の霞が関の日比谷公園で年越し派遣村という活動がありましたが、そのとき来られた方が約五百人というふうに言われております。今、その規模をはるかに超える人数の方がこういった相談支援の現場に訪れているというのが今現在進行形で起きております。
じゃ、どんな方がいらしているのかというところ、いろいろ、いろんな方がもちろんいらっしゃっているんですが、どちらかというと、今日御紹介したいのは、これまでこういった場所に来られていた方の多くは、例えば住まいがなくて、もう収入もなくて、生活保護が利用できるぐらいな困窮度合いが高い方がどちらかというと多かったんですが、やはり現在今来られている方の多くは、例えば今もう働いていらっしゃると、働いているんだけれども例えばお子さんがいて生活がぎりぎりだよとか、それから、何とか非正規の仕事をつないで生活はできているんだけれども、生活保護の基準以上の所得はあるんだけれども、非常に生活が不安で節約のためにこういった活動に来られている、そういった方がかなり増加をしております。そういった方の中の多くは、若年層、二十代、三十代のワーキングプアと呼ばれる方であったりとか若い方、そういった方にそのしわ寄せというのが今かなり来ているのではないかというふうに分析をしております。
もちろん、生活保護が利用できるぐらいな困窮度合いが高い方、要保護の層というふうに書きましたが、こういった方も今お困りの状況というのはあります。また、これまで私たちが新しい貧困と呼んでいた、要保護の方と労働市場を行き来するような支援が必要な方、生活困難な方という方ももちろんいらっしゃいます。
ただ、新たにこのコロナで明らかになったのは、そういった階層のもうちょっと所得階層、上のところにいらっしゃる、どちらかというと自立しているというふうに見られてきたワーキングプアなどの状況の方が、実は恒常的な低所得でかなり不安定な状態にいらっしゃって、生活の基盤が危うく、また将来も先の展望もなかなか見えない中で何とか日々の暮らしを紡いでいる、そういった状況というのが見えてきているのかなというところを思っております。
こういった方が、これまでどちらかというと、コロナという文脈以前はこういった支援の現場に訪れることというのは基本的になかったんじゃないかなというふうに思います。生活が破綻して初めて相談に来られる。ただ、その生活を維持するために、この物価高という影響のポジティブな面を言うとする、あえて言うとするのであれば、もうそういった方が見えてくるようになった、可視化できるようになった、そういったところは言えるかもしれません。
また、背景に、不安定な就労、低賃金、DV、虐待、家族関係の厳しさ等、構造的な生きづらさを抱えている方が女性、若年層に拡大している。ここに対する支援施策というのがなかなか国の様々な支援メニューを見てもまだまだ足りていないのではないか、そういったところが今日の一つの論点としてお示ししたいところかなというふうにも思います。
少しだけそれぞれの階層について簡単に説明しました。ごめんなさい、文章が多くて長くなってしまっているところがありますが、例えば要保護の方、生活の困難度合いがかなり高い方、もちろんこういった方、生活保護という制度がございますが、一方でまだまだ扶養義務、家族の扶養を求めるようなもの、それから社会的な理解が進んでいないところ、スティグマという言い方をしますが、利用することにためらいを感じさせてしまう制度にまだまだ残念ながらなっているというところ、それからいわゆる生活の困難さを抱えている方、福祉領域と労働市場と行き来している方、残念ながらたくさんいらっしゃいますが、労働市場のところ、今ちょっとずつ景気戻っておりますが、これ後でちょっとだけお話ししますが、最低賃金も含めてまだまだ労働市場だけで生活をするにはかなりぎりぎりの水準の方がたくさんいる。そういった労働市場に戻ってもまた福祉的な領域に戻ってきてしまう方というのはたくさんいて、そこへの支援というのも必要であろうというところ、それ生活困難層と不安層というところ、両方分けて書いていますが、実は共通した課題かなというふうにも思っております。
それぞれにどんな施策が必要なのかな、いろいろ書かせていただきました。ただ、いろいろ書かせていただきましたので後で御参照いただければというふうに思いますが、一つ重要なポイントとしてあるのは、今ある制度、仕組みというものをどのように、より活用していただけるような、より柔軟にその方のニーズに合った形で対応できるのかという観点と、それから、今ない部分、今足りていない部分についてどのような政策、制度というものが必要なのか、この二つの論点で考えることがいいのではないかというふうにも思います。
例えば、ここに書きましたが、今ある制度に関して言えば、例えば生活保護という制度ございますが、なかなかハードルがまだまだ高い、申請するのにハードルが高い。周囲の目が気になる、生活保護はどうしても使いたくないんだ、そうおっしゃる方たくさんいらっしゃいます。それが何でなのかといろいろ原因をいろいろ考えていくと、いろんなアクセスの難しさ、物理的なアクセスの難しさ、例えば働いている方が九時から五時までしか役所が開いていないのになかなか相談行くの大変ですよねと。そういった方には、じゃ、DXの仕組み、オンラインでいろんなやり取りができるようにしましょうという、物理的なアクセスをまず改善するということも一つあります。
ただ、それ以上に一つ難しい問題というのは、精神的なハードルのところというのはまだまだ課題かなと思います。
これは、今、厚労省も含めて、生活保護は権利ですというようなことを発信を積極的にしていただいていますが、そういった啓発であるとか広報、そういったものも必要でしょうし、プラス例えば制度上のいろいろな問題、例えば自動車の保有の問題、これ地方ですとかなり大きな課題になります。それから、先ほども少し触れましたが、扶養義務という問題。家族に知られたくない、家族との関係が非常に悪い、なのにそれを役所の方から通達されてしまうと困ってしまう、そういった制度的に変えられるもの、入りやすくできることについては是非取り組んでいただきたいというところは一つお伝えをいたします。
それから、生活困難層ちょっと飛ばして、生活不安層というところで、この間コロナで見えてきた、働いている方、低所得状態で何とかぎりぎり精いっぱいやっている方が、なかなか支援が届いていない、支援を届けられていない。そこについて、これは短期的な視点ではなくて、やっぱり中長期のこの国の社会保障の在り方をどのように考えるかというところで、是非、その所得保障の仕組みというものをどのようにつくっていくのか。
所得を底上げすること、若しくは所得を支えていくこと、これかなり大きな話ですので、なかなか簡単な話ではないですし、実際にそれを整備するとなると巨額の財政的な支出も必要になる可能性もありますので、あくまで一つの論点ではありますが、例えば、例えばですが、恒久的な住宅手当のようなもの、欧米諸国のように、一定以上の所得水準以下であれば、ストック、フロー、ストックを見ないでフローだけで見て家賃の補助をするような仕組みを新たにつくっていく必要があるのではないかであるとか、あと、この国会でも議論が起きていますが、児童手当の拡充ですね。これは正直、所得を大幅に改善する一つの方法はやはり給付を出すというところは一つ大きな改善点。
貧困の支援というところは、もちろん対人援助のサービスをどれだけ手厚くするかというところも一つの論点ですが、一方で、現金を給付する、それから利用できる様々な仕組みを無償にする、そういったことというのはダイレクトにその家庭を支えるという一つの力になりますので、そういったものというのも実は必要ではないか。
それから、低年金、無年金の高齢者に対してどのような施策を打っていくのか。例えばですが、最低保障年金のような何らかの所得保障の仕組みであったり、それから、勤労されている方が、失業給付、失業したら受けられるわけですが、一方で、失業給付が切れてなお次の仕事に就けない場合に、じゃ、どのような所得の保障をするのか。
そういった意味で、生活保護の手前の給付含めた所得を支えること、それから働いている方の負担をどれだけ減らせるのかというところ、この議論というのは現状ほとんど実際のところ行われていないというのが実情かと思います。
これ、厚労省も含めて、そういった社会保障審議会等でもこういった議論というのは一部、全世代対応型社会保障会議の中で少し触れられていましたが、まだまだ圧倒的に議論自体が足りていないところかなというふうに思っています。
これ、かなり大きな政策分野でもありますので、是非、皆さん、国会の中でもこういった議論をしていただきたいなというふうに思っています。
ちょっと重複するので、いろいろここに書きましたが、これはちょっと後で是非御覧いただければというふうに思います。
ちょっとだけ話重なる部分もあるんですが、どちらかというと、これまで、貧困支援と書きました、生活困窮者の支援というのは、労働市場に戻すというところ、また給付やサービス提供で生活を支えるというところが根幹にあったのかなというふうに思っております。それが別に悪いものではないといいますか、それは当然政策の軸になるところだというふうに理解をしておりますが、一方で、このコロナ禍で見えてきたこととして、なかなか支援につながってくれないと。そのハードルをどれだけ下げるのかというところ、それから、いわゆる自立しているというふうに見られている人たちも実は生活が不安定でかなり苦しい状況にあると、そういったところが見えてきたと。
なので、労働市場に戻っていたとしても、自立しているというふうにこれまで見てきたわけですが、もっと様々な支えをしていかないと厳しくなってくるのではないか。かつては家族だったり地域だったり企業だったりというものがいろんなアンペイドワークも含めて支えていた部分が、この社会、つながりがそもそも希薄になっていて、そういった様々な支援、つながりがなくなっている中で見えにくい様々な支えが失われている状況というものを、制度、仕組みの中で、特に給付といういわゆる現金的なものも含めてどれだけサポートができるのかというところ、これかなり大きなテーマですが、重要な論点であろうというところをあえてお伝えしたいなというふうに思います。
慢性的な低所得者ってどのぐらいいるのっていう話、とても難しいテーマかなと思います。いろんな研究者の方がいて、いろんな現場の知見があって、例えば非課税世帯は例えば何万世帯いますよ、それから公営住宅の入居水準だと何千万世帯いる、いろんなデータはあるんですが、一つ指標としてよく貧困の分野で使われている国民生活基礎調査のいわゆる貧困率と貧困ラインというところのデータを今お出ししていますが、これ見ていただけると、貧困率のグラフがよく出てくるので、この折れ線グラフの方、皆さんよく御覧になられること多いかなと思いますが、棒グラフの方を実は見ていただきたいんですが、これ貧困ラインの推移なんですね。貧困ラインというのは、いわゆる所得のいわゆる中央値の、等価可処分所得の中央値の五〇%というのが貧困ラインというふうに設定される金額です。なので、中央値の五〇%だと思ってください。日本の中央値の五〇%の金額がこの金額ですね。
そう考えると、一九九七年の所得の中央値の五〇%は百四十九万円、要するに所得の中央値は大体二百九十八万円だったということです。大体三百万ぐらいだったということですね。それが、二〇一八年は二百五十四万円というのが所得の中央値です。中央値が五十万円近くこの二十年間で下がっているというところ。
もちろん、これ高齢化の影響であるとか若年層の方の非正規労働者が増えているとか、いろんな要因がございます。労働の賃金だけではなくて、そういった社会保障も含めた全体の金額のベースになりますので、まあ高齢化の影響は実はめちゃめちゃ大きいんですけど、ただ、総じて言えるのは、日本社会全体の所得階層というものが今かなり下方にスライドしている。そもそもが慢性的な低所得状態にある方が、人口のボリュームでいっても、なかなか正確な統計は出しづらいんですが、ただ非常に多くなっているというところは間違いなく言えると思います。この方たちに対して、じゃ、必要な支援を届けられているのかというと、なかなか、対象にして支援の仕組みがあるかというと、今残念ながら余りないというところは一つ大きな特徴かなというふうにも思っています。
例えば、労働市場というところで見ても、東京の最低賃金、今千七十二円と、御承知のとおり千七十二円というところだと思いますが、これでフルタイム働くと十八万八千六百七十二円。これ、あくまで額面ですので、手取りではありません。ここから社会保険料、税金等を引かれると、実際には十四万円とか、多い方でも十五万円ぐらい、少ない方だと十三万円ぐらいになってしまうと。なので、生活保護の水準と実は余り変わらないぐらいまで実際の手取りの金額というのは下がってしまう。
じゃ、いわゆる最低賃金以外のもうちょっと上の働き方をしている正社員の方はどうかというと、ここにいろいろ初任給書きましたが、大体このぐらいだと。これ、いろんな調査があるので一概に言えないんですが、二十万前後、高卒、大卒含めて。その正社員の方は例えばボーナスがあったりとか賃金が上がっていくという可能性がありますが、ただ、社会全体として、所得が余り高くない、年収二百万円から三百万円、四百万円ぐらいと、頑張ってもですね、そのぐらいの方がそもそも非常にたくさんいらっしゃると、前提としてですね。
だから、せっかく労働市場に戻っても、なかなか生活の暮らし向きというのは上がっていかない。また、上がっていかないけれども、じゃ、蓄えをしようと思っても、生活ぎりぎりですので、なかなか蓄えができない。そういった不安定な状況にある方がそもそもたくさん生まれてしまうような環境に今現在なっているというところをまず一つ認識していただきたいところとして御提案したいと思います。
これ、同じく国民生活基礎調査の二〇一九年より持ってきたデータなんですが、これ蓄えですよね、貯金について聞いたものなんですが、貯金がないという世帯、非常に実は多いということです。改めてですが、全体としてここに書きましたが、一三%ぐらいは貯金がないというふうに答えています。別に全部が貧困層というわけではないと思いますし、働いている方も含めてなんですが、一三%ぐらいは実は貯金がないというふうに答えていたりもします。
また、五十万円未満とか、そこいろいろ入れていくと、大体百万円以下ぐらいになると貯金がない世帯は大体三割近くになると、百万から二百万含めてですね。非常に蓄えも含めて脆弱な状態にある方というのがたくさんいらっしゃいます。
今日、私以外にもほかの参考人のお二人もいらっしゃるのでその分野も少し重なる部分がありますが、例えば母子家庭、母子世帯に関しては、このデータというのはかなり、よりひどい状況、厳しい状況にあるというところが見て取れると思いますし、そういった意味で、私たち自身の社会が、じゃ、働いていたら安心だよねと、様々な支え要らないのよねと、そういった形でこれまで考えられてこられたんだと思いますが、二〇二三年になって、三〇年、四〇年、今後年が重なっていく間に人口の構成も変わり、労働環境も変わり、じゃ、社会保障の仕組みというのをどのように整えていくべきなのか、労働市場と例えば生活保護、その間をどうつくっていくのか、その間の部分をどれだけつくっていくことを考えていくことができるのかというところを、是非こういった議論を進めていただきたいというところを改めて思っています。
少しまとめに入ります。あと二分ほどお時間いただいているので、少しまとめさせていただきますが。
少し私の話いろいろ飛び散ったところもあったかなと思いますが、重要なポイントとしてお伝えしたいところとして、これまで自立しているとみなされて支援から外れてきた方、ワーキングプアの方、恒常的な低所得者層の方が実はたくさんいて、その方たちを支援することによって、例えば生活保護であったり、そういったより福祉的な領域に下りてくることを防ぐといいますか、予防的な部分も含めてですね、また、この階層の方たちが例えば子育てをする、介護をする、そういったときに不安がないように様々なサポートをする、これをしていく必要があるというところを改めてお伝えしたいと思います。
じゃ、具体的に何をするべきか。多分、二つアプローチがありまして、一つは収入を上昇させましょう。働いているんだったらもちろん働きの収入だけで生活できるにこしたことはないだろうと多くの方が思います。なので、就労収入を上昇させるような施策、例えば最低賃金を上げましょう。ただ、安定的な雇用、正規雇用も含めて拡大できたらいいですよね。それから、非正規労働の方でもより社会保険適用していく。これ、この間、様々政府、国会等でも議論が行われてきたレベルのところをより拡大していただく、それもとても重要かなというふうに思います。
もう一つの方法は、今日ここでお伝えしたいところの大きなポイントになりますが、所得を底上げするような給付やサービスを大幅に拡充していくことを改めてこういった場で議論していく、考えていく必要が今あるのではないかというところでございます。
これどういうことかというと、例えば一生懸命働いていて、フルタイムで働いていても手取り十三万、十四万円と。二十代の若者がこの国に生まれて未来を描けるかというと、なかなかそれは厳しい。奨学金を借りていて何百万借金がある、でも非正規で働いていて、四十年後、自分の収入が上がっているイメージが湧かない、子育ての不安もある、介護の不安もある。そうじゃない国にする一つの方法として、当たり前のように支えられる経験を様々な人生のフェーズの中でしていく。
ここに一つ書きましたが、まあ分かりやすく一つの切り口でいうと、住宅手当というものは一つ分かりやすい部分かなというふうにも思います。もちろん、公営住宅等、いわゆるそういった住宅の保障、セーフティーネットという形で議論されているものもありますが、公営住宅、全住宅で六%しかなくてなかなか入れない。東京だと倍率が九倍以上と、混むところだと二十倍、三十倍を超えるというところありますが、なので、住宅手当というような形で、ワーキングプアの方、学生、低年金者も含めて、低所得者に対してきちんと支給をする。今やっている住居確保給付金というのは求職要件がありますが、求職要件等を経ずに単純にフローだけで見て、所得だけで見てきちんと手当をつくっていく、こういったことの議論というのは必要かなと思います。
あとは、ここに書きましたが、子供、児童手当の大幅の拡充であったり、最低保障年金等の実装であったり、できるだけ所得を支えることによって、何とか困窮する前に、困窮する手前に、この社会に生きていて支えられているという経験を多くの方ができるような仕組みというのをつくっていくことが必要なのではないのかなというふうにも思っております。
少しちょっと長くなって恐縮ですけれども、最後ここで書いたところが全てなんですけれども、結構大きな話を今日させていただきましたが、日本の低所得者支援って、やっぱり生活保護と生活困窮者の自立支援制度のみで考えていくにはやはり無理があるのではないかと。その手前にあるところの給付、所得保障というものを改めて国としてもしっかり考えていくこと、これまでこの議論というのは非常に脆弱で、ほとんど行われていない部分というのがございます。そこについて是非検討していくということをお願いしたいなというふうに思っています。
済みません、長くなりましたが、以上です。
この発言だけを見る →二十分お時間いただいておりますので、こちら、スライドで御紹介をしますが、特に貧困、格差の問題というところをテーマに、コロナ禍での支援現場からの報告と提言という形でお話をさせていただければというふうに思います。
少し簡単に、自己紹介がてらといいますか、活動の御紹介、ちょっとだけさせていただきますが、主に生活困窮者の相談支援の活動を行っているもやいという団体の理事長をしております。特に、このコロナ禍の話、後ほどお話をしますが、かなり経済的に厳しい方ということがかなり増加をしていて、現場の厳しい状況というものがあります。ふだんやっている活動は、相談支援であったり、食料品の配布だったり、住まいの確保に関する支援であったり、いろいろ事業をやっておりますが、そこの現場から見えてきたことということで少しお話をさせていただきたいなと思います。
昨今、コロナというのが少し落ち着きを見られたのではないかとか、いろんな文脈で語られることが多いかなと思いますが、特に昨年秋以降の物価高の影響というものは、現場で今ビビッドに直面しているところかなと思います。
私たちの活動のうちの一つの活動ということで御紹介をさせていただきたいのが、今、毎週土曜日に新宿の都庁の下で食料品の配布の活動を行っております。こちら、人数の推移をグラフにしたものなんですが、四月、二〇二〇年の四月、百人程度の方がいらっしゃっていたのが、今、直近だともう七百人近くの方が食料品の配布の列に並ぶと、そういった状況がございます。
もちろん、コロナ禍でかなり増えてきたというところがあるんですが、特にここ数か月、物価高の影響というところがかなり大きいのかなと思いますが、若年層、女性の方、子育て世帯、そういった方が、路上で行う、元々はホームレス支援の文脈に近いような活動領域なんですが、そういった場所に相談に来られる、食料品を受け取られに来られる、そういった状況があろうかなというところが今起きているところでございます。例えば、ちょっと比較するのもあれなんですが、リーマン・ショックの後に、二〇〇八年、九年の年末年始に東京の霞が関の日比谷公園で年越し派遣村という活動がありましたが、そのとき来られた方が約五百人というふうに言われております。今、その規模をはるかに超える人数の方がこういった相談支援の現場に訪れているというのが今現在進行形で起きております。
じゃ、どんな方がいらしているのかというところ、いろいろ、いろんな方がもちろんいらっしゃっているんですが、どちらかというと、今日御紹介したいのは、これまでこういった場所に来られていた方の多くは、例えば住まいがなくて、もう収入もなくて、生活保護が利用できるぐらいな困窮度合いが高い方がどちらかというと多かったんですが、やはり現在今来られている方の多くは、例えば今もう働いていらっしゃると、働いているんだけれども例えばお子さんがいて生活がぎりぎりだよとか、それから、何とか非正規の仕事をつないで生活はできているんだけれども、生活保護の基準以上の所得はあるんだけれども、非常に生活が不安で節約のためにこういった活動に来られている、そういった方がかなり増加をしております。そういった方の中の多くは、若年層、二十代、三十代のワーキングプアと呼ばれる方であったりとか若い方、そういった方にそのしわ寄せというのが今かなり来ているのではないかというふうに分析をしております。
もちろん、生活保護が利用できるぐらいな困窮度合いが高い方、要保護の層というふうに書きましたが、こういった方も今お困りの状況というのはあります。また、これまで私たちが新しい貧困と呼んでいた、要保護の方と労働市場を行き来するような支援が必要な方、生活困難な方という方ももちろんいらっしゃいます。
ただ、新たにこのコロナで明らかになったのは、そういった階層のもうちょっと所得階層、上のところにいらっしゃる、どちらかというと自立しているというふうに見られてきたワーキングプアなどの状況の方が、実は恒常的な低所得でかなり不安定な状態にいらっしゃって、生活の基盤が危うく、また将来も先の展望もなかなか見えない中で何とか日々の暮らしを紡いでいる、そういった状況というのが見えてきているのかなというところを思っております。
こういった方が、これまでどちらかというと、コロナという文脈以前はこういった支援の現場に訪れることというのは基本的になかったんじゃないかなというふうに思います。生活が破綻して初めて相談に来られる。ただ、その生活を維持するために、この物価高という影響のポジティブな面を言うとする、あえて言うとするのであれば、もうそういった方が見えてくるようになった、可視化できるようになった、そういったところは言えるかもしれません。
また、背景に、不安定な就労、低賃金、DV、虐待、家族関係の厳しさ等、構造的な生きづらさを抱えている方が女性、若年層に拡大している。ここに対する支援施策というのがなかなか国の様々な支援メニューを見てもまだまだ足りていないのではないか、そういったところが今日の一つの論点としてお示ししたいところかなというふうにも思います。
少しだけそれぞれの階層について簡単に説明しました。ごめんなさい、文章が多くて長くなってしまっているところがありますが、例えば要保護の方、生活の困難度合いがかなり高い方、もちろんこういった方、生活保護という制度がございますが、一方でまだまだ扶養義務、家族の扶養を求めるようなもの、それから社会的な理解が進んでいないところ、スティグマという言い方をしますが、利用することにためらいを感じさせてしまう制度にまだまだ残念ながらなっているというところ、それからいわゆる生活の困難さを抱えている方、福祉領域と労働市場と行き来している方、残念ながらたくさんいらっしゃいますが、労働市場のところ、今ちょっとずつ景気戻っておりますが、これ後でちょっとだけお話ししますが、最低賃金も含めてまだまだ労働市場だけで生活をするにはかなりぎりぎりの水準の方がたくさんいる。そういった労働市場に戻ってもまた福祉的な領域に戻ってきてしまう方というのはたくさんいて、そこへの支援というのも必要であろうというところ、それ生活困難層と不安層というところ、両方分けて書いていますが、実は共通した課題かなというふうにも思っております。
それぞれにどんな施策が必要なのかな、いろいろ書かせていただきました。ただ、いろいろ書かせていただきましたので後で御参照いただければというふうに思いますが、一つ重要なポイントとしてあるのは、今ある制度、仕組みというものをどのように、より活用していただけるような、より柔軟にその方のニーズに合った形で対応できるのかという観点と、それから、今ない部分、今足りていない部分についてどのような政策、制度というものが必要なのか、この二つの論点で考えることがいいのではないかというふうにも思います。
例えば、ここに書きましたが、今ある制度に関して言えば、例えば生活保護という制度ございますが、なかなかハードルがまだまだ高い、申請するのにハードルが高い。周囲の目が気になる、生活保護はどうしても使いたくないんだ、そうおっしゃる方たくさんいらっしゃいます。それが何でなのかといろいろ原因をいろいろ考えていくと、いろんなアクセスの難しさ、物理的なアクセスの難しさ、例えば働いている方が九時から五時までしか役所が開いていないのになかなか相談行くの大変ですよねと。そういった方には、じゃ、DXの仕組み、オンラインでいろんなやり取りができるようにしましょうという、物理的なアクセスをまず改善するということも一つあります。
ただ、それ以上に一つ難しい問題というのは、精神的なハードルのところというのはまだまだ課題かなと思います。
これは、今、厚労省も含めて、生活保護は権利ですというようなことを発信を積極的にしていただいていますが、そういった啓発であるとか広報、そういったものも必要でしょうし、プラス例えば制度上のいろいろな問題、例えば自動車の保有の問題、これ地方ですとかなり大きな課題になります。それから、先ほども少し触れましたが、扶養義務という問題。家族に知られたくない、家族との関係が非常に悪い、なのにそれを役所の方から通達されてしまうと困ってしまう、そういった制度的に変えられるもの、入りやすくできることについては是非取り組んでいただきたいというところは一つお伝えをいたします。
それから、生活困難層ちょっと飛ばして、生活不安層というところで、この間コロナで見えてきた、働いている方、低所得状態で何とかぎりぎり精いっぱいやっている方が、なかなか支援が届いていない、支援を届けられていない。そこについて、これは短期的な視点ではなくて、やっぱり中長期のこの国の社会保障の在り方をどのように考えるかというところで、是非、その所得保障の仕組みというものをどのようにつくっていくのか。
所得を底上げすること、若しくは所得を支えていくこと、これかなり大きな話ですので、なかなか簡単な話ではないですし、実際にそれを整備するとなると巨額の財政的な支出も必要になる可能性もありますので、あくまで一つの論点ではありますが、例えば、例えばですが、恒久的な住宅手当のようなもの、欧米諸国のように、一定以上の所得水準以下であれば、ストック、フロー、ストックを見ないでフローだけで見て家賃の補助をするような仕組みを新たにつくっていく必要があるのではないかであるとか、あと、この国会でも議論が起きていますが、児童手当の拡充ですね。これは正直、所得を大幅に改善する一つの方法はやはり給付を出すというところは一つ大きな改善点。
貧困の支援というところは、もちろん対人援助のサービスをどれだけ手厚くするかというところも一つの論点ですが、一方で、現金を給付する、それから利用できる様々な仕組みを無償にする、そういったことというのはダイレクトにその家庭を支えるという一つの力になりますので、そういったものというのも実は必要ではないか。
それから、低年金、無年金の高齢者に対してどのような施策を打っていくのか。例えばですが、最低保障年金のような何らかの所得保障の仕組みであったり、それから、勤労されている方が、失業給付、失業したら受けられるわけですが、一方で、失業給付が切れてなお次の仕事に就けない場合に、じゃ、どのような所得の保障をするのか。
そういった意味で、生活保護の手前の給付含めた所得を支えること、それから働いている方の負担をどれだけ減らせるのかというところ、この議論というのは現状ほとんど実際のところ行われていないというのが実情かと思います。
これ、厚労省も含めて、そういった社会保障審議会等でもこういった議論というのは一部、全世代対応型社会保障会議の中で少し触れられていましたが、まだまだ圧倒的に議論自体が足りていないところかなというふうに思っています。
これ、かなり大きな政策分野でもありますので、是非、皆さん、国会の中でもこういった議論をしていただきたいなというふうに思っています。
ちょっと重複するので、いろいろここに書きましたが、これはちょっと後で是非御覧いただければというふうに思います。
ちょっとだけ話重なる部分もあるんですが、どちらかというと、これまで、貧困支援と書きました、生活困窮者の支援というのは、労働市場に戻すというところ、また給付やサービス提供で生活を支えるというところが根幹にあったのかなというふうに思っております。それが別に悪いものではないといいますか、それは当然政策の軸になるところだというふうに理解をしておりますが、一方で、このコロナ禍で見えてきたこととして、なかなか支援につながってくれないと。そのハードルをどれだけ下げるのかというところ、それから、いわゆる自立しているというふうに見られている人たちも実は生活が不安定でかなり苦しい状況にあると、そういったところが見えてきたと。
なので、労働市場に戻っていたとしても、自立しているというふうにこれまで見てきたわけですが、もっと様々な支えをしていかないと厳しくなってくるのではないか。かつては家族だったり地域だったり企業だったりというものがいろんなアンペイドワークも含めて支えていた部分が、この社会、つながりがそもそも希薄になっていて、そういった様々な支援、つながりがなくなっている中で見えにくい様々な支えが失われている状況というものを、制度、仕組みの中で、特に給付といういわゆる現金的なものも含めてどれだけサポートができるのかというところ、これかなり大きなテーマですが、重要な論点であろうというところをあえてお伝えしたいなというふうに思います。
慢性的な低所得者ってどのぐらいいるのっていう話、とても難しいテーマかなと思います。いろんな研究者の方がいて、いろんな現場の知見があって、例えば非課税世帯は例えば何万世帯いますよ、それから公営住宅の入居水準だと何千万世帯いる、いろんなデータはあるんですが、一つ指標としてよく貧困の分野で使われている国民生活基礎調査のいわゆる貧困率と貧困ラインというところのデータを今お出ししていますが、これ見ていただけると、貧困率のグラフがよく出てくるので、この折れ線グラフの方、皆さんよく御覧になられること多いかなと思いますが、棒グラフの方を実は見ていただきたいんですが、これ貧困ラインの推移なんですね。貧困ラインというのは、いわゆる所得のいわゆる中央値の、等価可処分所得の中央値の五〇%というのが貧困ラインというふうに設定される金額です。なので、中央値の五〇%だと思ってください。日本の中央値の五〇%の金額がこの金額ですね。
そう考えると、一九九七年の所得の中央値の五〇%は百四十九万円、要するに所得の中央値は大体二百九十八万円だったということです。大体三百万ぐらいだったということですね。それが、二〇一八年は二百五十四万円というのが所得の中央値です。中央値が五十万円近くこの二十年間で下がっているというところ。
もちろん、これ高齢化の影響であるとか若年層の方の非正規労働者が増えているとか、いろんな要因がございます。労働の賃金だけではなくて、そういった社会保障も含めた全体の金額のベースになりますので、まあ高齢化の影響は実はめちゃめちゃ大きいんですけど、ただ、総じて言えるのは、日本社会全体の所得階層というものが今かなり下方にスライドしている。そもそもが慢性的な低所得状態にある方が、人口のボリュームでいっても、なかなか正確な統計は出しづらいんですが、ただ非常に多くなっているというところは間違いなく言えると思います。この方たちに対して、じゃ、必要な支援を届けられているのかというと、なかなか、対象にして支援の仕組みがあるかというと、今残念ながら余りないというところは一つ大きな特徴かなというふうにも思っています。
例えば、労働市場というところで見ても、東京の最低賃金、今千七十二円と、御承知のとおり千七十二円というところだと思いますが、これでフルタイム働くと十八万八千六百七十二円。これ、あくまで額面ですので、手取りではありません。ここから社会保険料、税金等を引かれると、実際には十四万円とか、多い方でも十五万円ぐらい、少ない方だと十三万円ぐらいになってしまうと。なので、生活保護の水準と実は余り変わらないぐらいまで実際の手取りの金額というのは下がってしまう。
じゃ、いわゆる最低賃金以外のもうちょっと上の働き方をしている正社員の方はどうかというと、ここにいろいろ初任給書きましたが、大体このぐらいだと。これ、いろんな調査があるので一概に言えないんですが、二十万前後、高卒、大卒含めて。その正社員の方は例えばボーナスがあったりとか賃金が上がっていくという可能性がありますが、ただ、社会全体として、所得が余り高くない、年収二百万円から三百万円、四百万円ぐらいと、頑張ってもですね、そのぐらいの方がそもそも非常にたくさんいらっしゃると、前提としてですね。
だから、せっかく労働市場に戻っても、なかなか生活の暮らし向きというのは上がっていかない。また、上がっていかないけれども、じゃ、蓄えをしようと思っても、生活ぎりぎりですので、なかなか蓄えができない。そういった不安定な状況にある方がそもそもたくさん生まれてしまうような環境に今現在なっているというところをまず一つ認識していただきたいところとして御提案したいと思います。
これ、同じく国民生活基礎調査の二〇一九年より持ってきたデータなんですが、これ蓄えですよね、貯金について聞いたものなんですが、貯金がないという世帯、非常に実は多いということです。改めてですが、全体としてここに書きましたが、一三%ぐらいは貯金がないというふうに答えています。別に全部が貧困層というわけではないと思いますし、働いている方も含めてなんですが、一三%ぐらいは実は貯金がないというふうに答えていたりもします。
また、五十万円未満とか、そこいろいろ入れていくと、大体百万円以下ぐらいになると貯金がない世帯は大体三割近くになると、百万から二百万含めてですね。非常に蓄えも含めて脆弱な状態にある方というのがたくさんいらっしゃいます。
今日、私以外にもほかの参考人のお二人もいらっしゃるのでその分野も少し重なる部分がありますが、例えば母子家庭、母子世帯に関しては、このデータというのはかなり、よりひどい状況、厳しい状況にあるというところが見て取れると思いますし、そういった意味で、私たち自身の社会が、じゃ、働いていたら安心だよねと、様々な支え要らないのよねと、そういった形でこれまで考えられてこられたんだと思いますが、二〇二三年になって、三〇年、四〇年、今後年が重なっていく間に人口の構成も変わり、労働環境も変わり、じゃ、社会保障の仕組みというのをどのように整えていくべきなのか、労働市場と例えば生活保護、その間をどうつくっていくのか、その間の部分をどれだけつくっていくことを考えていくことができるのかというところを、是非こういった議論を進めていただきたいというところを改めて思っています。
少しまとめに入ります。あと二分ほどお時間いただいているので、少しまとめさせていただきますが。
少し私の話いろいろ飛び散ったところもあったかなと思いますが、重要なポイントとしてお伝えしたいところとして、これまで自立しているとみなされて支援から外れてきた方、ワーキングプアの方、恒常的な低所得者層の方が実はたくさんいて、その方たちを支援することによって、例えば生活保護であったり、そういったより福祉的な領域に下りてくることを防ぐといいますか、予防的な部分も含めてですね、また、この階層の方たちが例えば子育てをする、介護をする、そういったときに不安がないように様々なサポートをする、これをしていく必要があるというところを改めてお伝えしたいと思います。
じゃ、具体的に何をするべきか。多分、二つアプローチがありまして、一つは収入を上昇させましょう。働いているんだったらもちろん働きの収入だけで生活できるにこしたことはないだろうと多くの方が思います。なので、就労収入を上昇させるような施策、例えば最低賃金を上げましょう。ただ、安定的な雇用、正規雇用も含めて拡大できたらいいですよね。それから、非正規労働の方でもより社会保険適用していく。これ、この間、様々政府、国会等でも議論が行われてきたレベルのところをより拡大していただく、それもとても重要かなというふうに思います。
もう一つの方法は、今日ここでお伝えしたいところの大きなポイントになりますが、所得を底上げするような給付やサービスを大幅に拡充していくことを改めてこういった場で議論していく、考えていく必要が今あるのではないかというところでございます。
これどういうことかというと、例えば一生懸命働いていて、フルタイムで働いていても手取り十三万、十四万円と。二十代の若者がこの国に生まれて未来を描けるかというと、なかなかそれは厳しい。奨学金を借りていて何百万借金がある、でも非正規で働いていて、四十年後、自分の収入が上がっているイメージが湧かない、子育ての不安もある、介護の不安もある。そうじゃない国にする一つの方法として、当たり前のように支えられる経験を様々な人生のフェーズの中でしていく。
ここに一つ書きましたが、まあ分かりやすく一つの切り口でいうと、住宅手当というものは一つ分かりやすい部分かなというふうにも思います。もちろん、公営住宅等、いわゆるそういった住宅の保障、セーフティーネットという形で議論されているものもありますが、公営住宅、全住宅で六%しかなくてなかなか入れない。東京だと倍率が九倍以上と、混むところだと二十倍、三十倍を超えるというところありますが、なので、住宅手当というような形で、ワーキングプアの方、学生、低年金者も含めて、低所得者に対してきちんと支給をする。今やっている住居確保給付金というのは求職要件がありますが、求職要件等を経ずに単純にフローだけで見て、所得だけで見てきちんと手当をつくっていく、こういったことの議論というのは必要かなと思います。
あとは、ここに書きましたが、子供、児童手当の大幅の拡充であったり、最低保障年金等の実装であったり、できるだけ所得を支えることによって、何とか困窮する前に、困窮する手前に、この社会に生きていて支えられているという経験を多くの方ができるような仕組みというのをつくっていくことが必要なのではないのかなというふうにも思っております。
少しちょっと長くなって恐縮ですけれども、最後ここで書いたところが全てなんですけれども、結構大きな話を今日させていただきましたが、日本の低所得者支援って、やっぱり生活保護と生活困窮者の自立支援制度のみで考えていくにはやはり無理があるのではないかと。その手前にあるところの給付、所得保障というものを改めて国としてもしっかり考えていくこと、これまでこの議論というのは非常に脆弱で、ほとんど行われていない部分というのがございます。そこについて是非検討していくということをお願いしたいなというふうに思っています。
済みません、長くなりましたが、以上です。
福
赤
赤石千衣子#10
○参考人(赤石千衣子君) 認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの理事長をしております赤石でございます。今日は、このような機会をいただきまして、大変ありがとうございます。(資料映写)
私、ちょっとパワーポイント多く作ってしまいましたので、駆け足になるところや抜かすところがございますので、それは後で読んでいただければと思います。
私の自己紹介、これは抜かしますね。
「はじめに」です。今、児童手当の所得制限がありかなしかで沸いていると思います。普遍的な制度はもちろん歓迎でございます。基本的には非常にすばらしいと思っています。しかし、普遍的な制度だけでは、コロナ後の格差拡大の中で、非正規で働いている一人親世帯には雇用調整助成金も届かず、正規社員のみだったんですね、結局、届いたのが。仕事が減り、三年間ずっとずっとぎりぎりで生活する親子がたくさんいらっしゃいます。今、こういった世帯に児童手当の所得制限がなくなったとしても、すぐには効かないんです。
では、どうしたらいいのか。やはりこの層には特別の配慮が必要ですということです。せっかくこの世の中に生まれてきた子供たちがしっかり育てられる、そういう社会にしたいではないですか。せっかく生まれてきたんです。国の児童扶養手当の基準額、また複数子の加算、一回上げていただきました。コロナ期に給付金はあったんですけれども、恒久的に制度を、手当を上げるということがなかったので、その点を配慮していただきたい、こういったことをお伝えしたいと思います。
まず、しんぐるまざあず・ふぉーらむの活動はこういったことをやっておりますということで、就労支援事業、相談事業から子育て支援事業、今ですと新入学のお祝い金事業を小学校、中学、高校、大学等に三万円か五万円の給付を二千四百人、計、御寄附で一億円を給付する予定でございます。一団体でここまでやる。でも、入学できない方がいらっしゃるので、それをやっております。
また、食品支援、先ほど大西さんも言ってくださいましたけど、私どもは年間三万世帯、一月だけで二千五百十一世帯にパッケージをお送りしております。この費用はですね、十二・五トンのお米を月に送っています。一世帯五キロです。計算していただければそうなります。これを全国に送っている。そういう状況で支えながら、こういった確かな情報を届けたりしている。そして、シングルマザーサポート団体全国協議会、三十二団体を束ねております。
では、一人親世帯の現状でございます。
まず、この間、十二月二十六日に令和三年度全国ひとり親世帯調査の結果が発表されました。数は若干減っていて、百十九万五千世帯が母子世帯、父子世帯十四万九千世帯。一人親になった理由は、離婚が八割、そして未婚の母が一〇・八%で増えてきております。逆に、死別の方は減っている。
そして、離婚件数は、増えていると思っていらっしゃる方がいらっしゃるかもしれないんですが、二十年前より減少傾向です。ここはしっかり覚えておいていただきたいと思います。人口減の世の中ですからね。未婚率も上がっています。
就業状況です。就業率、母子世帯の母八六・三%ですね。こちらは多分世界一、就業率、母子世帯の就業率が高い国になっていると思います。ここに比較調査がございますが、ほかのどの国よりも断トツ高いですね。また、そういう中で年間就労収入、見てみましょう。母子世帯のお母さん二百三十六万円、年間就労収入二百三十六万円でお子さんが一人あるいは二人の子を育てている。どう思われますでしょうか。これ、母子世帯収入にしますと、親族収入とか合わせても子供のいる世帯の平均収入の半分以下ということになります。
これが大きな特徴なんです、日本の母子世帯の。就労率は高い、しかし就労収入が低い、これが現実です。なぜそうなるか。やはり、お仕事と子育てを両立するということの困難が、パート、アルバイトでしか働くことができない方を、四割いらっしゃる。四割の方は、年収は、就労年収は百五十万円で働いている。もちろん、ちょっと上がったんですよ。やはり最低賃金が上がったことが少しはいい結果をもたらしているから上がっているんですけれども、まだまだ非常に厳しいということがお分かりいただけると思います。でも、非正規でしか働くことができない方たちがこれだけいらっしゃる。
そして、養育費もらったらいいじゃないかと思われるかもしれないんですが、養育費を受けているという方は二八%、そして面会交流率は三割、このようになっております。
ですので、収入階層から見ると、年収百万円から二百万円のところが大きなボリュームゾーンになっております。二百万から三百万の方もいらっしゃるんですけれども、この方たち、教育費を高等教育まで捻出できるでしょうか。厳しいということはお分かりいただけますよね。ですので、高等教育の無償化、いわゆる修学支援新制度できました。大変有り難いんですけれども、これだけではなかなか中学、高校の塾代とか習い事とか部活費用とか賄えない、こういう状況になっております。
世界の大人一人の家庭の相対的貧困率を比べますと、本当に不名誉なことですが、日本は一人親家庭の相対的貧困率は世界の先進国の中で最悪でございます。本当にこれでいいのだろうかということでございます。
では、何で離婚するんですかと絶対おっしゃると思うので、司法統計から見ますと、婚姻関係事件の申立て動機にはDVの家庭が非常に多いということが分かります。御覧いただけますでしょうか。性格が合わないが断トツ一位なんですが、そのほか、生活費を渡さない、二七・五%、精神的に虐待する、二四・九%、暴力を振るう、二四・七%など、これは全部ドメスティック・バイオレンスに属しているものでございます。
で、こういう状況の中でコロナが起こりました。コロナによってシングルマザーの就労、生活にどのような影響があったのでしょうか。七割の方が影響があったと答えています。そして、サービス職、販売職、生産工程職の方に大きな影響があったわけでございます。事務職の方にはそれほどの影響はなかったんですね。でも、そういう、私ども御支援している中でも、ファミリーレストランで働いてますとか、チェーン店で飲食のところで働いてますみたいな方たくさんいらっしゃいます。
こういう方たちは、PCを持っていない、タブレットも持っていない、接続も不足している、こういう方がとても多いんです。この中で、デジタル化とかDXとかいろんなことが話題になっているんですけれども、全くそういうところから外れてしまっている方たちがいらっしゃるということです。
で、この方たち、食べるものも困っていました。お米が買えないという方が二年前に三割、四割いらっしゃいました。これは、二〇二二年十二月、クリスマスですので、食料支援をしたときの子供たちの喜びようです。済みません、何かおかしなこのポーズしている子かわいいんですけど。みんながポーズしているんですけど。こんな支援を二千五百世帯にやっている。資金が途絶えたらこの子たちの笑顔は見られなくなります。
厚労省の食事等支援事業、私ども一団体として五十万円もらっています。でも、一か月に千二百万円掛かるんです。全然足りないです。一人親の方たち、お母さんもクリスマスが準備できて良かったと言っています。
これはちょっと、一年半前の数字なんですが、夏休みになるとお母さんが、前月、小学生のお子さんのことで気掛かりだったこと、お子さんの体重が減ったと答えている方が一〇%超いらっしゃいました。夏休み、なかなかお米も買えない状況があるわけです。
そして、健康面でも心配なそういう民間賃貸住宅に住んでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。騒音が気になる、あるいは、カビが生える、日当たりが悪い、虫やネズミやゴキブリが出る。こういったことを心配している方の割合、非常に多くなっております。
住宅費、先ほど大西委員からもありましたけれども、本当に、就労収入、月収で十二万円ぐらいの方が、民間賃貸住宅、平均、東京だと七万九千円払っている。これでどうやって子供たちを、暮らせていけるとお思いでしょうか。非常にその住宅問題は大きいです。
さらに、そこに物価高が襲いかかりました。今、物価高で本当に就労収入が上がらず、更に非常に厳しい状況になっております。年越しができない、クリスマスもできないと答えている方は非常に多かったんですね。七割の方がどちらもできません。町がクリスマスや年末の準備で沸いているときにこういうふうに答えていらっしゃる方がいらっしゃるんです。そして、修学旅行にも行かせられなかった、新しい洋服、靴が買えなかった、こういった方がこれだけいらっしゃいます。この状況の中で、やはり低所得の一人親世帯に何らかの手だてが必要かと思います。
一人親の現実でございます。
先ほども言いましたように、仕事と子育ての両立の困難というのは非常に厳しい状況です。皆さん、子育てをしっかりやりたいと思っていらっしゃいます。しかし、ブランクがあって正社員にはすぐになれない、そうしたら今はパートタイムになるしかない、ここで悩んでおられます。時間がなく、でもパートタイムで働いていれば昇給はないので、お子さんが中学くらいになると、トリプルワークしていらっしゃる方がいらっしゃいます。もう本当にしんどいんですけれども、三人お子さんがいるお母さんが、もう本当に、土日、二十四時間営業の居酒屋で働いているんですね。それでも何とかして就労支援で転職したいとおっしゃるんですけど、もう倒れるんじゃないかと思っていつも心配しているような方がいらっしゃいます。
そして、このコロナで何が増えたか。子供の不登校です。
この図を見ていただきたいんですけれども、二一年に不登校、長期欠席が増えました。これは、もろに一人親の就労支援をしていると分かります。多くの方は在宅就労の雇用を望むんですね。それはどうしてかっていうと、行き渋っている子供たちがいるので行ってらっしゃいと言いたい。そうすると在宅ワークがいいとおっしゃるんですが、やはりスキルが低い方には在宅での雇用というのを探すのは非常に厳しい状況です。ですので、皆さん非常に低所得で困っておられるということがございます。また、シングルファーザーの方、なかなか支援に行き着かないというのがあります。
ここで、ちょっとだけ別のお話をします。
今、法務省法制審議会家族法制部会では共同親権について議論をしております。また、養育費についても議論しております。しかし、一人親の方に聞くと、共同親権制度を選択したいかという方は非常に僅か、ほとんどの方は選択したくないとおっしゃっています。では、ワクチン接種等で元夫と協議ができましたかと聞くと、協議できた方はほんの三%なんですね。こんな状況で非常に困っておられます。
子供に関する重要事項の共同決定をするのが共同親権、共同監護でございます。一体、共同決定できるのでしょうか。子供の高校進学、公立高校の受験に失敗して私立高校に合格した。お父さんにサインしてくれと頼んだら、そんな高いところに行かせられない、もう中卒でいいではないかと言われたら、この子は高校に進学できなくなります。それから、医療です。急に突発的な医療があったとき、一体、合意が成り立つのでしょうか。滋賀県では、子供が心臓の手術をしたときに、共同親権、まだ離婚は成立していなくてお父さんのサインがいただけなかったがために、病院は後からお父さんに訴えられて損害賠償請求の額を払いました。病院も非常に迷惑すると思います。
こういったことで、よくよく考えますと、この共同決定をするという制度を導入するのは非常に難しいのではないか。例えば、お子さんのことを仲よく離婚後も話せる夫婦は今もやっています。単独親権下で問題ありません。葛藤がある夫婦は子供にとって不利益です。連絡が取れない方が半数以上です。このことは、連絡取れなければ子供に不利益です。DVや子供への虐待があるケースは子供に危険があります。どれを取っても利益がないということになります。
では、この一人親家庭への支援と改善の方向です。
本当に政府もコロナ禍でいろんな努力をしてくださいました。しかし、届くものと届かないものがあったというのが現実でございます。児童扶養手当制度は、その中で二か月に一度の支給になって大変有り難い制度でした。
しかし、このようになっています。皆さん、児童手当のことで支給月のこと議論されていますか。児童扶養手当は今二か月に一度の支給になっているんですが、奇数月です。児童手当は二月、六月、十月の支給です。となると、四月、八月、十二月には両方の支給がない月があるんです。この月は、入学の時期、夏休みの給食がない時期、年越しの時期です。ここに困窮が生じているんです。この支給月の問題も非常に大事なんです。費用が掛かるので言いにくいんですが、児童手当も二か月に一度、偶数月になると大変有り難くなる方たちがいらっしゃることはお伝えしておきます。
また、児童扶養手当の窓口、窓口ハラスメントというものが、私どもが名を付けましたが、あります。皆さん、初対面の方に、女性に、あなた、妊娠していないですかと聞いていいでしょうか。これは間違いなくセクシュアルハラスメントですね。しかし、児童扶養手当の窓口は、これを言わざるを得ないと思って対応している窓口があります。また、男性と交際していないですか、こんなことを言っている窓口もあります。なぜなら、事実婚だと児童扶養手当は支給できないからです。
となりますと、どうやってこの窓口を改善していくのか課題になります。本当は相談してほしい窓口が機能しないことになるんです。嫌な思いをしたり屈辱的な扱いを受けるのが児童扶養手当の窓口だと答えている方は三割、必要だから行かざるを得ないが、できるだけ行きたくないと言っている方が六割超、これでは機能しません。ですので、当事者と御相談いただきながら、せめて、この制度ではどうしても聞かざるを得ないことがありますが、このようなことはありますかと聞くですとか、改善が求められますし、そもそも事実婚の認定を変えてほしいと思っております。
また、物価高で、電力、ガス、食料品等の価格高騰緊急支援給付金、大変有り難かったんですが、やはり非課税世帯なので、非常に、もう本当にその方たちも生活費にすぐに消えてしまったという統計がございます。
特に、多子世帯の子供は非常に我慢させられています。本当に、こういう世帯に困ることのない、入学時に負担のない、そういう制度をこれからつくることが必要かと思います。
時間延長になっていないと思うんですけれども、御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →私、ちょっとパワーポイント多く作ってしまいましたので、駆け足になるところや抜かすところがございますので、それは後で読んでいただければと思います。
私の自己紹介、これは抜かしますね。
「はじめに」です。今、児童手当の所得制限がありかなしかで沸いていると思います。普遍的な制度はもちろん歓迎でございます。基本的には非常にすばらしいと思っています。しかし、普遍的な制度だけでは、コロナ後の格差拡大の中で、非正規で働いている一人親世帯には雇用調整助成金も届かず、正規社員のみだったんですね、結局、届いたのが。仕事が減り、三年間ずっとずっとぎりぎりで生活する親子がたくさんいらっしゃいます。今、こういった世帯に児童手当の所得制限がなくなったとしても、すぐには効かないんです。
では、どうしたらいいのか。やはりこの層には特別の配慮が必要ですということです。せっかくこの世の中に生まれてきた子供たちがしっかり育てられる、そういう社会にしたいではないですか。せっかく生まれてきたんです。国の児童扶養手当の基準額、また複数子の加算、一回上げていただきました。コロナ期に給付金はあったんですけれども、恒久的に制度を、手当を上げるということがなかったので、その点を配慮していただきたい、こういったことをお伝えしたいと思います。
まず、しんぐるまざあず・ふぉーらむの活動はこういったことをやっておりますということで、就労支援事業、相談事業から子育て支援事業、今ですと新入学のお祝い金事業を小学校、中学、高校、大学等に三万円か五万円の給付を二千四百人、計、御寄附で一億円を給付する予定でございます。一団体でここまでやる。でも、入学できない方がいらっしゃるので、それをやっております。
また、食品支援、先ほど大西さんも言ってくださいましたけど、私どもは年間三万世帯、一月だけで二千五百十一世帯にパッケージをお送りしております。この費用はですね、十二・五トンのお米を月に送っています。一世帯五キロです。計算していただければそうなります。これを全国に送っている。そういう状況で支えながら、こういった確かな情報を届けたりしている。そして、シングルマザーサポート団体全国協議会、三十二団体を束ねております。
では、一人親世帯の現状でございます。
まず、この間、十二月二十六日に令和三年度全国ひとり親世帯調査の結果が発表されました。数は若干減っていて、百十九万五千世帯が母子世帯、父子世帯十四万九千世帯。一人親になった理由は、離婚が八割、そして未婚の母が一〇・八%で増えてきております。逆に、死別の方は減っている。
そして、離婚件数は、増えていると思っていらっしゃる方がいらっしゃるかもしれないんですが、二十年前より減少傾向です。ここはしっかり覚えておいていただきたいと思います。人口減の世の中ですからね。未婚率も上がっています。
就業状況です。就業率、母子世帯の母八六・三%ですね。こちらは多分世界一、就業率、母子世帯の就業率が高い国になっていると思います。ここに比較調査がございますが、ほかのどの国よりも断トツ高いですね。また、そういう中で年間就労収入、見てみましょう。母子世帯のお母さん二百三十六万円、年間就労収入二百三十六万円でお子さんが一人あるいは二人の子を育てている。どう思われますでしょうか。これ、母子世帯収入にしますと、親族収入とか合わせても子供のいる世帯の平均収入の半分以下ということになります。
これが大きな特徴なんです、日本の母子世帯の。就労率は高い、しかし就労収入が低い、これが現実です。なぜそうなるか。やはり、お仕事と子育てを両立するということの困難が、パート、アルバイトでしか働くことができない方を、四割いらっしゃる。四割の方は、年収は、就労年収は百五十万円で働いている。もちろん、ちょっと上がったんですよ。やはり最低賃金が上がったことが少しはいい結果をもたらしているから上がっているんですけれども、まだまだ非常に厳しいということがお分かりいただけると思います。でも、非正規でしか働くことができない方たちがこれだけいらっしゃる。
そして、養育費もらったらいいじゃないかと思われるかもしれないんですが、養育費を受けているという方は二八%、そして面会交流率は三割、このようになっております。
ですので、収入階層から見ると、年収百万円から二百万円のところが大きなボリュームゾーンになっております。二百万から三百万の方もいらっしゃるんですけれども、この方たち、教育費を高等教育まで捻出できるでしょうか。厳しいということはお分かりいただけますよね。ですので、高等教育の無償化、いわゆる修学支援新制度できました。大変有り難いんですけれども、これだけではなかなか中学、高校の塾代とか習い事とか部活費用とか賄えない、こういう状況になっております。
世界の大人一人の家庭の相対的貧困率を比べますと、本当に不名誉なことですが、日本は一人親家庭の相対的貧困率は世界の先進国の中で最悪でございます。本当にこれでいいのだろうかということでございます。
では、何で離婚するんですかと絶対おっしゃると思うので、司法統計から見ますと、婚姻関係事件の申立て動機にはDVの家庭が非常に多いということが分かります。御覧いただけますでしょうか。性格が合わないが断トツ一位なんですが、そのほか、生活費を渡さない、二七・五%、精神的に虐待する、二四・九%、暴力を振るう、二四・七%など、これは全部ドメスティック・バイオレンスに属しているものでございます。
で、こういう状況の中でコロナが起こりました。コロナによってシングルマザーの就労、生活にどのような影響があったのでしょうか。七割の方が影響があったと答えています。そして、サービス職、販売職、生産工程職の方に大きな影響があったわけでございます。事務職の方にはそれほどの影響はなかったんですね。でも、そういう、私ども御支援している中でも、ファミリーレストランで働いてますとか、チェーン店で飲食のところで働いてますみたいな方たくさんいらっしゃいます。
こういう方たちは、PCを持っていない、タブレットも持っていない、接続も不足している、こういう方がとても多いんです。この中で、デジタル化とかDXとかいろんなことが話題になっているんですけれども、全くそういうところから外れてしまっている方たちがいらっしゃるということです。
で、この方たち、食べるものも困っていました。お米が買えないという方が二年前に三割、四割いらっしゃいました。これは、二〇二二年十二月、クリスマスですので、食料支援をしたときの子供たちの喜びようです。済みません、何かおかしなこのポーズしている子かわいいんですけど。みんながポーズしているんですけど。こんな支援を二千五百世帯にやっている。資金が途絶えたらこの子たちの笑顔は見られなくなります。
厚労省の食事等支援事業、私ども一団体として五十万円もらっています。でも、一か月に千二百万円掛かるんです。全然足りないです。一人親の方たち、お母さんもクリスマスが準備できて良かったと言っています。
これはちょっと、一年半前の数字なんですが、夏休みになるとお母さんが、前月、小学生のお子さんのことで気掛かりだったこと、お子さんの体重が減ったと答えている方が一〇%超いらっしゃいました。夏休み、なかなかお米も買えない状況があるわけです。
そして、健康面でも心配なそういう民間賃貸住宅に住んでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。騒音が気になる、あるいは、カビが生える、日当たりが悪い、虫やネズミやゴキブリが出る。こういったことを心配している方の割合、非常に多くなっております。
住宅費、先ほど大西委員からもありましたけれども、本当に、就労収入、月収で十二万円ぐらいの方が、民間賃貸住宅、平均、東京だと七万九千円払っている。これでどうやって子供たちを、暮らせていけるとお思いでしょうか。非常にその住宅問題は大きいです。
さらに、そこに物価高が襲いかかりました。今、物価高で本当に就労収入が上がらず、更に非常に厳しい状況になっております。年越しができない、クリスマスもできないと答えている方は非常に多かったんですね。七割の方がどちらもできません。町がクリスマスや年末の準備で沸いているときにこういうふうに答えていらっしゃる方がいらっしゃるんです。そして、修学旅行にも行かせられなかった、新しい洋服、靴が買えなかった、こういった方がこれだけいらっしゃいます。この状況の中で、やはり低所得の一人親世帯に何らかの手だてが必要かと思います。
一人親の現実でございます。
先ほども言いましたように、仕事と子育ての両立の困難というのは非常に厳しい状況です。皆さん、子育てをしっかりやりたいと思っていらっしゃいます。しかし、ブランクがあって正社員にはすぐになれない、そうしたら今はパートタイムになるしかない、ここで悩んでおられます。時間がなく、でもパートタイムで働いていれば昇給はないので、お子さんが中学くらいになると、トリプルワークしていらっしゃる方がいらっしゃいます。もう本当にしんどいんですけれども、三人お子さんがいるお母さんが、もう本当に、土日、二十四時間営業の居酒屋で働いているんですね。それでも何とかして就労支援で転職したいとおっしゃるんですけど、もう倒れるんじゃないかと思っていつも心配しているような方がいらっしゃいます。
そして、このコロナで何が増えたか。子供の不登校です。
この図を見ていただきたいんですけれども、二一年に不登校、長期欠席が増えました。これは、もろに一人親の就労支援をしていると分かります。多くの方は在宅就労の雇用を望むんですね。それはどうしてかっていうと、行き渋っている子供たちがいるので行ってらっしゃいと言いたい。そうすると在宅ワークがいいとおっしゃるんですが、やはりスキルが低い方には在宅での雇用というのを探すのは非常に厳しい状況です。ですので、皆さん非常に低所得で困っておられるということがございます。また、シングルファーザーの方、なかなか支援に行き着かないというのがあります。
ここで、ちょっとだけ別のお話をします。
今、法務省法制審議会家族法制部会では共同親権について議論をしております。また、養育費についても議論しております。しかし、一人親の方に聞くと、共同親権制度を選択したいかという方は非常に僅か、ほとんどの方は選択したくないとおっしゃっています。では、ワクチン接種等で元夫と協議ができましたかと聞くと、協議できた方はほんの三%なんですね。こんな状況で非常に困っておられます。
子供に関する重要事項の共同決定をするのが共同親権、共同監護でございます。一体、共同決定できるのでしょうか。子供の高校進学、公立高校の受験に失敗して私立高校に合格した。お父さんにサインしてくれと頼んだら、そんな高いところに行かせられない、もう中卒でいいではないかと言われたら、この子は高校に進学できなくなります。それから、医療です。急に突発的な医療があったとき、一体、合意が成り立つのでしょうか。滋賀県では、子供が心臓の手術をしたときに、共同親権、まだ離婚は成立していなくてお父さんのサインがいただけなかったがために、病院は後からお父さんに訴えられて損害賠償請求の額を払いました。病院も非常に迷惑すると思います。
こういったことで、よくよく考えますと、この共同決定をするという制度を導入するのは非常に難しいのではないか。例えば、お子さんのことを仲よく離婚後も話せる夫婦は今もやっています。単独親権下で問題ありません。葛藤がある夫婦は子供にとって不利益です。連絡が取れない方が半数以上です。このことは、連絡取れなければ子供に不利益です。DVや子供への虐待があるケースは子供に危険があります。どれを取っても利益がないということになります。
では、この一人親家庭への支援と改善の方向です。
本当に政府もコロナ禍でいろんな努力をしてくださいました。しかし、届くものと届かないものがあったというのが現実でございます。児童扶養手当制度は、その中で二か月に一度の支給になって大変有り難い制度でした。
しかし、このようになっています。皆さん、児童手当のことで支給月のこと議論されていますか。児童扶養手当は今二か月に一度の支給になっているんですが、奇数月です。児童手当は二月、六月、十月の支給です。となると、四月、八月、十二月には両方の支給がない月があるんです。この月は、入学の時期、夏休みの給食がない時期、年越しの時期です。ここに困窮が生じているんです。この支給月の問題も非常に大事なんです。費用が掛かるので言いにくいんですが、児童手当も二か月に一度、偶数月になると大変有り難くなる方たちがいらっしゃることはお伝えしておきます。
また、児童扶養手当の窓口、窓口ハラスメントというものが、私どもが名を付けましたが、あります。皆さん、初対面の方に、女性に、あなた、妊娠していないですかと聞いていいでしょうか。これは間違いなくセクシュアルハラスメントですね。しかし、児童扶養手当の窓口は、これを言わざるを得ないと思って対応している窓口があります。また、男性と交際していないですか、こんなことを言っている窓口もあります。なぜなら、事実婚だと児童扶養手当は支給できないからです。
となりますと、どうやってこの窓口を改善していくのか課題になります。本当は相談してほしい窓口が機能しないことになるんです。嫌な思いをしたり屈辱的な扱いを受けるのが児童扶養手当の窓口だと答えている方は三割、必要だから行かざるを得ないが、できるだけ行きたくないと言っている方が六割超、これでは機能しません。ですので、当事者と御相談いただきながら、せめて、この制度ではどうしても聞かざるを得ないことがありますが、このようなことはありますかと聞くですとか、改善が求められますし、そもそも事実婚の認定を変えてほしいと思っております。
また、物価高で、電力、ガス、食料品等の価格高騰緊急支援給付金、大変有り難かったんですが、やはり非課税世帯なので、非常に、もう本当にその方たちも生活費にすぐに消えてしまったという統計がございます。
特に、多子世帯の子供は非常に我慢させられています。本当に、こういう世帯に困ることのない、入学時に負担のない、そういう制度をこれからつくることが必要かと思います。
時間延長になっていないと思うんですけれども、御清聴ありがとうございました。
福
尾
尾上浩二#12
○参考人(尾上浩二君) 今日は、貴重な発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
認定NPO、DPI、障害者インターナショナル日本会議副議長の尾上と申します。どうぞよろしくお願いいたします。(資料映写)
私が属しておりますDPIのプロフィールは、今日リーフレットをお配りしておりますので、そちらの方をまた見ていただければと思います。
私自身のプロフィールみたいなものを一枚目のスライドで紹介をさせていただいておりますけれども、今日も電動車椅子で地下鉄、新幹線を乗り継いでここにやってまいりましたが、子供のときから脳性麻痺、障害を持って生まれ育ちました。養護学校、施設を経て、地域の中学校へ行き、大学に入ってからずっと障害者運動に関わりました。もう今年でちょうど四十五年目ということになりますが、特に今日お話しさせていただきます障害者権利条約、国連の障害者権利条約では、二〇一三年の批准の際の国会の参考人質疑にお呼びいただき、お招きいただきまして、さらに去年八月、ジュネーブでありました対日審査にも参加をさせていただいた、そういう者であります。現在、DPIの副議長のほかに、内閣府の障害者施策アドバイザーということもやらせていただいています。
これが二〇一三年十一月のときの参考人質疑の様子なんですけれども、この参考人質疑を経まして、翌年の一月二十日、二〇一四年一月二十日に障害者権利条約が批准されました。特に、この障害者権利条約批准に向けて、障害者基本法の改正、障害者総合支援法、そして障害者差別解消法、そういった法律を作っていただいた上で批准をした、これがすごく大きかったと思うんですね。障害者権利条約のモットーは、私たち抜きに私たちのことを決めないで、ナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アスということなんですが、まさに当事者の意見を基にしてこういった法律制度をつくった上での批准でございました。
権利条約は国際的なモニタリングの仕組みを持っています。日本も批准後、二年後、二〇一六年の六月に第一回目の政府報告書を国連に提出をしまして、コロナで大分延びていたんですけれども、去年の八月二十二日、二十三日と二日間にわたって国連の障害者権利委員会と日本政府との建設的対話ということがありました。
私たち障害者団体の側では、パラレルレポートというものを二〇一七年から準備をしまして、五年間準備の末、当日に臨みました。日本から障害者や家族あるいは弁護士さん、総勢百名という、これまでいろんな国の審査があったわけですが、最大規模ということで、ジュネーブの国連事務所の一番大きな部屋に場所を変えての建設的対話、審査となりました。
私ども民間団体からのパラレルレポートもしっかり障害者権利委員会の皆さんにお伝えをした上で、権利委員会の皆さんは、日本政府の代表団との建設的対話を二日間にわたって取り組んでいただき、九月九日に日本への総括所見というものが発表されました。その後、若干の字句修正の上で、十月七日に確定をしたというところであります。今日、日本政府の仮訳、外務省の仮訳を配付資料ということで配付していますので、後でお読みいただければと思います。
これ、五年間の準備の末ということで迎えた、いよいよ歴史的な瞬間だという、そのタイミングでありますが、特に、幾つも印象に残ることがあったんですが、そのうちの一つ紹介させていただきます。
この方は、ニュージーランドお住まいで知的障害の当事者で、ニュージーランドでの地域移行、脱施設ということを取り組まれたロバート・マーティンさん、彼がこういうふうな質問をしました。二〇一六年の津久井やまゆり園事件を経て、このような施設で今もなお多くの障害者が暮らすことについて考え直したことはありますか、今後どのように脱施設化や地域移行を推進していくのか、日本政府としての考えを教えてください。ずばり日本の問題点を指摘された、そういうふうな思いを持ちました。また、そういった障害者政策委員会を始めとした委員会で知的障害の当事者が今は参加していないのはなぜかという質問もいただきました。
さらに、こちらは、タイにお住まいのサオラックさんという方が入所施設からの地域移行について御質問をされました。脱施設するためにどういうステップを取っているか。例えば、地域移行コーディネーターつくって任命をしていますか、法制化はしていますか。これは、実は施設や病院からの地域移行というのは、やっぱり勝手に進むわけではなくて、かなりいろんな手厚い仕組みが必要なんですね。お隣の韓国やアメリカやいろんなところでこういった仕組みがあるので、日本ではどうするんですか、質問でした。政府からの回答は、地域生活支援拠点はつくるというぐらいのぼわっとした回答で、肝腎のこの地域移行コーディネーターをつくりますかということについては回答はありませんでした。
さらに、質問が相次いだのがインクルーシブ教育でした。といいますのも、こういった回答があったからなんですね。文部省からの回答は、二〇一三年に制度改正を行い、特別支援学校か普通学校かを本人と保護者の意思に基づいて選択できるようにした、その結果、通常学級に在籍しながらサポートを受ける児童は十年間で倍増してインクルーシブ教育も大きく進展したということで。
実際は、二〇一三年、確かに改正いただいたんですが、いまだにやっぱり各地の教育委員会が最終的には決める仕組みなので、通常学校を希望されても特別支援学校に措置される。それで裁判になっているケースもあるんですね。
あるいは、この十年間で、特別支援学校で学ぶお子さんは一・二倍、特別支援学級で学ぶお子さんは二・五倍というふうに増えているのが、分離された環境で学ぶ子供が増えているのが現状なんですが、そのことを、そういったデータもこの障害者権利委員会の皆さんお持ちでしたので、モンゴルのドンドフドルジ委員は、先ほどの説明とは違って、分離された環境で教育を受ける子供たちの数がかなり増えているように見えますと、その学校教育法施行令の二十二条の三というのは一定の障害のある者ということなんですが、その一定の障害のある子供が、二〇一六年五月には千五百七十五人、通常学級で学んでいたのが、二〇一七年には千百四十四人まで減っている、かえって通常学級で学ぶ子供が減っているではないですかというふうな指摘がありました。
最後、日本を担当された二人の委員がいられるんですが、そのうちのお一人、キム・ミヨンさんという方ですが、彼女が涙ながらに、日本の障害者や市民社会によるパラレルレポートが示す日本の障害者の実際の状況と政府報告書の間に大きなギャップがあるというふうに見受けられますと、このギャップを解決するために迅速に取り組む、具体的に取り組んでほしい、特にそういった障害者の権利のために一心に取り組んできた障害者や市民団体と一緒に連携を続けていただくことを日本政府にお願いするというふうに言われたのが非常に印象的でございました。
で、先ほど申しましたとおり、九月九日に日本政府に対する総括所見、いわゆる懸念と勧告ですね、が出されました。例えば医学モデル、パターナリズムが非常に日本は強いから、それから人権モデルへ転換をしてくださいというようなことや、障害のある女性、障害のある子供への複合差別や虐待に対応してください、あるいは精神医療の強制医療を廃止してください、身体拘束を防止してください等々、非常にインパクトのある内容になっています。
ちょっと概要を見ておきますと、全部で七十五のパラグラフで十八ページ、A4十八ページです。例えばイギリスとかほかの国々のを見ますと、十ページとか十二ページぐらいが多いんですね。日本は非常に多い。それだけ詳しく述べられているわけなんですが、政府にとって厳しい勧告が多いわけですが、肯定的側面もしっかりと押さえているということも確認をしておきたいと思います。
やはりこの十年間、国会の皆さんでいろんな法律を作っていただきました。障害者差別解消法やバリアフリー法の改正、情報アクセシビリティー・コミュニケーション推進法、あるいは読書バリアフリー法、障害者文化芸術推進基本法や、条約のモニター機関として障害者政策委員会を設置いただいた等々は、これは国際社会から非常に高く評価をされているわけです。
ただ一方、一条から三十三条全ての条文に懸念と勧告が出されました。後でまた読んでいただいたら分かるんですが、最初に目指すべきビジョンの明確、こういうことをちゃんと目指しなさいという、言うなら、登るべき山を間違うと、頑張れば頑張るほど権利条約が求める社会とずれていくので、こういう方向をちゃんと目指しなさいというビジョンが明確に書かれた上で、それに向けてこういったことを具体的に進めなさいということが書かれているんですね。
特に緊急の措置が必要なのが、精神病院からの地域移行も含めた脱施設、施設や病院からの地域移行、そして施設を順々になくしていく脱施設、そしてもう一つは、障害のある子とない子が共に学び、全ての子供が居場所のあるインクルーシブ教育をつくるということですね。
もう一人、日本を担当されたラスカスさんという方が日本に来られたときに、実はこの脱施設とインクルーシブ教育はつながっているんだ、子供時代に分離されると分断した社会を生み出してしまう、インクルーシブ教育はインクルーシブ社会の礎なんだということをおっしゃっておられたのが非常に印象的でした。
そして、医学モデル、パターナリズムから人権モデルへ転換をしてくださいねということで、私、あっ、そうか、日本流の分けた上で手厚くというか悪意なくといいますかね、分けた上で手厚くするのがその人にとっても社会にとってもいいんだ、そういうふうな感じで日本は進んできたところがあるんですが、そういう日本流対応への根本的な問いかけなんだろうな。
で、次回の審査が二〇二八年、あと五年です。それまでに着実な改革を是非国会を筆頭に進めていただきたいな、思うんですね。
先ほど、緊急措置ということで二つ、脱施設とインクルーシブ教育、これパラグラフ七十一というところに書かれています。そして、次回の審査は二〇二八年二月、二〇二八年ですよということが書かれているわけですが、特に先ほどの二つのテーマ、ちょっと概要を見ておきますと、総括所見が十九条で指摘し求めていることということで、知的や精神、高齢、身体障害者、あるいは集中的な支援を必要とする障害者や障害児が、やっぱり施設収容が継続している、あるいは家庭生活が奪われている、そういう状況がある。その施設収容を廃止するために予算配分を入所施設や病院から地域生活へ振り向けてください。勧告ですね。
二つ目が、精神科病院への収容や無期限入院がずっといまだに続いていますという問題指摘の上で、精神科病院に入院している全てのケースを見直して、無期限の入院はやめて地域で暮らせるようにしてください。病院というのは治療するためなわけですから、一生いるということは本来あり得ないわけですよね。
さらに、親の扶養下での生活やグループホームでの生活も含めて、やはり選択肢が限られている。そういう意味で、障害者自身が望む生活ができるようにしてください。
そして四つ目、脱施設化と地域での自立の生活のための国家戦略や法的枠組みがありませんね。ここがすごく大事なんです。障害者団体との協議の上で、当事者参画の下でということですね、期限付の目標基準や、人的、技術的、財政的資源を伴う脱施設化に向けた国家戦略や法的枠組みをつくった上で、自治体が義務的に実施するようにしてくださいねというふうなことや、さらには地域での支援体制を充実してください、あるいは、その認定の仕組みが医学モデルということで、非常に限られた人しかやっぱり対象になっていないというふうなことも問題指摘されて勧告を受けています。
これが以上十九条なんですが、ちょっとその地域移行の実情ということで見ていただきますと、これは厚労省の資料なんですが、二〇一一年には毎年四千八百人ぐらいの方が地域移行していたんですね、施設から。ところが、それから八年後、二〇一九年には千五百二十五人、三分の一に減っています。そういうふうに地域移行が減るから、入所施設を減らしていくということも、最初はかなり右下下がりになっていたのが鈍化していっている現状であります。
ついこの前、一月に決まったものは少し今回の総括所見を受けて若干その入所者減を増やしましょうというふうになっていますが、そのための手だてが示されていないんですね。先ほど申しましたとおり、地域移行が大幅に減少し、なかなかその脱施設が進んでいない現状です。
それで、私たちが、当事者が提案しているのは、地域移行コーディネーター制度をつくってほしいということを提案をし続けてきています。
実は、去年の十一月、障害者総合支援法の改正で、衆参で附帯決議を付けていただきました。その中で、この総括所見における指摘を踏まえて、多様な当事者の意見も踏まえた地域移行の計画を作ること。さらに、次ですね、地域生活支援拠点の役割の明確化や機能強化、拠点コーディネーターの役割の整理や配置の促進など、地域移行を効果的、計画的に推進するための方策について検討し、必要な措置を講ずることというふうになっています。
是非、この附帯決議を踏まえて、多様な当事者が参画をした検討会を政府においては立ち上げていただきたいし、国会においてはこの附帯決議がちゃんと守られているかどうかしっかり見守っていただきたいなと思います。
二つ目の大きなテーマ、インクルーシブ教育です。
分離された特別教育が存続をしている、さらに通常の学校、地域の学校はアクセスしにくくなっているということで、分離された特別支援教育をやめてインクルーシブ教育の権利を認める、そのための国家行動計画を作ってくださいということや、あるいは、普通学校への入学拒否、それをできないようにする就学拒否禁止条項みたいなものをちゃんと作ってくださいよ、本人、保護者が希望した限りは必ず地域の学校に行けるようにしてくださいということですね。
障害のある子供への合理的配慮、全ての子供にインクルーシブ教育を確保するための合理的配慮を保障してくださいということや、そのためには、通常の学校の先生も含めた先生方のインクルーシブ教育や人権モデルに関する研修をしっかりしてください、手話を言語とする教育や盲聾教育も充実してくださいということや、高等教育、そういったことも指摘を受けています。
先ほど、政府回答の中ではインクルーシブ教育は大きく前進しているという回答だったんですが、実は文科省さん自身のデータでも特別支援学校や支援学級で学ぶ子供が大きく増えている。インクルーシブ教育と逆行して分離の環境で学ぶ子供が飛躍的に増えてしまった十年だということがこのデータからも分かるんですね。
これ、幾つか新聞記事。そういった中で、特別支援学校の開校が相次ぐ。あるいは、普通学校の就学を拒否されるということで、医療的ケアのお子さんが神奈川県で裁判をしたけれども認められなかったというようなこととかですね。あるいは、合理的配慮が保障されないために普通学校を選べない。あるいは、普通学校に就学できても合理的配慮が不十分で、じゃ、親御さん付いてくださいねということがもうごくごく当たり前に言われてしまう。その中では、例えば付添い、七年間ずっと保護者が付き添わざるを得なかった。働くこともできない。
でも一方で、これは例えば大阪の豊中というところの事例なんかですけれども、医療的ケアがあるお子さんも地元の学校で学びながらちゃんと支援と合理的配慮を得ている事例もあったりするわけです。こういったことがもっともっと全国どこでもできるようにしていただきたい。
そういうことで、問われているのは分離に慣れ親しんだ社会かな。日本というのは、どうしてもちっちゃなときから分けて、その上で大人になってから共生しましょう、共に生きましょうといっても、なかなかやっぱり難しいと思うんですね。そういう意味で、分離した上で手厚くといった日本流対応をやっぱり変えていく。
何かとてつもないことを言っていると思われるかも分かりませんが、アメリカで公民権の歴史、御存じかと思いますが、一九五四年にブラウン判決というのがありました。それまでは、黒人学校と白人学校、分離しても平等だ、分離すれども平等だと言われていたのが、ブラウン判決で分離は差別であるとなってから大きく歴史が動いたんですね。
同じように、今回の総括所見は、今までの分離した上で手厚くという日本流の対応から、分離をしなくて、分離せず合理的配慮と必要な支援へと。分離した上で手厚くから、分離せず合理的配慮と必要な支援へという転換を進めていくきっかけになってほしいなと思います。
最後であります。障害者政策委員会での議論ということで、障害者基本法の改正を是非、再び、これは、これまで障害者基本法の改正というのは全会一致で、全政党の皆さんの御協力の上で進んできました。是非、二〇一一年の障害者基本法の改正の後、これは条約批准のためでした、それからもう十二年もたっているんですが、来るべき基本法の改正というのは、この総括所見を受けて条約実施のためということで、例えば児童福祉法に書いているように、障害者権利条約の精神にのっとりというふうなことを基本法に書くとか、差別の定義や障害女性の複合差別解消を明記する。あるいは、地域生活やインクルーシブ教育を原則にする。さらに、障害者政策委員会、国連からも高く評価を受けていますけれども、それを更にもっと役割、機能を明確にする。その上で、学校教育法あるいは施行令、障害者総合支援法、精神保健福祉法、各法への取組を是非お願いをしたいと思います。
あと、バリアフリー等の資料も付けておりますが、後で御覧いただければ幸いです。
是非、この何年間か全ての障害者団体が力を合わせて取り組んできたパラレルレポート、それを受けたすばらしい総括所見が出ておりますので、国会において、政府においてしっかり対応いただくことをお願いして、参考人としての発言を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →認定NPO、DPI、障害者インターナショナル日本会議副議長の尾上と申します。どうぞよろしくお願いいたします。(資料映写)
私が属しておりますDPIのプロフィールは、今日リーフレットをお配りしておりますので、そちらの方をまた見ていただければと思います。
私自身のプロフィールみたいなものを一枚目のスライドで紹介をさせていただいておりますけれども、今日も電動車椅子で地下鉄、新幹線を乗り継いでここにやってまいりましたが、子供のときから脳性麻痺、障害を持って生まれ育ちました。養護学校、施設を経て、地域の中学校へ行き、大学に入ってからずっと障害者運動に関わりました。もう今年でちょうど四十五年目ということになりますが、特に今日お話しさせていただきます障害者権利条約、国連の障害者権利条約では、二〇一三年の批准の際の国会の参考人質疑にお呼びいただき、お招きいただきまして、さらに去年八月、ジュネーブでありました対日審査にも参加をさせていただいた、そういう者であります。現在、DPIの副議長のほかに、内閣府の障害者施策アドバイザーということもやらせていただいています。
これが二〇一三年十一月のときの参考人質疑の様子なんですけれども、この参考人質疑を経まして、翌年の一月二十日、二〇一四年一月二十日に障害者権利条約が批准されました。特に、この障害者権利条約批准に向けて、障害者基本法の改正、障害者総合支援法、そして障害者差別解消法、そういった法律を作っていただいた上で批准をした、これがすごく大きかったと思うんですね。障害者権利条約のモットーは、私たち抜きに私たちのことを決めないで、ナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アスということなんですが、まさに当事者の意見を基にしてこういった法律制度をつくった上での批准でございました。
権利条約は国際的なモニタリングの仕組みを持っています。日本も批准後、二年後、二〇一六年の六月に第一回目の政府報告書を国連に提出をしまして、コロナで大分延びていたんですけれども、去年の八月二十二日、二十三日と二日間にわたって国連の障害者権利委員会と日本政府との建設的対話ということがありました。
私たち障害者団体の側では、パラレルレポートというものを二〇一七年から準備をしまして、五年間準備の末、当日に臨みました。日本から障害者や家族あるいは弁護士さん、総勢百名という、これまでいろんな国の審査があったわけですが、最大規模ということで、ジュネーブの国連事務所の一番大きな部屋に場所を変えての建設的対話、審査となりました。
私ども民間団体からのパラレルレポートもしっかり障害者権利委員会の皆さんにお伝えをした上で、権利委員会の皆さんは、日本政府の代表団との建設的対話を二日間にわたって取り組んでいただき、九月九日に日本への総括所見というものが発表されました。その後、若干の字句修正の上で、十月七日に確定をしたというところであります。今日、日本政府の仮訳、外務省の仮訳を配付資料ということで配付していますので、後でお読みいただければと思います。
これ、五年間の準備の末ということで迎えた、いよいよ歴史的な瞬間だという、そのタイミングでありますが、特に、幾つも印象に残ることがあったんですが、そのうちの一つ紹介させていただきます。
この方は、ニュージーランドお住まいで知的障害の当事者で、ニュージーランドでの地域移行、脱施設ということを取り組まれたロバート・マーティンさん、彼がこういうふうな質問をしました。二〇一六年の津久井やまゆり園事件を経て、このような施設で今もなお多くの障害者が暮らすことについて考え直したことはありますか、今後どのように脱施設化や地域移行を推進していくのか、日本政府としての考えを教えてください。ずばり日本の問題点を指摘された、そういうふうな思いを持ちました。また、そういった障害者政策委員会を始めとした委員会で知的障害の当事者が今は参加していないのはなぜかという質問もいただきました。
さらに、こちらは、タイにお住まいのサオラックさんという方が入所施設からの地域移行について御質問をされました。脱施設するためにどういうステップを取っているか。例えば、地域移行コーディネーターつくって任命をしていますか、法制化はしていますか。これは、実は施設や病院からの地域移行というのは、やっぱり勝手に進むわけではなくて、かなりいろんな手厚い仕組みが必要なんですね。お隣の韓国やアメリカやいろんなところでこういった仕組みがあるので、日本ではどうするんですか、質問でした。政府からの回答は、地域生活支援拠点はつくるというぐらいのぼわっとした回答で、肝腎のこの地域移行コーディネーターをつくりますかということについては回答はありませんでした。
さらに、質問が相次いだのがインクルーシブ教育でした。といいますのも、こういった回答があったからなんですね。文部省からの回答は、二〇一三年に制度改正を行い、特別支援学校か普通学校かを本人と保護者の意思に基づいて選択できるようにした、その結果、通常学級に在籍しながらサポートを受ける児童は十年間で倍増してインクルーシブ教育も大きく進展したということで。
実際は、二〇一三年、確かに改正いただいたんですが、いまだにやっぱり各地の教育委員会が最終的には決める仕組みなので、通常学校を希望されても特別支援学校に措置される。それで裁判になっているケースもあるんですね。
あるいは、この十年間で、特別支援学校で学ぶお子さんは一・二倍、特別支援学級で学ぶお子さんは二・五倍というふうに増えているのが、分離された環境で学ぶ子供が増えているのが現状なんですが、そのことを、そういったデータもこの障害者権利委員会の皆さんお持ちでしたので、モンゴルのドンドフドルジ委員は、先ほどの説明とは違って、分離された環境で教育を受ける子供たちの数がかなり増えているように見えますと、その学校教育法施行令の二十二条の三というのは一定の障害のある者ということなんですが、その一定の障害のある子供が、二〇一六年五月には千五百七十五人、通常学級で学んでいたのが、二〇一七年には千百四十四人まで減っている、かえって通常学級で学ぶ子供が減っているではないですかというふうな指摘がありました。
最後、日本を担当された二人の委員がいられるんですが、そのうちのお一人、キム・ミヨンさんという方ですが、彼女が涙ながらに、日本の障害者や市民社会によるパラレルレポートが示す日本の障害者の実際の状況と政府報告書の間に大きなギャップがあるというふうに見受けられますと、このギャップを解決するために迅速に取り組む、具体的に取り組んでほしい、特にそういった障害者の権利のために一心に取り組んできた障害者や市民団体と一緒に連携を続けていただくことを日本政府にお願いするというふうに言われたのが非常に印象的でございました。
で、先ほど申しましたとおり、九月九日に日本政府に対する総括所見、いわゆる懸念と勧告ですね、が出されました。例えば医学モデル、パターナリズムが非常に日本は強いから、それから人権モデルへ転換をしてくださいというようなことや、障害のある女性、障害のある子供への複合差別や虐待に対応してください、あるいは精神医療の強制医療を廃止してください、身体拘束を防止してください等々、非常にインパクトのある内容になっています。
ちょっと概要を見ておきますと、全部で七十五のパラグラフで十八ページ、A4十八ページです。例えばイギリスとかほかの国々のを見ますと、十ページとか十二ページぐらいが多いんですね。日本は非常に多い。それだけ詳しく述べられているわけなんですが、政府にとって厳しい勧告が多いわけですが、肯定的側面もしっかりと押さえているということも確認をしておきたいと思います。
やはりこの十年間、国会の皆さんでいろんな法律を作っていただきました。障害者差別解消法やバリアフリー法の改正、情報アクセシビリティー・コミュニケーション推進法、あるいは読書バリアフリー法、障害者文化芸術推進基本法や、条約のモニター機関として障害者政策委員会を設置いただいた等々は、これは国際社会から非常に高く評価をされているわけです。
ただ一方、一条から三十三条全ての条文に懸念と勧告が出されました。後でまた読んでいただいたら分かるんですが、最初に目指すべきビジョンの明確、こういうことをちゃんと目指しなさいという、言うなら、登るべき山を間違うと、頑張れば頑張るほど権利条約が求める社会とずれていくので、こういう方向をちゃんと目指しなさいというビジョンが明確に書かれた上で、それに向けてこういったことを具体的に進めなさいということが書かれているんですね。
特に緊急の措置が必要なのが、精神病院からの地域移行も含めた脱施設、施設や病院からの地域移行、そして施設を順々になくしていく脱施設、そしてもう一つは、障害のある子とない子が共に学び、全ての子供が居場所のあるインクルーシブ教育をつくるということですね。
もう一人、日本を担当されたラスカスさんという方が日本に来られたときに、実はこの脱施設とインクルーシブ教育はつながっているんだ、子供時代に分離されると分断した社会を生み出してしまう、インクルーシブ教育はインクルーシブ社会の礎なんだということをおっしゃっておられたのが非常に印象的でした。
そして、医学モデル、パターナリズムから人権モデルへ転換をしてくださいねということで、私、あっ、そうか、日本流の分けた上で手厚くというか悪意なくといいますかね、分けた上で手厚くするのがその人にとっても社会にとってもいいんだ、そういうふうな感じで日本は進んできたところがあるんですが、そういう日本流対応への根本的な問いかけなんだろうな。
で、次回の審査が二〇二八年、あと五年です。それまでに着実な改革を是非国会を筆頭に進めていただきたいな、思うんですね。
先ほど、緊急措置ということで二つ、脱施設とインクルーシブ教育、これパラグラフ七十一というところに書かれています。そして、次回の審査は二〇二八年二月、二〇二八年ですよということが書かれているわけですが、特に先ほどの二つのテーマ、ちょっと概要を見ておきますと、総括所見が十九条で指摘し求めていることということで、知的や精神、高齢、身体障害者、あるいは集中的な支援を必要とする障害者や障害児が、やっぱり施設収容が継続している、あるいは家庭生活が奪われている、そういう状況がある。その施設収容を廃止するために予算配分を入所施設や病院から地域生活へ振り向けてください。勧告ですね。
二つ目が、精神科病院への収容や無期限入院がずっといまだに続いていますという問題指摘の上で、精神科病院に入院している全てのケースを見直して、無期限の入院はやめて地域で暮らせるようにしてください。病院というのは治療するためなわけですから、一生いるということは本来あり得ないわけですよね。
さらに、親の扶養下での生活やグループホームでの生活も含めて、やはり選択肢が限られている。そういう意味で、障害者自身が望む生活ができるようにしてください。
そして四つ目、脱施設化と地域での自立の生活のための国家戦略や法的枠組みがありませんね。ここがすごく大事なんです。障害者団体との協議の上で、当事者参画の下でということですね、期限付の目標基準や、人的、技術的、財政的資源を伴う脱施設化に向けた国家戦略や法的枠組みをつくった上で、自治体が義務的に実施するようにしてくださいねというふうなことや、さらには地域での支援体制を充実してください、あるいは、その認定の仕組みが医学モデルということで、非常に限られた人しかやっぱり対象になっていないというふうなことも問題指摘されて勧告を受けています。
これが以上十九条なんですが、ちょっとその地域移行の実情ということで見ていただきますと、これは厚労省の資料なんですが、二〇一一年には毎年四千八百人ぐらいの方が地域移行していたんですね、施設から。ところが、それから八年後、二〇一九年には千五百二十五人、三分の一に減っています。そういうふうに地域移行が減るから、入所施設を減らしていくということも、最初はかなり右下下がりになっていたのが鈍化していっている現状であります。
ついこの前、一月に決まったものは少し今回の総括所見を受けて若干その入所者減を増やしましょうというふうになっていますが、そのための手だてが示されていないんですね。先ほど申しましたとおり、地域移行が大幅に減少し、なかなかその脱施設が進んでいない現状です。
それで、私たちが、当事者が提案しているのは、地域移行コーディネーター制度をつくってほしいということを提案をし続けてきています。
実は、去年の十一月、障害者総合支援法の改正で、衆参で附帯決議を付けていただきました。その中で、この総括所見における指摘を踏まえて、多様な当事者の意見も踏まえた地域移行の計画を作ること。さらに、次ですね、地域生活支援拠点の役割の明確化や機能強化、拠点コーディネーターの役割の整理や配置の促進など、地域移行を効果的、計画的に推進するための方策について検討し、必要な措置を講ずることというふうになっています。
是非、この附帯決議を踏まえて、多様な当事者が参画をした検討会を政府においては立ち上げていただきたいし、国会においてはこの附帯決議がちゃんと守られているかどうかしっかり見守っていただきたいなと思います。
二つ目の大きなテーマ、インクルーシブ教育です。
分離された特別教育が存続をしている、さらに通常の学校、地域の学校はアクセスしにくくなっているということで、分離された特別支援教育をやめてインクルーシブ教育の権利を認める、そのための国家行動計画を作ってくださいということや、あるいは、普通学校への入学拒否、それをできないようにする就学拒否禁止条項みたいなものをちゃんと作ってくださいよ、本人、保護者が希望した限りは必ず地域の学校に行けるようにしてくださいということですね。
障害のある子供への合理的配慮、全ての子供にインクルーシブ教育を確保するための合理的配慮を保障してくださいということや、そのためには、通常の学校の先生も含めた先生方のインクルーシブ教育や人権モデルに関する研修をしっかりしてください、手話を言語とする教育や盲聾教育も充実してくださいということや、高等教育、そういったことも指摘を受けています。
先ほど、政府回答の中ではインクルーシブ教育は大きく前進しているという回答だったんですが、実は文科省さん自身のデータでも特別支援学校や支援学級で学ぶ子供が大きく増えている。インクルーシブ教育と逆行して分離の環境で学ぶ子供が飛躍的に増えてしまった十年だということがこのデータからも分かるんですね。
これ、幾つか新聞記事。そういった中で、特別支援学校の開校が相次ぐ。あるいは、普通学校の就学を拒否されるということで、医療的ケアのお子さんが神奈川県で裁判をしたけれども認められなかったというようなこととかですね。あるいは、合理的配慮が保障されないために普通学校を選べない。あるいは、普通学校に就学できても合理的配慮が不十分で、じゃ、親御さん付いてくださいねということがもうごくごく当たり前に言われてしまう。その中では、例えば付添い、七年間ずっと保護者が付き添わざるを得なかった。働くこともできない。
でも一方で、これは例えば大阪の豊中というところの事例なんかですけれども、医療的ケアがあるお子さんも地元の学校で学びながらちゃんと支援と合理的配慮を得ている事例もあったりするわけです。こういったことがもっともっと全国どこでもできるようにしていただきたい。
そういうことで、問われているのは分離に慣れ親しんだ社会かな。日本というのは、どうしてもちっちゃなときから分けて、その上で大人になってから共生しましょう、共に生きましょうといっても、なかなかやっぱり難しいと思うんですね。そういう意味で、分離した上で手厚くといった日本流対応をやっぱり変えていく。
何かとてつもないことを言っていると思われるかも分かりませんが、アメリカで公民権の歴史、御存じかと思いますが、一九五四年にブラウン判決というのがありました。それまでは、黒人学校と白人学校、分離しても平等だ、分離すれども平等だと言われていたのが、ブラウン判決で分離は差別であるとなってから大きく歴史が動いたんですね。
同じように、今回の総括所見は、今までの分離した上で手厚くという日本流の対応から、分離をしなくて、分離せず合理的配慮と必要な支援へと。分離した上で手厚くから、分離せず合理的配慮と必要な支援へという転換を進めていくきっかけになってほしいなと思います。
最後であります。障害者政策委員会での議論ということで、障害者基本法の改正を是非、再び、これは、これまで障害者基本法の改正というのは全会一致で、全政党の皆さんの御協力の上で進んできました。是非、二〇一一年の障害者基本法の改正の後、これは条約批准のためでした、それからもう十二年もたっているんですが、来るべき基本法の改正というのは、この総括所見を受けて条約実施のためということで、例えば児童福祉法に書いているように、障害者権利条約の精神にのっとりというふうなことを基本法に書くとか、差別の定義や障害女性の複合差別解消を明記する。あるいは、地域生活やインクルーシブ教育を原則にする。さらに、障害者政策委員会、国連からも高く評価を受けていますけれども、それを更にもっと役割、機能を明確にする。その上で、学校教育法あるいは施行令、障害者総合支援法、精神保健福祉法、各法への取組を是非お願いをしたいと思います。
あと、バリアフリー等の資料も付けておりますが、後で御覧いただければ幸いです。
是非、この何年間か全ての障害者団体が力を合わせて取り組んできたパラレルレポート、それを受けたすばらしい総括所見が出ておりますので、国会において、政府においてしっかり対応いただくことをお願いして、参考人としての発言を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
福
福山哲郎#13
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
発言は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。
なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十五分以内となるように御協力をお願いいたします。
これより一巡目の質疑を行います。
質疑のある方は挙手を願います。
上月良祐君。
この発言だけを見る →以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
発言は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。
なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十五分以内となるように御協力をお願いいたします。
これより一巡目の質疑を行います。
質疑のある方は挙手を願います。
上月良祐君。
上
上月良祐#14
○上月良祐君 ありがとうございます。
自民党の上月良祐です。
大変な現場を支えていただいている三人の参考人の先生方に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
時間がありませんので、早速質疑に入らせていただきたいと思います。
まず、大西参考人にお聞きしたいと思います。
資料の中で、生活保護を入りやすくする必要があるというお話がありました。まさにそのとおりだと私は思っております。ただ一方で、入りやすくするだけでは駄目で、入りやすく、やはり出やすくもしないといけないんだと思います。抱樸の奥田さんもそういった御意見を言っておられたことを覚えております。その入りやすく出やすくするというふうにするためにはどういうふうな対応が必要だとお考えでしょうか。そのポイント、あれば教えていただきたいと思います。
それからもう一点は、私、この分野の仕事にはNPO等の皆さん方の力はもう欠かせないというふうに思っております。すなわち、支援者支援をすることが我々政治や行政にとって大変重要なんじゃないかというふうに思っております。
私、その前提として、自治体というものをどう考えるかということをもう少しちょっと考え直さなきゃいけない時期じゃないかと。すなわち、自治体の外側、外縁を少し広げて、NPO等の皆さんもその一部なんだと。だんだんグラデーションが付いているんだと思いますが、そのNPO等の皆さんもやや薄い色かもしれないけれども自治体の一部なんだというような位置付けが必要じゃないかと。自治体の概念の再整理というようなことが必要ではないかと。それによって、NPOの皆さん方の例えば処遇をどうするのかといったようなことの理論的な支えにもなるんじゃないかなと。
これはもう、何というんでしょうか、何かお金をあげるという対象じゃなくて、本来自分たちがやらなきゃいけないことをやっていただいているというような位置付けにしっかり再整理する必要があるんじゃないかと思っておりますが、そのことについて、先生、どんなふうにお考えか、お聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →自民党の上月良祐です。
大変な現場を支えていただいている三人の参考人の先生方に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
時間がありませんので、早速質疑に入らせていただきたいと思います。
まず、大西参考人にお聞きしたいと思います。
資料の中で、生活保護を入りやすくする必要があるというお話がありました。まさにそのとおりだと私は思っております。ただ一方で、入りやすくするだけでは駄目で、入りやすく、やはり出やすくもしないといけないんだと思います。抱樸の奥田さんもそういった御意見を言っておられたことを覚えております。その入りやすく出やすくするというふうにするためにはどういうふうな対応が必要だとお考えでしょうか。そのポイント、あれば教えていただきたいと思います。
それからもう一点は、私、この分野の仕事にはNPO等の皆さん方の力はもう欠かせないというふうに思っております。すなわち、支援者支援をすることが我々政治や行政にとって大変重要なんじゃないかというふうに思っております。
私、その前提として、自治体というものをどう考えるかということをもう少しちょっと考え直さなきゃいけない時期じゃないかと。すなわち、自治体の外側、外縁を少し広げて、NPO等の皆さんもその一部なんだと。だんだんグラデーションが付いているんだと思いますが、そのNPO等の皆さんもやや薄い色かもしれないけれども自治体の一部なんだというような位置付けが必要じゃないかと。自治体の概念の再整理というようなことが必要ではないかと。それによって、NPOの皆さん方の例えば処遇をどうするのかといったようなことの理論的な支えにもなるんじゃないかなと。
これはもう、何というんでしょうか、何かお金をあげるという対象じゃなくて、本来自分たちがやらなきゃいけないことをやっていただいているというような位置付けにしっかり再整理する必要があるんじゃないかと思っておりますが、そのことについて、先生、どんなふうにお考えか、お聞きしたいと思います。
大
大西連#15
○参考人(大西連君) ありがとうございます。
二点いただいたので、一点ずつ説明したいと思います。
生活保護について、入りやすく出やすいというところで、今回あえて、出やすいというのをあえて省かせていただいたのには実は理由があって、入りやすく出やすいというのはいろんな場面でよく語られるところかなと思うんですが、二〇〇〇年代の後半ぐらいから、いわゆる生活保護関連の様々な改革議論の中で、この出やすいというところは実はかなりいろいろな政策というのがこの間取られてきたところかなと。
例えばですが、新規で稼働年齢層、働ける年代の方が生活保護の申請をすると、これは厚労省の通知ですけど、原則として三か月から半年以内に必ず何らかの一旦就労をしましょうねということを国が通知を出していて、例えば自治体がハローワークと一体となった就労支援をしますよとか、結構そういう仕組みというのはこの十年、十五年ぐらいかなり進んできている部分があって、他方で、じゃ、何でそこが必ずしも機能していないかというと、これは非常にシンプルな話で、単純に現業員の方、自治体の担当するケースワーカーの方が一人で百世帯とか百二十世帯とか、そういうの担当するのはある種当たり前になっていて、マンパワーが足りないと。一部それを民間団体とかに委託をして就労支援とかやっているけれども、なかなかそこの連絡、連結がうまくいっていないというところが一つあるのかなと。
ただ、政策分野としては、これについてはかなり議論がされ蓄積があるというところかなと思います。むしろ、この間語られていなかった部分、余り取り組まれていなかった部分として、入りやすいというところ、利用できる方がちゃんと利用できていない、そこをまず改善していくということも同時に必要じゃないかなというところで、そういった書き方をさせていただきました。
で、人手不足のところ、先ほどちょっとお伝えをしましたが、自治体職員の負担というのはかなり大きいものになっておりますので、まずそこ、担い手の人をどう支えるのかというところは重要な生活保護の論点なのかなと思います。
二つ目のNPOのところでいうと、ちょっとNPO全体を代弁するのもちょっと難しいのですが、あくまで私の視点からお話をさせていただきますと、既に様々な政策分野で、現場の相談機関の職員であったりとか相談機能を、NPOや社会福祉法人等民間団体さんが委託や補助を受けて担い手になっているというところは、全国津々浦々でもう既に始まっているところかなと思います。
その是非というのはいろいろあろうかと思いますが、他方で、じゃ、何が問題かというときにいうと、そういった公的機能の担い手としてNPOや社会福祉法人の人たちが役割を果たすということの意味、意義というのは当然あるんだと思いますが、賃金がやはりすごい低くなってしまうと。変な話、公務員がやるよりも安くできてしまうというところを、そこを改善していかないと、結局、福祉職のワーキングプア問題、また、現場の地域の担い手の人たちが離職してしまう、それこそ男性の寿退社みたいなこともよく言われますが、仕事続けられない、支援を続けられないという文脈というのはあろうかと思います。
ここは、実際、政策支援を広げていくに当たって、その担い手の生活も支えていく、担い手がちゃんとそこを、人生を紡いでいけるような、そういった機能というものも踏まえた上で、様々な制度、政策を活用していただける、つくっていただけるというところが有り難いのかなと思います。
済みません、以上です。
この発言だけを見る →二点いただいたので、一点ずつ説明したいと思います。
生活保護について、入りやすく出やすいというところで、今回あえて、出やすいというのをあえて省かせていただいたのには実は理由があって、入りやすく出やすいというのはいろんな場面でよく語られるところかなと思うんですが、二〇〇〇年代の後半ぐらいから、いわゆる生活保護関連の様々な改革議論の中で、この出やすいというところは実はかなりいろいろな政策というのがこの間取られてきたところかなと。
例えばですが、新規で稼働年齢層、働ける年代の方が生活保護の申請をすると、これは厚労省の通知ですけど、原則として三か月から半年以内に必ず何らかの一旦就労をしましょうねということを国が通知を出していて、例えば自治体がハローワークと一体となった就労支援をしますよとか、結構そういう仕組みというのはこの十年、十五年ぐらいかなり進んできている部分があって、他方で、じゃ、何でそこが必ずしも機能していないかというと、これは非常にシンプルな話で、単純に現業員の方、自治体の担当するケースワーカーの方が一人で百世帯とか百二十世帯とか、そういうの担当するのはある種当たり前になっていて、マンパワーが足りないと。一部それを民間団体とかに委託をして就労支援とかやっているけれども、なかなかそこの連絡、連結がうまくいっていないというところが一つあるのかなと。
ただ、政策分野としては、これについてはかなり議論がされ蓄積があるというところかなと思います。むしろ、この間語られていなかった部分、余り取り組まれていなかった部分として、入りやすいというところ、利用できる方がちゃんと利用できていない、そこをまず改善していくということも同時に必要じゃないかなというところで、そういった書き方をさせていただきました。
で、人手不足のところ、先ほどちょっとお伝えをしましたが、自治体職員の負担というのはかなり大きいものになっておりますので、まずそこ、担い手の人をどう支えるのかというところは重要な生活保護の論点なのかなと思います。
二つ目のNPOのところでいうと、ちょっとNPO全体を代弁するのもちょっと難しいのですが、あくまで私の視点からお話をさせていただきますと、既に様々な政策分野で、現場の相談機関の職員であったりとか相談機能を、NPOや社会福祉法人等民間団体さんが委託や補助を受けて担い手になっているというところは、全国津々浦々でもう既に始まっているところかなと思います。
その是非というのはいろいろあろうかと思いますが、他方で、じゃ、何が問題かというときにいうと、そういった公的機能の担い手としてNPOや社会福祉法人の人たちが役割を果たすということの意味、意義というのは当然あるんだと思いますが、賃金がやはりすごい低くなってしまうと。変な話、公務員がやるよりも安くできてしまうというところを、そこを改善していかないと、結局、福祉職のワーキングプア問題、また、現場の地域の担い手の人たちが離職してしまう、それこそ男性の寿退社みたいなこともよく言われますが、仕事続けられない、支援を続けられないという文脈というのはあろうかと思います。
ここは、実際、政策支援を広げていくに当たって、その担い手の生活も支えていく、担い手がちゃんとそこを、人生を紡いでいけるような、そういった機能というものも踏まえた上で、様々な制度、政策を活用していただける、つくっていただけるというところが有り難いのかなと思います。
済みません、以上です。
上
上月良祐#16
○上月良祐君 大西先生、ありがとうございました。
確かに、困窮世帯を支えている皆さんがワーキングプアということでは、これはちょっと笑い話にもならないので、真剣にそこは取り組んでいかなきゃいけないという問題意識でずっとやっておりますので、これからもしっかりやっていきたいと思います。
続きまして、赤石先生にお聞きしたいと思います。
もう前にもお聞きしておりましたが、日本のシングルマザーは世界一働いているのに大変低い収入であるということとか、子供の体重が減ったというデータは大変私もショッキングで、党内での議論のときも強く訴えさせて、使わせていただいたデータであります。大変悲しいデータだと思います。
私は、シングルマザーの皆様が困難に陥ったり困窮に陥ったりしないようにしないといけないと思います。予防という言葉がいいのかどうか分かりませんが、そういった観点からは、養育費の問題は親の責任としてまず大変重要な点だと思っております。先生の資料の十五ページかな、にもあるようでありますけれども、この点について、法務省でも議論はされているようですが、先生も御意見があれば是非お願いしたいと思います。
それからもう一つ、これも出口という言い方がいいのかどうかは分かりませんが、やっぱり職業訓練や就労支援でITを活用してやっていくということが、先生の別の論文か記事かにあったんですが、少し意味があったと。やはりITの関係は非常に時給が高かったりもするので、それは在宅もできるということもあったりするんだと思います。その辺の活用等について、先生、お考えありましたらお聞きしたいと思います。ヤジ
この発言だけを見る →確かに、困窮世帯を支えている皆さんがワーキングプアということでは、これはちょっと笑い話にもならないので、真剣にそこは取り組んでいかなきゃいけないという問題意識でずっとやっておりますので、これからもしっかりやっていきたいと思います。
続きまして、赤石先生にお聞きしたいと思います。
もう前にもお聞きしておりましたが、日本のシングルマザーは世界一働いているのに大変低い収入であるということとか、子供の体重が減ったというデータは大変私もショッキングで、党内での議論のときも強く訴えさせて、使わせていただいたデータであります。大変悲しいデータだと思います。
私は、シングルマザーの皆様が困難に陥ったり困窮に陥ったりしないようにしないといけないと思います。予防という言葉がいいのかどうか分かりませんが、そういった観点からは、養育費の問題は親の責任としてまず大変重要な点だと思っております。先生の資料の十五ページかな、にもあるようでありますけれども、この点について、法務省でも議論はされているようですが、先生も御意見があれば是非お願いしたいと思います。
それからもう一つ、これも出口という言い方がいいのかどうかは分かりませんが、やっぱり職業訓練や就労支援でITを活用してやっていくということが、先生の別の論文か記事かにあったんですが、少し意味があったと。やはりITの関係は非常に時給が高かったりもするので、それは在宅もできるということもあったりするんだと思います。その辺の活用等について、先生、お考えありましたらお聞きしたいと思います。ヤジ
福
赤
赤石千衣子#18
○参考人(赤石千衣子君) 失礼いたしました。
御質問ありがとうございました。
養育費の取立て、先ほど申し上げましたように、二八%の方が今もらっていると答えております。しかし、やはりこれは非常に低い数字で、上がってはいるとはいえ、五年前二四・三%でしたから、上がっているとはいえ、もっと多くの方がもらえるようにしたいというふうに思っております。そのときには、ステージとしてはまず養育費の取決め率を上げるということが必要ですので、離婚前後の無料の法律相談ですとか、そういったことをもっと支援していくということが必要でございます。
一方では、取決め率が上がっても途中で不払になるケースがあります。不払になった場合に、今はやはりその子供を育てている親が一生懸命、多くは母親なんですけれども、一生懸命、取立てで強制執行をするかとか、いろいろな裁判所に催告するとか、そういったことをやっている、途中でもう諦めてしまうということになります。
ここにどういう援助が必要なのか。今、法務省で検討されているのは、担保物権にして何かその取立てのところを簡便化するという案が提案されているんですが、やっぱりもうちょっと踏み込んでほしいというふうに思っております。やはり取立て確保は政府が、明石市がやっているようにやはり代行して取り立てるですとか、そういったことに踏み込むべきではないのかな。それが、明石市も一年間なんですけれどもそんなにたくさんの予算掛かっておりませんので、私も委員なんですけれども、明石市の、そうであれば、まずは試行的に実施するということができるのではないか、そのように思っておりますので、勇気を持ってもう少し踏み込んでいただきたいなと思っております。
また、ITの訓練などについてなんですが、この三年間、コロナで大変一生懸命やってきました。まず、お母さんの平均年齢は四十歳なんですね、一人親の。しかし、ITで求められている人材は、確かに人手不足なんですけれども、やはりもうちょっと若い方なんです。ですので、単にそのスキル訓練しても就職先がないということになってしまわないように、まず、三十代の方でしたらネットワークのヘルプデスクなどの資格取得は確かに効きました。ほとんど資格取得、LPICレベル1という資格取得をした方が、三十代の方は全員就職できました、IT企業に。しかし、四十代の方は無理だったんですね。
そういうことも踏まえて、スキル訓練のときには、もう少し労働市場の出口のところに何があるのかということを見ながら、今、私ども、今、ECサイトのフォトショップなどで写真のリサイズをしてアップするということだったらもう少し年齢高くてもあり得るというふうに人材会社から聞いてやっていますので、もう少しその出口のところ等調べながらミスマッチを防ぐということをやった方がいいかなというふうに思っております。
また、スキル訓練というのは、スキル訓練だけで終わりません。やはり、そのお母さんのメンタル、それから精神的な安定、安心、安全の支援が必要でございます。そこを私ども、今百人の方に御支援しているんですけれども、メンターさんを付けて、一人の、あっ、五人のお母さんに一人ぐらいのメンターさんを付けて月一回面談をするというようなスキームをつくり、東京都もそれはいいねというふうに言ってくださっております。こういうちょっときめ細かいスキームが必要かと思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →御質問ありがとうございました。
養育費の取立て、先ほど申し上げましたように、二八%の方が今もらっていると答えております。しかし、やはりこれは非常に低い数字で、上がってはいるとはいえ、五年前二四・三%でしたから、上がっているとはいえ、もっと多くの方がもらえるようにしたいというふうに思っております。そのときには、ステージとしてはまず養育費の取決め率を上げるということが必要ですので、離婚前後の無料の法律相談ですとか、そういったことをもっと支援していくということが必要でございます。
一方では、取決め率が上がっても途中で不払になるケースがあります。不払になった場合に、今はやはりその子供を育てている親が一生懸命、多くは母親なんですけれども、一生懸命、取立てで強制執行をするかとか、いろいろな裁判所に催告するとか、そういったことをやっている、途中でもう諦めてしまうということになります。
ここにどういう援助が必要なのか。今、法務省で検討されているのは、担保物権にして何かその取立てのところを簡便化するという案が提案されているんですが、やっぱりもうちょっと踏み込んでほしいというふうに思っております。やはり取立て確保は政府が、明石市がやっているようにやはり代行して取り立てるですとか、そういったことに踏み込むべきではないのかな。それが、明石市も一年間なんですけれどもそんなにたくさんの予算掛かっておりませんので、私も委員なんですけれども、明石市の、そうであれば、まずは試行的に実施するということができるのではないか、そのように思っておりますので、勇気を持ってもう少し踏み込んでいただきたいなと思っております。
また、ITの訓練などについてなんですが、この三年間、コロナで大変一生懸命やってきました。まず、お母さんの平均年齢は四十歳なんですね、一人親の。しかし、ITで求められている人材は、確かに人手不足なんですけれども、やはりもうちょっと若い方なんです。ですので、単にそのスキル訓練しても就職先がないということになってしまわないように、まず、三十代の方でしたらネットワークのヘルプデスクなどの資格取得は確かに効きました。ほとんど資格取得、LPICレベル1という資格取得をした方が、三十代の方は全員就職できました、IT企業に。しかし、四十代の方は無理だったんですね。
そういうことも踏まえて、スキル訓練のときには、もう少し労働市場の出口のところに何があるのかということを見ながら、今、私ども、今、ECサイトのフォトショップなどで写真のリサイズをしてアップするということだったらもう少し年齢高くてもあり得るというふうに人材会社から聞いてやっていますので、もう少しその出口のところ等調べながらミスマッチを防ぐということをやった方がいいかなというふうに思っております。
また、スキル訓練というのは、スキル訓練だけで終わりません。やはり、そのお母さんのメンタル、それから精神的な安定、安心、安全の支援が必要でございます。そこを私ども、今百人の方に御支援しているんですけれども、メンターさんを付けて、一人の、あっ、五人のお母さんに一人ぐらいのメンターさんを付けて月一回面談をするというようなスキームをつくり、東京都もそれはいいねというふうに言ってくださっております。こういうちょっときめ細かいスキームが必要かと思っております。
以上でございます。
上
上月良祐#19
○上月良祐君 誠にありがとうございます。
明石の例も私も存じておりますが、何かすごい重要な御示唆だというふうに思います。ありがとうございました。
それから、尾上先生にお聞きしたいと思います。
私もこの分野はまだ勉強が全然足りていなくて、大変、先生の資料をいろいろ見させていただいて大変勉強になりました。
地域移行は、国も自治体も頑張ろうと思ってはいるんだとは思うんですが、これなかなか、地元の茨城でもなかなか、僕も行政にもいたんですが、なかなか確かに進んでいない面があると思います。単にグループホームか何か造って、箱だけ造って出せばいいということではなくて、やっぱり地域と、何というんです、ソフト面での触れ合いとかつながりとかやっぱりないといけないと思います。
そのためには、やっぱり先生おっしゃるようなコーディネート機能、それがすごい重要かなというふうに思うんですが、これ進んでいるところは、例えば何で、まあそういうふうな人がいるんだと思うんですが、なぜコーディネートが置けたのかみたいな、あるいはそれは素地があったのか、あるいは何かすごい政治家がいたのか、まあ何か分からないんですが、その辺りは、進んでいるところがどういう違いがほかとあるからうまくいっているのかということについて、もし御存じであれば教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →明石の例も私も存じておりますが、何かすごい重要な御示唆だというふうに思います。ありがとうございました。
それから、尾上先生にお聞きしたいと思います。
私もこの分野はまだ勉強が全然足りていなくて、大変、先生の資料をいろいろ見させていただいて大変勉強になりました。
地域移行は、国も自治体も頑張ろうと思ってはいるんだとは思うんですが、これなかなか、地元の茨城でもなかなか、僕も行政にもいたんですが、なかなか確かに進んでいない面があると思います。単にグループホームか何か造って、箱だけ造って出せばいいということではなくて、やっぱり地域と、何というんです、ソフト面での触れ合いとかつながりとかやっぱりないといけないと思います。
そのためには、やっぱり先生おっしゃるようなコーディネート機能、それがすごい重要かなというふうに思うんですが、これ進んでいるところは、例えば何で、まあそういうふうな人がいるんだと思うんですが、なぜコーディネートが置けたのかみたいな、あるいはそれは素地があったのか、あるいは何かすごい政治家がいたのか、まあ何か分からないんですが、その辺りは、進んでいるところがどういう違いがほかとあるからうまくいっているのかということについて、もし御存じであれば教えていただきたいと思います。
尾
尾上浩二#20
○参考人(尾上浩二君) ありがとうございます。
御指摘のとおり、その地域移行というのは、単に場所を入所施設から地域へ移せばいいという話ではなくて、これまでは、ともすれば、もう施設に入ったら一生その施設でケアをするのがいい施策なんだ、あるいはそれがいいサービスなんだみたいなふうに思ってきた節があると思うんです。そうではなくて、ちゃんと地域で暮らせるようにふだんからどういう支援をするか。
さらに、この間、私たち、いろんな事例に出会う中で、たまたまそういう地域移行に熱心な団体や支援者と出会ったから地域移行ができる。言うなら、そもそも自分と同じぐらい、あるいはもっと重度の障害者が地域で暮らせるという情報すら知らない状態でずうっと過ごしている、過ごさざるを得ない方がまだまだたくさんいる。
そういう意味で、単に場所を変えるというよりは、御本人の気持ち、エンパワーメントといいますか、その気持ちを高めていく。あっ、自分もやっぱり地域で暮らしたいな、あっ、こうすればできるんだな、そういうふうに思ってもらって、さらに地域で暮らした後もいろんなサポートをちゃんと受けれる、そういった一連の、地域移行に取り組もうという気持ちの準備から始まって、地域移行の準備、そしてさらに、地域に暮らしてから以降も、介護以外にもいろんな、介護を始めとしたいろんなサポートをちゃんと得られる、そういった一連の流れの仕組み、地域移行の仕組みがやっぱり日本には欠けているということが国連でやっぱり指摘をされていますし、だからこそ地域移行コーディネーターを日本はつくったらどうですかという話だったんだと理解をしています。
よろしいでしょうか。ヤジ
この発言だけを見る →御指摘のとおり、その地域移行というのは、単に場所を入所施設から地域へ移せばいいという話ではなくて、これまでは、ともすれば、もう施設に入ったら一生その施設でケアをするのがいい施策なんだ、あるいはそれがいいサービスなんだみたいなふうに思ってきた節があると思うんです。そうではなくて、ちゃんと地域で暮らせるようにふだんからどういう支援をするか。
さらに、この間、私たち、いろんな事例に出会う中で、たまたまそういう地域移行に熱心な団体や支援者と出会ったから地域移行ができる。言うなら、そもそも自分と同じぐらい、あるいはもっと重度の障害者が地域で暮らせるという情報すら知らない状態でずうっと過ごしている、過ごさざるを得ない方がまだまだたくさんいる。
そういう意味で、単に場所を変えるというよりは、御本人の気持ち、エンパワーメントといいますか、その気持ちを高めていく。あっ、自分もやっぱり地域で暮らしたいな、あっ、こうすればできるんだな、そういうふうに思ってもらって、さらに地域で暮らした後もいろんなサポートをちゃんと受けれる、そういった一連の、地域移行に取り組もうという気持ちの準備から始まって、地域移行の準備、そしてさらに、地域に暮らしてから以降も、介護以外にもいろんな、介護を始めとしたいろんなサポートをちゃんと得られる、そういった一連の流れの仕組み、地域移行の仕組みがやっぱり日本には欠けているということが国連でやっぱり指摘をされていますし、だからこそ地域移行コーディネーターを日本はつくったらどうですかという話だったんだと理解をしています。
よろしいでしょうか。ヤジ
福
上
福
柴
柴愼一#24
○柴愼一君 立憲民主・社民の柴です、柴愼一です。よろしくお願いします。
三人の参考人の方々には、それぞれ、実際の活動を通じて貴重な御説明、御意見をいただきました。自分自身も多くの気付きがありました。そして、政治が果たすべき責任について考えることが多くありました。
以前、事前にいただいた尾上参考人の資料でしょうか、医学モデルと社会モデルのお話がありましたが、それは障害者を取り巻く問題だけではなくて、自己責任であるとか、社会的に困難な状況になるのは自分が悪いんだというそんな考え方、生活支援を受けるということによって、スティグマの問題であるとか、何か日本社会の在り方が問われているんだというふうに感じました。
そして、大西参考人にお聞きします。
生活困難状況に陥るのは非正規の方が多いということでしたが、正社員であっても、病気とかメンタルヘルス不調で非正規となって、結果として生活不安であるとか生活困難状況になることもあるんじゃないかというふうに思います。生活困難、生活不安の状況には誰もがなり得る可能性があるというふうに認識するべきかどうか、ちょっと体験を通じて感じていることあればお聞かせください。
この発言だけを見る →三人の参考人の方々には、それぞれ、実際の活動を通じて貴重な御説明、御意見をいただきました。自分自身も多くの気付きがありました。そして、政治が果たすべき責任について考えることが多くありました。
以前、事前にいただいた尾上参考人の資料でしょうか、医学モデルと社会モデルのお話がありましたが、それは障害者を取り巻く問題だけではなくて、自己責任であるとか、社会的に困難な状況になるのは自分が悪いんだというそんな考え方、生活支援を受けるということによって、スティグマの問題であるとか、何か日本社会の在り方が問われているんだというふうに感じました。
そして、大西参考人にお聞きします。
生活困難状況に陥るのは非正規の方が多いということでしたが、正社員であっても、病気とかメンタルヘルス不調で非正規となって、結果として生活不安であるとか生活困難状況になることもあるんじゃないかというふうに思います。生活困難、生活不安の状況には誰もがなり得る可能性があるというふうに認識するべきかどうか、ちょっと体験を通じて感じていることあればお聞かせください。
大
大西連#25
○参考人(大西連君) ありがとうございます。
もちろん誰もがなり得る可能性があるというところは間違いないだろうというふうに思います。そういった意味で、普遍的なリスクというところに貧困というのはあるんだろうなというふうに思っています。
一方で、なりやすい状況であるとか、なってしまったときになかなかその支援がつながりにくい状況というのはある程度あるんだろうなというふうに思います。それこそ、正規、非正規でいうと、最初から、例えば学校卒業した後、最初から非正規で働いてしまうとなかなか正社員になりにくいというところで、当然リスクが上がってしまう。やっぱりそういった最初の入口のところで、多分、そうなりにくいようにどう環境整備をするのかという観点と、やっぱり誰もがなる可能性があるという中でどう支えられるか、多分両輪のところ、個別性と全体的なところというのは必要なんじゃないかなと思います。
以上です。
この発言だけを見る →もちろん誰もがなり得る可能性があるというところは間違いないだろうというふうに思います。そういった意味で、普遍的なリスクというところに貧困というのはあるんだろうなというふうに思っています。
一方で、なりやすい状況であるとか、なってしまったときになかなかその支援がつながりにくい状況というのはある程度あるんだろうなというふうに思います。それこそ、正規、非正規でいうと、最初から、例えば学校卒業した後、最初から非正規で働いてしまうとなかなか正社員になりにくいというところで、当然リスクが上がってしまう。やっぱりそういった最初の入口のところで、多分、そうなりにくいようにどう環境整備をするのかという観点と、やっぱり誰もがなる可能性があるという中でどう支えられるか、多分両輪のところ、個別性と全体的なところというのは必要なんじゃないかなと思います。
以上です。
柴
柴愼一#26
○柴愼一君 ありがとうございます。
既存の制度の問題点であるとか、それぞれの層、あっ、大西参考人にまたお聞きします、それぞれの層に必要な施策、制度について具体的な提言をいただきました。
大西参考人は政府の円卓会議に参加したりとか政府の参与などを務められて、そのような提言を様々な場面でされているというふうに思うんですが、その実現を阻害しているものは何だというふうに感じていらっしゃるでしょうか。
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大西参考人は政府の円卓会議に参加したりとか政府の参与などを務められて、そのような提言を様々な場面でされているというふうに思うんですが、その実現を阻害しているものは何だというふうに感じていらっしゃるでしょうか。
大
大西連#27
○参考人(大西連君) すごい難しい質問なのでどうお答えしたらいいかなと思いますが、そうですね、例えば貧困対策というか、この分野のレベルの話でいうと、やはりそのいろいろ対象の規模とか範囲とかというのを把握するのがかなりすごく難しいというのが一つあると思います。
今日私がお話ししたような例えばワーキングプアというと本当に広い概念、また広い人口構造の中での多くの方がそこに影響するものですから、それを把握するような例えばデータであるとか、そういったものがまず非常に足りないというところと、じゃ、それがあったときに、そこに何か施策をするとなると、かなり大きな予算も含めて、それが発生するというところ。それから、こういった議論って常にありがちなんですけれども、既存の施策の延長線上でやれる範囲の話と、既存の施策ではこれまで余り考えてこなかった分野、必要なかった分野を新たに考える分野だと、前者の方が議論自体がしやすいというところもあって、どうしてもこの貧困分野というのは、社会構造的にも、認識はされてはいるんですが、手を着けるとかなり大きなテーマだなというところで難しさがあるのかなと。
生活保護についても実は同様だと思っていて、もうできてから七十年以上たった施策ですし、二〇一三年に法改正はしましたけれども、かなり、もうかなり歴々と積み重ねられた解釈であったり運用であったり施策がありますので、それ大きく変えるとなるとかなり大きな議論、制度設計、それからほかの施策への影響も含めてあるというところがかなりハードルとしてあるのかなというふうに思っていますが、今日お伝えした内容に関しては比較的そのハードルを越えられるような内容かなと思って提案をさせていただきました。
以上です。
この発言だけを見る →今日私がお話ししたような例えばワーキングプアというと本当に広い概念、また広い人口構造の中での多くの方がそこに影響するものですから、それを把握するような例えばデータであるとか、そういったものがまず非常に足りないというところと、じゃ、それがあったときに、そこに何か施策をするとなると、かなり大きな予算も含めて、それが発生するというところ。それから、こういった議論って常にありがちなんですけれども、既存の施策の延長線上でやれる範囲の話と、既存の施策ではこれまで余り考えてこなかった分野、必要なかった分野を新たに考える分野だと、前者の方が議論自体がしやすいというところもあって、どうしてもこの貧困分野というのは、社会構造的にも、認識はされてはいるんですが、手を着けるとかなり大きなテーマだなというところで難しさがあるのかなと。
生活保護についても実は同様だと思っていて、もうできてから七十年以上たった施策ですし、二〇一三年に法改正はしましたけれども、かなり、もうかなり歴々と積み重ねられた解釈であったり運用であったり施策がありますので、それ大きく変えるとなるとかなり大きな議論、制度設計、それからほかの施策への影響も含めてあるというところがかなりハードルとしてあるのかなというふうに思っていますが、今日お伝えした内容に関しては比較的そのハードルを越えられるような内容かなと思って提案をさせていただきました。
以上です。
柴
柴愼一#28
○柴愼一君 ありがとうございます。
続いて、赤石参考人にお伺いします。
自分自身、小学校六年のときに母が亡くなって、小学校四年の弟と父親の三人で暮らした、シングルファーザーの家庭で育ちました。嫌だったのは、中学校のときですけど、買物行ってこいと、八百屋さんに買物行くのに近所の同級生に買物袋持っているところ見られるのが恥ずかしいとか、いろんな思いもありました。父親ともやっぱりぶつかることも多くて、大分おやじには苦労を掛けたというふうに思っていますが、シングルファーザーは、資料にもあったとおり、収入面での不安とか生活困窮は比較的少ないというふうな状況かなと、まあ決して裕福ではありませんでしたが、あっても、子育ての面では苦労が大分あるというふうに思います。
そして、親もそうですけど、子供も忙しい親に頼れないということもあるということであると、一人親の子供の、一人親家庭の子供の視点からの支援にはどのようなものが必要だというふうにお考えでしょうか。
この発言だけを見る →続いて、赤石参考人にお伺いします。
自分自身、小学校六年のときに母が亡くなって、小学校四年の弟と父親の三人で暮らした、シングルファーザーの家庭で育ちました。嫌だったのは、中学校のときですけど、買物行ってこいと、八百屋さんに買物行くのに近所の同級生に買物袋持っているところ見られるのが恥ずかしいとか、いろんな思いもありました。父親ともやっぱりぶつかることも多くて、大分おやじには苦労を掛けたというふうに思っていますが、シングルファーザーは、資料にもあったとおり、収入面での不安とか生活困窮は比較的少ないというふうな状況かなと、まあ決して裕福ではありませんでしたが、あっても、子育ての面では苦労が大分あるというふうに思います。
そして、親もそうですけど、子供も忙しい親に頼れないということもあるということであると、一人親の子供の、一人親家庭の子供の視点からの支援にはどのようなものが必要だというふうにお考えでしょうか。
赤
赤石千衣子#29
○参考人(赤石千衣子君) ありがとうございます。赤石です。御質問ありがとうございます。
シングルファーザーさん、私どもも明石市とか茅ケ崎市とか御相談に、総合相談に伺うときに、お父さんが児童扶養手当の手続に来るときに御相談を受けていると思うことは、まずは御相談をしないんですね。で、大丈夫、大丈夫とおっしゃる方を、まあちょっとお話を聞いてということで相談ブースにいらしていただくと、本当にてんこ盛りのお困り事を抱えている。シングルファーザーさんにもっと相談をしていただけるような体制が必要というふうに思っております。
多分、異性の子供がいたら、いろいろな性に関する、月経のお世話ですとか、そういった下着のことですとか、いろんなことでお母さん、お父さんの苦手な分野のサポートも必要になります。
日常生活では、一応政府はひとり親日常生活支援事業というのをやっております。これがもっと機能するとよいかなというふうに思っておりまして、まああるんですけれども、例えば年間の県の予算が四十万とか、ちょっと、やっぱりもうちょっとここを増やして担い手を変えていく。そして、おうちにヘルパーさんが行くような制度なんですね。ですので、それは伸び代があるし、困難な御家庭を実際にお料理を作ったりとか御支援できるんじゃないかなと思います。そこのところは多分もう制度がありますので、是非充実していただけたらいいなと思います。
あと、やっぱり労働時間長いんですよね、お父さんの方が。だから、どうしてもお子さんが一人でいる時間が多いところをどういうふうにケアしていくのか。延長保育ですとかトワイライトステイとか、そういった制度も充実が望まれます。
この発言だけを見る →シングルファーザーさん、私どもも明石市とか茅ケ崎市とか御相談に、総合相談に伺うときに、お父さんが児童扶養手当の手続に来るときに御相談を受けていると思うことは、まずは御相談をしないんですね。で、大丈夫、大丈夫とおっしゃる方を、まあちょっとお話を聞いてということで相談ブースにいらしていただくと、本当にてんこ盛りのお困り事を抱えている。シングルファーザーさんにもっと相談をしていただけるような体制が必要というふうに思っております。
多分、異性の子供がいたら、いろいろな性に関する、月経のお世話ですとか、そういった下着のことですとか、いろんなことでお母さん、お父さんの苦手な分野のサポートも必要になります。
日常生活では、一応政府はひとり親日常生活支援事業というのをやっております。これがもっと機能するとよいかなというふうに思っておりまして、まああるんですけれども、例えば年間の県の予算が四十万とか、ちょっと、やっぱりもうちょっとここを増やして担い手を変えていく。そして、おうちにヘルパーさんが行くような制度なんですね。ですので、それは伸び代があるし、困難な御家庭を実際にお料理を作ったりとか御支援できるんじゃないかなと思います。そこのところは多分もう制度がありますので、是非充実していただけたらいいなと思います。
あと、やっぱり労働時間長いんですよね、お父さんの方が。だから、どうしてもお子さんが一人でいる時間が多いところをどういうふうにケアしていくのか。延長保育ですとかトワイライトステイとか、そういった制度も充実が望まれます。