山中伸介の発言 (原子力問題調査特別委員会)
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○山中政府特別補佐人 原子力規制委員会委員長の山中伸介でございます。
原子力問題調査特別委員会における御審議に先立ちまして、原子力規制委員会の業務について御説明申し上げます。
まず、本年一月一日に発生をいたしました令和六年能登半島地震後の原子力規制委員会の対応について申し上げます。
原子力規制委員会は、地震発生後直ちに警戒本部を設置し、プラント情報の収集を行い、北陸電力志賀原子力発電所を始めとする原子力発電所において必要な安全機能が維持されていることを確認するとともに、記者会見やSNSを通じて情報発信を行いました。今回の地震により、北陸電力志賀原子力発電所における一部変圧器の故障、同発電所周辺の一部モニタリングポストにおいて測定結果を確認できない等の影響が生じましたが、放射性物質の漏えいなどはなく、発電所の安全確保に影響のある問題は生じませんでした。
原子力規制委員会としては、今後、今回の地震から原子力発電所に影響する新たな知見が得られた場合には、規制への取り入れの要否について適切に判断してまいります。
次に、原子力施設に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。
東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえて強化した規制基準への適合性審査については、これまで申請がなされた二十七基の発電用原子炉のうち十七基に対して設置変更許可を行いました。また、申請がなされた二十一の核燃料施設等のうち、これまでに核燃料物質の加工施設、使用済燃料の再処理施設等について十一件の事業変更許可を、試験研究炉等について二件の設置変更承認及び七件の設置変更許可を行いました。
発電用原子炉の運転期間延長については、これまでに申請がなされた八基のうち六基に対して認可を行いました。
原子力施設の廃止措置計画については、これまでに発電用原子炉に対して十八基の認可を、核燃料施設等に対して九件の認可を行いました。
昨年の通常国会で成立した原子炉等規制法の一部改正により創設された長期施設管理計画の認可制度については、昨年十月一日に本格施行に向けた手続が開始され、申請を受けた審査を開始しております。引き続き、同制度に基づく事業者からの認可申請に対する審査を厳正に進めてまいります。
また、平成二十九年に改正された原子炉等規制法に基づき、令和二年四月から原子力規制検査制度の運用を開始し、事業者のあらゆる安全活動について監視を行っています。
東京電力柏崎刈羽原子力発電所におけるIDカード不正使用事案及び核物質防護設備の機能一部喪失事案については、核物質防護に取り組む意識の醸成や多様な検知方式による生体認証の導入など、東京電力による改善措置の実施状況やその効果等について確認してまいりました。
昨年十二月、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の核物質防護の不備が改善され、東京電力の自律的な改善が見込める状態であることが確認できたことから、原子力規制検査の対応区分を第四区分から第一区分に変更し、追加検査を終了いたしました。今後は基本検査の中で、自律的な改善活動が緩みなく、一過性のものとならずに行われているかを重点的に確認するなど、核物質防護への取組を監視、指導してまいります。
これ以外にも、原子力施設等で事故トラブルが発生した場合は、速やかな状況確認などを通じて、今後とも適切に対応してまいります。
また、規制基準については、安全研究等により得られた最新の科学的、技術的知見、新規制基準に係る適合性審査の実績等を踏まえて、継続的に改善を図ってまいります。
以上のとおり、原子力施設等に関する規制が適切に実施できるよう取り組んでおるところでございます。
第三に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉や汚染水対策の実施について、規制当局としての立場から、安全かつ着実に廃炉作業が進むよう、積極的な監視、指導を行うとともに、関係省庁と連携し、環境放射線モニタリングの実施とその結果の公表を行っております。
令和三年四月十三日に政府方針が決定された多核種除去設備等処理水、いわゆるALPS処理水の海洋放出については、昨年八月から海洋放出が開始され、これまでに四回の放出が行われておりますが、原子力規制委員会は、この放出が、検査を通じて認可した実施計画に沿って行われていることを確認しています。今後も、継続的に東京電力の活動を検査で確認するとともに、IAEAのレビューやモニタリングなどにより、透明性、信頼性の維持にも努めてまいります。
東京電力福島第一原子力発電所の事故調査については、放射性物質の移動メカニズム、溶融炉心の挙動等の調査、分析に関する検討内容について、科学的、技術的意見募集の結果も踏まえて、昨年三月に中間的な取りまとめを行いました。今後も調査、分析を行い、それにより得られた知見を規制に活用することも含め、取り組んでまいります。
第四に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実並びに保障措置について申し上げます。
原子力規制委員会では、本年一月に行った自治体との意見交換を踏まえて、原子力災害時の防護措置である屋内退避を最も効果的に運用するため、原子力施設が新規制基準に適合することが求められている状況を踏まえた屋内退避の実施や解除等の判断の在り方に関する検討を進めることとし、三月二十七日に原子力災害時の屋内退避の運用に関する検討チームを設置いたしました。引き続き原子力災害対策の充実を図ってまいります。
環境放射線モニタリングについては、原子力規制事務所の体制整備及び関係道府県への技術的支援等により、緊急時モニタリング体制の充実を図ってきておりますが、能登半島地震を踏まえ、更なる信頼性の向上に取り組んでまいります。
また、国際約束に基づく国内の原子力施設に対する厳格な保障措置の適用により、国内全ての核物質が平和的活動にとどまっているとの評価を継続してIAEAより得ております。
以上、原子力規制委員会の業務について御説明いたしました。
原子力規制委員会は、与えられた職責を踏まえ、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、また、我が国の原子力利用に対する信頼が回復されるよう、今後とも努力してまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
訂正させていただきます。我が国の原子力利用に対するという発言をいたしましたけれども、我が国の原子力規制に対する信頼が回復されるようというふうに訂正をさせていただきます。