橋本康彦の発言 (経済産業委員会)

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○橋本参考人 皆さん、おはようございます。
 水素バリューチェーン推進協議会副会長を務めております、川崎重工業株式会社の橋本でございます。
 本日は、水素社会推進法の審議に当たり、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。
 水素バリューチェーン推進協議会は、略しましてJH2Aと以下は呼ばせていただきます、こういった団体でございますが、法人化をしてまだ二年でございますが、メンバーの中には二十年、三十年と水素に関わってきたメンバーもございます。そうしたJH2Aにとりまして、水素社会推進法が国会に提出され、審議される場面にこうした形で参加させていただけるということは、大変な喜びでもありますし、また、それを実行する我々にとっては身の引き締まる思いでもございます。
 我が国にとっての水素社会構築の目的は、第一にはカーボンニュートラルの実現、そしてエネルギー資源の多様化と関連産業の活性化にあるというふうに考えております。こうした目的を、国際競争力と安全、安心を維持向上させながら達成する必要がございます。すなわち、皆さんよく御存じのSプラス三E、これをしっかり実現する、これが大事であると考えております。
 JH2Aは、そうした課題を解決し水素社会構築を加速するために、第一番目に水素の需要創出、二番目には技術革新によるコスト削減、三番目には事業者に対する資金提供、この三つを目的としまして、二〇二〇年十二月に任意団体として、そして二二年の四月に社団法人化いたしました。
 当時は、欧州で水素戦略が策定されるなど世界的に官民による水素の取組が加速されており、それまで水素技術で優位であった日本が競争で抜かれるリスクも実感しておりました。そのため、我が国でも、海外に劣後することなく課題解決に取り組むため、業種横断的な団体、JH2Aを設立した、こういった経緯がございます。
 現在の会員は、水素バリューチェーン、すなわち水素を作る、運ぶ、ためる、使う、この全分野にわたる民間事業者と、自治体の皆様、関連団体、アカデミアの皆様による四百十三社・団体となっております。
 会長には、トヨタ自動車の内山田エグゼクティブフェロー、三井住友フィナンシャルグループの国部会長、そして岩谷産業の牧野会長の三名による共同会長、そしてその下には、副会長として、私、川崎重工から、そして東芝、三井物産、ENEOSから合わせて四名、そして理事二十六名の構成で成立しております。
 JH2Aの中では、五つの委員会を設けまして、メンバー各社から出向者二十名の事務局員を配して、その二十名がサポートしながら活動をいたしております。
 まず、第一の事業化委員会では社会実装プロジェクトの創出と政策支援の実現、規制委員会では規制、制度の解決、CO2フリー委員会では水素の低炭素化推進、渉外委員会では関連団体との渉外、連携及び普及活動、そして金融委員会では資金調達の選択肢の提示に向けた検討、こういったものを進めております。
 水素社会推進法に関連する課題への取組に関しても、幾つか御紹介させていただきます。
 まず、作る分野において、法案にも記載する水素の低炭素化に取り組んでおります。
 カーボンニュートラルに貢献するためには、水素は、製造、流通過程も含むライフサイクルで低炭素、すなわち炭素集約度の低いものでなければならないと考えております。低炭素の基準やその数値の算定方法、認証については、海外でも多く検討されており、水素の輸入が想定される我が国では、そうした議論に積極的に関与していく必要がございます。そのような認識により、ISOでの算定方法の標準化等の国際的議論にも、日本側の意見を反映すべく、積極的に私どもから参画いたしております。
 また、作る分野では、水素の国産もエネルギーセキュリティーの観点から極めて重要であると考えております。そのため、種々の再生可能資源、低炭素資源をお持ちの自治体の皆様とともに国産の電解水素に関する検討も進めさせていただいております。
 二つ目は、国内サプライチェーンに関する取組でございます。
 今回の拠点整備支援によって構築される水素の供給、消費拠点から、さらには全国に向けて水素を供給するためのサプライチェーンの最適化検討、すなわち、どこの需要地や中間地に向けて、どのぐらいの量を、いつ、何によって運ぶのか、それはどれが最適か、こういった課題を皆さんとともに検討を進めております。これは、欧州等で検討が進んでいます水素パイプラインの日本におけるグランドデザイン策定も含んでおります。
 また、輸送部門では、大きな需要が期待できる商用車に対する水素ステーションの最適配置や、農機、建機といった分野でも事業モデルを検討し、事業者の方々のみならず、自治体の皆様とも連携しながら進めている状況でございます。
 三つ目は、大規模供給、利用を達成するための技術課題と法的課題の検討でございます。
 今回の法律でも、国による一元管理や高圧ガス保安法等の特例措置といった形で大きな流れをつくっていただいております。水素の用途は、これまでの工業原料用から、大規模な発電、製鉄、輸送、業務民生用といった大きな広がりを見せております。その新たな役割と技術の進歩に合わせて、しっかりした技術的根拠に基づく法整備が必要というふうに考えております。こうした認識により、液化水素設備、あるいはパイプライン、MCH輸送船、高圧トレーラー、水素品質、電気分解設備、そしてモビリティーの多様化といった様々な項目を課題として挙げて取り組んでおります。
 四番目には、水素ファンドでございます。
 水素ファンドは、JH2A設立時の課題の一つでもある事業者に対する資金提供を実現すべく、検討いたしております。
 今回の計画認定制度でも、価格差支援、拠点整備支援という形で盛り込んでいただいておりますが、水素市場黎明期における需要と供給のギャップを埋めるためには、何らかの対策が必要でございます。
 このギャップに対して、民間側の取組としまして、リスクマネーを提供して、バリューチェーンの構築に寄与することを目的としたものです。現在、会員企業内の投資家候補を中心に、ファンドマーケティングを展開しているところでございます。計画認定制度での支援措置と併せることで、黎明期を乗り切り、水素バリューチェーン事業の自立を達成したいというふうに考えております。
 最後に、水素社会推進法への期待を述べさせていただきます。
 水素社会構築には、水素そのものの低炭素化、需要の創出、適正なコストとプライス、そして安全、安心で身近な水素といった課題を海外と劣後することなく解決する必要があるというふうに考えております。その解決に取り組む旗印としての水素社会推進法の制定、具体的な施策である計画認定制度による価格差支援、拠点整備支援、高圧ガス保安法等の特例措置は、自律的な水素社会の成長を促進するものと大変期待しております。
 当然のことながら、水素社会構築は事業者の努力だけでは達成が不可能でございます。そうした環境において、今回の水素社会推進法は、事業者に低炭素水素の将来ビジネスを行うための予見可能性を高め、我々の活動を大いに加速させる大変有用な法律、制度であると認識しております。
 一方で、欧州や米国でも既に政府の強力な支援策が充実しており、水素社会早期成立に向けた国際間の競争も激しさを増しているところでございます。
 二〇一七年に世界に先駆けて水素基本戦略を策定いただいた日本政府、さらには、燃料電池車や水素エンジン、液化水素運搬船など様々な技術で世界をリードする日本の企業体において、GX移行債活用や規制の合理化を通じて一刻も早く水素社会をつくっていきたいという強い強い思いがございます。そのためには、JH2Aが企業連合を組成する民間側の中核機関としてしっかり機能し、お役に立てるよう、早く、大きく発展していきたいというふうに考えております。
 皆様、御清聴ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 橋本康彦

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日付: 2024-03-29

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会