坂庭國晴の発言 (厚生労働委員会)
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○坂庭参考人 どうも、おはようございます。御紹介いただきました坂庭です。住まいの貧困に取り組むネットワークの世話人も、稲葉剛さんと一緒にやっております。
今のお話の銚子の母子心中事件にも携わりまして、現地にも行かせていただきました。その事件をきっかけにして、公営住宅の家賃滞納の問題について、国交省は、異例ではないんですけれども、この問題に対応する、たしか通達を出したということを覚えております。
今日は、改正案について、手短に六点ほど御意見を申し上げたいと思います。
まず第一点は、奥田さんからもお話がありましたように、今回の改正案の前提は、積極的に評価することができるということが言えると思うんです。改正案で居住の支援が明記をされ、生活困窮者、今まではちょっと名称が違っていて、居住支援事業ということは非常に積極的に評価をすることができるわけであります。
居住支援というのは何かということは厚生労働省令で定められておりまして、以下の三点が居住支援の内容でありますということで、一つは、訪問による必要な情報の提供及び助言、地域社会との交流の促進、住居の確保に関する援助、この三つはいずれにしても連続的に行われる必要があるわけでありますが、特に住居の確保に関する援助、御承知のように大変困難な事態がずっと続いているわけですよね。奥田さんも指摘をされました。この住居に関する確保の援助を、二の地域社会との交流、訪問による必要な対応、これと併せて進めることが重要であるというふうに思います。
二つ目は、それに関係するわけですけれども、住まいの確保が不可欠である。
これは、昨年の年末に社会保障審議会の部会が最終報告書を出しました。ここに書いていますように、生活困窮者の生活の安定に向けては、生活の基盤そのものである住まいの確保が必要不可欠であるというふうに言い切っているわけですね。しかし、住まいの確保が必要不可欠であるというこの中身は、どうもこの改正案を見てもいま一つはっきりしていないというか、非常に背景に難しさがあって、これは是非、これから、民間賃貸住宅あるいは公営住宅、空き家の問題も含めて追求をしていく必要があると思うんです。その点は、改正案の議論の中で、住まいの確保と必要不可欠なこと、これを是非議論をしていただきたいというふうに思います。
住まいの支援のニーズの高まりは、言うまでもありません。住宅の確保は、住まいの支援なくしてはでき得ないわけですよね。ということで、住まいの支援のニーズの高まりの施策と併せて、住まいの確保をどうするのかということを是非追求をして、私たちも追求をしていきたいし、議論をしていただきたいと思います。
三点目は、居住保障の問題であります。
最終報告書あるいはこの改正案についての議論でも出てくると思いますけれども、不安定居住者、持家比率の低下、住宅の確保に配慮を要する者などが示されているわけです。再三にわたって、その住宅の確保に配慮を要する者が依然として多数に上っているという点をしっかり押さえる必要があると思います。これに対応することが十分、改正案では見られていないというのは、非常に残念なことであると思います。
単身高齢者世帯、約百四十万世帯、これは国交省の把握している数字ですね、百四十万世帯、賃貸住宅居住の三分の二は民間賃貸住宅に居住をしております。また、高齢者の公営住宅の居住は、八十一万世帯、全高齢世帯の六%ということなんですね。非常に低い水準にとどまっているわけです。公営住宅の抜本的な施策強化と、家賃補助の実施が必要不可欠なのでありますが、改正案ではなかなか見えてこないという点が非常に気になっているところであります。
結論的に言えば、居住保障の二本柱、これは家賃補助制度と公営住宅施策なのでありますけれども、これを是非議論をしてもらい、かつ追求をしていただきたいと思います。
いずれにしても、居住支援は、住居の確保それから居住保障と連続した、連携したものでないと意味を成さないということが言えると思います。
四点目、居住支援強化のための措置。
いろいろ出されております。自治体による相談支援体制の明確化、見守りの支援等の実施を自治体の努力義務とする。これはこれであるんでしょうけれども、御存じのように、居住支援あるいは困窮者支援は、自治体だけではとてもなし得ないわけです。これは現実がよく物語っていて、奥田さんも指摘されていると思うんですけれども、マンパワー、体制不足、不十分なまま推移をしているわけです。ですから、実際は、民間の生活困窮者支援団体あるいは居住支援法人などに連絡、取次ぎ、これで支援を行っている実態にあるわけです。
したがいまして、一貫した居住支援の強化、地域での安定した生活支援は自治体の努力義務だけでは実現しないのではないかということを指摘せざるを得ません。必要なのは、生活困窮者支援団体あるいは居住支援団体、そのほか様々な団体が、あるいは専門家が支援をしているわけですけれども、そういう方々に対する経済的な補助、支援を一貫して強化をしていただきたい。それと、自治体との連携を密にした居住支援の措置を実施をすべきだということを強調をしておきたいと思います。
次に、住居確保給付金の対象拡大の問題です。
これも改正案で触れているわけでありますが、家賃が低廉な住宅への転居により安定した生活環境が実現すると。ちょっと、疑問点は、元々一定の水準の住宅に住んでいた方が家賃が低廉な住宅に転居、それはあり得ると思うんですけれども、むしろ現居住の継続を進めるべきではないかなと、これは私の意見でありますけれども。この点についてはいろいろ問題点もあるので、国会でも議論をいただきたい。
御承知のように、住居確保給付金は、コロナ禍で大変重要な役割を果たしたわけです。それまでの何十倍もの給付金が、三十六倍でしたかね、奥田さんの資料にもありました。必要不可欠な給付金であることは論をまたないと思うんです。それを部分的な改善といいますか措置で済ませるのではなくて、私たちは、前から、コロナ禍の住居確保給付金の様々な状況を捉えながら、三点、厚生労働省に要求を求めております。
一つは、求職活動要件の廃止ですね。これはコロナ禍のときに部分的にそうなったわけですよね。それから、再支給の条件の拡大。一回もらったら終わりだという、これもコロナ禍で若干の改善が見られたわけであります。それから、収入要件と支給額の拡大。これはこれからですけれども、これも非常に大きなネックになっている。これらが住居確保給付金を使いづらいものにしているというのが、現場の実態だと思うんですよね。
これは二〇二二年のたしか厚労省の検討会の論点だったと思うんですけれども、住宅手当といった家賃補助的な施策を含め、社会保障施策として検討する必要があるということを打ち出したんですよね。私たちはこれは、やったあというふうに捉えたんですが、その後、ずるずる立ち消えになって今日に至っているということなんですね。御存じのように、住居確保給付金を土台にした、恒常的な住宅手当の実現を是非求めたいというふうに思います。
最後が、無料低額宿泊所の問題です。
もちろん、貧困ビジネスは当然なくさないといけないわけです。しかし、届出義務違反の罰則という取締り強化では抜本的な改善にはならないのではないかという疑念を持っております。
御承知だと思うんですが、コロナ禍の時期、東京都は協議ホテルを借り上げてそれを提供したわけです。それはもう既に廃止になっております。そこで、山奥の無低に行けということで、申請を断念せざるを得ないという人たちも生まれました。
是非、安心して暮らせる個室の宿泊所、圧倒的に不足しているわけですから、是非、国と自治体が共同して、生活保護申請者が安心して住める、そういう住居の確保をお願いをしたいということを申し上げまして、意見に代えさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)