武見敬三の発言 (本会議)

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○国務大臣(武見敬三君) 高木真理議員の御質問にお答えをいたします。
 育児、介護などの人の営みと経済活動としての仕事との関係性についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、仕事という経済活動の在り方については、育児、介護を含む家庭生活と切り離して考えるべきではなく、その双方とも人々の生活を構成する重要な要素として、各人の希望を踏まえて両立されるべきものと考えます。
 このため、今回の法案においては、男女とも育児、介護といった労働者の家庭責任や生活における希望に対応しつつ、仕事やキャリア形成と両立できるよう、新たな両立支援のための制度等の創設を盛り込んでいます。
 引き続き、仕事と家庭生活を両立しやすい環境整備に向け、全力で取り組んでまいります。
 我が国の育児休業制度や男性の育児休業取得率が少子化に与える影響についてお尋ねがありました。
 諸外国の育児休業制度と一律に比較することは難しいですが、我が国の育児休業制度は、両親共に、保育所を利用できないなどの場合に最長二歳まで育児休業取得が可能であり、その期間、両親共に育児休業給付が支給されるなど、充実した制度であると考えます。
 男性の育児休業の取得率が直接的に少子化に影響を及ぼすという調査結果は承知しておりませんが、少子化の背景には仕事と育児を両立しづらい職場環境もあると考えます。このため、育児休業制度を利用しやすい職場環境整備に取り組み、男女とも希望に応じて仕事と育児を両立できるようにしていくことは、少子化対策にも資するものと考えます。
 育児、介護による離職者数と、それによる経済的損失についてお尋ねがありました。
 令和四年の就業構造基本調査によると、一年に出産、育児のために離職した就業者数は約十四・八万人、介護、看護のために離職した就業者数は十・六万人となっています。経済的損失を一律に算出することは困難ですが、一定の前提の下、ビジネスケアラーの離職や労働生産性の低下等による損失額が二〇三〇年には約九兆円になるとされている経済産業省の試算などがあると承知しています。
 いずれにせよ、個々の労働者の事情にかかわらず、誰もが充実感を持って活躍することが労働者本人だけでなく企業や社会全体にとっても重要であると考えています。このため、今回の法案を通じて、労働者が離職することなく、希望に応じて仕事と育児、介護を両立できる社会の実現を目指してまいります。
 育児からパートとして復帰する女性労働者等に関してお尋ねがありました。
 女性が妊娠や出産などにより離職することなく、希望に応じてキャリア形成と育児を両立できるようにしていくことが重要であり、育児・介護休業法においては、育児期の労働者が継続して働き続けることができるようにするため、育児休業や短時間勤務制度等の措置を規定し、仕事と育児等の両立支援を進めています。
 これに加え、育児からパートタイム労働者として復職した方の正社員への転換を支援するとともに、パートタイムや有期雇用などで働く方についても、最低賃金の引上げや同一労働同一賃金の遵守の徹底などにより、非正規雇用労働者の処遇改善を進めてまいります。
 柔軟な働き方を実現するための措置についてお尋ねがありました。
 今回の法案では、企業規模にかかわらず全ての事業主に対して適用される制度であること等を踏まえ、三歳以上の小学校就学前の子を養育する労働者を対象として、柔軟な働き方を実現するための措置の中から二つ以上を選択して措置することを事業主に義務付け、労働者はその複数の措置から利用する措置を選ぶこととしています。
 その上で、事業主が法を上回る取組をすることは望ましいことから、事業主が三つ以上の措置を講ずることなど、可能な限り労働者の選択肢を広げるよう工夫することなどが望ましい旨を指針において示すことを予定しております。
 子の看護休暇の対象年齢の引上げや取得日数の拡大についてお尋ねがありました。
 今回の法案においては、労働政策審議会での議論を踏まえ、男女共に仕事と育児を両立できるようにするため、子の看護休暇の見直しを行うこととしています。子の看護休暇の対象年齢については、十歳以降の子と九歳までの子が診療を受けた日数の状況などを勘案して、小学校三年生修了までとしております。
 子の看護休暇は当日の申出でも取得できる柔軟な制度であり、全ての事業主に適用される実効性のある制度設計を行う必要があることから、事業主の負担や子供のいない他の労働者との公平感などにも考慮をし、子供が一人の場合は年五日、子供二人以上の場合は年十日までとしております。
 職場におけるマネジメント支援についてお尋ねがありました。
 職場全体として仕事と生活が両立しやすい職場環境を整備していくことは重要であり、労務管理の専門家による中小企業への個別相談支援事業の実施やイクメンプロジェクトにおける管理職等に向けたセミナー等を実施しているところです。
 また、次世代育成支援対策推進法に基づく指針において、事業主が行動計画に盛り込むことが望ましい事項として、育児休業取得者等の業務を代替する周囲の労働者に対するマネジメントや心身の健康への配慮についても記載することとしています。
 これらの取組により、全ての労働者が仕事と生活を両立できる職場環境の整備に向けて取り組んでまいります。
 仕事と介護の両立支援制度についてお尋ねがありました。
 仕事と介護の両立を支える介護休業や介護休暇の利用が低水準にとどまっている背景には、そもそも両立支援制度が十分に知られておらず、制度が整っていても利用が進んでいないということなどがあると考えています。
 このため、今回の法案では、仕事と介護の両立支援制度について、個別の周知とその制度利用の意向確認などを事業主に義務付けるとともに、仕事と介護の両立支援に取り組む事業主に対する助成などを通じた支援により、労働者が介護で離職することなく両立できる環境の整備を目指してまいります。
 介護に関する法律案についてお尋ねがありました。
 国会に提出された法律案の取扱いについては、国会で御議論をいただくべきものと考えます。その上で、訪問介護を含め、介護現場における人材の確保及び定着を図るため、その処遇改善に取り組むことは重要と認識をしています。
 今般の介護報酬改定における対応を通じて処遇改善加算の取得促進に全力を尽くすとともに、各種調査等を通じて速やかに状況の把握を行い、必要な方々が必要な介護サービスを安心して受けられるよう取り組んでまいります。
 仕事と育児、介護の両立支援に向けた長時間労働の是正についてお尋ねがありました。
 長時間労働の是正は、仕事と育児、介護の両立支援を推進するに当たっても重要と考えています。今回の法案では、次世代育成支援対策推進法の改正により、事業主が一般事業主行動計画を策定する際に時間外労働等の労働時間の状況に関する数値目標の設定を義務付けることとしており、これにより各職場での労働時間短縮に向けた取組を促進してまいります。
 加えて、労働基準監督署における監督指導の徹底や、労働時間の短縮等に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主への助成金の支給などを通じて労働時間の短縮を図ってまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣伊藤信太郎君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 武見敬三

speaker_id: 849

日付: 2024-05-10

院: 参議院

会議名: 本会議