山中伸介の発言 (原子力問題調査特別委員会)
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○山中政府特別補佐人 原子力規制委員会委員長の山中伸介でございます。
衆議院原子力問題調査特別委員会における御審議に先立ちまして、原子力規制委員会の業務について御説明申し上げます。
まず第一に、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。
東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ強化した規制基準への適合性審査については、これまでに申請がなされた二十七基の発電用原子炉のうち十七基に対して設置変更許可を行いました。また、申請がなされた二十一の核燃料施設等のうち、これまでに核燃料物質の加工施設、使用済燃料の再処理施設等について十一件の事業変更許可を、試験研究炉等について二件の設置変更承認及び七件の設置変更許可を行いました。
発電用原子炉の運転期間延長については、これまでに申請がなされた八基のうち六基に対して許可を行いました。
原子力施設の廃止措置計画については、これまでに発電用原子炉に対して計十八基の認可を、核燃料施設等に対して計九件の認可を行いました。
また、平成二十九年に改正された原子炉等規制法に基づき、令和二年四月から原子力規制検査制度の運用を開始し、事業者のあらゆる安全活動について監視を行っております。
東京電力柏崎刈羽原子力発電所におけるIDカード不正使用事案及び核物質防護設備の機能の一部喪失事案については、核物質防護に取り組む意識の醸成や多様な検知方法による生体認証の導入など、東京電力による改善措置の実施状況やその効果等について確認してまいりました。原子力規制委員会が追加検査で確認した課題のうち、残された課題について引き続き追加検査を進めるとともに、核物質防護への取組を監視、指導してまいります。
原子力規制検査については、引き続き、事業者等とのコミュニケーションを図りつつ、検査制度の継続的改善に努めてまいります。
また、これら以外にも、原子力施設等で事故トラブルが発生した場合には、速やかな状況確認を通じて、今後とも適切に対応してまいります。
また、規制基準については、安全研究等により得られた最新の科学的、技術的知見、新規制基準に係る適合性審査の実績等を踏まえて、継続的に改善を図っております。
以上のとおり、原子力施設等に関する規制が適切に実施できるよう取り組んでおります。
第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉や汚染水対策の実施について、規制当局としての立場から、安全かつ着実に廃炉作業が進むよう、積極的な監視、指導を行うとともに、関係省庁等とも連携し、環境放射線モニタリングの実施とその結果の公表を行っております。
令和三年四月十三日に政府方針が決定された多核種除去設備等処理水、いわゆるALPS処理水の海洋放出については、東京電力から申請されたALPS処理水の海洋放出に係る二回の実施計画の変更認可申請の審査により、規制基準を満たし、かつ政府方針にのっとったものであることを確認して認可し、この実施計画に沿って海洋放出設備の設置とその運用準備が適切になされていることを検査で確認いたしました。その後、本年八月から海洋放出が開始され、継続的に東京電力の活動を検査で確認するとともに、IAEAのレビューやモニタリングなどにより、透明性、信頼性の維持にも努めてまいります。
東京電力福島第一原子力発電所の事故調査については、放射性物質の移動メカニズム、溶融炉心の挙動等の調査、分析に関する検討内容について、科学的、技術的意見募集の結果を踏まえて、本年三月に中間的な取りまとめを行いました。今後も調査、分析を行い、それにより得られた知見を規制に活用することも含め、取り組んでまいります。
第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実並びに保障措置について申し上げます。
原子力規制委員会では、原子力災害対策指針を踏まえて、本年五月三十一日に甲状腺被ばく線量モニタリング実施マニュアルを制定し、立地道府県等による当該モニタリングの実施計画の策定を円滑かつ適切に進められるようにいたしました。また、本年十月十八日に原子力災害対策指針を改正し、沸騰水型軽水炉の特定重大事故等対処施設等を考慮した緊急時活動レベルに見直しをいたしました。引き続き原子力災害対策の充実を図ってまいります。
放射線モニタリングについては、原子力規制事務所の体制整備及び関係道府県への技術的支援等により、緊急時モニタリング体制の充実を図っております。
また、国際約束に基づく国内の原子力施設に対する厳格な保障措置の適用により、国内全ての核物質が平和的活動にとどまっているとの評価を継続してIAEAより得ております。
最後に、原子力利用における安全対策の一層の強化のための制度の見直しについて申し上げます。
今年の通常国会で成立いたしました原子炉等規制法の一部改正により創設された長期施設管理計画の認可制度については、その後、必要な政令、規則等の制定や改正を経て、本年十月一日に一部施行され、新制度による手続の一部が開始されています。今後、事業者からの認可申請を受けて、その審査を厳正に進めてまいります。
以上、原子力規制委員会の業務について御説明いたしました。
私自身、本年九月二十六日で、原子力規制委員会委員長の拝命から一年を迎えました。この一年間、福島を決して忘れないという強い気持ちを持ち続け、独立性、透明性を堅持しつつ、厳正な原子力規制の遂行に取り組んでまいりました。今後も引き続き、特に、規制に関する情報発信と対話、現場の設備や運用実態の把握、規制に関わる人材育成などに重きを置きながら、原子力規制委員会に与えられた職責を踏まえ、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、また、我が国の原子力規制に対する信頼が回復されるよう、今後とも努力してまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
先ほど、私の発言の中で、運転期間延長について許可を行ったと申し上げましたところは、認可でございましたので、訂正をさせていただきます。