厚生労働委員会

2024-03-26 衆議院 全109発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和六年三月二十六日(火曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 新谷 正義君
   理事 大岡 敏孝君 理事 大串 正樹君
   理事 橋本  岳君 理事 三谷 英弘君
   理事 井坂 信彦君 理事 中島 克仁君
   理事 足立 康史君 理事 伊佐 進一君
      秋葉 賢也君    畦元 将吾君
      上田 英俊君    勝目  康君
      金子 容三君    川崎ひでと君
      塩崎 彰久君    鈴木 英敬君
      田所 嘉徳君    田畑 裕明君
      田村 憲久君    高階恵美子君
      中谷 真一君    仁木 博文君
      西野 太亮君    堀内 詔子君
      本田 太郎君    三ッ林裕巳君
      柳本  顕君    山本 左近君
      吉田 真次君    阿部 知子君
      荒井  優君    堤 かなめ君
      西村智奈美君    山井 和則君
      柚木 道義君    吉田 統彦君
      早稲田ゆき君    一谷勇一郎君
      遠藤 良太君    岬  麻紀君
      福重 隆浩君    吉田久美子君
      宮本  徹君    田中  健君
      福島 伸享君
    …………………………………
   厚生労働大臣政務官    塩崎 彰久君
   参考人
   (特定非営利活動法人抱樸理事長)         奥田 知志君
   参考人
   (日本労働組合総連合会総合政策推進局長)     佐保 昌一君
   参考人
   (名古屋商科大学ビジネススクール教授)      原田  泰君
   参考人
   (一般社団法人いのち支える自殺対策推進センター地域連携推進部地域支援室長)            生水 裕美君
   参考人
   (国民の住まいを守る全国連絡会代表幹事)     坂庭 國晴君
   厚生労働委員会専門員   森  恭子君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十六日
 辞任         補欠選任
  山本 左近君     西野 太亮君
  大西 健介君     荒井  優君
同日
 辞任         補欠選任
  西野 太亮君     山本 左近君
  荒井  優君     大西 健介君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)
     ――――◇―――――
この発言だけを見る →
新谷正義#1
○新谷委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案審査のため、参考人として、特定非営利活動法人抱樸理事長奥田知志君、日本労働組合総連合会総合政策推進局長佐保昌一君、名古屋商科大学ビジネススクール教授原田泰君、一般社団法人いのち支える自殺対策推進センター地域連携推進部地域支援室長生水裕美君、国民の住まいを守る全国連絡会代表幹事坂庭國晴君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず奥田参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
奥田知志#2
○奥田参考人 皆さん、おはようございます。今御紹介いただきました、参考人として参りました奥田知志であります。
 今日は、このような機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 お手持ちの資料を要約しながら、少しお話をしたいと思います。
 今回の改正において居住支援が非常に強化されるということ、そのことに私は非常に喜んでおります。また、全世代型社会保障構築会議においても、住まいの政策を社会保障の重要な課題と位置づける、そのようなことが確認されています。今回の改正はその第一歩であるというふうに理解をしています。
 その上で、幾つかの意見を述べたいと思います。
 まず、対象者についてですが、一時生活支援事業は、これまで、ホームレスの人たちが対象だ、そんなふうに捉えられてきましたので、自治体においては、ホームレスがいないから事業をしないという自治体がありました。しかし、住まいの確保はもう既に全世代型の課題となっていますので、今回、事業名が、一時生活支援事業から居住支援事業というところに広く受け止められたこと、あるいは自治体に努力義務を課したこと、この辺りの意義は大きいと思います。
 しかし、生活困窮者自立支援法の対象者自体が、現に経済的に困窮している者という経済的な困窮に焦点が当てられた制度でありますので、ここからすると、例えば、経済的課題はないけれども単身の高齢者に関してはどうするのか、この辺りの対象者の枠づけについては課題が残ると思います。
 さらに、自立支援法でありますから、自立という問題が解決したら終わるという期限付の制度であるわけでありますから、居住支援という、入居前の相談からいわば死後事務に至るまで一気通貫で行う、時間軸がちょっとずれているというか、違う枠でありまして、この辺りに関しても、対象者をどう包括的に今後捉えていくか。
 ついては、第三条の定義についても、今後私は課題になるというふうに考えています。
 次に、シェルター事業と地域居住支援事業についてですが、これもホームレスが対象であったために、シェルターが非常に狭小、相部屋、そのようなものが多かったです。ホームレスだからそれでいいというわけでは当然ないんですが、さらに今後、対象者が全世代に広がっていく中で、現在のシェルター仕様ではなかなか、ここに入ってもう一回頑張ろう、そういうのが難しいんじゃないか。特にホームレス自立支援センターにおいては、抜本的な改修等を考える必要があると思います。
 シェルター利用の所得水準についても、所得の基準がありまして、その基準以下の人が入れるという構造になっていますけれども、今回は、緊急一時的な居所の確保ができるような加算が創設されましたので、このことは非常に意義が大きいと思いますけれども、それにしても、ならば、シェルター事業自体の所得基準について、もう撤廃するという方向で検討していただいてもいいのではないか。
 さらに、地域居住支援事業の単独実施が可能になったことも非常に今回評価しております。しかも、利用期間の柔軟性を持つということで、一年過ぎたところで延長の議論ができる。ただ、これは非常に広がったんですが、これもやはり、入居から死後事務までという長いスパンを考えると、少し、これだけで対応するというのは大丈夫だろうかという心配があります。
 その次に、居住支援における相談事業のことについてですが、スタッフの研修強化は当然のこと、大都市部においては居住支援の専門員のようなものを配置するということはどうだろうか。あるいは、この法律ではありませんが、重層的支援体制整備事業において、この居住支援の強化ということをどう考えるか。重層は、皆さん御存じのとおり四事業一体化の枠づけでありますから、困窮のみならず四つの、介護や子育て等々を含めた枠の中で居住支援をやる。これは、さっきのロングスパンの捉え方においても一致するのではないか、そのように考えます。
 次に、無料低額宿泊所の届出義務ですが、これは貧困ビジネス防止の観点から有効だと思います。ただ、規制をするのは大事なんですが、規制の後、どこに次の受皿を考えるか。令和二年に日常生活支援住居施設が設置されましたけれども、ここを拡充していくという受皿と規制というものはセットで考えるべきだろう。日住は、できた以降、まだ見直し、手直しがされていませんので、今後、開設の支援等を含めた日住の拡充というものをセットに考えるべきであるというふうに考えます。
 六番目、住宅扶助の代理納付でありますが、今国会で住宅セーフティーネットの改正が同時並行で進んでおります。その中に、居住サポート住宅というものが設置される。これに入った人は、住宅扶助の代理納付を原則化するということが今回述べられています。
 代理納付は、大家さんのいわゆる貸したくないという思いを緩和する、あるいは滞留物件を市場化するということにおいては非常に大きな意味があります。生活保護世帯の五五%は高齢者、ほとんどが単身者です。これは大家さんの拒否感が強い層の方々でありまして。一方で、代理納付は、民間の賃貸住宅では二一%、公営住宅は六五%。公営住宅では結構使われているんですけれども、民賃の方は代理納付は余り使われていないんですね。せめて民賃が公営住宅並みに代理納付ができれば、大家さんのマインドは更に変わるんじゃないか。あるいは、最終的には生活保護世帯は原則的に代理納付の方に移行していく、こういう議論も必要ではないか。
 次に、住居確保給付金ですが、今回は、低廉家賃物件への転居の費用を付加する、これは非常によかったと思います。ただ、住居確保給付金に関しては、やはり基準が低過ぎて、使う段階でもうほとんど生活保護の基準になってしまう。ここのところをもっと手前で救う、もっと手前で対処できるような基準に変えるべきではないか。
 次、八番目ですが、矯正施設出所者、刑務所出所者ですね、この人たちが一番アパート設定が難しい人たちです。今回の生活困窮者自立支援法の改正において、やはりこの出所者をどうするのかというところをもう少し強調、強化すべきだと思いますし、厚労省社援局が担当しています地域定着支援センターですね、この地域生活定着促進事業との関係をもう少しはっきりと出すべきだと思います。
 最後に、生困法からは離れますが、私は、住まいの保障に関して少し意見を述べて終わりたいと思います。
 まず初めにお願いしたいことは、令和五年から始まりました国交省、厚労省、法務省三省合同による検討会議、これは中間報告で一応、今年の二月ですか、終わっているんですけれども、いい方向性が示されています。ただ、問題は、誰が、いつ、どこでやっていくのかという中身がもう一つ分からない。社会保障としての住まい保障という観点からすると、まだ道半ばと言わざるを得ない。この三省合同の会議は、中間報告から最終報告に向けて更に続けていただきたいと思います。
 次に、必要となる住まい保障の形については、お手元の資料の図一を御覧ください。私も参加していました平成二十七年の困窮者支援の今後の在り方検討会なんですが、住宅のターゲットゾーンとしては、家賃が安価であること、施設ほどではないけれども見守りや支援がついている、この二つが満たされるものが今後必要になるということになっています。そこで、空き家が全国で八百万戸あるという中で、低廉で見守りがついた空き家活用型のサブリースモデル、これが私は今後必要なんじゃないかというふうに思っています。
 抱樸ではもう既にこれを二〇一七年からやっておりまして。北九州市なんですが、政令市では空き家率がワーストツー、結構空き家があるんですね。それで、大家さんから一括で、マスターリースで借り上げまして、借り上げ費用を、市場の大体六掛けで借りまして、生活保護の住宅扶助基準で貸す、その差額が実際、支援の費用として使われるという、公費を入れないで、民間の住宅のサブリースの活用によって支援つきの住宅が実際に稼働できる。家賃も住宅扶助基準ですから、地域においては最低ぐらいの家賃で運営できる。まさに低廉で支援つきというのは、このサブリースモデルで可能だろうと。
 今回、住宅セーフティーネットにおいては、居住サポート住宅というものを十万戸つくるということですが、問題は、その支援費は誰が出すのかというのがはっきりしていないんですね。このところを、国費の投入は当然のこととしても、一方で、民間がまさにソーシャルビジネスモデルとしてこういうものができていくことを国がどうバックアップするかというのが大事です。
 最後に、居住の問題の一番のポイントは、単身化だと私は見ています。
 図二を御覧ください。現在、世帯の分布を見ますと、単身世帯が一番多い。単身世帯が全体の三八%になっていまして、標準世帯と言われる夫婦と子供の世帯は、もう二五%しかいない。
 家族がいるという前提で社会保障は組まれてきたわけです。家族、中間層、そして持家、この三つがセットになって、企業が長期の雇用慣行、終身雇用みたいな形で安定した収入が維持できた、それによって住宅ローンが組めて持家が持てた。家族がいること、家があることが社会保障のベースとなってきたとするならば、今ここが、この三十年ぐらいで非正規雇用が増えて、住宅を持つ人が少なくなって、単身世帯が増えて、家族のサポートがなくなった。この家族がやってきた機能をどう社会化するか、あるいは、住宅に関しては、空き家を使って、持家ではないけれども安定した住居というものをどう確保するか、この二つをどうクリアするかというのが非常に大事です。
 最後に載っています地域包括ケアシステムの絵ですが、上に制度の葉っぱが茂っている。このベースのところの植木鉢は何によって構成されているかというと、一番下が本人と家族、植木鉢が住まいなんですね。本人と家族と持家というものをベースとして制度をつくってきたというのを非常に明らかにしてくださっている絵なんですね。
 この家族の部分と持家という住まいと住まい方のところが脆弱化すると、今後どんないい制度があっても制度につながらない、手遅れ状態で社会コストが非常に高くなる人たちが増えるというのは明らかです。この手前のところをどうしていくかという問題こそが、日本の社会保障の、住まい保障が社会保障であると言われるゆえんでありまして、ここのところは、やはりもう少し長いスパンで、生活困窮者自立支援制度だけじゃなくて、長いスパンで議論していただきたいと思います。
 私からの意見は以上です。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
新谷正義#3
○新谷委員長 ありがとうございました。
 次に、佐保参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
佐保昌一#4
○佐保参考人 皆さん、おはようございます。御紹介いただきました、連合総合政策推進局長の佐保と申します。
 本日は、貴重な意見表明の機会をいただき、ありがとうございます。
 私からは、初めに、連合の社会的セーフティーネットについての考え方を述べ、その後、今回の政府提出法案についての意見を述べます。
 生活上の困難に陥ったときや、やむを得ない事情で働けなくなったときに、公的支援制度のはざまに置かれることなく安心して社会的セーフティーネットを利用することで生活が保障され、再び働けるようにするためには、重層的な制度の構築が必要不可欠です。
 資料の一ページ目は、連合が実現を求める社会的セーフティーネットの姿です。
 二〇一五年四月に生活困窮者自立支援制度が始まり、現在、社会保険・労働保険、生活困窮者自立支援制度、生活保護制度の三層から成る社会的セーフティーネットが構築されています。
 今後は、各層の更なる充実強化を図るとともに、生活困窮者自立支援制度が軸となり、既存の社会保障制度との連携を強くしながら、困難に直面したそれぞれの人が抱える課題に対応したオーダーメイド型支援を可能にする社会的セーフティーネット体系の実現が求められると考えます。
 また、全ての人の生存権と尊厳ある暮らしを保障するため、誰もが安心して住まいを確保できるよう、質の伴った住宅セーフティーネットの構築が欠かせません。
 そして、生活困窮者自立支援制度を基軸とする個の支援と、地域コミュニティー活性化の一体的な推進が重要となります。住み慣れた地域を基盤にしたつながりを再構築し、地域の伴走者を増やすことで、社会的孤立や生きづらさを感じることなく、誰もが居場所を持って自分らしい生活を送ることができる共生社会の実現が急務であると考えます。
 さて、今回の政府提出法案について意見を申し述べます。
 まず、法案全体についてですが、社会経済状況の変化やコロナ禍で顕在化した相談者が抱える課題の複雑化、多様化に対応するため、居住支援の強化や、子供の貧困への対応、支援関係機関の連携などが盛り込まれ、全体的におおむね評価しており、今国会での成立を求めます。
 ただ、法改正の実効性を担保する施策、現場を担う支援員の処遇改善や人員体制の整備、そのための十分な予算の確保など、残された課題について、国会審議において議論を深めていただくようお願いしたいと思います。
 それでは、各論について意見を述べます。資料は二ページ目を適宜御覧ください。
 まず、居住支援の強化についてです。
 生活困窮の相談窓口において住まいに関する相談支援が明確化されることは評価しておりますが、入居時から入居中、退去時まで切れ目のない支援体制を構築するためには、公営住宅やセーフティーネット住宅、空き家の活用を進めるとともに、居住支援法人などとの連携を強化することが必要です。
 また、住まいは生活、就労の基盤であることから、誰もが住居を確保し、安心して暮らせるよう、国による住居費の支援など、住宅確保要配慮者に対する恒常的な居住保障の仕組みを検討していただきたいと考えます。
 次に、子供の貧困への対応についてです。
 生活保護受給中の子育て世帯へのアウトリーチ事業の法定化については評価しておりますが、こうしたアウトリーチによる支援に加え、子供食堂など、学校や家庭以外の居場所を充実するとともに、重層的支援体制整備事業との連携を強化する必要があります。
 また、子どもの学習・生活支援事業の必須事業化を目指し、当面は実施率の向上が重要だと考えます。
 次に、就労準備支援事業と家計改善支援事業についてです。
 家計改善支援事業への国庫補助率の引上げなどは評価できますが、就労準備支援と家計改善支援、両事業の必須事業化が見送られたことは残念に思っております。全国どこに住んでいても必要な支援を受けることができるよう、両事業の必須事業化を目指し、各事業の実施率を高めるとともに、自治体間格差の是正、事業の質の改善を図ることが必要だと考えます。
 次に、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の連携についてです。
 生活困窮者向けの事業を生活保護受給者も利用できる仕組みを創設することに異論はありません。ただ、現場の業務負担の増加により支援の質が低下しないよう、両制度の実施機関の適切な人員体制を確保することが求められます。
 また、こうした生活困窮者向け事業について、事業者等へ委託している自治体が多い状況です。委託契約が一年ごととなっているところも多く、現場で支援に携わる方たちが、次年度以降の事業委託が決まっていないことにより、不安定な雇用形態で働いていると聞き及んでおります。事業の委託方法については各自治体の御判断となりますが、そうした課題があることも御認識いただければと思います。
 次に、医療扶助についてです。
 医療扶助の適正化などを促進するため、都道府県が広域的な観点からデータを分析し、市町村に対し必要な助言を行う仕組みの創設が盛り込まれております。自治体のガバナンス強化や頻回受診、長期入院の適正化の観点から考えれば、生活保護受給者の国民健康保険や後期高齢者医療制度への加入について検討することが必要だと考えます。
 最後に、法改正事項ではなく、運用面での話になりますが、連合として最も強く訴えている支援員の処遇改善、人材の確保、定着、財源の確保についてです。
 生活困窮者自立支援事業の機能強化に向けては、各支援員の処遇を改善し、人材の確保と定着を図ることが欠かせず、その裏づけとなる財源を確保することが不可欠だと考えます。
 以前、全国幾つかの地域の委託先における相談支援員を始めとする人員体制の状況や基本賃金を知る機会がありましたが、相談支援員全員が有期雇用、あるいは、主任相談支援員の方で、勤続年数五年、週五日のフルタイム勤務でも月額十七万六千円、年額二百十一万二千円という事例がございました。こうした低賃金では、必要な人材確保もままなりません。そのためには、まず、政府による全国の支援員の賃金実態の調査、把握が必要でございます。
 また、社会福祉士など専門性を持つ専門職員の配置を含め、地域の実情に応じて適切な人員体制が確保できるよう取り組むことも求めます。
 生活保護の被保護者に対する自立支援においても、生活困窮と同様に、人材確保のための処遇改善と財源確保が今後の課題であると考えます。
 以上、御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
新谷正義#5
○新谷委員長 ありがとうございました。
 次に、原田参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
原田泰#6
○原田参考人 名古屋商科大学の原田泰と申します。
 本日は、このような機会を与えていただきまして、大変ありがとうございます。
 本日の目的は生活困窮者自立支援法の一部を改正する法律案についての参考人質疑というように理解しておりまして、こういう法律改正が必要だということも理解しておりますが、その上で、あえて抜本的な見直しの考え方を提起してみたいと思います。それは、ベーシックインカム、基礎的所得と言われているものですけれども、それによって、全ての人に最低限の健康で文化的な生活をするための所得を給付して、貧困をなくすことを提案したいというように思います。
 まず、現状の生活保護制度の問題点とユニバーサルベーシックインカム、これは全ての人にというわけですけれども、それ以外に部分的なベーシックインカムという考え方もあると思います。それについては順次御説明してまいりますが、まず、現状の生活保護制度の問題点について幾つか指摘してみたいと思います。
 生活保護が無年金、低年金者を救う方策になっていて、年金制度の不備を助ける制度になっております。これは私は非常におかしなことではないかというように思っております。
 二番目は、生活保護は本当に貧しい全ての人を助けているのかという疑問があります。生活保護水準で生活している世帯が生活保護受給世帯の十三倍ぐらいあるのではないかというように考えております。先ほど、住宅など、その支援員の年収が二百万円ちょっとというお話がありましたが、そういう人々はかなり貧困に近いのではないかというように思います。
 それからまた、日本の貧困はシングルマザーの問題なわけですけれども、シングルマザーの数についても、厚労省の数字と内閣府の数字でかなり、かなりというか非常に大きく違いまして、内閣府ですとシングルマザーは百十九万世帯あると。この中で生活保護水準で生活している人は三十万から四十万世帯、あるいはもっといるのではないかというように思います。生活保護制度は、シングルマザーの貧困を見逃しているのではないかというように考えております。
 四番目は、生活保護制度が壁をつくってしまうこと、むしろ自立を妨げること。つまり、働いて余計に稼ごうとすると、ほとんど全部取られてしまうということになっております。生活保護の不正受給と言われるものは、ほとんどがこっそり働いたということなんですね。しかし、こっそりでも働きたくなるのはやむを得ないことであって、それを禁止するということ自体が、私は、ちょっとおかしいのではないか、せっかく自立しようとしている人の足を引っ張ることになるのではないか。また、不正受給を摘発するコストというのは大変なものであると思います。
 五番目は、貧困とはお金のないことではなく、社会から排除されること。貧困者にきめ細かく寄り添って指導することが大事だというのが生活保護を支える方々がおっしゃることなんですけれども、きめ細かく寄り添うことはもう不可能なのではないかというように思います。生活保護世帯は百六十万世帯おりますけれども、この百六十万世帯に寄り添うのもあっぷあっぷではないかというように思います。私の考えによれば、その十倍以上の人が貧困世帯というべきではないかというように思いますので、寄り添うことは不可能だというように思います。
 まず、次のスライドに参りまして、生活保護と年金なんですけれども、黄色が失業率で、青が生活保護を受けている世帯の数ですけれども、今までは、失業率が下がると生活保護が下がる、生活保護世帯が減るという関係がありましたが、その関係がもうなくなっている。今、高止まりしているわけですね、失業率は下がっておりますので。これはなぜかというと、高齢者世帯が増えているからで、そもそも働くことが非常に難しい人たちが増えているので、雇用ができなくなっているということです。母子世帯とか、障害者、傷病者世帯でも、失業率が低下しますと生活保護受給者は減っております。
 あとのグラフはほぼ同じメッセージですので、省略いたします。
 九ページに移りまして、生活保護世帯は、全ての貧困を救っているのかということを考えますと、恐らくその十三倍の人が生活保護水準以下で生活しているのではないかと思います。これは九ページと十ページに書いておりますけれども、どうやってそういう数字が出てきたかというのを説明しますと時間がなくなってしまいますので、省略させていただきます。
 十一ページに参りまして、実際に扶助を受けている人は生活保護基準以下で生活している人の十三分の一だというのは、正直言ってラフな計算です。本当は十倍かもしれないし、十五倍かもしれません。しかし、橘木俊詔京都大学名誉教授は、生活保護水準以下の所得で暮らしている人は人口の一三%だということを試算しております。
 生活保護の問題点というのはその水準が低いことではなくて、国際的に見れば、そう低いわけではなくて、日本のレベルは高いと思うんですね。高いにもかかわらず、多くの人がその恩恵にあずかれていないことが問題です。
 次は、母子世帯、シングルマザーの問題なんですけれども、十二ページですが、母子世帯の就業率は八六%と極めて高く、世界的にも母子世帯をこれほど働かせている国というのはないんじゃないかと思います。働いていても貧しい。だから、これはワーキングプアの問題でもあるわけです。
 次の十三ページですが、日本の一人親世帯の相対的貧困率は世界一高いんですね。四八・六というのが相対的貧困率の数字でありまして、例えばデンマークですと九・七でしかないという関係があります。
 これは、日本で子供が生まれない大きな要因なのではないかと思います。つまり、下手をしてシングルマザーになってしまうとともかく貧困になってしまうから、ともかくシングルマザーにならないように、結果として、結婚しない、子供を産まないということになってしまうのではないかと思います。
 相対的貧困率が世界一高い国、これはもちろんOECDの中ですけれども、その中で、日本が一番高くて、その次に高いのが韓国なんですね。御承知のように、韓国も日本も非常に出生率が低い国であります。韓国は日本より貧困率が小さいのに日本より出生率が低い、だから例外じゃないかと言われるかもしれませんが、傾向があるということです。
 日本の貧困はシングルマザーで問題でありまして、日本の生活保護制度はシングルマザーを見逃しているというように思います。
 それから、生活保護制度が壁をつくってしまい、むしろ自立を妨げるという問題がある。
 それから、貧困とはお金のないことではなく、社会から排除されるという発想ですけれども、これは、そうかもしれませんが、じゃ、現実にそれに対してどう対応できるんだというと、そもそも人がいないという問題に突き当たってしまいますということです。
 今、財政問題については何も申し上げませんでしたけれども、一応、私の試算によれば、財政的にも何とかなるということが十六ページの下に文献を挙げております。
 以上です。どうも大変御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
新谷正義#7
○新谷委員長 ありがとうございました。
 次に、生水参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
生水裕美#8
○生水参考人 皆様、おはようございます。いのち支える自殺対策推進センターの生水裕美と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 私は、滋賀県野洲市の自治体職員として二十五年間勤務しておりましたので、生活困窮者支援、消費生活相談、こうした相談業務を担当した中から、その経験も踏まえて、改正について三点お伝えしたいと思います。
 まず一点目です。全国どこに住んでいても必要な支援を受けられるように、家計改善支援事業の国庫補助率、これを引き上げて、就労準備、家計改善支援事業の全国的な実施を推進していただきたく思います。
 家計相談の事例を紹介します。
 自立相談窓口から、家計管理が苦手なようだと家計相談につながった相談者さんは、幼い子供さん二人と暮らす母子家庭でした。離婚して間もなく、お金のやりくりが難しいと悩まれていました。家計改善支援は、丁寧にお話を聞きながら家計表を一緒に作成していく中で困窮の背景を見つけ出していく支援ですが、一か月の収支が見えないだけではなくて、何に使っているか分からないということでしたので、本人の御希望もあり、レシートを集めて一緒に確認することにしました。
 すると、レシートに二日ごとにマヨネーズを購入しておられて、マヨラーかなと思ったんですが、よく理由を聞きますと、料理が苦手で何でもマヨネーズをかけて食べている、子供の頃、親御さんが料理をしないで、菓子パンを買って食べていたので、味つけの仕方が分からないんですと言われました。さしすせそ、この料理が難しいんですね。
 そこで、市役所の子育て家庭支援課の養育支援員に訪問してもらいまして、料理の作り方を教えてもらいました。料理ができるようになって、子供たちもうれしいのか、食欲旺盛になったんです。
 あわせて、しんどさの理由を相談しましょうと健康推進課の保健師に相談して、精神科の診察を受けましたところ、知的障害が分かりました。それをもって、社会保険労務士の方につなぎまして、障害年金受給となりました。彼女は、苦手なことが多くてつらかったけれども、診断を受けて、できない理由が分かってほっとしたと言われました。本当にしんどかったんだと思います。
 この事例は、レシートのマヨネーズから障害年金受給につながったケースです。家計相談は、家計を見える化することによって、相談者御本人が気づいていない課題にも気づくことができるので、効果的な支援ができます。
 それと、家計相談は庁内連携の要でもあります。困窮されている方の多くは税金、使用料の重複滞納が多くて、これら全体を整理してまとめて分納計画を支援するのは、市役所にとってもメリットとなります。また、滞納をSOSのサインとして捉えて支援につなぐことができるのは、市役所だからこそできるアウトリーチです。
 だからこそ、就労準備と併せて、どの自治体においても支援が利用できるようにすることは極めて重要です。国庫補助率の引上げとともに、必須化に向けた検討も諦めることなく、見放すこともなく、是非ともお願いします。
 二点目は、生活困窮者に就労準備、家計改善、居住支援を行う事業についてです。現在、生活保護受給者向けの事業実施率は、就労が四〇%、家計が一一%と低い状況にあります。これらの事業を生活保護受給者も利用できる仕組みを新たに創設して、両制度の連携を強化することについて賛成です。
 理由は、保護担当がいきなりこれら事業の設計をするのは自治体にとってハードルが高いのと、多くの保護受給者が困窮者と同じく支援を受けられるようにすることは、就労準備、家計、居住支援の事業を全国で推進することにもつながるからです。また、切れ目のない支援も可能となります。
 事例を紹介します。
 家賃が払えず長らく滞納となっていた男性を、心配した大家さんが市役所の自立相談窓口に連れてきてくださいました。男性は、事業が倒産し、多重債務に陥っていて、生活費もままならない状況でした。生活保護申請を促しても、保護だけは絶対嫌やと申請を拒否されるんですが、借金だけは気にされていて、弁護士相談を了解され、家計相談員が一緒に同行して、弁護士が自己破産の方針で受任されました。その二週間後に、弁護士から、遺書と思われるファクスが届いたが電話がつながらないと連絡がありまして、職員が自宅に急行し、自殺未遂された状況から命を救うことができました。
 その後、生活保護申請を決心くださったんですが、決心された理由についてお尋ねすると、あのとき親身になって話を聞いてくれた、だから生きてみようと思えたとおっしゃってくださいました。保護が決定してからは、保護課では家計相談の事業を行っていないので支援ができず、債務整理が滞ってしまったこともありましたが、無事自己破産が決定しました。また、福祉事務所の就労支援員の寄り添いで就職もでき、生活再建ができました。保護廃止後は、再度、困窮の家計相談で見守りながら生活を応援しました。
 この事例は、困窮の家計相談が生活保護決定で切れ、保護廃止後に再度困窮の家計相談を利用と、支援が途切れてしまいましたが、一貫して家計相談ができれば、相談者にとっても安心だし、事業を通じた連携はケースワーカーの負担軽減につながると思います。ただ、こうした連携においては、目指すべき自立の方向性や支援に対する考え方の一貫性、連続性が重要なので、両制度合同の研修会や両制度共通の手引が必要だと思います。
 三点目は、生活困窮者向けの支援会議設置の努力義務化と保護受給者の支援に関する会議体の設置について賛成です。困窮の支援会議の設置率が全国約四割にとどまっているのは本当に残念で、努力義務化とともに設置強化を図っていただきたく思います。
 自治体が設置しない理由に、必要性を感じないという意見があります。
 二〇一四年、千葉県内で起こった、生活困窮の末、中学生の娘さんを殺害してしまったシングルマザーの事件では、公営住宅の家賃を二年以上にわたって滞納、国民保険料は未納で保険証がない、生活保護の窓口までつながったが申請に至らなかった、そうした結果、公営住宅の強制執行の日に事件を起こしてしまいました。もっと早くこの母子家庭の困窮の全体像が把握できていれば、どこかに支援がつながっていれば、事件は起こらなかったと思います。
 これは、ここまでいろいろな課題があって、しかもそれを各課で把握していただろうに、それらが情報共有されていないがゆえに生まれた悲劇です。たとえ本人が御相談されなくても、一人親家庭、家賃滞納、保険証がない、こうしたSOSの兆候を関係機関がキャッチして情報共有し、支援のアプローチをすることが必要です。そして、それをするために支援会議が必要なんです。
 この事件を過去の悲しい出来事として終わらせるのではなくて、自分事に引きつけて考えることが大切です。こうした市民の命を守るために自治体は存在することを忘れてはいけないと思います。このような悲劇、悲惨な事件が起こらないようにするために生活困窮者支援があるのだと思っています。
 また、自殺対策においても、自殺未遂者支援を始めとした様々な取組の現場で個人情報の取扱いが課題となっています。こうした支援会議を活用し、必要な人に必要な支援が届くような体制を構築するためにも、努力義務化と併せて、生活困窮者支援と命を守る自殺対策との連携強化を図っていただきたく思います。
 最後に、以上述べた内容をいかにして現場の取組に反映させていくかが重要です。特に、今回改正される生活保護制度と生活困窮者自立支援制度の連携策をしっかりと機能させることができるかどうかは基礎自治体の公務員にかかっていると思います。法律が改正されても、運用するのは人です。
 私は、公務員時代にすごく仕事で悩んでいたときに、当時の市長から、市役所にとって一番大切な役割は住民の命と暮らしを守ることであって、自治体職員はこれを絶対に忘れてはいけないと教えていただきました。公務員はバッシングを受けることが本当に多くて、やりがいを失ってしんどさを抱える職員も多くいます。公務員になろうとする応募も減っていると聞きます。けれども、損得なく市民を助けることができるのはやはり公務員の醍醐味であって、かけがえのない、誇りある仕事だと思っています。
 つけ加えるならば、この改正が、全国のこうしたしんどさを抱える職員、でも頑張ろうとしている自治体職員のやりがいを生み出す糧となって、特に、生活困窮者自立支援制度が、市民の命と暮らしを守るために思いっ切り働ける、そうした心強い味方として、頼れる存在に成長していってもらえることを心から願っています。
 以上です。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
新谷正義#9
○新谷委員長 ありがとうございました。
 次に、坂庭参考人にお願いいたします。
この発言だけを見る →
坂庭國晴#10
○坂庭参考人 どうも、おはようございます。御紹介いただきました坂庭です。住まいの貧困に取り組むネットワークの世話人も、稲葉剛さんと一緒にやっております。
 今のお話の銚子の母子心中事件にも携わりまして、現地にも行かせていただきました。その事件をきっかけにして、公営住宅の家賃滞納の問題について、国交省は、異例ではないんですけれども、この問題に対応する、たしか通達を出したということを覚えております。
 今日は、改正案について、手短に六点ほど御意見を申し上げたいと思います。
 まず第一点は、奥田さんからもお話がありましたように、今回の改正案の前提は、積極的に評価することができるということが言えると思うんです。改正案で居住の支援が明記をされ、生活困窮者、今まではちょっと名称が違っていて、居住支援事業ということは非常に積極的に評価をすることができるわけであります。
 居住支援というのは何かということは厚生労働省令で定められておりまして、以下の三点が居住支援の内容でありますということで、一つは、訪問による必要な情報の提供及び助言、地域社会との交流の促進、住居の確保に関する援助、この三つはいずれにしても連続的に行われる必要があるわけでありますが、特に住居の確保に関する援助、御承知のように大変困難な事態がずっと続いているわけですよね。奥田さんも指摘をされました。この住居に関する確保の援助を、二の地域社会との交流、訪問による必要な対応、これと併せて進めることが重要であるというふうに思います。
 二つ目は、それに関係するわけですけれども、住まいの確保が不可欠である。
 これは、昨年の年末に社会保障審議会の部会が最終報告書を出しました。ここに書いていますように、生活困窮者の生活の安定に向けては、生活の基盤そのものである住まいの確保が必要不可欠であるというふうに言い切っているわけですね。しかし、住まいの確保が必要不可欠であるというこの中身は、どうもこの改正案を見てもいま一つはっきりしていないというか、非常に背景に難しさがあって、これは是非、これから、民間賃貸住宅あるいは公営住宅、空き家の問題も含めて追求をしていく必要があると思うんです。その点は、改正案の議論の中で、住まいの確保と必要不可欠なこと、これを是非議論をしていただきたいというふうに思います。
 住まいの支援のニーズの高まりは、言うまでもありません。住宅の確保は、住まいの支援なくしてはでき得ないわけですよね。ということで、住まいの支援のニーズの高まりの施策と併せて、住まいの確保をどうするのかということを是非追求をして、私たちも追求をしていきたいし、議論をしていただきたいと思います。
 三点目は、居住保障の問題であります。
 最終報告書あるいはこの改正案についての議論でも出てくると思いますけれども、不安定居住者、持家比率の低下、住宅の確保に配慮を要する者などが示されているわけです。再三にわたって、その住宅の確保に配慮を要する者が依然として多数に上っているという点をしっかり押さえる必要があると思います。これに対応することが十分、改正案では見られていないというのは、非常に残念なことであると思います。
 単身高齢者世帯、約百四十万世帯、これは国交省の把握している数字ですね、百四十万世帯、賃貸住宅居住の三分の二は民間賃貸住宅に居住をしております。また、高齢者の公営住宅の居住は、八十一万世帯、全高齢世帯の六%ということなんですね。非常に低い水準にとどまっているわけです。公営住宅の抜本的な施策強化と、家賃補助の実施が必要不可欠なのでありますが、改正案ではなかなか見えてこないという点が非常に気になっているところであります。
 結論的に言えば、居住保障の二本柱、これは家賃補助制度と公営住宅施策なのでありますけれども、これを是非議論をしてもらい、かつ追求をしていただきたいと思います。
 いずれにしても、居住支援は、住居の確保それから居住保障と連続した、連携したものでないと意味を成さないということが言えると思います。
 四点目、居住支援強化のための措置。
 いろいろ出されております。自治体による相談支援体制の明確化、見守りの支援等の実施を自治体の努力義務とする。これはこれであるんでしょうけれども、御存じのように、居住支援あるいは困窮者支援は、自治体だけではとてもなし得ないわけです。これは現実がよく物語っていて、奥田さんも指摘されていると思うんですけれども、マンパワー、体制不足、不十分なまま推移をしているわけです。ですから、実際は、民間の生活困窮者支援団体あるいは居住支援法人などに連絡、取次ぎ、これで支援を行っている実態にあるわけです。
 したがいまして、一貫した居住支援の強化、地域での安定した生活支援は自治体の努力義務だけでは実現しないのではないかということを指摘せざるを得ません。必要なのは、生活困窮者支援団体あるいは居住支援団体、そのほか様々な団体が、あるいは専門家が支援をしているわけですけれども、そういう方々に対する経済的な補助、支援を一貫して強化をしていただきたい。それと、自治体との連携を密にした居住支援の措置を実施をすべきだということを強調をしておきたいと思います。
 次に、住居確保給付金の対象拡大の問題です。
 これも改正案で触れているわけでありますが、家賃が低廉な住宅への転居により安定した生活環境が実現すると。ちょっと、疑問点は、元々一定の水準の住宅に住んでいた方が家賃が低廉な住宅に転居、それはあり得ると思うんですけれども、むしろ現居住の継続を進めるべきではないかなと、これは私の意見でありますけれども。この点についてはいろいろ問題点もあるので、国会でも議論をいただきたい。
 御承知のように、住居確保給付金は、コロナ禍で大変重要な役割を果たしたわけです。それまでの何十倍もの給付金が、三十六倍でしたかね、奥田さんの資料にもありました。必要不可欠な給付金であることは論をまたないと思うんです。それを部分的な改善といいますか措置で済ませるのではなくて、私たちは、前から、コロナ禍の住居確保給付金の様々な状況を捉えながら、三点、厚生労働省に要求を求めております。
 一つは、求職活動要件の廃止ですね。これはコロナ禍のときに部分的にそうなったわけですよね。それから、再支給の条件の拡大。一回もらったら終わりだという、これもコロナ禍で若干の改善が見られたわけであります。それから、収入要件と支給額の拡大。これはこれからですけれども、これも非常に大きなネックになっている。これらが住居確保給付金を使いづらいものにしているというのが、現場の実態だと思うんですよね。
 これは二〇二二年のたしか厚労省の検討会の論点だったと思うんですけれども、住宅手当といった家賃補助的な施策を含め、社会保障施策として検討する必要があるということを打ち出したんですよね。私たちはこれは、やったあというふうに捉えたんですが、その後、ずるずる立ち消えになって今日に至っているということなんですね。御存じのように、住居確保給付金を土台にした、恒常的な住宅手当の実現を是非求めたいというふうに思います。
 最後が、無料低額宿泊所の問題です。
 もちろん、貧困ビジネスは当然なくさないといけないわけです。しかし、届出義務違反の罰則という取締り強化では抜本的な改善にはならないのではないかという疑念を持っております。
 御承知だと思うんですが、コロナ禍の時期、東京都は協議ホテルを借り上げてそれを提供したわけです。それはもう既に廃止になっております。そこで、山奥の無低に行けということで、申請を断念せざるを得ないという人たちも生まれました。
 是非、安心して暮らせる個室の宿泊所、圧倒的に不足しているわけですから、是非、国と自治体が共同して、生活保護申請者が安心して住める、そういう住居の確保をお願いをしたいということを申し上げまして、意見に代えさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →
新谷正義#11
○新谷委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
この発言だけを見る →
新谷正義#12
○新谷委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。本田太郎君。
この発言だけを見る →
本田太郎#13
○本田委員 自由民主党の本田太郎です。
 本日は、参考人の皆様、御多用のところ貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございます。
 早速、時間も限られておりますので質問に入らせていただくわけなんですけれども、参考人の皆様のお話をお伺いいたしまして、やはり生活の基盤が住居にあるということを更に実感をいたしました。また、自治体によるアウトリーチの重要性ということの御指摘もございましたけれども、やはりそのとおりだと私も思うところです。
 また、保護と困窮の境目、この連携を本法案においてつなげていくということの重要性についても御指摘をいろいろいただきましたけれども、まさにこの法案でそういったところに目くばせがなされているんじゃないかということで、参考人の皆様方、おおむね評価をいただいたということだと理解をいたしましたし、また、抜本的な御意見をいただいた原田参考人におかれましても、一定の理解をされたという御評価をいただいた、このように理解をしているところでございます。
 その中で、参考人の皆様に特にお聞きしたいと思いますけれども、坂庭参考人におかれましては、具体的にレジュメで対応策を書かれておりましたので、もしなければそこは飛ばしていただいても結構でありますけれども、生活困窮者自立支援法におけます自立相談員の方をどうやって確保し、定着していただくか、そして、その方々のスキルアップをどのようにやっていくのが具体的に実現可能性があるのかということについて、各参考人の皆様から御意見を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
奥田知志#14
○奥田参考人 大変重要な御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 まさにそうでありまして、私は、生活困窮者自立支援全国ネットワークという組織の代表でもありますが、厚労省の方からまさに研修であるとか様々なことを委託を受けてやっております。
 ただ、実際には、長く就業している人というのは本当に少なくて、単年で替わっていくという傾向があります。あるいは、自治体が直営しているところにおいても、やはり自治体の中で配置換えがありますので、なかなか積み重ねにならないという点がまず第一点。もう一つは、やはり処遇の問題ですね。民間の委託に関してもなかなか委託費が上がらないという現状がありますので、これではなかなか生活設計ができない、そこでは長く働けない、そういう状況にもなっていると思います。この二点を何とかしなければならないと思っております。
 以上です。
この発言だけを見る →
佐保昌一#15
○佐保参考人 御質問していただき、ありがとうございます。
 私も同じように、先ほども申しましたが、まず、事業の委託が多くなっているといったところ、それから、委託されているところが委託契約が一年というところも多いといったところで、なかなか処遇がきっちりしないいわゆる非正規雇用が多いといった状況があるといったことと、それから処遇が低いといったところではないかというふうに思っていますので、まず、そういったところ、長く勤められる、それから正規雇用で安心して働き続けられるといったことへの支援といったものがまず重要ではないかな、その上で、研修をしてスキルアップを積んでいく、経験を積んでいくといったことが必要ではないかなというふうに思っております。
 以上です。
この発言だけを見る →
原田泰#16
○原田参考人 適切な答えになるか分かりませんけれども、私が提案したベーシックインカムというのは、社会保障に関するケースワーカーのような仕事をする人々がなるべく少なくて済むようにということでありますというのがお答えになります。
この発言だけを見る →
生水裕美#17
○生水参考人 私は、一九九九年に野洲市に勤めたときは非常勤でした。その後、正規の採用試験を受けまして正規職員になってからは、安心して安定して働ける環境ということで、やはり仕事に一生懸命することができました。予算も取れて、事業もできます。
 今、市役所の多くの相談窓口に配置されている方々は会計年度任用職員で、一年ごとの更新があり、五年でもう一度試験を受けていかなくてはいけない。本人さんたちが安心して働けるそうした処遇改善、これが人員確保そして質の向上に非常に重要なことだと思います。
 もう一点、住まい支援が自立相談支援事業に明確化されることによって居住支援も含む包括的な支援になってくると、支援体制づくりを含めて、自治体においては困窮制度を担う職員の役割がますます重要になります。そこで、効果的にできるような形にするためにも、是非とも、専従職員、いわゆる専任職員の配置、ここのところは非常に重要だと考えます。
 以上です。
この発言だけを見る →
坂庭國晴#18
○坂庭参考人 余り詳しくはないんですけれども、これは、認定NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべの実際の経験ですけれども、それだけ簡単に紹介しておきます。
 二〇二二年度の実績が、相談者数は百一人、成約件数が四十件です。初期費用の支援などを共同募金会から助成金二百万円を利用してやった、二世帯の母子を支援した。ウィメンズネット・こうべの方々は、非常に苦労してやられているんですけれども、居住支援法人の枠には入っていない専門家や関係者への支援が不可欠であるということをおっしゃられているんですね。
 ですので、自立生活相談員のみならず、広く、支援する人たちの枠を広げながら進めていく必要があるのではないかなというふうに思います。
 以上です。
この発言だけを見る →
本田太郎#19
○本田委員 様々、非常に参考になる御意見をいただきまして、誠にありがとうございます。
 次の質問に入らせていただきたいと存じます。
 奥田参考人にお願いしたいわけなんですが、二ページのところで、住宅扶助の代理納付の件について御指摘をいただいております。
 その中で、代理納付は民間賃貸住宅においては実施率が低いという御指摘をいただいておりまして、私も、公営住宅並みに代理納付を民間賃貸住宅においても上げていかなきゃならない、そうしないと、すべからく困窮されている方々への支援が行き届かないというふうに思います。
 そうした中で、じゃ、実際にその民間賃貸住宅において代理納付を進めるための現状、世の中における障害になっている事柄、そしてまた、その障害の除去の仕方みたいなもののお知恵がありましたら教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
奥田知志#20
○奥田参考人 ありがとうございます。
 私、調べてみて、民賃の方が二一%にとどまって、公営住宅六五%、これはやはり、役所がやっている住宅ですから、役所内で、何か変な言い方ですけれども、家賃がちゃんと払っていただけるというのを確保したいという意識の表れだと思うんですね。これは悪いことではないと思います。しかし、やはり民賃の方が抑えられている。
 これはなぜかという話なんですが、一つは、やはり、役所の中で、代理納付というのは費用がかかりますから、送金する等の費用も負担しなきゃならなくなりますから、ただ、その分と、例えば家が確保できない状態で放置されるリスク、あるいはそこから重篤な状態になっていくリスク等々、ロングスパンで見ると、変な話、どちらがコストがかかるのかかからないのかという、医療費も含めてですね。
 だから、そういう判断をやはり役所がすべきでありますし、何よりも大事なのは、代理納付が、これは最初のセーフティーネットですね、住宅セーフティーネットのときに代理納付を進めるということを方針で出しているんですが、なかなか進まなかったんですね。しかし、これは明らかに、代理納付をしますと大家さんのマインドは変わります。私、全国居住支援法人協議会の代表でもあるんですが、実際に不動産関係の方々から聞いたところでは、代理納付を徹底してやっていただければもっと安心して出せるということをおっしゃっております。
 以上です。
この発言だけを見る →
本田太郎#21
○本田委員 ありがとうございます。
 今お答えいただいたお答え、私も、要するに、代理納付をしていただいた方が、大家さんとしても家賃を間違いなく受け取れるという安心感があるという意味でもインセンティブはあると思うわけですので、そこは役所の方、国からもそうですけれども、御理解を得られるように、指導と言うと上からになってしまいますけれども、そういったことを徹底していく必要があるのかなと、今のお話を伺っても思った次第であります。ありがとうございます。
 それと、済みません、もう一点だけ。
 奥田参考人にお願いをしたいんですが、三ページ八番のところで、再犯防止における矯正施設出所者への対応という御指摘もいただいております。最も住居確保が厳しい種類の方々だと思うんですね。そして、住居が確保ができないがゆえに再犯に走ってしまうというリスクを高める。これは国家的に見ても、そこにある程度の資源を投入してでもそういった方々をきちっと、その方々にとっても大事ですけれども、再犯をなくすというもう少しマクロの視点で見ても非常に大事な視点だと思うんですけれども、ここのところを更に推し進めるアイデア、もしお持ちでしたら、最後に一行書いておられますけれども、もしございましたら、よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →
奥田知志#22
○奥田参考人 ありがとうございます。
 私が指摘したとおり、特に満期出所なんですね、一番難しいのは。満期出所の方々というのは、家族が本来という言葉がもう今、通用しない時代なんですが、身元引受人というのは基本、家族がやってきた、しかしもうその家族がいない、あるいはもう引き受ける力がないという方が満期出所になります。
 満期出所の方々が五年以内に再犯する率が非常に高い。そのときに、やはり大家さんのサイドからすると、刑務所出所者であるということ、それから、家族との縁が切れて、何かあったときの身元引受けがないということ、この二点、これは非常に大きなリスクになります。
 そうなると、家族頑張れといってもなかなか難しいので、家族に代わる、私が後半で述べています家族機能の社会化ですね、従来家族がやってきたようなところをいかに社会化していくかということが問題でありまして、大家さんが何かあったときに相談する相手がいるかいないか、一言で言うとこれです。この相談相手が、地域定着支援センターもその一部を担っているという形で書かせていただきました。
 以上です。
この発言だけを見る →
本田太郎#23
○本田委員 ありがとうございました。
 今後法案の議論を続けていく上で大変参考になる御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 時間が参りましたので、これで終了させていただきます。
この発言だけを見る →
新谷正義#24
○新谷委員長 次に、井坂信彦君。
この発言だけを見る →
井坂信彦#25
○井坂委員 立憲民主党の井坂信彦です。
 先生方、大変参考になるお話をありがとうございました。
 まず、担い手の問題について、佐保参考人に伺います。
 連合がまとめた二〇二四年春闘の第二回集計結果によると、平均の賃上げ率が前年同期比一・四九ポイント増の五・二五%ということで、初回集計五・二八%とほぼ同じ、非常に高い水準を維持しております。一方、先ほど意見陳述で紹介された支援員の方々の賃金実態、大変厳しい状況にあるというふうに受け止めております。
 改めて、支援員の処遇改善、また人材の確保に関して、お考えをお聞かせください。
この発言だけを見る →
佐保昌一#26
○佐保参考人 御質問をいただき、ありがとうございます。さらに、連合の春闘の集計結果まで御紹介いただきまして、ありがとうございます。
 事業を委託されている事業者の現場の声として、単年度契約のため一時金も退職金もない境遇で、家庭を持ち、維持することも大変で、向上心を持って安心して働くことができない、それから、若い人を採用しても定着しない、在籍三年未満のスタッフが三分の二で、入れ替わりが激しい、有資格者の採用が厳しい、思いだけでは限界との声も多いと聞き及んでおります。
 繰り返しになりますが、まずは、全国の相談支援員の賃金水準、雇用形態等の実態を把握していただきたいと思います。その上で、生活保護のケースワーカーなど同種の業務の処遇とも比較し、適正な水準なのかを検証すべきと考えます。支援員が一生の仕事として誇りを持って安心して働けるよう、国の責任において、雇用の安定、賃金水準の大幅な引上げ等の処遇改善、定着促進に取り組んでいただきたいと思います。
 あわせて、社会福祉士など適切な資格を持つ人の配置を促進するため、研修の充実、資格取得へのサポート、専門性に見合った報酬水準の引上げもお願いしたいと思います。
 以上です。
この発言だけを見る →
井坂信彦#27
○井坂委員 ありがとうございます。
 もう一つ、佐保参考人に担い手の問題で伺いますが、生活困窮者向け事業について、委託契約が一年ごとで、非常に不安定な雇用形態で働いておられるという問題の指摘もありました。この点について、もう少し詳しくお聞かせください。
この発言だけを見る →
佐保昌一#28
○佐保参考人 ありがとうございます。
 前回の法改正、二〇一八年以降、厚生労働省の自治体向けマニュアルにおいて、委託先の選定に当たっては、事業の内容を中心とした総合的な評価を行うことは、維持等の観点から適切であり、価格のみの評価を行うことはその観点から必ずしも適切ではないと、留意点に挙げておられますが、相変わらず価格競争による受託額の引下げとなっていないかといった懸念点がございます。
 現場の声として、単年度契約の公募で毎年、プロポーザルを行っており、それが、事業の財政基盤が安定せず、相談支援員の細切れ雇用と低賃金の要因ともなっているとの指摘もございます。
 委託に当たって、単年度契約と複数年契約、公募と随意契約の比率はどうなっているのか、実態を把握していただきたいと思います。
 事業の安定と支援員の雇用の安定、処遇の改善を図るためにも、一定期間委託して、支援の質や実績の総合評価を行うよう、自治体にガイドラインや通達で徹底する必要があると考えております。
 以上です。
この発言だけを見る →
井坂信彦#29
○井坂委員 ありがとうございます。
 次に、奥田参考人にお伺いをしたいと思います。
 最後の方で、社会保障の土台は住居と家族であるという、大変、植木鉢の分かりやすい例えでお話をいただきました。
 私も、委員会質疑で、居住福祉というテーマで一貫して質疑をしてまいりましたが、先生のお話で、やはり、単身の方、それから住居を確保できない方をどうするかということが今後大事だということでありました。また、自立支援ということに余り限定し過ぎると、入居から退去までの一貫した長いスパンの支援ができないという御指摘、また、生活困窮者に対象者を限定してしまうと、まさに単身者、普通の単身者が支援できないという御指摘も大変重要なことだと思いました。
 そこでお伺いしますが、今回の法改正で、住居確保給付金、これが拡充されること、これは私もよいことだと思っております。ただ、先ほどの、自立支援に限定し過ぎない、あるいは生活困窮者に限定し過ぎないという御指摘を捉えれば、例えば、この生活困窮者住居確保給付金も、離職要件、求職要件というものが果たしていつまでも必要なのかどうか。またさらには、もう一歩進んで、そもそも、福祉の土台としての住居、居住を保障するための公的な住宅手当制度を含めた恒常的な居住保障の仕組み、これはそろそろやはり検討すべきだと私は考えておりますが、先生のお考えをお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
← 戻る