酒井正の発言 (国民生活・経済及び地方に関する調査会)

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○参考人(酒井正君) ありがとうございます。
 結論から申し上げると、求職者支援制度、これを生かしていくべきだというふうに考えております。ポテンシャルは非常に大きいと思います。先ほどの陳述のところでは飛ばしましたけれども、よくフリーランスといったような新しい働き方ということに対してどうやってセーフティーネットを提供していくのかという議論ございますけれども、これに対しても、私の個人的な見解としては、雇用保険適用するよりも、こういうような求職者支援制度、第二のセーフティーネットによって救済していくということが適当なんじゃないかというふうに思います。
 ただ、それには求職者支援制度の側も幾つかボトルネックになっているような部分を解消していく必要があるとは思っています。私は、個人的には求職者支援制度を基盤として、これを何らか使いやすく、更に使いやすくする、拡充するという方向の方がいいと思います。
 それで、最初の方の質問、問題提起の方に戻らせていただきますけれども、私、フレキシキュリティーということに関しては具体的にちょっと詳しく存じ上げているわけではないんですけれども、考え方として、柔軟な労働市場の中で失業なき労働移動を実現していくということ自体はすごくいい発想だと思うんですけれども、その過程において、今先生からも御指摘ございましたけれども、例えば、私の先ほどの意見の中でも申し上げましたけれども、成長産業ということに関しても、ちゃんと優先順位、産業の重点的な、どこに移動させるのかというのが明確になってこないと、こういった話って実はできないんじゃないかなという気がしております。そういうときに、本当に雇用吸収力のあるような産業に労働移動していくんだという、何か見える化といいますか明確なイメージが湧かないことにはなかなかこういったことは進まないんじゃないかというふうに思います。
 あともう一点、この労働移動ということを考えるときに、どうしても個人への支援ということになるわけですけれども、その個人への支援にとって一番重要なことというのは、実は個人自身がちゃんと考えるということだというふうに私は思います。個人自身が自分のキャリアを考えるということが重要になってくるんですけれども、果たして今それがそういうような方向になっているのかというと、実はこれを考えると、逆説的ではありますけれども、個人が自律的なキャリア形成を考えるためには企業の協力が欠かせないんじゃないかなという面もあるわけです。
 そこで、その企業の協力というのは、何もその企業に、従業員に対して何か教育訓練、そういうことを考えさせるような教育を行ってくださいということだけではなくて、例えば、今の日本企業の雇用慣行というものがそもそもなかなかキャリアを考えにくいようなものになっている可能性がある。
 そこでよく出てくるのがジョブ型という話なんですけど、私は、ジョブ型だけではなくて、例えば日本企業というのは昇進が遅いことで有名です。これは、メリットがあるからそういうことをやっているわけですけれども、そういった昇進が遅い、遅い昇進といったものを解消していく必要があると。果たしてそれが企業にできるか、これ非常に大きな、どこか一つだけを直せばいいようなものではなくて、日本的雇用慣行を抜本的に改革していくようなことにつながるんじゃないかということで、多くの関係者の協力が必要なんじゃないかなというふうに考える次第です。

発言情報

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発言者: 酒井正

speaker_id: 29034

日付: 2023-02-22

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済及び地方に関する調査会