北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会

2024-05-28 衆議院 全63発言

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会議録情報#0
令和六年五月二十八日(火曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 小熊 慎司君
   理事 熊田 裕通君 理事 斎藤 洋明君
   理事 高木  啓君 理事 塚田 一郎君
   理事 下条 みつ君 理事 西村智奈美君
   理事 和田有一朗君 理事 山崎 正恭君
      井出 庸生君    加藤 勝信君
      岸 信千世君    小森 卓郎君
      佐々木 紀君    櫻田 義孝君
      杉田 水脈君    高鳥 修一君
      山田 美樹君    山本 左近君
      義家 弘介君    梅谷  守君
      渡辺  周君    池下  卓君
      鈴木  敦君    中川 宏昌君
      笠井  亮君
    …………………………………
   参考人
   (北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表)     横田 拓也君
   参考人
   (特定失踪者家族会家族) 大澤 昭一君
   参考人
   (北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会会長)        西岡  力君
   参考人
   (特定失踪者問題調査会代表)
   (拓殖大学海外事情研究所教授)          荒木 和博君
   衆議院調査局北朝鮮による拉致問題等に関する特別調査室長          菅野  亨君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十八日
 辞任         補欠選任
  義家 弘介君     岸 信千世君
同日
 辞任         補欠選任
  岸 信千世君     義家 弘介君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 北朝鮮による拉致問題等に関する件
     ――――◇―――――
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小熊慎司#1
○小熊委員長 これより会議を開きます。
 北朝鮮による拉致問題等に関する件について調査を進めます。
 本日は、本件調査のため、参考人として、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表横田拓也君、特定失踪者家族会家族大澤昭一君、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会会長西岡力君及び特定失踪者問題調査会代表、拓殖大学海外事情研究所教授荒木和博君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、ありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、横田参考人、大澤参考人、西岡参考人、荒木参考人の順に、お一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言いただきますようお願いいたします。また、参考人は委員に対して質疑をすることはできないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。
 それでは、まず、横田参考人、お願いいたします。
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横田拓也#2
○横田参考人 おはようございます。家族会代表を務めております、横田めぐみの双子の弟の一人でもある横田拓也と申します。
 日頃より、北朝鮮による日本人拉致問題解決に向けて、各党の皆様の多大なる御支援をいただいておりますことを心から感謝申し上げます。また、本日の衆議院拉致特別委員会においてお話しする機会をいただきましたことを心からお礼申し上げます。ありがとうございます。
 私の姉横田めぐみが拉致されてから、四十六年という長い時間が経過しています。十三歳で拉致された横田めぐみは、現在五十九歳です。自由のない中で必死に毎日を生き延びている苦労を思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 母早紀江は八十八歳です。元気に生活しているものの、体の衰えは隠せません。元気なうちに日本の地でめぐみと再会させたいと心から願っています。
 母早紀江の小さな夢は、草原でめぐみと二人寝転んで、青い空に浮かぶ白い雲を見ながら、やっと自由になれたねと語り合うことです。どうしてこんな誰でも、いつでもできることがかなわないのでしょうか。なぜ、加害者である北朝鮮に毅然とした態度で迫り、日本に取り戻すことができないのでしょうか。国会がこの問いに対してしっかり答えてほしいと思います。
 こうしたぎりぎりの差し迫った思いをどの拉致被害者家族も持っていることを改めて認識してほしいと思います。
 私たち家族会、救う会、拉致議連の三団体は、このゴールデンウィーク期間中に訪米し、国家安全保障会議、国務省、財務省、上下両院議員、シンクタンクの皆様を訪問して面会してまいりました。今回の訪米の目的は、今年二月に作成した家族会、救う会の運動方針を御理解いただくためのものです。
 今日、参考までにお持ちしたのですが、こちらの写真を面会する全ての方に配付してきました。本来であれば、私の姉横田めぐみの写真を持参して、改めて十三歳の少女を救出してほしいんだということを訴えるべきかと考えていましたが、今私たちが置かれている状況は、待っている親世代が本当に高齢化して時間がないんだということを改めて面会する全ての方に知っていただくために、十三歳の少女が拉致されてから四十六年が経過している、私は八十八歳の母早紀江であるということを伝えてきました。
 昨年の運動方針は、北朝鮮が全拉致被害者の即時一括帰国を約束すれば、日本政府が北朝鮮に人道支援することに反対しないとしました。また、全拉致被害者の帰国にタイムリミットを設けています。親世代が健在なうち、存命のうちに実行させることを求めています。
 さらに、今年二月二十五日に今年度の新たな運動方針を作成しました。親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が国が人道支援を行うことと、ここまでは一緒です。そして、追加で、我が国がかけている独自制裁を解除することに反対しないというものです。
 私個人の立場では、北朝鮮への感情は、怒り、憎しみ、恨み、敵対心しかありません。姉めぐみの人生、尊厳、夢、希望を一方的に奪った相手を許すことは絶対にできないからです。それでも、姉めぐみとの再会を実現させるべく、対話にかじを切ったのです。苦渋の判断であることを知っていただきたいと思っています。
 この新たに文言追加した、我が国がかけている独自制裁を解除することに反対しないという部分について、決して国際社会が科している制裁を逸脱するものではないこと、北朝鮮が人権侵害問題である拉致問題解決をしない限り制裁を緩めてはならないことを丁寧に伝え、私たちの新たな運動方針に対しての反対の意見は誰からも出ることはありませんでした。この確認を取れたことは大きな成果であったと考えています。
 米国側の反応を、在米日本大使館の館内、そして、帰国後の岸田首相、林官房長官にお伝えした場、その報道が広くされたこと自体が北朝鮮側にしっかり伝わったと考えています。日朝の水面下交渉において、日本側の方針に米国が反対していないことを北朝鮮が知ることで、安心した交渉環境に寄与するからです。
 私たちが求めている拉致の解決の定義は、全拉致被害者の即時一括帰国です。部分的解決や段階的解決は求めていません。日朝双方に連絡事務所や合同調査委員会の設置も求めていません。北朝鮮当局は、厳重な監視下で拉致被害者の誰が、いつ、どこで、何をしているかを把握しています。居場所が分からないという間違った認識に立ち、時間稼ぎや幕引きのための工作に乗ってはなりません。
 また、私たちの要求には期限を設けています。親世代が健在、存命のうちに日本の地で再会することを要求しています。時間的制約がある人権問題であることを日朝双方が確認してほしいと思っています。
 万が一、親世代の家族、つまり、有本明弘さん九十五歳、私の母横田早紀江八十八歳が健在なうちに拉致された被害者本人と再会が果たせないこととなれば、私たちは日本政府に対してこれまで以上の北朝鮮への独自制裁強化を具体的に求めます。この点を国会も強く共鳴してほしいと思います。
 また、対話局面の中にあっても、なおも人質外交を続け、親世代が健在なうちに再会することを前進させない北朝鮮側の動向をにらみ、今から強力な独自制裁は何ができるのかをしっかり全省庁が一丸となって議論し、形にしてほしいと思っています。
 一日も早い家族との再会を実現させるために、引き続き皆様方の御協力をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。拍手
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小熊慎司#3
○小熊委員長 ありがとうございました。
 次に、大澤参考人、お願いいたします。
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大澤昭一#4
○大澤参考人 私は、特定失踪者大澤孝司の兄の大澤昭一です。現在、八十八歳になっています。まさに弟のために長生きさせてもらっていると思いますが、現在もとにかく弟との再会まで頑張るつもりです。
 本日は、本会で発言の機会をいただき、感謝申し上げます。本日は、私の弟の五十年前の失踪状況を聞いていただき、特定失踪者の現状を理解していただく参考になればと思います。
 私の弟大澤孝司は、新潟県佐渡農地事務所で農業土木技師として勤務中の昭和四十九年二月二十四日、新穂の荒井焼き肉店で夕食を食べ、食べたし、帰って寝るかとの言葉を残して、夜六時半頃、徒歩十分ほどの道のりの職員寮に向かって歩き出し、じきに行きつけの床屋のおばさんに会い、今帰るの、お休みと声をかけ合って、次に、猟期の終わった猟銃登録証を返納すべく、猟友会長の余湖さんの店に立ち寄り、奥さんに、主人に渡してと託して、店に入る二、三人連れと交錯しながら店を出て、その後、弟の姿は誰も見ていません。
 まさにここで拉致されていると思っています。うちの弟は、拉致としても、当日の最終行動の出発点から終わりまで分かる、特定失踪者の中でも珍しい事件だと思います。
 後日、荒井焼き肉店のおばさんから、孝司が数日前、知人から、農地を整備したいから手伝ってほしいと依頼され、指定された打合せの場に出向くと、現場が日本ではなく北朝鮮で、どうするか迷っていたとの話を聞きました。これは、事件性からいって、まさに、いろいろな県で事件が起きている誘いかけ事件の典型的なものだと思っております。
 これが拉致の現状ですが、五十年前の事件発生直後は、これにいろいろな状況のいろいろな情報が混じって、私も当時、拉致という話を信じることもできず、弟が自殺したとさえ思って、ただ海に、山に、鉱山跡地を捜し回っていました。
 こんなとき、親戚の二家から、県警幹部に知り合いがいることが分かり、早速お願いしてもらった。最終地点の余湖さんの店先で聞いたタイヤのきしむ音と交通事故がつながるか等については、調査してもらったが、単なる交通事故ではありませんでした。ほかに、行方不明事件として捜索を進めてもらった。その後、捜索の成果を待ったが、永々調査中の返事が続いた。数年たって、あの事件は難しい不思議な事件との返事をもらったが、余り詳しくは話してくれなかった。
 そんな状況が続き、平成十四年、小泉訪朝で金正日が拉致を認め、曽我さん、蓮池さんの生存が発表され、大澤孝司についても、当時の平山新潟県知事が話をされ、弟もこれだと県警本部長に再調査の申請をした。
 私も、当時六十五歳となり、今後は弟の救出運動に励もうと、結成されたばかりの特定失踪者問題調査会に加入。運動を始めると、孝司のことを気にしていた同級生、職場の同僚などが集まって、大澤孝司さんと再会する会を結成していただき、運動を続けています。
 救出、再会を目指して署名運動、広報活動等に励みますが、私たちの意見は政府が信じてくれません。
 また、政府は、認定、未認定にかかわらず全ての被害者の救出と言ってくれますが、特定失踪者と政府認定被害者の差は余りにも大きく、政府が北朝鮮と交渉の際の名簿にも私たち特定失踪者の名簿が載っているのか、何人なのか、全体で何人なのかさえ分かりません。また、総理大臣面会もかなえてもらえません。等々あります。
 こんな状況からはい上がるのは認定されるしかないと思い、認定のための運動を続けています。
 幸い、昨年四月の拉致特別委員会で、当時の新潟県出身の梅谷守議員が大澤孝司の認定についてただしてくださり、その際、政府は、新潟県警の判断によって認定もあり得るとの返答をいただき、また、その際、証拠といっても数十年前の話で出にくいから、状況証拠で政治判断してもらいたいとのお話もありましたので、昨年六月、当時の状況証拠として、当日の最終行動の荒井焼き肉店から余湖飲食店までの行動と、大澤家の親戚続きの県警の幹部に依頼したことを状況証拠として政治判断して認定くださるよう要請しましたが、八月、認定に値する確たる証拠がないとの回答がありました。
 確たる証拠とはとただすと、孝司の生存する目撃証言など、はっきりとした証拠がない限り駄目と言われました。また、その際、拉致ではないという証拠があるのかと聞くと、拉致ではないという証拠もないということでした。
 また、その後、幸いに、孝司が北朝鮮の農村部で農地に関する仕事をしていて、定年を迎えてそこで生活しているとの情報が入りましたが、これも情報でしかありません。
 これやかれやで、是非、この情報を精査して、弟を捜し出して日本に連れ戻してください。私も八十八歳ですが、弟との再会まで何とか頑張ります。是非ここで皆様方が突破口を開けてください。
 特定失踪者については、証拠がない、証拠がないとよく言われますが、北朝鮮側も証拠がないように綿密な計画を立て、拉致を実行します。そして、成果はあります。私たち家族にとっては奪われたというはっきりとした成果もありますが、それでも政府は証拠がないと言い続けます。証拠がないとばかり言い続けないで、日本人を、一人でも多くの日本人を救出するために、是非政府がもっと深く取り組んで調査して救ってもらいたいと思います。
 現に、国連は、日本人拉致被害者は百人以上いると言われています。この点からも、日本政府も国連と協調して、日本人を、一人でも多くの日本人を救出してくださるよう、皆様の御協力をお願いいたします。
 私も八十八歳、弟も私より十歳若く七十八歳です。北朝鮮の健康寿命としてはもう限度です。ともかく時間はありません。皆様の御協力をお願いいたします。拍手
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小熊慎司#5
○小熊委員長 ありがとうございました。
 次に、西岡参考人、お願いいたします。
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西
西岡力#6
○西岡参考人 今日このような機会をつくっていただきましたことを大変ありがたく思います。
 私はメモを作ってまいりましたので、それを見ていただければありがたいと思います。
 まず、簡単に全体のことをお話しして、今どうなっているかについて私の意見を述べさせていただきます。
 今、拓也さんもお話がありましたけれども、この問題は長くかかり過ぎています。なぜなのか。端的に言うと、立ち上がりが遅かったからです。物事は、事件の発生直後が一番解決しやすいんです。拉致対策本部は、横田めぐみさんたちが集中的に拉致されてから三十年たってできました。今は国を挙げて助けようとしていますが、余りにも遅かったんです。
 それについては、恐縮ですけれども、与野党の先生方にも責任があると思っています。マスコミにも責任があると思っています。私のような専門家にも責任があると思っています。日本人が拉致されていることについて、もっと早く真剣に取り組まなかったということがあります。だから、政府は今、最優先課題とおっしゃってくれているんだと私は理解しております。
 次に、現時点での日朝の対立点でありますけれども、二〇〇二年までは北朝鮮は拉致がないと言っていました。我々はあると言っていました。そこで一度勝ちましたが、しかし、彼らはそのとき、拉致したのは十三人だけだと主張しました。そして、五人とその家族を帰し、八人は死亡している、だから解決したと。今、彼らは解決したと言っている。
 しかし、日本政府は、八人の死亡の客観的証拠は一切ない、北が認めない曽我さんのお母さんたちを含む四人についても拉致の確実な証拠があると主張しています。そして、認定被害者以外にも被害者がいる可能性があるから、認定の有無にかかわらず全被害者の帰国を求めるという方針が今の日本政府の方針であります。私たちの方針ではありません。日本政府の方針です。
 二〇〇六年にできました最初の拉致対策本部がその直後に作ってくださったパンフレットにこう書いてあります。被害者の死亡を裏づけるものが一切存在しないため、被害者が生存しているという前提に立って、被害者の即時帰国と納得のいく説明を行うように求めています。この文言は、その後、民主党政権になっても変わりませんでした。その後、第二次安倍政権になってもずっと変わっていません。
 私たちが生存を前提に助けてくださいと言っているんじゃなくて、対策本部ができてからの日本政府の一貫した方針は、死亡を裏づけるものが一切ないので、生存を前提に助けるということだった。このことをもう一度先生方にここで確認していただきたいと思っております。
 次に、どのように助けるかということでありますけれども、一、実力による救出、二、核開発を阻止することを目的とした米国の圧力を背景にして日米が連携して行う交渉については、時間の関係で省略いたします。
 今起きていることは、私は三だと思っています。核問題と切り離して日本単独で行う交渉であります。私たちの理解は、岸田政権もこの戦略を取っていると思っております。
 岸田政権は、おととしの十月、初めて拉致問題だけに時間的制約という言葉をつけました。それまで、安倍政権も菅政権も、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するとだけ言っていました。岸田総理は、おととしの十月に、そのことを言った上で、「が、」とつけて、とりわけ、拉致被害者御家族も御高齢となる中で、拉致問題は時間的制約のある人権問題ですと、拉致問題だけに時間的制約という言葉をつけました。早く解決しなくちゃいけないのは拉致問題だというメッセージを出されたのであります。
 そこで、先ほど拓也代表もおっしゃいましたが、去年の二月に、私たちは、全被害者が帰ってくるなら人道支援をすることに反対しないという運動方針を決めました。岸田総理が一歩踏み出したので、私たちも一歩一緒に踏み出したということであります。
 そして、去年の五月の国民大集会で、岸田総理が、私直轄のハイレベルで協議を行っていきたいとおっしゃったところ、二十七日が土曜日でした。二十九日、月曜日の朝、北朝鮮の外務次官が、岸田総理の発言をまず引用して、ある集会で朝日首脳間の関係を築いていくことが大変重要であると発言し、早期実現のために高位級協議を行おうという意思を明らかにしたと。そして、朝日両国が互いに会えない理由がないと言いました。
 土曜日に岸田総理が話したことを月曜日の談話に出すということは、週末に金正恩委員長の決裁を取ったということです。最優先でこのことを自分に報告しろと言っていなければ起きないことであります。この内容もそうですが、この期間が短かったことが、岸田総理の拉致問題を切り離すというメッセージに対する北朝鮮の関心の高さを表していると私は理解しております。
 その後、十一月の国民大集会で、岸田総理は、様々なルートを通じて様々な働きかけを絶えず行うとおっしゃいました。しかし、表面には何も出てきませんでした。
 一月になって、一月五日に金正恩委員長は能登半島の地震のお見舞いの電報を出しました。岸田文雄閣下で始まる電報でありました。北朝鮮の最高指導者が日本の地震に対して電報を出すことは初めてのことであります。
 そして、二月十五日に金与正副部長が談話を出しました。幾つかの前提条件はつけています。正当防衛について不当な言いがかりをつける悪習を捨て、これは核、ミサイルのことだと思います。また、解決済みの拉致問題を障害物としてのみ据えないならばということですけれども、両国が親しくなれない理由がなく、首相が平壌を訪問する日もあり得るだろうという表現までしました。
 一つ飛ばします。
 そして、私たちは金与正談話を受けて新しい方針を出しました。先ほど拓也代表が説明したように、昨年の、人道支援に反対しない、プラス、独自制裁解除にも反対しないという方針であります。
 そうしましたら、三月二十五日にまた金与正氏が談話を出しました。異なるルートを通じて、可能な限り早いうちに国務委員長に直接会いたいという意向を我々に伝えてきたと。交渉をしている、少なくともコミュニケーションを取っているということを明らかにしました。表に出ていない秘密交渉があるということがここで明らかになりました。そして、異なるルートと言っているので、複数のルートがあるのかと推測される表現でもありました。
 一つ飛ばしまして、その後、次の日にまた金与正副部長が談話を出しまして、二十五日の内閣官房長官の記者会見で、拉致問題は既に解決されたとの主張は全く受け入れられないという立場を明白にした、何の関係もない核、ミサイルといった諸懸案という表現を持ち出したと。そういうことを理由に、我が政府は日本の態度をいま一度明白に把握した、したがって結論は、日本とのいかなる接触にも交渉にも顔を背け、それを拒否すると言いました。
 そして、その週の金曜日に中国大使が、メールで日本大使館から接触しようと言ってきたけれども断ったというのをわざわざ朝鮮中央通信が出しました。これは朝鮮語だけじゃなくて、日本語、英語、中国語、スペイン語まで翻訳されるものです。なぜこんなことを出すのか。
 そして、崔外務大臣が、岸田首相が従来の方針の下、引き続き努力を続けるという立場を明らかにしたということを理由にして、もう日本とは会わない、対話は我々の関心事じゃないというふうに言いました。
 この動きをどう見るかでありますが、先ほど省略しましたが、二月十五日の金与正談話のときも、林官房長官は、拉致問題は既に解決されたという主張は全く受け入れられないとおっしゃっているんです。林官房長官の解決されたということは受け入れられないという発言が問題なら、二月十六日に談話を出して、もうやめると言えばいいんです。それなのに、三月二十五日に、別のルートから話が来たと言っているんです。岸田首相の発言に至っては、従来の方針に基づきと言っているんです。何も変えていないのに、二月十五日から三月二十五日の間に何かがあったということであります。表の理由は理由ではないということがこの分析から分かります。したがって、私は、まだ交渉が続いているのではないかと推測しております。
 北朝鮮は首脳会談をするときにいつも条件闘争をします。南北首脳会談も、米朝首脳会談のときも、一度やめるということを言いました。それは、条件をよくするためであります。
 全拉致被害者を取り戻すという条件を下げてもらっては困る。北朝鮮が被害者を帰さない段階で制裁を緩めたり人道支援をしてもらっては困る。しかし、全員が帰ってくるなら制裁を緩めたり人道支援をするということは守るという今の岸田政権の姿勢を続けてほしいと思っております。
 以上であります。拍手
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小熊慎司#7
○小熊委員長 ありがとうございました。
 次に、荒木参考人、お願いいたします。
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荒木和博#8
○荒木参考人 本日は貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私は、お手元にクリップで留めて配っていただいております衆議院拉致特委メモというものについてお話をいたします。
 その前に、二十日に、林官房長官兼拉致問題担当大臣に、大澤さんを含めまして特定失踪者の御家族がお会いになられました。そのとき、実は二人、直前まで参加するつもりで参加できなかった方がおられます。お一人は生島馨子さんと言われまして、東京で昭和四十七年に失踪した生島孝子さんのお姉さんです。お配りいただいている私どもの「救出!」と書いたパンフレットの中で、八ページの上から二段目に赤い枠のついている方が生島さんです。ちなみに、その右下の、隣のページの赤い枠が大澤孝司さんでございます。
 行けなかった理由というのは、生島さんが内閣府まで来られてから体調を崩しまして、救急車で緊急搬送されたということでございます。軽い脳出血がありまして、幸いにして対策本部のスタッフの皆さんに協力いただき、私どももいましたので、もう一人、特定失踪者山本美保さんの妹さん、森本美砂さんが救急車に同乗して東京逓信病院に行きました。
 その生島さんから先週電話がかかってまいりまして、調子は比較的いい、先生に何とかお願いして今日のこの委員会の傍聴に行きたいと言っていたんです。ですけれども、先生の許可は得られなかったということで、私が生島さんの言葉をメモしてまいりました。それだけ御紹介しておきたいと思います。
 調査会が発足してからでももう二十一年になります。政府は認定の有無にかかわらずと言うけれども、その間、どんな扱いをしてきたのでしょう。疑いがあるというだけで、ほっておかれたのではないでしょうか。国交がなくても様々な形で情報を精査できたはずです。是非それを進めてください。これが生島さんのお言葉でした。
 生島さんについては、呉吉男さんという韓国人の方で、平壌で恐らく生島さんと思われる女性を見たという証言があるわけですけれども、それについて政府の方で特段の対応をしたという話は聞いておりません。これは大澤さんの情報も同様でございますが、そういう問題があるということを御理解いただきたいと思います。
 私のメモの方へ戻ります。
 まず、この間官房長官にも申し上げましたが、この拉致問題特別委員会でも度々、答弁は差し控えさせていただくということの連発でございます。これはある意味で国権の最高機関たる国会に対する冒涜とも言えることでありまして、逆に、積極的に答弁して、そして、それが北朝鮮へのメッセージとなるということを是非とも御理解いただきたいと思います。
 多少興奮しておりますので、不適切にもほどがある発言がこの後続くと思いますけれども、御了承ください。
 先ほど横田さんのお話にも大澤さんのお話にもありましたが、被害者にとっても家族にとってももう時間がございません。それで、全拉致被害者の即時一括帰国というのは、北朝鮮側に言うのはもちろんそれが当たり前のことでありますけれども、しかし、現実にそれができるとは到底思えない。日本政府が拉致被害者がどこまでいるのかということについて認識していない以上、北朝鮮側が、例えば政府認定の拉致被害者だけ出してきて、これでおしまいと言ったら、ああ、そうですかという話になるか、あるいは逆に、政府認定の拉致被害者は全て死んだと言っているから、特定失踪者を何人か出してきて、これでおしまいと言ったらば、それで認めるということになるのか、これは分かりません。ですから、いずれにしても、分からない状態では、取り返せるところから取り返すしか方法がないというふうに考えます。
 それから、既に何人かの方がこれまでも御質問いただいております、田中実さん、金田龍光さんを十年前のストックホルム合意のときに北朝鮮側が出してきた、そしてそれを突き返したということについては、既に各関係者が認めており、それは事実であることは確認されている。であれば、その判断が正しかったのか、あるいは間違っていたのかということについて、政府の方で明確な答弁をするべきであろうというふうに思います。私どもは日弁連に対しまして人権救済申立てを行いましたが、今後も更にこの問題を取り扱ってまいりたいと思います。
 それから、生存を前提としてということについてでございますが、お配りしている中で、特定失踪者家族会で作ったリストがございます。このリストの中で、裏面に「残された時間は少ない!」と書いてあります。特定失踪者、拉致被害者の現在の年齢です。高齢者が圧倒的なわけでございます。ということは、幾ら生存を前提としてやる、これは当たり前なんですけれども、北朝鮮で亡くなっている方が存在することは当然に想定されます。寺越昭二さんなどは拉致途中で殺害されたというふうな説もあり、そうなれば、もちろん生存を前提としてやるわけですけれども、現実の問題としては、そういうきれいごとで済まされる問題ではありません。
 あえて申し上げます。明らかになった場合には、北朝鮮側からの補償を要求するのはもちろんですが、北朝鮮に対して相応の報復をするべきであるというふうに思います。
 次に、私どもがやっております短波放送の「しおかぜ」、これについては、ここにおられる各委員も大変いろいろ御協力をいただいているところでございますが、現在これを送信しているKDDI八俣送信所の百キロワットの送信機二機が、全施設を借り上げているNHKの方針によって廃棄されようとしております。この切替えによる工事のために、現在、妨害電波対策で二波同時に出している私どもの送信が、一定期間一波送信になると言われております。
 この百キロワットが三百キロワットに切り替わればよくなるんだというふうに思われるかもしれませんが、現実にはオーバースペックで、遠方のほかの局と混信してしまうことが起こり得ます。アジア周辺に送るためには百キロワットが最も適切な送信機なのでありまして、短波の目的としては、安全保障上、在外邦人の安全を守るということが絶対に必要でございます。
 そのためには、これはNHKに任せておくべき問題ではないと思います。私どもがいろいろな形で交渉しておりまして、NHKに国民を守るという意思は、この短波放送に限って言う限りはないというふうに判断せざるを得ません。私どもが幾ら様々な形で要望しても、それに対してまともに応えようとはしておりません。
 海外向けの短波放送は、北朝鮮に限らず、世界中で危機に遭った邦人を保護するために絶対に必要なものでございます。この二機を更新しても十数億のお金でできるんです。それは人の命を考えたら非常に安いものだと思います。是非ともこれを政府の責任によって維持していただきたいと思います。
 六点目、拉致被害者救出に対して自衛隊を使うということに関してです。
 これは、これまでも国会で何度か質問が行われております。これに対して防衛省の答弁は、憲法、自衛隊法の制約があってできないというものであります。
 しかし、そもそも、この間ずっと助けることができない、五人が帰ってきてから二十二年間誰一人として拉致被害者は帰ってきていない、そして、松本京子さんが認定されて以来十八年ですか、ただの一人の拉致認定すら行われていないというこの現状を考えると、これこそがまさに憲法違反の基本的人権のじゅうりん、国家による、国家というのは北朝鮮ということではなくて、我が国による人権のじゅうりんではないだろうかと思います。
 私は、調査会と別に、予備役ブルーリボンの会という自衛隊の関係者でつくっております会で代表をやっておりますけれども、ここでは、様々な形で、自衛隊を使って拉致被害者の救出を行う、あるいは何らかの形でその活動に参加することについての研究をずっと行っております。
 六月二十二日にも都内でシンポジウムを行っていく予定ですけれども、これは本当にあえて申しますが、憲法、自衛隊法がどうこうなんという話ではなくて、命を守れるかどうかという問題でございます。そのために実力の行使というのが必要に応じて使われるべきである、少なくとも、そのような選択肢を明確にすることが北朝鮮に対して明らかなメッセージにもなると確信しております。
 是非とも御協力をよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。拍手
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小熊慎司#9
○小熊委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
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小熊慎司#10
○小熊委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山本左近君。
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山本左近#11
○山本(左)委員 おはようございます。自由民主党の山本左近と申します。
 本日は、北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会で、まずは、四名の参考人の皆様には貴重なお時間と貴重な御意見を賜りましてありがとうございます。また、この質疑の場に立たせていただきまして、委員長を始め理事、委員の皆様、そして国民の皆様に改めて感謝を申し上げ、質問をさせていただきたいと思います。
 皆様方からお話を伺う中で、どうしても、約五十年間、半世紀の長きにわたって解決ができていないこの拉致問題というものを、私も一人の国会議員として今この場に立たせていただいている中では、本当に申し訳なく思う気持ちと同時に、先ほど横田参考人が述べられましたとおり、いつでもどこでも誰でもできるような夢や希望、そういったものが拉致というものによって一瞬にして奪われてしまった、この決して許されることができない人権問題、そして人道問題に対して、今私が国会議員の一人として、そして日本人の一人として何ができるのか、これを改めて強く再認識させていただきました。
 その中で、この拉致問題というものをどう捉えるのかということが今日本でも改めて大きく問われているんだと思います。
 世界情勢が変化する中で、ロシアがウクライナへ侵略したとき、世界は、力による一方的な現状変更は認めない、このように認識し、決してそれは許されるものではないと訴えました。
 まさに、北朝鮮による拉致被害というのは、北朝鮮という国による力による一方的な現状変更、人権問題、そして人道問題を犯している状況の中で、日本という我が国の主権を侵されている。日本国民の生命、身体、自由、財産を奪われてしまっている。我が国としての対応策として一体どういうものが必要なのか。今まであらゆることをやってきたと伺っていますが、まだ足らない部分もあるんじゃないかと思います。
 その中で、先ほど、今年の二月の方針の変更を説明いただきました。その方針の変更というのが、親世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するのであれば、我が国が人道支援を行うことに反対しない、さらに、独自の制裁を解除することにも反対されない。これは本当に大きな方針転換だったと思います。
 この方針転換をされ、そして、三月の金与正副部長のお話、また、先ほど西岡参考人からも説明がありましたこれまでの一連の経緯、そして、ゴールデンウィークにアメリカに行かれたときのお話など、横田参考人から改めて、今の現状について、今後の期待を教えていただきたいと思います。
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横田拓也#12
○横田参考人 ありがとうございます。
 今回の訪米若しくは去年の訪米のときも感じたことを先に申し上げますと、私たちの親世代、つまり、私の母であり父であり、亡くなった飯塚代表が訪米されていた二〇〇〇年初頭の頃は、アメリカを訪問して拉致問題を説明しても、一から説明しなくてはいけなかった時代でした。ブルーリボンの意味。横田めぐみとは。私たちが訪米しに来ている目的とは。一から説明する、でも面会時間は二十分なら二十分と限られている。ほとんど伝えることができない。そんな活動が親世代の初期の時代でありました。
 ただ、今回の訪米については、事前に日米首脳会談があったということもあって、そして、これまで日本国内でアメリカの大統領と、そして、ブッシュ大統領ともオーバルルームでお会いしたこともあって、アメリカの全省庁の方がこの問題について深く御理解をいただいて、国務省においては人権担当の方が勢ぞろいで面会していただくといった形の理解の深まりというものを感じました。
 そして、どなたからも私の母早紀江が元気で過ごしているかということを心配してくださる温かい言葉をいただいて、一緒にこの問題に対して取り組もうじゃないか、私たちはあなたと共にいるんだということをお伝えいただき、北朝鮮の人権問題を解決しようというお約束をいただいた、力強い確認が取れたというふうに思っています。
 今回、訪米のときに、先ほど申し上げましたとおり、財務省にも訪問してきました。財務省はその後、訪米後に、既に報道されているとおり、北朝鮮に対する制裁を新しく発表しました。韓国もそれ以降新しい制裁を発動して発表していますが、こうした対比を見るときに、日本政府が北朝鮮に対して、対話局面ではあるとはいっても、そうした新たな解決を迫るための制裁の枠組みをつくれているのかということをいつも感じています。
 これまでも私たちはいろいろな場で日本政府、いろいろな省庁に、新しい制裁を強化してほしいということを訴えてきましたが、これまでも言ってきたとおり、日本は新たなことができないんだといったような趣旨のコメントをもらったことが多々ありますが、では、なぜ世界の各国はそれぞれ新しい制裁の立案ができて実行できるのか、他方で、なぜ日本はできないのかという矛盾をいつも感じます。
 その意味で言うと、先ほど荒木代表の方からもお話がありましたけれども、いろいろな面においての法律の整備、これはやることはもっと山ほどあるんじゃないかなというふうに思います。私はこの場では何の法律かという具体的なことは申し上げませんが、様々な法律の強化、法執行の強化というものはできると考えています。
 また、これまでも、私たちの大切な家族、日本人が拉致されて四十年、五十年以上たっている中で、向こうから見たとき、北朝鮮から見たときは、日本の国の守りが弱いから堂々と日本に工作員が侵入してきて無実の民間人を拉致してきたわけでありますから、自衛隊であり、海上保安庁であり、そうした国の守り、それは人的整備、予算的整備、あらゆる整備、国の守りの強化をしていく必要があって、そうしていかない限り、北朝鮮の工作員はこれからも堂々と入ってくると思います。
 私たちはこれまでも元工作員の方に会ってきたときにお話を聞きましたが、日本に入ることはトイレに行くのと同じぐらい簡単なことなんだとばかにされているんだということを聞いたことがあります。そんなことでは日本人をこれから守ることはできないと思います。
 そうしたことをしっかりやっていきたいと思いますし、これからの抱負といえば、韓国の政権が替わって、北朝鮮の人権問題にとても力強い、私たちとほぼ同じ考え方に立った方針を立てられていますから、私たち家族会、救う会も、韓国を訪問若しくは拉致被害者家族同士の連携を更に強化してこの問題に焦点を当てていくこと、そして、政府同士でも日韓が更にこの問題に対して取組を深めていただいて、それを世界にアピール、北朝鮮に対してアピールをしていただくこと、これを求めていきたいと思っています。
 以上でございます。
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山本左近#13
○山本(左)委員 横田参考人、どうもありがとうございます。
 まさに法律の整備や防衛力の強化の必要性を訴えていただきましたし、また、国際的な連携も必要なんだといったことをお話しいただきました。
 その中で、近年の国際連携の中で日本国としてどのように取り組んでいるのかということを調べてまいりましたが、昨年のG7広島サミット首脳コミュニケ、また、昨年八月には拉致問題を含む北朝鮮の人権状況を協議するための国連安保理事会が六年ぶりに開催されたということです。また、八月のキャンプ・デービッドの日米韓首脳共同声明にも入りました。そして、第二十六回日・ASEAN首脳会議の議長声明、今年の四月十日、日米首脳共同声明にも北朝鮮による拉致問題の解決の文言が入っております。
 このように、国際協調の中で日本国として声明を出すといったことはしていますが、まだまだ私は十分ではないという認識があります。
 というのも、声明を読んでみますと、岸田政権における最重要課題であるとうたっているにもかかわらず、書いてあるページが何ページ目か後に書いてあることが多いです。国際連携の中では、こういった人権問題又は人道問題がそれ以外のものより本来であればもっと優先され、そして、解決のために各国に対して更に協力を求めるべきだと私は思います。
 その中で、西岡参考人に伺いたいと思いますが、日本のこれまでの国際連携、協調の取組は十分であったのか、また、これまでも尽力いただいている方が大勢いらっしゃると認識していますが、本当に時間的な制約のある中で、解決を目指すためにはどの国やどの人たちと連携することがより重要になってくるのか、この辺りをお答えいただければと思います。
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西
西岡力#14
○西岡参考人 まず、一つエピソードを御紹介します。
 岸田総理に聞いたんですが、この連休にパラグアイに行かれたそうですが、パラグアイの大統領がブルーリボンバッジをつけて出てきた。これは驚きました。多分、在パラグアイ日本大使館が随分御尽力してくださったということだと思いますけれども、国際社会に対する働きかけの部分では、外務省そして在外公館がかなりのことをやってくださっているということを感じます。
 今回、私も訪米いたしましたが、国務省では、セキュリティーを通らないで別のところから入れてくれるんですが、そのために迎えに来てくださる実務者の人も全部ブルーリボンバッジをつけている。向こうに座っている人はみんなつけている。私たちがこのブリーリボンバッジをお分けしているんですが、アメリカ大使館からかなりの量の注文がありました。本国に送ってくださっている。
 拉致がある、日本が重要視しているということについては、かなり国際社会に広まっているのではないかと思います。
 そこで、次の課題として、私は、人権問題を解決するためには、人権問題があるということを教える段階、啓蒙する段階と、人権を理由に制裁をする段階、そして、その制裁を使う段階があると思っております。
 日本は、拉致問題があるので、国際制裁よりも強い独自制裁をしています。今、それを使おうとしています。国際社会は北朝鮮に厳しい制裁はしていますが、残念ながら、国連の安保理事会の制裁の理由に人権問題は入っていません。前文のところにヒューマニタリアンコンサーンという言葉が、これも日本の代表部の努力で入りましたが、理由には入っていません。
 一方、国連の人権理事会が任命した調査委員会で、北朝鮮に対する、人権侵害は人道に対する罪であるという報告書まで出ているわけであります。安保理事会で人権について話合いが久しぶりにあったことは大変いいことだと思います。つまり、強制力のある人権に対する制裁あるいは警告をもっともっとすべきではないか。
 韓国に対しては、韓国も拉致問題に取り組むと言い始めましたので、私は、韓国に行ったらば、日本は既に拉致という人権を理由に制裁をしていますよ、それを今使う段階に来ました。韓国も強い制裁をしていますが、人権を理由にはしていない。そこでも足並みをそろえたらどうですかと言ったらどうか、そのように思っております。
 以上です。
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山本左近#15
○山本(左)委員 ありがとうございます。
 時間がもうすぐ終わってしまうので、次の質疑に移らせていただきます。
 最近の十代、二十代の若者が拉致問題に関して知るきっかけが少なくなってきていると伺っています。
 その中で、アニメ「めぐみ」の視聴のアンケートの回収状況を調べていただきましたが、任意であるため全ての学校からの回収ではないデータですが、令和元年度におきましては、学校数が三万六千百四十八のうち、回収が三千四百十三、回収率九・四%、令和四年度、学校数が三万五千四百三、回収数が三千二百五十三で、回収率九・二%、この四年間ほとんど同じような数字が出てきました。
 これは回収した数ですので、もっと多くのところで視聴いただいているということは当然あるかと思いますが、ただ、一方で、この数字が一割弱ですので、もっと上げていく必要があるんじゃないかなと思っています。
 その中で、是非お伺いしたいのが、こういった視聴を通じて知っていただくということも、国民が一丸となって拉致問題を解決するために非常に重要なことだと認識していますが、拉致被害者、特定失踪者の御家族である横田参考人、大澤参考人にそれぞれ、この啓蒙活動について、もっと見ていただく必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
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横田拓也#16
○横田参考人 ありがとうございます。
 私も、今の御指摘の点については全くそのとおりだと思っております。
 日本政府は、こちらの青いパンフレットと白いパンフレットを作成して、これに加えて、まさにこうしたお子様向け、若年者層向けのアニメタッチの新しい啓蒙パンフレットを作成しています。
 私が各県の行政主催の講演会や民間主催の講演会に行くときには、毎回これを持っていって、もし知らなければこれを知ってほしい、これを皆様方の手で若者の方へ配ってほしい、日本政府の拉致対策本部に連絡をしてほしいということは言っておりますし、私自身も、家族会の代表という立場で、こうした国会への出席ですとか総理との面会のほかに、中学校や高校のいわゆる人権教育の中で、当事者の意見を言うような立場として、若者たちに直接呼びかけをして、授業の後にいつも校長先生や担任の先生から感想の作文をもらって、すごく分かった、心に響いたという若者たちの反応をいただくことがあります。
 これは、逆に考えますと、学校を訪問する前は、子供たちにお話ししても、もしかしたら伝わらないんじゃないかという目線で、当初私自身も校長先生もそう考えて授業に臨みましたが、実際には、大人が考えている以上に物事の吸収が深くて、それに対するビビッドな反応が返ってくる。これは、私たち大人がまだまだ伝え切れていないあかしである、報道が知らせていない部分がもっとあるんじゃないかということを如実に示した事例だと思っています。
 また、毎年十二月に日本政府が主催している人権シンポジウム、それと同時開催している作文コンクールもありますが、作文コンクールは、過去二回ほど私自身も審査員として多くの中学生、高校生の作文を読ませていただいて評点をさせていただいているんですが、その中においても、そうした今の御指摘の視聴の低さの点を中学生、高校生自身が問題なんじゃないかと指摘されています。やはり、私たち大人がまだやれていないことがたくさんあるし、各県が様々なルートを通じて子供たちの教育プログラムの中に埋め込んでいただく努力が必要だと思っています。
 また、これは私ごときの立場では大変失礼な言い方かもしれませんが、各党の議員の先生方がこうしたものを地元に帰られた際にもっと積極的に広報していただいて活用を促していただく、こうした御支援も引き続きお願いしたいと考えています。
 以上でございます。
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大澤昭一#17
○大澤参考人 大澤昭一です。
 まだ特定失踪者として、運動はほとんど新潟県に限られています。
 私も小学校、中学校をある程度回りましたが、新潟県は、拉致全体については、横田さん、曽我さん、蓮池さんのいる関係で理解がある程度されていますが、特定失踪者についてはなかなか理解されていないのが現状です。しかし、まだ新潟県においては、私を含めて、特定失踪者については理解いただいておりますけれども、新潟県以外については、なかなか特定失踪者についての認識が得られていないのが現状だと思います。
 この辺については、私たちの特定失踪者の努力も足りないのかもしれませんけれども、もうちょっと政府の方からも、特定失踪者が四百七十人いて、その中の七十七人は疑いの濃い特定失踪者、そういうことについて政府からもいろいろ発表していただかない限り、特定失踪者についての認定はないものと思っています。
 是非、皆さんからも、十七人以外にも特定失踪者がこれだけいるんだよということを発表してもらいたいと思います。
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山本左近#18
○山本(左)委員 ありがとうございました。これで質疑を終わらせていただきます。
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小熊慎司#19
○小熊委員長 次に、下条みつ君。
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下条みつ#20
○下条委員 立憲民主党の下条みつでございます。
 今日は、足下の悪い中、それぞれ御参集いただき、最初に皆さんの気持ちが非常に伝わってまいりました。本当にありがとうございました。
 今日は限られた時間でございますので、特定失踪者の件、そして米国での対応の件、最後に私の御意見をちょっと申し上げる、その三点に絞って皆さんにお聞きしたいなというふうに思います。
 まず一つ目は、先ほど大澤参考人がおっしゃっていたように、拉致の特定失踪者の件について、なかなか認定してくれないとか、それを認定すると北に足下を見られるとか、何かがたがた言う話がありますが、では、逆に言えば、特定失踪者を確認できる条件があるとしたら、それは何なのか。
 その件について、西岡参考人と荒木参考人に、これがあればいいんじゃないかというもし御意見があれば、まず最初にお聞きしたいというふうに思います。いかがでございましょうか。
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西
西岡力#21
○西岡参考人 まず、私は、特定失踪者の調査を専門でやっている団体ではないので、朝鮮問題の専門家の立場から申し上げます。
 日本国内で証拠を固めていくというのは、もう時間がたっていますので、それもかなりやってくださっていることは承知していますけれども、大変であるというふうに思います。
 北朝鮮の中の情報が最近取れるようになってきています、北朝鮮は腐敗が激しくなっているので。そういう点では、もちろん、情報を取ったとしても、情報を公開できるかどうか、情報源の命に関わる問題がありますので、それの扱いが慎重であるということはありますけれども、日本だけでは、かなりのことをやってくださっても証拠が出てこないとすれば、北朝鮮からより一層の情報を取るということが一つあると思います。
 それからもう一つは、では、日本政府がなぜ蓮池さんたちなどを認定できたのか。八八年の三月に梶山答弁がありましたけれども、あのとき金賢姫さんが証言したのは田口八重子さんだけなんです。なぜ、アベック三組などについて認定できたのか。
 これは、私は本などに書いておりますけれども、日本の警察が電波情報を持っていたからです。北朝鮮の工作船が日本の近海に来ているということを日本の警察が優秀でつかんでいたということであります。これは読売新聞が二〇〇二年の十二月に書いているとおりであります。その部分をもう少し活用することもできるかなというふうに思います。
 以上です。
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荒木和博#22
○荒木参考人 基本的には、何で認定しないかというと、今認定したら、何で今認定するんですかというふうに聞かれるから、それが嫌だというのが最大の理由だと思います。大澤さんなどにしてみれば、認定しない理由の方が本来はない。
 日本政府は、かつて、松本京子さんの認定のときに、あの当時の漆間警察庁長官が三条件というのを言っております。北朝鮮の国家意思によって、北朝鮮の工作員によって北朝鮮に連れていかれたということなんですけれども、ということになれば、はっきり分かっている人でも認定をされていない、逆に、認定をされている人の中で、そこがはっきり確認ができないのに認定をされている人もいるということで、極めて恣意的なものであるとしか言いようがないと思います。
 現在、日本政府が認定しないのは、今ここで認定すると今までの責任を問われるということが一つ。それからもう一つは、それによって認定の被害者の数を増やすと、北朝鮮がへそを曲げて交渉に出てこないということだろうというふうに思っております。でも、これもいずれも、どちらも全く本筋から離れた話であるというふうに思っております。
 以上です。
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下条みつ#23
○下条委員 私の人生訓としては、攻め切らない。攻め過ぎると反発するというのは、僕はあると思って。今、先生方、また会長のおっしゃったとおりで、メンツを攻めていっちゃうと、違った方向に結果が出るのかなと。皆さんのお気持ちからすると、そこを攻めていきたいんでしょうけれども、この委員会としては、私は、結果をどうやって持っていくかという方に仕向けていく時期にそろそろ来ているなというふうに思っております。
 本当に貴重な御意見をありがとうございました。
 次に、先般米国に行かれて、最初は、何の話か分からないぐらいの、私もアメリカにずっとおりましたので、言いにくいけれども全部議事録に載るので、非常にアメリカ人はドライですから、マルかバツです。そういう意味で、マルにするには、どれだけ日本政府そして被害者の御家族の方々が真剣かどうかで、マルにどんどん移っていく。その結果が、さっき横田さんがおっしゃった、随分変わってきているなという答えじゃなかったかと思うんですね。
 具体的に、我々その場にいなかったんですが、横田さんが行かれて、米国側の対応とか反応とか、自分でこれはというのがもしあって、言える範囲であれば、今、この委員会で議事録に残したいと思います。どうかおっしゃっていただきたいと思います。
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横田拓也#24
○横田参考人 ありがとうございます。
 今回の訪米において、どの面会者の方とも物すごく強い印象を受けたわけではありますが、その中でも、国家安全保障会議、NSCですね、大統領補佐官で女性のラップフーパー補佐官という方と面会することができたんですが、その方は、事前に日本大使館の方からプロフィールの書かれた資料をもらったときには、御家族の構成については書かれていない資料を私たちはもらっていたんですが、私たちの方から説明をした後に、補佐官の方が最後詰め寄ってきてくださって、自分にも娘が二人いるんだ、あなたたちの言っていることはよく分かるということを言ってくださったりとか、財務省に訪問したときも、最後、面会した後に、自分にも子供がいて、あなたたちの言っていることはとても痛いほど分かるということをおっしゃっていただきました。
 私たちは活動上の正攻法の話を伝えるとともに、やはり心同士が伝わっていて、相手方も自分たちも、人である以上、この問題を必ず解決しなくてはいけないんだ、家族の痛みは自分たちにも分かるから、必ず応援をするんだという温かい言葉をいただいたことはとても感謝をしています。
 また、過去の訪米を振り返って言うと、二〇〇六年に、ブッシュ大統領とホワイトハウスのオーバルルームで母と私が面会をさせていただいたその行程の中に、下院の公聴会で母が発言する機会をいただいたことがあります。
 今回の訪米において、それは上院の公聴会を私たち自身は想定をしているんですが、やはりあれから随分長い期間が過ぎていて議員も替わっていることもあって、もし可能であれば、そうした上院の公聴会で、改めて私たちの苦しい現実、思いを伝える場がいただけないだろうかということを、ハガティ元在日米国大使、今は上院議員でありますが、そうした方々にもお伝えをすることができました。
 それが実現するかしないかは私たちの手元にあるわけではなくて、米国側の御判断になるわけでありますけれども、もしそういう機会がいただければ、これは改めて北朝鮮に対する力強いプレッシャーになると思いますから、それは、これからも日本政府が実現に向けて努力、そしてお願いをしていきたいと思っています。
 以上でございます。
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下条みつ#25
○下条委員 ありがとうございます。
 お母様もこの間、大会で、金正恩総書記に向かって、あなたも娘がいるでしょうというあの言葉はすごく効きましたね。僕らにも響きましたよね。そしてまた、そういうふうな形で補佐官等々がお嬢さんがいらっしゃるということも、それがアメリカ人の気持ちを動かした皆さんの汗だというふうに我々は敬意を表したいというふうに思います。我々もしっかりと、国としてもサポートしていきたい、お約束したいと思います。
 もう一つ、ちょっと申し上げたいことがあります。それは韓国との連携であります。
 これは、金暎浩統一部長官が、これからは日本の部分も明確化にして、そして交流を支援するというふうに、連携を取っていくというふうに、この言い方を大分変えてきたというふうに思うんですが、これは結局、言いにくいが、北と南の戦いはありますけれども、やはり子を思う親、孫を思う親は変わりないということじゃないかと思うんですね。
 この辺は、今度は救う会の西岡さんですけれども、皆さんの気持ちとして、タッグを組んで。僕も、実を言うと親戚に韓国の方と結婚している人が随分いて、その方の知り合いに北の方もいらっしゃったりとかいろいろあって、近く話をしていくと、やはり同じ肌の色、髪の毛、そして目の色というのはすごくツーカーになってくるんですね。
 いろいろ対立もありますし、竹島の問題とかいろいろありますけれども、韓国に伺って、統一部長官がおっしゃっていただいていることに対して、我々として、方向感として、当然僕らはアグリーで進めていきたいんですけれども、救う会の代表として御意見があればお伺いしたいというふうに思います。
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西
西岡力#26
○西岡参考人 ありがとうございます。
 先ほど拓也代表もお話を一部されましたけれども、家族会、救う会として、今年の秋に代表を韓国に送りたいと。これは私たちが決められませんけれども、今御言及なさった統一部長官にも、そういう積極的なことをおっしゃってくださっているので、お会いできればお会いしたいなという希望はございます。
 韓国との関係でいうと、一九九九年に最初に国民大集会をやったときに、韓国の被害者家族を呼んだんです。まだ韓国では朝鮮戦争休戦後の拉致家族会はなかったんです。我々の活動を見て、二〇〇〇年に休戦後の家族会ができたんです。その人たちとずっと交流をしてきました。
 ただ、文在寅政権になってかなり激しい反日という状況の中、あとコロナもあったりして、このところ韓国との交流ができなかったのですが、韓国の方で積極的に日本と協力したいと言ってくださっていますので、積極的に私たちも応じていきたいと。先生と同じ考えでございます。
 ありがとうございました。
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下条みつ#27
○下条委員 ありがとうございます。
 全く僕も同じ考えです。ただ、人の命というのは本当に、肌の色が違ってもとは思うんですが。
 それで、最後に、時間が限られているので、私の意見を申し上げて、それに対してお答えいただきたいと思うんです。
 私も、さっき言ったように、アメリカに長くいて、アメリカ人の発想、ドライさ、そして、その気持ちを動かした皆さんの御努力には敬意を表したいというふうに思いまして、すばらしいことだなと思います。
 一方で、これは言いにくいんですけれども、人の命には社会主義も共産主義も自由主義もないと思うんですよ。ただ、アメリカという国は非常に我田引水の国だと僕は思っています。一方で、日米同盟があって、いろいろなものが守られている。だけれども、アメリカ一辺倒になってしまっちゃうと、私はちょっと、やはりへそを曲げる人が出てくるなと。それは北であり、中国であると僕は思っています。
 今回、韓日で、また韓中で、また日中でいろいろやった結果が、昨日の岸田総理の、こういうふうに申し上げて御理解を得るようになったという言い方がありましたけれども、私は、いろいろな問題を乗り越えて、中国と近くなっていく必要があるんじゃないかなと思っているんです。
 それはなぜかというと、いろいろな制裁をやって、また、アメリカへ行って制裁解除というのを言っていますけれども、いろいろなところで制裁が漏れているわけです、中国からいろいろな補助が入っていたり。例えば、ロシアとウクライナの問題も、日本はロシアからどんどんいろいろなものを買っているわけですよ。
 だから、いろいろな意味で、どこか、制裁、制裁と言うところも必要であるし、米国等の力も必要なんですけれども、私はやはり、これはいろいろなものを脱いで、我々もそうです、中国のある程度の方に、隣国として、日本は中国の文字を漢字として使ってきているわけですから、中国に、我々もそうだし、家族会も救う会も、もしあれだったら足を運んでいただいて、こういうことで隣人が困っているし、いろいろなものを乗り越えて、何とか我々に協力していただいて、北を、また北朝鮮の上部に働きかけをしていただけないかと言うことも、僕は何か必要じゃないかと思っているんですよ。
 これが私の最後の意見であります。時間が限られていますので、もう終われと来ていますけれども。
 ですから、私はもう一回言いますけれども、中国と北朝鮮はアメリカが好きじゃないです。だから、僕らも日米同盟があって、その力は大事です、僕も防衛省にいましたので分かりますけれども。ただ、中国とやはり仲よくしていくということが、何か違う道に僕は入っていけるんじゃないかという声また意見を持っているんですが、最後に、これを横田さんにお聞きしたいと思います。いかがでございますか。
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横田拓也#28
○横田参考人 ありがとうございます。
 あくまでも私見でお答えを申し上げますと、中国が北朝鮮と隣り合わせということがありますから、彼らが協力的に動いてくれれば、これは何より力強いことはないと思っていますけれども、これまでも私たちは、もう随分昔の話ですが、在京の中国大使館に訪問したときも、どちらかというと、これは私の個人の感想ですから、ほかの方はどう思っていらっしゃるか分かりませんが、物すごく事務的な応対に終わってしまっているなということを私は肌で感じたことがあります。
 そして、同時に、これは家族会の活動ではなく国際社会の活動に目を移すと、国連安保理で、一方的な暴力での現状変更に対して、中国の振る舞い方は、とても、私たちがこの人権問題で解決をお願いしたいということを言ったとしても、中国が、あの安保理での活動を見る限りは、本当に私たちのこの人権問題に対して大きく手を広げて受け入れてくれるんだろうか、そういう心配や疑問はあります。
 また、直近の話で申し上げると、日中韓の首脳会談の中で、北朝鮮問題に対して三か国が言及しようとしたときに、日韓は今回は歩調が合わせられた、ただ、中国は歩調を微妙ながら合わせられなかったということを見ると、この人権問題で本当にこの協力を仰げるのかというところは少しながら疑問があります。
 ただ、本音を言えば、やはり中国がプレーヤーとして強力な力を持っているわけですから、そこは、彼らが振り向いてくれるのであれば、私たちはこれからも引き続きアプローチを続けていきたいと思っています。
 以上でございます。
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下条みつ#29
○下条委員 時間が参りましたけれども、貴重な意見、ありがとうございました。しっかりと我々も委員会を含めて対応する、お約束したいと思います。
 ありがとうございました。
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