勝野圭司の発言 (国土交通委員会)
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○勝野参考人 全国建設労働組合総連合、全建総連で書記長を務めております勝野と申します。
本日は、このような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私どもは、建設技能者、一人親方、事業主等を組織している団体であります。四十七都道府県にある五十三の加盟組合で構成をされ、全国で約六十一万の組合員が加入をしている産業別の労働組合であります。
組合員の主な従事先は、大きく三つに分類をされております。一つは、個人の施主からじかに仕事を請け負う町場と言われる現場、もう一つは、ビルやマンション建築や公共土木工事などゼネコン等が元請となっている大規模現場、もう一つは、住宅企業が元請となる現場でありまして、職種は、建築大工を始めとして建設業に従事する方々が幅広く加入をしている団体であります。
今般の建設業法等の改正につきましては、技能者の処遇改善、そして建設業の将来を支える担い手確保や育成に資するものであり、持続可能な建設業の実現に向けて極めて重要である、そのように認識をし、期待をしているところであります。
こうしたことから、本日は、この法改正に賛成の立場で発言をさせていただきたいと思います。
今回の建設業法の改正案では、労働者の処遇改善、四月から適用された建設業への時間外労働の上限規制、資材価格高騰などに適切に対応するために、適正な請負代金、工期が確保された見積り、請負契約等が規定される内容となっております。
労働者の処遇確保を建設業者に努力義務化し、中央建設業審議会が労務費の基準として標準労務費を作成、勧告、著しく低い労務費、著しく短い工期による見積りや見積り依頼の禁止、原価割れ契約の禁止を受発注者の双方に導入することで、適切な労務費等の確保や賃金行き渡りを担保するとしています。公共、民間工事のいずれにも適用され、下請契約も含めて対象となり、新しい取引のルールが導入をされることになります。
工事請負契約を規制する建設業法の中で、公共工事だけでなく民間工事を含めてルール化が図られることは、賃金の原資となる労務費の削減によるダンピングを防止し、適正な現場従事者の賃金、単価を確保するために有用であるというふうに認識をしております。
また、新たに、公正な評価に基づく適正な賃金の支払い、労働者の適切な処遇を確保との、労働者の賃金支払い、処遇確保についても明文化がされております。
発注者保護から制定された建設業法に労働者の賃金支払い、処遇確保等について明文化されたことは、建設業法の体系の中で労働政策、社会政策等の実現を図り、建設工事の適正な施工、建設業の健全な発展を目指す具体的施策として高く評価できるものと考えております。
そして、建設業法に明文化をされております労働者が有する知識、技能その他の能力についての公正な評価については、建設業共通の制度インフラとして二〇一九年から官民一体となって取り組んでおります建設キャリアアップシステムの更なる活用に向けた具体的な方向性も示されたものと理解をしているところであります。
一方、こうした法改正が行われた場合であっても、その実効性が確保されなければ、十分な効果は得られないと考えております。
著しく低い労務費の基準となる標準労務費の作成につきましては、早期に相当程度の工種、職種を対象とする必要があり、労務単価の水準については、働き方改革関連法への対応を含め、週休二日を基準として、現場従事者の処遇改善が十分に図ることのできる金額設定が必要であると認識をしております。
著しく低い労務費等による契約禁止の実効性確保につきましては、重層下請構造となっている建設業の元請、下請関係では、受注側である下請企業は、取引関係上、非常に弱い立場に置かれていることを踏まえ、下請、現場従事者に不利益やしわ寄せがされないように、運営面において特段の配慮が必要と考えます。
工事発注者への周知、理解等につきましては、国土交通大臣等の許可行政庁が違反発注者に対して勧告、発注者名の公表等を行えるようになりますので、実効性が伴う形での運用が求められると考えます。
既に、公共工事におきましては、入契法、品確法等で担い手確保、処遇改善の取組を進められており、今回の入契法改正案では、その取組を更に加速化、牽引する内容であると認識をしておりますが、国だけでなく、地方公共団体においても取組等が徹底されることが重要であります。
今回の建設業法の改正により、民間工事を含め、建設工事の請負契約における新しいルール化が図られ、標準労務費、適正な工期等が現場施工を担う下請、現場従事者まで確保されることは、現場従事者の賃金単価の引上げ、処遇の改善、担い手確保、育成、働き方改革対応に必要な施策として非常に期待をしているところであり、法令に基づき、着実かつ実効ある運用ができるかが極めて重要なポイントであると認識をしております。
建設業は、この間、処遇などにおいて他産業の後塵を拝していた部分があると承知をしておりますが、今回の法改正を契機として持続可能な建設業が実現するよう、私どもとしましても、引き続き、先生方の御支援を賜りながら、国土交通省や業界団体とも連携を密に、組織の総力を挙げて取り組んでまいりたい、そのように考えているところであります。
最後に、この改正法案が早期に成立し、施行していただくことをお願い申し上げて、発言を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)