井原聰の発言 (内閣委員会)
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○参考人(井原聰君) ありがとうございます。
二点あると思うんですが、一つは、日本の科学研究の土台がかなり厳しい状況になっていくだろうというふうに思って、先ほどもちょっと指摘したんですけれども、目利きの方がこの研究面白い、あの研究が面白い、その面白いという内容はどういうのかというのはさておきまして、これ使えるぞというふうなことでピックアップしていくと研究分野が食い荒らされてしまう。特に先端分野はかなりいろいろ競っていますから、そこのところだけ、一個だけ引き抜いて、これはこっちに囲い込んで予算も付けてというふうな形になると、そこは秘密になっちゃいますから、そこで得られた成果というのは外に出てこないんですね。本当は、研究そのものは相互に批判し合いながら育っていくものですが、それなくなっちゃうと採用されなかった人たちの研究も非常に厳しくなると、そういうような意味合いが一つあります。
それからもう一つは、研究者にどれだけの情報が機微情報として与えられるのか。私は、その機微情報、機微情報と言っている大半は軍事情報だというふうに理解しているんですよね。そこのところをどなたも御指摘なさらずに、一般的な情報というふうにおっしゃっているけれども、私はもう非常に明確に軍事情報というふうに考えていまして、そういうふうなところで実は研究者が絡め取られていくということで、個人の研究者としては、予算がないし、情報もそういうのをもらえるといいねと。でも、その情報というのはどの程度の情報なのか。実験データのデータだけなのか、もっとひっくるめてこういうもの、それはもう行政官庁だけが知っているという話になっているわけでね。
アメリカの場合は、どういうことを規定するかという枠組みがちゃんとあるわけですよね。ところが、日本はそういうのないですから、もう任せっ放しになるわけで、そんなことを考えると、基本的には、研究者が食い荒らされる形で放り出されるということもあって、特に日本の場合は研究者というのは集団で研究していますから、しかもその大半は任期制の若手の研究者で、一人だけ、二人だけがそのリーダーになっていて、でも、そのリーダーがそういう研究の中に取り込まれていったらこの人たちどうするのというそういう問題が、実際にはドクター論文なんか書くときにどこまで書いていいのという話に当然なるわけですよね。それはいろいろと機微な問題があるのでここでは触れませんけれども、だから、そういう研究者の仲間もできるだけ離れていく。
例えば、セキュリティークリアランスを取ったというのは、人だけじゃなくて研究施設そのものがクリアランスされないといけないので、そういうクリアランスを持っていない研究機関、大学というのはどうするのというときに、先ほどもちょっと触れたんですけれども、そういう人は、そのセキュリティークリアランス取って、面白い研究できるところはできるところで、移籍したらいいじゃないですか。これ、有識者会議でそう語られていますよね。それは、もうまさに今言ったような研究範囲の中でいうと、本当に攪乱されてしまうような内容になってくるというふうに考えております。
以上です。