川崎政司の発言 (憲法審査会)

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○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
 まず、法の下の平等が一票の較差を問題とする法的根拠ということでございますけれども、最高裁は、選挙権は国民の国政への参加の機会を保障する基本的権利であり、憲法は、その重要性に鑑み、十四条一項の定める法の下の平等の原則の政治の領域における適用として、成年者による普通選挙を保障するとともに、選挙人の資格を差別してはならないものとしているとし、この選挙権の平等原則は、選挙における差別を禁止するにとどまらず、選挙権の内容の平等、すなわち議員の選出における各選挙人の投票の有する影響力の平等をも要求するものと解してきているところでございます。
 次に、主要国における一票の較差の実情と司法判断の傾向ですが、主要国の下院では、選挙区の定数、選挙区の設定において投票価値の平等が考慮されるのが通例であり、時点は異なるものの、国立国会図書館作成の資料によれば、アメリカでは選挙区間の最大較差は一・八倍、イギリスでは四・七倍、ドイツは一・六倍、フランスでは二・六倍、イタリアでは二・三倍などとなっているようです。また、これらの国のうち、判例上、一票ができる限り等価であることを含む一人一票の原則が確立しているアメリカでは、較差について違憲判決が出されたことがあり、また、フランスでは、各県二人別枠方式につき、憲法院により違憲の判断が示されたことがあるようです。これに対し、イギリスでは司法審査の対象外とされております。
 他方、上院については、連邦制、世襲貴族制など構成原理が異なるものが少なくなく、上院で人口比例を取り入れているのは、間接選挙であるフランスや小選挙区比例代表並立制であるイタリアですが、その較差はフランスでは五倍程度、イタリアでは十倍程度といった状況になっているようです。
 最後に、最高裁判決が示す較差の許容範囲とその根拠ですが、最高裁は何倍未満といった較差基準は示しておらず、参議院選挙については、投票価値の著しい不平等状態が生じ、かつ、それが相当期間継続しているにもかかわらず、これを是正する措置を講じないことが国会の裁量権の限界を超えると判断される場合には定数配分規定が憲法に違反するとの判断枠組みを示しており、それにより、例えば平成二十六年判決では最大較差四・七七倍を違憲状態、これに対し、平成二十九年判決では三・〇八倍を合憲と判断しているところでございます。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 川崎政司

speaker_id: 5465

日付: 2023-11-15

院: 参議院

会議名: 憲法審査会