黒川清の発言 (原子力問題調査特別委員会)

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○黒川参考人 ありがとうございます。
 私も、実は、ずっとこのところ考えておりまして、日本は何が普通じゃないのかということですね。今日、見ていても、ほとんど男の人ばかりですよね。普通の民主主義の国、大体二十四ぐらいあると思いますけれども、こんなところはないと思うんですよ。なぜそうなのかということが全部の元にあるんじゃないかと思っています。
 圧倒的に男の人が多いんですけれども、例えば、二世議員はどのぐらいいるか。つまり、民主主義の国で二世議員がどのぐらいいるかというと、どのぐらいだか知っていますか。一番多いのがタイとフィリピンですね、三番目がアイスランドです。分かりますか、どうしてか。四番目が日本なんですよ。なぜなのか。こういうところが全部一緒になっているんじゃないかと思うんですね。
 この間、ちょっと大蔵省の人が三人ぐらい来られて、どうしてこうなのかという話を聞きに来たんですけれども、例えば、ハーバード大学とかケンブリッジ大学というのは皆さん御存じですよね。あそこは、世界ではいい大学だと思いますね。大蔵省にそういうことを言うと、頭で考えさせるというのはすごく大事だと思うので、ああいうところに入るのに入学試験というのはあるかね、こう聞くわけですね。あると思いますか、ないと思いますか。どうやって採ると思いますか。ないですよ。何で日本はあるわけ、そうすると。日本の教育というのは、入試をターゲットにした教育をしているんじゃないですか。
 東京大学の学生の才能はどこに生かされているかなんという話をまた次にするんですけれども、そうすると、みんな考えてから返事をして、どうせ自分たちもみんな東京大学ですから、こうだとは言えないので、何でしょうとしばらく考えてから言うんです。何だと思いますか、東大の学生の才能が生かされているところ、明らかにほかより優秀だ。クイズ番組ですよ。何でも知っていて、すぐ正解を出せるという人でしょう。そんなのがどういう役に立つわけ。それでうまくいっていたんですよ、なぜか。
 皆さん、民主主義だと言うけれども、本当に民主主義になるというのは、歴史的に見ても何かすごいバトルがあるはずですよ、ヨーロッパから始まっているにしても。そうすると、王様なんかは大体どこかですっ飛んじゃうわけですけれども、日本は民主主義になったんでしょうかね。戦争に負けて、マッカーサーが来たわけですよね。これが民主主義だよと言うから投票しているだけなんじゃないかと私は思っています。つまり、それでうまくいったからですよ。
 ジャパン・アズ・ナンバーワンと書いた人はエズラ・ボーゲルさんですけれども、あの人は、若いときからのターゲットは何をしているかというと、中国を勉強しているわけですよね。一九七〇年ぐらいに行くんだけれども、必ず日本に寄らないと中国に行けないわけじゃないですか。日本にそのときにワンストップしているときに、日本が成長し始めたので、一九七五年ぐらいだと思いますけれども、二、三年おられるんですよ。いろいろな人に話を聞いてあれを書くんですね、ジャパン・アズ・ナンバーワンになるような素質があるねと。これがばか売れしたんですね、日本語に訳すと。みんながボーゲル先生、ボーゲル先生と。日本は褒めると売れるんだということが分かったわけですよ。つまり、外から見ると、何が違うのかという理由をずっと考えていると、そこなんじゃないかと思うんですね。
 この三十年、OECDの国で日本だけGDPが増えていないのはよく御存じでしょう。どうしてか、それを考えてくださいよ。
 例えば、いい大学に入って、東京大学でもいいんだけれども、三菱銀行に入るじゃないですか。十年もすれば、それなりのバンカーでしょう。住友銀行に移れますか、移りにくいでしょう。そんな国があると思いますか。その人たちはバンカーなんだから、三菱銀行のものじゃないんですから。
 それでうまくいったのはなぜなのか、この三十年、GDPが増えないのはなぜなのか、そこを考えないと、常にペリフェリーの一つ一つのことで議論をしているのが日本で、すごくまずいんじゃないかなというのが私の最近の考えです。
 それでうまくいった理由を、この三十年、GDPは日本だけ増えていないじゃないですか。何でメディアが言わないわけ。
 例えば、朝日新聞に入って十五年もすれば、朝日新聞のジャーナリストだけれども、ほかの、毎日新聞なんかに移れますか、移れないじゃないですか。だから、紹介するときに、あなたは何ですかと言ったら、私はジャーナリストなんて言いませんよ、朝日新聞の者ですと言うんだから。これがジャパンなんですよね。
 今、ここは皆さん男ばかりだけれども、こういうのはすごくへんてこりんというか、異常ですよね。それで、私が最近言っていることは、男の人と女の人とは基本的に価値観の座標が違うんだという話を結構しているんですけれども、また、私はお医者さんだし、アメリカで十四年ぐらいキャリアをつくっていたので、日本の弱いところというのはよく気になるんですよね、かえって。もう帰れないと思っていると、日本がいろいろなことをやっているのは分かるんだけれども、何かこれはまずいんじゃないのということがよく見えちゃうんですね。
 だから、そういう意味で、すごく変なところで変なことをやっているんじゃないかなというのが私の感想ですよね。やはり女性が考えることというのは全然違うと思うんだけれども、いろいろなものによるから。そういうことです。

発言情報

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発言者: 黒川清

speaker_id: 32391

日付: 2024-05-31

院: 衆議院

会議名: 原子力問題調査特別委員会