地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
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会
会議録情報#0
令和六年五月十六日(木曜日)
午前九時開議
出席委員
委員長 谷 公一君
理事 井上 信治君 理事 小林 史明君
理事 田中 英之君 理事 牧島かれん君
理事 岡本あき子君 理事 藤岡 隆雄君
理事 赤木 正幸君 理事 河西 宏一君
今村 雅弘君 上杉謙太郎君
勝目 康君 黄川田仁志君
小寺 裕雄君 杉田 水脈君
鈴木 英敬君 橘 慶一郎君
谷川 とむ君 土田 慎君
土井 亨君 中川 郁子君
橋本 岳君 福田 達夫君
藤丸 敏君 堀井 学君
保岡 宏武君 柳本 顕君
城井 崇君 坂本祐之輔君
中谷 一馬君 福田 昭夫君
早稲田ゆき君 伊東 信久君
小野 泰輔君 堀場 幸子君
伊佐 進一君 浮島 智子君
高橋千鶴子君 田中 健君
…………………………………
国務大臣
(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当) 加藤 鮎子君
デジタル大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 土田 慎君
政府参考人
(こども家庭庁成育局長) 藤原 朋子君
政府参考人
(法務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官) 中村 功一君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 小山 定明君
政府参考人
(文部科学省大臣官房学習基盤審議官) 浅野 敦行君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 田中佐智子君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 辺見 聡君
参考人
(東京学芸大学名誉教授) 渡邉 正樹君
参考人
(弁護士)
(社会福祉士)
(保育士) 寺町 東子君
参考人
(日本大学文理学部教授) 末冨 芳君
参考人
(早稲田大学教授) 嶋田 洋徳君
衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 阿部 哲也君
―――――――――――――
委員の異動
五月十六日
辞任 補欠選任
谷川 とむ君 杉田 水脈君
保岡 宏武君 勝目 康君
一谷勇一郎君 小野 泰輔君
同日
辞任 補欠選任
勝目 康君 保岡 宏武君
杉田 水脈君 鈴木 英敬君
小野 泰輔君 堀場 幸子君
同日
辞任 補欠選任
鈴木 英敬君 谷川 とむ君
堀場 幸子君 一谷勇一郎君
同日
理事一谷勇一郎君同日委員辞任につき、その補欠として赤木正幸君が理事に当選した。
―――――――――――――
五月十五日
現行の健康保険証を残すことに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一三五一号)
同(赤嶺政賢君紹介)(第一四五一号)
同(奥野総一郎君紹介)(第一四五二号)
同(笠井亮君紹介)(第一四五三号)
同(穀田恵二君紹介)(第一四五四号)
同(志位和夫君紹介)(第一四五五号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一四五六号)
同(田村貴昭君紹介)(第一四五七号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第一四五八号)
同(中谷一馬君紹介)(第一四五九号)
同(古川元久君紹介)(第一四六〇号)
同(牧義夫君紹介)(第一四六一号)
同(宮本岳志君紹介)(第一四六二号)
同(宮本徹君紹介)(第一四六三号)
同(本村伸子君紹介)(第一四六四号)
同(山崎誠君紹介)(第一四六五号)
同(米山隆一君紹介)(第一四六六号)
同(青柳陽一郎君紹介)(第一五〇〇号)
同(青山大人君紹介)(第一五〇一号)
同(大西健介君紹介)(第一五〇二号)
同(後藤祐一君紹介)(第一五〇三号)
同(鈴木義弘君紹介)(第一五〇四号)
同(谷田川元君紹介)(第一五〇五号)
同(神田憲次君紹介)(第一五二六号)
同(田嶋要君紹介)(第一五二七号)
同(伴野豊君紹介)(第一五二八号)
同(吉田統彦君紹介)(第一五四一号)
同(菊田真紀子君紹介)(第一五四四号)
健康保険証廃止の中止を求め、マイナンバーカード取得の強制に反対することに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一三五二号)
同(赤嶺政賢君紹介)(第一四六七号)
同(笠井亮君紹介)(第一四六八号)
同(穀田恵二君紹介)(第一四六九号)
同(志位和夫君紹介)(第一四七〇号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一四七一号)
同(田村貴昭君紹介)(第一四七二号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第一四七三号)
同(宮本岳志君紹介)(第一四七四号)
同(宮本徹君紹介)(第一四七五号)
同(本村伸子君紹介)(第一四七六号)
子供のための予算を大幅に増やし、保育・学童保育の基準・施策の抜本的改善を求めることに関する請願(坂本祐之輔君紹介)(第一三五三号)
同(宮本岳志君紹介)(第一三五四号)
同(本村伸子君紹介)(第一三九六号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一五二九号)
同(中谷元君紹介)(第一五三〇号)
健康保険証の廃止はやめ、マイナンバーカード運用中止、全面的な点検を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一四四一号)
同(笠井亮君紹介)(第一四四二号)
同(穀田恵二君紹介)(第一四四三号)
同(志位和夫君紹介)(第一四四四号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一四四五号)
同(田村貴昭君紹介)(第一四四六号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第一四四七号)
同(宮本岳志君紹介)(第一四四八号)
同(宮本徹君紹介)(第一四四九号)
同(本村伸子君紹介)(第一四五〇号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案(内閣提出第六一号)
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前九時開議
出席委員
委員長 谷 公一君
理事 井上 信治君 理事 小林 史明君
理事 田中 英之君 理事 牧島かれん君
理事 岡本あき子君 理事 藤岡 隆雄君
理事 赤木 正幸君 理事 河西 宏一君
今村 雅弘君 上杉謙太郎君
勝目 康君 黄川田仁志君
小寺 裕雄君 杉田 水脈君
鈴木 英敬君 橘 慶一郎君
谷川 とむ君 土田 慎君
土井 亨君 中川 郁子君
橋本 岳君 福田 達夫君
藤丸 敏君 堀井 学君
保岡 宏武君 柳本 顕君
城井 崇君 坂本祐之輔君
中谷 一馬君 福田 昭夫君
早稲田ゆき君 伊東 信久君
小野 泰輔君 堀場 幸子君
伊佐 進一君 浮島 智子君
高橋千鶴子君 田中 健君
…………………………………
国務大臣
(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当) 加藤 鮎子君
デジタル大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 土田 慎君
政府参考人
(こども家庭庁成育局長) 藤原 朋子君
政府参考人
(法務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官) 中村 功一君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 小山 定明君
政府参考人
(文部科学省大臣官房学習基盤審議官) 浅野 敦行君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 田中佐智子君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 辺見 聡君
参考人
(東京学芸大学名誉教授) 渡邉 正樹君
参考人
(弁護士)
(社会福祉士)
(保育士) 寺町 東子君
参考人
(日本大学文理学部教授) 末冨 芳君
参考人
(早稲田大学教授) 嶋田 洋徳君
衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 阿部 哲也君
―――――――――――――
委員の異動
五月十六日
辞任 補欠選任
谷川 とむ君 杉田 水脈君
保岡 宏武君 勝目 康君
一谷勇一郎君 小野 泰輔君
同日
辞任 補欠選任
勝目 康君 保岡 宏武君
杉田 水脈君 鈴木 英敬君
小野 泰輔君 堀場 幸子君
同日
辞任 補欠選任
鈴木 英敬君 谷川 とむ君
堀場 幸子君 一谷勇一郎君
同日
理事一谷勇一郎君同日委員辞任につき、その補欠として赤木正幸君が理事に当選した。
―――――――――――――
五月十五日
現行の健康保険証を残すことに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一三五一号)
同(赤嶺政賢君紹介)(第一四五一号)
同(奥野総一郎君紹介)(第一四五二号)
同(笠井亮君紹介)(第一四五三号)
同(穀田恵二君紹介)(第一四五四号)
同(志位和夫君紹介)(第一四五五号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一四五六号)
同(田村貴昭君紹介)(第一四五七号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第一四五八号)
同(中谷一馬君紹介)(第一四五九号)
同(古川元久君紹介)(第一四六〇号)
同(牧義夫君紹介)(第一四六一号)
同(宮本岳志君紹介)(第一四六二号)
同(宮本徹君紹介)(第一四六三号)
同(本村伸子君紹介)(第一四六四号)
同(山崎誠君紹介)(第一四六五号)
同(米山隆一君紹介)(第一四六六号)
同(青柳陽一郎君紹介)(第一五〇〇号)
同(青山大人君紹介)(第一五〇一号)
同(大西健介君紹介)(第一五〇二号)
同(後藤祐一君紹介)(第一五〇三号)
同(鈴木義弘君紹介)(第一五〇四号)
同(谷田川元君紹介)(第一五〇五号)
同(神田憲次君紹介)(第一五二六号)
同(田嶋要君紹介)(第一五二七号)
同(伴野豊君紹介)(第一五二八号)
同(吉田統彦君紹介)(第一五四一号)
同(菊田真紀子君紹介)(第一五四四号)
健康保険証廃止の中止を求め、マイナンバーカード取得の強制に反対することに関する請願(宮本岳志君紹介)(第一三五二号)
同(赤嶺政賢君紹介)(第一四六七号)
同(笠井亮君紹介)(第一四六八号)
同(穀田恵二君紹介)(第一四六九号)
同(志位和夫君紹介)(第一四七〇号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一四七一号)
同(田村貴昭君紹介)(第一四七二号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第一四七三号)
同(宮本岳志君紹介)(第一四七四号)
同(宮本徹君紹介)(第一四七五号)
同(本村伸子君紹介)(第一四七六号)
子供のための予算を大幅に増やし、保育・学童保育の基準・施策の抜本的改善を求めることに関する請願(坂本祐之輔君紹介)(第一三五三号)
同(宮本岳志君紹介)(第一三五四号)
同(本村伸子君紹介)(第一三九六号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一五二九号)
同(中谷元君紹介)(第一五三〇号)
健康保険証の廃止はやめ、マイナンバーカード運用中止、全面的な点検を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一四四一号)
同(笠井亮君紹介)(第一四四二号)
同(穀田恵二君紹介)(第一四四三号)
同(志位和夫君紹介)(第一四四四号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一四四五号)
同(田村貴昭君紹介)(第一四四六号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第一四四七号)
同(宮本岳志君紹介)(第一四四八号)
同(宮本徹君紹介)(第一四四九号)
同(本村伸子君紹介)(第一四五〇号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案(内閣提出第六一号)
――――◇―――――
谷
谷公一#1
○谷委員長 これより会議を開きます。
この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
谷
谷
谷公一#3
○谷委員長 内閣提出、学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案、いわゆる子供性暴力防止法案を議題といたします。
本日は、本案審査のため、参考人として、東京学芸大学名誉教授渡邉正樹君、弁護士、社会福祉士、保育士寺町東子さん、日本大学文理学部教授末冨芳さん及び早稲田大学教授嶋田洋徳君、以上四名の方々に御出席いただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から、どうか忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
それでは、まず渡邉参考人、どうかよろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →本日は、本案審査のため、参考人として、東京学芸大学名誉教授渡邉正樹君、弁護士、社会福祉士、保育士寺町東子さん、日本大学文理学部教授末冨芳さん及び早稲田大学教授嶋田洋徳君、以上四名の方々に御出席いただいております。
この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から、どうか忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
次に、議事の順序について申し上げます。
まず、参考人各位からお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御了承願います。
それでは、まず渡邉参考人、どうかよろしくお願いいたします。
渡
渡邉正樹#4
○渡邉参考人 おはようございます。
本日は、意見陳述の機会を与えていただき、ありがとうございました。渡邉正樹と申します。
私自身のことについては、一番最後につけておりますので、ちょっと省略させていただきまして、早速内容に入りたいと思います。
二ページ目になりますが、今日の私の方からお話しする内容ですけれども、三点になります。
一番最初に、教員養成の視点から、この子供性暴力防止法についての意見を述べさせていただきます。これは私自身がずっと教員養成に関わってきたということもありますので、そういう点からお話ししていきたいと思います。
そして二番目に、学校環境、学校の中での問題、特に学校環境について、性暴力の未然防止に関する内容をお話しいたします。
そして最後に、子供への性犯罪、性暴力防止教育、これは生命の安全教育というものですけれども、これについてお話ししていきたいと思います。
それでは、次のページになりますけれども、教員養成における課題ということなんですが、ここに挙がっていますのは令和四年にもう施行されております教員による児童生徒性暴力防止法と言われているものから写したものですけれども、十三条に、現職の教職員に対しての研修、啓発のこと、そして、教員養成の課程における児童生徒性暴力の防止に関する教育の充実、そして、それを教員養成大学が、学生が理解を深めるための措置を行うということが書かれております。
ここは非常に重要なことでして、特に教員養成から見ますと、今回の子供性暴力防止法は、再犯を防ぐというのがかなり大きな目的であると思うんですが、初犯、最初の犯罪を防ごうということであれば、やはり教員養成の段階から取り組んでいくということがこの法律の中でも非常にはっきりと書かれているということになります。
それでは、次のページをお願いします。
これは、教員養成課程で性犯罪、性暴力の内容をどこで位置づけるかということなんですが、ここに挙がっているのは教職課程コアカリキュラムというもので、平成二十九年の十一月に作られていますが、私もこのコアカリキュラムの作成に関わっておりました。
ここでは、大学ではいわゆる教職科目とかいうふうに呼んでいるものですけれども、教科ではなくて、先生になる方が全員学ぶという内容、それについてのコアカリキュラムを作ったということなんですが、その中で、今回の審議されている法律の内容とかそういったことを学ぶとしたらここではないかなというふうに思いました。
一つは、教職の意義及び教員の役割、職務内容のところの中に、教員に課せられる服務上、身分上の義務ということで、教員はこうあるべきだということで、子供に対する例えば体罰のこととかそういったことなどは含まれているんですけれども、性暴力についてはここではまだ明記はされておりませんでした。
それともう一つは、どちらかといえば生命の安全教育の方に関わることですけれども、教育に関する社会的、制度的又は経営的事項で、学校安全への対応というのがございます。そこのところで扱うのかなというふうに思います。
ただ、平成二十九年の段階では、まだ性暴力、性犯罪のことについて議論が盛り上がっていなかったということもありまして、具体的にここに記載するということがなかったんですね。ですから、今後、大学の教員養成課程の中で取り上げるというのはこの部分だと思いますけれども、現在は、ここについてそういったことが書かれていませんので、何かこの辺を、性暴力防止の内容を反映させていただければというふうには思っております。
今のところ、このコアカリキュラムの改定とかそういう話は伺ってはいないんですけれども、やはり、全員、教員を目指す全学生たちが学ぶということ、その工夫が必要ではないかというふうに考えております。
その次のページになります。
これは、先月、内閣府の男女共同参画局の、女性に対する暴力に関する専門調査会の資料なんですけれども、私もこの委員をしておりますので、そこからちょっと引用させていただきました。
文部科学省の取組として、今お話ししたような教職課程における科目だけではなくて、教職課程内外の活動を通じて、性暴力防止の重要性を、学生の理解を深めるということを促進する、そういうことが文部科学省から述べられております。先ほど申したのは、私は教職課程の科目として話したんですけれども、そこだけではなくて、大学教育全体で、教育課程全体を通じて行うということが出ています。
この方向性は大変すばらしいと思うんですけれども、それを具現化するといいますか、具体的にどういうことをしていくかというところはこれからだと思うんですけれども、それを考えていかなければいけないというふうに私は思っております。
と申しますのは、それぞれの大学で、もちろん、どういう科目を取らないと教員免許を取れないというのは決まっておりますけれども、その中身ですね。中身というのは、やはり、指導、教育する教員側に任せられているという部分はかなりあります。シラバスを出しますので、どういう内容を扱っているかというのは分かりますけれども、でも、やはり、かなり大学によって濃淡があるのかなというふうには思います。そこのところで、共通してこれはやはり是非教えてほしい、今回の法律のことについてもしっかり学んでほしいということであれば、そういったことを、例えば文科省とか、そこで資料を作って、これは必ずやってくださいみたいな、そういう具体的な取組があってもいいのかなというふうには思っております。
それでは、先に進みます。
現職教員のことについてなんですが、六ページ目に出ていますのは、これは文科省の調査で、学校安全の推進に関する計画の取組状況の調査、これは令和三年度の実績ということになります。学校の先生方の研修の中で、あくまでも学校安全計画の中ということになっていますけれども、どんなことをやっているかというのを見てみますと、例えば、従来からやられている災害安全、防災なども非常に高い率でやっているんですが、性犯罪、性暴力防止に関する研修に関しては三割程度というか三割前後ですね。まだ余り行われていないという状況です。
この研修は、例えば教職員支援機構が行っているとかそういうのもあるんですけれども、やはりそれぞれ都道府県で行うものであるとか、あるいは、研修ではどうしても漏れがちなんですけれども、私学ですね、私立学校に対しての研修というものも充実させていくということが必要かと思います。
以上が教員養成課程に関するものですが、二番目、次のページになりますが、学校環境における課題ということをお話しします。
この学校環境については、新聞記事を載せてありますけれども、三年前の記事ですけれども、教員によるわいせつ行為というのはどこで行われてきたかということについての内容でした。この中で、子供たちが減ってきて空き教室ができるということで、そういう場所がわいせつ行為の現場になっているということが分かってきました。
目が届きにくい学校の死角ということで、こういった報道があったんですが、この後、この読売新聞からは、このような内容をまとめた「わいせつ教員の闇」という本も出ております。その中では、例えば、高校のある教師が、空き教室を自分の指導している部の部屋として私物化しているという例、そこでわいせつ行為を行っていたなんということが出ていました。ですので、そういったところをどう改善していくかというようなことなんですね。
こういう犯罪というのは、一般的な考え方なんですけれども、次のページを見ていただきますと、犯罪の引き金になる条件というのがありまして、これがルーティンアクティビティー理論というふうに言われています。これは一九七〇年頃から言われているものでして、一般的な犯罪が起こる条件についてよく使われているものなんですけれども、これは犯罪の被害者、加害者がいるのと、もう一つは監視者の不在、要するに、目が届かないということがやはり犯罪が起きやすくしているということになります。
そうしますと、こういうわいせつ行為、性犯罪というのは、やはり、人に見られないところでするというのがありますので、そういう場所を学校の中からできるだけ減らさなきゃいけない、なくしていかなきゃいけないということになります。空き教室というのをやたらとそのままにしておかないということですけれども、かといって施錠しますと、先生は鍵を持っているということになりますので、かえって危なくなる。ですから、例えば、空き教室は外から中が見えるような状態に常にしておくとか、オープンスペースにしてしまうとかなども考えられるかと思います。また、できる限り児童生徒と教員が一対一にならないようにしていくというのも学校の取組として求められるのではないかなというふうに思っております。
三つ目、最後になりますけれども、生命の安全教育についてお話しいたします。次のページになります。
これは、令和二年六月の性犯罪・性暴力対策の強化の方針の柱の一つとして挙がっていた「教育・啓発活動を通じた社会の意識改革と暴力予防」という、その中に立てられたものでして、幼児期から高校、そして高校卒業まで子供たちを性犯罪から守る、そのために作成された教材となっています。
具体的なものはその次のページに挙がっていますけれども、目的としては、資料の真ん中になりますが、生命の安全教育の概要のところにありますけれども、生命を大切にする、そして加害者にならない、被害者にならない、傍観者にならないという教育、そういったことを行うという目的で作られた教材となります。
この教材の具体的なものは、また更に次のページになりますけれども、ここに挙がっていますけれども、各発達段階に応じて作られております。
幼児期、そして小学校は、これは一年生、二年生、三年生のものと四、五、六年生用と分かれているんですけれども、幼児期と小学校の場合は、水着で隠れる部分は大切なところだという、そういったことを学ぶという内容ですね。いわゆるプライベートゾーンというふうに言われたりしますけれども、そのことです。それが、発達が進むにつれて、例えば小学校高学年の方からは、SNSに関わって犯罪に巻き込まれるというようなケースというようなこと。中学校になりますと、デートDVとか、高校は更に、具体的な事例などもあるんですけれども、アルバイト先で性暴力を受けたなんというような、そういう具体的な例なども学ぶようになっております。
これはもう既に令和二年の段階ではパワーポイントが、教材ができております。さらに、翌年だったかな、映像教材もできております。また、令和四年度、そして昨年度、五年度ですね、実際の取組に関する実践事例集ですね、まだ令和五年度のが出ていないかと思いますけれども、そういったものが作られております。ですから、これを見て全国の学校が取り組んでいくということが望まれているわけです。
次のページをお願いします。
次のページは、こども家庭庁のこども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージということなんですが、今申し上げた生命の安全教育をする、先ほどの目標、目的の部分に具体的に書いていなかったんですが、子供が性被害に遭っても性被害と認識できないケースがよくあるということは皆さん御存じだと思いますけれども、少し大人になってから、あれは性暴力だったんだということが分かるということなんですね。そういうことがないように、性被害に子供のときから遭わないために、生命の安全教育を指導していくという、その重要性というのがここでは書かれております。
また、小学生、未就学児は特に、先ほどのプライベートゾーンに関しての指導のキャンペーンを、活動を行っていくというようなこともここでは書かれております。
性暴力、性犯罪に関する教育の実際の状況なんですが、これが次のページに載っておりますけれども、これは先ほどと同じ令和三年度の実績調査、文科省調査ですけれども、ここで、これは安全教育の中身だけなんですけれども、生活安全、災害安全、生活安全には防犯も入っておりますけれども、災害安全、交通安全、先ほどのSNSのこととか、そういった指導に比べてやはり性犯罪、性暴力に関するものというのは現在でも指導の割合というのがかなりまだ低いということになります。
まだこれは令和三年度で、生命の安全教育がスタートして間もない頃なので、まだそれが十分に周知されていないということがあったのかもしれませんので、今後、この調査は引き続き行われておりますので、今はまだこれが最新なんですけれども、もう少し進んでくるかもしれませんが、やはり子供たちへの指導というのはもっと力を入れていかなければいけないというふうに考えております。
私の方からは以上なんですが、最後にまとめということで、更にページをめくっていただければと思います。
ここで審議されています日本版DBSというのは、これはもう非常に重要で、すばらしい取組として見ていくことができると思うんですが、やはり初犯をどう防ぐかということも併せてこれからは考えていく必要があるかなと思います。
そのためには、現職教員はもちろんなんですけれども、教員養成課程においてどんなことを学生たちに指導していくか、また、その指導内容と指導する機会、それを明確にしていく必要があるのではないかというふうに考えます。
そして、生命の安全教育ですが、このように教材も作られております。そして、いろいろ取組も、事例集なども少しずつ出てきているんですが、私も教員養成をやってきて分かるんですけれども、やはり学習指導要領の中に書かれるかどうかということは重要かと思うんですね。これから、今年、今年度、来年度あたりに学習指導要領の改訂の作業が始まるんじゃないかと思うんですけれども、学習指導要領の中に性犯罪、性暴力防止という部分を何か盛り込めないかと。
これが盛り込めますと、教科書にまず書かれます。そして、必ず授業で取り上げるということがありますので。過去に、防犯のことについて、指導要領に入って全国の小学校で指導されているというのがありますので、こういったこと、指導要領に書き入れる内容という、位置づけということも検討する必要があるかと思います。
以上で、私の話はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、意見陳述の機会を与えていただき、ありがとうございました。渡邉正樹と申します。
私自身のことについては、一番最後につけておりますので、ちょっと省略させていただきまして、早速内容に入りたいと思います。
二ページ目になりますが、今日の私の方からお話しする内容ですけれども、三点になります。
一番最初に、教員養成の視点から、この子供性暴力防止法についての意見を述べさせていただきます。これは私自身がずっと教員養成に関わってきたということもありますので、そういう点からお話ししていきたいと思います。
そして二番目に、学校環境、学校の中での問題、特に学校環境について、性暴力の未然防止に関する内容をお話しいたします。
そして最後に、子供への性犯罪、性暴力防止教育、これは生命の安全教育というものですけれども、これについてお話ししていきたいと思います。
それでは、次のページになりますけれども、教員養成における課題ということなんですが、ここに挙がっていますのは令和四年にもう施行されております教員による児童生徒性暴力防止法と言われているものから写したものですけれども、十三条に、現職の教職員に対しての研修、啓発のこと、そして、教員養成の課程における児童生徒性暴力の防止に関する教育の充実、そして、それを教員養成大学が、学生が理解を深めるための措置を行うということが書かれております。
ここは非常に重要なことでして、特に教員養成から見ますと、今回の子供性暴力防止法は、再犯を防ぐというのがかなり大きな目的であると思うんですが、初犯、最初の犯罪を防ごうということであれば、やはり教員養成の段階から取り組んでいくということがこの法律の中でも非常にはっきりと書かれているということになります。
それでは、次のページをお願いします。
これは、教員養成課程で性犯罪、性暴力の内容をどこで位置づけるかということなんですが、ここに挙がっているのは教職課程コアカリキュラムというもので、平成二十九年の十一月に作られていますが、私もこのコアカリキュラムの作成に関わっておりました。
ここでは、大学ではいわゆる教職科目とかいうふうに呼んでいるものですけれども、教科ではなくて、先生になる方が全員学ぶという内容、それについてのコアカリキュラムを作ったということなんですが、その中で、今回の審議されている法律の内容とかそういったことを学ぶとしたらここではないかなというふうに思いました。
一つは、教職の意義及び教員の役割、職務内容のところの中に、教員に課せられる服務上、身分上の義務ということで、教員はこうあるべきだということで、子供に対する例えば体罰のこととかそういったことなどは含まれているんですけれども、性暴力についてはここではまだ明記はされておりませんでした。
それともう一つは、どちらかといえば生命の安全教育の方に関わることですけれども、教育に関する社会的、制度的又は経営的事項で、学校安全への対応というのがございます。そこのところで扱うのかなというふうに思います。
ただ、平成二十九年の段階では、まだ性暴力、性犯罪のことについて議論が盛り上がっていなかったということもありまして、具体的にここに記載するということがなかったんですね。ですから、今後、大学の教員養成課程の中で取り上げるというのはこの部分だと思いますけれども、現在は、ここについてそういったことが書かれていませんので、何かこの辺を、性暴力防止の内容を反映させていただければというふうには思っております。
今のところ、このコアカリキュラムの改定とかそういう話は伺ってはいないんですけれども、やはり、全員、教員を目指す全学生たちが学ぶということ、その工夫が必要ではないかというふうに考えております。
その次のページになります。
これは、先月、内閣府の男女共同参画局の、女性に対する暴力に関する専門調査会の資料なんですけれども、私もこの委員をしておりますので、そこからちょっと引用させていただきました。
文部科学省の取組として、今お話ししたような教職課程における科目だけではなくて、教職課程内外の活動を通じて、性暴力防止の重要性を、学生の理解を深めるということを促進する、そういうことが文部科学省から述べられております。先ほど申したのは、私は教職課程の科目として話したんですけれども、そこだけではなくて、大学教育全体で、教育課程全体を通じて行うということが出ています。
この方向性は大変すばらしいと思うんですけれども、それを具現化するといいますか、具体的にどういうことをしていくかというところはこれからだと思うんですけれども、それを考えていかなければいけないというふうに私は思っております。
と申しますのは、それぞれの大学で、もちろん、どういう科目を取らないと教員免許を取れないというのは決まっておりますけれども、その中身ですね。中身というのは、やはり、指導、教育する教員側に任せられているという部分はかなりあります。シラバスを出しますので、どういう内容を扱っているかというのは分かりますけれども、でも、やはり、かなり大学によって濃淡があるのかなというふうには思います。そこのところで、共通してこれはやはり是非教えてほしい、今回の法律のことについてもしっかり学んでほしいということであれば、そういったことを、例えば文科省とか、そこで資料を作って、これは必ずやってくださいみたいな、そういう具体的な取組があってもいいのかなというふうには思っております。
それでは、先に進みます。
現職教員のことについてなんですが、六ページ目に出ていますのは、これは文科省の調査で、学校安全の推進に関する計画の取組状況の調査、これは令和三年度の実績ということになります。学校の先生方の研修の中で、あくまでも学校安全計画の中ということになっていますけれども、どんなことをやっているかというのを見てみますと、例えば、従来からやられている災害安全、防災なども非常に高い率でやっているんですが、性犯罪、性暴力防止に関する研修に関しては三割程度というか三割前後ですね。まだ余り行われていないという状況です。
この研修は、例えば教職員支援機構が行っているとかそういうのもあるんですけれども、やはりそれぞれ都道府県で行うものであるとか、あるいは、研修ではどうしても漏れがちなんですけれども、私学ですね、私立学校に対しての研修というものも充実させていくということが必要かと思います。
以上が教員養成課程に関するものですが、二番目、次のページになりますが、学校環境における課題ということをお話しします。
この学校環境については、新聞記事を載せてありますけれども、三年前の記事ですけれども、教員によるわいせつ行為というのはどこで行われてきたかということについての内容でした。この中で、子供たちが減ってきて空き教室ができるということで、そういう場所がわいせつ行為の現場になっているということが分かってきました。
目が届きにくい学校の死角ということで、こういった報道があったんですが、この後、この読売新聞からは、このような内容をまとめた「わいせつ教員の闇」という本も出ております。その中では、例えば、高校のある教師が、空き教室を自分の指導している部の部屋として私物化しているという例、そこでわいせつ行為を行っていたなんということが出ていました。ですので、そういったところをどう改善していくかというようなことなんですね。
こういう犯罪というのは、一般的な考え方なんですけれども、次のページを見ていただきますと、犯罪の引き金になる条件というのがありまして、これがルーティンアクティビティー理論というふうに言われています。これは一九七〇年頃から言われているものでして、一般的な犯罪が起こる条件についてよく使われているものなんですけれども、これは犯罪の被害者、加害者がいるのと、もう一つは監視者の不在、要するに、目が届かないということがやはり犯罪が起きやすくしているということになります。
そうしますと、こういうわいせつ行為、性犯罪というのは、やはり、人に見られないところでするというのがありますので、そういう場所を学校の中からできるだけ減らさなきゃいけない、なくしていかなきゃいけないということになります。空き教室というのをやたらとそのままにしておかないということですけれども、かといって施錠しますと、先生は鍵を持っているということになりますので、かえって危なくなる。ですから、例えば、空き教室は外から中が見えるような状態に常にしておくとか、オープンスペースにしてしまうとかなども考えられるかと思います。また、できる限り児童生徒と教員が一対一にならないようにしていくというのも学校の取組として求められるのではないかなというふうに思っております。
三つ目、最後になりますけれども、生命の安全教育についてお話しいたします。次のページになります。
これは、令和二年六月の性犯罪・性暴力対策の強化の方針の柱の一つとして挙がっていた「教育・啓発活動を通じた社会の意識改革と暴力予防」という、その中に立てられたものでして、幼児期から高校、そして高校卒業まで子供たちを性犯罪から守る、そのために作成された教材となっています。
具体的なものはその次のページに挙がっていますけれども、目的としては、資料の真ん中になりますが、生命の安全教育の概要のところにありますけれども、生命を大切にする、そして加害者にならない、被害者にならない、傍観者にならないという教育、そういったことを行うという目的で作られた教材となります。
この教材の具体的なものは、また更に次のページになりますけれども、ここに挙がっていますけれども、各発達段階に応じて作られております。
幼児期、そして小学校は、これは一年生、二年生、三年生のものと四、五、六年生用と分かれているんですけれども、幼児期と小学校の場合は、水着で隠れる部分は大切なところだという、そういったことを学ぶという内容ですね。いわゆるプライベートゾーンというふうに言われたりしますけれども、そのことです。それが、発達が進むにつれて、例えば小学校高学年の方からは、SNSに関わって犯罪に巻き込まれるというようなケースというようなこと。中学校になりますと、デートDVとか、高校は更に、具体的な事例などもあるんですけれども、アルバイト先で性暴力を受けたなんというような、そういう具体的な例なども学ぶようになっております。
これはもう既に令和二年の段階ではパワーポイントが、教材ができております。さらに、翌年だったかな、映像教材もできております。また、令和四年度、そして昨年度、五年度ですね、実際の取組に関する実践事例集ですね、まだ令和五年度のが出ていないかと思いますけれども、そういったものが作られております。ですから、これを見て全国の学校が取り組んでいくということが望まれているわけです。
次のページをお願いします。
次のページは、こども家庭庁のこども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージということなんですが、今申し上げた生命の安全教育をする、先ほどの目標、目的の部分に具体的に書いていなかったんですが、子供が性被害に遭っても性被害と認識できないケースがよくあるということは皆さん御存じだと思いますけれども、少し大人になってから、あれは性暴力だったんだということが分かるということなんですね。そういうことがないように、性被害に子供のときから遭わないために、生命の安全教育を指導していくという、その重要性というのがここでは書かれております。
また、小学生、未就学児は特に、先ほどのプライベートゾーンに関しての指導のキャンペーンを、活動を行っていくというようなこともここでは書かれております。
性暴力、性犯罪に関する教育の実際の状況なんですが、これが次のページに載っておりますけれども、これは先ほどと同じ令和三年度の実績調査、文科省調査ですけれども、ここで、これは安全教育の中身だけなんですけれども、生活安全、災害安全、生活安全には防犯も入っておりますけれども、災害安全、交通安全、先ほどのSNSのこととか、そういった指導に比べてやはり性犯罪、性暴力に関するものというのは現在でも指導の割合というのがかなりまだ低いということになります。
まだこれは令和三年度で、生命の安全教育がスタートして間もない頃なので、まだそれが十分に周知されていないということがあったのかもしれませんので、今後、この調査は引き続き行われておりますので、今はまだこれが最新なんですけれども、もう少し進んでくるかもしれませんが、やはり子供たちへの指導というのはもっと力を入れていかなければいけないというふうに考えております。
私の方からは以上なんですが、最後にまとめということで、更にページをめくっていただければと思います。
ここで審議されています日本版DBSというのは、これはもう非常に重要で、すばらしい取組として見ていくことができると思うんですが、やはり初犯をどう防ぐかということも併せてこれからは考えていく必要があるかなと思います。
そのためには、現職教員はもちろんなんですけれども、教員養成課程においてどんなことを学生たちに指導していくか、また、その指導内容と指導する機会、それを明確にしていく必要があるのではないかというふうに考えます。
そして、生命の安全教育ですが、このように教材も作られております。そして、いろいろ取組も、事例集なども少しずつ出てきているんですが、私も教員養成をやってきて分かるんですけれども、やはり学習指導要領の中に書かれるかどうかということは重要かと思うんですね。これから、今年、今年度、来年度あたりに学習指導要領の改訂の作業が始まるんじゃないかと思うんですけれども、学習指導要領の中に性犯罪、性暴力防止という部分を何か盛り込めないかと。
これが盛り込めますと、教科書にまず書かれます。そして、必ず授業で取り上げるということがありますので。過去に、防犯のことについて、指導要領に入って全国の小学校で指導されているというのがありますので、こういったこと、指導要領に書き入れる内容という、位置づけということも検討する必要があるかと思います。
以上で、私の話はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。拍手
谷
寺
寺町東子#6
○寺町参考人 本日は、参考人としてお招きいただきまして、ありがとうございます。
私は、東京で三十年ちょっと弁護士をしております、寺町東子と申します。
この二十年余り、子供が被害者となる様々な事件、事故、例えば教育、保育中の死亡事故や虐待、あるいは性暴力被害の事件などを担当してまいりました。また、その経験から、教育、保育現場での安全対策に関する仕事などもしてまいりました。そのような中で、昨年成立いたしました刑法の性犯罪規定の改正に向けて、一般社団法人Springの理事としても活動してまいりました。
今日は、子供に関わる仕事から性犯罪等の前科前歴のある者を排除する仕組みを提言してきた立場から意見を述べさせていただきます。
なお、時間の関係もありますので、この子供に関わる仕事から性犯罪等の前科前歴のある者を排除する仕組みを、いわゆる日本版DBSという用語を用いて意見を述べさせていただきます。
また、本法案については、児童の安全を確保するための措置として、従業員の研修や子供への被害の早期把握の措置、相談を容易にする措置、事実調査、保護、支援の措置についても規定するものであり、その部分についても非常に重要な規定だと思っておりますが、時間の関係上、日本版DBSの部分に集中して意見を述べさせていただきます。
まず、日本版DBSの必要性について、お手元の資料の一ページ、二枚目のスライドを御覧ください。
この制度の目的は、究極的には子供を性被害から守るということにありますが、そのためには加害者の再犯を防止することが必要であるということです。加害者の再犯防止に資する制度であるからこそこの制度を導入するんだということを冒頭で確認させていただきたいと思います。
一部、この制度について、既に刑罰を受けた加害者について二重の不利益を課す制度であって、日本国憲法三十九条の二重処罰の禁止に抵触するかのような御意見もございますが、そうではなくて、あくまでも加害者の再犯防止の制度だということを最初に確認したいと思います。
続きまして、スライドの三枚目を御覧ください。
まず、前提認識として、性犯罪の累犯性の高さが挙げられます。有識者会議において、再犯率や再入所率の指摘がございましたが、検挙されて処罰された者に関するデータ以上に実際には累犯性が高いということは、我々法律実務家にとっては、日々見ているところでございます。
例えば、性犯罪の捜査過程において捜索、押収された大量の写真であるとか動画であるとか、そういうものから、余罪がたくさんあるということが明らかになります。しかし、この余罪の中から、証拠上、被害者が特定できて、犯行日時が特定できて、かつ被害者の捜査協力が得られて、なおかつ公訴時効の経過していない事案のみが立件されて、処罰の対象になっているということで、再犯率、再入所率以上に累犯性が高い犯罪なんだというところをまず申し述べさせていただきます。
この点については、やはり法務省や警察庁の方できちんと実証的なデータを積み上げていく、そういう調査研究を行っていただきたいところでございます。
その上で、現在でも、刑務所や民間の治療機関で、性犯罪の再犯防止プログラムが実施されております。この再犯防止プログラムは、認知行動療法をベースにして、トリガーを特定し、トリガーを避けるということが中核になっています。
性犯罪のトリガーとして、子供などの脆弱な人というのがトリガーの一つになっているということです。性犯罪歴のある人を子供に関わる仕事から排除するということは、トリガーを避けることを制度的に担保するということですので、まさに犯歴者の方の社会内での更生、再犯を起こさないということに資する制度ということが言えるかと思います。
スライドの四枚目になります。
日本版DBSの制度が憲法二十二条の職業選択の自由に対する侵害であるという指摘がございます。
一定、制約があるということは事実でありますけれども、他方で、性暴力は被害者の性的自由や個人の尊厳を根こそぎ傷つけるものでもございます。これは、被害者の人生に重大な影響を及ぼす、憲法十三条で保障された個人の尊厳を傷つける、そういう犯罪でありますので、加害者の職業選択の自由の対立利益は、被害者の個人の尊厳、憲法十三条であるということで、規制の必要性や手段の合理性が認められれば、この規制自体は許されるというふうに理解をしております。
今回、日本版DBSの制度は、先ほど申し述べました、性犯罪の累犯性の高さ、子供に与える性被害の重大性、再犯防止プログラムの有効性に照らして、導入自体は合理的な制約として許されるものと考えております。他方で、後に申し述べますが、手段の相当性については、幾つか問題点もございますので後に述べさせていただきます。
スライドの五枚目を御覧ください。
日本版DBSの対象犯罪等の照会期間に関して、刑法三十四条の二の刑の消滅の規定に反するのではないかという指摘がなされています。
これにつきましては、拘禁刑について、刑の執行の終了等から十年、罰金刑の場合に五年の経過で刑が効力を失うということに抵触するんじゃないかという御指摘であります。
しかしながら、さきに述べたとおり、日本版DBSは、認知行動療法ベースの再犯防止プログラムの一環として、トリガーに触れさせない、そういう制度です。なので、刑罰ではないということが大前提でありますので、この刑法三十四条の二の射程範囲外であるというふうに考えております。
そして、性犯罪加害者の方のインタビュー等を拝見しておりますと、やはり、十年、二十年経過したから再犯のリスクがなくなるものではなくて、日々、一日、一生、再犯をしないように日々を積み重ねていっているということをおっしゃっておられます。
そういう観点から申しますと、十年、二十年で終わらせるということではなくて、できるだけ長期に子供に関わる仕事に就けないようにすることが、加害者自身が社会の中で更生していくということの利益にかなうものだと考えております。
その際に、参考になるものといたしましては、判決書の保存期間が、刑事確定訴訟記録法で、有期拘禁刑について五十年、罰金刑について二十年の保存期間とされております。これに合わせていくということは、一つ、現段階で可能なことなのではないかというふうに考えております。
スライドの六枚目を御覧ください。
この制度についての立法事実は何だったのかということを振り返っておきたいというふうに思います。
二〇一四年に起きたベビーシッターによる強制わいせつ及び殺人の事件がございました。また、二〇一五年には、神奈川県平塚で、認可外保育施設で子供にわいせつを繰り返していた人が、実は前に都内の方で強制わいせつでの処罰歴があった、前科があったということが分かっております。この辺りから日本版DBSの導入ということが議論されるようになってきたというふうに私は認識しておりますが、最近も、ベビーシッターのマッチングアプリの大手での事件や、あるいは大手学習塾での事件などが問題になって、非常に関心が高まってきているということだと認識しております。
そうしますと、本法案は立法事実となった事案をカバーできているのかということです。
法案の対象としましては、学校教育法一条校や、幼保連携型認定こども園、あるいは児童福祉法の対象施設等が挙げられています。加えて、一定の要件の下で認定を受けた民間事業者が対象とされています。
しかし、認定を受けようとしない事業者、先ほど申し上げたような、認可外保育施設で、一人で夜中に子供を見ていたというような事案は対象になってこないと思われます。
また、一定の要件の下で認定を受けた民間事業者については、第二条五項三号のニで、政令で定める人数以上の従業員がいることとされておりまして、一人でやっている事業、ベビーシッターであるとか、ピアノ教師であるとか、ファミリーサポートであるとか、個人塾であるとか、そういうものについては対象外というふうになっています。本来立法事実だったはずの事案というのが全て漏れてしまう、全てとは言いませんけれども、訂正します、漏れてしまうのではないかということが非常に懸念されます。
この点について、認定を受けている事業者かどうかを保護者がチェックするという仕組みでは、保護者のリテラシー、あるいは選ぶ可能性があるかどうか、切迫した方が選べないということもありますので、そういう、保護者によって子供の安全が脅かされる、子供に責任がないにもかかわらず子供に自己責任を押しつけるような結果になるのではないかということが非常に問題だと思います。これについては今後の見直しの中で検討していただきたいというふうに思います。
スライドの七枚目を御覧ください。
私どもの方で内閣府やこども庁に対して対案としてお示ししてきた、日本版OFSTEDの考え方をお示ししております。
私どもとしましては、子供に関わる仕事に就く人、個人を全員登録することを義務づけていただきたい、その要件として犯歴照会や研修等を義務づけることが必要ではないかというふうに申し上げてきました。それによって、ホワイトリスト化することで、犯歴を国家の外に出さないという制度を御提案してきました。
しかし、今回の法案では、事業者を認定し、認定した事業者には犯歴そのものを出すんだというたてつけになってしまっています。このことから、認定事業者という枠組みにこだわらなきゃいけなくなって、そのことによって個人事業主が排除されてしまっているという結果になっています。そういう意味で、立法事実となった事件をカバーできる制度にするために、今後見直しをしていただきたいというふうに考えております。
続いて、スライドの八枚目です。
トリガーを避ける必要がある人たちをこの法案でカバーできているのかというところで、今後検討していただきたい類型について申し述べます。
まず一つは、不起訴事案です。不起訴事案には三種類ございます。嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予です。嫌疑なし、嫌疑不十分を入れてはいけないというのは当然のことでございますが、犯罪事実を認めて示談をして、そして起訴猶予になった事案というのは、この制度に入れていく必要性がある類型ではないかというふうに考えます。
また、児童生徒性暴力によって懲戒解雇となって教員資格が失効した者、これについては、別の法律で、懲戒処分歴を四十年間、官報検索情報ツールで遡れるようになっています。また、文科省の方にもデータベースがございます。これについても対象にしていくことを検討すべきではないか。
あるいは、今回の法案の第二条五項三号で、技芸又は知識の教授を行う事業ということで、習い事等が入れていただけています。そこのことについては大変ありがたいというふうに思うんですけれども、他方で、標準的修業期間が六か月以上のものということで、サマーキャンプであるとか、一日の教室であるとか、そういうものがみんな外れてしまうということが問題だと思っております。
さらに、昨日、おとといですかね、ストーカー規制法や下着窃盗、あるいは、私どもが見聞きするものでいいますと、制服等に精液をかけたものが器物損壊罪になるというような辺りが対象となっていないことについて再考していただくことが望ましいのではないかと思います。
続きまして、スライドの九枚目に移ります。
濫用のおそれが除外できていないのではないかというところです。
冒頭で、日本版DBSの導入自体は合理的な制約として許されるものと考えるけれども、手段の相当性について問題があるのではないかということを申し上げました。
今回の法案は、犯罪事実確認として、生の犯歴を出すことを前提にしています。しかし、最高裁判例では、前科等のある者もこれをみだりに公開されないという法律上の保護に値する利益を有するというふうにされています。また、個人情報保護法も、犯歴については、自ら、本人に関する情報であっても開示されないということになっております。これは、犯歴情報が濫用のおそれがある、自らのことであっても、犯歴があることを他人に知られることによって、それが脅迫の材料に使われたりということが容易に想定されるため、究極の個人情報として外に出さないということでたてつけているものでございます。
そこで、今回の法案を拝見いたしますと、第四条、第三十三条などで、特定性犯罪事実該当者であるか否かの確認というふうにされています。該当者であるか否かということなので、ある場合には、該当していますというその犯罪の事実が、犯歴自体が生のものが外に出てしまうというたてつけです。
ここについては、特定性犯罪事実該当者でないことの確認というたてつけに文言をちょっと変えることによって、犯歴そのものが出るということは避けられるのではないかということを申し上げます。
それから、二点目、第三十五条の五項ですけれども、犯罪事実確認書を交付するときは、あらかじめ通知して、その上で、三十七条で規定する期間を経過するまで開示を行わないということになっています。三十七条の期間、二週間なんですけれども、これを経過すると自動的に開示されてしまうというたてつけなんですね。
やはり、次に述べる成り済ましの危険との関係では、この二週間の間に申請従事者からの積極回答がなければ交付しないというようなたてつけに改めるべきではないかというふうに考えます。
そして、最後のスライドになりますけれども、仮に犯歴を出すという仕組みを維持する場合であっても、犯歴の事実の確認手続において、三十三条七項で、事業者による代理申請を可能としております。しかも、その申請書に記載する住所は、住民票上の住所でもなく、居所でも足りることになっておりまして、かつ本人確認書類が戸籍抄本等で足りるということになっています。
居所で戸籍抄本を取って成り済ますということができてしまうと、濫用のおそれが防げていないのではないかというのが非常に危惧するところでございます。これに対する対応として、代理申請を認めない、三十三条七項の削除か、あるいは、本人確認の手段を、戸籍抄本ではなく、より厳格なものに変えるということを御検討いただくべきではないかというふうに思います。
ちょっとオーバーしてしまいました。申し訳ございません。
引き続き、子供たちを守るためのいい制度をつくっていっていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →私は、東京で三十年ちょっと弁護士をしております、寺町東子と申します。
この二十年余り、子供が被害者となる様々な事件、事故、例えば教育、保育中の死亡事故や虐待、あるいは性暴力被害の事件などを担当してまいりました。また、その経験から、教育、保育現場での安全対策に関する仕事などもしてまいりました。そのような中で、昨年成立いたしました刑法の性犯罪規定の改正に向けて、一般社団法人Springの理事としても活動してまいりました。
今日は、子供に関わる仕事から性犯罪等の前科前歴のある者を排除する仕組みを提言してきた立場から意見を述べさせていただきます。
なお、時間の関係もありますので、この子供に関わる仕事から性犯罪等の前科前歴のある者を排除する仕組みを、いわゆる日本版DBSという用語を用いて意見を述べさせていただきます。
また、本法案については、児童の安全を確保するための措置として、従業員の研修や子供への被害の早期把握の措置、相談を容易にする措置、事実調査、保護、支援の措置についても規定するものであり、その部分についても非常に重要な規定だと思っておりますが、時間の関係上、日本版DBSの部分に集中して意見を述べさせていただきます。
まず、日本版DBSの必要性について、お手元の資料の一ページ、二枚目のスライドを御覧ください。
この制度の目的は、究極的には子供を性被害から守るということにありますが、そのためには加害者の再犯を防止することが必要であるということです。加害者の再犯防止に資する制度であるからこそこの制度を導入するんだということを冒頭で確認させていただきたいと思います。
一部、この制度について、既に刑罰を受けた加害者について二重の不利益を課す制度であって、日本国憲法三十九条の二重処罰の禁止に抵触するかのような御意見もございますが、そうではなくて、あくまでも加害者の再犯防止の制度だということを最初に確認したいと思います。
続きまして、スライドの三枚目を御覧ください。
まず、前提認識として、性犯罪の累犯性の高さが挙げられます。有識者会議において、再犯率や再入所率の指摘がございましたが、検挙されて処罰された者に関するデータ以上に実際には累犯性が高いということは、我々法律実務家にとっては、日々見ているところでございます。
例えば、性犯罪の捜査過程において捜索、押収された大量の写真であるとか動画であるとか、そういうものから、余罪がたくさんあるということが明らかになります。しかし、この余罪の中から、証拠上、被害者が特定できて、犯行日時が特定できて、かつ被害者の捜査協力が得られて、なおかつ公訴時効の経過していない事案のみが立件されて、処罰の対象になっているということで、再犯率、再入所率以上に累犯性が高い犯罪なんだというところをまず申し述べさせていただきます。
この点については、やはり法務省や警察庁の方できちんと実証的なデータを積み上げていく、そういう調査研究を行っていただきたいところでございます。
その上で、現在でも、刑務所や民間の治療機関で、性犯罪の再犯防止プログラムが実施されております。この再犯防止プログラムは、認知行動療法をベースにして、トリガーを特定し、トリガーを避けるということが中核になっています。
性犯罪のトリガーとして、子供などの脆弱な人というのがトリガーの一つになっているということです。性犯罪歴のある人を子供に関わる仕事から排除するということは、トリガーを避けることを制度的に担保するということですので、まさに犯歴者の方の社会内での更生、再犯を起こさないということに資する制度ということが言えるかと思います。
スライドの四枚目になります。
日本版DBSの制度が憲法二十二条の職業選択の自由に対する侵害であるという指摘がございます。
一定、制約があるということは事実でありますけれども、他方で、性暴力は被害者の性的自由や個人の尊厳を根こそぎ傷つけるものでもございます。これは、被害者の人生に重大な影響を及ぼす、憲法十三条で保障された個人の尊厳を傷つける、そういう犯罪でありますので、加害者の職業選択の自由の対立利益は、被害者の個人の尊厳、憲法十三条であるということで、規制の必要性や手段の合理性が認められれば、この規制自体は許されるというふうに理解をしております。
今回、日本版DBSの制度は、先ほど申し述べました、性犯罪の累犯性の高さ、子供に与える性被害の重大性、再犯防止プログラムの有効性に照らして、導入自体は合理的な制約として許されるものと考えております。他方で、後に申し述べますが、手段の相当性については、幾つか問題点もございますので後に述べさせていただきます。
スライドの五枚目を御覧ください。
日本版DBSの対象犯罪等の照会期間に関して、刑法三十四条の二の刑の消滅の規定に反するのではないかという指摘がなされています。
これにつきましては、拘禁刑について、刑の執行の終了等から十年、罰金刑の場合に五年の経過で刑が効力を失うということに抵触するんじゃないかという御指摘であります。
しかしながら、さきに述べたとおり、日本版DBSは、認知行動療法ベースの再犯防止プログラムの一環として、トリガーに触れさせない、そういう制度です。なので、刑罰ではないということが大前提でありますので、この刑法三十四条の二の射程範囲外であるというふうに考えております。
そして、性犯罪加害者の方のインタビュー等を拝見しておりますと、やはり、十年、二十年経過したから再犯のリスクがなくなるものではなくて、日々、一日、一生、再犯をしないように日々を積み重ねていっているということをおっしゃっておられます。
そういう観点から申しますと、十年、二十年で終わらせるということではなくて、できるだけ長期に子供に関わる仕事に就けないようにすることが、加害者自身が社会の中で更生していくということの利益にかなうものだと考えております。
その際に、参考になるものといたしましては、判決書の保存期間が、刑事確定訴訟記録法で、有期拘禁刑について五十年、罰金刑について二十年の保存期間とされております。これに合わせていくということは、一つ、現段階で可能なことなのではないかというふうに考えております。
スライドの六枚目を御覧ください。
この制度についての立法事実は何だったのかということを振り返っておきたいというふうに思います。
二〇一四年に起きたベビーシッターによる強制わいせつ及び殺人の事件がございました。また、二〇一五年には、神奈川県平塚で、認可外保育施設で子供にわいせつを繰り返していた人が、実は前に都内の方で強制わいせつでの処罰歴があった、前科があったということが分かっております。この辺りから日本版DBSの導入ということが議論されるようになってきたというふうに私は認識しておりますが、最近も、ベビーシッターのマッチングアプリの大手での事件や、あるいは大手学習塾での事件などが問題になって、非常に関心が高まってきているということだと認識しております。
そうしますと、本法案は立法事実となった事案をカバーできているのかということです。
法案の対象としましては、学校教育法一条校や、幼保連携型認定こども園、あるいは児童福祉法の対象施設等が挙げられています。加えて、一定の要件の下で認定を受けた民間事業者が対象とされています。
しかし、認定を受けようとしない事業者、先ほど申し上げたような、認可外保育施設で、一人で夜中に子供を見ていたというような事案は対象になってこないと思われます。
また、一定の要件の下で認定を受けた民間事業者については、第二条五項三号のニで、政令で定める人数以上の従業員がいることとされておりまして、一人でやっている事業、ベビーシッターであるとか、ピアノ教師であるとか、ファミリーサポートであるとか、個人塾であるとか、そういうものについては対象外というふうになっています。本来立法事実だったはずの事案というのが全て漏れてしまう、全てとは言いませんけれども、訂正します、漏れてしまうのではないかということが非常に懸念されます。
この点について、認定を受けている事業者かどうかを保護者がチェックするという仕組みでは、保護者のリテラシー、あるいは選ぶ可能性があるかどうか、切迫した方が選べないということもありますので、そういう、保護者によって子供の安全が脅かされる、子供に責任がないにもかかわらず子供に自己責任を押しつけるような結果になるのではないかということが非常に問題だと思います。これについては今後の見直しの中で検討していただきたいというふうに思います。
スライドの七枚目を御覧ください。
私どもの方で内閣府やこども庁に対して対案としてお示ししてきた、日本版OFSTEDの考え方をお示ししております。
私どもとしましては、子供に関わる仕事に就く人、個人を全員登録することを義務づけていただきたい、その要件として犯歴照会や研修等を義務づけることが必要ではないかというふうに申し上げてきました。それによって、ホワイトリスト化することで、犯歴を国家の外に出さないという制度を御提案してきました。
しかし、今回の法案では、事業者を認定し、認定した事業者には犯歴そのものを出すんだというたてつけになってしまっています。このことから、認定事業者という枠組みにこだわらなきゃいけなくなって、そのことによって個人事業主が排除されてしまっているという結果になっています。そういう意味で、立法事実となった事件をカバーできる制度にするために、今後見直しをしていただきたいというふうに考えております。
続いて、スライドの八枚目です。
トリガーを避ける必要がある人たちをこの法案でカバーできているのかというところで、今後検討していただきたい類型について申し述べます。
まず一つは、不起訴事案です。不起訴事案には三種類ございます。嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予です。嫌疑なし、嫌疑不十分を入れてはいけないというのは当然のことでございますが、犯罪事実を認めて示談をして、そして起訴猶予になった事案というのは、この制度に入れていく必要性がある類型ではないかというふうに考えます。
また、児童生徒性暴力によって懲戒解雇となって教員資格が失効した者、これについては、別の法律で、懲戒処分歴を四十年間、官報検索情報ツールで遡れるようになっています。また、文科省の方にもデータベースがございます。これについても対象にしていくことを検討すべきではないか。
あるいは、今回の法案の第二条五項三号で、技芸又は知識の教授を行う事業ということで、習い事等が入れていただけています。そこのことについては大変ありがたいというふうに思うんですけれども、他方で、標準的修業期間が六か月以上のものということで、サマーキャンプであるとか、一日の教室であるとか、そういうものがみんな外れてしまうということが問題だと思っております。
さらに、昨日、おとといですかね、ストーカー規制法や下着窃盗、あるいは、私どもが見聞きするものでいいますと、制服等に精液をかけたものが器物損壊罪になるというような辺りが対象となっていないことについて再考していただくことが望ましいのではないかと思います。
続きまして、スライドの九枚目に移ります。
濫用のおそれが除外できていないのではないかというところです。
冒頭で、日本版DBSの導入自体は合理的な制約として許されるものと考えるけれども、手段の相当性について問題があるのではないかということを申し上げました。
今回の法案は、犯罪事実確認として、生の犯歴を出すことを前提にしています。しかし、最高裁判例では、前科等のある者もこれをみだりに公開されないという法律上の保護に値する利益を有するというふうにされています。また、個人情報保護法も、犯歴については、自ら、本人に関する情報であっても開示されないということになっております。これは、犯歴情報が濫用のおそれがある、自らのことであっても、犯歴があることを他人に知られることによって、それが脅迫の材料に使われたりということが容易に想定されるため、究極の個人情報として外に出さないということでたてつけているものでございます。
そこで、今回の法案を拝見いたしますと、第四条、第三十三条などで、特定性犯罪事実該当者であるか否かの確認というふうにされています。該当者であるか否かということなので、ある場合には、該当していますというその犯罪の事実が、犯歴自体が生のものが外に出てしまうというたてつけです。
ここについては、特定性犯罪事実該当者でないことの確認というたてつけに文言をちょっと変えることによって、犯歴そのものが出るということは避けられるのではないかということを申し上げます。
それから、二点目、第三十五条の五項ですけれども、犯罪事実確認書を交付するときは、あらかじめ通知して、その上で、三十七条で規定する期間を経過するまで開示を行わないということになっています。三十七条の期間、二週間なんですけれども、これを経過すると自動的に開示されてしまうというたてつけなんですね。
やはり、次に述べる成り済ましの危険との関係では、この二週間の間に申請従事者からの積極回答がなければ交付しないというようなたてつけに改めるべきではないかというふうに考えます。
そして、最後のスライドになりますけれども、仮に犯歴を出すという仕組みを維持する場合であっても、犯歴の事実の確認手続において、三十三条七項で、事業者による代理申請を可能としております。しかも、その申請書に記載する住所は、住民票上の住所でもなく、居所でも足りることになっておりまして、かつ本人確認書類が戸籍抄本等で足りるということになっています。
居所で戸籍抄本を取って成り済ますということができてしまうと、濫用のおそれが防げていないのではないかというのが非常に危惧するところでございます。これに対する対応として、代理申請を認めない、三十三条七項の削除か、あるいは、本人確認の手段を、戸籍抄本ではなく、より厳格なものに変えるということを御検討いただくべきではないかというふうに思います。
ちょっとオーバーしてしまいました。申し訳ございません。
引き続き、子供たちを守るためのいい制度をつくっていっていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。拍手
谷
末
末冨芳#8
○末冨参考人 それでは、お手元の資料、「こども性暴力防止法の効果的運用のために―英国に学ぶこどもの安全保護法制・政策の展望」という資料を基に、参考人として意見を申し述べさせていただきます。
私は、子供政策、教育政策の研究者として、例えばですけれども、著書の中で日本版DBSについても取り扱ってまいりました。また、ヤフーで執筆権を持ちますエキスパートという、記事を公開できる立場におりますけれども、今日の意見陳述の内容にもなりますが、日本版DBSというのはより広い子供の安全保護法制、政策として進化するべきであるという意見も発信してまいりました。
二枚目に参ります。
なぜそのような発信をしているのかと申しますと、私も二十年にわたって日英の教育政策の比較分析をしております。その中で、子供たちを守るということの英国での進化というものを見てまいりました。
例えば、この資料は二〇二四年三月のイギリスの独立学校での写真ですけれども、エントランスの非常に分かりやすい場所に、この学校の子供の安全保護チームはこの人ですよというのが明示されてございます。そして、右側の方に参りますけれども、子供の安全保護チーム、そして特に校長は、英国の子供基本法、教育基本法等や関連ガイドライン等により、DBSチェックは無論のこと、子供たちに何かあったというときには自治体、警察、児童相談所等に通告、報告義務があるということで、非常にしっかりとした責任体制を取って子供たちの守られる権利を実現しているということでございます。
それでは、次のスライドに参ります。
本報告では、英国の事例の概要、そして子供性暴力防止法の効果的な運用のためにという、主に二点について申し述べさせていただきます。
四ページ、「一、英国におけるDBS こどもの安全保護法制・政策の概要」ということですが、本セクションの作成に関しましては、英国リーズ大学講師のドロシー・ファイナン博士の情報提供と助言をいただいております。
五ページに参ります。
まず最初に強調しておきたいのは、英国におけるDBSは、子供の安全保護政策、セーフガードチルドレンという政策パッケージの一つなんですね、ある部分にすぎないということです。本法案に基づいて申し上げますと、第五条から第八条関係の安全確保策の中でDBSが運用されているということになります。
例えばなんですが、どのように運用されているかというと、地域スポーツクラブの事例で申しますと、日常的に子供たちに関わるコーチや審判等は、最も厳しいDBSチェックを受けた上に、安全保護研修の受講義務があるということです。逆に、右側の方を見ていただきまして、例えばなんですが、試合のときにワゴン販売者ですとか、あるいは、ふだん子供に接しないけれども、事務局の担当者やグラウンド整備員も含めて、やはり基礎的なDBSチェックと安全保護研修を受けてねと推奨もされているんですよね。つまり、子供に関わるあらゆる大人たちが、DBSチェックを受けると同時に、安全保護の知識を得て実践をするという枠組みになっております。
六ページに参ります。
英国におけるDBSについては、このように非常に包括する職が広いんですが、右下を御覧ください。先ほど寺町先生もおっしゃいましたけれども、英国でも個人間の契約はDBS利用できないので、この点については英国政府も繰り返し、そうなんですよ、気をつけてくださいねということを発信しておられます。
七ページ目に参ります。
英国では四段階のDBSが運用されておりますが、基本、標準、拡張DBS、就業禁止者リストチェックつき拡張DBSという四段階になっておりますが、日本の今次法案は、拡張DBSというのは一番根幹に関わるDBSチェックに相当するものであり、まずここを起点としていくということについては大変重要な構成になっております。
ただ、網羅される犯歴の範囲は確かに日本の今次法案とは比較にならないぐらい広いということで、今後、この点を、どのように子供を守るための仕組みとして拡張し、かつ、犯歴がある方の尊厳や人権を守るということと両立していくかということが重要かと思われます。
では、八ページに参ります。
八ページですけれども、実は、英国のセーフガーディングシステムは、子供だけではなく、障害者や高齢者など社会的に脆弱な立場の人たちに対しても運用されています。
その上で、子供については、英国子供基本法や子どもの権利条約、そして膨大な関連法制を逐次改正しながら、子供、若者に特化したセーフガーディングチルドレンの政策パッケージが作られているということです。
特に重要な起点となっておりますのが、二〇〇四年の英国子供基本法です。次のページにそのことを詳しく説明してございます。
九ページに参ります。
二〇〇四年に英国子供基本法が改正されまして、これは特に守られる権利の実現のために体系的に整備されたものでございますが、そこから二〇一二年のDBS運用までには八年の時間を要しました。特にその大きな転機となったのが、英国版のジャニーズ事件とも言われる、サビル事件という大変深刻な子供の性暴力事件でございます。その後に、英国教育省が、学校園に対して十八歳未満の子供、若者の安全保護ガイドラインを導入して、校長や教職員の責務を明確化しているということです。
ただし、それも本当に良好に機能していますかということで、二〇二一年にOFSTEDが特別監査を実施し、英国の子供コミッショナー等の勧告も踏まえて、二〇二三年に子供たちの安全保護のためのガイドラインが改定されるというふうに、DBSだけではなく、子供の安全保護の仕組みが子供たちの課題に対応してどんどん進化してきているんですよね。
私たちは、今次法案を起点にして、英国の取組に学びながら、同じように子供たちの守られる権利のための取組を積み重ねていくということが最も重要なことかと存じます。
次のページに参ります。
こちらですけれども、簡単に申しますと、DBSチェックというのは入口部分にすぎず、日々の安全保護チームの活動ですとか、あるいは、もしも何かあったときの際の連携協働体制、そしてOFSTEDの監査等が組み合わさって行われていますが、特に重要なのが赤字で示しました政府ガイドライン、そして右側、政府系機関、国の推進体制、そして赤い吹き出しの下側、基礎自治体の推進体制といったものが重要になってまいります。以下、この赤い部分を中心に説明してまいります。
十一ページに参ります。
英国の、子供たちの安全保護のための協働、政府ガイドラインでは、十八歳未満の子供、若者を主な対象としておりますが、十八歳以上についても積極対応していこうということになっております。家族内だけではなく、家族外の第三者からの性暴力、虐待等にも対応していくということになっております。
あわせまして、示唆的でございますのは、下に示しましたように、性的虐待、児童虐待だけではなくて、例えば、インターネットの影響ですとか、子供、若者間の性暴力、日本ではいじめと称されがちですけれども、これも安全保護の一環であるということで、毅然とした対応が取られているという点が日本も学ぶべきところかなと思います。
そして、十二ページ、政府の推進体制としましては、英国子供虐待防止協会、NSPCCという団体がございまして、例えば子供の安全保護教育、これは英国版の生命の安全教育とでも称するべきものでして、英国の学習指導要領等にも人間関係と性の教育が記載されており、かつ、幼少期から継続的に安全保護ができるように、子供たちも一緒に学びましょうということが当たり前になってございます。下のかわいらしい絵は、歌をユーチューブで公開されていまして、子供たちも大変分かりやすい、覚えやすい歌でプライベートゾーンのことを学んだりしておられます。
あわせまして、安全保護主任育成コースの情報提供等もされています。ただし、英国ではこれが基本有料になっておりますけれども、日本は、できれば無料でアクセスできる良質なコンテンツをたくさん提供いただきたいなと思います。
十三ページに参ります。
こちらが、安全保護主任、DSLと略されますが、研修コースの事例でございます。この責任者は、例えば教員で申しますと、ほかの教員と比べて一割から二割程度給与が高いんですよね。安全保護に責任を果たす教職員ですとか事業所の方たちの処遇の改善といったものも日本でも必要になろうかと思います。
十四ページですけれども、英国では、実は、芸能界、エンターテインメント産業に対しても基礎自治体が立入調査権を持っているんですね。ただし、日本の場合、芸能界における性暴力被害を防ぐというためには、どの機関がどのような責任体制を持って業界を支援していくのかということを考えなければならないという状況でございます。
十五ページに参りますけれども、このように継続的な取組を進めておられる英国ですけれども、やはり百点満点というわけではございません。特に、最も最近の課題といたしましては、教育機関による性的虐待の報告義務の不履行、隠蔽が起きているという事案が大変多うございます。そのために、英国における児童虐待防止法に報告義務不履行への罰則を設ける議論も行われております。この点は、直ちに罰則というのは日本にはなじみませんけれども、適切に、各学校園、事業者様が、何か起きましたというときに連携、報告義務を果たしていただけるような支援体制というものを整備する必要がございます。
ただ、こうした様々な不具合もあるからこそ継続的な政府ガイドライン、関連法制の見直しが行われてきたという点が、やはり私たちが最も学ぶべきことの一つであろうと存じます。
それでは、「二、こども性暴力防止法の効果的運用のために」ということで、十六ページ、そして次の十七ページに参ります。
十七ページに要点は六点まとめておりますので、その具体的な内容を十八ページ以降で簡単に説明をさせていただきます。
まずは、日本版DBSの運用開始というものがとにかく急がれます。私も教員養成の現場におりますが、わいせつ教員対策法とは比較にならないぐらい、子供性暴力防止法の効力、そしてその範囲は大きいんですよね。私自身はそのことをずっと教えているんですけれども、子供性暴力防止法案について話をすると、やはり学生たちは、そんなに厳しくなるのか、絶対に性暴力なんかしては駄目だというふうな意識が高まる効果が把握されております。だからこそ運用は急がれるなと思っております。
そして、次、(2)番目ですね。英国の取組に学ぶべきものの一つとしては、学校園等における安全保護チームといったような責任体制の整備、そして責任に見合った国の支援体制が必要かと思います。
特に学校現場では養護教諭の方の御負担が大きくなることが想定されますけれども、複数配置できる学校をもっと大きくしたり、あるいは、その方たちの処遇に報いられるような国費補助、そして私学助成増額等の措置も必要かと存じます。
そして、日本では、校長等による性暴力事案も起きておりまして、こうした最悪の事態を想定した責任体制といったものもガイドライン化される必要があると存じます。
(3)番。国による子供、若者安全保護研修の提供と適切な連携体制の実現をということで、先ほどの英国の取組にもございましたけれども、無料でアクセスできる、例えば安全保護主任研修あるいは安全保護のボランティアの人向けの研修等も整備いただければと存じます。
十九ページに参ります。
十九ページ、(4)。こちらは、渡邉参考人も先ほどおっしゃられましたけれども、教員養成課程の改革、そして保育士等の養成課程の改革というものが必要になります。
あわせて、五番目ですね。生命の安全教育の周知徹底、そして活動横断的な学習も含めて、その基盤にあるのは、人権教育、性教育、法教育、そして加害防止プログラムであるというふうに考えています。
私は、私立学校向けの、子供の権利、こども基本法研修もしておりますが、実は、私立学校さんで、私が関わったところで、生命の安全教育を知っていますという方自体がゼロだったんですね。やってくださいというふうにお願いしておりますが、私立学校でも取り組みやすくしていただく工夫は必要です。
かつ、実施していますという学校でも、被害予防プログラムに偏重しておられる学校が非常に多いです。被害者は悪くないと今政府を挙げてメッセージを発していただいているのに、被害者自己責任論の温床になりかねないという意味でいうと、適切な生命の安全教育が実施されなければなりません。
最後のページに参ります。二十ページですね。
その他としまして、やはり、加害者の方の治療ですとか社会復帰の支援、私が把握しております中で最も継続的に取り組まれてきたのは大阪府でございますが、どの自治体でも同じように丁寧な取組が必要かと思います。
それから、警察、司法の専門性の向上というのが大変重要でして、性暴力被害を受けた子供、若者とその家族が、捜査、そしてその後のプロセスでも何度も傷つけられる、二次加害の事案に私もたくさん出会ってきています。こうしたものをゼロにしていっていただくことも重要かと思います。
それから、子供の貧困対策団体の理事として申し上げたいのは、子供食堂、フリースクール、サマーキャンプ等の、一時的にせよ、子供たちと関わり、その大切な命を預かる立場にいる人たち全てがDBSにアクセスできるような、更なる法改正あるいは政策の整備をお願いいたしたく存じます。
あわせて、日本では○○対策、○○対策などが重ねられてきてはいるんですが、こども基本法、そして本法案を起点として、より大きな子供の安全保護の仕組みをつくっていくんだということについて国を挙げて取り組んでいただくと、学校園の負担というものも、またこれか、またこれかではなくて、子供たちが守られるための権利を実現する大きな仕組みの中で、私たちの学校、ここを頑張ろうというふうに前向きな取組が進むというふうに考えております。
最後になりますけれども、私も、研究者として以上に一人の親として、日本版DBS、そして子供の安全保護法制、政策の展開を願っております。
以上で参考人としての意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。拍手
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二枚目に参ります。
なぜそのような発信をしているのかと申しますと、私も二十年にわたって日英の教育政策の比較分析をしております。その中で、子供たちを守るということの英国での進化というものを見てまいりました。
例えば、この資料は二〇二四年三月のイギリスの独立学校での写真ですけれども、エントランスの非常に分かりやすい場所に、この学校の子供の安全保護チームはこの人ですよというのが明示されてございます。そして、右側の方に参りますけれども、子供の安全保護チーム、そして特に校長は、英国の子供基本法、教育基本法等や関連ガイドライン等により、DBSチェックは無論のこと、子供たちに何かあったというときには自治体、警察、児童相談所等に通告、報告義務があるということで、非常にしっかりとした責任体制を取って子供たちの守られる権利を実現しているということでございます。
それでは、次のスライドに参ります。
本報告では、英国の事例の概要、そして子供性暴力防止法の効果的な運用のためにという、主に二点について申し述べさせていただきます。
四ページ、「一、英国におけるDBS こどもの安全保護法制・政策の概要」ということですが、本セクションの作成に関しましては、英国リーズ大学講師のドロシー・ファイナン博士の情報提供と助言をいただいております。
五ページに参ります。
まず最初に強調しておきたいのは、英国におけるDBSは、子供の安全保護政策、セーフガードチルドレンという政策パッケージの一つなんですね、ある部分にすぎないということです。本法案に基づいて申し上げますと、第五条から第八条関係の安全確保策の中でDBSが運用されているということになります。
例えばなんですが、どのように運用されているかというと、地域スポーツクラブの事例で申しますと、日常的に子供たちに関わるコーチや審判等は、最も厳しいDBSチェックを受けた上に、安全保護研修の受講義務があるということです。逆に、右側の方を見ていただきまして、例えばなんですが、試合のときにワゴン販売者ですとか、あるいは、ふだん子供に接しないけれども、事務局の担当者やグラウンド整備員も含めて、やはり基礎的なDBSチェックと安全保護研修を受けてねと推奨もされているんですよね。つまり、子供に関わるあらゆる大人たちが、DBSチェックを受けると同時に、安全保護の知識を得て実践をするという枠組みになっております。
六ページに参ります。
英国におけるDBSについては、このように非常に包括する職が広いんですが、右下を御覧ください。先ほど寺町先生もおっしゃいましたけれども、英国でも個人間の契約はDBS利用できないので、この点については英国政府も繰り返し、そうなんですよ、気をつけてくださいねということを発信しておられます。
七ページ目に参ります。
英国では四段階のDBSが運用されておりますが、基本、標準、拡張DBS、就業禁止者リストチェックつき拡張DBSという四段階になっておりますが、日本の今次法案は、拡張DBSというのは一番根幹に関わるDBSチェックに相当するものであり、まずここを起点としていくということについては大変重要な構成になっております。
ただ、網羅される犯歴の範囲は確かに日本の今次法案とは比較にならないぐらい広いということで、今後、この点を、どのように子供を守るための仕組みとして拡張し、かつ、犯歴がある方の尊厳や人権を守るということと両立していくかということが重要かと思われます。
では、八ページに参ります。
八ページですけれども、実は、英国のセーフガーディングシステムは、子供だけではなく、障害者や高齢者など社会的に脆弱な立場の人たちに対しても運用されています。
その上で、子供については、英国子供基本法や子どもの権利条約、そして膨大な関連法制を逐次改正しながら、子供、若者に特化したセーフガーディングチルドレンの政策パッケージが作られているということです。
特に重要な起点となっておりますのが、二〇〇四年の英国子供基本法です。次のページにそのことを詳しく説明してございます。
九ページに参ります。
二〇〇四年に英国子供基本法が改正されまして、これは特に守られる権利の実現のために体系的に整備されたものでございますが、そこから二〇一二年のDBS運用までには八年の時間を要しました。特にその大きな転機となったのが、英国版のジャニーズ事件とも言われる、サビル事件という大変深刻な子供の性暴力事件でございます。その後に、英国教育省が、学校園に対して十八歳未満の子供、若者の安全保護ガイドラインを導入して、校長や教職員の責務を明確化しているということです。
ただし、それも本当に良好に機能していますかということで、二〇二一年にOFSTEDが特別監査を実施し、英国の子供コミッショナー等の勧告も踏まえて、二〇二三年に子供たちの安全保護のためのガイドラインが改定されるというふうに、DBSだけではなく、子供の安全保護の仕組みが子供たちの課題に対応してどんどん進化してきているんですよね。
私たちは、今次法案を起点にして、英国の取組に学びながら、同じように子供たちの守られる権利のための取組を積み重ねていくということが最も重要なことかと存じます。
次のページに参ります。
こちらですけれども、簡単に申しますと、DBSチェックというのは入口部分にすぎず、日々の安全保護チームの活動ですとか、あるいは、もしも何かあったときの際の連携協働体制、そしてOFSTEDの監査等が組み合わさって行われていますが、特に重要なのが赤字で示しました政府ガイドライン、そして右側、政府系機関、国の推進体制、そして赤い吹き出しの下側、基礎自治体の推進体制といったものが重要になってまいります。以下、この赤い部分を中心に説明してまいります。
十一ページに参ります。
英国の、子供たちの安全保護のための協働、政府ガイドラインでは、十八歳未満の子供、若者を主な対象としておりますが、十八歳以上についても積極対応していこうということになっております。家族内だけではなく、家族外の第三者からの性暴力、虐待等にも対応していくということになっております。
あわせまして、示唆的でございますのは、下に示しましたように、性的虐待、児童虐待だけではなくて、例えば、インターネットの影響ですとか、子供、若者間の性暴力、日本ではいじめと称されがちですけれども、これも安全保護の一環であるということで、毅然とした対応が取られているという点が日本も学ぶべきところかなと思います。
そして、十二ページ、政府の推進体制としましては、英国子供虐待防止協会、NSPCCという団体がございまして、例えば子供の安全保護教育、これは英国版の生命の安全教育とでも称するべきものでして、英国の学習指導要領等にも人間関係と性の教育が記載されており、かつ、幼少期から継続的に安全保護ができるように、子供たちも一緒に学びましょうということが当たり前になってございます。下のかわいらしい絵は、歌をユーチューブで公開されていまして、子供たちも大変分かりやすい、覚えやすい歌でプライベートゾーンのことを学んだりしておられます。
あわせまして、安全保護主任育成コースの情報提供等もされています。ただし、英国ではこれが基本有料になっておりますけれども、日本は、できれば無料でアクセスできる良質なコンテンツをたくさん提供いただきたいなと思います。
十三ページに参ります。
こちらが、安全保護主任、DSLと略されますが、研修コースの事例でございます。この責任者は、例えば教員で申しますと、ほかの教員と比べて一割から二割程度給与が高いんですよね。安全保護に責任を果たす教職員ですとか事業所の方たちの処遇の改善といったものも日本でも必要になろうかと思います。
十四ページですけれども、英国では、実は、芸能界、エンターテインメント産業に対しても基礎自治体が立入調査権を持っているんですね。ただし、日本の場合、芸能界における性暴力被害を防ぐというためには、どの機関がどのような責任体制を持って業界を支援していくのかということを考えなければならないという状況でございます。
十五ページに参りますけれども、このように継続的な取組を進めておられる英国ですけれども、やはり百点満点というわけではございません。特に、最も最近の課題といたしましては、教育機関による性的虐待の報告義務の不履行、隠蔽が起きているという事案が大変多うございます。そのために、英国における児童虐待防止法に報告義務不履行への罰則を設ける議論も行われております。この点は、直ちに罰則というのは日本にはなじみませんけれども、適切に、各学校園、事業者様が、何か起きましたというときに連携、報告義務を果たしていただけるような支援体制というものを整備する必要がございます。
ただ、こうした様々な不具合もあるからこそ継続的な政府ガイドライン、関連法制の見直しが行われてきたという点が、やはり私たちが最も学ぶべきことの一つであろうと存じます。
それでは、「二、こども性暴力防止法の効果的運用のために」ということで、十六ページ、そして次の十七ページに参ります。
十七ページに要点は六点まとめておりますので、その具体的な内容を十八ページ以降で簡単に説明をさせていただきます。
まずは、日本版DBSの運用開始というものがとにかく急がれます。私も教員養成の現場におりますが、わいせつ教員対策法とは比較にならないぐらい、子供性暴力防止法の効力、そしてその範囲は大きいんですよね。私自身はそのことをずっと教えているんですけれども、子供性暴力防止法案について話をすると、やはり学生たちは、そんなに厳しくなるのか、絶対に性暴力なんかしては駄目だというふうな意識が高まる効果が把握されております。だからこそ運用は急がれるなと思っております。
そして、次、(2)番目ですね。英国の取組に学ぶべきものの一つとしては、学校園等における安全保護チームといったような責任体制の整備、そして責任に見合った国の支援体制が必要かと思います。
特に学校現場では養護教諭の方の御負担が大きくなることが想定されますけれども、複数配置できる学校をもっと大きくしたり、あるいは、その方たちの処遇に報いられるような国費補助、そして私学助成増額等の措置も必要かと存じます。
そして、日本では、校長等による性暴力事案も起きておりまして、こうした最悪の事態を想定した責任体制といったものもガイドライン化される必要があると存じます。
(3)番。国による子供、若者安全保護研修の提供と適切な連携体制の実現をということで、先ほどの英国の取組にもございましたけれども、無料でアクセスできる、例えば安全保護主任研修あるいは安全保護のボランティアの人向けの研修等も整備いただければと存じます。
十九ページに参ります。
十九ページ、(4)。こちらは、渡邉参考人も先ほどおっしゃられましたけれども、教員養成課程の改革、そして保育士等の養成課程の改革というものが必要になります。
あわせて、五番目ですね。生命の安全教育の周知徹底、そして活動横断的な学習も含めて、その基盤にあるのは、人権教育、性教育、法教育、そして加害防止プログラムであるというふうに考えています。
私は、私立学校向けの、子供の権利、こども基本法研修もしておりますが、実は、私立学校さんで、私が関わったところで、生命の安全教育を知っていますという方自体がゼロだったんですね。やってくださいというふうにお願いしておりますが、私立学校でも取り組みやすくしていただく工夫は必要です。
かつ、実施していますという学校でも、被害予防プログラムに偏重しておられる学校が非常に多いです。被害者は悪くないと今政府を挙げてメッセージを発していただいているのに、被害者自己責任論の温床になりかねないという意味でいうと、適切な生命の安全教育が実施されなければなりません。
最後のページに参ります。二十ページですね。
その他としまして、やはり、加害者の方の治療ですとか社会復帰の支援、私が把握しております中で最も継続的に取り組まれてきたのは大阪府でございますが、どの自治体でも同じように丁寧な取組が必要かと思います。
それから、警察、司法の専門性の向上というのが大変重要でして、性暴力被害を受けた子供、若者とその家族が、捜査、そしてその後のプロセスでも何度も傷つけられる、二次加害の事案に私もたくさん出会ってきています。こうしたものをゼロにしていっていただくことも重要かと思います。
それから、子供の貧困対策団体の理事として申し上げたいのは、子供食堂、フリースクール、サマーキャンプ等の、一時的にせよ、子供たちと関わり、その大切な命を預かる立場にいる人たち全てがDBSにアクセスできるような、更なる法改正あるいは政策の整備をお願いいたしたく存じます。
あわせて、日本では○○対策、○○対策などが重ねられてきてはいるんですが、こども基本法、そして本法案を起点として、より大きな子供の安全保護の仕組みをつくっていくんだということについて国を挙げて取り組んでいただくと、学校園の負担というものも、またこれか、またこれかではなくて、子供たちが守られるための権利を実現する大きな仕組みの中で、私たちの学校、ここを頑張ろうというふうに前向きな取組が進むというふうに考えております。
最後になりますけれども、私も、研究者として以上に一人の親として、日本版DBS、そして子供の安全保護法制、政策の展開を願っております。
以上で参考人としての意見陳述を終わらせていただきます。ありがとうございました。拍手
谷
嶋
嶋田洋徳#10
○嶋田参考人 失礼いたします。早稲田大学の嶋田と申します。
本日は、このような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、臨床心理学、特にその中の認知行動療法という心理療法を専門としておりまして、現在は公認心理師の立場で活動を行っております。
私の方からは、性犯罪の加害者に対する治療的支援のあらましについてお話しさせていただきたいと思っております。
スライドの二番を御覧ください。
現在のところは、性犯罪加害者に対する再犯防止としては、先ほども出てまいりました認知行動療法に基づく治療的支援が最も有効であるとされています。これは、心理療法、非薬物療法の一つでありまして、行動科学に基づいた、広い分野にわたって比較的エビデンスの蓄積が多い心理療法になっています。
我が国におきましては、二〇〇四年の秋に発生した事件を背景とした法改正が行われておりまして、主に法務省の方で、カナダあるいはイギリスの実践を先例としながらプログラムが策定されまして、刑務所や保護観察所で認知行動療法に基づく再犯防止指導が行われているところです。
次のページのスライド三番を御覧ください。
これらの国の取組を背景としまして、民間の方にも大きな影響がございまして、民間の医療施設等においても認知行動療法に基づく治療的支援が行われるようになってきました。それまでは、クリニックや相談施設における個別の心理相談や、いわゆる自助グループと呼ばれるグループミーティングが重立ったものでしたけれども、国が採用した認知行動療法に基づくものが有効であるということが民間にも徐々に伝わりまして、医療施設で行われるに至っています。ただし、全国的にはこの治療が行われるのはまだまだ少ないというところがございます。
諸外国におきましては、いわゆる、性欲をコントロールするために薬物療法、ホルモン療法と言われるようなものも認知行動療法と併用することがあるようです。
我が国におきましては、人権的側面などからこういったことを懲罰的に利用することは余り現実的ではないと考えられておりまして、薬事承認等の問題もありまして、一部の医療施設等で任意の治療法の一つとして紹介されるにとどまっています。また、元となる何らかの疾患や障害があって結果的に性加害を行っている場合には、その元の疾患や障害に対する薬物療法が用いられることがあるようです。
また、諸外国におきましては、治療的支援の効果として、プレシスモグラフィー、ファロメトリックといった、体の膨張等を計測する機器等を用いることがあります。例えば、大分以前の話にはなるんですけれども、私がカナダの刑務所等で視察してきたものの中には、男性の陰茎にゴムのようなものをはめまして、女児がプールで水着を着て戯れるようなほほ笑ましい映像を見せて、それによって陰茎が勃起するかどうかというのを測定して、本当に対象者が安全な状態であるのかということを測るような仕組みも導入されているようです。
しかし、我が国におきましては、質問票、御自身が評価したり、あるいはその方をよく知る他者が評価する、あるいは専門の心理技官等が評価する等にとどまっているというところでございます。
スライドの四番を御覧ください。
性犯罪加害におきましては、その心理的機制を考慮した働きかけというのが行われておりまして、一般に思われているように、性欲の充足という側面は確かに共通しているんですけれども、認知行動療法に基づく支援の場合には、性加害行動がどのような機能を有しているのかというアセスメント、そして、それに見合った治療的支援を行うことが重要だと言われています。すなわち、性的加害は、性欲の充足のためだけに行われているのではなくて、生活の中でその方にもたらされる様々な刺激や環境が影響しているというふうに考えます。この点に関しましては後ほどまた例示いたします。
また、性犯罪者に対しては一般に厳罰をもって処遇を望む声が強いのですけれども、厳罰で再犯が抑止されるというエビデンスが残念ながら余りないというのが現状です。そこで、現在では、対象者の特徴に見合った手続が用いられていまして、これはこの領域では比較的有名な考え方なんですが、RNRの原則というのに従っています。これは、ごく簡潔に申し上げますと、重症度の程度が軽い方には相対的に軽い処遇を、重たい方には密度の濃い処遇をといったように、その方に合った密度、回数に従うように処遇を決定するという考え方です。我が国においても、法務省においてこの考え方が採用されております。
次のページのスライド五を御覧ください。
先ほど申し上げた機能という側面の説明を簡単にさせていただきます。
行動科学の理解の仕方では、ちょうど中央の四角にございます、手を伸ばして触る、これは性加害行為、例えば痴漢等と思っていただければよいのですけれども、それがどのような状況で起きるのかという先行事象、そしてどのような結果が起きるのかという後続事象という、真ん中に行動と、時間的に前後する三つの枠組みから捉えることが基本になります。
したがいまして、例えば上下を見比べていただきたいのですが、左から、すぐ目の前に好みの女性がいるときに、手を伸ばして触るというところだけを取り上げるのであれば、上下同じですので加害者に対して同じ理解が可能かと思いますが、上でいいますと、手を伸ばして触るというときには、いつ騒がれるかのスリルがたまりませんという、快の状態の出現を経験する方がいますし、逆に、下でいいますと、いらいら感やストレスが解消する、不快の状態が消失することを経験する方がいます。すなわち、性加害行為を続ける理由、機能という側面は個人によって結構異なるということになります。
この時間的に後に生じる後続事象の方の分析を丁寧にやりますと、例えば、手を伸ばして触るということを別の行動に置き換えられないかと考えます。行動科学では、何々しないということは困難であると考えていますので、ある条件が整ったときに性加害行為をするという行動を、別の何々をするという、より適応的な行動に置き換えることを考えていきます。
したがいまして、例えば、上のパターンで理解される方は、別の行動、例えば、宝くじを買うですとか、勝ち負けがあるスポーツをしたりするなどの、生活の中でスリルを味わうといったような行動に置き換わる可能性が高いのではないかと考えます。下のパターンの例でいいますと、ストレスの解消する方法というのを性加害以外のもので身につけることができれば、性加害をする確率は下がっていくだろうという理解をしていきます。
一般に、犯罪はストレスによって生じるように言われていますけれども、それはこの絵でいいますと下のパターンに当てはまりますが、確かにそういう方が多い一方で、ストレスがなくても刺激を目にしてしまうと加害する方は多くいるように思います。特に性加害の場合はそれが顕著だと言ってもいいのかもしれません。
スライド六を御覧ください。
認知行動療法に基づく支援では、このような枠組みの理解を、性加害をする直前の行動だけではなく、生活のどのようなことに端を発して、どのようなプロセスをたどって性加害に至るのかということを一連のプロセスで検討することを行っています。
少し絵が小さくて、見にくくて申し訳ございません。丸の形の、右上から時計回りに、性加害に至る行動の連鎖を分析していきます。このような行動の連鎖でその方の性加害行為を理解することができれば、それを生活のどこかで断ち切ることによって性加害まで至らないようにすることができると考えます。
次のページのスライド七を御覧ください。
これが先ほど申し上げた先行事象と後続事象で理解する枠組みになりまして、前のスライドで説明いたしました不適切な行動を減らすということは、他の行動に置き換えるという中央の赤字のところになります。そして、先ほどトリガーと御紹介されていましたけれども、そのきっかけとなる先行事象を取り去ること、そしてそれに加えて、適切な行動を増やすという赤字のところが中心的な支援になっていきます。
一般に、不適切な行動を減らすという方向性だけではなかなか再犯防止につながりません。再犯防止のためには、この適切な行動を増やすといった支援を同時に行っていく必要があります。すなわち、事件と同じような状況に出くわした際に適切な行動が取れるようになれば、結果的に性加害を抑止すること、予防することができるのではないかというふうに考えています。
次のスライド八を御覧ください。
認知行動療法に基づく支援では、このように、再犯防止計画として、最終的には自分専用の計画を作ります。再犯防止計画は個人によって違いまして、ある方の自分のパターンに従ってこのようにやるといった行動の連鎖は別の方にも同じような行動の連鎖になるとは限りませんので、個々に違ったものを作るということになります。
その中に、先ほど申し上げたような、きっかけを減らす、トリガーを減らすという先行事象のコントロールをする、刺激を避けるという手続がありまして、性加害を行うに至るきっかけから遠ざかるという内容が元々治療的支援の一部に含まれています。したがいまして、性加害者を子供から遠ざけるということは、決して更生の機会を奪うものではなく、再犯防止の施策の方向性ともかなりの程度一致しているのではないかと考えています。
具体的には、子供に対する性加害を行った者の場合には、通勤手段や経路を変えたり、子供に関わる職業に就いている場合には転職等の勧奨をしたりします。これは、あくまでも加害者自身から、犯罪から遠ざかるための一つの選択肢として提案するにとどまっているのですが、実際に再犯するかどうかに関しましてはここのところが非常に大きなポイントとなっていると考えられます。
そして、いわゆる性的嗜好に関しましては、短期的変容、例えば小さな子供が好きであるといったようなことを短い期間で変えるということはやはり困難でありまして、性犯罪にならないように、すなわち社会的に容認される方法を用いて自分の特徴とうまくつき合っていきましょうということが当面の支援の目標になります。そして、当面の目標を続けていくうちに性的嗜好の長期的変容を目指していくというのが前提となる考え方になります。
次のページのスライド九を御覧ください。
被害者が子供である加害者の特徴は、大きく分けて二つございます。被害者が子供である場合には、十三歳以下の被害者がいる場合には医学的診断である小児性愛症を念頭に置いて関わることが多いのですけれども、これは医学的表現で余りよくない感じがするんですけれども、専従型あるいは非専従型というふうに言われています。専従型というのは子供だけを対象とするもの、非専従型はそうでなくて、子供も成人も対象とすることということになります。このような対象者の方の医学的な理解と併用して、先ほど申し上げた性加害行動の機能の理解を併せて治療プログラムが行われているということになります。
子供も対象の場合は性的嗜好が子供であるというのに加わりますけれども、私たちが留意していることはもう一つの場合で、性的嗜好は成人女性なのですけれども、通報等をされることを回避したり、心理的な優位な立場に立ったりするために、結果的に子供を加害対象としている場合が結構あるということでございます。
次に、スライド十を御覧ください。
これは再犯の可能性に関する考え方をまとめたものになります。再犯の予測ができるかということは研究も多く進んでおりまして、どちらかといいますと、上の静的なリスク、スタティックというんですけれども、その方の元々の属性や今からでは変容不可能な過去の履歴等に基づくと、その方の再犯の予測ができると考えられています。
もう一つは、二番目の、今からでも変容可能な動的リスクというところがあります。現在の認知行動療法に基づく支援は二つ目の方に働きかけておりまして、一つ目の変えられない過去の特徴を踏まえて、どのように二つ目の動的リスクに働きかけるのかということをもって治療的支援を行っていく、こんなことが行われております。
次のページのスライド十一を御覧ください。
もう一つ、私どもにいただく御意見の中には、再犯をしてしまった方の特徴を調べていくときに、この方はプログラムを受けたんでしょう、なのにどうしてというようなものがございます。
現時点では、先ほど申し上げました静的リスク、動的リスクの考え方に基づいて、現在、最大限の努力がなされておりまして、法務省の方で大きなサンプルの有効性の統計値を公表していただいているのですが、相応の効果は上げております。ただし、逆に申し上げますと、その方を十分に治してから社会内に出しているというわけではなく、決められた刑期、決められた支援回数の中で、その方にできる最大限の支援を行っているというふうに考えていただければと思います。
最も体系的に行われておりますのは矯正局のプログラムで、一回百分間が約七十回程度行われているものが最大のものです。民間の方では八回から十二回、十五回程度の支援になっています。保護局の方は五回という、ちょっと回数が少ないのですけれども、このようなものが混在して処遇プログラムを受けたと表現されています。
したがって、民間医療施設ですと、これを複数回、同じプログラムを繰り返すことなどもできますので、プログラムを受講したと同じように表現されても、実際にはかなりの中身の違いがあります。そして、何よりも、学校教育と同じように全員が満点で受講を修了するわけではありませんので、性犯防止プログラムを受けたからといって、その方が再犯しないということは残念ながら言い切れないというのが現状でございます。
次のページのスライド十二を御覧ください。
これが法務省によって公表されているプログラムの効果ということになりまして、おおむね再犯率は二〇から二五%程度下げられているとされています。一方で、痴漢等の頻度の高い習慣的行動とみなせる場合や被害者が小児である場合などは、効果が少なかったため、支援方法を工夫する必要があると考えられています。そのほか、矯正施設収容中から出所後までの一貫性を持たせること、指導担当者のスキルアップの必要性などが提言されており、今現在もプログラムの改定が法務省で行われております。
次のページのスライド十三を御覧ください。
これは、さきに私どもが行った厚生労働省の厚生労働行政推進調査事業の研究結果の一部です。現在はあくまでも公表準備中ということになりまして、恐らくそのまま報告書に盛り込まれるのではないかというところの内容になります。
国内では、認知行動療法を中心とした心理社会的支援を軸にした治療的支援が行われていること、いわゆる薬物療法の適用には、多様な意見があり、十分なコンセンサスが得られていない状況であること、何をもって改善したと判断するのかについても意見が分かれておりまして、治療的支援の体系化は十分になされていないこと、社会的リソースとして支援の場が非常に不足しており、機能的な施設間の連携や情報共有に問題があることなどが確かめられています。
また、性犯罪加害者の連続的な支援の際に大きな障壁になっていますのが、法務省管轄の各施設と厚生労働省管轄の各施設の違いというところがあります。
最近は、法務省内の施設同士は様々な連携がなされるようになったと承知しています。しかしながら、あくまでも疾患かどうかという観点とは独立して再犯の防止を目指す法務省施設と、あくまでも再犯ではなくて疾患の治療等を目指す厚生労働省管轄の医療施設等とは、大分隔たりがあるように感じております。
スライド十四を御覧ください。
これは、法務省の大臣官房秘書課が策定いたしました性犯罪再犯防止に向けた地域ガイドラインの概要になります。この検討には私も参加させていただいておりました。
さきに述べたような施設内処遇と社会内処遇のつながり、特に、保護観察所の指導等を終えた後に、主に地方公共団体へのつながりを意識して、認知行動療法に基づくSTEPs―Rというプログラムを公開しています。
このような連携の際に最も懸念されるのは情報共有の問題なのですが、先ほども御紹介がありましたとおり、大阪府との間には特別な連携を行って運用しているという好事例もあるやに聞いております。このような仕組みが各地域で次第に整うようになれば、民間の医療機関等にも波及し、国を挙げての効果も期待できるのではないかと思います。
次に、スライド十五を御覧ください。
事前にいただきました若草色の参考資料、冊子の中で、主な論点につきまして、私の方で意見を申し上げられそうなものを挙げております。
まず、対象犯罪の類型に関しまして、量刑という観点から見ますと、どのような内容の性犯罪なのかを参照することは当然なことかと思いますけれども、認知行動療法の機能という観点から見ますと、その内容や手口が必ずしも一対一対応をしていないと考えられます。したがいまして、本件がどのような内容かに狭く縛られて理解して対応をしてしまうことには少し懸念を感じております。
被害者の年齢に関しましては、先ほど述べたような専従型、非専従型という考え方がありますので、年齢を問わないということは妥当なように感じております。
また、保護事件の扱いに関しましては、原理は成人か少年かに余り関係はございませんので、もしかすると、より年長の特定少年くらいには同等の手続を用いることもよいように思います。少年の性非行の支援の考え方にも、まずは刺激となるものから遠ざかり、別の生活上の出来事や楽しみに目を向けさせるというものがあります。
三の、その他の安全確保措置では、スライド十六にございますとおり、埼玉県の不祥事研修プログラムの策定に関わったことがあります。その際に、関連して多くの教員の意見を収集したのですが、学校の先生方の中には条例違反というのを刑務所等に収監されることのない軽犯罪のように捉えている方が結構多いということが分かりました。また、小学低学年の児童が先生の膝の上に乗ることが不適切であるということにも異論がある方も非常に多かったため、現在の子供に関わる際の考え方をしっかりと研修していく必要性はあるように思います。
四の、その他、再犯防止に関しましては、先ほど述べました、加害者の側のみに対しても、切れ目のない、シームレスな、包括的な支援の枠組みの構築が理想であるように思います。
長くなって申し訳ございません。私からは以上でございます。どうもありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日は、このような貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、臨床心理学、特にその中の認知行動療法という心理療法を専門としておりまして、現在は公認心理師の立場で活動を行っております。
私の方からは、性犯罪の加害者に対する治療的支援のあらましについてお話しさせていただきたいと思っております。
スライドの二番を御覧ください。
現在のところは、性犯罪加害者に対する再犯防止としては、先ほども出てまいりました認知行動療法に基づく治療的支援が最も有効であるとされています。これは、心理療法、非薬物療法の一つでありまして、行動科学に基づいた、広い分野にわたって比較的エビデンスの蓄積が多い心理療法になっています。
我が国におきましては、二〇〇四年の秋に発生した事件を背景とした法改正が行われておりまして、主に法務省の方で、カナダあるいはイギリスの実践を先例としながらプログラムが策定されまして、刑務所や保護観察所で認知行動療法に基づく再犯防止指導が行われているところです。
次のページのスライド三番を御覧ください。
これらの国の取組を背景としまして、民間の方にも大きな影響がございまして、民間の医療施設等においても認知行動療法に基づく治療的支援が行われるようになってきました。それまでは、クリニックや相談施設における個別の心理相談や、いわゆる自助グループと呼ばれるグループミーティングが重立ったものでしたけれども、国が採用した認知行動療法に基づくものが有効であるということが民間にも徐々に伝わりまして、医療施設で行われるに至っています。ただし、全国的にはこの治療が行われるのはまだまだ少ないというところがございます。
諸外国におきましては、いわゆる、性欲をコントロールするために薬物療法、ホルモン療法と言われるようなものも認知行動療法と併用することがあるようです。
我が国におきましては、人権的側面などからこういったことを懲罰的に利用することは余り現実的ではないと考えられておりまして、薬事承認等の問題もありまして、一部の医療施設等で任意の治療法の一つとして紹介されるにとどまっています。また、元となる何らかの疾患や障害があって結果的に性加害を行っている場合には、その元の疾患や障害に対する薬物療法が用いられることがあるようです。
また、諸外国におきましては、治療的支援の効果として、プレシスモグラフィー、ファロメトリックといった、体の膨張等を計測する機器等を用いることがあります。例えば、大分以前の話にはなるんですけれども、私がカナダの刑務所等で視察してきたものの中には、男性の陰茎にゴムのようなものをはめまして、女児がプールで水着を着て戯れるようなほほ笑ましい映像を見せて、それによって陰茎が勃起するかどうかというのを測定して、本当に対象者が安全な状態であるのかということを測るような仕組みも導入されているようです。
しかし、我が国におきましては、質問票、御自身が評価したり、あるいはその方をよく知る他者が評価する、あるいは専門の心理技官等が評価する等にとどまっているというところでございます。
スライドの四番を御覧ください。
性犯罪加害におきましては、その心理的機制を考慮した働きかけというのが行われておりまして、一般に思われているように、性欲の充足という側面は確かに共通しているんですけれども、認知行動療法に基づく支援の場合には、性加害行動がどのような機能を有しているのかというアセスメント、そして、それに見合った治療的支援を行うことが重要だと言われています。すなわち、性的加害は、性欲の充足のためだけに行われているのではなくて、生活の中でその方にもたらされる様々な刺激や環境が影響しているというふうに考えます。この点に関しましては後ほどまた例示いたします。
また、性犯罪者に対しては一般に厳罰をもって処遇を望む声が強いのですけれども、厳罰で再犯が抑止されるというエビデンスが残念ながら余りないというのが現状です。そこで、現在では、対象者の特徴に見合った手続が用いられていまして、これはこの領域では比較的有名な考え方なんですが、RNRの原則というのに従っています。これは、ごく簡潔に申し上げますと、重症度の程度が軽い方には相対的に軽い処遇を、重たい方には密度の濃い処遇をといったように、その方に合った密度、回数に従うように処遇を決定するという考え方です。我が国においても、法務省においてこの考え方が採用されております。
次のページのスライド五を御覧ください。
先ほど申し上げた機能という側面の説明を簡単にさせていただきます。
行動科学の理解の仕方では、ちょうど中央の四角にございます、手を伸ばして触る、これは性加害行為、例えば痴漢等と思っていただければよいのですけれども、それがどのような状況で起きるのかという先行事象、そしてどのような結果が起きるのかという後続事象という、真ん中に行動と、時間的に前後する三つの枠組みから捉えることが基本になります。
したがいまして、例えば上下を見比べていただきたいのですが、左から、すぐ目の前に好みの女性がいるときに、手を伸ばして触るというところだけを取り上げるのであれば、上下同じですので加害者に対して同じ理解が可能かと思いますが、上でいいますと、手を伸ばして触るというときには、いつ騒がれるかのスリルがたまりませんという、快の状態の出現を経験する方がいますし、逆に、下でいいますと、いらいら感やストレスが解消する、不快の状態が消失することを経験する方がいます。すなわち、性加害行為を続ける理由、機能という側面は個人によって結構異なるということになります。
この時間的に後に生じる後続事象の方の分析を丁寧にやりますと、例えば、手を伸ばして触るということを別の行動に置き換えられないかと考えます。行動科学では、何々しないということは困難であると考えていますので、ある条件が整ったときに性加害行為をするという行動を、別の何々をするという、より適応的な行動に置き換えることを考えていきます。
したがいまして、例えば、上のパターンで理解される方は、別の行動、例えば、宝くじを買うですとか、勝ち負けがあるスポーツをしたりするなどの、生活の中でスリルを味わうといったような行動に置き換わる可能性が高いのではないかと考えます。下のパターンの例でいいますと、ストレスの解消する方法というのを性加害以外のもので身につけることができれば、性加害をする確率は下がっていくだろうという理解をしていきます。
一般に、犯罪はストレスによって生じるように言われていますけれども、それはこの絵でいいますと下のパターンに当てはまりますが、確かにそういう方が多い一方で、ストレスがなくても刺激を目にしてしまうと加害する方は多くいるように思います。特に性加害の場合はそれが顕著だと言ってもいいのかもしれません。
スライド六を御覧ください。
認知行動療法に基づく支援では、このような枠組みの理解を、性加害をする直前の行動だけではなく、生活のどのようなことに端を発して、どのようなプロセスをたどって性加害に至るのかということを一連のプロセスで検討することを行っています。
少し絵が小さくて、見にくくて申し訳ございません。丸の形の、右上から時計回りに、性加害に至る行動の連鎖を分析していきます。このような行動の連鎖でその方の性加害行為を理解することができれば、それを生活のどこかで断ち切ることによって性加害まで至らないようにすることができると考えます。
次のページのスライド七を御覧ください。
これが先ほど申し上げた先行事象と後続事象で理解する枠組みになりまして、前のスライドで説明いたしました不適切な行動を減らすということは、他の行動に置き換えるという中央の赤字のところになります。そして、先ほどトリガーと御紹介されていましたけれども、そのきっかけとなる先行事象を取り去ること、そしてそれに加えて、適切な行動を増やすという赤字のところが中心的な支援になっていきます。
一般に、不適切な行動を減らすという方向性だけではなかなか再犯防止につながりません。再犯防止のためには、この適切な行動を増やすといった支援を同時に行っていく必要があります。すなわち、事件と同じような状況に出くわした際に適切な行動が取れるようになれば、結果的に性加害を抑止すること、予防することができるのではないかというふうに考えています。
次のスライド八を御覧ください。
認知行動療法に基づく支援では、このように、再犯防止計画として、最終的には自分専用の計画を作ります。再犯防止計画は個人によって違いまして、ある方の自分のパターンに従ってこのようにやるといった行動の連鎖は別の方にも同じような行動の連鎖になるとは限りませんので、個々に違ったものを作るということになります。
その中に、先ほど申し上げたような、きっかけを減らす、トリガーを減らすという先行事象のコントロールをする、刺激を避けるという手続がありまして、性加害を行うに至るきっかけから遠ざかるという内容が元々治療的支援の一部に含まれています。したがいまして、性加害者を子供から遠ざけるということは、決して更生の機会を奪うものではなく、再犯防止の施策の方向性ともかなりの程度一致しているのではないかと考えています。
具体的には、子供に対する性加害を行った者の場合には、通勤手段や経路を変えたり、子供に関わる職業に就いている場合には転職等の勧奨をしたりします。これは、あくまでも加害者自身から、犯罪から遠ざかるための一つの選択肢として提案するにとどまっているのですが、実際に再犯するかどうかに関しましてはここのところが非常に大きなポイントとなっていると考えられます。
そして、いわゆる性的嗜好に関しましては、短期的変容、例えば小さな子供が好きであるといったようなことを短い期間で変えるということはやはり困難でありまして、性犯罪にならないように、すなわち社会的に容認される方法を用いて自分の特徴とうまくつき合っていきましょうということが当面の支援の目標になります。そして、当面の目標を続けていくうちに性的嗜好の長期的変容を目指していくというのが前提となる考え方になります。
次のページのスライド九を御覧ください。
被害者が子供である加害者の特徴は、大きく分けて二つございます。被害者が子供である場合には、十三歳以下の被害者がいる場合には医学的診断である小児性愛症を念頭に置いて関わることが多いのですけれども、これは医学的表現で余りよくない感じがするんですけれども、専従型あるいは非専従型というふうに言われています。専従型というのは子供だけを対象とするもの、非専従型はそうでなくて、子供も成人も対象とすることということになります。このような対象者の方の医学的な理解と併用して、先ほど申し上げた性加害行動の機能の理解を併せて治療プログラムが行われているということになります。
子供も対象の場合は性的嗜好が子供であるというのに加わりますけれども、私たちが留意していることはもう一つの場合で、性的嗜好は成人女性なのですけれども、通報等をされることを回避したり、心理的な優位な立場に立ったりするために、結果的に子供を加害対象としている場合が結構あるということでございます。
次に、スライド十を御覧ください。
これは再犯の可能性に関する考え方をまとめたものになります。再犯の予測ができるかということは研究も多く進んでおりまして、どちらかといいますと、上の静的なリスク、スタティックというんですけれども、その方の元々の属性や今からでは変容不可能な過去の履歴等に基づくと、その方の再犯の予測ができると考えられています。
もう一つは、二番目の、今からでも変容可能な動的リスクというところがあります。現在の認知行動療法に基づく支援は二つ目の方に働きかけておりまして、一つ目の変えられない過去の特徴を踏まえて、どのように二つ目の動的リスクに働きかけるのかということをもって治療的支援を行っていく、こんなことが行われております。
次のページのスライド十一を御覧ください。
もう一つ、私どもにいただく御意見の中には、再犯をしてしまった方の特徴を調べていくときに、この方はプログラムを受けたんでしょう、なのにどうしてというようなものがございます。
現時点では、先ほど申し上げました静的リスク、動的リスクの考え方に基づいて、現在、最大限の努力がなされておりまして、法務省の方で大きなサンプルの有効性の統計値を公表していただいているのですが、相応の効果は上げております。ただし、逆に申し上げますと、その方を十分に治してから社会内に出しているというわけではなく、決められた刑期、決められた支援回数の中で、その方にできる最大限の支援を行っているというふうに考えていただければと思います。
最も体系的に行われておりますのは矯正局のプログラムで、一回百分間が約七十回程度行われているものが最大のものです。民間の方では八回から十二回、十五回程度の支援になっています。保護局の方は五回という、ちょっと回数が少ないのですけれども、このようなものが混在して処遇プログラムを受けたと表現されています。
したがって、民間医療施設ですと、これを複数回、同じプログラムを繰り返すことなどもできますので、プログラムを受講したと同じように表現されても、実際にはかなりの中身の違いがあります。そして、何よりも、学校教育と同じように全員が満点で受講を修了するわけではありませんので、性犯防止プログラムを受けたからといって、その方が再犯しないということは残念ながら言い切れないというのが現状でございます。
次のページのスライド十二を御覧ください。
これが法務省によって公表されているプログラムの効果ということになりまして、おおむね再犯率は二〇から二五%程度下げられているとされています。一方で、痴漢等の頻度の高い習慣的行動とみなせる場合や被害者が小児である場合などは、効果が少なかったため、支援方法を工夫する必要があると考えられています。そのほか、矯正施設収容中から出所後までの一貫性を持たせること、指導担当者のスキルアップの必要性などが提言されており、今現在もプログラムの改定が法務省で行われております。
次のページのスライド十三を御覧ください。
これは、さきに私どもが行った厚生労働省の厚生労働行政推進調査事業の研究結果の一部です。現在はあくまでも公表準備中ということになりまして、恐らくそのまま報告書に盛り込まれるのではないかというところの内容になります。
国内では、認知行動療法を中心とした心理社会的支援を軸にした治療的支援が行われていること、いわゆる薬物療法の適用には、多様な意見があり、十分なコンセンサスが得られていない状況であること、何をもって改善したと判断するのかについても意見が分かれておりまして、治療的支援の体系化は十分になされていないこと、社会的リソースとして支援の場が非常に不足しており、機能的な施設間の連携や情報共有に問題があることなどが確かめられています。
また、性犯罪加害者の連続的な支援の際に大きな障壁になっていますのが、法務省管轄の各施設と厚生労働省管轄の各施設の違いというところがあります。
最近は、法務省内の施設同士は様々な連携がなされるようになったと承知しています。しかしながら、あくまでも疾患かどうかという観点とは独立して再犯の防止を目指す法務省施設と、あくまでも再犯ではなくて疾患の治療等を目指す厚生労働省管轄の医療施設等とは、大分隔たりがあるように感じております。
スライド十四を御覧ください。
これは、法務省の大臣官房秘書課が策定いたしました性犯罪再犯防止に向けた地域ガイドラインの概要になります。この検討には私も参加させていただいておりました。
さきに述べたような施設内処遇と社会内処遇のつながり、特に、保護観察所の指導等を終えた後に、主に地方公共団体へのつながりを意識して、認知行動療法に基づくSTEPs―Rというプログラムを公開しています。
このような連携の際に最も懸念されるのは情報共有の問題なのですが、先ほども御紹介がありましたとおり、大阪府との間には特別な連携を行って運用しているという好事例もあるやに聞いております。このような仕組みが各地域で次第に整うようになれば、民間の医療機関等にも波及し、国を挙げての効果も期待できるのではないかと思います。
次に、スライド十五を御覧ください。
事前にいただきました若草色の参考資料、冊子の中で、主な論点につきまして、私の方で意見を申し上げられそうなものを挙げております。
まず、対象犯罪の類型に関しまして、量刑という観点から見ますと、どのような内容の性犯罪なのかを参照することは当然なことかと思いますけれども、認知行動療法の機能という観点から見ますと、その内容や手口が必ずしも一対一対応をしていないと考えられます。したがいまして、本件がどのような内容かに狭く縛られて理解して対応をしてしまうことには少し懸念を感じております。
被害者の年齢に関しましては、先ほど述べたような専従型、非専従型という考え方がありますので、年齢を問わないということは妥当なように感じております。
また、保護事件の扱いに関しましては、原理は成人か少年かに余り関係はございませんので、もしかすると、より年長の特定少年くらいには同等の手続を用いることもよいように思います。少年の性非行の支援の考え方にも、まずは刺激となるものから遠ざかり、別の生活上の出来事や楽しみに目を向けさせるというものがあります。
三の、その他の安全確保措置では、スライド十六にございますとおり、埼玉県の不祥事研修プログラムの策定に関わったことがあります。その際に、関連して多くの教員の意見を収集したのですが、学校の先生方の中には条例違反というのを刑務所等に収監されることのない軽犯罪のように捉えている方が結構多いということが分かりました。また、小学低学年の児童が先生の膝の上に乗ることが不適切であるということにも異論がある方も非常に多かったため、現在の子供に関わる際の考え方をしっかりと研修していく必要性はあるように思います。
四の、その他、再犯防止に関しましては、先ほど述べました、加害者の側のみに対しても、切れ目のない、シームレスな、包括的な支援の枠組みの構築が理想であるように思います。
長くなって申し訳ございません。私からは以上でございます。どうもありがとうございました。拍手
谷
谷
田
田中英之#13
○田中(英)委員 おはようございます。自民党の田中英之でございます。
本当に限られた時間でございますので、早速参考人の皆様方にお伺いしたいと思います。全ての皆さんに聞ければいいんですが、時間の加減で聞けなかった際は御容赦いただきたいと思います。
まずは渡邉参考人にお伺いしたいんですが、生命の安全教育という形でこれまで先進的にお取り組みをいただき、教材を作ったり、いろいろなこともこの間はしてきていただいたものだというふうに認識をいたしております。
子供たちにいろいろなことを性犯罪のことで学んでいただくために、自分自身が加害者にならないこと、さらには被害者にもならないこと、そしてやはり傍観者にならないこと、こういったことを年代別にいろいろと分かりやすく知っていただいて、知識にして、それが最終的には大きなものになっていくことによって、性犯罪の防止に自分たちがなる要素をつくるということ。
さらには、現役の先生方、教員、さらには養成、これから大学等々で学校の先生として学ぼうという方々には、先ほども聞いていると、なかなか、教育課程の中には含まれていないんだということがあったので、そこは本当に、含めていくことによって、今度は指導する立場の者にもそういう要素をつくるということ。
恐らく、もう一つの要素として、後ほどお伺いしますけれども、地域社会とかそういうところの要素というのはあるんだと思います。
と申しますのは、もう十五、六年前になるんですが、小学校の子供たちが、学校から、知らない人に声をかけられたら、一メーター半若しくは二メーター、距離を置いて逃げなさいというのが実は私の地元であって、当時のPTA会長の方が、そういうことを言われたんやけれどもどうしたらいいという、ちょっと困惑をしたのがやはりあったようです。でも、今から考えますと、そうすることが一番自分たちの身を守る方法なんだということを恐らく学校で教え、そして、我々地域にいる人間がそれを知って、理解をするということが必要だったんだというふうに思いますので、今になると、よくよくそういったことが分かるようになりました。
まずは、じゃ、子供たちにどのようにしてそういったことを教えていくかという過程ですけれども、学習指導要領の中に日本では入っていないということもあって、ただでさえ今、時間を物すごく、働き方改革なんかで学校の中では指導する時間というのが狭まっているというふうに思っていますので、その点をどのようにクリアするのかということ。
渡邉先生の場合は、学校施設全体の安全ということにも取り組んできていただきました。先ほども、死角になるところ、ガラスを外してオープンスペースにする等々ありますが、施設を改善していこうとするとやはり予算もかかってきて大変だと思いますので、完璧だと言われること自体、なかなかないんだと思いますね。ただ、でも、性犯罪を起こしにくい、起こせない環境をつくるということは絶対必要だと思いますので、その辺りについてどのような対策ができるか、まずお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →本当に限られた時間でございますので、早速参考人の皆様方にお伺いしたいと思います。全ての皆さんに聞ければいいんですが、時間の加減で聞けなかった際は御容赦いただきたいと思います。
まずは渡邉参考人にお伺いしたいんですが、生命の安全教育という形でこれまで先進的にお取り組みをいただき、教材を作ったり、いろいろなこともこの間はしてきていただいたものだというふうに認識をいたしております。
子供たちにいろいろなことを性犯罪のことで学んでいただくために、自分自身が加害者にならないこと、さらには被害者にもならないこと、そしてやはり傍観者にならないこと、こういったことを年代別にいろいろと分かりやすく知っていただいて、知識にして、それが最終的には大きなものになっていくことによって、性犯罪の防止に自分たちがなる要素をつくるということ。
さらには、現役の先生方、教員、さらには養成、これから大学等々で学校の先生として学ぼうという方々には、先ほども聞いていると、なかなか、教育課程の中には含まれていないんだということがあったので、そこは本当に、含めていくことによって、今度は指導する立場の者にもそういう要素をつくるということ。
恐らく、もう一つの要素として、後ほどお伺いしますけれども、地域社会とかそういうところの要素というのはあるんだと思います。
と申しますのは、もう十五、六年前になるんですが、小学校の子供たちが、学校から、知らない人に声をかけられたら、一メーター半若しくは二メーター、距離を置いて逃げなさいというのが実は私の地元であって、当時のPTA会長の方が、そういうことを言われたんやけれどもどうしたらいいという、ちょっと困惑をしたのがやはりあったようです。でも、今から考えますと、そうすることが一番自分たちの身を守る方法なんだということを恐らく学校で教え、そして、我々地域にいる人間がそれを知って、理解をするということが必要だったんだというふうに思いますので、今になると、よくよくそういったことが分かるようになりました。
まずは、じゃ、子供たちにどのようにしてそういったことを教えていくかという過程ですけれども、学習指導要領の中に日本では入っていないということもあって、ただでさえ今、時間を物すごく、働き方改革なんかで学校の中では指導する時間というのが狭まっているというふうに思っていますので、その点をどのようにクリアするのかということ。
渡邉先生の場合は、学校施設全体の安全ということにも取り組んできていただきました。先ほども、死角になるところ、ガラスを外してオープンスペースにする等々ありますが、施設を改善していこうとするとやはり予算もかかってきて大変だと思いますので、完璧だと言われること自体、なかなかないんだと思いますね。ただ、でも、性犯罪を起こしにくい、起こせない環境をつくるということは絶対必要だと思いますので、その辺りについてどのような対策ができるか、まずお伺いしたいと思います。
渡
渡邉正樹#14
○渡邉参考人 ありがとうございました。
今お話を伺っていてまず浮かんだのが、生命の安全教育のベースになっている部分というのは防犯教育のところというのがかなりあると思うんですね。ですけれども、知らない人に声をかけられたらと、本当は知らない人だけじゃ駄目なんですけれども、性犯罪は知っている人が加害者としては多いので、その辺のところというのは、やはりそこも考えないといけないと思うんですけれども。
どこにそういうものをやっていくかということを考えたときに、先ほど、学習指導要領に明確に入ればということなんですけれども、もちろん、入れるときには今度は何か外すとか縮小するということが出てくるので、そこが難しいところなんですけれども。
ただ、学習指導要領で示された内容以外のものをやろうとすると、先生方のかなり負担になるというのは逆にあると思うんですね。指導要領に入るといいのは、一つは、やはり教科書なんです、書き込まれるということ。それに対して、指導方法とかにも、いろいろ研究されますし、資料も作られるということがあります。そうすると、先生方の負担というのはそんなに増えるということではないかと思うんですね。ただ、もちろん、新しいことを教えなきゃいけないので難しいとは思いますけれども、既に防犯教育というのはある程度定着していますので、そこを発展させるというような形でまずは入っていくということができるのではないかというふうに思います。
それと、環境の問題なんですけれども、まさに御指摘のとおりで、これは、今回の性犯罪だけではなくて、一般的な施設設備の改善というようなことを考えますと、毎年、学校保健安全法で施設設備の安全点検をやるんですけれども、安全点検をすると不備がいっぱい見つかる。見つかるんだけれども、それが改善されないままになっているというようなことというのはあるんですね。
それは、やはり学校設置者の予算の問題というのもあって、学校だけじゃなくて学校設置者の。そこのところというのはなかなか、今回の性犯罪、性暴力の問題だけじゃなくて、全般的に学校施設設備の問題というのは根強く残っているというのがあるので、ちょっとすぐには改善策というのはできないと思いますけれども、是非それぞれの自治体には頑張っていただいて、学校の安全な環境づくりを進めていただきたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →今お話を伺っていてまず浮かんだのが、生命の安全教育のベースになっている部分というのは防犯教育のところというのがかなりあると思うんですね。ですけれども、知らない人に声をかけられたらと、本当は知らない人だけじゃ駄目なんですけれども、性犯罪は知っている人が加害者としては多いので、その辺のところというのは、やはりそこも考えないといけないと思うんですけれども。
どこにそういうものをやっていくかということを考えたときに、先ほど、学習指導要領に明確に入ればということなんですけれども、もちろん、入れるときには今度は何か外すとか縮小するということが出てくるので、そこが難しいところなんですけれども。
ただ、学習指導要領で示された内容以外のものをやろうとすると、先生方のかなり負担になるというのは逆にあると思うんですね。指導要領に入るといいのは、一つは、やはり教科書なんです、書き込まれるということ。それに対して、指導方法とかにも、いろいろ研究されますし、資料も作られるということがあります。そうすると、先生方の負担というのはそんなに増えるということではないかと思うんですね。ただ、もちろん、新しいことを教えなきゃいけないので難しいとは思いますけれども、既に防犯教育というのはある程度定着していますので、そこを発展させるというような形でまずは入っていくということができるのではないかというふうに思います。
それと、環境の問題なんですけれども、まさに御指摘のとおりで、これは、今回の性犯罪だけではなくて、一般的な施設設備の改善というようなことを考えますと、毎年、学校保健安全法で施設設備の安全点検をやるんですけれども、安全点検をすると不備がいっぱい見つかる。見つかるんだけれども、それが改善されないままになっているというようなことというのはあるんですね。
それは、やはり学校設置者の予算の問題というのもあって、学校だけじゃなくて学校設置者の。そこのところというのはなかなか、今回の性犯罪、性暴力の問題だけじゃなくて、全般的に学校施設設備の問題というのは根強く残っているというのがあるので、ちょっとすぐには改善策というのはできないと思いますけれども、是非それぞれの自治体には頑張っていただいて、学校の安全な環境づくりを進めていただきたいというふうに思っております。
田
田中英之#15
○田中(英)委員 ありがとうございます。
私自身もよく学校やPTAの方から言われたのは、いろいろな事件が起こったときは、学校の正門なんかも閉め、なかなか他人が入れないようになっていましたが、実は、こういう名札をつけたりしながら職員室に行って、授業を自由に見てくださいなんという時期もあった、まだそうなんでしょうね。という意味では、人的な要員としては、そういう地域の、PTAの皆さんも仕事をしていますからしょっちゅうは行けませんけれども、スクールガードなんかをやっていただいているような方々も含めて、地域社会で人が入っていって見るということも一つの抑止になるんじゃないかなというふうに思ったりするなということを私自身は考えておりましたので、施設にお金をかけるだけじゃなくて、人的要素、そんなことも考えてできればなという思いがあります。先生、ありがとうございました。
次、済みません、嶋田先生にちょっとお伺いしたいんですが、認知行動療法、今お話を聞かせていただくと、いろいろな要素があるんだなというふうに思いながら聞いていますが、我々が普通に風邪を引いたりして病院に行って薬を飲んで治すというようなものではなく、やはり心理療法となってくると、これは、アルコール依存症であったり、ギャンブル依存症であったり、たばこを吸われる方にはあれですけれども、そういう依存症的な部分があるとなると、人によって物すごく差があると思うんですよね。その治療をしっかりとやっていただいても、すぐに即効性があって解消されたという人もいれば、いやいや、物すごく時間がかかってしまうというような、したがって、本当に気の長い治療をしていくということだと思うんです。
渡邉先生の方は、施設であったり、実は学ぶというところで一つのものをつくるんですが、犯罪を犯された方々を治すということによっての部分で、実はこの双方が整ってこそ、まずはそういう再犯が起きないということで子供たちが安全、安心に、要するに子供の関わるようなところで生き生きと過ごしていけるということだと思うんですが。
ここは、恐らく長くかかってしまうという部分では気長にやはりやっていかなければならないところ。結果として、今お話がございましたとおり、子供に関わるところはちょっと距離を置いてしまわなければならないなんということは、これは一番効果があるともおっしゃっておりましたので、そういうことをしていただかなきゃならないんだと思いますが。
今、渡邉先生たちが取り組んでこられたこと、そして嶋田先生の取り組んでおられること、さらに、再犯を防止するためにどんな協力が治療以外の部分で必要か、お伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →私自身もよく学校やPTAの方から言われたのは、いろいろな事件が起こったときは、学校の正門なんかも閉め、なかなか他人が入れないようになっていましたが、実は、こういう名札をつけたりしながら職員室に行って、授業を自由に見てくださいなんという時期もあった、まだそうなんでしょうね。という意味では、人的な要員としては、そういう地域の、PTAの皆さんも仕事をしていますからしょっちゅうは行けませんけれども、スクールガードなんかをやっていただいているような方々も含めて、地域社会で人が入っていって見るということも一つの抑止になるんじゃないかなというふうに思ったりするなということを私自身は考えておりましたので、施設にお金をかけるだけじゃなくて、人的要素、そんなことも考えてできればなという思いがあります。先生、ありがとうございました。
次、済みません、嶋田先生にちょっとお伺いしたいんですが、認知行動療法、今お話を聞かせていただくと、いろいろな要素があるんだなというふうに思いながら聞いていますが、我々が普通に風邪を引いたりして病院に行って薬を飲んで治すというようなものではなく、やはり心理療法となってくると、これは、アルコール依存症であったり、ギャンブル依存症であったり、たばこを吸われる方にはあれですけれども、そういう依存症的な部分があるとなると、人によって物すごく差があると思うんですよね。その治療をしっかりとやっていただいても、すぐに即効性があって解消されたという人もいれば、いやいや、物すごく時間がかかってしまうというような、したがって、本当に気の長い治療をしていくということだと思うんです。
渡邉先生の方は、施設であったり、実は学ぶというところで一つのものをつくるんですが、犯罪を犯された方々を治すということによっての部分で、実はこの双方が整ってこそ、まずはそういう再犯が起きないということで子供たちが安全、安心に、要するに子供の関わるようなところで生き生きと過ごしていけるということだと思うんですが。
ここは、恐らく長くかかってしまうという部分では気長にやはりやっていかなければならないところ。結果として、今お話がございましたとおり、子供に関わるところはちょっと距離を置いてしまわなければならないなんということは、これは一番効果があるともおっしゃっておりましたので、そういうことをしていただかなきゃならないんだと思いますが。
今、渡邉先生たちが取り組んでこられたこと、そして嶋田先生の取り組んでおられること、さらに、再犯を防止するためにどんな協力が治療以外の部分で必要か、お伺いしたいと思います。
嶋
嶋田洋徳#16
○嶋田参考人 御質問をありがとうございます。
心理療法の中でも認知行動療法は、どちらかというと心理教育的と言われるんですけれども、自分自身をよく理解してそれにつき合っていこうという考え方を持っています。ですので、渡邉参考人等のお話を伺いますと、入口といいましょうか、最初のところと、それから、してしまった方のケア、この両面がやはり必要なのではないかと考えます。
特に、再犯を防止するためには、最後の方に私が申し上げました、やはり治療施設、支援施設というのがまだ社会には十分に整っていないところですとか、それから、個人情報の共有等の難しい問題がございまして、なかなか官の支援と民の支援がつながりにくいというところが問題かと思っております。
そういったことが、整えて、関わる関係の方々皆さんが同じ方向を向いて支援していくということがやはり必要なのではないかと考えております。
以上です。
この発言だけを見る →心理療法の中でも認知行動療法は、どちらかというと心理教育的と言われるんですけれども、自分自身をよく理解してそれにつき合っていこうという考え方を持っています。ですので、渡邉参考人等のお話を伺いますと、入口といいましょうか、最初のところと、それから、してしまった方のケア、この両面がやはり必要なのではないかと考えます。
特に、再犯を防止するためには、最後の方に私が申し上げました、やはり治療施設、支援施設というのがまだ社会には十分に整っていないところですとか、それから、個人情報の共有等の難しい問題がございまして、なかなか官の支援と民の支援がつながりにくいというところが問題かと思っております。
そういったことが、整えて、関わる関係の方々皆さんが同じ方向を向いて支援していくということがやはり必要なのではないかと考えております。
以上です。
田
田中英之#17
○田中(英)委員 ありがとうございます。
治療の部分、それから施設や教育の部分、さあ、ここが整えばということでありますが、それでも補えない部分があって、恐らくこの法制度の中で、四人の先生方、参考人の皆さんにはいろいろと御意見もあるし、実は我々、ここの委員の中でもいろいろな意見があるのが事実で、この委員会でもかんかんがくがくの議論をこの間してまいりましたし、我が党でもそうでございました。
それで、先ほど寺町参考人がおっしゃっておられた、トリガーを避ける必要性は十年、二十年で終わらないというところです。
役所の方にこの話を聞くと、まず一つは職業選択の自由の話も当然ございましたし、今ここにある刑法の三十四条の二、二項ですか、このこともあって、恐らく、役所の方は憲法違反やその法のルールを守るぎりぎりのところで何とかやろうとしてきたわけでありますけれども、実は、この十年、二十年の照会期間に関しては、我々の党でも本当にいろいろな議論が当然ありました。でも、最終的には、いろいろな議論をする中で、やはり我が国は、これは遅れているのでまずは作ることを優先的にしなければならないということで、参考人の先生方も総論的には理解をいただいているものだというふうに思っております。
そこで、寺町先生にあえてお伺いしますけれども、拘禁刑の二十年、それから罰金刑十年というところ、ここに関して、先生の方は、我々もわいせつ教員の件に取り組んだ経緯がございますので、それに比べたら短いんじゃないのというのも正直あります。でも、やはり憲法上の問題、さらには法律上の問題で、なかなかぐっと踏み込んでいくことが難しいのかなという思いもありますので、先ほども少しそのお話はいただきましたが、再度ちょっと、クリアできるかどうか、そこをお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →治療の部分、それから施設や教育の部分、さあ、ここが整えばということでありますが、それでも補えない部分があって、恐らくこの法制度の中で、四人の先生方、参考人の皆さんにはいろいろと御意見もあるし、実は我々、ここの委員の中でもいろいろな意見があるのが事実で、この委員会でもかんかんがくがくの議論をこの間してまいりましたし、我が党でもそうでございました。
それで、先ほど寺町参考人がおっしゃっておられた、トリガーを避ける必要性は十年、二十年で終わらないというところです。
役所の方にこの話を聞くと、まず一つは職業選択の自由の話も当然ございましたし、今ここにある刑法の三十四条の二、二項ですか、このこともあって、恐らく、役所の方は憲法違反やその法のルールを守るぎりぎりのところで何とかやろうとしてきたわけでありますけれども、実は、この十年、二十年の照会期間に関しては、我々の党でも本当にいろいろな議論が当然ありました。でも、最終的には、いろいろな議論をする中で、やはり我が国は、これは遅れているのでまずは作ることを優先的にしなければならないということで、参考人の先生方も総論的には理解をいただいているものだというふうに思っております。
そこで、寺町先生にあえてお伺いしますけれども、拘禁刑の二十年、それから罰金刑十年というところ、ここに関して、先生の方は、我々もわいせつ教員の件に取り組んだ経緯がございますので、それに比べたら短いんじゃないのというのも正直あります。でも、やはり憲法上の問題、さらには法律上の問題で、なかなかぐっと踏み込んでいくことが難しいのかなという思いもありますので、先ほども少しそのお話はいただきましたが、再度ちょっと、クリアできるかどうか、そこをお伺いしたいと思います。
寺
寺町東子#18
○寺町参考人 御質問ありがとうございます。寺町でございます。
今の点についてですが、取りあえず導入するためにここの二十年、十年で手を打ったということについては理解をする気持ちであります。
他方で、先ほども申し上げましたとおり、加害者の更生についての調査研究というものが非常に薄いというのが最大の問題点だと思います。やはり、加害者向けの治療プログラムに対してきちんと公費が使われている部分が少ない、その結果、民間の治療機関とかも少ない、支援する人も少ないということで、なかなか、加害者の方が捕まった後でどういうふうなプロセスをたどっていっているのかというところが、エビデンスベースの話になっていっていないというところが最大の問題だと思います。
エビデンスが整ってくれば、それに基づいてやはり二十年、十年じゃ足りないですよねという話になれば、関係各所の理解も得られるんだと思うんですね。そういう意味で、科研であるとか、医療機関に対する保険の適用であるとか、様々、どういうふうにお金を出していって、加害者に対する治療を発展させていくのか、それについてどういうふうにデータを残していくのかというところが今最も欠けているところなのではないかというふうに思います。なので、今後のデータの蓄積を期待したいというふうに思います。
この発言だけを見る →今の点についてですが、取りあえず導入するためにここの二十年、十年で手を打ったということについては理解をする気持ちであります。
他方で、先ほども申し上げましたとおり、加害者の更生についての調査研究というものが非常に薄いというのが最大の問題点だと思います。やはり、加害者向けの治療プログラムに対してきちんと公費が使われている部分が少ない、その結果、民間の治療機関とかも少ない、支援する人も少ないということで、なかなか、加害者の方が捕まった後でどういうふうなプロセスをたどっていっているのかというところが、エビデンスベースの話になっていっていないというところが最大の問題だと思います。
エビデンスが整ってくれば、それに基づいてやはり二十年、十年じゃ足りないですよねという話になれば、関係各所の理解も得られるんだと思うんですね。そういう意味で、科研であるとか、医療機関に対する保険の適用であるとか、様々、どういうふうにお金を出していって、加害者に対する治療を発展させていくのか、それについてどういうふうにデータを残していくのかというところが今最も欠けているところなのではないかというふうに思います。なので、今後のデータの蓄積を期待したいというふうに思います。
田
田中英之#19
○田中(英)委員 そういったデータがなかなか整っていないという、エビデンスが整えば、更にそういった意味では法自体も進化をさせていくことができるんだというふうに思っております。
我々がよく話したのは、やはり実は短いよねという話。でも、役所と話をすると、なかなか乗り越えられないところがある。これは痛しかゆしで、板挟みになる話なんですが。そこも理解をした上で、我々自身も、まず本当にこの法案を通すということ、その中でいかに進化させるかということだというふうに思っておりますので、そこは共有できているものだというふうに思っております。
時間が限られて、最後になります。
とはいえど、そういったことが整っても、いろいろな仕事は、今回、義務になる部分があったり、手挙げ方式で認定をしてもらったりというところです。でも、手をぱっと、乗ると、ここから漏れ落ちるような仕事というのがあるというのは二人の先生からもお伺いしてまいりました。
そこで、最後に末冨先生にお伺いしたいんですが、今日は直接的にそこをメインじゃなくて、イギリスの話が多かったので大変恐縮でありますが、いろいろなところでお話しされているのを事前に読み込ませていただいた上で、やはり、認定事業者であったり義務化をするところであったりというのは、どうしても漏れが出てしまうんですよね。そこに懸念を皆さんお持ちだというふうに思います。とはいえど、全て拾い込んでいくかということが果たして今の状況でできるかというと、難しいのもこれは事実だと思います。
先ほどイギリスの事例でお示しをいただきましたけれども、右側に、スライドの五番になりますが、ワゴン販売者とかチケットの窓口販売員、ちょっとイギリスではこんなところまでそういうのをかけておられるということでありますが、じゃ、どのようにしてそこのいろいろな仕事のところ、子供が少しでも関わるところに含めて、そういったことが、我が国でやろうと思ったらできるのかということをお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →我々がよく話したのは、やはり実は短いよねという話。でも、役所と話をすると、なかなか乗り越えられないところがある。これは痛しかゆしで、板挟みになる話なんですが。そこも理解をした上で、我々自身も、まず本当にこの法案を通すということ、その中でいかに進化させるかということだというふうに思っておりますので、そこは共有できているものだというふうに思っております。
時間が限られて、最後になります。
とはいえど、そういったことが整っても、いろいろな仕事は、今回、義務になる部分があったり、手挙げ方式で認定をしてもらったりというところです。でも、手をぱっと、乗ると、ここから漏れ落ちるような仕事というのがあるというのは二人の先生からもお伺いしてまいりました。
そこで、最後に末冨先生にお伺いしたいんですが、今日は直接的にそこをメインじゃなくて、イギリスの話が多かったので大変恐縮でありますが、いろいろなところでお話しされているのを事前に読み込ませていただいた上で、やはり、認定事業者であったり義務化をするところであったりというのは、どうしても漏れが出てしまうんですよね。そこに懸念を皆さんお持ちだというふうに思います。とはいえど、全て拾い込んでいくかということが果たして今の状況でできるかというと、難しいのもこれは事実だと思います。
先ほどイギリスの事例でお示しをいただきましたけれども、右側に、スライドの五番になりますが、ワゴン販売者とかチケットの窓口販売員、ちょっとイギリスではこんなところまでそういうのをかけておられるということでありますが、じゃ、どのようにしてそこのいろいろな仕事のところ、子供が少しでも関わるところに含めて、そういったことが、我が国でやろうと思ったらできるのかということをお伺いしたいと思います。
末
末冨芳#20
○末冨参考人 御質問ありがとうございます。
まず、ボランティアも含めてDBSチェックですとか安全保護研修の受講が可能になっておりますのは、英国の政府DX化の推進によるところが大きゅうございます。特にDBSの申請自体はもう完全にオンライン化されております。IDチェックもオンラインできちんとするということになっておりますので、そうした意味では迅速な手続が可能だということです。
ただ、漏れ落ちる職の可能性はイギリスでもあるからこそ、英国政府がしていることは、まず、個人間の契約には適用されないからそこは気をつけてねということ、とにかくここは対象外ですよと繰り返し発信されておられるんですよね。
そこを明確にしつつも、より多くの、例えば子供食堂ですとかフリースクール等でも利用できるためには、恐らく、国として、そうした子供食堂とかフリースクールさん、幾つかネットワークがあるんですけれども、子供たちの安全保護のためのネットワークというものを全国化していただいて、そこのところで手続等を一元化できるような仕組みというものもあると、全くアクセスのしやすさが違うだろうというふうに構想もしております。
ただ、それも一足飛びにはいかない話ではございますけれども、これを機会に、たとえ一時的に子供を預かるようなボランティアあるいは非営利セクターであっても、いかに多くの大人たちがDBSチェックを受けられて、安全保護の知識を得て適切に実施できる仕組みをつくるかということの検討も始められてよいかと存じます。
以上でございます。
この発言だけを見る →まず、ボランティアも含めてDBSチェックですとか安全保護研修の受講が可能になっておりますのは、英国の政府DX化の推進によるところが大きゅうございます。特にDBSの申請自体はもう完全にオンライン化されております。IDチェックもオンラインできちんとするということになっておりますので、そうした意味では迅速な手続が可能だということです。
ただ、漏れ落ちる職の可能性はイギリスでもあるからこそ、英国政府がしていることは、まず、個人間の契約には適用されないからそこは気をつけてねということ、とにかくここは対象外ですよと繰り返し発信されておられるんですよね。
そこを明確にしつつも、より多くの、例えば子供食堂ですとかフリースクール等でも利用できるためには、恐らく、国として、そうした子供食堂とかフリースクールさん、幾つかネットワークがあるんですけれども、子供たちの安全保護のためのネットワークというものを全国化していただいて、そこのところで手続等を一元化できるような仕組みというものもあると、全くアクセスのしやすさが違うだろうというふうに構想もしております。
ただ、それも一足飛びにはいかない話ではございますけれども、これを機会に、たとえ一時的に子供を預かるようなボランティアあるいは非営利セクターであっても、いかに多くの大人たちがDBSチェックを受けられて、安全保護の知識を得て適切に実施できる仕組みをつくるかということの検討も始められてよいかと存じます。
以上でございます。
田
田中英之#21
○田中(英)委員 おっしゃるとおり、一足飛びには確かに無理なんだというふうに思います。
ただ、ガイドラインの中にどの範囲をやるかということを決める一方で、今おっしゃっていただいたようにいろいろ、今おっしゃっていただいた子供食堂とかそういう事業をされている方々が、ネットワーク化をすることによって、そういうつながりの中でそういう登録を、認定をするために登録事業者になれる、そういうことができるのであれば、それは一つの要素だというふうに思いますし、それが可能であれば、ある意味では業種が、漏れるものがちょっとずつ少なくなっていくということでありますので。
そんなことも含めながら、その事業者、どの範囲まで含めていくのかということを、これはあくまでも進化をしていく法律だと、三年でということもありますので。そういった意味では、まずはこの委員会で我々はこの議論を深めさせていただいて、そして参考人の今日の先生方の御意見をも含めて更に議論を深めさせていただきたいというふうに思いますので、引き続き、いろいろな形での御助言や御指導を賜りたいというふうに思います。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →ただ、ガイドラインの中にどの範囲をやるかということを決める一方で、今おっしゃっていただいたようにいろいろ、今おっしゃっていただいた子供食堂とかそういう事業をされている方々が、ネットワーク化をすることによって、そういうつながりの中でそういう登録を、認定をするために登録事業者になれる、そういうことができるのであれば、それは一つの要素だというふうに思いますし、それが可能であれば、ある意味では業種が、漏れるものがちょっとずつ少なくなっていくということでありますので。
そんなことも含めながら、その事業者、どの範囲まで含めていくのかということを、これはあくまでも進化をしていく法律だと、三年でということもありますので。そういった意味では、まずはこの委員会で我々はこの議論を深めさせていただいて、そして参考人の今日の先生方の御意見をも含めて更に議論を深めさせていただきたいというふうに思いますので、引き続き、いろいろな形での御助言や御指導を賜りたいというふうに思います。
ありがとうございました。
谷
藤
藤岡隆雄#23
○藤岡委員 立憲民主党・無所属の藤岡隆雄でございます。
まず、本日は、四人の参考人の先生方、本当に専門的な見地から貴重な御意見、陳述をいただいたことに、僭越ながら、心から感謝を申し上げたいと思います。
お聞きをしておりまして、本当に先生方、皆さん、子供たちを守るんだという熱い思いが非常に伝わってくるような意見陳述であったというふうに私は思っておりますので、この後、御質問を更にさせていただいて、ちょっといろいろ勉強させていただきたいというふうに思っております。私も、十三歳未満といいますか、娘がおりまして、本当に私も、この子供たちを守るということをしっかりやっていかないといけないというふうに改めて思っております。
その中で、まず、寺町参考人にお伺いをしたいと思うんですけれども、五月十四日の我が党の早稲田ゆき委員の質問に対する答弁を踏まえて、今、署名活動というのが開始されていると思います。それは、いわゆる日本版DBSの法案の対象に下着の窃盗やストーカーを含めてくださいというふうな署名が一日で約二万筆を超えたということについて、寺町参考人の御見解をお伺いできたらと思います。
この発言だけを見る →まず、本日は、四人の参考人の先生方、本当に専門的な見地から貴重な御意見、陳述をいただいたことに、僭越ながら、心から感謝を申し上げたいと思います。
お聞きをしておりまして、本当に先生方、皆さん、子供たちを守るんだという熱い思いが非常に伝わってくるような意見陳述であったというふうに私は思っておりますので、この後、御質問を更にさせていただいて、ちょっといろいろ勉強させていただきたいというふうに思っております。私も、十三歳未満といいますか、娘がおりまして、本当に私も、この子供たちを守るということをしっかりやっていかないといけないというふうに改めて思っております。
その中で、まず、寺町参考人にお伺いをしたいと思うんですけれども、五月十四日の我が党の早稲田ゆき委員の質問に対する答弁を踏まえて、今、署名活動というのが開始されていると思います。それは、いわゆる日本版DBSの法案の対象に下着の窃盗やストーカーを含めてくださいというふうな署名が一日で約二万筆を超えたということについて、寺町参考人の御見解をお伺いできたらと思います。
寺
寺町東子#24
○寺町参考人 御質問ありがとうございます。
下着窃盗については財産犯であるとか、あるいは、ストーカー規制法については特定個人に向けられたものであるとかいうことでの御答弁があったように伺っております。
これにつきましては、むしろ加害者臨床をやっていらっしゃる方の専門的知見を私自身もお伺いしたいところではございますが、他方で、やはりストーカー規制法違反の場合などですと、被害者に対して支配の感情を持って、言うとおりにならないから、それをストーカー行為にぶつけていくという意味では、ターゲットが変われば、人に対して攻撃をしていくという意味で類似性があるのではないかとか、あるいは、下着窃盗の場合にも、盗んだ下着を用いて性的な自慰行為をしたりとか、あるいは、これに関わってですけれども、性犯罪として処罰されない類型で、電車内で制服に精液をかけられるような事案が器物損壊罪にしかならないということで対象になっていないとかいうところでは、実質は性犯罪なのに対象外になっているものということについて、やはり、犯罪を犯した方の心理と、子供に関わる仕事から外していくことの必要性というところについてきちんと調査をして、今後、範囲を拡大していくべきではないかというふうに考えております。
以上です。ありがとうございます。
この発言だけを見る →下着窃盗については財産犯であるとか、あるいは、ストーカー規制法については特定個人に向けられたものであるとかいうことでの御答弁があったように伺っております。
これにつきましては、むしろ加害者臨床をやっていらっしゃる方の専門的知見を私自身もお伺いしたいところではございますが、他方で、やはりストーカー規制法違反の場合などですと、被害者に対して支配の感情を持って、言うとおりにならないから、それをストーカー行為にぶつけていくという意味では、ターゲットが変われば、人に対して攻撃をしていくという意味で類似性があるのではないかとか、あるいは、下着窃盗の場合にも、盗んだ下着を用いて性的な自慰行為をしたりとか、あるいは、これに関わってですけれども、性犯罪として処罰されない類型で、電車内で制服に精液をかけられるような事案が器物損壊罪にしかならないということで対象になっていないとかいうところでは、実質は性犯罪なのに対象外になっているものということについて、やはり、犯罪を犯した方の心理と、子供に関わる仕事から外していくことの必要性というところについてきちんと調査をして、今後、範囲を拡大していくべきではないかというふうに考えております。
以上です。ありがとうございます。
藤
藤岡隆雄#25
○藤岡委員 ありがとうございます。
先ほど田中委員からもありましたけれども、ある意味、早急に進化をさせていく必要があるところなのかなというふうにも今感じます。
嶋田参考人にも今の点をお聞きしたいんですが、最後にある犯罪類型というところ、いろいろな治療支援をされているその専門的な見地からも、こうしたいわゆるストーカー、下着窃盗等、やはりこれを含めていくということ、今、本当に署名が急速に集まっているという状況ですけれども、これについて嶋田参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →先ほど田中委員からもありましたけれども、ある意味、早急に進化をさせていく必要があるところなのかなというふうにも今感じます。
嶋田参考人にも今の点をお聞きしたいんですが、最後にある犯罪類型というところ、いろいろな治療支援をされているその専門的な見地からも、こうしたいわゆるストーカー、下着窃盗等、やはりこれを含めていくということ、今、本当に署名が急速に集まっているという状況ですけれども、これについて嶋田参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
嶋
嶋田洋徳#26
○嶋田参考人 御質問ありがとうございます。
今、ただいま御質問をいただきました点につきましては、一般的には、個人の性的嗜好の個人差が結構ございますので、簡単に言いますと、そういった同様の手口だけを行っているものと、それが様々やる中の一形態であるということが実際には難しいところでございます。
最後の方に先ほども申し上げさせていただいたんですが、立件された本件がどのような内容かによってDBSの対象になったりならなかったりするというのは若干懸念がございまして、その方の、可能であれば、立件された内容だけではなくて、そういった履歴、可能であれば暗数も含めてということになるんですけれども、そういったことを調べることができれば。その危険性というのはあるのかなと思います。
簡単に言うと、痴漢だけをされる方もいらっしゃれば、痴漢と強姦をされる、そういう方もいらっしゃる。そういった方の中で、どれによって適用が行われるかどうかというのは少し懸念がございます。そのようなところです。
この発言だけを見る →今、ただいま御質問をいただきました点につきましては、一般的には、個人の性的嗜好の個人差が結構ございますので、簡単に言いますと、そういった同様の手口だけを行っているものと、それが様々やる中の一形態であるということが実際には難しいところでございます。
最後の方に先ほども申し上げさせていただいたんですが、立件された本件がどのような内容かによってDBSの対象になったりならなかったりするというのは若干懸念がございまして、その方の、可能であれば、立件された内容だけではなくて、そういった履歴、可能であれば暗数も含めてということになるんですけれども、そういったことを調べることができれば。その危険性というのはあるのかなと思います。
簡単に言うと、痴漢だけをされる方もいらっしゃれば、痴漢と強姦をされる、そういう方もいらっしゃる。そういった方の中で、どれによって適用が行われるかどうかというのは少し懸念がございます。そのようなところです。
藤
藤岡隆雄#27
○藤岡委員 本当に、早急に進化をさせていかないといけないのかなというふうに改めて感じました。
末冨参考人にお伺いしたいと思うんですが、本日もイギリスの例、本当に参考に、非常に専門的な見地からの御意見に感謝を申し上げたいと思うんですが、今回の法案で、まさに例えば進化をさせていくべきところ、ある意味、早急に検討していく優先順位が高いところという点ですね。
例えば、先ほど、子供食堂、フリースクール、サマーキャンプ、まさにこういうところ。サマーキャンプは本当に入るのか。こういう運営、ボランティア団体もDBSを活用をという点も先ほど、ここにも書かれておりますけれども、更に検討を早急に進めていく優先順位が高いもの、このイギリスの例も参考にして、末冨参考人の御意見を伺えればと思います。
この発言だけを見る →末冨参考人にお伺いしたいと思うんですが、本日もイギリスの例、本当に参考に、非常に専門的な見地からの御意見に感謝を申し上げたいと思うんですが、今回の法案で、まさに例えば進化をさせていくべきところ、ある意味、早急に検討していく優先順位が高いところという点ですね。
例えば、先ほど、子供食堂、フリースクール、サマーキャンプ、まさにこういうところ。サマーキャンプは本当に入るのか。こういう運営、ボランティア団体もDBSを活用をという点も先ほど、ここにも書かれておりますけれども、更に検討を早急に進めていく優先順位が高いもの、このイギリスの例も参考にして、末冨参考人の御意見を伺えればと思います。
末
末冨芳#28
○末冨参考人 御質問ありがとうございます。
優先順位が高いのは、やはり子供の安全保護の責任体制の明確化であると存じます。
英国の仕組みにおきまして最も特徴的であるのは、DBSとともに、子供安全保護主任、子供安全保護チームの設置、任命が、学校、園だけではなくて、網羅できるあらゆる種類の事業主さん、非営利団体に義務づけられているという点にございます。
その点につきましては、まだ今回の法案は最初の法案であるということで、ここから取り組むために必要な規定はされていると存じますけれども、今後の取組を踏まえて、是非とも安全保護の責任体制というものも法規定に明示し、かつ、国としての支援体制というものも明記いただきたく存じます。
以上でございます。
この発言だけを見る →優先順位が高いのは、やはり子供の安全保護の責任体制の明確化であると存じます。
英国の仕組みにおきまして最も特徴的であるのは、DBSとともに、子供安全保護主任、子供安全保護チームの設置、任命が、学校、園だけではなくて、網羅できるあらゆる種類の事業主さん、非営利団体に義務づけられているという点にございます。
その点につきましては、まだ今回の法案は最初の法案であるということで、ここから取り組むために必要な規定はされていると存じますけれども、今後の取組を踏まえて、是非とも安全保護の責任体制というものも法規定に明示し、かつ、国としての支援体制というものも明記いただきたく存じます。
以上でございます。
藤
藤岡隆雄#29
○藤岡委員 国としての支援体制というところまで含めてというところの貴重な御意見、ありがとうございます。
続きまして、渡邉参考人にお伺いさせていただきたいと思うんですが、先ほど、いろいろな教職課程のコアカリキュラムの話や学校における空き教室の問題等々、本当に、まさに参考になる大変貴重な御意見をいただいたと思っておりまして、本当に感謝申し上げたいと思っております。
今回、学校だけでなくて、僭越ですけれども、いわゆる認定対象となる、民間の様々な事業者等々に、そういう認定を受けることができるということになるわけですけれども、学校における今までの取り組んできたことを参考に、改めて、認定を受けるところに対して、こうしてまさにある意味初犯を起こさせないような対応として、参考人の、こういうところを特に措置を取った方がいいんじゃないかというところなどにつきまして、御意見を伺えれば幸いでございます。
この発言だけを見る →続きまして、渡邉参考人にお伺いさせていただきたいと思うんですが、先ほど、いろいろな教職課程のコアカリキュラムの話や学校における空き教室の問題等々、本当に、まさに参考になる大変貴重な御意見をいただいたと思っておりまして、本当に感謝申し上げたいと思っております。
今回、学校だけでなくて、僭越ですけれども、いわゆる認定対象となる、民間の様々な事業者等々に、そういう認定を受けることができるということになるわけですけれども、学校における今までの取り組んできたことを参考に、改めて、認定を受けるところに対して、こうしてまさにある意味初犯を起こさせないような対応として、参考人の、こういうところを特に措置を取った方がいいんじゃないかというところなどにつきまして、御意見を伺えれば幸いでございます。