鳥井一平の発言 (法務委員会)

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○参考人(鳥井一平君) この三十年の中を見てみますと、私は直接には一九九八年からですから、もう二十六年間ぐらいずっと現場を回ってきました。
 先ほど申し上げましたけれども、もうとんでもない社長なんかはごくごく一部です。ほとんどの方は普通の方。それで、大体が一年目は、今おっしゃっているようなことでいいますと、外国人の労働者受入れということで、優しく丁寧にやったりするんですよ。ところが、そのうちだんだん、あらっと社長が気が付くことがあるんですね。これは何を言っても大丈夫だなと。つまり、辞める権利がないということですね。これで社長たちがだんだん心が惑わされていくといいますか、なっていくわけですよ。
 ですから、この労働者の受入れにとって一番大切なことは何かというと、労使対等原則がどう担保されるのか。つまり、社長さんは採用するときに選べますね、採用権があるわけです。で、辞めさせること、解雇権持っています。これに対して労働者はどういう権利を持つのかというと、企業、社長を選ぶことができる。そしてもう一つは、辞めることができる。これが基本的な労使対等原則の根本なわけですよね。それがないと社長さんたち、緊張感持たないんですよ。
 つまり、一九八〇年代後半から二〇〇〇年にかけるまでの非正規滞在者が働いていた時代というのは、比較的自由闊達だったのは、社長さんたちは非常に努力されました。例えば、あの時代にイスラム教の人がたくさん入ってきました。職場でやっぱりイスラム教を尊重して働いてもらわないと駄目なので、そういうことにして、非常に本当に中小零細企業の社長さんがイスラム教の勉強をしたり、いろんな努力したり、あるいはベンガル語やウルドゥー語やアラビア語で機械の取扱説明なんかを書いたりするんですね。辞めてもらったら困るからです。そうでなかったら、働きにくかったら辞めるわけですよ。これが労働者の受入れ制度の中でどのように担保されていくのか。
 つまり、労働者の活力も、私たちの社会がそのことを使わせていただくということでないと駄目なわけですよ。現に、今の日本社会においても、単純労働というお言葉ですけれども、単純労働からスタートするんです。働くということは、何かその技術がいきなりあるわけじゃなくて、あるいはどこかの学校で勉強して、あるいは職業訓練校で勉強してくるわけじゃなくて、現場で下働きしながら、自分に見合った、向いた仕事、スキルアップをしていくというのが実態なわけですよね。
 そうすると、やはり、労使対等原則が担保される中で使用者が緊張感を持っていくということが、何よりも人権や労働基準法を担保することになるだろうと思います。来た外国人労働者も、これもまたこの社会の一つの大切な一人だと、うちの会社の担い手だと、あるいは家に帰ったら地域の担い手になってくれるなということを社長さんたちが理解するということじゃないでしょうか。

発言情報

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発言者: 鳥井一平

speaker_id: 269

日付: 2024-05-30

院: 参議院

会議名: 法務委員会