鈴木俊一の発言 (本会議)
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○国務大臣(鈴木俊一君) 柳ヶ瀬裕文議員の御質問にお答えいたします。
まず、政治資金と納税の関係についてお尋ねがありました。
政治資金については、それが政治家の関連政治団体又は政治家個人のいずれかに、いずれに帰属するかによって課税関係が異なるため、個々の事実関係を精査する必要があります。
その上で、政治家個人に帰属する場合には所得税の課税関係が生じることがありますが、所得税については、申告納税制度の下、国会議員であれ、一般の国民の方々であれ、まずは納税者において御自身の収入や経費を計算し、所得が発生した場合には申告していただくことになります。
関係する議員におかれては、説明責任を果たすという意味でも、自らの課税関係をしっかり確認し、法令等にのっとった判断をすることで疑義を晴らしていただくことが重要と考えております。
次に、デフレ脱却の判断等についてお尋ねがありました。
日本経済は、高水準の賃上げや過去最大規模の設備投資、解消されつつある負のGDPギャップなど、経済には前向きな動きも見られ、デフレ脱却に向けて千載一遇のチャンスを迎えていると認識しております。
一方で、物価の基調や背景を総合的に考慮すると、現在、日本経済は再びデフレに戻る見込みがないと言える状況には至っておらず、デフレからの脱却したとまでは考えておりません。
物価や賃金の動向は様々な要因に左右されるため、今般の税制改正が実質賃金に与える影響についてお答えすることは困難ですが、税制以外の政策も含め、税制以外の政策も併せて講じることにより、所得の伸びが物価上昇を上回る状況をつくり出したいと考えております。
次に、消費減税と定額減税についてお尋ねがありました。
今般の減税については、賃上げが物価高に追い付くことができるかどうかの端境期に当たる来年度に集中的に所得の下支えを行うことで、所得の伸びが物価上昇を上回る状況をつくり、デフレマインドの払拭につなげることを政策目的としております。したがって、所得を直接下支えすることができる所得税、住民税の定額減税という形で実施することとしたものです。
消費税については、年々増加する社会保障給付費の財源確保が課題となる中で、全世代型社会保障制度を支える重要な財源と位置付けられていることから、その引下げを行うことは適当でないと考えております。
次に、定額減税の令和七年度以降の実施についてお尋ねがありました。
今般の定額減税は、単年度の消費刺激効果にとどまらず、賃金上昇と相まって所得の伸びが物価上昇を上回る状況をつくることによりデフレマインドを払拭するきっかけとするために実施するものであることから、複数年度にわたって実施することは考えておりません。
なお、政府のみならず民間エコノミストの分析においても、令和六年度の賃金上昇率は、上昇率が物価上昇率にほぼ追い付く姿が描かれているものと承知しており、こうした賃金上昇に定額減税等の効果を加えることにより、所得増が消費や投資、ひいては更なる賃上げにつながる経済の好循環を実現していきたいと考えております。
次に、プラットフォーム課税の導入による影響等についてお尋ねがありました。
本制度の導入により、デジタルサービスを提供する国外事業者に代わってプラットフォーム事業者から適正に納められることとなる消費税額は、国、地方合わせて平年度で約二百三十億円と見込んでおります。また、プラットフォームを、プラットフォームを介して国内にデジタルサービスを提供する国外事業者の主要な国籍は中国、米国、アイルランドや韓国であると承知しております。
次に、プラットフォーム課税の改正の意義についてお尋ねがありました。
近年、デジタルサービス市場が拡大する中、国外の事業者もプラットフォームを介して容易に国内市場に参入できるようになっています。このような国外事業者にも国内の事業者と同様に消費税の申告義務が課せられていますが、国外事業者の中には無申告や滞納等により納税義務を果たしていない事業者も多くあるものと承知しています。
こうした状況を早期に是正し、適正に納税を行っている国内事業者との間で公平な競争条件を整える観点から、今般、プラットフォーム課税を導入することとしたものです。
次に、長期間継続している租税特別措置の取扱いについてお尋ねがありました。
租税特別措置はそれぞれ特定の政策目的に基づくものであり、長期間継続をしていることのみをもって、一律に原則的な取扱いを定める法人税法等の一般法に規定することは適切でないと考えております。
その上で、租税特別措置は基本的に税制の公平、中立、簡素の基本原則の例外として位置付けられているものであり、引き続き、適用期限到来時などの際に必要性等をよく見極めた上で、適用期間の延長や廃止等の見直しを行ってまいります。
次に、賃上げ促進税制の検証についてお尋ねがありました。
賃上げは企業の業績など様々な要因に影響されるため、賃上げ促進税制の効果だけを取り出して申し上げることは困難でありますが、本税制が幅広い企業の賃上げに活用されていることを踏まえれば、三十年ぶりとなる昨年の高い賃上げにも一定程度寄与しているものと考えております。
その上で、今般の見直しに当たっては、令和四年度の申告事績を分析した結果、本制度を適用した大企業の大部分が現行の最大の要件である四%の賃上げ率を満たしていたことなどを踏まえ、更なる賃上げを促進するため、一定の大企業には新たに七%までの賃上げ要件を設けることとしております。
次に、雇用の流動化を主眼とする税制改正についてお尋ねがありました。
今般の税制改正では、成長意欲のある中堅・中小企業が複数回のMアンドAを実施する場合、損金算入できる積立金の積立率を拡充するとともに、その据置期間を延長することとしています。
こうした措置により中小企業の従業員の雇用を確保しつつ、成長分野への円滑な労働移動を促進し、ひいては中小企業の賃上げにつながることを期待しております。
次に、賃上げ促進税制における繰越控除措置の効果についてお尋ねがありました。
今回の税制改正では、これまで賃上げ促進税制を活用できなかった赤字の中小企業に対し、五年間の繰越控除制度を創設しています。
中小企業については、連続した赤字の期間が一年から三年の企業が八割超である一方、そのうち約八割の企業が五年以内に繰越欠損金を解消し得るとの中小企業庁の調査結果も示されているところであり、こうした点も踏まえれば、長期の繰越期間を措置することにより、赤字法人を始め幅広い中小企業に対して賃上げのインセンティブが働くものと考えております。
次に、人材移動と賃上げについてお尋ねがありました。
まず、MアンドAについては個々の企業の経営判断に基づいてなされるものであり、コメントすることは差し控えますが、政府としては、成長企業のみならず赤字企業も含めた幅広い企業における賃上げが重要であると考えており、今般、賃上げ促進税制の抜本的な拡充を行ったところです。
その上で、高い賃金が高いスキルの労働者を引き付け、それが生産性の向上につながり、更なる賃上げにつながっていくこと、つながっていくといった好循環を生み出していくことが重要であり、成長分野への労働移動の円滑化を始めとする三位一体の労働市場改革などを着実に進めてまいります。
最後に、MアンドAに関する新たな税制措置についてお尋ねがありました。
MアンドAの準備金制度については、MアンドA後に簿外債務が発覚した場合等に備え、準備金を積み立てる時点では損金算入を認めることで課税を繰り延べるものであり、取崩し益を益金不算入とすることは適切でないと考えております。
また、MアンドA時の旧経営者等の株式譲渡所得に対する税率の軽減についても、税負担の公平性や租税回避に用いられる可能性等の観点から極めて慎重な検討が必要と考えております。
他方で、今般の税制改正では、中堅・中小企業による複数回のMアンドAを後押しする措置を講じているところであり、こうした措置により継続的な賃上げにつながることを期待しているところであります。(拍手)
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