横田拓也の発言 (北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会)
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○横田参考人 おはようございます。家族会代表を務めております、横田めぐみの双子の弟の一人でもある横田拓也と申します。
日頃より、北朝鮮による日本人拉致問題解決に向けて、各党の皆様の多大なる御支援をいただいておりますことを心から感謝申し上げます。また、本日の衆議院拉致特別委員会においてお話しする機会をいただきましたことを心からお礼申し上げます。ありがとうございます。
私の姉横田めぐみが拉致されてから、四十六年という長い時間が経過しています。十三歳で拉致された横田めぐみは、現在五十九歳です。自由のない中で必死に毎日を生き延びている苦労を思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
母早紀江は八十八歳です。元気に生活しているものの、体の衰えは隠せません。元気なうちに日本の地でめぐみと再会させたいと心から願っています。
母早紀江の小さな夢は、草原でめぐみと二人寝転んで、青い空に浮かぶ白い雲を見ながら、やっと自由になれたねと語り合うことです。どうしてこんな誰でも、いつでもできることがかなわないのでしょうか。なぜ、加害者である北朝鮮に毅然とした態度で迫り、日本に取り戻すことができないのでしょうか。国会がこの問いに対してしっかり答えてほしいと思います。
こうしたぎりぎりの差し迫った思いをどの拉致被害者家族も持っていることを改めて認識してほしいと思います。
私たち家族会、救う会、拉致議連の三団体は、このゴールデンウィーク期間中に訪米し、国家安全保障会議、国務省、財務省、上下両院議員、シンクタンクの皆様を訪問して面会してまいりました。今回の訪米の目的は、今年二月に作成した家族会、救う会の運動方針を御理解いただくためのものです。
今日、参考までにお持ちしたのですが、こちらの写真を面会する全ての方に配付してきました。本来であれば、私の姉横田めぐみの写真を持参して、改めて十三歳の少女を救出してほしいんだということを訴えるべきかと考えていましたが、今私たちが置かれている状況は、待っている親世代が本当に高齢化して時間がないんだということを改めて面会する全ての方に知っていただくために、十三歳の少女が拉致されてから四十六年が経過している、私は八十八歳の母早紀江であるということを伝えてきました。
昨年の運動方針は、北朝鮮が全拉致被害者の即時一括帰国を約束すれば、日本政府が北朝鮮に人道支援することに反対しないとしました。また、全拉致被害者の帰国にタイムリミットを設けています。親世代が健在なうち、存命のうちに実行させることを求めています。
さらに、今年二月二十五日に今年度の新たな運動方針を作成しました。親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が国が人道支援を行うことと、ここまでは一緒です。そして、追加で、我が国がかけている独自制裁を解除することに反対しないというものです。
私個人の立場では、北朝鮮への感情は、怒り、憎しみ、恨み、敵対心しかありません。姉めぐみの人生、尊厳、夢、希望を一方的に奪った相手を許すことは絶対にできないからです。それでも、姉めぐみとの再会を実現させるべく、対話にかじを切ったのです。苦渋の判断であることを知っていただきたいと思っています。
この新たに文言追加した、我が国がかけている独自制裁を解除することに反対しないという部分について、決して国際社会が科している制裁を逸脱するものではないこと、北朝鮮が人権侵害問題である拉致問題解決をしない限り制裁を緩めてはならないことを丁寧に伝え、私たちの新たな運動方針に対しての反対の意見は誰からも出ることはありませんでした。この確認を取れたことは大きな成果であったと考えています。
米国側の反応を、在米日本大使館の館内、そして、帰国後の岸田首相、林官房長官にお伝えした場、その報道が広くされたこと自体が北朝鮮側にしっかり伝わったと考えています。日朝の水面下交渉において、日本側の方針に米国が反対していないことを北朝鮮が知ることで、安心した交渉環境に寄与するからです。
私たちが求めている拉致の解決の定義は、全拉致被害者の即時一括帰国です。部分的解決や段階的解決は求めていません。日朝双方に連絡事務所や合同調査委員会の設置も求めていません。北朝鮮当局は、厳重な監視下で拉致被害者の誰が、いつ、どこで、何をしているかを把握しています。居場所が分からないという間違った認識に立ち、時間稼ぎや幕引きのための工作に乗ってはなりません。
また、私たちの要求には期限を設けています。親世代が健在、存命のうちに日本の地で再会することを要求しています。時間的制約がある人権問題であることを日朝双方が確認してほしいと思っています。
万が一、親世代の家族、つまり、有本明弘さん九十五歳、私の母横田早紀江八十八歳が健在なうちに拉致された被害者本人と再会が果たせないこととなれば、私たちは日本政府に対してこれまで以上の北朝鮮への独自制裁強化を具体的に求めます。この点を国会も強く共鳴してほしいと思います。
また、対話局面の中にあっても、なおも人質外交を続け、親世代が健在なうちに再会することを前進させない北朝鮮側の動向をにらみ、今から強力な独自制裁は何ができるのかをしっかり全省庁が一丸となって議論し、形にしてほしいと思っています。
一日も早い家族との再会を実現させるために、引き続き皆様方の御協力をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。(拍手)