憲法審査会
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
令和五年十一月十五日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員氏名
会 長 中曽根弘文君
幹 事 浅尾慶一郎君
幹 事 片山さつき君
幹 事 山本 順三君
幹 事 熊谷 裕人君
幹 事 杉尾 秀哉君
幹 事 西田 実仁君
幹 事 音喜多 駿君
幹 事 大塚 耕平君
幹 事 山添 拓君
青山 繁晴君
赤池 誠章君
臼井 正一君
衛藤 晟一君
加藤 明良君
小林 一大君
古庄 玄知君
佐藤 正久君
進藤金日子君
柘植 芳文君
中西 祐介君
松川 るい君
松下 新平君
松山 政司君
丸川 珠代君
山田 宏君
山谷えり子君
吉井 章君
石川 大我君
打越さく良君
小西 洋之君
古賀 千景君
辻元 清美君
福島みずほ君
佐々木さやか君
矢倉 克夫君
安江 伸夫君
山本 香苗君
浅田 均君
東 徹君
猪瀬 直樹君
礒崎 哲史君
嘉田由紀子君
仁比 聡平君
山本 太郎君
─────────────
委員の異動
十月二十日
辞任 補欠選任
杉尾 秀哉君 小沢 雅仁君
矢倉 克夫君 塩田 博昭君
安江 伸夫君 窪田 哲也君
山本 香苗君 伊藤 孝江君
東 徹君 柴田 巧君
音喜多 駿君 片山 大介君
十一月十四日
辞任 補欠選任
進藤金日子君 藤井 一博君
松山 政司君 足立 敏之君
福島みずほ君 大椿ゆうこ君
十一月十五日
辞任 補欠選任
足立 敏之君 永井 学君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 中曽根弘文君
幹 事
浅尾慶一郎君
片山さつき君
佐藤 正久君
松下 新平君
山本 順三君
小西 洋之君
辻元 清美君
西田 実仁君
片山 大介君
大塚 耕平君
山添 拓君
委 員
足立 敏之君
青山 繁晴君
赤池 誠章君
臼井 正一君
衛藤 晟一君
加藤 明良君
小林 一大君
古庄 玄知君
柘植 芳文君
中西 祐介君
永井 学君
藤井 一博君
松川 るい君
丸川 珠代君
山田 宏君
山谷えり子君
吉井 章君
石川 大我君
打越さく良君
小沢 雅仁君
大椿ゆうこ君
熊谷 裕人君
古賀 千景君
伊藤 孝江君
窪田 哲也君
佐々木さやか君
塩田 博昭君
浅田 均君
猪瀬 直樹君
柴田 巧君
礒崎 哲史君
嘉田由紀子君
仁比 聡平君
山本 太郎君
事務局側
憲法審査会事務
局長 加賀谷ちひろ君
法制局側
法制局長 川崎 政司君
─────────────
本日の会議に付した案件
○幹事の辞任及び補欠選任の件
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基
本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(特に、参議院
議員の選挙区の合区問題を中心として))
─────────────
この発言だけを見る →午後一時開会
─────────────
委員氏名
会 長 中曽根弘文君
幹 事 浅尾慶一郎君
幹 事 片山さつき君
幹 事 山本 順三君
幹 事 熊谷 裕人君
幹 事 杉尾 秀哉君
幹 事 西田 実仁君
幹 事 音喜多 駿君
幹 事 大塚 耕平君
幹 事 山添 拓君
青山 繁晴君
赤池 誠章君
臼井 正一君
衛藤 晟一君
加藤 明良君
小林 一大君
古庄 玄知君
佐藤 正久君
進藤金日子君
柘植 芳文君
中西 祐介君
松川 るい君
松下 新平君
松山 政司君
丸川 珠代君
山田 宏君
山谷えり子君
吉井 章君
石川 大我君
打越さく良君
小西 洋之君
古賀 千景君
辻元 清美君
福島みずほ君
佐々木さやか君
矢倉 克夫君
安江 伸夫君
山本 香苗君
浅田 均君
東 徹君
猪瀬 直樹君
礒崎 哲史君
嘉田由紀子君
仁比 聡平君
山本 太郎君
─────────────
委員の異動
十月二十日
辞任 補欠選任
杉尾 秀哉君 小沢 雅仁君
矢倉 克夫君 塩田 博昭君
安江 伸夫君 窪田 哲也君
山本 香苗君 伊藤 孝江君
東 徹君 柴田 巧君
音喜多 駿君 片山 大介君
十一月十四日
辞任 補欠選任
進藤金日子君 藤井 一博君
松山 政司君 足立 敏之君
福島みずほ君 大椿ゆうこ君
十一月十五日
辞任 補欠選任
足立 敏之君 永井 学君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 中曽根弘文君
幹 事
浅尾慶一郎君
片山さつき君
佐藤 正久君
松下 新平君
山本 順三君
小西 洋之君
辻元 清美君
西田 実仁君
片山 大介君
大塚 耕平君
山添 拓君
委 員
足立 敏之君
青山 繁晴君
赤池 誠章君
臼井 正一君
衛藤 晟一君
加藤 明良君
小林 一大君
古庄 玄知君
柘植 芳文君
中西 祐介君
永井 学君
藤井 一博君
松川 るい君
丸川 珠代君
山田 宏君
山谷えり子君
吉井 章君
石川 大我君
打越さく良君
小沢 雅仁君
大椿ゆうこ君
熊谷 裕人君
古賀 千景君
伊藤 孝江君
窪田 哲也君
佐々木さやか君
塩田 博昭君
浅田 均君
猪瀬 直樹君
柴田 巧君
礒崎 哲史君
嘉田由紀子君
仁比 聡平君
山本 太郎君
事務局側
憲法審査会事務
局長 加賀谷ちひろ君
法制局側
法制局長 川崎 政司君
─────────────
本日の会議に付した案件
○幹事の辞任及び補欠選任の件
○日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基
本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(特に、参議院
議員の選挙区の合区問題を中心として))
─────────────
中
中曽根弘文#1
○会長(中曽根弘文君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。
幹事の辞任についてお諮りいたします。
熊谷裕人君から、文書をもって、都合により幹事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →幹事の辞任についてお諮りいたします。
熊谷裕人君から、文書をもって、都合により幹事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中
中曽根弘文#2
○会長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
幹事の補欠選任についてお諮りいたします。
幹事の辞任及び委員の異動に伴い現在幹事が五名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
幹事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →幹事の補欠選任についてお諮りいたします。
幹事の辞任及び委員の異動に伴い現在幹事が五名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
幹事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中
中曽根弘文#3
○会長(中曽根弘文君) 御異議ないと認めます。
それでは、幹事に佐藤正久君、松下新平君、小西洋之君、辻元清美君及び片山大介君を指名いたします。
本審査会幹事会の申合せにより、会長が野党第一会派の幹事の中から会長代理を指名することとなっております。
会長といたしましては、会長代理に辻元清美君を指名いたします。
─────────────
この発言だけを見る →それでは、幹事に佐藤正久君、松下新平君、小西洋之君、辻元清美君及び片山大介君を指名いたします。
本審査会幹事会の申合せにより、会長が野党第一会派の幹事の中から会長代理を指名することとなっております。
会長といたしましては、会長代理に辻元清美君を指名いたします。
─────────────
中
中曽根弘文#4
○会長(中曽根弘文君) 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。
本日は、憲法に対する考え方について(特に、参議院議員の選挙区の合区問題を中心として)について法制局から説明を聴取した後、委員間の意見交換を行います。
全体の所要は二時間を目途といたします。
まず、法制局から令和四年通常選挙定数較差訴訟の最高裁判決を中心に参議院の選挙制度と最高裁判決について説明を聴取いたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
川崎法制局長。
この発言だけを見る →本日は、憲法に対する考え方について(特に、参議院議員の選挙区の合区問題を中心として)について法制局から説明を聴取した後、委員間の意見交換を行います。
全体の所要は二時間を目途といたします。
まず、法制局から令和四年通常選挙定数較差訴訟の最高裁判決を中心に参議院の選挙制度と最高裁判決について説明を聴取いたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
川崎法制局長。
川
川崎政司#5
○法制局長(川崎政司君) 参議院法制局長の川崎でございます。どうかよろしくお願いいたします。
私の方からは、お手元の資料に基づき、参議院の選挙制度と最高裁判決につきまして、今般の令和五年十月十八日判決に焦点を当てつつ、選挙制度と最高裁判決の変遷、最高裁の解釈、考え方などについて御説明させていただきます。
まず、参議院選挙制度に関する経緯と定数較差に係る主な最高裁判決の動向につきまして確認をしておきたいと思います。
表紙をめくり、一、二ページを見開きで御覧ください。左が選挙制度、右が最高裁判決の経緯となっております。
参議院の選挙制度については、定数二百五十人のうち、都道府県を単位とする地方区選挙が百五十人、全国を単位とする全国区選挙が百人という構成でスタートし、地方区選挙では、各選挙区の人口に比例する形で二人から八人の偶数の議員数が配分され、その最大較差は二・六二倍でした。
参議院の選挙の在り方として当初から議論となっていたのが事実上の職能代表的な色彩を期待した全国区選挙であり、昭和五十七年に拘束名簿式比例代表選挙に改正され、さらに、平成十二年には非拘束名簿式に改正されております。
他方、高度成長や産業構造の変化に伴う都市部への人口移動により、選挙区間の定数較差が次第に大きくなり、昭和三十年代後半以降、定数較差訴訟が裁判所に提起されるようになります。
最高裁が投票価値の平等が憲法上の要請であるとの判断を最初に示したのは衆議院選挙に関する昭和五十一年判決であり、参議院選挙については昭和五十八年判決が最初となりますが、同判決では、国会の広い裁量を認め、最大較差五・二六倍を合憲と判断しました。ただ、その後も較差の拡大が続き、平成四年選挙での最大較差六・五九倍につき平成八年判決が違憲状態との判断を示しましたが、較差はそれに先立ち平成六年改正で既に四・八一倍に縮小しており、その後は最高裁の合憲判決が続きました。
最高裁に変化が現れ始めましたのは平成十六年判決からであり、同判決は較差五・〇六倍を合憲としたものの、多数意見の中には厳しい見方も含まれていたことから、これを契機に、参議院では、超党派の協議機関を設けるなどして選挙制度改革の検討が継続的に行われるようになります。
その後、平成十八年の四増四減の改正により最大較差は四・八四倍となりますが、最高裁は、次第に投票価値の平等の観点から実質的に厳格な評価を行う姿勢を強め、平成二十四年判決では従来の考え方を実質的に変更し、最大較差五・〇〇倍を違憲状態とし、その直後の平成二十四年改正で較差は四・七五倍とされたものの、平成二十六年も違憲状態判決でした。
このような流れを受けて行われたのが平成二十七年改正であり、四県二合区を含む十増十減により最大較差は二・九七倍にまで縮小し、平成二十九年判決は、選挙時較差三・〇八倍とともに、これを合憲と判断しました。その後も、平成二十七年改正法の検討条項を踏まえ、選挙制度の見直しの検討が進められ、平成三十年改正では、定数が六増され、選挙区では定数二増により較差が二・九九倍にされるとともに、比例代表選挙では特定枠の制度が設けられ、これに対し、最高裁は令和二年判決で三・〇〇倍の較差を合憲と判断しております。
参議院では、その後も参議院改革協議会や憲法審査会などで議論が行われましたが、改正のないまま令和四年選挙が最大較差三・〇三倍で実施されました。これに対し、令和五年判決は合憲と判断をしております。
以上のように、投票価値の平等をめぐる国会と最高裁との間での相互作用とも言える状況は衆議院の小選挙区選挙でも生じてきており、最近では参議院については平成二十四年と二十六年の二回ほど、衆議院については平成二十三年、二十五年、二十七年の三回ほど違憲状態判決が示されたのを受け、最大較差がそれぞれ縮小されてきており、参議院については平成二十九年、令和二年、令和五年の三回、衆議院については平成三十年、令和五年の二回ほど合憲の判断が続いているところでございます。
次に、最高裁が重視する投票価値の平等の意義、根拠等を三、四ページで確認をしておきますと、投票価値の平等は、近代民主主義国家における選挙原則の一つとされ、憲法にも取り入れられている選挙権平等の原則の歴史的発展とともに導き出されるようになったもので、選挙権の内容の平等として、各投票が選挙の結果に及ぼす影響力においても平等であることを要求するものであり、その憲法上の根拠について、最高裁は憲法十四条一項を中心に十五条三項、四十四条ただし書などの規定を挙げております。
もっとも、最高裁は、選挙制度の仕組みの決定において、投票価値の平等は、唯一、絶対の基準となるものではなく、国会が正当に考慮できる他の政策目的ないし理由との関連で調和的に実現されるべきものであるとする一方、参議院選挙との関係では、投票価値の平等の要請の後退を認める理由は見出し難いとも述べており、これらの判示は令和五年判決でも維持されております。
いずれにいたしましても、五、六ページの図表を御覧いただきたいと存じますが、さきに述べたような経緯をたどりまして、選挙区の最大較差は最近では三倍程度で推移しております。他方、較差が三倍を超える選挙区は神奈川、宮城、東京の三つに増えてきております。
次に、七、八ページを御覧いただきたいと存じます。
合区対象県で投票率の低下傾向、無効投票率の上昇傾向が続き、対象県の投票率が全国最下位となる例なども生じており、これに対し、右のページでございますが、地方六団体では合区解消を求める決議が度々行われております。
それでは、参議院選挙と投票価値の平等をめぐり、最高裁の考え方はどのように変化してきているのでしょうか。
この点については、九ページ以降でポイントを簡単にまとめております。
参議院選挙にも投票価値の平等が要求されるとした昭和五十八年判決は、その一方で、都道府県単位とすることについても一定の理解を示し、投票価値の平等の要求は、人口比例主義を基本とする選挙制度の場合と比較して一定の譲歩や後退を免れない、較差の是正にもおのずから限度があるとしていました。
これに対し、実質的にこの考え方を変更した平成二十四年判決は、従来からの基本的な判断枠組みは維持しつつも、長年にわたる制度と社会の状況の変化を考慮して、参議院選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難いとするとともに、都道府県を参議院の選挙区単位とする憲法上の要請はなく、投票価値の平等との関係からは都道府県単位といった仕組み自体を見直すことが必要としました。その判断の理由として、近年の衆参ねじれ現象の経験なども背景に、立法を始めとする多くの事柄について参議院にも衆議院とほぼ等しい権限が与えられており、国政における参議院の役割が大きくなっているとの認識が示されております。
この平成二十四年判決の考え方はその後も基本的に維持されており、平成二十九年判決では、政治的に一つのまとまりを有する単位である都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮することは投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて否定されるものではないと言及しつつも、合区というこれまでにない手法の導入による較差是正を、平成二十四年、二十六年の判決の趣旨に沿ったものであり、また、平成二十七年改正法は更なる較差の是正を指向するものと評価しました。
続いて、令和二年判決は、較差の更なる是正などの取組が平成三十年改正では大きな進展は見せていないものの、平成二十七年改正法の方向性を維持するよう配慮したものであり、選挙制度の改革の実現は漸進的にならざるを得ない面があるとして、立法府の較差是正を指向する姿勢は失われていないとしました。
さて、今回の令和五年判決のポイントについては十一、十二ページにまとめております。
まず、立法府における取組とその状況については、令和二年判決を引用し、今後も不断に人口変動が見込まれる中で、較差の更なる是正を図るとともに、再び拡大させずに持続していくための必要な方策等について議論し、取組を進めることが引き続き求められているとした上で、本件選挙までの間、各会派の間で一定の議論がされたものの、その実現に向けた具体的な検討が進展しているとも言い難いとの評価を示しております。
ただ、その一方で、較差の状況については、平成二十七年改正から本件選挙までの約七年間、合区は維持され、選挙区間の最大較差は三倍程度で推移しており、有意な拡大傾向にあるとも言えないとしております。
また、選挙制度の仕組みを見直すに当たっての検討課題として、較差の更なる是正を図る観点から、都道府県より広域の選挙区を設けるなどの方策によって現行の選挙制度の仕組みを更に見直すことも考えられるとしつつ、合区対象となった四県で投票率の低下や無効投票率の上昇が続いていること等を勘案すると、有権者において、都道府県ごとに地域の実情に通じた国会議員を選出するとの考え方がなお強く、これが選挙に対する関心や投票行動に影響を与えていることがうかがわれると指摘します。そして、このような状況は、選挙の仕組みの見直しに当たり、国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映させる観点から慎重に検討すべき課題があることを示唆するものであり、加えて、議員定数の見直しなどの方策を取ることにも様々な制約が想定されるとし、そうすると、立法府が較差是正に向けた取組を進めていくには、種々の方策の実効性や課題等を慎重に見極めつつ、広く国民の理解も得ていく必要があり、合理的な成案に達するにはなお一定の時間を要することが見込まれると述べております。
そして、結論として、参議院の選挙制度の改革に向けた議論を継続する中で、較差の拡大の防止等にも配慮して四県二合区を含む本件定数配分規定を維持したという経緯に鑑みれば、較差の更なる是正とその持続のための具体的な方策を講じなかったことを考慮しても、本件選挙時の選挙区間の最大較差が示す投票価値の不均衡が憲法の投票価値の平等の要求に反するものであったとは言えないとしております。
最後に、最高裁は立法府への要請として、国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映させる選挙制度が民主政治の基盤であり、投票価値の平等が憲法上の要請であること等を考慮すると、較差の更なる是正を図ること等は喫緊の課題であり、立法府においては、より適切な民意の反映が可能となるよう、社会情勢の変化や課題等も踏まえながら、現行の選挙制度の仕組みの抜本的な見直しも含め、較差の更なる是正等の方策について具体的に検討した上で、広く国民の理解も得られるような立法的措置を講じていくことが求められると述べています。
なお、これに対し少数意見として、理由を異にする合憲の意見が一、違憲状態の意見が二、違憲の反対意見が一、付されております。
十三と十四ページには、選挙制度に関する最高裁の判断枠組みと参議院の定数較差に関する最高裁の基本的な判断枠組みをまとめております。適宜御参照いただければ幸いでございます。
駆け足の説明となり恐縮でございますが、私からは以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
この発言だけを見る →私の方からは、お手元の資料に基づき、参議院の選挙制度と最高裁判決につきまして、今般の令和五年十月十八日判決に焦点を当てつつ、選挙制度と最高裁判決の変遷、最高裁の解釈、考え方などについて御説明させていただきます。
まず、参議院選挙制度に関する経緯と定数較差に係る主な最高裁判決の動向につきまして確認をしておきたいと思います。
表紙をめくり、一、二ページを見開きで御覧ください。左が選挙制度、右が最高裁判決の経緯となっております。
参議院の選挙制度については、定数二百五十人のうち、都道府県を単位とする地方区選挙が百五十人、全国を単位とする全国区選挙が百人という構成でスタートし、地方区選挙では、各選挙区の人口に比例する形で二人から八人の偶数の議員数が配分され、その最大較差は二・六二倍でした。
参議院の選挙の在り方として当初から議論となっていたのが事実上の職能代表的な色彩を期待した全国区選挙であり、昭和五十七年に拘束名簿式比例代表選挙に改正され、さらに、平成十二年には非拘束名簿式に改正されております。
他方、高度成長や産業構造の変化に伴う都市部への人口移動により、選挙区間の定数較差が次第に大きくなり、昭和三十年代後半以降、定数較差訴訟が裁判所に提起されるようになります。
最高裁が投票価値の平等が憲法上の要請であるとの判断を最初に示したのは衆議院選挙に関する昭和五十一年判決であり、参議院選挙については昭和五十八年判決が最初となりますが、同判決では、国会の広い裁量を認め、最大較差五・二六倍を合憲と判断しました。ただ、その後も較差の拡大が続き、平成四年選挙での最大較差六・五九倍につき平成八年判決が違憲状態との判断を示しましたが、較差はそれに先立ち平成六年改正で既に四・八一倍に縮小しており、その後は最高裁の合憲判決が続きました。
最高裁に変化が現れ始めましたのは平成十六年判決からであり、同判決は較差五・〇六倍を合憲としたものの、多数意見の中には厳しい見方も含まれていたことから、これを契機に、参議院では、超党派の協議機関を設けるなどして選挙制度改革の検討が継続的に行われるようになります。
その後、平成十八年の四増四減の改正により最大較差は四・八四倍となりますが、最高裁は、次第に投票価値の平等の観点から実質的に厳格な評価を行う姿勢を強め、平成二十四年判決では従来の考え方を実質的に変更し、最大較差五・〇〇倍を違憲状態とし、その直後の平成二十四年改正で較差は四・七五倍とされたものの、平成二十六年も違憲状態判決でした。
このような流れを受けて行われたのが平成二十七年改正であり、四県二合区を含む十増十減により最大較差は二・九七倍にまで縮小し、平成二十九年判決は、選挙時較差三・〇八倍とともに、これを合憲と判断しました。その後も、平成二十七年改正法の検討条項を踏まえ、選挙制度の見直しの検討が進められ、平成三十年改正では、定数が六増され、選挙区では定数二増により較差が二・九九倍にされるとともに、比例代表選挙では特定枠の制度が設けられ、これに対し、最高裁は令和二年判決で三・〇〇倍の較差を合憲と判断しております。
参議院では、その後も参議院改革協議会や憲法審査会などで議論が行われましたが、改正のないまま令和四年選挙が最大較差三・〇三倍で実施されました。これに対し、令和五年判決は合憲と判断をしております。
以上のように、投票価値の平等をめぐる国会と最高裁との間での相互作用とも言える状況は衆議院の小選挙区選挙でも生じてきており、最近では参議院については平成二十四年と二十六年の二回ほど、衆議院については平成二十三年、二十五年、二十七年の三回ほど違憲状態判決が示されたのを受け、最大較差がそれぞれ縮小されてきており、参議院については平成二十九年、令和二年、令和五年の三回、衆議院については平成三十年、令和五年の二回ほど合憲の判断が続いているところでございます。
次に、最高裁が重視する投票価値の平等の意義、根拠等を三、四ページで確認をしておきますと、投票価値の平等は、近代民主主義国家における選挙原則の一つとされ、憲法にも取り入れられている選挙権平等の原則の歴史的発展とともに導き出されるようになったもので、選挙権の内容の平等として、各投票が選挙の結果に及ぼす影響力においても平等であることを要求するものであり、その憲法上の根拠について、最高裁は憲法十四条一項を中心に十五条三項、四十四条ただし書などの規定を挙げております。
もっとも、最高裁は、選挙制度の仕組みの決定において、投票価値の平等は、唯一、絶対の基準となるものではなく、国会が正当に考慮できる他の政策目的ないし理由との関連で調和的に実現されるべきものであるとする一方、参議院選挙との関係では、投票価値の平等の要請の後退を認める理由は見出し難いとも述べており、これらの判示は令和五年判決でも維持されております。
いずれにいたしましても、五、六ページの図表を御覧いただきたいと存じますが、さきに述べたような経緯をたどりまして、選挙区の最大較差は最近では三倍程度で推移しております。他方、較差が三倍を超える選挙区は神奈川、宮城、東京の三つに増えてきております。
次に、七、八ページを御覧いただきたいと存じます。
合区対象県で投票率の低下傾向、無効投票率の上昇傾向が続き、対象県の投票率が全国最下位となる例なども生じており、これに対し、右のページでございますが、地方六団体では合区解消を求める決議が度々行われております。
それでは、参議院選挙と投票価値の平等をめぐり、最高裁の考え方はどのように変化してきているのでしょうか。
この点については、九ページ以降でポイントを簡単にまとめております。
参議院選挙にも投票価値の平等が要求されるとした昭和五十八年判決は、その一方で、都道府県単位とすることについても一定の理解を示し、投票価値の平等の要求は、人口比例主義を基本とする選挙制度の場合と比較して一定の譲歩や後退を免れない、較差の是正にもおのずから限度があるとしていました。
これに対し、実質的にこの考え方を変更した平成二十四年判決は、従来からの基本的な判断枠組みは維持しつつも、長年にわたる制度と社会の状況の変化を考慮して、参議院選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難いとするとともに、都道府県を参議院の選挙区単位とする憲法上の要請はなく、投票価値の平等との関係からは都道府県単位といった仕組み自体を見直すことが必要としました。その判断の理由として、近年の衆参ねじれ現象の経験なども背景に、立法を始めとする多くの事柄について参議院にも衆議院とほぼ等しい権限が与えられており、国政における参議院の役割が大きくなっているとの認識が示されております。
この平成二十四年判決の考え方はその後も基本的に維持されており、平成二十九年判決では、政治的に一つのまとまりを有する単位である都道府県の意義や実体等を一つの要素として考慮することは投票価値の平等の要請との調和が保たれる限りにおいて否定されるものではないと言及しつつも、合区というこれまでにない手法の導入による較差是正を、平成二十四年、二十六年の判決の趣旨に沿ったものであり、また、平成二十七年改正法は更なる較差の是正を指向するものと評価しました。
続いて、令和二年判決は、較差の更なる是正などの取組が平成三十年改正では大きな進展は見せていないものの、平成二十七年改正法の方向性を維持するよう配慮したものであり、選挙制度の改革の実現は漸進的にならざるを得ない面があるとして、立法府の較差是正を指向する姿勢は失われていないとしました。
さて、今回の令和五年判決のポイントについては十一、十二ページにまとめております。
まず、立法府における取組とその状況については、令和二年判決を引用し、今後も不断に人口変動が見込まれる中で、較差の更なる是正を図るとともに、再び拡大させずに持続していくための必要な方策等について議論し、取組を進めることが引き続き求められているとした上で、本件選挙までの間、各会派の間で一定の議論がされたものの、その実現に向けた具体的な検討が進展しているとも言い難いとの評価を示しております。
ただ、その一方で、較差の状況については、平成二十七年改正から本件選挙までの約七年間、合区は維持され、選挙区間の最大較差は三倍程度で推移しており、有意な拡大傾向にあるとも言えないとしております。
また、選挙制度の仕組みを見直すに当たっての検討課題として、較差の更なる是正を図る観点から、都道府県より広域の選挙区を設けるなどの方策によって現行の選挙制度の仕組みを更に見直すことも考えられるとしつつ、合区対象となった四県で投票率の低下や無効投票率の上昇が続いていること等を勘案すると、有権者において、都道府県ごとに地域の実情に通じた国会議員を選出するとの考え方がなお強く、これが選挙に対する関心や投票行動に影響を与えていることがうかがわれると指摘します。そして、このような状況は、選挙の仕組みの見直しに当たり、国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映させる観点から慎重に検討すべき課題があることを示唆するものであり、加えて、議員定数の見直しなどの方策を取ることにも様々な制約が想定されるとし、そうすると、立法府が較差是正に向けた取組を進めていくには、種々の方策の実効性や課題等を慎重に見極めつつ、広く国民の理解も得ていく必要があり、合理的な成案に達するにはなお一定の時間を要することが見込まれると述べております。
そして、結論として、参議院の選挙制度の改革に向けた議論を継続する中で、較差の拡大の防止等にも配慮して四県二合区を含む本件定数配分規定を維持したという経緯に鑑みれば、較差の更なる是正とその持続のための具体的な方策を講じなかったことを考慮しても、本件選挙時の選挙区間の最大較差が示す投票価値の不均衡が憲法の投票価値の平等の要求に反するものであったとは言えないとしております。
最後に、最高裁は立法府への要請として、国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映させる選挙制度が民主政治の基盤であり、投票価値の平等が憲法上の要請であること等を考慮すると、較差の更なる是正を図ること等は喫緊の課題であり、立法府においては、より適切な民意の反映が可能となるよう、社会情勢の変化や課題等も踏まえながら、現行の選挙制度の仕組みの抜本的な見直しも含め、較差の更なる是正等の方策について具体的に検討した上で、広く国民の理解も得られるような立法的措置を講じていくことが求められると述べています。
なお、これに対し少数意見として、理由を異にする合憲の意見が一、違憲状態の意見が二、違憲の反対意見が一、付されております。
十三と十四ページには、選挙制度に関する最高裁の判断枠組みと参議院の定数較差に関する最高裁の基本的な判断枠組みをまとめております。適宜御参照いただければ幸いでございます。
駆け足の説明となり恐縮でございますが、私からは以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
中
中曽根弘文#6
○会長(中曽根弘文君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。
これより委員間の意見交換を行います。
発言を希望される方は、氏名標をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言願います。
発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。
一回の発言時間は各五分以内でお述べいただき、法制局に答弁を求める場合は、答弁を含め五分以内といたします。
発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。
片山さつき君。
この発言だけを見る →これより委員間の意見交換を行います。
発言を希望される方は、氏名標をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言願います。
発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。
一回の発言時間は各五分以内でお述べいただき、法制局に答弁を求める場合は、答弁を含め五分以内といたします。
発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。
片山さつき君。
片
片山さつき#7
○片山さつき君 自由民主党の片山さつきです。
ただいま御説明いただいた最高裁判決も踏まえ、合区問題について意見を述べさせていただきます。
本憲法審査会では、昨年の通常国会以降、参議院議員の選挙区の合区問題を大きなテーマの一つとして精力的に議論を進めてまいりました。特に本年の通常国会では、合区対象四県それぞれから知事、副知事を参考人として本審査会にお招きし、意見聴取を行いました。各参考人からは、合区は投票率の低下のみならず無投票の増加も招き、本来、国民が政治に関心を持つような制度であるべき選挙制度が真逆の状況を起こしてしまっており、民主主義の根幹を揺るがす重大な問題であるとの御指摘や、明治以来、都道府県はほぼ変わらずに民主主義のユニットであり、我が国の民主主義にしっかりと根付いた制度を大切にしてほしいなどの切実な思いが述べられたところです。
また、全国知事会からも、お手元配付の、十分な国民的議論の下での憲法改正等の抜本的な対応による合区の確実な解消を強く求めるとの決議が出され、先週九日には中曽根会長に対して申入れがありました。
合区制度の弊害や都道府県ごとに国会議員を選出する必要性は本審査会委員も繰り返し指摘しているところですが、今回の最高裁判決では、この合区制度の弊害について初めて言及がなされました。
法制局長にお伺いします。
今回、最高裁が合区制度の弊害について前回と比べて深く考慮して言及した背景としては、具体的にどのような事情や意図があったと考えられるのでしょうか。これまでの最高裁判決との違いも踏まえながら、どのような状況の変化があったと考えられるのか、改めて御説明をお願いします。
この発言だけを見る →ただいま御説明いただいた最高裁判決も踏まえ、合区問題について意見を述べさせていただきます。
本憲法審査会では、昨年の通常国会以降、参議院議員の選挙区の合区問題を大きなテーマの一つとして精力的に議論を進めてまいりました。特に本年の通常国会では、合区対象四県それぞれから知事、副知事を参考人として本審査会にお招きし、意見聴取を行いました。各参考人からは、合区は投票率の低下のみならず無投票の増加も招き、本来、国民が政治に関心を持つような制度であるべき選挙制度が真逆の状況を起こしてしまっており、民主主義の根幹を揺るがす重大な問題であるとの御指摘や、明治以来、都道府県はほぼ変わらずに民主主義のユニットであり、我が国の民主主義にしっかりと根付いた制度を大切にしてほしいなどの切実な思いが述べられたところです。
また、全国知事会からも、お手元配付の、十分な国民的議論の下での憲法改正等の抜本的な対応による合区の確実な解消を強く求めるとの決議が出され、先週九日には中曽根会長に対して申入れがありました。
合区制度の弊害や都道府県ごとに国会議員を選出する必要性は本審査会委員も繰り返し指摘しているところですが、今回の最高裁判決では、この合区制度の弊害について初めて言及がなされました。
法制局長にお伺いします。
今回、最高裁が合区制度の弊害について前回と比べて深く考慮して言及した背景としては、具体的にどのような事情や意図があったと考えられるのでしょうか。これまでの最高裁判決との違いも踏まえながら、どのような状況の変化があったと考えられるのか、改めて御説明をお願いします。
川
川崎政司#8
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
最高裁は、令和二年判決では、合区対象県における投票率の低下及び無効投票率の上昇と合区との関連性を指摘し合区の解消を強く望む意見も存在したと言及しております。
他方、令和五年判決では、事実関係として、平成二十八年、令和元年、令和四年選挙における合区対象県の問題状況について具体的に述べた上で、選挙制度の仕組みを更に見直すことに関し、合区対象県で投票率の低下や無効投票率の上昇が続けて見られることを勘案すると、有権者において、都道府県ごとに地域の実情に通じた国会議員を選出するとの考え方がなお強く、これが選挙に対する関心や投票行動に影響を与えているとの見方を示し、このような状況は、更なる見直しに当たり、国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映する観点から慎重に検討すべき課題があることを示唆するものとしております。
他方、令和五年判決では、較差の拡大防止の点から合区の維持を合憲判断の根拠ともしていることから、最高裁として合区対象県における問題状況や有権者の意識に触れざるを得なくなったものの、それは較差是正の取組を進めていく上での検討すべき課題や、広く国民の理解を得ていく必要を示すものとして、立法府にボールを投げ返したものと見ることができるのではないかと思われます。
この発言だけを見る →最高裁は、令和二年判決では、合区対象県における投票率の低下及び無効投票率の上昇と合区との関連性を指摘し合区の解消を強く望む意見も存在したと言及しております。
他方、令和五年判決では、事実関係として、平成二十八年、令和元年、令和四年選挙における合区対象県の問題状況について具体的に述べた上で、選挙制度の仕組みを更に見直すことに関し、合区対象県で投票率の低下や無効投票率の上昇が続けて見られることを勘案すると、有権者において、都道府県ごとに地域の実情に通じた国会議員を選出するとの考え方がなお強く、これが選挙に対する関心や投票行動に影響を与えているとの見方を示し、このような状況は、更なる見直しに当たり、国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映する観点から慎重に検討すべき課題があることを示唆するものとしております。
他方、令和五年判決では、較差の拡大防止の点から合区の維持を合憲判断の根拠ともしていることから、最高裁として合区対象県における問題状況や有権者の意識に触れざるを得なくなったものの、それは較差是正の取組を進めていく上での検討すべき課題や、広く国民の理解を得ていく必要を示すものとして、立法府にボールを投げ返したものと見ることができるのではないかと思われます。
片
片山さつき#9
○片山さつき君 自民党では、合区問題の抜本的な解消のため、両議院の議員の選挙について、選挙区を設けるときは、人口を基本とし、行政区画、地域的な一体性、地勢等を総合的に勘案して、選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数を定めるものとするとともに、参議院議員の全部又は一部の選挙について、広域の地方公共団体のそれぞれの区域を選挙区とする場合には、改選ごとに各選挙区において少なくとも一人を選挙すべきものとすることができると憲法改正の条文イメージをお示ししております。
投票価値の平等は極めて大切だということはもちろんですが、合区問題も民主主義の根幹に関わる重要な問題であり、当審査会においても、引き続き合区解消に向けて議論を積み重ねていくべきと申し上げまして、発言を終わらせていただきます。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →投票価値の平等は極めて大切だということはもちろんですが、合区問題も民主主義の根幹に関わる重要な問題であり、当審査会においても、引き続き合区解消に向けて議論を積み重ねていくべきと申し上げまして、発言を終わらせていただきます。
ありがとうございます。
中
辻
辻元清美#11
○辻元清美君 この度、立憲民主党の筆頭幹事、そして本審査会の会長代理を務めさせていただくことになりました辻元清美です。どうぞよろしくお願いをいたします。
さて、一票の較差の最高裁判決について、まず法制局長にお伺いをいたします。
結論は令和二年判決と同じですが、内容の相違点はあるのか、また、判決を受けて、立法府への要請は何か、見解をお願いいたします。
この発言だけを見る →さて、一票の較差の最高裁判決について、まず法制局長にお伺いをいたします。
結論は令和二年判決と同じですが、内容の相違点はあるのか、また、判決を受けて、立法府への要請は何か、見解をお願いいたします。
川
川崎政司#12
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
令和二年判決は、選挙区選挙において定数二増などを行った平成三十年改正の評価を行った上で、著しい不平等状態にあったとは言えず、合憲との判断を示しているのに対し、令和五年判決は、令和二年判決と同様の判断枠組みに立ちつつ、令和四年選挙が改正のないまま実施されたものであることから、較差の拡大防止等にも配慮して四県二合区を含む定数配分規定を維持したことをもって合憲と判断しているものと理解しております。
また、令和五年判決は、較差の更なる是正を図ること等は喫緊の課題とした上で、立法府への要請として、より適切な民意の反映が可能となるよう、現行の選挙制度の仕組みの抜本的な見直しを含め、較差の更なる是正等の方策について具体的に検討した上で、広く国民の理解も得られるような立法的措置を講じていくことを求めるとしております。
この発言だけを見る →令和二年判決は、選挙区選挙において定数二増などを行った平成三十年改正の評価を行った上で、著しい不平等状態にあったとは言えず、合憲との判断を示しているのに対し、令和五年判決は、令和二年判決と同様の判断枠組みに立ちつつ、令和四年選挙が改正のないまま実施されたものであることから、較差の拡大防止等にも配慮して四県二合区を含む定数配分規定を維持したことをもって合憲と判断しているものと理解しております。
また、令和五年判決は、較差の更なる是正を図ること等は喫緊の課題とした上で、立法府への要請として、より適切な民意の反映が可能となるよう、現行の選挙制度の仕組みの抜本的な見直しを含め、較差の更なる是正等の方策について具体的に検討した上で、広く国民の理解も得られるような立法的措置を講じていくことを求めるとしております。
辻
辻元清美#13
○辻元清美君 今の御説明のとおり、この最高裁判決が国会に投げかけたメッセージ、これを重く受け止めて、我が会派も、あるべき選挙制度の議論を真摯に行ってまいりたいと思います。
お手元の参議院法制局資料にも記載されている歴代の最高裁判決が示しているように、二院制の下、衆議院とは異なる参議院の独自機能や役割を位置付けて選挙制度に反映させることは、国会の合理的な裁量権の行使として許されるものであると解して、これを踏まえた根源的な議論が必要であるというように提起をしたいと思います。
また、現在、参議院議長の下の参議院改革協議会の選挙制度専門委員会で二院制における参議院の在り方などの議論が行われていますが、その内容も踏まえつつ、本審査会でも参議院の選挙制度の議論を深めてまいりたいと思います。
さらに、現行憲法は、国会は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織するとされてきました。よって、合区問題などを議論するに当たっては、参議院の在り方、当該地域を含む地方の声などだけではなく、都市部も含めて全国民的議論が必要であるとも考えます。
そして、最後に一言、憲法の在り方について申し上げます。
岸田総理は十月二十三日の所信表明演説で、改憲について、条文案の具体化など積極的な議論をと、条文案の具体化という言葉まで言及をされました。行政府の長たる総理大臣は現行憲法を遵守する立場にあり、総理大臣が衆参本会議で条文案の具体化を促すような発言をすることは、これは幾ら何でも越権行為と言わざるを得ないと指摘させていただきます。
また、総理の発言とまるで平仄を合わせたように、十一月九日の、衆議院憲法審査会会長が海外派遣の中で、議員任期延長を始めとした国会機能維持策について、速やかに議論を詰めていかなければならないと発言されました。この発言は、全体のコンセンサスもない中、公平公正な委員会運営とは言えないのではないかと私は元衆議院の審査会委員として危惧いたしました。
そんな中で、中曽根会長におかれましては、このような動きとは一線を画し、大会派、小会派に、少数会派にかかわらず、常に公平公正な運営に努めていただいていることに改めて敬意を表したいと思います。
最後に、この選挙制度の在り方も含めまして、参議院の本審査会では参議院の独自性を生かした落ち着いた議論がなされるように呼びかけさせていただきまして、発言を終えます。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →お手元の参議院法制局資料にも記載されている歴代の最高裁判決が示しているように、二院制の下、衆議院とは異なる参議院の独自機能や役割を位置付けて選挙制度に反映させることは、国会の合理的な裁量権の行使として許されるものであると解して、これを踏まえた根源的な議論が必要であるというように提起をしたいと思います。
また、現在、参議院議長の下の参議院改革協議会の選挙制度専門委員会で二院制における参議院の在り方などの議論が行われていますが、その内容も踏まえつつ、本審査会でも参議院の選挙制度の議論を深めてまいりたいと思います。
さらに、現行憲法は、国会は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織するとされてきました。よって、合区問題などを議論するに当たっては、参議院の在り方、当該地域を含む地方の声などだけではなく、都市部も含めて全国民的議論が必要であるとも考えます。
そして、最後に一言、憲法の在り方について申し上げます。
岸田総理は十月二十三日の所信表明演説で、改憲について、条文案の具体化など積極的な議論をと、条文案の具体化という言葉まで言及をされました。行政府の長たる総理大臣は現行憲法を遵守する立場にあり、総理大臣が衆参本会議で条文案の具体化を促すような発言をすることは、これは幾ら何でも越権行為と言わざるを得ないと指摘させていただきます。
また、総理の発言とまるで平仄を合わせたように、十一月九日の、衆議院憲法審査会会長が海外派遣の中で、議員任期延長を始めとした国会機能維持策について、速やかに議論を詰めていかなければならないと発言されました。この発言は、全体のコンセンサスもない中、公平公正な委員会運営とは言えないのではないかと私は元衆議院の審査会委員として危惧いたしました。
そんな中で、中曽根会長におかれましては、このような動きとは一線を画し、大会派、小会派に、少数会派にかかわらず、常に公平公正な運営に努めていただいていることに改めて敬意を表したいと思います。
最後に、この選挙制度の在り方も含めまして、参議院の本審査会では参議院の独自性を生かした落ち着いた議論がなされるように呼びかけさせていただきまして、発言を終えます。
ありがとうございました。
中
西
西田実仁#15
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
参議院選挙における合区の解消に関する知事会決議におきましては、合区は地方の実情が国政へ反映し難くなる、我が国の民主主義の根幹を揺るがす、都道府県間で一票の較差とは異なる不平等性が生じるとされ、合区の確実な解消を強く求めておられます。
もとより我が党では、特定の県のみが県単位の議員を選出できないことから、当該住民による不満が噴出していることは理解しており、是正は必要との立場であります。ただ、いかなる選挙制度を採用するにしても、投票価値の平等という憲法価値と相矛盾する制度改正は行うべきではないと考えます。憲法は、衆参でほぼ同等の機能、権能を与え、衆議院が不存在の場合には参議院の緊急集会によって国会を代行できるまでの役割を与えています。
今回の最高裁判決にもあるように、二院制に係る憲法の趣旨や、半数改選などの参議院の議員定数配分に当たり考慮を要する固有の要素を勘案しても、参議院議員選挙について直ちに投票価値の平等の要請が後退してもよいと解すべき理由は見出し難い、これは令和二年判決と軌を一にしております。今回の判決でも、多数意見においては七回ほどにわたって較差の更なる是正という記述が登場しております。
そこで、我が党は、一貫して投票価値の平等と地域代表的性格の調和を図るため、全国を十一のブロック単位とする個人名投票による大選挙区制を提唱しております。
ここで法制局長にお伺いしたいと思います。
合区は、本当に我が国の民主主義の根幹を揺るがすことになるのか。だとすれば、較差の拡大の防止等にも配慮して四県二合区を含む本件定数配分規定を維持したという経緯に鑑みれば、途中省略をして、本件選挙当時の選挙区間の最大較差が示す投票価値の不均衡が憲法の投票価値の平等の要求に反するものだったということはできないとして、合区の維持を前提とした合憲の判決を出しております。これをどう考えたらよいのか、お聞きします。
この発言だけを見る →参議院選挙における合区の解消に関する知事会決議におきましては、合区は地方の実情が国政へ反映し難くなる、我が国の民主主義の根幹を揺るがす、都道府県間で一票の較差とは異なる不平等性が生じるとされ、合区の確実な解消を強く求めておられます。
もとより我が党では、特定の県のみが県単位の議員を選出できないことから、当該住民による不満が噴出していることは理解しており、是正は必要との立場であります。ただ、いかなる選挙制度を採用するにしても、投票価値の平等という憲法価値と相矛盾する制度改正は行うべきではないと考えます。憲法は、衆参でほぼ同等の機能、権能を与え、衆議院が不存在の場合には参議院の緊急集会によって国会を代行できるまでの役割を与えています。
今回の最高裁判決にもあるように、二院制に係る憲法の趣旨や、半数改選などの参議院の議員定数配分に当たり考慮を要する固有の要素を勘案しても、参議院議員選挙について直ちに投票価値の平等の要請が後退してもよいと解すべき理由は見出し難い、これは令和二年判決と軌を一にしております。今回の判決でも、多数意見においては七回ほどにわたって較差の更なる是正という記述が登場しております。
そこで、我が党は、一貫して投票価値の平等と地域代表的性格の調和を図るため、全国を十一のブロック単位とする個人名投票による大選挙区制を提唱しております。
ここで法制局長にお伺いしたいと思います。
合区は、本当に我が国の民主主義の根幹を揺るがすことになるのか。だとすれば、較差の拡大の防止等にも配慮して四県二合区を含む本件定数配分規定を維持したという経緯に鑑みれば、途中省略をして、本件選挙当時の選挙区間の最大較差が示す投票価値の不均衡が憲法の投票価値の平等の要求に反するものだったということはできないとして、合区の維持を前提とした合憲の判決を出しております。これをどう考えたらよいのか、お聞きします。
川
川崎政司#16
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
令和五年判決は、都道府県を単位とする現行の選挙制度の仕組みを見直すに当たっての検討課題について述べる中で、合区の対象となった県の問題状況などについて言及しておりますが、他方、先生が御指摘のとおり、較差の拡大防止等にも配慮して四県二合区を含む本件定数配分規定を維持したことをもって合憲との判断を導き出しているところです。
ちなみに、最高裁判決において合区について我が国の民主主義の根幹を揺るがすといった言及がなされたことはなく、むしろ平成二十九年判決では、合区の導入による較差の縮小を平成二十四年判決及び平成二十六年判決の趣旨に沿って較差の是正を図ったものと評価しております。
以上です。
この発言だけを見る →令和五年判決は、都道府県を単位とする現行の選挙制度の仕組みを見直すに当たっての検討課題について述べる中で、合区の対象となった県の問題状況などについて言及しておりますが、他方、先生が御指摘のとおり、較差の拡大防止等にも配慮して四県二合区を含む本件定数配分規定を維持したことをもって合憲との判断を導き出しているところです。
ちなみに、最高裁判決において合区について我が国の民主主義の根幹を揺るがすといった言及がなされたことはなく、むしろ平成二十九年判決では、合区の導入による較差の縮小を平成二十四年判決及び平成二十六年判決の趣旨に沿って較差の是正を図ったものと評価しております。
以上です。
西
西田実仁#17
○西田実仁君 今回の合憲判決には、都道府県より広域の選挙区を設けるなどの方策について触れられております。これまでの判決でもブロック選挙区の導入について触れているものはありますが、議論の紹介にとどまっておりましたところ、今回は、そうした選挙制度の仕組みを更に見直すことも考えられるとして、単なる議論の紹介を超えた記述となっているように見えますが、どうでしょうか。
もっとも、その後の記述には、こうした方策により、まあいろんな弊害があって、慎重に検討すべき課題があるとの認識を示しております。これは、都道府県より広域の選挙区を設ける方策について慎重に検討すべきとしているのか、それとも現行の仕組みを更に見直す際の一般論として指摘しているのか、お聞きします。
この発言だけを見る →もっとも、その後の記述には、こうした方策により、まあいろんな弊害があって、慎重に検討すべき課題があるとの認識を示しております。これは、都道府県より広域の選挙区を設ける方策について慎重に検討すべきとしているのか、それとも現行の仕組みを更に見直す際の一般論として指摘しているのか、お聞きします。
川
川崎政司#18
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
最高裁がどのような趣旨で言及したのか、にわかに判断できませんが、立法府における議論の状況を踏まえつつ、都道府県より広域の選挙区を設けるなどの方策によって現行の選挙制度の仕組みを更に見直すことも考えられると述べており、これまでの判決にない判示となっております。
その一方で、更なる較差の是正に当たり、種々の方策の実効性、課題等を慎重に見極めつつ、国民の理解を得ていく必要があることを述べるためにこのような議論を展開したものと見ることもできるのではないかと思います。
その意味では、令和五年判決の御指摘の判示は、最高裁として特定の方策について一定の評価をしたものとは言い難いのではないかと思われます。
以上でございます。
この発言だけを見る →最高裁がどのような趣旨で言及したのか、にわかに判断できませんが、立法府における議論の状況を踏まえつつ、都道府県より広域の選挙区を設けるなどの方策によって現行の選挙制度の仕組みを更に見直すことも考えられると述べており、これまでの判決にない判示となっております。
その一方で、更なる較差の是正に当たり、種々の方策の実効性、課題等を慎重に見極めつつ、国民の理解を得ていく必要があることを述べるためにこのような議論を展開したものと見ることもできるのではないかと思います。
その意味では、令和五年判決の御指摘の判示は、最高裁として特定の方策について一定の評価をしたものとは言い難いのではないかと思われます。
以上でございます。
西
中
片
片山大介#21
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
最高裁の判決を受け、我が会派の考えを述べさせていただきます。
現行憲法を考えた場合、一票の較差を解決することは何より大切なことです。しかし、都市部に人口が集中する現代においては、参議院の都道府県単位の選挙区では一票の較差は広がるばかりです。現状で較差を是正しようとすれば、完璧な解決策ではないにせよ、合区はある程度効果を出しています。今回の判決で、憲法の問題が生ずる程度の著しい不均衡状態が、不平等状態があったとは言えないという判断が示されたことからも、それは分かります。
しかし、今のままでよいわけではないことを真剣に考えなくてはいけません。合区が導入されてから最大較差は三倍程度で推移してきたことから、有意な拡大傾向にあるとは言えないとされたものの、十分だという認識からは程遠いからです。また、合区となった選挙区では投票率の低下や無効投票率の上昇が見られ、有権者は都道府県ごとに地域の実情に通じた国会議員を選出するという考え方がなお強いという課題も新たに示されました。こうした、ともすれば相反する課題に対して、判決では、更に議論を積み重ね、種々の方策の実効性や課題を見極めつつ、国民の理解も得ていく必要があり、それには一定の時間を要するとされています。
しかし、ここでいう一定の時間が余り猶予のあるものではないことは明らかです。今回の判決を下した裁判官の中には違憲であると明確に示した方もいて、三倍程度の較差ももはや看過される状態ではなくなっているからです。今の都道府県単位の選挙制度を続ける限り、合区は避けられないことを覚悟しなくてはいけません。
一部に、憲法で参議院議員を地域代表に位置付け、各都道府県から選ぶという考えもありますが、これには慎重を要すものと思います。その場合、そもそも衆議院に対する抑制、均衡、補完という参議院の在り方や、国民の多様な意見を代表する役割を併せて考える必要が出てくると思います。なので、衆議院と似通った地域代表を選出する都道府県の選挙区からブロック制の選挙区制度への移行する議論を進め、また、別の角度からは自治体の首長と参議院議員の兼職規定の廃止なども検討していくべきです。
我々は、行財政改革を訴える政党で、議員定数の削減を実行すべきとの思いもあり、ブロック制への移行は必要不可欠と考えています。平成三十年に我々が提出した公職選挙法改正案では、議員定数を二十四減らしたとしても、全国を十一ブロックにしたブロック制を導入した場合、較差は一・一八九倍まで縮小するとの試算を出しました。優位性は今の都道府県単位の選挙制度より際立っています。有権者の投票意識も、選挙区制度の形を大きく変えることで好影響を与えると考えます。
今回の判決で指摘された一定の期間の猶予とは再来年の二〇二五年、次回の参議院選挙までと見ています。各会派で結論を出す努力が必要だと思います。日本は、今後も人口減少が進みます。都道府県単位での行政が成り立つのか、様々な行政が非効率、非合理的になっていくのではないかとの懸念があります。こうした懸念を解消するためにも、我々は、選挙制度の前提となる国家の基本構造を変えるべく、憲法改正について条文化し、提言を出しています。
憲法審査会もさきの国会から議論が活発になってきているものの、今国会の会期も短く、時間の猶予は限られています。総理は来年九月までの憲法改正を目指すとしていますが、そのためには発議に向けた具体的な議論を進めていかなければ間に合いません。特に参議院では、衆議院に比べ議論が遅れているという指摘もされています。
議論を漫然と続けるのではなく、将来の道州制の導入など、統治機構改革を視野に入れた国家としての基本構造を考える観点で議論していく必要があると思います。そして、結論を出すべき時期を見据えたスケジュールを策定し、建設的な議論をしていく必要があることを提案し、私の意見とさせていただきます。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →最高裁の判決を受け、我が会派の考えを述べさせていただきます。
現行憲法を考えた場合、一票の較差を解決することは何より大切なことです。しかし、都市部に人口が集中する現代においては、参議院の都道府県単位の選挙区では一票の較差は広がるばかりです。現状で較差を是正しようとすれば、完璧な解決策ではないにせよ、合区はある程度効果を出しています。今回の判決で、憲法の問題が生ずる程度の著しい不均衡状態が、不平等状態があったとは言えないという判断が示されたことからも、それは分かります。
しかし、今のままでよいわけではないことを真剣に考えなくてはいけません。合区が導入されてから最大較差は三倍程度で推移してきたことから、有意な拡大傾向にあるとは言えないとされたものの、十分だという認識からは程遠いからです。また、合区となった選挙区では投票率の低下や無効投票率の上昇が見られ、有権者は都道府県ごとに地域の実情に通じた国会議員を選出するという考え方がなお強いという課題も新たに示されました。こうした、ともすれば相反する課題に対して、判決では、更に議論を積み重ね、種々の方策の実効性や課題を見極めつつ、国民の理解も得ていく必要があり、それには一定の時間を要するとされています。
しかし、ここでいう一定の時間が余り猶予のあるものではないことは明らかです。今回の判決を下した裁判官の中には違憲であると明確に示した方もいて、三倍程度の較差ももはや看過される状態ではなくなっているからです。今の都道府県単位の選挙制度を続ける限り、合区は避けられないことを覚悟しなくてはいけません。
一部に、憲法で参議院議員を地域代表に位置付け、各都道府県から選ぶという考えもありますが、これには慎重を要すものと思います。その場合、そもそも衆議院に対する抑制、均衡、補完という参議院の在り方や、国民の多様な意見を代表する役割を併せて考える必要が出てくると思います。なので、衆議院と似通った地域代表を選出する都道府県の選挙区からブロック制の選挙区制度への移行する議論を進め、また、別の角度からは自治体の首長と参議院議員の兼職規定の廃止なども検討していくべきです。
我々は、行財政改革を訴える政党で、議員定数の削減を実行すべきとの思いもあり、ブロック制への移行は必要不可欠と考えています。平成三十年に我々が提出した公職選挙法改正案では、議員定数を二十四減らしたとしても、全国を十一ブロックにしたブロック制を導入した場合、較差は一・一八九倍まで縮小するとの試算を出しました。優位性は今の都道府県単位の選挙制度より際立っています。有権者の投票意識も、選挙区制度の形を大きく変えることで好影響を与えると考えます。
今回の判決で指摘された一定の期間の猶予とは再来年の二〇二五年、次回の参議院選挙までと見ています。各会派で結論を出す努力が必要だと思います。日本は、今後も人口減少が進みます。都道府県単位での行政が成り立つのか、様々な行政が非効率、非合理的になっていくのではないかとの懸念があります。こうした懸念を解消するためにも、我々は、選挙制度の前提となる国家の基本構造を変えるべく、憲法改正について条文化し、提言を出しています。
憲法審査会もさきの国会から議論が活発になってきているものの、今国会の会期も短く、時間の猶予は限られています。総理は来年九月までの憲法改正を目指すとしていますが、そのためには発議に向けた具体的な議論を進めていかなければ間に合いません。特に参議院では、衆議院に比べ議論が遅れているという指摘もされています。
議論を漫然と続けるのではなく、将来の道州制の導入など、統治機構改革を視野に入れた国家としての基本構造を考える観点で議論していく必要があると思います。そして、結論を出すべき時期を見据えたスケジュールを策定し、建設的な議論をしていく必要があることを提案し、私の意見とさせていただきます。
ありがとうございます。
中
大
大塚耕平#23
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
国民民主党としては、昨年六月十日の本会議を皮切りに、本憲法審査会でも繰り返し申し上げておりますが、合区はやめるべきという立場です。その論拠として、憲法に定める法の下の平等は、国民は自らが居住する都道府県代表を最低一人は参議院に選出できることだと考えるからです。法の下の平等が人口割りの単純平等であるとは憲法にも法律にも明記されていません。議論に際しての共通認識を醸成するため、法制局長に三点伺います。
第一に、選挙における法の下の平等が一票の較差であることの法的根拠。第二に、主要国における一票の較差の実情とそれに対する司法判断の傾向。第三に、現在の判決において示されている較差の許容範囲とその根拠。以上三点です。よろしくお願いします。
この発言だけを見る →国民民主党としては、昨年六月十日の本会議を皮切りに、本憲法審査会でも繰り返し申し上げておりますが、合区はやめるべきという立場です。その論拠として、憲法に定める法の下の平等は、国民は自らが居住する都道府県代表を最低一人は参議院に選出できることだと考えるからです。法の下の平等が人口割りの単純平等であるとは憲法にも法律にも明記されていません。議論に際しての共通認識を醸成するため、法制局長に三点伺います。
第一に、選挙における法の下の平等が一票の較差であることの法的根拠。第二に、主要国における一票の較差の実情とそれに対する司法判断の傾向。第三に、現在の判決において示されている較差の許容範囲とその根拠。以上三点です。よろしくお願いします。
川
川崎政司#24
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
まず、法の下の平等が一票の較差を問題とする法的根拠ということでございますけれども、最高裁は、選挙権は国民の国政への参加の機会を保障する基本的権利であり、憲法は、その重要性に鑑み、十四条一項の定める法の下の平等の原則の政治の領域における適用として、成年者による普通選挙を保障するとともに、選挙人の資格を差別してはならないものとしているとし、この選挙権の平等原則は、選挙における差別を禁止するにとどまらず、選挙権の内容の平等、すなわち議員の選出における各選挙人の投票の有する影響力の平等をも要求するものと解してきているところでございます。
次に、主要国における一票の較差の実情と司法判断の傾向ですが、主要国の下院では、選挙区の定数、選挙区の設定において投票価値の平等が考慮されるのが通例であり、時点は異なるものの、国立国会図書館作成の資料によれば、アメリカでは選挙区間の最大較差は一・八倍、イギリスでは四・七倍、ドイツは一・六倍、フランスでは二・六倍、イタリアでは二・三倍などとなっているようです。また、これらの国のうち、判例上、一票ができる限り等価であることを含む一人一票の原則が確立しているアメリカでは、較差について違憲判決が出されたことがあり、また、フランスでは、各県二人別枠方式につき、憲法院により違憲の判断が示されたことがあるようです。これに対し、イギリスでは司法審査の対象外とされております。
他方、上院については、連邦制、世襲貴族制など構成原理が異なるものが少なくなく、上院で人口比例を取り入れているのは、間接選挙であるフランスや小選挙区比例代表並立制であるイタリアですが、その較差はフランスでは五倍程度、イタリアでは十倍程度といった状況になっているようです。
最後に、最高裁判決が示す較差の許容範囲とその根拠ですが、最高裁は何倍未満といった較差基準は示しておらず、参議院選挙については、投票価値の著しい不平等状態が生じ、かつ、それが相当期間継続しているにもかかわらず、これを是正する措置を講じないことが国会の裁量権の限界を超えると判断される場合には定数配分規定が憲法に違反するとの判断枠組みを示しており、それにより、例えば平成二十六年判決では最大較差四・七七倍を違憲状態、これに対し、平成二十九年判決では三・〇八倍を合憲と判断しているところでございます。
以上でございます。
この発言だけを見る →まず、法の下の平等が一票の較差を問題とする法的根拠ということでございますけれども、最高裁は、選挙権は国民の国政への参加の機会を保障する基本的権利であり、憲法は、その重要性に鑑み、十四条一項の定める法の下の平等の原則の政治の領域における適用として、成年者による普通選挙を保障するとともに、選挙人の資格を差別してはならないものとしているとし、この選挙権の平等原則は、選挙における差別を禁止するにとどまらず、選挙権の内容の平等、すなわち議員の選出における各選挙人の投票の有する影響力の平等をも要求するものと解してきているところでございます。
次に、主要国における一票の較差の実情と司法判断の傾向ですが、主要国の下院では、選挙区の定数、選挙区の設定において投票価値の平等が考慮されるのが通例であり、時点は異なるものの、国立国会図書館作成の資料によれば、アメリカでは選挙区間の最大較差は一・八倍、イギリスでは四・七倍、ドイツは一・六倍、フランスでは二・六倍、イタリアでは二・三倍などとなっているようです。また、これらの国のうち、判例上、一票ができる限り等価であることを含む一人一票の原則が確立しているアメリカでは、較差について違憲判決が出されたことがあり、また、フランスでは、各県二人別枠方式につき、憲法院により違憲の判断が示されたことがあるようです。これに対し、イギリスでは司法審査の対象外とされております。
他方、上院については、連邦制、世襲貴族制など構成原理が異なるものが少なくなく、上院で人口比例を取り入れているのは、間接選挙であるフランスや小選挙区比例代表並立制であるイタリアですが、その較差はフランスでは五倍程度、イタリアでは十倍程度といった状況になっているようです。
最後に、最高裁判決が示す較差の許容範囲とその根拠ですが、最高裁は何倍未満といった較差基準は示しておらず、参議院選挙については、投票価値の著しい不平等状態が生じ、かつ、それが相当期間継続しているにもかかわらず、これを是正する措置を講じないことが国会の裁量権の限界を超えると判断される場合には定数配分規定が憲法に違反するとの判断枠組みを示しており、それにより、例えば平成二十六年判決では最大較差四・七七倍を違憲状態、これに対し、平成二十九年判決では三・〇八倍を合憲と判断しているところでございます。
以上でございます。
大
大塚耕平#25
○大塚耕平君 ありがとうございました。
最高裁の平成二十九年以来の判決において、定数配分を都道府県単位で行うことは不合理ではないという趣旨の判断が示されています。憲法上の三権分立は、相互牽制にこそ意味があります。立法府、行政府の至らざる点は司法府の見識をもって臨むべきである一方、立法府の意思、行政府の責任に及ぶ問題を司法府が明文上の法的根拠がない判断基準をもって是非を示すことは、立法裁量権、行政裁量権の侵害という面もあります。
立法府は、国権の最高機関という憲法上の自らの位置付けを十分に認識し、法的根拠のない司法の判断基準を是とすることなく、自ら運営ルールを確立することが肝要です。
以上申し上げて、国民民主党としての意見とさせていただきます。
この発言だけを見る →最高裁の平成二十九年以来の判決において、定数配分を都道府県単位で行うことは不合理ではないという趣旨の判断が示されています。憲法上の三権分立は、相互牽制にこそ意味があります。立法府、行政府の至らざる点は司法府の見識をもって臨むべきである一方、立法府の意思、行政府の責任に及ぶ問題を司法府が明文上の法的根拠がない判断基準をもって是非を示すことは、立法裁量権、行政裁量権の侵害という面もあります。
立法府は、国権の最高機関という憲法上の自らの位置付けを十分に認識し、法的根拠のない司法の判断基準を是とすることなく、自ら運営ルールを確立することが肝要です。
以上申し上げて、国民民主党としての意見とさせていただきます。
中
山
山添拓#27
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
十月十八日の最高裁判決は、昨年の参院選について、結論は合憲としましたが、現在の定数配分規定をそのままでよしとしたものではありません。
法制局に伺います。
判決が国会に対して求めているのは、投票価値の平等が憲法上の要請であることを前提に較差の更なる是正を図ることであり、合区を解消して都道府県ごとに代表を選べるようにという検討を求めているわけではないと認識していますが、いかがですか。
この発言だけを見る →十月十八日の最高裁判決は、昨年の参院選について、結論は合憲としましたが、現在の定数配分規定をそのままでよしとしたものではありません。
法制局に伺います。
判決が国会に対して求めているのは、投票価値の平等が憲法上の要請であることを前提に較差の更なる是正を図ることであり、合区を解消して都道府県ごとに代表を選べるようにという検討を求めているわけではないと認識していますが、いかがですか。
川
川崎政司#28
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
令和五年判決は、参議院議員選挙について直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難い、立法府においては、較差の更なる是正を図るとともに、これを再び拡大せずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進めることが引き続き求められていると述べ、この前提に立った上で議論を展開しているところでございます。
以上です。
この発言だけを見る →令和五年判決は、参議院議員選挙について直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見出し難い、立法府においては、較差の更なる是正を図るとともに、これを再び拡大せずに持続していくために必要となる方策等について議論し、取組を進めることが引き続き求められていると述べ、この前提に立った上で議論を展開しているところでございます。
以上です。
山
山添拓#29
○山添拓君 判決は、現行の選挙制度の仕組みの抜本的な見直しも含め、較差の更なる是正等を求めています。ですから、国会は、この観点で司法に応えるべきだと考えます。
ところが、その国会の姿勢はどうか。判決は立法府における較差是正の方向性やその姿勢についてどう評価しているでしょうか。三浦裁判官の意見も踏まえて御説明ください。
この発言だけを見る →ところが、その国会の姿勢はどうか。判決は立法府における較差是正の方向性やその姿勢についてどう評価しているでしょうか。三浦裁判官の意見も踏まえて御説明ください。