鈴木俊一の発言 (本会議)
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○国務大臣(鈴木俊一君) 大塚耕平議員の御質問にお答えいたします。
まず、定額減税に関する公表資料についてお尋ねがありました。
定額減税に関するQアンドAについて、公表前に報告は受けておりませんが、国会において法案が審査され成立した場合に備えて、事業者に制度案の詳細を周知広報するための資料であると承知しております。定額減税の実施に当たって、事業者の方々の御協力が不可欠である中、早期に準備に着手をしていただくために必要な広報資料であると考えております。
次に、定額減税に関する公表時期についてお尋ねがありました。
今般の定額減税については、源泉徴収義務者が早期に準備に着手できるよう、平成十年の特別減税の実施時と同様、法案の国会提出前に制度の詳細について公表することといたしました。
公表されたQアンドAにおいては国会審議を経て法案が成立した場合であるものと明記しているため、国会軽視との御指摘は当たらないものと考えております。
次に、定額減税等の仕組みについてお尋ねがありました。
今般の所得税の定額減税については、所得の上昇をより強く実感していただくため、分かりやすい減税という方法を採用する中で、できる限り早くその恩恵を届けるという観点から、平成十年の特別減税と同様に、減税し切れなかった額について翌月以降に繰り越す仕組みとしています。その上で、可能な限り公平性を確保する観点から、定額減税し切れないと見込まれる額については給付金として支給することとしております。
次に、所得制限により定額減税の返還が生じる納税者数についてお尋ねがありました。
今般の定額減税については、合計所得金額一千八百五万円超の納税者を対象外としていますが、この結果、対象外となるのは全納税者約六千百万人のうち約七十万人程度と推計しています。このうち、確定申告以前に減税が行われ、対象外とする措置の結果として確定申告時に返還を要することとなる納税者の人数については推計は困難であると考えております。
次に、定額減税を実施するための周知についてお尋ねがありました。
所得税の定額減税の実施に当たっては、御指摘の点を含め、実務上の論点について十分に周知する必要があると考えております。具体的には、国税庁においてホームページに専用サイトを開設し、QアンドA等を掲載したほか、今後、全ての源泉徴収義務者に対してパンフレットを送付するとともに、全国で実務担当者向けの説明会を開催することとしております。
次に、所得制限により定額減税の返還が生じる高齢者数についてお尋ねがありました。
定額減税の対象外となる約七十万人程度の納税者のうち、一旦減税を受けた上で確定申告後に所得税の納付を要する高齢者の人数を推計することは困難であると考えております。
次に、定額減税の適用の選択についてお尋ねがありました。
給与所得者の定額減税については、あらかじめ減税の適用を選択していただくのではなく、六月の時点では一律に企業において減税を行うこととしていますが、これは、各企業において従業員の給与以外の所得も含めた年末までの所得額を六月の時点で見込むことは困難であることや、年間所得が見込みを下回った場合には年末に追加で減税が必要となること等の問題点を踏まえて判断したものであります。
次に、定額減税への対応コストについてお尋ねがありました。
定額減税への対応については、政府及び地方自治体では他の税制改正の対応等と一体となって行われるほか、企業では税務処理の方法が様々であるため、定額減税に要するコストを試算することは困難であると考えております。
次に、過年分所得を基準とした減税についてお尋ねがありました。
企業は従業員の年末調整時の情報は把握しているものの、その後の確定申告の情報を把握していないため、過年分所得を基準に減税する場合、例えば確定申告で税額がゼロになった場合でも、企業は過年分の税額があったと誤解して過度に減税してしまうといったことが生じる可能性があります。
昭和五十二年と五十三年に過年分を基準として減税を行った際には、こうした弊害を避けるべく、企業が対象者数や減税額に関する書類を税務署に提出し、税務署がその中で減税できない方を企業に通知することとし、膨大な事務負担が発生しました。こうした事務コストを極力減らすべく、それ以降の減税は全て現年分所得を基準として行っており、今回も同様の扱いとしたところです。
次に、定額減税に関する特殊詐欺の懸念についてお尋ねがありました。
国税当局においては、ホームページ等において定額減税に関する不審な電話等に注意するよう周知しているところです。今後とも、状況を注視しつつ、納税者に対して注意喚起を行ってまいります。
次に、定額減税と給付の間の不公平感についてお尋ねがありました。
今般の給付金は、住民税非課税世帯のみならず、住民税均等割のみが課税されている、される世帯の方にも一世帯当たり十万円を支給することとしております。また、定額減税し切れないと見込まれる約二千三百万人の納税者の方には、定額減税し切れないと見込まれる額を支給することとしており、可能な限り公平性を確保できているものと考えております。
次に、賃上げ促進税制の効果についてお尋ねがありました。
今般の改正において、大企業には段階的に七%までの更に高い賃上げ要件を創設し、中小企業には赤字の中小企業にも賃上げのインセンティブとなるよう繰越控除措置を創設するなど、思い切った措置を講じることとしており、強化された賃上げ促進税制を活用して持続的な賃上げが実現していくとの効果があるものと考えております。
今回の見直しは、赤字の中小企業を含め賃上げの裾野を広げるものであると考えており、御指摘のようなマイナス効果は必ずしも想定しておりませんが、今回の改正がもたらす影響については不断の検証を行ってまいりたいと考えております。
次に、社会保険料の負担軽減策についてお尋ねがありました。
社会保険制度は相互扶助の考え方が基盤であり、必要な保険料を御負担いただくことを基本としつつ、所得に応じて保険料負担を軽減する仕組みにより低所得者の負担に配慮しているものと承知しております。
御提案のように幅広い方々を対象に保険料の減免を行うことは、給付と負担の対応関係をゆがめるなど社会保障制度に与える影響が大きく、保険者の実務上の負担など課題も多いことから、慎重な検討が必要であると考えております。
その上で、政府としては、賃上げ促進税制の強化、労働市場における三位一体の改革、企業の価格転嫁を促す政策などにより国民の可処分所得の増加を図ってまいりたいと考えております。
次に、プラットフォーム課税についてお尋ねがありました。
プラットフォーム課税の対象となる事業者については、国外事業者に代わり納税義務を負うことから、税務コンプライアンスや事務処理能力が高い事業者であるべきことや、国外事業者によるデジタルサービスの大部分をカバーする必要があることを勘案し、国外事業者が国内向けに行うデジタルサービスの取引額が五十億円超であることとしたところであり、これを直ちに見直すことは考えておりません。
また、今後、プラットフォーム事業者による納税状況など制度の実施状況も踏まえつつ、国外事業者の実態把握に努めてまいります。
最後に、少額輸入貨物の免税制度についてお尋ねがありました。
主要国における免税制度については、例えばカナダでは付加価値税及び関税について免税枠が設けられている一方、EUでは付加価値税の免税枠は廃止されているものと承知しています。我が国においては、平成元年の消費税の導入に伴い、輸入を行う納税者の事務負担の軽減に資するとともに、税関における円滑な通関処理を維持するため、課税価格の合計額が一万円以下の少額輸入貨物について原則として消費税及び関税を免除する制度を設けました。
近年、越境電子商取引の拡大に伴い輸入貨物が急増しているため、引き続き円滑な国際物流を確保する観点から、制度の廃止には慎重な検討が必要になるものと考えております。(拍手)
〔国務大臣武見敬三君登壇、拍手〕