筒井淳也の発言 (国民生活・経済及び地方に関する調査会)
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○参考人(筒井淳也君) 私の専門分野は社会学という学問で、特に私は家族社会学を専門にしておりますが、家族社会学でもここ最近の集中的な議題の一つがやはりケアなんですね。これは、ケアが必要な人、それからそのケアが必要な人のケアをする人、この二つの集団に関して特に就業の面で不利に、極端に不利になってしまうというこの問題を、じゃ、どういうふうに社会的に解決していくのかというところでいろんな議論が交わされているということです。
他方で、ケアが必要な人、これは家族社会学ではよく依存という言葉を使いますが、どうしても身近に集中的なケアをしてくれる人がいないとなかなか生活が困難になってしまう、これ依存する人、依存者という言い方をしますが、この依存する人という、実は、その依存と自立というのは相対的な概念なので、実はばりばり働けるように見えている男性でさえどこかでは依存しているんですよね。
ですので、根本的に人は誰かに依存している人というのはあるのですが、他方で、特に就業に困難を感じるようなケアが必要な人、それからケアをする人というのは、これ、実は全ての人にとってそうなる可能性はあるということなんですよね。たまたま健康、いわゆる普通な生活が、日常的な介助が必要なく働けて、しかも家事さえも免除されてしまうような男性がずっと長い間活躍してきた時代があったんですけど、それさえも今はおかしいと。ケア、ある程度全ての人がケアを引き受けなければいけないし、場合によっては人生のどこかでケアが必要な人になっていくという可能性がある。そういったことを認識すると、人々が最低限将来に向けて安心した生活を行っていくためには、ケアが必要な人あるいはケアラーの人への手当てというのをやはり行政が安心して提供しますから、人生どういう状況に入ったとしてもある程度継続して働けるんだよというメッセージをどこかで担保しておく必要があるのかなと思います。
今のところ、行政というよりは、ケアは家族に集中しているのが現状です。これは実はどの国もそうなんですよね。どの国も、もう最低限やっぱりその身近なケアをする人は家族なんだという前提で制度をつくっているんですけど、ただ、そのケアをする人の負担というのをどういうふうに減らしていくのかというところで若干国によって違いがあるということなんですよね。
ですので、そういったその公的な仕組みをつくることによってケアに関する不安や困難というのを取り除いていくことが、例えば若い人にとって、将来、ああ、ある程度私も安心して暮らしていけるんだなという、なかなか政治家の方もちゃんとやってくれているんだなというような、その安心感をどこかで与えてくれるようなその行政的な仕組みですよね。これ、今やっぱり伝わっていないと思うんですよ。どうしても不安ばかり感じているところがあるんですよね。
なかなか、その不安感というのの大きなところはやっぱり失業なんですけど、ただ、やっぱりケアが必要になった、必要になる場合に、じゃ、どれぐらい助けてくれるのかということに関してもやっぱり不安を覚えている人は多いと思うんですよね。この不安感をどこまで取り除くことができるのかというのは、社会全体の課題として、特に政治の課題として大きいのではないかと思います。
以上です。