佐藤暁の発言 (原子力問題調査特別委員会)
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○佐藤参考人 御質問をどうもありがとうございました。
今の御質問に対してお答え申し上げます。
まず最初に、設計基準脅威についての御質問でした。これは、アメリカの場合には、特に二〇〇一年の、九・一一と言っている具体的なテロがあったわけですので、それをきっかけに引き締められたという経緯もありまして、大分エスカレートした内容になっているというふうに見受けられるわけです。
そういうこともありまして、この設計基準脅威に関しては、具体的に申し上げれば、同時多発テロが、まさに同時多発だったわけです、それから自爆テロだったわけです、こういったことが原子力発電所に対しても行われるのではないか。一か所だけからの攻撃ではなくて、陸からも海からも同時に攻められてくるのではないか。それから、そのテロリストというのは、高度に訓練をされて、武器というよりは兵器の扱いにも慣れていて、人を殺傷すること、自分が殺されること、それを恐れないで攻めてくるのではないか。そういった特性を具体的にうたっているわけです。
ですので、そういう脅威に対して対抗できなければならない、自然にそうなるわけですので、それに見合った、セキュリティーのスタッフというよりは、むしろ戦闘員と言っていいくらいのチームを、各発電所に百二十人ぐらいの体制、今やアメリカの原子力発電所は、プラントのスタッフの二割ぐらいがセキュリティーに関係する人たちだというふうに言われているくらいです。発電所の敷地の中も、戦場になる場合を想定して、いろいろなところに、高いところから照明を照らして狙撃をしたりだとか、そういう設備ができてしまっている、そういったところが日米の差です。
その基になっているのが設計基準脅威ということで、これはもう既に明文化されております。それが最初の御質問に対するお答えです。
次は、経済的に進めるための、経済的に変えていくための規制インフラというのは具体的にどういうことなのかということですが、私の御提示しました資料の八ページを見ていただけると説明しやすいんですけれども、八ページのスライドに、具体的にどういうことをやってアメリカが経済性を高めてきたかということが書いてあります。
例えば、設備利用率の向上ということの中には、今、日本では、十三か月を超えない頻度で、止めて検査をしないといけない、そうなっているわけですけれども、それも、アメリカでは、大分早い時期に十八か月、二十四か月というふうに延ばして、しかも、止めて検査するばかりでなくて、運転しながら検査をするということ。それから、検査の範囲も決まっているわけなんですけれども、その検査の中には無駄な、必要のない検査までやっていないか、そういうものをリスク評価をして削減をしたりとか、そういうこともやっているわけですね。
それは、電力会社が自主的に、勝手に、いいことではないわけです。当然、そういったことをするときには、安全上のリスクが高まるという見方もあるわけですので、それをやはり規制としても見ていかないといけない。ですので、それは規制の中に盛り込まれなければなりません。
あるいは、今、百万キロワットで発電している発電所を百十五万キロワットに引き上げるということをするならば、そのタービンを回すための蒸気流量を増やしたりだとか発電機の能力を上げたりだとか、いろいろなところを変えていかないといけません。蒸気の流量が増えれば、それだけ振動しやすくなるとか劣化が進むとか、そういうこともあります。ですから、そういう場合にはどういったところを見ていかないといけないのか。
もっといろいろたくさんありますけれども、日本でも、最近、認可更新が四十年から六十年に延長されているわけです。これも、簡単にオーケーしたわけではないわけですね。劣化管理をしっかりやっていくというところを審査をして、それを許可しているわけです。
こういった規制の活動はたくさんあります。審査をすること、検査をすること、たくさんあります。それを全てシステム化する。システム化されたもの、それが規制インフラであります。
以上がお答えになります。