渡邉正樹の発言 (地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会)

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○渡邉参考人 おはようございます。
 本日は、意見陳述の機会を与えていただき、ありがとうございました。渡邉正樹と申します。
 私自身のことについては、一番最後につけておりますので、ちょっと省略させていただきまして、早速内容に入りたいと思います。
 二ページ目になりますが、今日の私の方からお話しする内容ですけれども、三点になります。
 一番最初に、教員養成の視点から、この子供性暴力防止法についての意見を述べさせていただきます。これは私自身がずっと教員養成に関わってきたということもありますので、そういう点からお話ししていきたいと思います。
 そして二番目に、学校環境、学校の中での問題、特に学校環境について、性暴力の未然防止に関する内容をお話しいたします。
 そして最後に、子供への性犯罪、性暴力防止教育、これは生命の安全教育というものですけれども、これについてお話ししていきたいと思います。
 それでは、次のページになりますけれども、教員養成における課題ということなんですが、ここに挙がっていますのは令和四年にもう施行されております教員による児童生徒性暴力防止法と言われているものから写したものですけれども、十三条に、現職の教職員に対しての研修、啓発のこと、そして、教員養成の課程における児童生徒性暴力の防止に関する教育の充実、そして、それを教員養成大学が、学生が理解を深めるための措置を行うということが書かれております。
 ここは非常に重要なことでして、特に教員養成から見ますと、今回の子供性暴力防止法は、再犯を防ぐというのがかなり大きな目的であると思うんですが、初犯、最初の犯罪を防ごうということであれば、やはり教員養成の段階から取り組んでいくということがこの法律の中でも非常にはっきりと書かれているということになります。
 それでは、次のページをお願いします。
 これは、教員養成課程で性犯罪、性暴力の内容をどこで位置づけるかということなんですが、ここに挙がっているのは教職課程コアカリキュラムというもので、平成二十九年の十一月に作られていますが、私もこのコアカリキュラムの作成に関わっておりました。
 ここでは、大学ではいわゆる教職科目とかいうふうに呼んでいるものですけれども、教科ではなくて、先生になる方が全員学ぶという内容、それについてのコアカリキュラムを作ったということなんですが、その中で、今回の審議されている法律の内容とかそういったことを学ぶとしたらここではないかなというふうに思いました。
 一つは、教職の意義及び教員の役割、職務内容のところの中に、教員に課せられる服務上、身分上の義務ということで、教員はこうあるべきだということで、子供に対する例えば体罰のこととかそういったことなどは含まれているんですけれども、性暴力についてはここではまだ明記はされておりませんでした。
 それともう一つは、どちらかといえば生命の安全教育の方に関わることですけれども、教育に関する社会的、制度的又は経営的事項で、学校安全への対応というのがございます。そこのところで扱うのかなというふうに思います。
 ただ、平成二十九年の段階では、まだ性暴力、性犯罪のことについて議論が盛り上がっていなかったということもありまして、具体的にここに記載するということがなかったんですね。ですから、今後、大学の教員養成課程の中で取り上げるというのはこの部分だと思いますけれども、現在は、ここについてそういったことが書かれていませんので、何かこの辺を、性暴力防止の内容を反映させていただければというふうには思っております。
 今のところ、このコアカリキュラムの改定とかそういう話は伺ってはいないんですけれども、やはり、全員、教員を目指す全学生たちが学ぶということ、その工夫が必要ではないかというふうに考えております。
 その次のページになります。
 これは、先月、内閣府の男女共同参画局の、女性に対する暴力に関する専門調査会の資料なんですけれども、私もこの委員をしておりますので、そこからちょっと引用させていただきました。
 文部科学省の取組として、今お話ししたような教職課程における科目だけではなくて、教職課程内外の活動を通じて、性暴力防止の重要性を、学生の理解を深めるということを促進する、そういうことが文部科学省から述べられております。先ほど申したのは、私は教職課程の科目として話したんですけれども、そこだけではなくて、大学教育全体で、教育課程全体を通じて行うということが出ています。
 この方向性は大変すばらしいと思うんですけれども、それを具現化するといいますか、具体的にどういうことをしていくかというところはこれからだと思うんですけれども、それを考えていかなければいけないというふうに私は思っております。
 と申しますのは、それぞれの大学で、もちろん、どういう科目を取らないと教員免許を取れないというのは決まっておりますけれども、その中身ですね。中身というのは、やはり、指導、教育する教員側に任せられているという部分はかなりあります。シラバスを出しますので、どういう内容を扱っているかというのは分かりますけれども、でも、やはり、かなり大学によって濃淡があるのかなというふうには思います。そこのところで、共通してこれはやはり是非教えてほしい、今回の法律のことについてもしっかり学んでほしいということであれば、そういったことを、例えば文科省とか、そこで資料を作って、これは必ずやってくださいみたいな、そういう具体的な取組があってもいいのかなというふうには思っております。
 それでは、先に進みます。
 現職教員のことについてなんですが、六ページ目に出ていますのは、これは文科省の調査で、学校安全の推進に関する計画の取組状況の調査、これは令和三年度の実績ということになります。学校の先生方の研修の中で、あくまでも学校安全計画の中ということになっていますけれども、どんなことをやっているかというのを見てみますと、例えば、従来からやられている災害安全、防災なども非常に高い率でやっているんですが、性犯罪、性暴力防止に関する研修に関しては三割程度というか三割前後ですね。まだ余り行われていないという状況です。
 この研修は、例えば教職員支援機構が行っているとかそういうのもあるんですけれども、やはりそれぞれ都道府県で行うものであるとか、あるいは、研修ではどうしても漏れがちなんですけれども、私学ですね、私立学校に対しての研修というものも充実させていくということが必要かと思います。
 以上が教員養成課程に関するものですが、二番目、次のページになりますが、学校環境における課題ということをお話しします。
 この学校環境については、新聞記事を載せてありますけれども、三年前の記事ですけれども、教員によるわいせつ行為というのはどこで行われてきたかということについての内容でした。この中で、子供たちが減ってきて空き教室ができるということで、そういう場所がわいせつ行為の現場になっているということが分かってきました。
 目が届きにくい学校の死角ということで、こういった報道があったんですが、この後、この読売新聞からは、このような内容をまとめた「わいせつ教員の闇」という本も出ております。その中では、例えば、高校のある教師が、空き教室を自分の指導している部の部屋として私物化しているという例、そこでわいせつ行為を行っていたなんということが出ていました。ですので、そういったところをどう改善していくかというようなことなんですね。
 こういう犯罪というのは、一般的な考え方なんですけれども、次のページを見ていただきますと、犯罪の引き金になる条件というのがありまして、これがルーティンアクティビティー理論というふうに言われています。これは一九七〇年頃から言われているものでして、一般的な犯罪が起こる条件についてよく使われているものなんですけれども、これは犯罪の被害者、加害者がいるのと、もう一つは監視者の不在、要するに、目が届かないということがやはり犯罪が起きやすくしているということになります。
 そうしますと、こういうわいせつ行為、性犯罪というのは、やはり、人に見られないところでするというのがありますので、そういう場所を学校の中からできるだけ減らさなきゃいけない、なくしていかなきゃいけないということになります。空き教室というのをやたらとそのままにしておかないということですけれども、かといって施錠しますと、先生は鍵を持っているということになりますので、かえって危なくなる。ですから、例えば、空き教室は外から中が見えるような状態に常にしておくとか、オープンスペースにしてしまうとかなども考えられるかと思います。また、できる限り児童生徒と教員が一対一にならないようにしていくというのも学校の取組として求められるのではないかなというふうに思っております。
 三つ目、最後になりますけれども、生命の安全教育についてお話しいたします。次のページになります。
 これは、令和二年六月の性犯罪・性暴力対策の強化の方針の柱の一つとして挙がっていた「教育・啓発活動を通じた社会の意識改革と暴力予防」という、その中に立てられたものでして、幼児期から高校、そして高校卒業まで子供たちを性犯罪から守る、そのために作成された教材となっています。
 具体的なものはその次のページに挙がっていますけれども、目的としては、資料の真ん中になりますが、生命の安全教育の概要のところにありますけれども、生命を大切にする、そして加害者にならない、被害者にならない、傍観者にならないという教育、そういったことを行うという目的で作られた教材となります。
 この教材の具体的なものは、また更に次のページになりますけれども、ここに挙がっていますけれども、各発達段階に応じて作られております。
 幼児期、そして小学校は、これは一年生、二年生、三年生のものと四、五、六年生用と分かれているんですけれども、幼児期と小学校の場合は、水着で隠れる部分は大切なところだという、そういったことを学ぶという内容ですね。いわゆるプライベートゾーンというふうに言われたりしますけれども、そのことです。それが、発達が進むにつれて、例えば小学校高学年の方からは、SNSに関わって犯罪に巻き込まれるというようなケースというようなこと。中学校になりますと、デートDVとか、高校は更に、具体的な事例などもあるんですけれども、アルバイト先で性暴力を受けたなんというような、そういう具体的な例なども学ぶようになっております。
 これはもう既に令和二年の段階ではパワーポイントが、教材ができております。さらに、翌年だったかな、映像教材もできております。また、令和四年度、そして昨年度、五年度ですね、実際の取組に関する実践事例集ですね、まだ令和五年度のが出ていないかと思いますけれども、そういったものが作られております。ですから、これを見て全国の学校が取り組んでいくということが望まれているわけです。
 次のページをお願いします。
 次のページは、こども家庭庁のこども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージということなんですが、今申し上げた生命の安全教育をする、先ほどの目標、目的の部分に具体的に書いていなかったんですが、子供が性被害に遭っても性被害と認識できないケースがよくあるということは皆さん御存じだと思いますけれども、少し大人になってから、あれは性暴力だったんだということが分かるということなんですね。そういうことがないように、性被害に子供のときから遭わないために、生命の安全教育を指導していくという、その重要性というのがここでは書かれております。
 また、小学生、未就学児は特に、先ほどのプライベートゾーンに関しての指導のキャンペーンを、活動を行っていくというようなこともここでは書かれております。
 性暴力、性犯罪に関する教育の実際の状況なんですが、これが次のページに載っておりますけれども、これは先ほどと同じ令和三年度の実績調査、文科省調査ですけれども、ここで、これは安全教育の中身だけなんですけれども、生活安全、災害安全、生活安全には防犯も入っておりますけれども、災害安全、交通安全、先ほどのSNSのこととか、そういった指導に比べてやはり性犯罪、性暴力に関するものというのは現在でも指導の割合というのがかなりまだ低いということになります。
 まだこれは令和三年度で、生命の安全教育がスタートして間もない頃なので、まだそれが十分に周知されていないということがあったのかもしれませんので、今後、この調査は引き続き行われておりますので、今はまだこれが最新なんですけれども、もう少し進んでくるかもしれませんが、やはり子供たちへの指導というのはもっと力を入れていかなければいけないというふうに考えております。
 私の方からは以上なんですが、最後にまとめということで、更にページをめくっていただければと思います。
 ここで審議されています日本版DBSというのは、これはもう非常に重要で、すばらしい取組として見ていくことができると思うんですが、やはり初犯をどう防ぐかということも併せてこれからは考えていく必要があるかなと思います。
 そのためには、現職教員はもちろんなんですけれども、教員養成課程においてどんなことを学生たちに指導していくか、また、その指導内容と指導する機会、それを明確にしていく必要があるのではないかというふうに考えます。
 そして、生命の安全教育ですが、このように教材も作られております。そして、いろいろ取組も、事例集なども少しずつ出てきているんですが、私も教員養成をやってきて分かるんですけれども、やはり学習指導要領の中に書かれるかどうかということは重要かと思うんですね。これから、今年、今年度、来年度あたりに学習指導要領の改訂の作業が始まるんじゃないかと思うんですけれども、学習指導要領の中に性犯罪、性暴力防止という部分を何か盛り込めないかと。
 これが盛り込めますと、教科書にまず書かれます。そして、必ず授業で取り上げるということがありますので。過去に、防犯のことについて、指導要領に入って全国の小学校で指導されているというのがありますので、こういったこと、指導要領に書き入れる内容という、位置づけということも検討する必要があるかと思います。
 以上で、私の話はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

発言情報

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発言者: 渡邉正樹

speaker_id: 25652

日付: 2024-05-16

院: 衆議院

会議名: 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会