山本左近の発言 (法務委員会)
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○山本(左)委員 ありがとうございます。
まさに今御答弁いただいたとおり、ESTA導入によって全ての業務が効率化、改善するわけではなく、一部の審査を事前にするということで、期間的余裕は生まれるかなと思います。こういったことをすることによって、今限られた人員で、育成就労や特定技能といった働く人たちが増えてくる、若しくは訪日外国人の旅行者が増えてくる、こういった増えてくる人たちへの管理について、より合理的に、そして、かつ効果的に対応いただきたいと思います。
続いて、転籍要件の話に移りますが、今回、権利保護の観点から最も議論のあった論点の一つだったと思います。
外国人労働者の失踪の話を聞きますが、これは調べてみると年間約九千人、技能実習生全体の約二%であります。これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれですが、いわゆる大部分の受入れ日本企業は適切な労働環境で外国人労働者を雇用し、また、多くの外国人も真面目に働いているということは私は理解しています。なので、理想的には、本人が三年間自分の意思で就労継続を希望するような労働環境を更につくり出していくことが重要であると考えています。
法務省が取りまとめていただいている外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ、そこでは、目指すべき外国人との共生社会の三つのビジョンが掲げられています。安心、安全な社会、多様性に富んだ活力ある社会、個人の尊厳と人権を尊重した社会。これらのビジョンを実現するために重要な取組は、日本語教育支援です。
冒頭お話ししたとおり、私は外国人になった経験があります。しかも、英語圏ではないところに行きました。それはドイツだったわけですが、初めて着いた日の話をさせていただくと、いきなりある田舎町に連れていかれて、その田舎町のレストランで歓迎会をしていただいたわけですが、このレストランがまたドイツ風の古風なレストランだったんです。
そこでトイレに行こうと思ったわけですが、そこにはトイレのドアが二つあって、一つはヘレン、もう一つはダーメンと書いてありました。私は、どちらが男性でどちらが女性か、その言葉からは全く意味が分からず、さんざん迷った挙げ句に、メンと書いてあるからきっとこっちが男だろうと思ってばっとドアを開けたら、そこにいたドイツ人の女性に物すごくこっぴどく叱られた経験があります。
このように、言葉が分からないというのは、その人が悪い人だとかいい人だとかという前に、そもそもその社会の中で生活の幅が極端に狭まってしまう、こうした経験を私自身がしていました。
これはちょっと極端な話かもしれないんですが、言葉ができないことによって、言いたいことが言えない、自分の中で鬱憤がたまる、そうすると誰ともコミュニケーションを取らないようになる、異国の地でだんだんと孤立化、孤独化していってしまう。そういった現状というのは、決して、いい方向に進むというよりかは、悪い方向に転がりがちなんです。
文化庁の日本語教育関係のデータによりますと、外国人に対してアンケートを取ったわけですが、日本語教育へのアクセスに関する課題を多くの外国人が回答しています。また、日本語能力の低い者ほど、生活環境全般の満足度について、満足していないなどと回答する在留外国人の割合が高くなる傾向にあることが示されています。また、日本語能力の低い在留外国人ほど、日本語学習に困難を感じて、日本語を学習していない者の割合が高くなる傾向にあることがあります。そして、受入れ企業の約半数が日本語教育の取組や支援を希望していること、また、日本で暮らしやすくなるための社会の中での生活環境構築を政府に求めていることなどがありました。
データから見ても、日本語教育支援というのは円滑なコミュニケーションと社会参加のためにとても大切であり、法務省と文科省など、省庁を超えて連携強化を更に取り組んでいただきたいと思います。
これまでの日本語教師の数の推移を見てきても、ボランティアの講師の方が五割から六割で推移してきて、昨年の通常国会で成立をした日本語教育機関認定法により、今年の四月から、認定日本語教育機関や登録日本語教員の制度も始まりました。
日本語の教育支援について、様々な取組をしていただいていると承知していますが、文部科学省の取組はいかがでしょうか。