横田哲也の発言 (北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会)
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○参考人(横田哲也君) 皆様、こんにちは。私は、家族会で事務局次長を務めております横田哲也と申します。双子の弟の方でございまして、兄は家族会代表をしております。
去る五月の二十八日に、衆議院の拉致特別委員会で兄が拉致に関する考え方とか思うことをお話をさせていただく場を頂戴しておりますけれども、本日、私がこの参議院の拉致特別委員会でお時間を頂戴しておりますことを心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
私たち家族会は、拉致問題の解決並びに世論喚起を目的としまして、定期的に国民大集会という名の集会を開催しておりまして、拉致被害者を救出するための運動方針を発表しております。各政党から代表若しくは拉致関連に関する代表の責任者の方にお越しいただいておりますけれども、一度もお越しいただけていない政党の方もいらっしゃいますので、私たちが直近で取り組んできたことですとか、また救出に向けてどう動くことがよいと考えているのかなどにつきまして、簡潔に御説明をさせていただきたいと考えております。
私の姉、横田めぐみは、昭和五十二年、西暦で言えば一九七七年になりますけれども、十一月十五日に新潟で突如姿を消しました。姉は当時中学一年生の子供ですけれども、現在はもう既に五十九歳、間もなく還暦になります。実に四十六年以上も前に起こったことになりますけれども、四十六年経過しても、この国は、日本国はこの同胞を取り戻すことができていない、これが現実かと存じます。もっと正確に言えば、何ら進展していないのが実情でございまして、日本政府はもっと怒りを持って北朝鮮に対峙してほしいと思っております。
今申し上げたその怒りとは何かということですけれども、これは、我が国の主権が侵害され、自国民の命に危険が及んでおり、かつ人権がじゅうりんされているということでございます。
これは本当釈迦に説法でございますけれども、私たち日本人は学校教育で主権という言葉は習ってきましたけれども、実感や現実感がないのではないかというふうに考えております。分かりやすいイメージで申し上げれば、自分の家に強盗が押し入り、何よりも大切な我が子であったりペットを連れ去って、解放してほしければ金を出せと、そういった状況に近いんじゃないかなというふうに考えております。そのような卑劣な人間を野放しにしていては駄目なわけでございまして、全力で解決に向けて動くのが筋ですし、譲歩している場合ではないというふうに考えております。
話を少しまた戻しまして、横田めぐみが拉致された事件は四十六年前のことでございますけれども、決して過去にあったことではなくて現在進行形であるということを、ここに今日御出席の先生方にも御認識を再度お願いしたいと考えております。誰一人知らない異郷の地に連れていかれ、親や友人と一言も話すことができず、かつ二十四時間監視され、そして、日本のような自由主義社会ではないことから、いつ誰かに密告をされて強制収容所に送られるか分からないという恐怖におびえ、毎日が苦労と疲弊の連続だと、そういうふうに感じております。
少し話を変えますけれども、私たち家族会は拉致被害者を救出するための運動方針を策定しておりまして、定期的に見直しを図る中で、直近では本年の二月二十五日に改定をしております。内容は、もういろいろなところで御覧になられているとは存じますけれども、親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が国が北朝鮮に人道支援を行うことに反対しない、ここまでは従来の内容と同じでございます。そして、そこから追加したこととして、我が国が掛けている独自制裁を解除することに反対しない、こういった文言を今回加えたというものでございます。
この新方針につきましては、本年のゴールデンウイークに、家族会、救う会、拉致議連の三団体をもって訪米しまして、アメリカの国家安全保障会議、国務省、財務省、上下両院議員、シンクタンクの方々に説明をさせていただきまして、どなたからも異論なく御理解をいただいたと訪米した家族の者から聞いております。
運動方針の前半部分である、親の世代の家族が存命のうちに拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が国が北朝鮮に人道支援を行うことに反対しないということですけれども、もう少し踏み込んで申し上げるとしますと、親世代の人に万が一が起こった後に拉致被害者が日本に帰ってきても日本国民は北朝鮮を許さないということでありまして、これまでの運動方針を翻して、強硬な手段を講じるように日本政府に迫ることがあり得るということを申し上げておきたいと考えております。また、これまでにいろんな国民大集会等で申し上げておりますけれども、全拉致被害者の即時一括帰国が実現するなら、私たちは帰還した被害者やその家族に秘密の公開を求めるつもりはないとも述べております。
私たち家族会が求めていることは極めてシンプルなことでございまして、日本人拉致被害者を日本に、日本国に、そして親元に帰しなさいということだけでございます。金正恩総書記におかれましては、北朝鮮自身が明るい未来を描くために賢明な判断を下してほしいと思っております。
北朝鮮は、現在の貧困状態から脱却するために、日本人拉致問題を交渉材料としまして日本に対して様々な角度からアプローチしてくることが予想されますが、その際に、北朝鮮は自国に有利な工作活動を行い、幕引きを図ってくることが容易に想像できますし、これまでもそうでございました。どうか日本政府はだまされないでいただきたい、その日本政府を支えるここの国会議員の先生方もどうぞ日本国政府をサポートしていただきたいと考えております。
また、北朝鮮は、これまでと同じように、日朝双方に連絡事務所を置いて、一緒に解決に向けて取り組みましょうといったようなことを必ず言ってくることが考えられます。
この連絡事務所の設置についてもう少し詳しく述べていきたいと思うんですけれども、結論から申し上げますと、日朝双方に連絡事務所を設置する必要はないということでございます。それはなぜかと申しますと、北朝鮮には生活総和というのがあるからでございます。生活はライフの生活、総和の総は総合の総、和は平和の和、生活総和があるからでございます。
これは何かといいますと、毎週、週末に北朝鮮の全ての国民が、職場であったり地域コミュニティーなどで自己批判をして、また他人の批判をして、この一週間にいかに自分が政府の方針に従えていなかったかというのを言わなきゃ駄目なんですね。また、他人を批判して、駄目じゃないかというふうなことが毎週末行われているんです。その発言した内容というのは全部当局の管理者に吸い取られて、その情報は全部上に上がっているんです。つまり、誰が何を言ったかというのを全部北朝鮮政府は分かっているんです。という現実にもかかわらず、どこにいるから、分からないから日朝連絡事務所を置きましょうということ自体がうそなんです。そんなことにだまされてはいけないんです。
にもかかわらず、連絡事務所を置きましょうということに同意する国会議員の先生もいれば、メディアの人もいますし、学者の人もいるのは私は知っています。そういう人たちは、私からすると、全く現実、実情が分かっていないか、若しくは北朝鮮の息が掛かった人間じゃないかなと思っております。なので、そういう人がいれば、私たちは徹底的にそうじゃないんじゃないかと申し上げますし、今日ここに御参加の国会議員の先生方も、周りにそういうことを言う先生方がいれば、また学者とかメディアが、官僚とかがいれば、そうじゃないだろうと、生活総和というのがあるんじゃないのかと、みんな知っているでしょうということを是非お伝えいただきたいというふうに考えております。
最後に、一日も早く拉致問題を解決するために何ができるかを日々御検討をいただきまして、そして実行をしていただきたいと思っております。
私たち家族会は、いろいろ、救う会のサポートであったり、今日御参加の国会議員の先生方、外務省や拉致問題対策本部等の協力なくして何もできない存在でございますけれども、とにかく正しいと思うことを絶対にぶれずに発言して、結果を出して、苦しんでいる同胞をこの我が国に取り戻したいと思っておりますので、引き続き御支援、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。