経済産業委員会
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会
会議録情報#0
令和六年三月二十九日(金曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 岡本 三成君
理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 隼人君
理事 松本 洋平君 理事 山下 貴司君
理事 荒井 優君 理事 山岡 達丸君
理事 守島 正君 理事 中野 洋昌君
井原 巧君 石井 拓君
加藤 竜祥君 神田 憲次君
国光あやの君 鈴木 淳司君
関 芳弘君 冨樫 博之君
中川 貴元君 福田 達夫君
細田 健一君 堀井 学君
宮内 秀樹君 宗清 皇一君
山際大志郎君 吉田 真次君
和田 義明君 若林 健太君
大島 敦君 落合 貴之君
小山 展弘君 重徳 和彦君
田嶋 要君 山崎 誠君
市村浩一郎君 小野 泰輔君
山本 剛正君 吉田 宣弘君
笠井 亮君 鈴木 義弘君
…………………………………
経済産業大臣政務官 石井 拓君
経済産業大臣政務官 吉田 宣弘君
参考人
(九州大学副学長・水素エネルギー国際研究センター長) 佐々木一成君
参考人
(一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会副会長)
(川崎重工業株式会社代表取締役社長執行役員) 橋本 康彦君
参考人
(東京工業大学名誉教授) 柏木 孝夫君
参考人
(特定非営利活動法人気候ネットワーク理事長)
(弁護士) 浅岡 美恵君
経済産業委員会専門員 藤田 和光君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案(内閣提出第一六号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 岡本 三成君
理事 小林 鷹之君 理事 鈴木 隼人君
理事 松本 洋平君 理事 山下 貴司君
理事 荒井 優君 理事 山岡 達丸君
理事 守島 正君 理事 中野 洋昌君
井原 巧君 石井 拓君
加藤 竜祥君 神田 憲次君
国光あやの君 鈴木 淳司君
関 芳弘君 冨樫 博之君
中川 貴元君 福田 達夫君
細田 健一君 堀井 学君
宮内 秀樹君 宗清 皇一君
山際大志郎君 吉田 真次君
和田 義明君 若林 健太君
大島 敦君 落合 貴之君
小山 展弘君 重徳 和彦君
田嶋 要君 山崎 誠君
市村浩一郎君 小野 泰輔君
山本 剛正君 吉田 宣弘君
笠井 亮君 鈴木 義弘君
…………………………………
経済産業大臣政務官 石井 拓君
経済産業大臣政務官 吉田 宣弘君
参考人
(九州大学副学長・水素エネルギー国際研究センター長) 佐々木一成君
参考人
(一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会副会長)
(川崎重工業株式会社代表取締役社長執行役員) 橋本 康彦君
参考人
(東京工業大学名誉教授) 柏木 孝夫君
参考人
(特定非営利活動法人気候ネットワーク理事長)
(弁護士) 浅岡 美恵君
経済産業委員会専門員 藤田 和光君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案(内閣提出第一六号)
――――◇―――――
岡
岡本三成#1
○岡本委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、九州大学副学長・水素エネルギー国際研究センター長佐々木一成さん、一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会副会長、川崎重工業株式会社代表取締役社長執行役員橋本康彦さん、東京工業大学名誉教授柏木孝夫さん、特定非営利活動法人気候ネットワーク理事長、弁護士浅岡美恵さん、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用なところ本委員会に御出席をいただきまして、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。参考人各位の皆様におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきますようにお願い申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず佐々木参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、九州大学副学長・水素エネルギー国際研究センター長佐々木一成さん、一般社団法人水素バリューチェーン推進協議会副会長、川崎重工業株式会社代表取締役社長執行役員橋本康彦さん、東京工業大学名誉教授柏木孝夫さん、特定非営利活動法人気候ネットワーク理事長、弁護士浅岡美恵さん、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用なところ本委員会に御出席をいただきまして、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。参考人各位の皆様におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきますようにお願い申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
それでは、まず佐々木参考人にお願いいたします。
佐
佐々木一成#2
○佐々木参考人 九州大学の佐々木です。
本日は、貴重な機会をいただき、私の方から、「水素社会推進法への期待」と題しまして、この資料を使いまして御説明したいと思います。
私は、三十五年間、水素エネルギーの研究、教育に携わってまいりました。さらに、総合資源エネルギー調査会の水素・アンモニア政策小委員会と脱炭素燃料政策小委員会の委員長も務めさせていただいております。九州大学では大学を挙げてこの水素エネルギーに取り組んでおり、それらの経験も踏まえて御説明申し上げたいと思います。
二ページ目を御覧ください。
これまで、石炭から石油、そして天然ガスに燃料がシフトしてまいりました。ですが、天然ガスですら炭素を含む化石資源でございますので、使ってもCO2を出さない、いわゆる脱炭素燃料を使うことが重要になってまいります。それが、水素や水素キャリアのアンモニアということになります。
ただ、その供給網、いわゆるサプライチェーンをつくるのには、十年、二十年の年月がかかります。分かりやすい例が天然ガスの輸入でございますけれども、それが始まったのが一九六九年でございましたけれども、各御家庭に都市ガスとして供給されるまでに十五年から二十年かかったということがございます。ですので、本法案では低炭素水素等と書かれておりますけれども、水素などの脱炭素燃料が社会全体に使えるようになるまでには、同程度の時間がかかると思われます。まさに、国を挙げてエネルギー転換を着実に進めていく必要がございます。
三ページ目を御覧ください。
脱炭素イノベーションに向けた方向性が二〇一八年の資料に書かれておりますけれども、表の左側に書かれておりますとおり、足し合わせますと、我が国の年間CO2の排出は約十一億トン、当時でございますけれども、その約半分弱が発電時に出る電力由来でございます。再生可能エネルギーを増やし、安全性が確認された原子力発電所を再稼働させたとしても、出力調整のために必要な火力発電は、水素発電で脱炭素することができます。
また、電力部門以外からのCO2排出も大きな課題でございます。運輸、産業、民生の各部門からのCO2排出は日本の全体の半分強でございますけれども、水素やアンモニアが脱炭素燃料や原料として使うことができます。つまり、低炭素水素等は、電力と非電力の両方のカーボンニュートラルに貢献できるということになります。
御存じのとおり、電力は送電網が国内の隅々まで行き渡っておりますけれども、この低炭素水素につきましては供給網はまだございません。本法律案は、まさにその供給網、サプライチェーンづくりを後押しするようなものでございます。
四ページ目を御覧ください。右上にページ数がついております。
技術開発におきましても、水素の位置づけや重要性は認識されてまいりました。これは二〇二〇年の革新的環境イノベーション戦略の概要をまとめた資料でございますけれども、まず、左上にありますように、国内の再エネの利用拡大、これは、多くの国民、そしてここにおられる各党の思いでもあると思います。
しかし、この再エネ電力はまさに変動が激しく、電力系統に入れられない地域や時間帯が増えてきております。私がおります九州でございますけれども、九州のみならず、北海道や東北などの地方圏でも余る再エネが出てきております。それらのエネルギーを捨てるのではなく、水の電気分解で水素にすれば電化が難しい燃料や原料に使える、これが水素の大きな価値でございます。
二つ目でございますけれども、海外で、再エネ電力が安い地域が増えてきております。中東、オーストラリア、北米、チリなどの南米でございますけれども、これらの地域から送電線で再エネ電力を日本まで運んでくるわけにはまいりません。右上にありますように、海外の再エネ電力から水素を作れれば、再エネを船で世界中から日本に運んでくることが可能になります。特に大都市圏の脱炭素化に期待されております。
つまり、水素の大きな価値というのは、国内の再エネをより使いやすくする、そして、世界中の再エネを水素の形で日本に持ってこれるということが言えると思います。
三点目でございますけれども、CO2というごみを捨てられない時代になってまいりました。このCO2を地中に埋めるのが、併せて御審議いただいておりますCCS、カーボン・キャプチャー・アンド・ストレージでございますけれども、CO2を地中に埋めずに、回収して炭素源として使うということもできます。例えばSAFと言われているジェット燃料などの炭化水素燃料を作るときにも、水素が必要になってまいります。
このように、水素は、脱炭素社会の電力、燃料、原料、これを賄うまさに戦略物資と言えると思います。個人的には、GXを支える戦略技術である水素は、DX、デジタルイノベーションを支える戦略技術である半導体にも相当するものだと考えております。
五ページ目を御覧ください。
カーボンニュートラルに向けて、包括的な取組が必要になってまいります。その真ん中下の図に書いておりますように、1の電力の省エネ、2の電源の脱炭素化、3の電化の促進、4の燃料の省エネ、そして5の脱炭素燃料への転換が大事な方向性と言えると思います。水素やアンモニアなどの低炭素水素等は、2の電源の脱炭素化と5の脱炭素燃料への転換、これに大きく貢献するものでございます。
六ページ目を御覧ください。
上側に描かれておりますけれども、水素、アンモニアなどを入れていくことによって、電化が難しい産業部門や運輸部門などの、まさに非電力分野の脱炭素が視野に入ってまいります。
電力では、再エネを増やしてからも必ず残る火力発電でございますけれども、これの燃料を脱炭素燃料である水素、アンモニアに転換していくことで、電力の脱炭素化が可能になります。
資料の一番下に書いておりますけれども、我が国は、二〇三〇年に電源構成の約一%、二〇五〇年には一〇%を水素やアンモニアでの発電に置き換えていくことを掲げております。二〇五〇年には水素を年間二千万トンということでございますけれども、これは、熱量換算いたしますと、ちょうど我々が今メインで使っております天然ガスの約五千万トンぐらいに相当します。昨年の天然ガスの輸入が約六千六百万トンということでございますので、二〇五〇年にはこの脱炭素、低炭素水素等が天然ガスと同じぐらい使われるという世界になるというのがこの目標でございます。
七ページ目を御覧ください。
ちょうど石油ショックが起こった約半世紀前頃から、新エネルギー技術の技術開発を日本はまさにぶれずに着実に進めてまいりました。日本が強い分野でございます。
まずは、効率が低かったエンジンやタービンを効率が高い燃料電池に変えていく研究開発が鋭意進められ、御存じのとおり、家庭用の燃料電池、エネファームや燃料電池自動車などが実用化されたものでございます。
最近は、使っても出てくるものは水だけという水素の大きな価値が高く評価されまして、水素エンジンや水素タービンの開発も着実に進められているところでございます。石炭火力へのアンモニアの混焼にとどまらず、アンモニアの専焼を可能にするタービン技術などの研究開発や実証も現在進められているところでございます。
八ページ目を御覧ください。
CO2を出さない水素循環の社会をつくれるのが、この水素の価値でございます。ただし、他方、環境に優しくても、値段が高いと皆さんに使っていただけないというのがエネルギーでございます。水素などの脱炭素燃料はやはりまだ高いという課題が正直ございます。一立方メートルの水素が大体百円ぐらいで、セダンタイプのハイブリッド車と水素燃料電池自動車の燃料代が同じぐらいになるということで、水素で走る乗用車が実用化しているということであります。
今後、二〇二〇年代には水素で走るトラックやバスなどの商用車、そして二〇三〇年には水素発電が始まる予定です。さらに、化学工業や製鉄などの脱炭素化が難しい産業分野で、まさに脱炭素燃料や原料が今後必要になってまいります。
本法律案は、脱炭素燃料、原料の本格導入を包括的に後押しする、まさに歴史に残る画期的な法律と言えると思います。
九ページ目を御覧ください。
社会実装に向けた取組も鋭意進められております。例えば、昨年開催されましたジャパンモビリティーショー、私も伺いましたけれども、水素で走るトラック、海外勢の水素燃料電池自動車、首都圏で実証されている水素列車が展示されておりました。
十ページ目を御覧ください。
字が細かい資料で大変恐縮ですけれども、我が国が水素社会構築への取組を加速するために、水素基本戦略を昨年改定したところでございます。
二〇四〇年の目標を掲げたこと、そして水素で、技術開発で勝ってビジネスでも勝つことを明言しております。作る、運ぶ、使うための技術開発を着実に進めるとともに、左下に書いておりますように、大規模サプライチェーンをきっちりつくっていくということが基本戦略に明記されております。
他方、国際競争は激化しております。右下に書かれておりますけれども、アメリカでは、御存じのとおり、インフレ抑制法の下で五十兆円規模の予算を用意されておるということは御存じだと思いますし、水素を含む戦略分野でその予算を確保しているところでございます。欧州も、グリーンディールとして、グリーン投資基金などを設立して兆円単位の予算を考えています。カーボンニュートラルに向けて日本が世界と伍していく非常に大事なタイミングで、この法律がまさに出されたということになります。
十一ページ目を御覧ください。
水素関連の小委員会の中では、約二年前から我が国のあるべき制度について包括的な議論を進めてまいりました。その一つが、価格差に着目した支援でございます。
真ん中の下ぐらいに書かれておりますけれども、低炭素水素等を作る際にどの程度CO2が排出されたかを意味する、いわゆるカーボンインテンシティー、炭素集約度を国際的な指標といたしまして低炭素水素等を入れていくことが明記されておるところであります。海外でも、ドイツ、イギリス、EUで同等の制度がスタートしておりますし、フランスでも検討されていると伺っております。
二つ目でございますけれども、水素やアンモニアなどの供給網を、供給側がインフラをつくっても、利用をする側が途中で使うのをやめてしまうと、国全体といたしましては無駄な投資になってしまいます。ですので、供給者と利用者が連名で一体的な事業計画を作っていただくこと、これが大事なポイントになってまいります。これによって、いわゆる鶏と卵のどっちが先かという議論を超えて、低炭素水素を着実に皆さんで力を合わせて社会に入れていけるようになると思います。
さらに、三点目のポイントといたしまして、二〇三〇年までの供給を始めていただくとともに、例えば、十五年間の国の支援の後に十年間自立して供給を続けていただくということを考えております。つまり、今年、二〇二四年に法律ができて、これから制度が始まりますと、我が国がカーボンニュートラルを達成する二〇五〇年までの脱炭素燃料の導入のレールを引く、日本のエネルギーの市場の歴史の中でも非常に重要な法律になると考えております。
十二ページ目に、本法律の大事な点を私なりにまとめてみました。
この法律は、二〇五〇年までの脱炭素燃料普及のレールをきっちり引き、事業者や地域の背中を押す法律だと言えます。値差支援で脱炭素燃料を使いやすくし、拠点整備によってコンビナート等での地域の雇用確保や産業の脱炭素転換を後押しすることができます。燃料や原料のグリーン化を進めることでカーボンニュートラルな製品を世界中に輸出しやすくなります。四番目が、国が保安を主導するところです。安全、安心を自治体任せにせず、国がきっちり汗をかくというところがポイントと考えております。
もちろん、法律制定後も不断の努力が必要です。国内の再エネをより使いやすくできれば、国産水素が増え、エネルギー自給率も上げることができます。さらに、国際競争が激化する中で、スピード感とスケール感、これを持って進めていく必要がございます。さらに、安全はもちろん、安心のための社会受容性向上を不断に進めることが、これはあらゆるエネルギー分野で重要でございますし、低炭素水素等も同じでございます。
十三ページ目に、一例といたしまして、社会受容性向上への私どもの九州大学の取組を示させていただきました。九州大学の伊都キャンパスには二〇〇五年から水素ステーションがあり、多くの方に水素自動車に乗っていただいたり、水素ステーションの外も中も全て見ていただいております。我々は水素キャンパスと呼んでおりますけれども、お時間がありましたら是非御視察いただければ幸いでございます。
最後の十四ページ目にありますように、時間は正直かかりますけれども、低炭素水素は脱炭素社会を回せる燃料になります。エネルギーや環境、経済社会の在り方も大きく変えるポテンシャルがございます。他方、低コスト化や、長期にわたる技術開発や普及戦略、そして社会受容性も重要でございます。
水素関連の小委員会、審議会では、そのような議論をオープンに行ってまいりました。詳細はユーチューブ動画で全て見られるようになっております。是非、お時間があったら御覧いただければ幸いでございます。
私からは以上です。御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、貴重な機会をいただき、私の方から、「水素社会推進法への期待」と題しまして、この資料を使いまして御説明したいと思います。
私は、三十五年間、水素エネルギーの研究、教育に携わってまいりました。さらに、総合資源エネルギー調査会の水素・アンモニア政策小委員会と脱炭素燃料政策小委員会の委員長も務めさせていただいております。九州大学では大学を挙げてこの水素エネルギーに取り組んでおり、それらの経験も踏まえて御説明申し上げたいと思います。
二ページ目を御覧ください。
これまで、石炭から石油、そして天然ガスに燃料がシフトしてまいりました。ですが、天然ガスですら炭素を含む化石資源でございますので、使ってもCO2を出さない、いわゆる脱炭素燃料を使うことが重要になってまいります。それが、水素や水素キャリアのアンモニアということになります。
ただ、その供給網、いわゆるサプライチェーンをつくるのには、十年、二十年の年月がかかります。分かりやすい例が天然ガスの輸入でございますけれども、それが始まったのが一九六九年でございましたけれども、各御家庭に都市ガスとして供給されるまでに十五年から二十年かかったということがございます。ですので、本法案では低炭素水素等と書かれておりますけれども、水素などの脱炭素燃料が社会全体に使えるようになるまでには、同程度の時間がかかると思われます。まさに、国を挙げてエネルギー転換を着実に進めていく必要がございます。
三ページ目を御覧ください。
脱炭素イノベーションに向けた方向性が二〇一八年の資料に書かれておりますけれども、表の左側に書かれておりますとおり、足し合わせますと、我が国の年間CO2の排出は約十一億トン、当時でございますけれども、その約半分弱が発電時に出る電力由来でございます。再生可能エネルギーを増やし、安全性が確認された原子力発電所を再稼働させたとしても、出力調整のために必要な火力発電は、水素発電で脱炭素することができます。
また、電力部門以外からのCO2排出も大きな課題でございます。運輸、産業、民生の各部門からのCO2排出は日本の全体の半分強でございますけれども、水素やアンモニアが脱炭素燃料や原料として使うことができます。つまり、低炭素水素等は、電力と非電力の両方のカーボンニュートラルに貢献できるということになります。
御存じのとおり、電力は送電網が国内の隅々まで行き渡っておりますけれども、この低炭素水素につきましては供給網はまだございません。本法律案は、まさにその供給網、サプライチェーンづくりを後押しするようなものでございます。
四ページ目を御覧ください。右上にページ数がついております。
技術開発におきましても、水素の位置づけや重要性は認識されてまいりました。これは二〇二〇年の革新的環境イノベーション戦略の概要をまとめた資料でございますけれども、まず、左上にありますように、国内の再エネの利用拡大、これは、多くの国民、そしてここにおられる各党の思いでもあると思います。
しかし、この再エネ電力はまさに変動が激しく、電力系統に入れられない地域や時間帯が増えてきております。私がおります九州でございますけれども、九州のみならず、北海道や東北などの地方圏でも余る再エネが出てきております。それらのエネルギーを捨てるのではなく、水の電気分解で水素にすれば電化が難しい燃料や原料に使える、これが水素の大きな価値でございます。
二つ目でございますけれども、海外で、再エネ電力が安い地域が増えてきております。中東、オーストラリア、北米、チリなどの南米でございますけれども、これらの地域から送電線で再エネ電力を日本まで運んでくるわけにはまいりません。右上にありますように、海外の再エネ電力から水素を作れれば、再エネを船で世界中から日本に運んでくることが可能になります。特に大都市圏の脱炭素化に期待されております。
つまり、水素の大きな価値というのは、国内の再エネをより使いやすくする、そして、世界中の再エネを水素の形で日本に持ってこれるということが言えると思います。
三点目でございますけれども、CO2というごみを捨てられない時代になってまいりました。このCO2を地中に埋めるのが、併せて御審議いただいておりますCCS、カーボン・キャプチャー・アンド・ストレージでございますけれども、CO2を地中に埋めずに、回収して炭素源として使うということもできます。例えばSAFと言われているジェット燃料などの炭化水素燃料を作るときにも、水素が必要になってまいります。
このように、水素は、脱炭素社会の電力、燃料、原料、これを賄うまさに戦略物資と言えると思います。個人的には、GXを支える戦略技術である水素は、DX、デジタルイノベーションを支える戦略技術である半導体にも相当するものだと考えております。
五ページ目を御覧ください。
カーボンニュートラルに向けて、包括的な取組が必要になってまいります。その真ん中下の図に書いておりますように、1の電力の省エネ、2の電源の脱炭素化、3の電化の促進、4の燃料の省エネ、そして5の脱炭素燃料への転換が大事な方向性と言えると思います。水素やアンモニアなどの低炭素水素等は、2の電源の脱炭素化と5の脱炭素燃料への転換、これに大きく貢献するものでございます。
六ページ目を御覧ください。
上側に描かれておりますけれども、水素、アンモニアなどを入れていくことによって、電化が難しい産業部門や運輸部門などの、まさに非電力分野の脱炭素が視野に入ってまいります。
電力では、再エネを増やしてからも必ず残る火力発電でございますけれども、これの燃料を脱炭素燃料である水素、アンモニアに転換していくことで、電力の脱炭素化が可能になります。
資料の一番下に書いておりますけれども、我が国は、二〇三〇年に電源構成の約一%、二〇五〇年には一〇%を水素やアンモニアでの発電に置き換えていくことを掲げております。二〇五〇年には水素を年間二千万トンということでございますけれども、これは、熱量換算いたしますと、ちょうど我々が今メインで使っております天然ガスの約五千万トンぐらいに相当します。昨年の天然ガスの輸入が約六千六百万トンということでございますので、二〇五〇年にはこの脱炭素、低炭素水素等が天然ガスと同じぐらい使われるという世界になるというのがこの目標でございます。
七ページ目を御覧ください。
ちょうど石油ショックが起こった約半世紀前頃から、新エネルギー技術の技術開発を日本はまさにぶれずに着実に進めてまいりました。日本が強い分野でございます。
まずは、効率が低かったエンジンやタービンを効率が高い燃料電池に変えていく研究開発が鋭意進められ、御存じのとおり、家庭用の燃料電池、エネファームや燃料電池自動車などが実用化されたものでございます。
最近は、使っても出てくるものは水だけという水素の大きな価値が高く評価されまして、水素エンジンや水素タービンの開発も着実に進められているところでございます。石炭火力へのアンモニアの混焼にとどまらず、アンモニアの専焼を可能にするタービン技術などの研究開発や実証も現在進められているところでございます。
八ページ目を御覧ください。
CO2を出さない水素循環の社会をつくれるのが、この水素の価値でございます。ただし、他方、環境に優しくても、値段が高いと皆さんに使っていただけないというのがエネルギーでございます。水素などの脱炭素燃料はやはりまだ高いという課題が正直ございます。一立方メートルの水素が大体百円ぐらいで、セダンタイプのハイブリッド車と水素燃料電池自動車の燃料代が同じぐらいになるということで、水素で走る乗用車が実用化しているということであります。
今後、二〇二〇年代には水素で走るトラックやバスなどの商用車、そして二〇三〇年には水素発電が始まる予定です。さらに、化学工業や製鉄などの脱炭素化が難しい産業分野で、まさに脱炭素燃料や原料が今後必要になってまいります。
本法律案は、脱炭素燃料、原料の本格導入を包括的に後押しする、まさに歴史に残る画期的な法律と言えると思います。
九ページ目を御覧ください。
社会実装に向けた取組も鋭意進められております。例えば、昨年開催されましたジャパンモビリティーショー、私も伺いましたけれども、水素で走るトラック、海外勢の水素燃料電池自動車、首都圏で実証されている水素列車が展示されておりました。
十ページ目を御覧ください。
字が細かい資料で大変恐縮ですけれども、我が国が水素社会構築への取組を加速するために、水素基本戦略を昨年改定したところでございます。
二〇四〇年の目標を掲げたこと、そして水素で、技術開発で勝ってビジネスでも勝つことを明言しております。作る、運ぶ、使うための技術開発を着実に進めるとともに、左下に書いておりますように、大規模サプライチェーンをきっちりつくっていくということが基本戦略に明記されております。
他方、国際競争は激化しております。右下に書かれておりますけれども、アメリカでは、御存じのとおり、インフレ抑制法の下で五十兆円規模の予算を用意されておるということは御存じだと思いますし、水素を含む戦略分野でその予算を確保しているところでございます。欧州も、グリーンディールとして、グリーン投資基金などを設立して兆円単位の予算を考えています。カーボンニュートラルに向けて日本が世界と伍していく非常に大事なタイミングで、この法律がまさに出されたということになります。
十一ページ目を御覧ください。
水素関連の小委員会の中では、約二年前から我が国のあるべき制度について包括的な議論を進めてまいりました。その一つが、価格差に着目した支援でございます。
真ん中の下ぐらいに書かれておりますけれども、低炭素水素等を作る際にどの程度CO2が排出されたかを意味する、いわゆるカーボンインテンシティー、炭素集約度を国際的な指標といたしまして低炭素水素等を入れていくことが明記されておるところであります。海外でも、ドイツ、イギリス、EUで同等の制度がスタートしておりますし、フランスでも検討されていると伺っております。
二つ目でございますけれども、水素やアンモニアなどの供給網を、供給側がインフラをつくっても、利用をする側が途中で使うのをやめてしまうと、国全体といたしましては無駄な投資になってしまいます。ですので、供給者と利用者が連名で一体的な事業計画を作っていただくこと、これが大事なポイントになってまいります。これによって、いわゆる鶏と卵のどっちが先かという議論を超えて、低炭素水素を着実に皆さんで力を合わせて社会に入れていけるようになると思います。
さらに、三点目のポイントといたしまして、二〇三〇年までの供給を始めていただくとともに、例えば、十五年間の国の支援の後に十年間自立して供給を続けていただくということを考えております。つまり、今年、二〇二四年に法律ができて、これから制度が始まりますと、我が国がカーボンニュートラルを達成する二〇五〇年までの脱炭素燃料の導入のレールを引く、日本のエネルギーの市場の歴史の中でも非常に重要な法律になると考えております。
十二ページ目に、本法律の大事な点を私なりにまとめてみました。
この法律は、二〇五〇年までの脱炭素燃料普及のレールをきっちり引き、事業者や地域の背中を押す法律だと言えます。値差支援で脱炭素燃料を使いやすくし、拠点整備によってコンビナート等での地域の雇用確保や産業の脱炭素転換を後押しすることができます。燃料や原料のグリーン化を進めることでカーボンニュートラルな製品を世界中に輸出しやすくなります。四番目が、国が保安を主導するところです。安全、安心を自治体任せにせず、国がきっちり汗をかくというところがポイントと考えております。
もちろん、法律制定後も不断の努力が必要です。国内の再エネをより使いやすくできれば、国産水素が増え、エネルギー自給率も上げることができます。さらに、国際競争が激化する中で、スピード感とスケール感、これを持って進めていく必要がございます。さらに、安全はもちろん、安心のための社会受容性向上を不断に進めることが、これはあらゆるエネルギー分野で重要でございますし、低炭素水素等も同じでございます。
十三ページ目に、一例といたしまして、社会受容性向上への私どもの九州大学の取組を示させていただきました。九州大学の伊都キャンパスには二〇〇五年から水素ステーションがあり、多くの方に水素自動車に乗っていただいたり、水素ステーションの外も中も全て見ていただいております。我々は水素キャンパスと呼んでおりますけれども、お時間がありましたら是非御視察いただければ幸いでございます。
最後の十四ページ目にありますように、時間は正直かかりますけれども、低炭素水素は脱炭素社会を回せる燃料になります。エネルギーや環境、経済社会の在り方も大きく変えるポテンシャルがございます。他方、低コスト化や、長期にわたる技術開発や普及戦略、そして社会受容性も重要でございます。
水素関連の小委員会、審議会では、そのような議論をオープンに行ってまいりました。詳細はユーチューブ動画で全て見られるようになっております。是非、お時間があったら御覧いただければ幸いでございます。
私からは以上です。御清聴ありがとうございました。拍手
岡
橋
橋本康彦#4
○橋本参考人 皆さん、おはようございます。
水素バリューチェーン推進協議会副会長を務めております、川崎重工業株式会社の橋本でございます。
本日は、水素社会推進法の審議に当たり、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。
水素バリューチェーン推進協議会は、略しましてJH2Aと以下は呼ばせていただきます、こういった団体でございますが、法人化をしてまだ二年でございますが、メンバーの中には二十年、三十年と水素に関わってきたメンバーもございます。そうしたJH2Aにとりまして、水素社会推進法が国会に提出され、審議される場面にこうした形で参加させていただけるということは、大変な喜びでもありますし、また、それを実行する我々にとっては身の引き締まる思いでもございます。
我が国にとっての水素社会構築の目的は、第一にはカーボンニュートラルの実現、そしてエネルギー資源の多様化と関連産業の活性化にあるというふうに考えております。こうした目的を、国際競争力と安全、安心を維持向上させながら達成する必要がございます。すなわち、皆さんよく御存じのSプラス三E、これをしっかり実現する、これが大事であると考えております。
JH2Aは、そうした課題を解決し水素社会構築を加速するために、第一番目に水素の需要創出、二番目には技術革新によるコスト削減、三番目には事業者に対する資金提供、この三つを目的としまして、二〇二〇年十二月に任意団体として、そして二二年の四月に社団法人化いたしました。
当時は、欧州で水素戦略が策定されるなど世界的に官民による水素の取組が加速されており、それまで水素技術で優位であった日本が競争で抜かれるリスクも実感しておりました。そのため、我が国でも、海外に劣後することなく課題解決に取り組むため、業種横断的な団体、JH2Aを設立した、こういった経緯がございます。
現在の会員は、水素バリューチェーン、すなわち水素を作る、運ぶ、ためる、使う、この全分野にわたる民間事業者と、自治体の皆様、関連団体、アカデミアの皆様による四百十三社・団体となっております。
会長には、トヨタ自動車の内山田エグゼクティブフェロー、三井住友フィナンシャルグループの国部会長、そして岩谷産業の牧野会長の三名による共同会長、そしてその下には、副会長として、私、川崎重工から、そして東芝、三井物産、ENEOSから合わせて四名、そして理事二十六名の構成で成立しております。
JH2Aの中では、五つの委員会を設けまして、メンバー各社から出向者二十名の事務局員を配して、その二十名がサポートしながら活動をいたしております。
まず、第一の事業化委員会では社会実装プロジェクトの創出と政策支援の実現、規制委員会では規制、制度の解決、CO2フリー委員会では水素の低炭素化推進、渉外委員会では関連団体との渉外、連携及び普及活動、そして金融委員会では資金調達の選択肢の提示に向けた検討、こういったものを進めております。
水素社会推進法に関連する課題への取組に関しても、幾つか御紹介させていただきます。
まず、作る分野において、法案にも記載する水素の低炭素化に取り組んでおります。
カーボンニュートラルに貢献するためには、水素は、製造、流通過程も含むライフサイクルで低炭素、すなわち炭素集約度の低いものでなければならないと考えております。低炭素の基準やその数値の算定方法、認証については、海外でも多く検討されており、水素の輸入が想定される我が国では、そうした議論に積極的に関与していく必要がございます。そのような認識により、ISOでの算定方法の標準化等の国際的議論にも、日本側の意見を反映すべく、積極的に私どもから参画いたしております。
また、作る分野では、水素の国産もエネルギーセキュリティーの観点から極めて重要であると考えております。そのため、種々の再生可能資源、低炭素資源をお持ちの自治体の皆様とともに国産の電解水素に関する検討も進めさせていただいております。
二つ目は、国内サプライチェーンに関する取組でございます。
今回の拠点整備支援によって構築される水素の供給、消費拠点から、さらには全国に向けて水素を供給するためのサプライチェーンの最適化検討、すなわち、どこの需要地や中間地に向けて、どのぐらいの量を、いつ、何によって運ぶのか、それはどれが最適か、こういった課題を皆さんとともに検討を進めております。これは、欧州等で検討が進んでいます水素パイプラインの日本におけるグランドデザイン策定も含んでおります。
また、輸送部門では、大きな需要が期待できる商用車に対する水素ステーションの最適配置や、農機、建機といった分野でも事業モデルを検討し、事業者の方々のみならず、自治体の皆様とも連携しながら進めている状況でございます。
三つ目は、大規模供給、利用を達成するための技術課題と法的課題の検討でございます。
今回の法律でも、国による一元管理や高圧ガス保安法等の特例措置といった形で大きな流れをつくっていただいております。水素の用途は、これまでの工業原料用から、大規模な発電、製鉄、輸送、業務民生用といった大きな広がりを見せております。その新たな役割と技術の進歩に合わせて、しっかりした技術的根拠に基づく法整備が必要というふうに考えております。こうした認識により、液化水素設備、あるいはパイプライン、MCH輸送船、高圧トレーラー、水素品質、電気分解設備、そしてモビリティーの多様化といった様々な項目を課題として挙げて取り組んでおります。
四番目には、水素ファンドでございます。
水素ファンドは、JH2A設立時の課題の一つでもある事業者に対する資金提供を実現すべく、検討いたしております。
今回の計画認定制度でも、価格差支援、拠点整備支援という形で盛り込んでいただいておりますが、水素市場黎明期における需要と供給のギャップを埋めるためには、何らかの対策が必要でございます。
このギャップに対して、民間側の取組としまして、リスクマネーを提供して、バリューチェーンの構築に寄与することを目的としたものです。現在、会員企業内の投資家候補を中心に、ファンドマーケティングを展開しているところでございます。計画認定制度での支援措置と併せることで、黎明期を乗り切り、水素バリューチェーン事業の自立を達成したいというふうに考えております。
最後に、水素社会推進法への期待を述べさせていただきます。
水素社会構築には、水素そのものの低炭素化、需要の創出、適正なコストとプライス、そして安全、安心で身近な水素といった課題を海外と劣後することなく解決する必要があるというふうに考えております。その解決に取り組む旗印としての水素社会推進法の制定、具体的な施策である計画認定制度による価格差支援、拠点整備支援、高圧ガス保安法等の特例措置は、自律的な水素社会の成長を促進するものと大変期待しております。
当然のことながら、水素社会構築は事業者の努力だけでは達成が不可能でございます。そうした環境において、今回の水素社会推進法は、事業者に低炭素水素の将来ビジネスを行うための予見可能性を高め、我々の活動を大いに加速させる大変有用な法律、制度であると認識しております。
一方で、欧州や米国でも既に政府の強力な支援策が充実しており、水素社会早期成立に向けた国際間の競争も激しさを増しているところでございます。
二〇一七年に世界に先駆けて水素基本戦略を策定いただいた日本政府、さらには、燃料電池車や水素エンジン、液化水素運搬船など様々な技術で世界をリードする日本の企業体において、GX移行債活用や規制の合理化を通じて一刻も早く水素社会をつくっていきたいという強い強い思いがございます。そのためには、JH2Aが企業連合を組成する民間側の中核機関としてしっかり機能し、お役に立てるよう、早く、大きく発展していきたいというふうに考えております。
皆様、御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →水素バリューチェーン推進協議会副会長を務めております、川崎重工業株式会社の橋本でございます。
本日は、水素社会推進法の審議に当たり、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。
水素バリューチェーン推進協議会は、略しましてJH2Aと以下は呼ばせていただきます、こういった団体でございますが、法人化をしてまだ二年でございますが、メンバーの中には二十年、三十年と水素に関わってきたメンバーもございます。そうしたJH2Aにとりまして、水素社会推進法が国会に提出され、審議される場面にこうした形で参加させていただけるということは、大変な喜びでもありますし、また、それを実行する我々にとっては身の引き締まる思いでもございます。
我が国にとっての水素社会構築の目的は、第一にはカーボンニュートラルの実現、そしてエネルギー資源の多様化と関連産業の活性化にあるというふうに考えております。こうした目的を、国際競争力と安全、安心を維持向上させながら達成する必要がございます。すなわち、皆さんよく御存じのSプラス三E、これをしっかり実現する、これが大事であると考えております。
JH2Aは、そうした課題を解決し水素社会構築を加速するために、第一番目に水素の需要創出、二番目には技術革新によるコスト削減、三番目には事業者に対する資金提供、この三つを目的としまして、二〇二〇年十二月に任意団体として、そして二二年の四月に社団法人化いたしました。
当時は、欧州で水素戦略が策定されるなど世界的に官民による水素の取組が加速されており、それまで水素技術で優位であった日本が競争で抜かれるリスクも実感しておりました。そのため、我が国でも、海外に劣後することなく課題解決に取り組むため、業種横断的な団体、JH2Aを設立した、こういった経緯がございます。
現在の会員は、水素バリューチェーン、すなわち水素を作る、運ぶ、ためる、使う、この全分野にわたる民間事業者と、自治体の皆様、関連団体、アカデミアの皆様による四百十三社・団体となっております。
会長には、トヨタ自動車の内山田エグゼクティブフェロー、三井住友フィナンシャルグループの国部会長、そして岩谷産業の牧野会長の三名による共同会長、そしてその下には、副会長として、私、川崎重工から、そして東芝、三井物産、ENEOSから合わせて四名、そして理事二十六名の構成で成立しております。
JH2Aの中では、五つの委員会を設けまして、メンバー各社から出向者二十名の事務局員を配して、その二十名がサポートしながら活動をいたしております。
まず、第一の事業化委員会では社会実装プロジェクトの創出と政策支援の実現、規制委員会では規制、制度の解決、CO2フリー委員会では水素の低炭素化推進、渉外委員会では関連団体との渉外、連携及び普及活動、そして金融委員会では資金調達の選択肢の提示に向けた検討、こういったものを進めております。
水素社会推進法に関連する課題への取組に関しても、幾つか御紹介させていただきます。
まず、作る分野において、法案にも記載する水素の低炭素化に取り組んでおります。
カーボンニュートラルに貢献するためには、水素は、製造、流通過程も含むライフサイクルで低炭素、すなわち炭素集約度の低いものでなければならないと考えております。低炭素の基準やその数値の算定方法、認証については、海外でも多く検討されており、水素の輸入が想定される我が国では、そうした議論に積極的に関与していく必要がございます。そのような認識により、ISOでの算定方法の標準化等の国際的議論にも、日本側の意見を反映すべく、積極的に私どもから参画いたしております。
また、作る分野では、水素の国産もエネルギーセキュリティーの観点から極めて重要であると考えております。そのため、種々の再生可能資源、低炭素資源をお持ちの自治体の皆様とともに国産の電解水素に関する検討も進めさせていただいております。
二つ目は、国内サプライチェーンに関する取組でございます。
今回の拠点整備支援によって構築される水素の供給、消費拠点から、さらには全国に向けて水素を供給するためのサプライチェーンの最適化検討、すなわち、どこの需要地や中間地に向けて、どのぐらいの量を、いつ、何によって運ぶのか、それはどれが最適か、こういった課題を皆さんとともに検討を進めております。これは、欧州等で検討が進んでいます水素パイプラインの日本におけるグランドデザイン策定も含んでおります。
また、輸送部門では、大きな需要が期待できる商用車に対する水素ステーションの最適配置や、農機、建機といった分野でも事業モデルを検討し、事業者の方々のみならず、自治体の皆様とも連携しながら進めている状況でございます。
三つ目は、大規模供給、利用を達成するための技術課題と法的課題の検討でございます。
今回の法律でも、国による一元管理や高圧ガス保安法等の特例措置といった形で大きな流れをつくっていただいております。水素の用途は、これまでの工業原料用から、大規模な発電、製鉄、輸送、業務民生用といった大きな広がりを見せております。その新たな役割と技術の進歩に合わせて、しっかりした技術的根拠に基づく法整備が必要というふうに考えております。こうした認識により、液化水素設備、あるいはパイプライン、MCH輸送船、高圧トレーラー、水素品質、電気分解設備、そしてモビリティーの多様化といった様々な項目を課題として挙げて取り組んでおります。
四番目には、水素ファンドでございます。
水素ファンドは、JH2A設立時の課題の一つでもある事業者に対する資金提供を実現すべく、検討いたしております。
今回の計画認定制度でも、価格差支援、拠点整備支援という形で盛り込んでいただいておりますが、水素市場黎明期における需要と供給のギャップを埋めるためには、何らかの対策が必要でございます。
このギャップに対して、民間側の取組としまして、リスクマネーを提供して、バリューチェーンの構築に寄与することを目的としたものです。現在、会員企業内の投資家候補を中心に、ファンドマーケティングを展開しているところでございます。計画認定制度での支援措置と併せることで、黎明期を乗り切り、水素バリューチェーン事業の自立を達成したいというふうに考えております。
最後に、水素社会推進法への期待を述べさせていただきます。
水素社会構築には、水素そのものの低炭素化、需要の創出、適正なコストとプライス、そして安全、安心で身近な水素といった課題を海外と劣後することなく解決する必要があるというふうに考えております。その解決に取り組む旗印としての水素社会推進法の制定、具体的な施策である計画認定制度による価格差支援、拠点整備支援、高圧ガス保安法等の特例措置は、自律的な水素社会の成長を促進するものと大変期待しております。
当然のことながら、水素社会構築は事業者の努力だけでは達成が不可能でございます。そうした環境において、今回の水素社会推進法は、事業者に低炭素水素の将来ビジネスを行うための予見可能性を高め、我々の活動を大いに加速させる大変有用な法律、制度であると認識しております。
一方で、欧州や米国でも既に政府の強力な支援策が充実しており、水素社会早期成立に向けた国際間の競争も激しさを増しているところでございます。
二〇一七年に世界に先駆けて水素基本戦略を策定いただいた日本政府、さらには、燃料電池車や水素エンジン、液化水素運搬船など様々な技術で世界をリードする日本の企業体において、GX移行債活用や規制の合理化を通じて一刻も早く水素社会をつくっていきたいという強い強い思いがございます。そのためには、JH2Aが企業連合を組成する民間側の中核機関としてしっかり機能し、お役に立てるよう、早く、大きく発展していきたいというふうに考えております。
皆様、御清聴ありがとうございました。拍手
岡
柏
柏木孝夫#6
○柏木参考人 御紹介いただきました、東京工業大学の名誉教授をしております柏木でございます。よろしく、どうも。
まず最初に、なぜカーボンニュートラルが出てきたのか。これはやはりパリ協定まで遡ることになります。
パリ協定、最初は二度上昇ぐらい、二度上昇というのは、産業革命から二一〇〇年、今世紀末までに、平均気温が変化するんですけれども、平均気温の上昇が二度と。我々、最初は二度上昇ぐらいでいいだろうと思っておりましたけれども、IPCCの見解であるとか、医師の見解であるとか、医学部系の論文だとか、いろいろなことを読みますと、やはり一・五度上昇ぐらい以下に抑えないと、どうも人体がそれに追随できないと。要するに、マラリアがわっと来るとか、ウイルスがもっとはやってくるとか、やはり非常に大きな問題になるので、人ありきだ、生体ありきだ、人体ありきだということで、じゃ、一・五度上昇でいこうじゃないかと。
そのためには、やはり先進国と発展途上国では格差がありますから、先進国が見本として二〇五〇年カーボンニュートラリティーを達成する、このノウハウをきちっとした上でそれを発展途上国に移していく、こういう考え方が非常に重要になってくるというふうに私は思っております。まずは、一・五度上昇ということが先進国の中でコンセンサスが得られたのが大体二〇一八年、一九年ぐらいでしょうか。
二〇年頃、諸外国はこぞってこのカーボンニュートラルというコンセプトを出しています。それで、じゃ、カーボンニュートラルを達成するためにはどうすればいいかというと、これはもう先生方よく御存じのGX、グリーントランスフォーメーションで化石から非化石の流れをつくり出すことだと。これは、非化石の中にも、再生可能エネルギーはありますし、もちろん原子力もありますし、いろいろなものがあるというふうに考えてよろしいと思います。GXを達成するためには、もちろんDXと一緒にならないと。日本はちょっとDXが遅れていますから、これを頑張らないと、幾ら頑張ってもGXは進まないということになりますから、これを一体化して捉えるということが一つ大事なことなんです。
いずれにしましても、GXを達成するための手法として、私は三ついつも挙げているんですよ。
一つが、即効性のある省エネルギー。省エネルギーをばかにしちゃいけません。省エネルギーは即効性がありますから。
それから、その次が、電力がこれからやはりゼロエミッション型の電力にどんどん移っていくことになりますので、そう考えますと、いろいろなものを電化すればゼロエミッションに近づいてきてカーボンニュートラルに近づけられるということで、電化。これは一番分かりやすく言うと、やはり車でしょうね。燃焼してCO2を出している車を電化にしていく、あるいはFCVにしていく、水素にしていく、こういうことが極めて重要な電化ですね。
三つ目が、やはり再生可能エネルギーは増えていく。もちろん、世界の中でも日本の中でも増えるのは、限界費用がゼロに近い太陽光と風車ですよ。
地熱が今〇・三%しか入っていませんから、これを二〇三〇年で一%、元を三倍まで持ってこれるかということですね。なかなかこれはそう簡単なものじゃなくて、今、太陽光が一割ぐらい入ってきましたでしょうか、一〇%。これを二〇三〇年で一五%まで持っていきたいと我々は思っています。
もちろん、風車は、もう国内で陸地内だとなかなか大きなものができませんので、洋上でうまく造っていけば稼働率もいいし、そういう意味では、風車が大体今〇・九%、一%弱入っているものを五%まで持っていく。これは大変なことです。だから、洋上風力をやるとか、あるいは、太陽光はペロブスカイトの新しい技術開発をやるということが極めて重要。技術開発はもちろん重要。
ただ、日本は、技術開発は重要だということは誰でもオーケーするんですよね。ところが、ビジネスモデルに関してはどうも欧米にやられっ放しで、技術で勝ってビジネスモデルで負けるという場合がありますので、それがないような形に持ってこないと、特に水素に関しては今用意ドンで始まっていますから、ここは非常に重要になってくるというふうに私は思っています。
日本のこの水素の流れについてずっと考えてみますと、まず、日本は技術に関してはすごかったですよ。どういうことをやったかというと、まず、二〇〇九年にエネファーム、設置型の七百ワットの燃料電池、これを商品化ですから。商品化ということは、万が一のことがあってリコールになれば大きなダメージを受けることになりますから、なかなか商品化はできません。リースモデルにするとかという話になってしまいますけれども、商品化をした。それで、二〇一四年にミライでしょう。
そのときにちょうど、経済産業省の中のエネ庁の中に、水素・燃料電池戦略協議会というのをつくっていただいた。たまたまその座長を私がやらせていただいた。これは協議会ですから民間の企業がたくさん入っていまして、それに学、産学でやっている。だから、民間の企業としてはもろに好きなことをばんばんおっしゃいますから、そういう会がないとやはり本格的にいい法律に結びつけられない、こういうふうに思うわけですね。
その後、ずっと考えますと、日本もカーボンニュートラリティーを言ったのが前総理の菅さんですよね。菅前総理が二〇二〇年の十月二十六日の日に、うちもカーボンニュートラルだと。これは大体、世界は二〇〇〇年ぐらいからぶわっとカーボンニュートラルを言い出しましたから。日本は、だから、同じぐらいの時期に菅さんが言っていただいて、その後すぐ予算を取った。これは大変なことだったと思います。
これはすごく速かったんですよ。令和二年の第三次補正予算で二兆円、税金から取ってきましたからね。ですから、国債で取るのもいいんですけれども、これは民間の金ですからいいんですけれども、これは税金を取っていますから、非常に使い方もきちっとしなきゃいけないということも併せながら、随分速く進んできたということは間違いない。
それで、総理が替わって、二〇二二年にGX移行債というのが、国債でお金をつけて、百五十兆ぐらいかかるぞと。大体二〇五〇年の世界の水素マーケットが百五十兆円と言われていますから、そういう意味で、倍々ゲームなんですよ、二〇三〇年は四十兆、二〇四〇年八十兆、二〇五〇年百六十兆。倍々で伸びていきますから、これを逃す手はない。ですから、そういう意味では、スピーディーにやっていくということが非常に重要になってくる、私はそう思っております。今年から移行債も公募が始まって、一・六兆円というのが集められているというふうに聞いております。
日本も、そういう意味では、二〇一四年に我々の水素・燃料電池戦略協議会ができて、そしてどうなったかというと、その中で我々が二〇一七年に水素基本戦略という冊子を出しているわけですよ。これは世界で初めてですから。
そのときには、欧米は余り意識していなかったんですね。うまくやっているな、日本は技術は勝ったし、よくやっている、このぐらいの目でしか見ていなかった。これは一・五度上昇がまだ明確じゃなかったからですよ。それで、一・五度上昇になってから、いや、ちょっと待て、日本に技術では負けた、だけれども、ビジネスモデルは、日本はまだそれはやっていないと。二兆円をつけたり、移行債とかといったのは二二年ですから、二〇二〇年でようやく二兆取っただけですから。そういう意味では、水素が高ければ、それは物は売れませんよね。売れないものを作ってもしようがないだろうという話になりますと、やはり、ビジネスモデルで欧米は日本よりもいいものを早く作っていく。もうスピードアップはすごかったですね。
大体、二〇二〇年の六月に、ドイツがハイドロジェングローバルという、なかなかやり方がうまいんですよ。ODAの金を使ったり、世界の金を、金利安のものをどんどん使ってアフリカの北部を発展させるんですね。そして、ドイツに定額で買ってあげる。定額ということは、フィード・イン・タリフで買ってあげる。固定価格で買ってやる。そうすると、お金はドイツからアフリカの北部に流れていきますから、ある意味では、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸とのエコノミックサーキュレーションを行うということになりますから、今の時代にぴったし合った話になっている。そして、横目でロシアのガスを見る。おまえのところのガスは要らないと。
もううちは、アフリカの北部に再生可能エネルギーを入れて、そして、パイプライン・アンド・ワイヤー・アンド・ファイバー、自営線と通信線を入れながら、今、電気が必要なときは電気を送れ、電気が要らなければ水素にして送ってくれということをやったのは二〇二〇年六月ですよ。
七月には欧州委員会が何をやったかというと、欧州は、EUの中にパイプライン構想を始めると。水素パイプラインですよ。これは連携しているわけですよね。八月には、今度はフランスがピンク水素、夜余っている原子力の、今全体の電力の中で六四%ぐらい行っていますでしょうかね、その夜間電力で水素を作って、それをこのパイプラインに流し込んでいくということを彼らは連携してやっているわけですね。イギリスは、もちろんのことながら、二〇二二年には値差支援とかいろいろなことをやっているわけですよ。
それで、じゃ、日本は遅れたかというと、日本は全く遅れてはいなくて、技術では勝っているわけですから、あとはビジネスモデルさえうまくやれば。これをスピーディーに。だから、規制改革とビジネスモデル、そのために、二〇二三年の二月から五月ぐらいに、また水素・燃料電池戦略協議会を始めました。
このときはすごかったですよ。もう水素のステーションを造ったりしていましたし。それも、水素ステーションも制約が多くて、すぐ検査しろとか。そういう日本の制約をうまくスピーディーに変えられないというデメリットが出てきてしまって、民間としては、欧米では一年以内でできる緩和を日本に持ってくると三年以上かかる、これじゃ日本では水素はできないぞということを言う企業もたくさんありました。
それで、そういうのをエネ庁が全部受けて今回のこの新法につながったというのがこれまでの流れですね、それは非常に重要な時期に。だから、もたもたしていると駄目なんですよ。それで、技術ではもう勝っているわけですから、商品を出しているわけですから、だから、あとはビジネスモデルさえうまくついていけば、これは、まあまあ。
今度は、この中に値差支援を入れる、これにGX移行債を使う。すると、これはフィード・イン・タリフとは違いますね。だから、フィード・イン・タリフを固定価格と訳すのもおかしいですよね。値差支援の課徴金を、幾らか課徴金が要りますよね、差額に。その差額を電気料金に乗せるのがフィード・イン・タリフですよね。今の自然エネルギー系のものはそうですね。
ところが、今度の、今出されている法案の中の値差支援、これは、企画書が認定を受けると、非常にオールマイティーになってきて値差支援も受けられる。この値差支援は、国債を買った額からその支援が行われるということになりますので、これは水素を使う人たちの水素の料金に転嫁されるわけではない。だから、フィード・イン・タリフではない。ですから、フィード・イン・タリフと今回の値差支援とは全然違うものだということを頭にやはり入れていく必要があるんじゃないか、こういうふうに私は思っています。
これがうまくいきますと、最終的にはやはり、我々としては、日本は技術国家で、かつビジネスモデルまでうまくいくということになりますと、どういうことになるかというと、成長戦略にいかに結びつけられるか。ですから、成長戦略は、技術がもちろんなければ成長戦略はできませんから、だから、ここがやはり難しいところで、大体、狙っているのはASEAN十か国ですよ。あそこにはシンガポールがありますから。シンガポールはDXがベストファイブに入っていますからね。
日本は残念ながら、二、三年ぐらい前からどんどん落ちています。二、三年前は、六十四か国のうち、DX、五十項目ぐらい全部採点して、二十七位だったかもしれませんね。去年が二十九位かな。それで、今年になって三十四位まで落ちていますから。やはり、行政改革ができていない、一気通貫でワンストップサービスができないというところがある。これはGXもできないということになりますから、それをやはりうまく一緒にしながら、そしてビジネスモデルと併せながら持っていけば、日本は成長戦略に結びつけられるだろうと私は思っております。
そうすると、どういう成長戦略になるかというと、メイド・イン・ジャパンの燃料電池であるとか、日本は、SOECという、燃料電池の逆をやらせる電気分解、ただ陽極、陰極を入れて電気を通してぼこぼこぼこぼこやる電気分解とは違って、燃料電池の逆をやらせる。ちょっと高温ですけれども、非常に高効率な電気分解が可能になります。こういうものも日本の特技芸として持っておりますから、まず電気分解装置があって、タンクはもう商品ができているわけですから、上から落としたり、ショットガンで、ピストルで撃っても爆発しないぐらいの保安は持っていますので。そして、燃料電池はいろいろなものが出ています、今。
この三つが非常に大きな、パイプラインもありますし、これをプラットフォームの上に乗せて、そして、一つのプラットフォームを運営する国として、カーボンニュートラルは日本に任せておけば、カーボンニュートラルは日本が請負人になれば、プラットフォーマーとして機能することによって、それぞれの国の、例えばASEAN十か国であれば、その国々の特技とするところを入れてあげながら、決め手となる要所要所のテクノロジーに関しては日本製が必ず入っているというようなことを我々は考えておりまして、日本がカーボンニュートラルのプラットフォーマーになるということが非常に大きな日本の成長戦略につながっていくというふうに私は思っております。
どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →まず最初に、なぜカーボンニュートラルが出てきたのか。これはやはりパリ協定まで遡ることになります。
パリ協定、最初は二度上昇ぐらい、二度上昇というのは、産業革命から二一〇〇年、今世紀末までに、平均気温が変化するんですけれども、平均気温の上昇が二度と。我々、最初は二度上昇ぐらいでいいだろうと思っておりましたけれども、IPCCの見解であるとか、医師の見解であるとか、医学部系の論文だとか、いろいろなことを読みますと、やはり一・五度上昇ぐらい以下に抑えないと、どうも人体がそれに追随できないと。要するに、マラリアがわっと来るとか、ウイルスがもっとはやってくるとか、やはり非常に大きな問題になるので、人ありきだ、生体ありきだ、人体ありきだということで、じゃ、一・五度上昇でいこうじゃないかと。
そのためには、やはり先進国と発展途上国では格差がありますから、先進国が見本として二〇五〇年カーボンニュートラリティーを達成する、このノウハウをきちっとした上でそれを発展途上国に移していく、こういう考え方が非常に重要になってくるというふうに私は思っております。まずは、一・五度上昇ということが先進国の中でコンセンサスが得られたのが大体二〇一八年、一九年ぐらいでしょうか。
二〇年頃、諸外国はこぞってこのカーボンニュートラルというコンセプトを出しています。それで、じゃ、カーボンニュートラルを達成するためにはどうすればいいかというと、これはもう先生方よく御存じのGX、グリーントランスフォーメーションで化石から非化石の流れをつくり出すことだと。これは、非化石の中にも、再生可能エネルギーはありますし、もちろん原子力もありますし、いろいろなものがあるというふうに考えてよろしいと思います。GXを達成するためには、もちろんDXと一緒にならないと。日本はちょっとDXが遅れていますから、これを頑張らないと、幾ら頑張ってもGXは進まないということになりますから、これを一体化して捉えるということが一つ大事なことなんです。
いずれにしましても、GXを達成するための手法として、私は三ついつも挙げているんですよ。
一つが、即効性のある省エネルギー。省エネルギーをばかにしちゃいけません。省エネルギーは即効性がありますから。
それから、その次が、電力がこれからやはりゼロエミッション型の電力にどんどん移っていくことになりますので、そう考えますと、いろいろなものを電化すればゼロエミッションに近づいてきてカーボンニュートラルに近づけられるということで、電化。これは一番分かりやすく言うと、やはり車でしょうね。燃焼してCO2を出している車を電化にしていく、あるいはFCVにしていく、水素にしていく、こういうことが極めて重要な電化ですね。
三つ目が、やはり再生可能エネルギーは増えていく。もちろん、世界の中でも日本の中でも増えるのは、限界費用がゼロに近い太陽光と風車ですよ。
地熱が今〇・三%しか入っていませんから、これを二〇三〇年で一%、元を三倍まで持ってこれるかということですね。なかなかこれはそう簡単なものじゃなくて、今、太陽光が一割ぐらい入ってきましたでしょうか、一〇%。これを二〇三〇年で一五%まで持っていきたいと我々は思っています。
もちろん、風車は、もう国内で陸地内だとなかなか大きなものができませんので、洋上でうまく造っていけば稼働率もいいし、そういう意味では、風車が大体今〇・九%、一%弱入っているものを五%まで持っていく。これは大変なことです。だから、洋上風力をやるとか、あるいは、太陽光はペロブスカイトの新しい技術開発をやるということが極めて重要。技術開発はもちろん重要。
ただ、日本は、技術開発は重要だということは誰でもオーケーするんですよね。ところが、ビジネスモデルに関してはどうも欧米にやられっ放しで、技術で勝ってビジネスモデルで負けるという場合がありますので、それがないような形に持ってこないと、特に水素に関しては今用意ドンで始まっていますから、ここは非常に重要になってくるというふうに私は思っています。
日本のこの水素の流れについてずっと考えてみますと、まず、日本は技術に関してはすごかったですよ。どういうことをやったかというと、まず、二〇〇九年にエネファーム、設置型の七百ワットの燃料電池、これを商品化ですから。商品化ということは、万が一のことがあってリコールになれば大きなダメージを受けることになりますから、なかなか商品化はできません。リースモデルにするとかという話になってしまいますけれども、商品化をした。それで、二〇一四年にミライでしょう。
そのときにちょうど、経済産業省の中のエネ庁の中に、水素・燃料電池戦略協議会というのをつくっていただいた。たまたまその座長を私がやらせていただいた。これは協議会ですから民間の企業がたくさん入っていまして、それに学、産学でやっている。だから、民間の企業としてはもろに好きなことをばんばんおっしゃいますから、そういう会がないとやはり本格的にいい法律に結びつけられない、こういうふうに思うわけですね。
その後、ずっと考えますと、日本もカーボンニュートラリティーを言ったのが前総理の菅さんですよね。菅前総理が二〇二〇年の十月二十六日の日に、うちもカーボンニュートラルだと。これは大体、世界は二〇〇〇年ぐらいからぶわっとカーボンニュートラルを言い出しましたから。日本は、だから、同じぐらいの時期に菅さんが言っていただいて、その後すぐ予算を取った。これは大変なことだったと思います。
これはすごく速かったんですよ。令和二年の第三次補正予算で二兆円、税金から取ってきましたからね。ですから、国債で取るのもいいんですけれども、これは民間の金ですからいいんですけれども、これは税金を取っていますから、非常に使い方もきちっとしなきゃいけないということも併せながら、随分速く進んできたということは間違いない。
それで、総理が替わって、二〇二二年にGX移行債というのが、国債でお金をつけて、百五十兆ぐらいかかるぞと。大体二〇五〇年の世界の水素マーケットが百五十兆円と言われていますから、そういう意味で、倍々ゲームなんですよ、二〇三〇年は四十兆、二〇四〇年八十兆、二〇五〇年百六十兆。倍々で伸びていきますから、これを逃す手はない。ですから、そういう意味では、スピーディーにやっていくということが非常に重要になってくる、私はそう思っております。今年から移行債も公募が始まって、一・六兆円というのが集められているというふうに聞いております。
日本も、そういう意味では、二〇一四年に我々の水素・燃料電池戦略協議会ができて、そしてどうなったかというと、その中で我々が二〇一七年に水素基本戦略という冊子を出しているわけですよ。これは世界で初めてですから。
そのときには、欧米は余り意識していなかったんですね。うまくやっているな、日本は技術は勝ったし、よくやっている、このぐらいの目でしか見ていなかった。これは一・五度上昇がまだ明確じゃなかったからですよ。それで、一・五度上昇になってから、いや、ちょっと待て、日本に技術では負けた、だけれども、ビジネスモデルは、日本はまだそれはやっていないと。二兆円をつけたり、移行債とかといったのは二二年ですから、二〇二〇年でようやく二兆取っただけですから。そういう意味では、水素が高ければ、それは物は売れませんよね。売れないものを作ってもしようがないだろうという話になりますと、やはり、ビジネスモデルで欧米は日本よりもいいものを早く作っていく。もうスピードアップはすごかったですね。
大体、二〇二〇年の六月に、ドイツがハイドロジェングローバルという、なかなかやり方がうまいんですよ。ODAの金を使ったり、世界の金を、金利安のものをどんどん使ってアフリカの北部を発展させるんですね。そして、ドイツに定額で買ってあげる。定額ということは、フィード・イン・タリフで買ってあげる。固定価格で買ってやる。そうすると、お金はドイツからアフリカの北部に流れていきますから、ある意味では、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸とのエコノミックサーキュレーションを行うということになりますから、今の時代にぴったし合った話になっている。そして、横目でロシアのガスを見る。おまえのところのガスは要らないと。
もううちは、アフリカの北部に再生可能エネルギーを入れて、そして、パイプライン・アンド・ワイヤー・アンド・ファイバー、自営線と通信線を入れながら、今、電気が必要なときは電気を送れ、電気が要らなければ水素にして送ってくれということをやったのは二〇二〇年六月ですよ。
七月には欧州委員会が何をやったかというと、欧州は、EUの中にパイプライン構想を始めると。水素パイプラインですよ。これは連携しているわけですよね。八月には、今度はフランスがピンク水素、夜余っている原子力の、今全体の電力の中で六四%ぐらい行っていますでしょうかね、その夜間電力で水素を作って、それをこのパイプラインに流し込んでいくということを彼らは連携してやっているわけですね。イギリスは、もちろんのことながら、二〇二二年には値差支援とかいろいろなことをやっているわけですよ。
それで、じゃ、日本は遅れたかというと、日本は全く遅れてはいなくて、技術では勝っているわけですから、あとはビジネスモデルさえうまくやれば。これをスピーディーに。だから、規制改革とビジネスモデル、そのために、二〇二三年の二月から五月ぐらいに、また水素・燃料電池戦略協議会を始めました。
このときはすごかったですよ。もう水素のステーションを造ったりしていましたし。それも、水素ステーションも制約が多くて、すぐ検査しろとか。そういう日本の制約をうまくスピーディーに変えられないというデメリットが出てきてしまって、民間としては、欧米では一年以内でできる緩和を日本に持ってくると三年以上かかる、これじゃ日本では水素はできないぞということを言う企業もたくさんありました。
それで、そういうのをエネ庁が全部受けて今回のこの新法につながったというのがこれまでの流れですね、それは非常に重要な時期に。だから、もたもたしていると駄目なんですよ。それで、技術ではもう勝っているわけですから、商品を出しているわけですから、だから、あとはビジネスモデルさえうまくついていけば、これは、まあまあ。
今度は、この中に値差支援を入れる、これにGX移行債を使う。すると、これはフィード・イン・タリフとは違いますね。だから、フィード・イン・タリフを固定価格と訳すのもおかしいですよね。値差支援の課徴金を、幾らか課徴金が要りますよね、差額に。その差額を電気料金に乗せるのがフィード・イン・タリフですよね。今の自然エネルギー系のものはそうですね。
ところが、今度の、今出されている法案の中の値差支援、これは、企画書が認定を受けると、非常にオールマイティーになってきて値差支援も受けられる。この値差支援は、国債を買った額からその支援が行われるということになりますので、これは水素を使う人たちの水素の料金に転嫁されるわけではない。だから、フィード・イン・タリフではない。ですから、フィード・イン・タリフと今回の値差支援とは全然違うものだということを頭にやはり入れていく必要があるんじゃないか、こういうふうに私は思っています。
これがうまくいきますと、最終的にはやはり、我々としては、日本は技術国家で、かつビジネスモデルまでうまくいくということになりますと、どういうことになるかというと、成長戦略にいかに結びつけられるか。ですから、成長戦略は、技術がもちろんなければ成長戦略はできませんから、だから、ここがやはり難しいところで、大体、狙っているのはASEAN十か国ですよ。あそこにはシンガポールがありますから。シンガポールはDXがベストファイブに入っていますからね。
日本は残念ながら、二、三年ぐらい前からどんどん落ちています。二、三年前は、六十四か国のうち、DX、五十項目ぐらい全部採点して、二十七位だったかもしれませんね。去年が二十九位かな。それで、今年になって三十四位まで落ちていますから。やはり、行政改革ができていない、一気通貫でワンストップサービスができないというところがある。これはGXもできないということになりますから、それをやはりうまく一緒にしながら、そしてビジネスモデルと併せながら持っていけば、日本は成長戦略に結びつけられるだろうと私は思っております。
そうすると、どういう成長戦略になるかというと、メイド・イン・ジャパンの燃料電池であるとか、日本は、SOECという、燃料電池の逆をやらせる電気分解、ただ陽極、陰極を入れて電気を通してぼこぼこぼこぼこやる電気分解とは違って、燃料電池の逆をやらせる。ちょっと高温ですけれども、非常に高効率な電気分解が可能になります。こういうものも日本の特技芸として持っておりますから、まず電気分解装置があって、タンクはもう商品ができているわけですから、上から落としたり、ショットガンで、ピストルで撃っても爆発しないぐらいの保安は持っていますので。そして、燃料電池はいろいろなものが出ています、今。
この三つが非常に大きな、パイプラインもありますし、これをプラットフォームの上に乗せて、そして、一つのプラットフォームを運営する国として、カーボンニュートラルは日本に任せておけば、カーボンニュートラルは日本が請負人になれば、プラットフォーマーとして機能することによって、それぞれの国の、例えばASEAN十か国であれば、その国々の特技とするところを入れてあげながら、決め手となる要所要所のテクノロジーに関しては日本製が必ず入っているというようなことを我々は考えておりまして、日本がカーボンニュートラルのプラットフォーマーになるということが非常に大きな日本の成長戦略につながっていくというふうに私は思っております。
どうもありがとうございました。拍手
岡
浅
浅岡美恵#8
○浅岡参考人 気候ネットワークの浅岡と申します。
本日は、このような機会をいただきまして、ありがとうございます。
私どもの気候ネットワークは、約四半世紀にわたりまして、地球温暖化問題、気候変動問題に取り組んでまいりました。とりわけここ数年は、二〇〇〇年頃からこうした水素、アンモニアを電力部門において利用するという提案がなされるようになりましてから、この問題に焦点を特に強めて議論してまいりました。
私自身は、京都で、弁護士業が本業でございまして、京都議定書以来こうして関わってまいったところでありますが、本日は、こうした気候ネットワークの取組に加えまして、法律家の観点から、弁護士という実務家の観点から意見を申し上げたいと思います。
まず、先ほど、三人の御意見を私も拝聴しておりました。米国やEUのこうした水素に関する大きな支援のお話もございましたが、一つ御説明が足りないのは、こうした国におきまして、発電部門において水素やアンモニアを活用するという方策は全くないということであります。これは大変大きな違いであることを念頭に置いていただきたいと思います。
そういう中で、日本におきましては、一枚めくっていただきまして二ページ目を御覧いただきますと、法律に従って問題を指摘させていただきたいと思います。まず、法の目的でございます。
先ほど柏木先生からも、世界は一・五度を目指すと合意をいたしまして、それに取り組んでいるというお話がございました。ところが、この法律の目的の中には、世界的規模でエネルギーの脱炭素化に向けた取組が進められる中でという言葉があるのみでありまして、気候変動に取り組むとか一・五度の目標に整合させるということはなく、単に、低炭素水素等の供給及び利用を早急に促進するということがあるのみでございます。
振り返ってみますと、二〇〇二年、京都議定書に日本が署名、批准をいたしますと、エネルギー政策基本法が策定されました。この法の目的には、二ページ目に書いてございますように、もって地域及び地球環境の保全に寄与するとともに我が国及び世界の経済社会の持続的な発展に貢献することを目的とすると明確に書いているわけでありまして、地球環境への貢献が経済とうまくかみ合っていくこと、これが将来の方向であると。SプラススリーEという言葉は、これには私は整合していないと思っております。
次のページを御覧くださいませ。
昨年十二月、ドバイでCOP28が開催されました。私もそこにも参りましたが、世界はここでも一・五度を目指すと確認をいたしました。そして、その実現のために、二〇三〇年までに、ここが大事であります、二〇三〇年までに温室効果ガスを四三%削減、三五年には六〇%削減、これはIPCCの報告によるものでありますが、これが必要である、そのために再エネを設備容量三倍、エネルギー効率は二倍に引き上げる、こういう形によって、エネルギーシステムの脱化石燃料化、トランジショニング・アウェー・フロム・フォッシル・フュエル、こういう方向に向かっていくのだ、これを合意したところであります。日本もここに参加しております。
次をおめくりくださいませ。
なぜこのように世界が動いているのかということでありますが、御案内のとおり、昨年は大変暑い、世界的にも最も暑い年となりました。一・五度を目指すというその一・五度に世界の平均気温がほぼほぼタッチしてしまったという状況になりまして、グテーレス事務総長は、地球沸騰化の時代に入ったと言ったわけであります。そして、ここで合意をしたことは二〇五〇年カーボンニュートラルだけではない、そこに至る道筋が大事だ、二〇三〇年にどこまでできているのか、これが問われている、これが国際社会の認識でございます。
次のページを御覧くださいませ。
なぜ一・五度を目指したのかということを確認いただきたいと思います。
今、世界平均では、何年かの平均でいきますと、公式には一・一度か二度ぐらいだと言われていますが、これよりも必ず厳しい気候変動に我々は見舞われるものであります。二度、三度になりますと、大変激甚化した気候災害が頻度も増し、激甚化もしてまいります。こうしたことは人々の生命、健康を脅かすものでありますし、そして、これは人々だけではなくてビジネスの活動環境にも大きな影響を与える。
そういう意味で、パリ協定ができましたときには、ある意味で環境条約として受け止められたところがありますが、今日、パリ協定は人権条約である、これはブラジルの最高裁がそのように判決で書いております。そしてさらに、これは経済条約である、皆さんの世界の経済の基盤となるものだ、こういう御理解をしていただきたい。
特に、IPCCの一番最新の報告では下のこの図のようなものが示されておりまして、我々のような世代と比べまして、二〇二〇年に生まれた子供たちがどれほど深刻な状況の中で暮らさなければならないのか、その将来世代の経験する温暖化は今の対策に懸かっている、皆様方の対応に懸かっている、これも御理解いただきたいと思います。
次、ページをおめくりください。もう時間がありませんので急ぎます。
なぜこうかといいますと、これまでの累積の世界の総排出量が地球の平均気温と比例をしているということでありまして、一・五度にとどめるということは、これから世界で出せる排出量が限られている。五〇%の確率でも五千億トンしかありません。日本に割り当てられるものは、勘定しましても六十数億トンにしかならない。これをどうやって使ってトランジットするのか。この中で水素などもどう使うのかということを議論していただかなければなりません。
次のページを御覧ください。
こうした残余のカーボンバジェットと呼ばれるものを考えていきましたときに大事なのは、二〇五〇年カーボンニュートラルではありません。これは必須でありますが、十分条件ではありません。二〇三〇年までの経路、二〇三〇年にどれだけ削減するのかということであります。
ちょっと時間もありませんので、飛ばします。
次のページ、おめくりください。
そして、そのようなことができるのか。これもIPCCやIEAが既に示しております。先ほどからもお話もありましたように、太陽光や風力は大変ポテンシャルもあるし、経済合理性が何よりも何よりもある。だから世界はこれに動いているわけであります。IEAも、必要な八五%は既存のこうした技術を活用することでできるのだと。水素がなければできないということではないということであります。
次のページをおめくりください。
このように、気候変動対策の、世界の目指していることと整合する話をここで議論していただきたいということであります。
その観点から、法案の問題点の二番目でありますが、ここでは詳しく申しませんが、この法案を読みましても、例えば外国の方がこの法案を読みましても全く意味が理解できないと思います。中身は何も書かれていない。全て経産大臣が決める、あるいは省令に委任するということであります。これは国際社会に示せる法ではないと思います。
次のページを御覧ください。
二〇三〇年には二〇一九年比四三%、二〇三五年には六〇%削減する、これがドバイでの合意でありますが、IPCCはそれを全てのセクターで同じように削減してくださいと言っているわけではありません。発電部門はまず早く削減する経路、左の図は電力などエネルギーセクターの削減の経路であります。また、運輸や建物に関する部分も代替策が可能でありますので、それを次にはやっていかなきゃいけない。これらをもう少し分かりやすく見せたものが、右のIEAの削減の経路であります。世界はこういうスキームで動いている、日本はどうするのだ、これを忘れないでいただきたいと思います。
次に、十一ページを御覧ください。
法案の三番目の問題は、先ほども申しましたように、省令委任ばかりなのですけれども、何しろ対象事業すらここには書かれておりません。この法案の本則には、どうした事業にこの法案が適用されるのか、本則にはないのです。不思議な法案と言わざるを得ません。探しましたら、唯一、附則の中に、附則の二条の二項に、発電部門、ガス事業などという言葉がありますので、これはやるつもりなんだろうと思いますけれども、なぜこのようなことなのか。
発電事業などにおける水素、アンモニアの使用というものは、十一ページの下に書いておきましたように、京大の大城先生が、それは不適なものだ、効率的にもよろしくないものだ、こうしていることでありますが、右の方に置いておりますものは、二〇二一年、第六次エネルギー基本計画を定めましたときの経産省の長期エネルギー需給見通しにおいて示されていた水素、アンモニアの発電部門における使用のプログラム、これが一%の詳細になるわけでありますが、まさにこれがそのまま今回の法案の中に、数字的にも合っている説明がこれまでなされていると思います。
次のページ、十二ページを御覧ください。
このようにして、七兆円のお金をGX投資として出すということが言われておりますが、そのことによって削減できる量は十年間かかって〇・六億トン、一年にしますと六百万トン。これは、CO2の排出量の六%にもなるか、こういうような僅かなものであります。どれほどの経済効果を見込んでいるのか。およそ二〇三〇年目標には遠いということに加えて、経済効果が極めて乏しいと言わざるを得ないものであり、これは発電部門に使おうとするからのことであります。
次、十三ページを御覧ください。
法案の問題の四番目として指摘いたしますのは、低炭素水素という、この低炭素のレベルも法案にはございません。
これまでの審議やあるいは審議会等では三・四キログラムというものが示されておりますけれども、比較しやすいように、ここにグラフをつけておきました、水素、天然ガス、そして、ここで言われる三・四キログラムかもしれないというものと比較いたしました。電力のCO2排出係数も計算をしてみました。二〇%混焼いたしましても天然ガス火力に到底及びません。五〇%混焼いたしましても、とてもとても及びません。これをいつまで、五〇%というと、今回の目標では二〇四〇年ということです、どうやって一・五度目標に整合する日本の排出削減経路を取るのでありましょうか。これは考え直していただきたい。
問題点の五番目、経済的支援であります。
先ほどから何度も経済的支援、価格差に着目した支援とおっしゃいましたが、不思議なことに、この法案には全くその言葉がございません。どういう法案なのかと、これは本当に不思議でございます。
いろいろ書かれておりますけれども、JOGMECが助成金を出すとしか書いていません。三十五条には、国は資金確保に努めるとはあります。どんな財源でこれを賄おうとするのか、どんなスキームか、これをどうやって海外に説明するのでしょうか。いや、省令でこうなんですと言っていくのかもしれません。これは海外からは奇異な目で見られる、そういうことを御留意いただきたいと思います。
次、十五ページを御覧ください。
この法案の安全性への配慮というのは、私どもの、法律家の目から見ますと不思議に思えます。
例えば、三十六条二項は、公共の安全の維持、災害の発生の防止を図るため必要な最小限度のものしかしないと。わざわざなぜ最小限度などとして安全対策に書くのでありましょうか。
次、時間もありませんので本当に飛ばしますが、法案の問題の七番目でありますけれども、五条、六条に協力義務というものがあります。自治体に協力をさせる、また関係事業者に協力させるというのがありますが、一般事業者の協力義務、これは何を求めているのでしょうか。このような方策を取りたくないという事業者もたくさんいらっしゃる。国際競争に耐えていくためには今からこんなことに頼ってはいけないと考える人たちなどにどのような協力を求めたいという趣旨なのか、よく議論いただきたいと思います。
次、十六ページを御覧ください。
これらの法案の総括的な問題ですけれども、五年後見直し規定というものが附則の中にあります。今回の水素法とそれからCCSに関する事業法の見直し規定を比べていただきたいと思います。水素法にはわざわざ第二項がございます。これは、読んでまいりますと、電気やガス事業で水素やアンモニアの導入が進んでいなければ、それを進める方向にしか見直しはしないと読む人がいらっしゃるのではないでしょうか。大変不思議に思います。
もう時間も参りましたので、最後のまとめは、基本は省略いたしますが、水素社会推進法という略称がつけられておりますが、今国民の中に、水素社会はどのようなものかというコンセンサスがあるでしょうか。大変大きな誤解を招きかねない、ミスリーディングではないかと思います。
そしてまた、最後に一つ申し上げたいのは、二〇二五年にはパリ協定に基づくNDCを提出し直さなければなりません。そして、第六次エネルギー基本計画の改定時期も今年迎えるということになっております。
この法案は、第六次エネルギー基本計画に係る非化石エネルギーに化石由来の水素を位置づけるとか、そして、GXでこうした電力事業にも多大の金を出していくとかに加えまして、更にこうした形で電力事業にお金を出していくということについてまとめたものであります。この上で、どうやって第七次エネルギー基本計画が前向きに改定されるのでありましょうか。再生可能エネルギーの抑制になっていくこと必定ではないかと懸念をいたします。
ということで、いろいろ皆様から期待がございましたが、大変大きな懸念があることも踏まえて御審議いただきたいと思います。
以上、ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような機会をいただきまして、ありがとうございます。
私どもの気候ネットワークは、約四半世紀にわたりまして、地球温暖化問題、気候変動問題に取り組んでまいりました。とりわけここ数年は、二〇〇〇年頃からこうした水素、アンモニアを電力部門において利用するという提案がなされるようになりましてから、この問題に焦点を特に強めて議論してまいりました。
私自身は、京都で、弁護士業が本業でございまして、京都議定書以来こうして関わってまいったところでありますが、本日は、こうした気候ネットワークの取組に加えまして、法律家の観点から、弁護士という実務家の観点から意見を申し上げたいと思います。
まず、先ほど、三人の御意見を私も拝聴しておりました。米国やEUのこうした水素に関する大きな支援のお話もございましたが、一つ御説明が足りないのは、こうした国におきまして、発電部門において水素やアンモニアを活用するという方策は全くないということであります。これは大変大きな違いであることを念頭に置いていただきたいと思います。
そういう中で、日本におきましては、一枚めくっていただきまして二ページ目を御覧いただきますと、法律に従って問題を指摘させていただきたいと思います。まず、法の目的でございます。
先ほど柏木先生からも、世界は一・五度を目指すと合意をいたしまして、それに取り組んでいるというお話がございました。ところが、この法律の目的の中には、世界的規模でエネルギーの脱炭素化に向けた取組が進められる中でという言葉があるのみでありまして、気候変動に取り組むとか一・五度の目標に整合させるということはなく、単に、低炭素水素等の供給及び利用を早急に促進するということがあるのみでございます。
振り返ってみますと、二〇〇二年、京都議定書に日本が署名、批准をいたしますと、エネルギー政策基本法が策定されました。この法の目的には、二ページ目に書いてございますように、もって地域及び地球環境の保全に寄与するとともに我が国及び世界の経済社会の持続的な発展に貢献することを目的とすると明確に書いているわけでありまして、地球環境への貢献が経済とうまくかみ合っていくこと、これが将来の方向であると。SプラススリーEという言葉は、これには私は整合していないと思っております。
次のページを御覧くださいませ。
昨年十二月、ドバイでCOP28が開催されました。私もそこにも参りましたが、世界はここでも一・五度を目指すと確認をいたしました。そして、その実現のために、二〇三〇年までに、ここが大事であります、二〇三〇年までに温室効果ガスを四三%削減、三五年には六〇%削減、これはIPCCの報告によるものでありますが、これが必要である、そのために再エネを設備容量三倍、エネルギー効率は二倍に引き上げる、こういう形によって、エネルギーシステムの脱化石燃料化、トランジショニング・アウェー・フロム・フォッシル・フュエル、こういう方向に向かっていくのだ、これを合意したところであります。日本もここに参加しております。
次をおめくりくださいませ。
なぜこのように世界が動いているのかということでありますが、御案内のとおり、昨年は大変暑い、世界的にも最も暑い年となりました。一・五度を目指すというその一・五度に世界の平均気温がほぼほぼタッチしてしまったという状況になりまして、グテーレス事務総長は、地球沸騰化の時代に入ったと言ったわけであります。そして、ここで合意をしたことは二〇五〇年カーボンニュートラルだけではない、そこに至る道筋が大事だ、二〇三〇年にどこまでできているのか、これが問われている、これが国際社会の認識でございます。
次のページを御覧くださいませ。
なぜ一・五度を目指したのかということを確認いただきたいと思います。
今、世界平均では、何年かの平均でいきますと、公式には一・一度か二度ぐらいだと言われていますが、これよりも必ず厳しい気候変動に我々は見舞われるものであります。二度、三度になりますと、大変激甚化した気候災害が頻度も増し、激甚化もしてまいります。こうしたことは人々の生命、健康を脅かすものでありますし、そして、これは人々だけではなくてビジネスの活動環境にも大きな影響を与える。
そういう意味で、パリ協定ができましたときには、ある意味で環境条約として受け止められたところがありますが、今日、パリ協定は人権条約である、これはブラジルの最高裁がそのように判決で書いております。そしてさらに、これは経済条約である、皆さんの世界の経済の基盤となるものだ、こういう御理解をしていただきたい。
特に、IPCCの一番最新の報告では下のこの図のようなものが示されておりまして、我々のような世代と比べまして、二〇二〇年に生まれた子供たちがどれほど深刻な状況の中で暮らさなければならないのか、その将来世代の経験する温暖化は今の対策に懸かっている、皆様方の対応に懸かっている、これも御理解いただきたいと思います。
次、ページをおめくりください。もう時間がありませんので急ぎます。
なぜこうかといいますと、これまでの累積の世界の総排出量が地球の平均気温と比例をしているということでありまして、一・五度にとどめるということは、これから世界で出せる排出量が限られている。五〇%の確率でも五千億トンしかありません。日本に割り当てられるものは、勘定しましても六十数億トンにしかならない。これをどうやって使ってトランジットするのか。この中で水素などもどう使うのかということを議論していただかなければなりません。
次のページを御覧ください。
こうした残余のカーボンバジェットと呼ばれるものを考えていきましたときに大事なのは、二〇五〇年カーボンニュートラルではありません。これは必須でありますが、十分条件ではありません。二〇三〇年までの経路、二〇三〇年にどれだけ削減するのかということであります。
ちょっと時間もありませんので、飛ばします。
次のページ、おめくりください。
そして、そのようなことができるのか。これもIPCCやIEAが既に示しております。先ほどからもお話もありましたように、太陽光や風力は大変ポテンシャルもあるし、経済合理性が何よりも何よりもある。だから世界はこれに動いているわけであります。IEAも、必要な八五%は既存のこうした技術を活用することでできるのだと。水素がなければできないということではないということであります。
次のページをおめくりください。
このように、気候変動対策の、世界の目指していることと整合する話をここで議論していただきたいということであります。
その観点から、法案の問題点の二番目でありますが、ここでは詳しく申しませんが、この法案を読みましても、例えば外国の方がこの法案を読みましても全く意味が理解できないと思います。中身は何も書かれていない。全て経産大臣が決める、あるいは省令に委任するということであります。これは国際社会に示せる法ではないと思います。
次のページを御覧ください。
二〇三〇年には二〇一九年比四三%、二〇三五年には六〇%削減する、これがドバイでの合意でありますが、IPCCはそれを全てのセクターで同じように削減してくださいと言っているわけではありません。発電部門はまず早く削減する経路、左の図は電力などエネルギーセクターの削減の経路であります。また、運輸や建物に関する部分も代替策が可能でありますので、それを次にはやっていかなきゃいけない。これらをもう少し分かりやすく見せたものが、右のIEAの削減の経路であります。世界はこういうスキームで動いている、日本はどうするのだ、これを忘れないでいただきたいと思います。
次に、十一ページを御覧ください。
法案の三番目の問題は、先ほども申しましたように、省令委任ばかりなのですけれども、何しろ対象事業すらここには書かれておりません。この法案の本則には、どうした事業にこの法案が適用されるのか、本則にはないのです。不思議な法案と言わざるを得ません。探しましたら、唯一、附則の中に、附則の二条の二項に、発電部門、ガス事業などという言葉がありますので、これはやるつもりなんだろうと思いますけれども、なぜこのようなことなのか。
発電事業などにおける水素、アンモニアの使用というものは、十一ページの下に書いておきましたように、京大の大城先生が、それは不適なものだ、効率的にもよろしくないものだ、こうしていることでありますが、右の方に置いておりますものは、二〇二一年、第六次エネルギー基本計画を定めましたときの経産省の長期エネルギー需給見通しにおいて示されていた水素、アンモニアの発電部門における使用のプログラム、これが一%の詳細になるわけでありますが、まさにこれがそのまま今回の法案の中に、数字的にも合っている説明がこれまでなされていると思います。
次のページ、十二ページを御覧ください。
このようにして、七兆円のお金をGX投資として出すということが言われておりますが、そのことによって削減できる量は十年間かかって〇・六億トン、一年にしますと六百万トン。これは、CO2の排出量の六%にもなるか、こういうような僅かなものであります。どれほどの経済効果を見込んでいるのか。およそ二〇三〇年目標には遠いということに加えて、経済効果が極めて乏しいと言わざるを得ないものであり、これは発電部門に使おうとするからのことであります。
次、十三ページを御覧ください。
法案の問題の四番目として指摘いたしますのは、低炭素水素という、この低炭素のレベルも法案にはございません。
これまでの審議やあるいは審議会等では三・四キログラムというものが示されておりますけれども、比較しやすいように、ここにグラフをつけておきました、水素、天然ガス、そして、ここで言われる三・四キログラムかもしれないというものと比較いたしました。電力のCO2排出係数も計算をしてみました。二〇%混焼いたしましても天然ガス火力に到底及びません。五〇%混焼いたしましても、とてもとても及びません。これをいつまで、五〇%というと、今回の目標では二〇四〇年ということです、どうやって一・五度目標に整合する日本の排出削減経路を取るのでありましょうか。これは考え直していただきたい。
問題点の五番目、経済的支援であります。
先ほどから何度も経済的支援、価格差に着目した支援とおっしゃいましたが、不思議なことに、この法案には全くその言葉がございません。どういう法案なのかと、これは本当に不思議でございます。
いろいろ書かれておりますけれども、JOGMECが助成金を出すとしか書いていません。三十五条には、国は資金確保に努めるとはあります。どんな財源でこれを賄おうとするのか、どんなスキームか、これをどうやって海外に説明するのでしょうか。いや、省令でこうなんですと言っていくのかもしれません。これは海外からは奇異な目で見られる、そういうことを御留意いただきたいと思います。
次、十五ページを御覧ください。
この法案の安全性への配慮というのは、私どもの、法律家の目から見ますと不思議に思えます。
例えば、三十六条二項は、公共の安全の維持、災害の発生の防止を図るため必要な最小限度のものしかしないと。わざわざなぜ最小限度などとして安全対策に書くのでありましょうか。
次、時間もありませんので本当に飛ばしますが、法案の問題の七番目でありますけれども、五条、六条に協力義務というものがあります。自治体に協力をさせる、また関係事業者に協力させるというのがありますが、一般事業者の協力義務、これは何を求めているのでしょうか。このような方策を取りたくないという事業者もたくさんいらっしゃる。国際競争に耐えていくためには今からこんなことに頼ってはいけないと考える人たちなどにどのような協力を求めたいという趣旨なのか、よく議論いただきたいと思います。
次、十六ページを御覧ください。
これらの法案の総括的な問題ですけれども、五年後見直し規定というものが附則の中にあります。今回の水素法とそれからCCSに関する事業法の見直し規定を比べていただきたいと思います。水素法にはわざわざ第二項がございます。これは、読んでまいりますと、電気やガス事業で水素やアンモニアの導入が進んでいなければ、それを進める方向にしか見直しはしないと読む人がいらっしゃるのではないでしょうか。大変不思議に思います。
もう時間も参りましたので、最後のまとめは、基本は省略いたしますが、水素社会推進法という略称がつけられておりますが、今国民の中に、水素社会はどのようなものかというコンセンサスがあるでしょうか。大変大きな誤解を招きかねない、ミスリーディングではないかと思います。
そしてまた、最後に一つ申し上げたいのは、二〇二五年にはパリ協定に基づくNDCを提出し直さなければなりません。そして、第六次エネルギー基本計画の改定時期も今年迎えるということになっております。
この法案は、第六次エネルギー基本計画に係る非化石エネルギーに化石由来の水素を位置づけるとか、そして、GXでこうした電力事業にも多大の金を出していくとかに加えまして、更にこうした形で電力事業にお金を出していくということについてまとめたものであります。この上で、どうやって第七次エネルギー基本計画が前向きに改定されるのでありましょうか。再生可能エネルギーの抑制になっていくこと必定ではないかと懸念をいたします。
ということで、いろいろ皆様から期待がございましたが、大変大きな懸念があることも踏まえて御審議いただきたいと思います。
以上、ありがとうございました。拍手
岡
岡
井
井原巧#11
○井原委員 おはようございます。自民党の井原でございます。
今日は、四名の参考人の先生方、御出席賜りまして、本当にありがとうございました。
この度、国会に提出された今法案、水素法案とCCS、これは我が国にとりまして本当に重要な法案だというふうに思います。確かに、お話あったように、太陽光、風力発電など再エネの普及は進んでいるわけでありますけれども、そうした電力の低炭素化だけでは対応し切れない、例えば製造業とか化学とか、この分野におきまして、水素やCCSはカーボンニュートラルを実現するためにはまさに今現実にはラストピースとなる技術だろう、こう思っておりまして、誠にこの法案は重要だろう、こう思っております。
まず佐々木先生にお伺いしたいんですけれども、これは、実は私自身も、十八年ぐらい前になるんですけれども、九州大学工学部にお世話になって、水素について研究したことがございまして、その御縁で質問したいと思います。
といいますのも、十八年前、ちょうど私はまだ田舎の四国の四国中央市というところの市長でございまして、その町は九万人ぐらいの町だったんですけれども、製紙産業がとにかく集積していて、二〇〇四年の新市発足以来、ずっと紙の生産量は日本一なんですね。ただ、問題は、製鉄、化学に次いで、電力に次いで、CO2の排出量が多い産業を抱えている、こういう町でございました。
当然、紙を作るためには一トンの紙に百トンの水が要るぐらい水資源を確保しなきゃならないので、ダムを実は三つ造って、一億トンの水を貯水している、そういう町なんですね。
ところが、景気動向等によって生産調整が当然されますから、完全買水、契約で水を企業が買うんだけれども、時には使わずに海に流す、こういうことがあって、その余剰水を何とか有効活用できないかということで、市と企業とで検討会を当時、十八年前開いたんです。そのときに行き着いたのが水素製造だったんですね。
どこか取っかかりがないかなということで探すと、日本で最もそのとき進んでいたのが九州大学の工学部だったということで、たしか石原教授という方だったと思いますが、石原教授にいろいろ御指導をいただきました。先進地というか、研究が進んでいたのは、青森県も非常に進んでいたので、石原教授と私どもの市の職員とそして製紙会社の技術者とで、先進地まで行って取り組もうというふうなことをしたことがあります。
ただ、当時はまだまだ国も全然支援がなくて、製造コスト、供給先、保管や運搬、こういうことが非常に困難でございまして、結果的には頓挫し諦めた、そういう経験がありまして、今回、十八年を経て法案成立に向かっていることは大変私にとっても感慨深いところがございます。
そこで、佐々木先生にお伺いしたいのは、新たな技術ということでありますから、水素の普及を図っていくためには、何より正しい知識を広く国民一人一人に丁寧に説明していく必要があると思います。そして同時に、水素産業の発展に合わせて、高校や高専、大学等において人材を育成し、地域の新しい産業に育てていくことが重要だと思います。
これまでリードされてきた、そして最前線で活躍されてきた佐々木先生に、水素についての普及啓発や人材育成、それと確保、そしてその支援の重要性についてお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →今日は、四名の参考人の先生方、御出席賜りまして、本当にありがとうございました。
この度、国会に提出された今法案、水素法案とCCS、これは我が国にとりまして本当に重要な法案だというふうに思います。確かに、お話あったように、太陽光、風力発電など再エネの普及は進んでいるわけでありますけれども、そうした電力の低炭素化だけでは対応し切れない、例えば製造業とか化学とか、この分野におきまして、水素やCCSはカーボンニュートラルを実現するためにはまさに今現実にはラストピースとなる技術だろう、こう思っておりまして、誠にこの法案は重要だろう、こう思っております。
まず佐々木先生にお伺いしたいんですけれども、これは、実は私自身も、十八年ぐらい前になるんですけれども、九州大学工学部にお世話になって、水素について研究したことがございまして、その御縁で質問したいと思います。
といいますのも、十八年前、ちょうど私はまだ田舎の四国の四国中央市というところの市長でございまして、その町は九万人ぐらいの町だったんですけれども、製紙産業がとにかく集積していて、二〇〇四年の新市発足以来、ずっと紙の生産量は日本一なんですね。ただ、問題は、製鉄、化学に次いで、電力に次いで、CO2の排出量が多い産業を抱えている、こういう町でございました。
当然、紙を作るためには一トンの紙に百トンの水が要るぐらい水資源を確保しなきゃならないので、ダムを実は三つ造って、一億トンの水を貯水している、そういう町なんですね。
ところが、景気動向等によって生産調整が当然されますから、完全買水、契約で水を企業が買うんだけれども、時には使わずに海に流す、こういうことがあって、その余剰水を何とか有効活用できないかということで、市と企業とで検討会を当時、十八年前開いたんです。そのときに行き着いたのが水素製造だったんですね。
どこか取っかかりがないかなということで探すと、日本で最もそのとき進んでいたのが九州大学の工学部だったということで、たしか石原教授という方だったと思いますが、石原教授にいろいろ御指導をいただきました。先進地というか、研究が進んでいたのは、青森県も非常に進んでいたので、石原教授と私どもの市の職員とそして製紙会社の技術者とで、先進地まで行って取り組もうというふうなことをしたことがあります。
ただ、当時はまだまだ国も全然支援がなくて、製造コスト、供給先、保管や運搬、こういうことが非常に困難でございまして、結果的には頓挫し諦めた、そういう経験がありまして、今回、十八年を経て法案成立に向かっていることは大変私にとっても感慨深いところがございます。
そこで、佐々木先生にお伺いしたいのは、新たな技術ということでありますから、水素の普及を図っていくためには、何より正しい知識を広く国民一人一人に丁寧に説明していく必要があると思います。そして同時に、水素産業の発展に合わせて、高校や高専、大学等において人材を育成し、地域の新しい産業に育てていくことが重要だと思います。
これまでリードされてきた、そして最前線で活躍されてきた佐々木先生に、水素についての普及啓発や人材育成、それと確保、そしてその支援の重要性についてお伺いしたいと思います。
佐
佐々木一成#12
○佐々木参考人 まず、御指摘ありがとうございます。
大学は、やはりいろいろな貢献ができると考えています。その中で四点ぐらい、手短に、今日のお話についてお答えさせていただこうと思います。
まず一つは、まさに水力発電で、その電気を本来でしたら有効に利用できるはずなのが、あるときには海に捨ててしまわざるを得ないということでありますので、その話でいきますと、電力を作ったときに、それを捨てずに水の電気分解で水素を作る、そうすると、水素ですとためることができるということになります。その当時は、恐らく水の電気分解の、大型にやるという技術がなかったのでできなかったんですけれども、今、水素基本戦略でも水電解というところで政府もかなり力を入れておりますので、それが現実になるというのが一点目です。
あと、製紙の産業はやはり熱を使う産業と私は理解しております。なので、水素を作って、それを製紙産業で、まさに熱利用でカーボンニュートラルは苦労されていると思いますけれども、その中で、その熱源としてうまく水素を使っていただくということでは利用価値が出てくるのかなというのが二点目です。
それから、三点目がいろいろな分野、質疑も私も聞かせていただきまして、いろいろな分野でもそうなんですけれども、やはり今人の取り合いなんですよね。いろいろな分野で、やはり、新しいことをやる、でも人がいないということを言われておりますので、我々も、大学院では、九州大学に、これは世界で唯一だと思いますけれども、水素エネルギーシステム専攻というのがありまして、大学院の教育をしております。世界でも唯一だと思います。
そういう人材育成をきっちりやるということは大学の責務だと思っておりますし、最後、四点目でございますけれども、我々、先ほどの資料の中で、水素ステーションがあったり水素自動車があると。これは、高校生とか中学生に課外学習で来ていただくんですよね。やはり、カーボンニュートラル、皆さん関心があるんですけれども、どうしたらいいんですかということを考える場として大学というのは使っていただけるのかなと思います。
これは、九州大学に限らず、日本全国の大学や高校、高専でこういう取組をやはり地道にやっていく。その中で、もちろん課題もありますし、いろいろな解決すべきこともありますけれども、そういうのをオープンに議論する場として、こういう大学や高校、高専をうまく活用していただけるのかなと思います。
私から四点、以上です。ありがとうございました。
この発言だけを見る →大学は、やはりいろいろな貢献ができると考えています。その中で四点ぐらい、手短に、今日のお話についてお答えさせていただこうと思います。
まず一つは、まさに水力発電で、その電気を本来でしたら有効に利用できるはずなのが、あるときには海に捨ててしまわざるを得ないということでありますので、その話でいきますと、電力を作ったときに、それを捨てずに水の電気分解で水素を作る、そうすると、水素ですとためることができるということになります。その当時は、恐らく水の電気分解の、大型にやるという技術がなかったのでできなかったんですけれども、今、水素基本戦略でも水電解というところで政府もかなり力を入れておりますので、それが現実になるというのが一点目です。
あと、製紙の産業はやはり熱を使う産業と私は理解しております。なので、水素を作って、それを製紙産業で、まさに熱利用でカーボンニュートラルは苦労されていると思いますけれども、その中で、その熱源としてうまく水素を使っていただくということでは利用価値が出てくるのかなというのが二点目です。
それから、三点目がいろいろな分野、質疑も私も聞かせていただきまして、いろいろな分野でもそうなんですけれども、やはり今人の取り合いなんですよね。いろいろな分野で、やはり、新しいことをやる、でも人がいないということを言われておりますので、我々も、大学院では、九州大学に、これは世界で唯一だと思いますけれども、水素エネルギーシステム専攻というのがありまして、大学院の教育をしております。世界でも唯一だと思います。
そういう人材育成をきっちりやるということは大学の責務だと思っておりますし、最後、四点目でございますけれども、我々、先ほどの資料の中で、水素ステーションがあったり水素自動車があると。これは、高校生とか中学生に課外学習で来ていただくんですよね。やはり、カーボンニュートラル、皆さん関心があるんですけれども、どうしたらいいんですかということを考える場として大学というのは使っていただけるのかなと思います。
これは、九州大学に限らず、日本全国の大学や高校、高専でこういう取組をやはり地道にやっていく。その中で、もちろん課題もありますし、いろいろな解決すべきこともありますけれども、そういうのをオープンに議論する場として、こういう大学や高校、高専をうまく活用していただけるのかなと思います。
私から四点、以上です。ありがとうございました。
井
井原巧#13
○井原委員 先生、ありがとうございました。本当に人材確保が重要だし、地方に拠点を広げていくときに、市町村も含め各中小企業にしっかり水素についての技術者を育成していくことは誠に重要だ、こう思っております。
次に、この社会が水素という新たな技術に移行していくということは、日本にとっても、先ほどお話がありましたように、大きなビジネスチャンスであることは間違いありません。今リードすることができれば、将来、大きな市場を日本がかち取ることができる、こういうふうに思います。
私の地元というか、松山なんですけれども、貫流ボイラーのシェアで三浦工業というのが日本一なんですけれども、三浦工業も最近、水素ボイラーを開発して、積極的にこのチャンスを生かそう、そんな努力をしている企業もございます。
そこで、今がまさに重要な時期だというふうに思うんですけれども、日本企業が水素技術でチャンスをつかみ取るにはどういった戦略が必要なのか。これは、柏木先生と橋本先生にお聞きしたいと思うんですけれども、柏木先生は先ほど、技術で勝ってビジネスでいつも日本は負けている、こんな話もありましたし、また、現場のビジネスの最前線で取り組んでおられる橋本先生にも、それぞれ、その戦略についてお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →次に、この社会が水素という新たな技術に移行していくということは、日本にとっても、先ほどお話がありましたように、大きなビジネスチャンスであることは間違いありません。今リードすることができれば、将来、大きな市場を日本がかち取ることができる、こういうふうに思います。
私の地元というか、松山なんですけれども、貫流ボイラーのシェアで三浦工業というのが日本一なんですけれども、三浦工業も最近、水素ボイラーを開発して、積極的にこのチャンスを生かそう、そんな努力をしている企業もございます。
そこで、今がまさに重要な時期だというふうに思うんですけれども、日本企業が水素技術でチャンスをつかみ取るにはどういった戦略が必要なのか。これは、柏木先生と橋本先生にお聞きしたいと思うんですけれども、柏木先生は先ほど、技術で勝ってビジネスでいつも日本は負けている、こんな話もありましたし、また、現場のビジネスの最前線で取り組んでおられる橋本先生にも、それぞれ、その戦略についてお伺いしたいと思います。
柏
柏木孝夫#14
○柏木参考人 柏木です。どうもありがとうございました。
三浦工業は非常に斬新な企業で、普通、ボイラーメーカーだと思っているんですけれども、ボイラーはもう断トツトップですよね。営業もうまいしね。ただ、燃料電池も彼はやっているんですよね、新しい、金属板をうまく、細かい穴を空けて。ボイラーだけじゃもったいないと。
高温のものを使うのならば、まずは電力を取って、そしてその後で、SOになりますから、固体酸化物形になりますので、比較的高温で、四百度、五百度、六百度とか、そういう温度で駆動するということになりますと、最後に蒸気が出てきますので、そうすると、電気と蒸気のカスケード、ハイブリッドですね、こういうことをやった方が合理的だということで、例えば、三浦の話だったものですから、三浦工業でいえば、そういうボイラーメーカーが上位の電気を取る、そういう技術開発までやっている。これがまさに、ほかにはできないようなテクノロジーを斬新にチャレンジをしていく。ここら辺にすごく大きな商機があるんじゃないか、私はそういうふうに思っています。
水素燃焼に関しては、もう既にタービンもできていますし、ノズルの部分だとか燃焼器のところで高温になりますので、そういう高温に耐えられるような材料開発というのが非常に重要になってくる、そう思います。
以上でございます。
この発言だけを見る →三浦工業は非常に斬新な企業で、普通、ボイラーメーカーだと思っているんですけれども、ボイラーはもう断トツトップですよね。営業もうまいしね。ただ、燃料電池も彼はやっているんですよね、新しい、金属板をうまく、細かい穴を空けて。ボイラーだけじゃもったいないと。
高温のものを使うのならば、まずは電力を取って、そしてその後で、SOになりますから、固体酸化物形になりますので、比較的高温で、四百度、五百度、六百度とか、そういう温度で駆動するということになりますと、最後に蒸気が出てきますので、そうすると、電気と蒸気のカスケード、ハイブリッドですね、こういうことをやった方が合理的だということで、例えば、三浦の話だったものですから、三浦工業でいえば、そういうボイラーメーカーが上位の電気を取る、そういう技術開発までやっている。これがまさに、ほかにはできないようなテクノロジーを斬新にチャレンジをしていく。ここら辺にすごく大きな商機があるんじゃないか、私はそういうふうに思っています。
水素燃焼に関しては、もう既にタービンもできていますし、ノズルの部分だとか燃焼器のところで高温になりますので、そういう高温に耐えられるような材料開発というのが非常に重要になってくる、そう思います。
以上でございます。
橋
橋本康彦#15
○橋本参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。
確かに日本企業は、大変技術が好きで、物づくりも一生懸命やってきた結果、ビジネスモデルで劣後するという苦い過去もございました。
私どもの例でいいますと、昔、LNG運搬船、これは日本の誇る技術で、我々も一九八一年に日本で初めて出して、しばらくは非常に大きな産業となっておりましたけれども、残念ながら、その基本ライセンスであったりというのを欧州が持っていたために、それが中国、韓国に流れ、あるいは、先ほど言いました規制とかいろいろなところでも、実は、日本の内部では、事細かなディテールの部分までのデータを、一つのルール化して、それを開示してやった結果、日本の技術がほとんど海外に流れてしまった。
今、海外ではどうしているかというと、皆さん御存じのようなTUVとかいろいろな団体が、実は、向こうも専門家で、性能基準でいろいろなものをやり取りする形で、認証する側も専門家、こちらも専門家で、技術の内容で、これが板厚一ミリ合っていますか、溶接長はどうですかということではなくて、この性能のパフォーマンスができるようになっていますかということをお互い専門家で議論することによって認証する、こういった制度を使うことによって、実は、欧米の方では、技術をブラックボックス化して、取った技術を守っていく、こういったことがございます。
最近、水素でいいますと、先ほど言いました、元々のライセンスの部分、あるいは技術認証、あるいはそういった部分は、従来、日本はやってこなかったんですけれども、今、JH2Aでもそうですし、私ども川崎重工もそうですけれども、こういった部分がやはりビジネスとして成立させるのに極めて大事だということで、こういった部分の、日本発の標準化であったり、ISOの基準に日本の基準を入れ込んでいく。あるいは、先ほども言いましたけれども、こういう世界の基準に対して、日本が入って、一緒に物を言いながら日本の基準を入れ込んでいく、こういった部分にも積極的に参加しております。
我々、全体としましては、こういったいわゆるビジネスとしていく、ここにどれだけ力を入れるかということは、これはJH2Aでもそうですし、参加企業もみんな、そういった形の部分に大変力を入れております。
これからは、技術で勝っている部分を今後も続けていける、あるいは、今回、法案の方で、高圧の保安法等々の特例措置がございますけれども、こういった中に、やはり我々の、いろいろな、そこでの競争力強化のための、日本のいろいろなところでの競争力強化のところを入れ込んでいただくような形でお願いして、ディスカッションできるような体制が進む第一歩ではないかというふうに思いますので、今回の法案も、そういった、事業で勝っていけるためのものを後押ししていけるような形にしていただいているというふうには認識しておりますが、我々事業者も、ともすると物づくりに一生懸命になってしまうというこの日本の体質から、やはり事業目線でやっていくということに事業横断でみんな取り組んでいるところでございますので、先生方にも応援いただきながら、しっかりこれを日本の事業としても勝っていけるものにしていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
この発言だけを見る →確かに日本企業は、大変技術が好きで、物づくりも一生懸命やってきた結果、ビジネスモデルで劣後するという苦い過去もございました。
私どもの例でいいますと、昔、LNG運搬船、これは日本の誇る技術で、我々も一九八一年に日本で初めて出して、しばらくは非常に大きな産業となっておりましたけれども、残念ながら、その基本ライセンスであったりというのを欧州が持っていたために、それが中国、韓国に流れ、あるいは、先ほど言いました規制とかいろいろなところでも、実は、日本の内部では、事細かなディテールの部分までのデータを、一つのルール化して、それを開示してやった結果、日本の技術がほとんど海外に流れてしまった。
今、海外ではどうしているかというと、皆さん御存じのようなTUVとかいろいろな団体が、実は、向こうも専門家で、性能基準でいろいろなものをやり取りする形で、認証する側も専門家、こちらも専門家で、技術の内容で、これが板厚一ミリ合っていますか、溶接長はどうですかということではなくて、この性能のパフォーマンスができるようになっていますかということをお互い専門家で議論することによって認証する、こういった制度を使うことによって、実は、欧米の方では、技術をブラックボックス化して、取った技術を守っていく、こういったことがございます。
最近、水素でいいますと、先ほど言いました、元々のライセンスの部分、あるいは技術認証、あるいはそういった部分は、従来、日本はやってこなかったんですけれども、今、JH2Aでもそうですし、私ども川崎重工もそうですけれども、こういった部分がやはりビジネスとして成立させるのに極めて大事だということで、こういった部分の、日本発の標準化であったり、ISOの基準に日本の基準を入れ込んでいく。あるいは、先ほども言いましたけれども、こういう世界の基準に対して、日本が入って、一緒に物を言いながら日本の基準を入れ込んでいく、こういった部分にも積極的に参加しております。
我々、全体としましては、こういったいわゆるビジネスとしていく、ここにどれだけ力を入れるかということは、これはJH2Aでもそうですし、参加企業もみんな、そういった形の部分に大変力を入れております。
これからは、技術で勝っている部分を今後も続けていける、あるいは、今回、法案の方で、高圧の保安法等々の特例措置がございますけれども、こういった中に、やはり我々の、いろいろな、そこでの競争力強化のための、日本のいろいろなところでの競争力強化のところを入れ込んでいただくような形でお願いして、ディスカッションできるような体制が進む第一歩ではないかというふうに思いますので、今回の法案も、そういった、事業で勝っていけるためのものを後押ししていけるような形にしていただいているというふうには認識しておりますが、我々事業者も、ともすると物づくりに一生懸命になってしまうというこの日本の体質から、やはり事業目線でやっていくということに事業横断でみんな取り組んでいるところでございますので、先生方にも応援いただきながら、しっかりこれを日本の事業としても勝っていけるものにしていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
井
井原巧#16
○井原委員 ありがとうございました。
持ち時間はもうあと二分、一分ぐらいしかございませんので、浅岡先生にも御質問を気候変動でしたかったんですけれども、また次回の機会というふうに思っております。
先生方からお聞きして、私なんかは地方の出でありますから、やはり水素産業としていかに地方拠点をつくって地域を活性化させるか、それの一つの本当に大きな機会だとも思っております。
今後、やはり新技術だから、迷惑施設じゃないんだけれども、原発でもないんだけれども、まず住民の同意を、理解を取っていくのがこれから地方にとって課題なので、今後の保安体制についてもまた先生方の御指導をいただいて、この法案がしっかりと根づくように取り組んでいけたらというふうに思っております。
大変ありがとうございました。終わります。
この発言だけを見る →持ち時間はもうあと二分、一分ぐらいしかございませんので、浅岡先生にも御質問を気候変動でしたかったんですけれども、また次回の機会というふうに思っております。
先生方からお聞きして、私なんかは地方の出でありますから、やはり水素産業としていかに地方拠点をつくって地域を活性化させるか、それの一つの本当に大きな機会だとも思っております。
今後、やはり新技術だから、迷惑施設じゃないんだけれども、原発でもないんだけれども、まず住民の同意を、理解を取っていくのがこれから地方にとって課題なので、今後の保安体制についてもまた先生方の御指導をいただいて、この法案がしっかりと根づくように取り組んでいけたらというふうに思っております。
大変ありがとうございました。終わります。
岡
中
中野洋昌#18
○中野(洋)委員 公明党の中野洋昌でございます。
今日は、佐々木参考人、また橋本参考人、柏木参考人、浅岡参考人の四人の皆様から大変貴重な御意見を頂戴をいたしまして、本当にありがとうございます。
まさに、今回議論になっている水素社会の、利用の促進という、大変に非常に大きなテーマだというふうに思っておりまして、私も、公明党でいろいろなエネルギーの対策ということで議論をしてきたんですけれども、水素社会を早くつくっていかないとというふうなことも訴えさせていただいています。
佐々木先生の方には、もう何年か前になると思いますけれども、党のエネルギー対策本部でも様々御意見を頂戴したりですとか、また、私、地元が兵庫県でございますので、神戸の方で、今日橋本参考人に来ていただいておりますけれども、ちょうど経済産業大臣政務官をやっていたときに、「すいそ ふろんてぃあ」がまさに進水式ということで行かせていただきましたり、また、いろいろな取組も聞かせていただいたり、そういうこともさせていただきました。
また、地元の兵庫県の尼崎市というところなんですけれども、岩谷産業さんの水素の研究所もございまして、水素ステーションも商用第一号ということで地元でできたものですから、いろいろな、そういう技術的なところでお話を伺ったりとか、そんなこともしてまいりました。
まさに今回、それを利用促進していく法案が審議されていくということで、非常にこれからの展開に期待をしておるところでございます。
まず、佐々木参考人にお伺いをしたいんですけれども。
九州大学の方でもかなり前から、水素のいろいろな形の実用化から研究から、本当に牽引をしていただいていると思っております。長らくいろいろな研究をされてこられて、そして、技術的には、かなり日本はそういう意味では非常に進んでいるというふうに思っておるんですけれども、それをどうやって水素社会というところまでしていくかという中で、やはり相当大がかりな取組をしていかないとそれが進んでいかないんだろうというふうに思っております。
カーボンニュートラルをしっかりやっていくというところの中で、水素の基本戦略を世界に先駆けて作ったりですとか、あるいはGI基金を設置をしてやっていく、あるいはGXの経済移行債をやっていくということで、かなりスピードを上げて今取り組んできているところだと思うんですけれども、佐々木先生の方から、今の水素社会を実現していくための取組の御評価というか、今の日本のやっている大きな取組の評価と、そして、ここの分野に将来的には更にもっと力を入れていった方がいいとか、今後加速していく分野、そういうことも含めて是非御評価いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →今日は、佐々木参考人、また橋本参考人、柏木参考人、浅岡参考人の四人の皆様から大変貴重な御意見を頂戴をいたしまして、本当にありがとうございます。
まさに、今回議論になっている水素社会の、利用の促進という、大変に非常に大きなテーマだというふうに思っておりまして、私も、公明党でいろいろなエネルギーの対策ということで議論をしてきたんですけれども、水素社会を早くつくっていかないとというふうなことも訴えさせていただいています。
佐々木先生の方には、もう何年か前になると思いますけれども、党のエネルギー対策本部でも様々御意見を頂戴したりですとか、また、私、地元が兵庫県でございますので、神戸の方で、今日橋本参考人に来ていただいておりますけれども、ちょうど経済産業大臣政務官をやっていたときに、「すいそ ふろんてぃあ」がまさに進水式ということで行かせていただきましたり、また、いろいろな取組も聞かせていただいたり、そういうこともさせていただきました。
また、地元の兵庫県の尼崎市というところなんですけれども、岩谷産業さんの水素の研究所もございまして、水素ステーションも商用第一号ということで地元でできたものですから、いろいろな、そういう技術的なところでお話を伺ったりとか、そんなこともしてまいりました。
まさに今回、それを利用促進していく法案が審議されていくということで、非常にこれからの展開に期待をしておるところでございます。
まず、佐々木参考人にお伺いをしたいんですけれども。
九州大学の方でもかなり前から、水素のいろいろな形の実用化から研究から、本当に牽引をしていただいていると思っております。長らくいろいろな研究をされてこられて、そして、技術的には、かなり日本はそういう意味では非常に進んでいるというふうに思っておるんですけれども、それをどうやって水素社会というところまでしていくかという中で、やはり相当大がかりな取組をしていかないとそれが進んでいかないんだろうというふうに思っております。
カーボンニュートラルをしっかりやっていくというところの中で、水素の基本戦略を世界に先駆けて作ったりですとか、あるいはGI基金を設置をしてやっていく、あるいはGXの経済移行債をやっていくということで、かなりスピードを上げて今取り組んできているところだと思うんですけれども、佐々木先生の方から、今の水素社会を実現していくための取組の御評価というか、今の日本のやっている大きな取組の評価と、そして、ここの分野に将来的には更にもっと力を入れていった方がいいとか、今後加速していく分野、そういうことも含めて是非御評価いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
佐
佐々木一成#19
○佐々木参考人 まず、御指摘どうもありがとうございます。
それで、私も三十五年この分野を研究していて、もちろん、私は工学部の人間ですので、技術開発も一生懸命やって、新しい材料を開発したりとか、次の世代の燃料電池自動車に使えるまさに触媒を国家プロジェクトで開発したり、そういうところをやっております。
他方、水素分野で、審議会の委員長もさせていただいて改めて感じるのは、やはり日本で、特に技術系の人間が技術開発だけに集中してしまっているというところが、先ほども柏木先生からもありましたけれども、ビジネスで勝てないということがエネルギーで繰り返されてきた。これは、水素ではもうこれだけは避けたい、要は、ビジネスに勝つために何を考えるかということが非常に大事だということ、そこが日本がやはりなかなか手が回ってこなかったということだと思います。
それを考えるといったときに、結局、まずはやはりビジネスマインド、ビジネスをつくっていくという橋本参考人のお話もありましたし、突き詰めると、やはり国のルールから変えていかないと日本が世界に行って勝てないなというのは、もうこれは十年ぐらい前からいろいろな先生方とお話ししてきました。なので、今日、私はここに立って、水素社会推進法という、まさに国のルールを皆さんで作っていただけるというのは本当に感無量でございますし、その日本のルールを作った上で、まだまだ不十分なところは多いし、小さく産んで大きくきっちり育てたいということだと思いますけれども、世界のルールにきっちり発展させていくというのが大事だと思います。
最後に、欠けているところとありましたけれども、実は、我々大学でも考えているのは、技術系の人間だけがやっているのでは、やはり水素社会というのはつくれないんですね。ただし、大学の中では、例えば経済分野でライフサイクルアセスメントをやっている先生もいます、我々にも法学部の先生方もおられますので、そういうまさに人文社会学の先生方を今一生懸命巻き込んでいます。
九州大学でカーボンニュートラルの取組をやっている先生が、全部エネルギー研究教育機構という下で集めているんですけれども、それが二百四十人、教授、准教授、助教が集まっていますので、そういうチームの皆さんも巻き込んで、ライフサイクルアセスメントや社会のルールをどう作れるのかということを、まさに今議論を始めているところですし、まさにこの水素社会実現というのは総合知で取り組むべきことだと思っております。
まだまだその分野は大学はなかなかうまくいっていないところもありますけれども、これからは、そういう先生方も巻き込んで、水素社会実現に対してアカデミアも貢献できればと考えております。
私からは以上です。
この発言だけを見る →それで、私も三十五年この分野を研究していて、もちろん、私は工学部の人間ですので、技術開発も一生懸命やって、新しい材料を開発したりとか、次の世代の燃料電池自動車に使えるまさに触媒を国家プロジェクトで開発したり、そういうところをやっております。
他方、水素分野で、審議会の委員長もさせていただいて改めて感じるのは、やはり日本で、特に技術系の人間が技術開発だけに集中してしまっているというところが、先ほども柏木先生からもありましたけれども、ビジネスで勝てないということがエネルギーで繰り返されてきた。これは、水素ではもうこれだけは避けたい、要は、ビジネスに勝つために何を考えるかということが非常に大事だということ、そこが日本がやはりなかなか手が回ってこなかったということだと思います。
それを考えるといったときに、結局、まずはやはりビジネスマインド、ビジネスをつくっていくという橋本参考人のお話もありましたし、突き詰めると、やはり国のルールから変えていかないと日本が世界に行って勝てないなというのは、もうこれは十年ぐらい前からいろいろな先生方とお話ししてきました。なので、今日、私はここに立って、水素社会推進法という、まさに国のルールを皆さんで作っていただけるというのは本当に感無量でございますし、その日本のルールを作った上で、まだまだ不十分なところは多いし、小さく産んで大きくきっちり育てたいということだと思いますけれども、世界のルールにきっちり発展させていくというのが大事だと思います。
最後に、欠けているところとありましたけれども、実は、我々大学でも考えているのは、技術系の人間だけがやっているのでは、やはり水素社会というのはつくれないんですね。ただし、大学の中では、例えば経済分野でライフサイクルアセスメントをやっている先生もいます、我々にも法学部の先生方もおられますので、そういうまさに人文社会学の先生方を今一生懸命巻き込んでいます。
九州大学でカーボンニュートラルの取組をやっている先生が、全部エネルギー研究教育機構という下で集めているんですけれども、それが二百四十人、教授、准教授、助教が集まっていますので、そういうチームの皆さんも巻き込んで、ライフサイクルアセスメントや社会のルールをどう作れるのかということを、まさに今議論を始めているところですし、まさにこの水素社会実現というのは総合知で取り組むべきことだと思っております。
まだまだその分野は大学はなかなかうまくいっていないところもありますけれども、これからは、そういう先生方も巻き込んで、水素社会実現に対してアカデミアも貢献できればと考えております。
私からは以上です。
中
中野洋昌#20
○中野(洋)委員 ありがとうございます。
確かに、佐々木先生おっしゃられたような、アカデミアの中で、技術の分野だけではなくて、やはりいろいろな総合知でというか、そういうことがまさに必要だというふうにも非常に感じております。その分野で、今まさに多くのチームを巻き込んで更なる議論をされているということで、非常に期待をしておりますし、是非お願いをしたいと思っております。
橋本参考人にも少しお伺いをしたいんですけれども、JH2Aという、利用者、民間のいろいろな方々を代表してということでありますので、先ほども、国際競争で勝つ、ビジネスとして成立をさせるというお話もいただいたんですけれども、今まさに水素社会の、利用を促進する法律をこれから作るという状況でありますので、是非民間の立場から、この法律への期待ですとか、あるいは、日本の政府に、更なる国際競争に勝つための取組というか、どういうことを求めていきたいのか、こういうことを是非お伺いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →確かに、佐々木先生おっしゃられたような、アカデミアの中で、技術の分野だけではなくて、やはりいろいろな総合知でというか、そういうことがまさに必要だというふうにも非常に感じております。その分野で、今まさに多くのチームを巻き込んで更なる議論をされているということで、非常に期待をしておりますし、是非お願いをしたいと思っております。
橋本参考人にも少しお伺いをしたいんですけれども、JH2Aという、利用者、民間のいろいろな方々を代表してということでありますので、先ほども、国際競争で勝つ、ビジネスとして成立をさせるというお話もいただいたんですけれども、今まさに水素社会の、利用を促進する法律をこれから作るという状況でありますので、是非民間の立場から、この法律への期待ですとか、あるいは、日本の政府に、更なる国際競争に勝つための取組というか、どういうことを求めていきたいのか、こういうことを是非お伺いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
橋
橋本康彦#21
○橋本参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。
私ども、水素という新たなことにチャレンジするということは、もちろん今回政府からも御支援いただきますけれども、我々民間にとっても、巨大な投資をして、そして、まだ値段が下がらない状態から値段が下がるという状態をつくるために、我々も頑張って投資をしております。
しかしながら、やはり我々の目的は、我々がつくっているのは、ただ単に、液化水素運搬船を造る、あるいは燃料電池車を造るということではなく、水素社会をつくる、つまり、多くの人が参加して、多くの人に利用していただける環境をつくるということになります。
そうしますと、どうしても、こうした新しいものをつくって社会に普及させる間というのは、かなり、資金の面、値段の差、そして、あるいは従来やってきたことと違うことをやりますので、いろいろな法律的な違いというのは、どうしても生じてきます。そういったところで、我々は実は、先ほど言いましたように、国際競争の中で、かなりスピーディーに物事を進めていかないといけない。
こういう形で、私ども民間もかなりリスクを取ってしっかり前に進んでおりますけれども、そのリスクを応援するという意味で、今回の法律は、値差支援であったりとか、いわゆる設備に対する支援、あるいは保安法の一元の措置であったりという形で、いわゆるスピーディーに、将来を予見する形で民間がリスクを取れるという形の法案を作っていただいたということは、我々企業にとっても、やはりリスクを取ってそれを前に進めようということが一層加速できますし、やはり、将来の予見性が長い形での法案にしていただきますと、それに向かって、かなりの大きな投資をする、決断をする、そして、そこから新たな雇用を生み出して、そういうふうに産業転換していくというふうな形になっていくと思います。
我々は、実は、水素に移行する間には、水素レディー商品といいまして、現在のものでも使えるけれども、次の水素も入れながら、例えばつなぎでやれるような商品であったり、こういった、移行期に対していろいろな手だてを我々も打ちますけれども、やはりこういった法律を使っていただいて、我々がよりスピーディーに動ける形で御支援いただけるというのは大変ありがたい法律ですので、これを是非我々に活用させていただきたいと思いますし、これを機に、我々もしっかり皆さんの御期待に応えるように開発、そして社会実装を進めていきたいと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →私ども、水素という新たなことにチャレンジするということは、もちろん今回政府からも御支援いただきますけれども、我々民間にとっても、巨大な投資をして、そして、まだ値段が下がらない状態から値段が下がるという状態をつくるために、我々も頑張って投資をしております。
しかしながら、やはり我々の目的は、我々がつくっているのは、ただ単に、液化水素運搬船を造る、あるいは燃料電池車を造るということではなく、水素社会をつくる、つまり、多くの人が参加して、多くの人に利用していただける環境をつくるということになります。
そうしますと、どうしても、こうした新しいものをつくって社会に普及させる間というのは、かなり、資金の面、値段の差、そして、あるいは従来やってきたことと違うことをやりますので、いろいろな法律的な違いというのは、どうしても生じてきます。そういったところで、我々は実は、先ほど言いましたように、国際競争の中で、かなりスピーディーに物事を進めていかないといけない。
こういう形で、私ども民間もかなりリスクを取ってしっかり前に進んでおりますけれども、そのリスクを応援するという意味で、今回の法律は、値差支援であったりとか、いわゆる設備に対する支援、あるいは保安法の一元の措置であったりという形で、いわゆるスピーディーに、将来を予見する形で民間がリスクを取れるという形の法案を作っていただいたということは、我々企業にとっても、やはりリスクを取ってそれを前に進めようということが一層加速できますし、やはり、将来の予見性が長い形での法案にしていただきますと、それに向かって、かなりの大きな投資をする、決断をする、そして、そこから新たな雇用を生み出して、そういうふうに産業転換していくというふうな形になっていくと思います。
我々は、実は、水素に移行する間には、水素レディー商品といいまして、現在のものでも使えるけれども、次の水素も入れながら、例えばつなぎでやれるような商品であったり、こういった、移行期に対していろいろな手だてを我々も打ちますけれども、やはりこういった法律を使っていただいて、我々がよりスピーディーに動ける形で御支援いただけるというのは大変ありがたい法律ですので、これを是非我々に活用させていただきたいと思いますし、これを機に、我々もしっかり皆さんの御期待に応えるように開発、そして社会実装を進めていきたいと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。
中
中野洋昌#22
○中野(洋)委員 ありがとうございます。
やはり、民間の方でも大きなリスクを取って大きな投資をされていくということで、しっかり予見可能性が持てるような、先ほど橋本参考人がおっしゃられた、しっかりした支援がやはり必要だということで、改めて認識をさせていただきました。
続きまして、柏木参考人に次はお伺いをしたいんですけれども、先ほど来、皆様のいろいろなお話をずっと伺っていると、やはり日本は物づくりは強いというか技術開発ということで、とにかくこれは先行してきたと。
その中で、やはりビジネスで勝てるように、水素はそれはやらないといけないということを、いろいろな皆様が今回大きなテーマだということで掲げられておられるということを改めて感じまして、柏木参考人のお話の中でも、やはり規制改革やビジネスモデル、こういうのが今非常に大事だ、ビジネスで勝つためにというお話がございましたので、是非この点について、もう少し詳しくというか、今何をやるべきかということも含めて是非お話しいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →やはり、民間の方でも大きなリスクを取って大きな投資をされていくということで、しっかり予見可能性が持てるような、先ほど橋本参考人がおっしゃられた、しっかりした支援がやはり必要だということで、改めて認識をさせていただきました。
続きまして、柏木参考人に次はお伺いをしたいんですけれども、先ほど来、皆様のいろいろなお話をずっと伺っていると、やはり日本は物づくりは強いというか技術開発ということで、とにかくこれは先行してきたと。
その中で、やはりビジネスで勝てるように、水素はそれはやらないといけないということを、いろいろな皆様が今回大きなテーマだということで掲げられておられるということを改めて感じまして、柏木参考人のお話の中でも、やはり規制改革やビジネスモデル、こういうのが今非常に大事だ、ビジネスで勝つためにというお話がございましたので、是非この点について、もう少し詳しくというか、今何をやるべきかということも含めて是非お話しいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
柏
柏木孝夫#23
○柏木参考人 今問題になっているのが、発展途上国がこれからがんがん伸びていくということになりますと、資源はなくなるし、何でも高くなっていきますよね。そうすると、やはり、リサイクリング、循環型。直線的、今までは大量生産、大量消費、大量廃棄というこの一方通行的な物づくり、あるいは一方通行的な経済学、こういうものが最も安価に物ができるというふうに思われていたのが、最近がらっと変わっていると私は思っていまして、二十一世紀型というのは、いかに循環型に持ってこられるかと。そうすると、マテリアルリサイクリング、プラス、エコノミックサーキュレーションですね。
ですから、固定価格買取りなんかもそうなんですよね。あれはドイツが一番得意で、旧東、西ドイツがあって、旧西ドイツは金回りがいい、旧東ドイツは農業国家で余りよくない、だけれども、再生可能エネルギーを三倍で買ってやるということになると、その三倍のお金はどこから来るかというと、エネルギー多消費型の西から東に移る。ここで、サーキュレーションが起きますね。だから、これが一つの輪。日本も本当はそういう形にやはりすると非常にいいと私は思っていますけれども、都市から農山村へ、一次産業がn次産業化するということになるわけです。
ですから、そういう意味では、エコノミックサーキュレーションになるような、こういう、水素に関してもキャリアをうまく、アンモニアなんかもそうですね、キャリアにして、うまく水素を回していくとか、それによってエコノミックもサーキュレーションする、だから都市から農山村へお金が移っていくというふうなことをすれば、非常に今世紀の経済学に合ってくるんじゃないかと。
あともう一つは、大学と、大学はもう治外法権で自分たちの好きにできると思ったら大間違いで、やはり、外部からニーズを持った人材、企業人ですよね、企業人を学内に引き入れる、特任教授で入れて、そして、学内の教員はシーズを持っていますから、シーズで、余りニーズが分からないシーズをやっている場合もあるので、そこと結びつけていく、このことをソリューション研究と我々は定義していますけれども、そういう大学改革というか、産学の連携というものをうまく使うこともこれからの新しいビジネスモデルの形成には役立つものだと思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
この発言だけを見る →ですから、固定価格買取りなんかもそうなんですよね。あれはドイツが一番得意で、旧東、西ドイツがあって、旧西ドイツは金回りがいい、旧東ドイツは農業国家で余りよくない、だけれども、再生可能エネルギーを三倍で買ってやるということになると、その三倍のお金はどこから来るかというと、エネルギー多消費型の西から東に移る。ここで、サーキュレーションが起きますね。だから、これが一つの輪。日本も本当はそういう形にやはりすると非常にいいと私は思っていますけれども、都市から農山村へ、一次産業がn次産業化するということになるわけです。
ですから、そういう意味では、エコノミックサーキュレーションになるような、こういう、水素に関してもキャリアをうまく、アンモニアなんかもそうですね、キャリアにして、うまく水素を回していくとか、それによってエコノミックもサーキュレーションする、だから都市から農山村へお金が移っていくというふうなことをすれば、非常に今世紀の経済学に合ってくるんじゃないかと。
あともう一つは、大学と、大学はもう治外法権で自分たちの好きにできると思ったら大間違いで、やはり、外部からニーズを持った人材、企業人ですよね、企業人を学内に引き入れる、特任教授で入れて、そして、学内の教員はシーズを持っていますから、シーズで、余りニーズが分からないシーズをやっている場合もあるので、そこと結びつけていく、このことをソリューション研究と我々は定義していますけれども、そういう大学改革というか、産学の連携というものをうまく使うこともこれからの新しいビジネスモデルの形成には役立つものだと思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
中
岡
山
山崎誠#26
○山崎(誠)委員 立憲民主党の山崎誠でございます。
今日は貴重な御意見をありがとうございました。
では、早速質問を幾つかさせていただきたいと思います。
まず、やはり、今議論をする中で、気候変動対策としての意義、これは、大局に立って、その出発点を忘れてはいけないというのは、先ほどの浅岡参考人のお話からも非常に感じたところです。
私どもは、やはり日本の省エネ、再エネは、まだまだ進みが遅いし、十分でない、掲げている目標も、例えば、二〇三〇年に再生可能エネルギー、電源構成三六から三八、温室効果ガスの削減目標も二〇一三年比四六%ということで、不十分だということで常に意見しているわけでありますが、浅岡参考人にお聞きします。
この日本の現状をどう評価されているか、そして、気候変動対策として本当に日本が優先すべき政策というのはどういうものか、改めて御意見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →今日は貴重な御意見をありがとうございました。
では、早速質問を幾つかさせていただきたいと思います。
まず、やはり、今議論をする中で、気候変動対策としての意義、これは、大局に立って、その出発点を忘れてはいけないというのは、先ほどの浅岡参考人のお話からも非常に感じたところです。
私どもは、やはり日本の省エネ、再エネは、まだまだ進みが遅いし、十分でない、掲げている目標も、例えば、二〇三〇年に再生可能エネルギー、電源構成三六から三八、温室効果ガスの削減目標も二〇一三年比四六%ということで、不十分だということで常に意見しているわけでありますが、浅岡参考人にお聞きします。
この日本の現状をどう評価されているか、そして、気候変動対策として本当に日本が優先すべき政策というのはどういうものか、改めて御意見をお伺いしたいと思います。
浅
浅岡美恵#27
○浅岡参考人 御質問ありがとうございます。
二〇三〇年の目標が大変重要である、そしてそれが実現されることが大変重要であるということを先ほど申し上げさせていただきましたが、日本の二〇三〇年の目標は二〇一三年比、四三%、これを国際的な議論に合わせまして二〇一九年比で見ますと、三五%でしかありません。四三%といいますのも世界全体でのものでありまして、先進国はより多く削減することが求められている中、目標自身がもっと引上げが求められている、これは客観的な状況でございます。
ところが、現在の対策では、私どもが見るところは、二〇三〇年の四六%削減の実現は極めて危ういと言わざるを得ないと思います。
実効性のある対策はカーボンプライシング、炭素税などでありますが、それは今はなきに等しいもので、本格的にというのは二〇三三年とかいうような話でございますので、当面はそうした政策を欠いている。そして、再生可能エネルギーは二〇三〇年の目標も危ういのではないかと思われる最近の実情であろうかと思います。
これは世界の趨勢から本当に大きく遅れておりまして、どうやってこれを加速させるような政策を、措置を取っていただけるのかと期待をしているところですが、ほとんどそこの前向きな議論は見られず、むしろ電力に、水素、アンモニア混焼をいかに進めるかという今回の議論が先行しているというのは懸念すべき状況ではないかと思います。僅かに二〇三〇年一%、二〇五〇年でも一〇%、そして二〇五〇年でもCCS頼みである、海外にずうっとエネルギー源を依存し続けるということは日本の経済の将来に合わないということを大変懸念しているところでありまして、まさに、省エネはともかく、再エネを増進するための政策を本当に強化していただきたいと思っているところです。
この発言だけを見る →二〇三〇年の目標が大変重要である、そしてそれが実現されることが大変重要であるということを先ほど申し上げさせていただきましたが、日本の二〇三〇年の目標は二〇一三年比、四三%、これを国際的な議論に合わせまして二〇一九年比で見ますと、三五%でしかありません。四三%といいますのも世界全体でのものでありまして、先進国はより多く削減することが求められている中、目標自身がもっと引上げが求められている、これは客観的な状況でございます。
ところが、現在の対策では、私どもが見るところは、二〇三〇年の四六%削減の実現は極めて危ういと言わざるを得ないと思います。
実効性のある対策はカーボンプライシング、炭素税などでありますが、それは今はなきに等しいもので、本格的にというのは二〇三三年とかいうような話でございますので、当面はそうした政策を欠いている。そして、再生可能エネルギーは二〇三〇年の目標も危ういのではないかと思われる最近の実情であろうかと思います。
これは世界の趨勢から本当に大きく遅れておりまして、どうやってこれを加速させるような政策を、措置を取っていただけるのかと期待をしているところですが、ほとんどそこの前向きな議論は見られず、むしろ電力に、水素、アンモニア混焼をいかに進めるかという今回の議論が先行しているというのは懸念すべき状況ではないかと思います。僅かに二〇三〇年一%、二〇五〇年でも一〇%、そして二〇五〇年でもCCS頼みである、海外にずうっとエネルギー源を依存し続けるということは日本の経済の将来に合わないということを大変懸念しているところでありまして、まさに、省エネはともかく、再エネを増進するための政策を本当に強化していただきたいと思っているところです。
山
山崎誠#28
○山崎(誠)委員 ありがとうございます。貴重な御意見、ありがとうございます。
次ですが、私は前回の質疑でも強調させていただいたんですけれども、水素、アンモニアの用途というもの、これをエネルギー効率あるいはコストというような面で見たときに、やはり、再生可能エネルギーで賄うことができる電気とか熱については、極力、再生可能エネルギーは自前で、自国で供給をするというのが私は筋じゃないかなと。水素はやはり補完的なエネルギーとして、産業用の高熱だとか水素還元製鉄だとか、モビリティーでも大きなバスだとかトラックだとか、電化が難しいものに限定していくということが私は前提じゃないかなというふうに思うのでありますけれども、これは、浅岡参考人、そして佐々木参考人にも御意見をいただければと思います。
この発言だけを見る →次ですが、私は前回の質疑でも強調させていただいたんですけれども、水素、アンモニアの用途というもの、これをエネルギー効率あるいはコストというような面で見たときに、やはり、再生可能エネルギーで賄うことができる電気とか熱については、極力、再生可能エネルギーは自前で、自国で供給をするというのが私は筋じゃないかなと。水素はやはり補完的なエネルギーとして、産業用の高熱だとか水素還元製鉄だとか、モビリティーでも大きなバスだとかトラックだとか、電化が難しいものに限定していくということが私は前提じゃないかなというふうに思うのでありますけれども、これは、浅岡参考人、そして佐々木参考人にも御意見をいただければと思います。
浅
浅岡美恵#29
○浅岡参考人 ありがとうございます。
私どもは、水素や水素のキャリアとしてのアンモニア、又は船舶の燃料として今議論されているアンモニアなどは不適であると申し上げているのではございません。水素の利用価値はあること、ある分野があるわけでございますし、よく理解をしておりますし、これは、この前の委員会でも大臣も、排出削減が困難な分野に利用が期待されている、これは世界共通の期待でございます。その困難な分野は、大臣もおっしゃっておられますように、鉄鋼とか高温を使う化学であるとか、飛行機は必ずしもということみたいですけれども、船舶などは本当に現実の問題としてあるというふうに考えてございます。
そうした観点で、最も再生可能エネルギーの転換が経済的に合理的であり、ポテンシャルも日本では十分考えられ、そして、それをいかに上手に拡大していくのか、うまく活用するところに知恵を絞る、これが先生方に本当に期待をしたい、お願いしたいと思うところでございます。
この発言だけを見る →私どもは、水素や水素のキャリアとしてのアンモニア、又は船舶の燃料として今議論されているアンモニアなどは不適であると申し上げているのではございません。水素の利用価値はあること、ある分野があるわけでございますし、よく理解をしておりますし、これは、この前の委員会でも大臣も、排出削減が困難な分野に利用が期待されている、これは世界共通の期待でございます。その困難な分野は、大臣もおっしゃっておられますように、鉄鋼とか高温を使う化学であるとか、飛行機は必ずしもということみたいですけれども、船舶などは本当に現実の問題としてあるというふうに考えてございます。
そうした観点で、最も再生可能エネルギーの転換が経済的に合理的であり、ポテンシャルも日本では十分考えられ、そして、それをいかに上手に拡大していくのか、うまく活用するところに知恵を絞る、これが先生方に本当に期待をしたい、お願いしたいと思うところでございます。