国民生活・経済及び地方に関する調査会

2024-02-21 参議院 全80発言

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会議録情報#0
令和六年二月二十一日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十日
    辞任         補欠選任
     木村 英子君     舩後 靖彦君
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  出席者は左のとおり。
    会 長         福山 哲郎君
    理 事
                今井絵理子君
                清水 真人君
                長峯  誠君
                田名部匡代君
                下野 六太君
                中条きよし君
                舟山 康江君
                山添  拓君
    委 員
                白坂 亜紀君
                田中 昌史君
                堂故  茂君
                友納 理緒君
                長谷川英晴君
                星  北斗君
                山本 啓介君
                山本佐知子君
                和田 政宗君
                若林 洋平君
                柴  愼一君
                森屋  隆君
                竹内 真二君
                三浦 信祐君
                高木かおり君
                舩後 靖彦君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        村田 和彦君
   参考人
       和光大学名誉教
       授
       ジャーナリスト  竹信三恵子君
       東京大学大学院
       経済学研究科教
       授        山口慎太郎君
       立命館大学教授  筒井 淳也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民生活・経済及び地方に関する調査
 (「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構
 築」のうち、社会経済、地方及び国民生活に必
 要な施策(ジェンダー平等と働き方)について
 )
    ─────────────
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福山哲郎#1
○会長(福山哲郎君) ただいまから国民生活・経済及び地方に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、木村英子君が委員を辞任され、その補欠として舩後靖彦君が選任されました。
    ─────────────
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福山哲郎#2
○会長(福山哲郎君) 国民生活・経済及び地方に関する調査を議題といたします。
 本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方及び国民生活に必要な施策」に関し、「ジェンダー平等と働き方」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 御出席いただいております参考人は、和光大学名誉教授・ジャーナリスト竹信三恵子君、東京大学大学院経済学研究科教授山口慎太郎君及び立命館大学教授筒井淳也君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、竹信参考人、山口参考人、筒井参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず竹信参考人からお願いいたします。竹信参考人。
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竹信三恵子#3
○参考人(竹信三恵子君) それでは、ちょっと簡単に始めていきたいと思います。
 今日、たったの二十分なので詳しいことはなかなか話せないと思いますけど、図表をお手元にお配りしているので、これが早くできるかなと思います。レジュメはちょっと少し詳細になっているので、図表の方が分かりやすいかな。これですね。こういうものですね。ということです。
 これで見ますと、今日お話ししたいことは、基本的には二点だけです。
 賃上げと言っていますが、これ、女性の賃金上がらないと賃金上がりません。そこが割と忘れられている。そのことがまず一つ大きな問題で、じゃ、どうするのかという問題になってきます。
 二つ目が、いろんな手だても取られてはいるんですけれども、説明の付かない賃金格差が結構たくさんあって、ひょっとしたらこれは性差別とかそういったものをきちんと立て直さないと解決できないかもしれない、それを余り逃げないで直視した方がいいかもしれないということですね。この二点を主な論点で簡単に御説明をしたいと思います。
 ということで、まず日本の賃金の状況というのは、もうお分かりの話かと思いますが、図表でいいますと図表一のように、先進国は右肩上がりに大体いろいろあっても上がっていますが、日本は低迷、調査によっては下がっているというケースもありますが、そういう状況にあるというのが図表一です。
 これ、十五年ぐらい前ですかね、そのときには、二十年ですかね、グローバル化があって、国際競争激しくなって、人が増え、人件費の競争が厳しくなっているから下がるんだという、結構そういう言われ方もしていたんですね。しかし、これで見る限りほかの国々はそうはなっていないので、もっと別の要因もあるんじゃないんですかという、そういうことを一応申し上げたかったためにこれを付けました。
 次に、図表二なんですけれども、そこに出てくるのが、やっぱりパートとか非正規の賃金の低さなんですよね。
 それで、これ、いろいろ書いてありますので簡単に言いますと、正社員とかフルタイムも下がっているんですね、全般に。男性も実は低下傾向にあります。これは、やはり産業構造が変わっていたりとか少子高齢化で働き盛りが減っているとか、影響はあると思います。
 ただ同時に、このグラフ、図表二で分かりますように、パートの数が急速に増えているということですね。これ、九三年に一四・四%だったものが二二年にはもう三割超えています。そういうところから見て、これパート労働者の割合なんですけど、それで見ていくと、その影響が非常に実は大きいということですね。パートの給与総額は、数が増えているから増える、あと最低賃金の増えている影響もプラスの効果もあるとは思いますけれども、というようなことが言えるわけなんですけど、とにかくパートとか非正規の賃金の水準が男性のフルタイムに比べて低過ぎるので、そこが増えていくとその分下がっちゃうということになるわけですよね。これ、お分かりでしょうか。ですから、女性が活躍すると言うんだけど、その女性の賃金が仕事に見合ってちゃんと増えていないと、むしろ活躍すればするほど平均が下がる可能性があるということですね。
 そういうふうに言うと、じゃ、女性のスキルを良くすれば、上げればいいじゃないかというふうによく言われるんですけど、スキルが問題になっているケースもありますけど、スキルがあっても全然上がっていないというケースもたくさんあるんですね。典型的なのは介護とかそれから保育とか、そういう公定価格で押し下げられているような福祉、医療関係はスキルもかなりある人たちがやっていますし、それから、これもちょっと特殊かと思われるかもしれませんけど、非正規公務員のこれ四分の三、女性なんです。八割近く女性なんです、非正規公務員って。御存じだったでしょうか。それで、その非正規公務員は、実は、相談支援業務といってDV相談とか物すごくレベルの高い相談をしていますが賃金が安いという、そういう状況にあるわけですね。
 これは、総合的にはいろんな要件はもちろんあるんですけど、基本的には、女性の賃金は安くても大丈夫なんだという根強い思い込みというのが社会に蔓延していて、私が多分こう言っても、いや、そんなことないでしょう、女の人は大丈夫ですよっておっしゃる方がいらっしゃると思われるぐらい、あちこちで聞きます。私、ジャーナリストなものですから、単に数量的な調査だけだと人々が何を陰で言っているかというのは見えてこないんですよね。陰口は調査では分からないです。
 それで、陰口ベースで見ると本当にそういうことが普通に聞こえてきて、上司に、パートの人とかにしても非正規公務員にしても、来年度の契約更新どうですかね、お願いしますよというふうに言うと、何て言われていることが多いかというと、余りあからさまには最近言われなくなっていますけど、あなた、まあいろいろあっても世帯主じゃないから大丈夫だよねって本当に言われているんですね。世帯主じゃないというのは、夫がいて、首になってもあなたは困らないから、まあ契約更新なくても大丈夫でしょうと言われていたり、それから、最近では人手不足なので余り言われなくなりましたけど、数年前までは、実際、女子学生なんかに、仕事がなくて困っていると言うと、結婚すればいいから女は楽だよねって本当に言われていた時代、時期というのがそんなに大昔じゃなくてあります。それ、建前で言ったら絶対言いません。ちらちらと出てくるという、そういうことなんですね。
 もう一つは、家計補助という考え方があって、女性の賃金は所詮家計補助なので、なくても誰も困らない、夫の賃金があるからって、これも言われています。
 これ、実際、ある大手の外食産業のチェーンで今裁判が起きていて、コロナのときに休業手当を支給してくれなかったという裁判なんですね。その方は、一日五時間働いて大体月十万円ぐらいの収入があった方がゼロになってしまったというそういう人で、休業手当出なくて非常に困ったと。で、その十万何に使っていたかというと、保育園の保育料、旦那さんがその方は転勤していて、転勤のためのいろんな住宅費とか最近会社が出してくれないらしくて自分でやっていたんですね。だから、そういうものに夫の賃金は消えてしまうんですね、夫の生活費、住宅費、住宅ローンと。で、彼女の十万円が保育料とか子供二人と自分との食費とかそういったものに消えていく。だから、これがなくなるというのは物すごい重要なことなんですよ、大変なことなんです。
 でも、裁判の中で会社が出した準備書面は、原告のような仕事というのは家計補助であると、夫もいる家計補助なのだからそんなに深刻な問題ではなくて、会社がそれに対してちゃんとした措置をとらなかったのは仕方がないというか余り問題ないのだという趣旨の準備書面が出ています。今ですよ、今、この時代に。
 そういうことが実際に平気で横行していて、そうなってくると、図表三のように、これ、女性が、ちょっと細かいんですけど、女性は上がっていっているけど男性は全般に下がりぎみというのは何かというと、男性のようなフルタイム系のお仕事は賃金がやっぱり下がっていっているんですね。さっき言った産業構造とかいろんな問題があります。労働組合の組織率が下がっていて賃上げの力も下がっていますというところもあります。
 女性が上がっているというのは、やっぱり最低賃金すれすれのところで張り付いている人が多いので、最賃上がると何となく上がっていくというのもありますし、それはもちろん女性活躍の中でそれなりのお仕事に就けるようになった人が増えていっているということも全くマイナスではなくてあると思います。
 でも、ベースが低過ぎるんです。だから、そこがちょこっと上がっても、男性の下がっていった分をカバーして日本全体の賃金を上げるという方向まで行かないぐらいのレベルなんです。だから、ここを何とか引き上げなきゃいけない。
 例えば、この右側に棒グラフがありますけど、これ二〇〇三年から二〇一三年までのグラフなんですね。これで見ると、これ男女共同参画白書のを取ったんですけど、これで見ると、全産業で見ると、この十年間で女性は百四万人就業者が増えています。男性は百九万人減っています。ということは、この期間、男性の、少子高齢化、働き盛りの減少なんかで減った分を女性が進出して補っていたんだということが見えてくるグラフだと思うんですね。
 産業別に見ると、じゃ、どこが増えているのかというと、この医療、福祉ですよね。ニーズがありますから、実際、今。この賃金がすごく安いというのは皆さん御存じだと思います。とすると、例えば女性の平均賃金を見て六割ぐらいと考えた場合、この百四万人の人が増えた分が百九万人減った人の六割分ぐらいしかもらっていないという、雑駁な計算で申し訳ないんですが、イメージとしてはそういうことですよね。
 ということは、そこをちゃんとしない限り、しかもそこは、今申し上げたように、スキルが低いからだけじゃない要因で高くないんですよ。とすると、これを何とかしないと日本の賃金は上がらない。女性活躍すればするほど、下手をすればですけど、下がってくる可能性があります。これ私、かなり重要なこの社会の問題点、壁だと思っているんですね。
 それで見ていくと、そうはいっても、じゃ、女性を上げましょうって政府も頑張っているし、いろんな案が、策が出てきていますけれども、例えば、何が問題でなかなか賃金上がらないのかということが、これ厚労省のガイドラインで出ているものを借りてきましたけど、勤続年数と職階が大きいというふうになっていて、やっぱり子供できたりしたりいろんなことで辞めちゃうから、そこで昇進できないとか、勤続年数の、年齢給上がらないとかもちろんありますし、職階は昇進できないということなんだと思います。
 それについて、下の図表五で見ると、これは、よく言われている、勤続年数が、じゃ、同じなら昇進できるのとか、学歴はどうだろうかということを見てグラフを作ってくださったものです。これで見ると、大卒男性と高卒男性は年を追っていくにつれて課長以上割合が増えていっているんですが、大卒女性、高卒女性はちょっと増えているけど余り上がっていないというの分かりますよね。
 これ、大学の女子学生に見せるとびっくりして、えっ、大学を出ても高卒男性より低いんですねみたいな、そういうような反応になって出てきてしまうので、ちょっとすごいグラフだななんて思いますが。つまり、学歴とか勤続年数でも説明できないものが何かあるわけですよね。
 次の、資料一と書いたものがあるんですけど、四ページ目ですね。じゃ、何なのか、それはということで、例えば一つ、いろんな事例がレジュメの方には書いてあります。一つが、子育てについての懲罰的な措置と言ったらいいんでしょうか。これ、二〇一一年、ちょっと古いんですけど、朝日新聞が出した、主婦派遣がはやっていて、これは大変メリットがあるという記事です。肯定的に書かれているんですけど。その中で、何で主婦派遣がいいかというと、それまでのスキルもあったり非常に役に立つと、優秀であるということが書いてあって、しかし、この人たちは子育てがあるので、働く時間や場所などの都合を聞く分、主婦の時給は割安にできると書いてあるんです。つまり、その人たちは、働く時間や場所の都合を聞いて、わがまま、かぎ付きわがままを言っているので、時給は安くしてもしようがないと働く側も思っているし会社も思っている。そういうことをアピールして、派遣会社が優秀な人を安く使えますよと言って主婦派遣を推進しているという記事です。
 これ非常に肯定的で、両方のニーズが合っているからいいことなんだというふうに書いてある記事なんですけど、しかし、それで見る限りですよ、スキルとかが高くても、子育てしていると、その都合を聞いてもらえないと、かなり安くなっても構わないというふうになるので、結局、子育てに対する懲罰的な時給だというふうに言うことができるぐらいのものなんですね。
 その結果、正規と非正規の格差は、下のグラフにありますように、正規は男性が圧倒的に多くて、非正規は女性が何と七割。非正規問題というと家族を養えない男性の問題だというふうにしばしば捉えられがちですが、何と非正規は七割近くが女性なのだということを忘れられがちです。
 その理由としては、そのように、子供がいるから長く働けませんとかそういったこととか、安くてもしようがないのですとか、そういったようないろんなバイアスが入っているということ。それから、もう一つ大きいのは、非正規は短期契約なので、組合つくって賃金上げてくださいとか条件良くしてくださいと言うことが非常に難しく、それを言うと次の契約更新がされなくなるんじゃないかと非常に怖がっています。
 これは、実際、コロナ禍で個人が請求できる休業手当を、できましたよね、皆さんのおかげで、それを使おうというふうに、使いましょうというふうに言うと、多くのパートの人が使わないんですね。何て言っているかというと、もちろんいろんな理由がたくさんあるんです。その中の一つとして非常に興味深かったのは、女性ユニオンの人が言っていたんですけど、割と多いのは、そんなもの請求したりすると会社に分かって、会社が権利意識が強いパートだから次の契約更新しないと言ったらどうしようと思っている。言うかどうか分かりません。つまり、短期契約というのは人をすごくおびえさせるので、要求ができない、で、上げられないという、そういうものがあります。ということで、非正規は安い。正社員男性を一〇〇とした場合、五六・二%ぐらいまでという試算が出てきているということになります。
 さらに、働きにくい、勤続年数がという話が出ましたけれど、勤続を何とかさせるためには女性の身体、肉体的な条件をやっぱり大事にしなければいけないというのが当然あると思います。子供を育てるということについての懲罰的な賃金をやめるということも重要ですし、それから、生理休暇等々がもう少し取りやすくなっていてもおかしくないはずなんです。
 均等法だと、女性がどんどん社会に進出したので、そのような女性の肉体に沿った保護が普及したのではないかと一瞬思います。しかし、このグラフを見ますと、このように、一九八五年に九・二%取得していた、これも低いんですけど、六五年には二六・二%取得していました。それが何と二〇二〇年には〇・九%まで下がってきている。つまり、会社に出ていく女性は男性並みに働くのが当たり前であって、生理休暇などというものに請求したがるというのは根性がないというか、そういうような見方で捉えられがちなので、みんななるべく取らないようにしています。どうしても我慢できない人は辞めていきます。
 実際、こっちは更年期ですけど、更年期でも、コロナ禍でコールセンターの、これは契約社員の方でしたけれども、更年期でどうしても会社に出てこれないというふうに言ったら、そういう人は次の契約はなしですねといって首になっています。それで、ユニオンに駆け込んで交渉したけど駄目でしたということが普通に起きている。
 つまり、女性が進出すると言いながら、子育て、更年期障害、生理痛、こういったようなものについてきっちり対応するようなまともな保護がすっかり忘れられた社会になってしまっていて、これは均等法以降、活躍するなら男性並みにちゃんと合わせてくださいねというモラルが浸透した結果だと思います。それをきちんと見直して、要るものはちゃんと付けていかなきゃいけないですが、問題点は、そういうふうに言うと、女性は男性と差を付けられるからやっぱり嫌だなといって言いたがらないんですよ。女性保護が人気がないというのは結構そういう理由があります。
 じゃ、どうすればいいのか。これは、男性の働き方を女性基準にすればいいんです。実際、ヨーロッパは、労働時間を育児と介護両方できるように男女共通の労働時間規制をきっちりとしいたおかげで、男性も家事参加ができ、女性は家事、育児をしながら働きに行けるようになっている。
 だけど、日本の場合は、均等法のいいところもあったけどツケもあって、なぜかというと、それは女性保護を撤廃しちゃいましたよね。そのとき、男性は青天井で残業できる仕組みでしたよね、今は少し良くなっている部分もありますけど。なので、そこに合わせない女性は総合職になれないというふうに言われ続けてきたので、結局、そこではそのような仕組みができなくて、女性は男性に合わせるか諦めるかだったんですよ。
 だから、それは共通の男女規制をしくようにして女性基準に合わせる。休暇をちゃんと取れるようにすれば、生理痛とかの休暇ももう少しましになるはずです。というような形のやり直しをしなければいけないということがはっきりしています。
 それから、賃金についても、これ資料二というところなんですけど、実際、男性の、これ、どういう数字かというと、大手の電力会社の賃金差別裁判のときに証拠で出した図表です。これで見ますと、何でかというと、同期同学歴男性との昇給、昇格差別を訴えた女性が、原告と同期同学歴の事務系職員を賃金の高い順に並べていった。そうすると、このグラフのように、青いところ、男性が左側にがっと寄っていて、右側に女性ががっと寄っているという一目瞭然のグラフが出てきたわけです。これで問題だというふうに主張したんですが、判決では、昇格賃金での格差は認定したけれど、格差は人事評価の結果であり、男女が層として明確には分離していない、つまり、いい女性もいるじゃないかと、一本この赤い線が入っていますけど、そういうことで、男女差別じゃないとして敗訴です。これはやっぱり、そのような統計的な資料を使って、格差、差別、そういうのを差別として証明するという何らかの法的な措置が日本でも必要になってきているはずだということを示すものです。
 ということで、例えばEUの賃金透明性指令というのが去年出されましたけれども、対象企業で男女賃金の格差が五%以上あると、当該企業は賃金格差の是正を求められると同時に罰金の懲罰を科されるということ。これは、EUもさすがにやっぱり賃金格差がなかなか是正されなかったので、これ、やるっきゃないといってやったということだと思いますが、このような会社の判断に任せている限りは、会社の判断で賃金は安くされているので直らないんですよ。その会社がいい会社なら別なんですけど、社長さんが、女の賃金安くてもいいですと思っている、例の家計補助ですと思っている人だったら上がらないんです。とすると、やっぱり公的な何らかの規制なり社会的な規制が必要であるということが私の結論です。
 なので、賃金は女性のそのような底上げなしでは全体は上がらなくて、日本は賃下げ国家になり続けていくでしょうし、活躍すればするほど、それから、社会的な規制をきちんと入れて、例えば差別禁止法とか、それから人権監視機関とか、いろいろ海外から言われていますけど、そういったものもある程度整備していかないとこの事態は直らない可能性が高いということを申し上げたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
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福山哲郎#4
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。
 次に、山口参考人にお願いいたします。山口参考人。
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山口慎太郎#5
○参考人(山口慎太郎君) 東京大学の山口です。よろしくお願いいたします。
 私からは、男性の育休取得について、主に諸外国の事例についてお話をしていきたいと思います。
 二ページ目を御覧ください。
 今日お話しさせていただくポイントとして三つ考えております。
 一つ目は、まず最初に、海外と比べた日本の男性育休にまつわる状況というのを御理解いただきたいと思います。
 その上で、男性が育休を取得することによって家族であるとか本人にとってどういういい影響があるのか。これまでに、ヨーロッパなどでは男性の育休取得は既に進んでいることもありまして、どういった効果があるのかということについて社会科学分野で実証研究が進んでおりますので、その結果について御紹介し、恐らく日本でも今後男性育休取得が進めば同様の効果が期待できるのではないかというお話をしていきたいと思います。
 そして最後に、現在、日本の男性の育休取得状況はかなり低いものになっているんですが、こういった状況をどのように変えていくことができるのか。海外も最初から今のように男性の育休取得率が八割、九割という世界だったわけではありません。かつてはやはり三%とか五%とか、そういう時期から始まって現在のような高い男性の育休取得率に至っているわけです。そのプロセスの中に日本にとっても学べる点があるのではないかというふうに考えています。
 では、中身を一つずつ見ていきましょう。
 三ページを御覧ください。
 皆様、この辺の数字は御存じかもしれませんが、日本の男性育休取得率というのは、傾向で見るとここ数年急速に右肩上がりになっていて、期待できる部分というのは間違いなくあるんですが、その水準で見ると一四%ほどであり、女性と比べるとかなりはっきり少ないわけですし、海外と比べても水準としては少なくなっています。
 四ページ目を御覧ください。
 男性の育休の取得率について、先進国について入手可能な国についてお示ししております。全ての国について入手可能ということではないんですが、この御覧いただいているように、多くの大陸ヨーロッパの国々においては七割から九割程度の育休取得率に男性でもなっているわけです。ここでは、イタリア、オーストラリアといった国々ではやや低い三割程度の水準になっているんですが、日本はその半分程度の一四%ということで、先進国の中では最低水準であるということは否めないわけです。
 この背景にどういう事情があるのだろうかというふうに考えていくと、多くの方は、真っ先に、北欧は福祉国家なので育休制度が充実しているんじゃないか、日本はそうでないから制度が余り充実していないんじゃないのかなと考えられる方が多いんですが、実は、実際にはその逆のことが起こっているというのを示しているのが五ページ目のグラフです。
 育休制度の良しあしを国際的に比較する際には、まずはどれだけ育休期間を、育休を取ることができるのかという期間による基準というのが一つあるわけです。その上で、期間中にどれぐらい給付金という形でお金をもらえるのかという、この組合せで順位を付けていくというのが一般的に行われる国際比較の方法です。男性の育休取得についてここでは考えたいわけですから、男性だけに割り当てられた育休取得期間というのをここのグラフではお示ししています。
 これで見ていただくと、上の方にあるアメリカはゼロということですし、先ほどの北欧の国々、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーといった国々でも九から十五週、OECD平均で見ても十週程度ということで、それほど長くはないわけです。一方、グラフ下の方、赤で示している棒グラフなんですが、日本は丸一年父親も育休を取得することができて、制度という形で見ると、ほかのヨーロッパの先進国よりもはるかに優れた制度を私たちは持っているということになります。ちなみに、韓国の方が五十四週で長いんですが、育休期間中にもらえるお金の量で考えると日本の方が手厚いということで、ユニセフは、日本の男性向けの育休制度は世界最高であるにもかかわらず、取得状況は世界最低水準であるということを指摘しています。
 後ほど、何で男性の育休取得、日本で進まないかという点についてはお話ししたいと思いますが、一旦、次の話題で、六ページ目から始まるところで、男性育休は本人にも家族にもプラスの影響があるという様々な社会科学の研究結果を御紹介したいと思います。
 七ページ目には、まず、カナダのケベック州で行われた育休改革の事例を御紹介したいと思います。
 カナダのケベック州では、二〇〇六年から、男性のみが取ることのできる育休の期間というのを五週間導入して、同時に、利用資格の緩和など様々な形で男も育休を取れるようにという改革が行われました。その結果というのは非常に目覚ましいものがありまして、下半分に示しているように、まず育休、男性の育休取得率が二一から七五%ということで大幅に上がりました。期間についても、二週間が平均だったのが五週間に延びたわけです。ここまでは予想される改革の成果であったわけです。成功は成功なんだけれど、驚きというものはなかったんですね。
 ところが、この追跡調査の驚くべき結果というのは、育休が取り終わって三年たってからの男性の子育て時間、家事時間というのが九十分から百十分、一日当たり、七十から八十五分ということで、二割程度増えているということが分かったわけです。つまり、育休、男性が五週間平均で取るようになる、まあ一か月ちょっとですね、それほど長くないんだけれど、このたった一か月というのが三年後のライフスタイルに大きな影響を与えるということを示しているわけです。ちなみに、同様の結果はスペインからも報告されています。
 したがいまして、男性の育休というのは短いから余り意味ないんじゃないか、育児のまね事なんじゃないかというふうに否定的な見方をされている方もいらっしゃるかもしれないのですが、実は、そのたった一か月なんだけど、男の人生変えるぐらいのインパクトがあるものだということは御理解いただきたいと思います。
 続いて、八ページを御覧ください。
 じゃ、何でたかだか一か月の育休が三年後の育児時間に影響するのか。その背後にあるのは最近の脳科学で解明されてきています。オキシトシンと呼ばれる脳内ホルモンがあります。雑誌、新聞なんかでは愛情ホルモンという名前で紹介されていることが多いんですが、これが脳内で分泌されることによって子供をかわいいと思えるようになるということが言われています。そして、このオキシトシンという物質は、母親、女性については出産ですとか授乳といったプロセスの中で自然と分泌される、ある意味女性は、母親になると生物学的に自然な形で子供をかわいいと思う傾向があるということが言えるわけです。
 じゃ、男は、どんなに子育て熱心な人であったとしても、出産もしないし授乳もしないからオキシトシンがないんじゃないか、もしそうだとしたら、子供かわいいと思うのは例外的な人だけで、普通の男は子供かわいいなんてなかなか感じられないんじゃないかというような話になってしまうかもしれないんですが、実は最近の科学研究で、男であっても、子供とスキンシップを持つこと、具体的にはおむつ替えてあげるとかだっこしてあげるとか、そういった当たり前の親として行うことですね、こういったことをするとオキシトシンが出てきて子供がかわいく感じられるようになると。子供かわいくなると、頼まれなくとも、当然、子供のお世話もっとしてあげたくなるわけです。そうすると、もっともっとオキシトシンが出てくる。オキシトシンがもっと出てくると、もっと子育てに時間を使いたくなると。こういった非常にポジティブなサイクルが動き始めて、三年後の家事、育児時間の延長ということにつながっているわけです。
 最初は、男性はなかなか子供のかわいさというのは分からない方というのも正直多いんじゃないかなというふうに思います。私自身も、実際に子供を持つまで、子供を持つことがどういうことか分からなかったし、子供かわいいというのは感覚的にはありませんでした。同様のことは私の友人でも言う者は少なくありません。
 そして、私は、半ば責任感のようなものから、取りあえずもう自分の子供なんだから自分で面倒見てやらなきゃいけないよねという、かわいいから面倒を見るのではなくて、義務感、責任感から、まずおむつ替えよう、だっこしよう、何か話しかけてあげようというようなことから始まりました。やっているうちにかわいさが分かるようになって、もう誰に頼まれなくとも子供と一緒にいる時間を増やしたいなというふうに感じたものです。
 したがって、男性が育休を取ることを推進することによって、まずは子育てのスタートダッシュ、ブートキャンプのようなものを始めて、始めてしまえばもう子供のかわいさというのは多くの男性でも感じられるようになるものなので、ここに男性の育休を推進する大きな価値というのがあるというふうに考えています。
 そしてさらに、育休には望ましい効果というのはまだまだございまして、九ページ目を御覧ください。
 育休取得で子供の偏差値、学力も上がるというようなこともノルウェーの研究から報告されています。男性、父親が育休を取ることで子供との関係が良くなって、子供の発達が安定してくるわけですね。結果的に、十六歳時点で偏差値が一向上したと。決して大きな数字ではありませんが、子供の発達にとってプラスであるということが分かることはかなり喜ばしいことかなというふうに思っています。
 また、夫婦仲にも好ましい影響があることが報告されています。十ページ目を御覧ください。
 夫婦仲、どう測るのかというのはなかなか難しいものではあるんですが、ここでは、この研究者たちは一つの目安として離婚率というのを指標に取っています。夫婦仲が良ければ離婚率は低めになるだろうというような考え方が背後にあるわけです。
 こちらで御紹介したい研究というのはアイスランドのもので、アイスランドにおいても父親向けに大きな育休改革を行いました。結果、男性が育休取るようになったと。と同時に、出産五年後の離婚率が二三から一七%に下がりました。さらに、出産十年後で見ても、長期的に離婚率が三三から二九%に下がることが報告されました。
 どうしてこういった変化が起こるのかということについては、十一ページ目に著者らの見解をまとめてあります。
 そもそも子供というのは、日本語では子はかすがいという言い方をするんですが、実は、世界的には、日本も含めてなんですが、子供が生まれた直後というのは離婚率が大幅に上がることが知られています。夫婦仲が急激に不安定になるんですね。
 その背景には、これまで夫婦だけでお金も時間も使えていたんだけれど、今度は急に子供中心の生活になってしまうということで、結婚に対する満足感が急激に低下するわけです。その上、日本でよく言うようにワンオペ育児ということになってしまえば、妻の側からすれば相当な不満もたまってしまうわけです。そこが男性が育休取ることによって、子育て初期の大変な状況というのを夫婦協力して乗り切ることによって、夫婦で抱えがちな問題、葛藤というのを抑えることができるのではないかということが言われています。
 そして、気になる所得への影響ですが、十二ページ目を御覧ください。
 男性については、所得は二%減っているということがノルウェー、スウェーデンの研究から報告されています。そして、この減少というのは子供が五歳になっても消えない効果なので、長期的な効果があるということが分かっています。
 これだけ聞くと、二%は小さいかもしれないけれど非常にマイナスの影響があるのではないかというふうに感じられるかもしれないんですが、この何で二%減ったのかという部分について掘り下げてみると、要は子育てや家事を重視するようなライフスタイルに移ったのではないかということが指摘されています。
 例えば、それまでは残業していて残業代が家計に入ってきたのが、ちょっと子供、子育てに時間を使うようになったので残業を少し減らすと、二%分、その分所得が減った。数字で捉えることはできないんですが、その分、子供と過ごす時間が増えて、本人の満足度、幸福感というのが上がったのであれば、お金と引換えにして大きなものを得ているというふうに言えるかもしれません。
 また、こちらはカナダの研究なんですが、家計全体、夫婦の所得を合算した場合には、ひょっとしたらマイナスというのはほとんどない、むしろプラスであるかもしれないことが指摘されています。
 どういうことかというと、父親が家の中で家事、育児の責任をより多く担うようになることで、妻は家庭内の責任が軽くなるわけですね。そうなると、外で仕事で活躍できるようになり、結果、妻の方の所得が上がって夫の所得の減少というのを打ち消すことができるかもしれないと。カナダのケースでは、母親のフルタイム就業率が五%ポイント上がったことが指摘されています。
 では、続いて、最後のトピックで、どうすれば増える、男性育休ということなんですが、十四ページ目を御覧ください。
 先ほど、日本の男性の育休取得状況が余り伸びていないということについては、制度のせいではないんだよというお話をしました。アンケートなんかで見ていくと、なぜ取らないのですかということを聞くと、ここに挙げているような三つが必ず理由として挙がってきます。昇進などキャリアに悪い影響、同僚や上司の目が気になる、仕事が忙しい。こういった理由を目にすると、まあ、やっぱりなと感じられるかもしれませんし、日本的だなというふうに思われるかもしれません。これらが示しているのは、制度ではなくて、まず職場にやはり最大の問題があるという指摘なんですね。
 それと同時に、海外の取得事例を掘り下げてみると、実はこれ、日本特有でも何でもなくて、今、育休取得率、男性で八割、九割という北欧でも、こういった理由で育休を取らない男性というのがかなりいたわけです。ところが、育休取得を推進していく中でこうした懸念というのが消えていって、今のような状況になるわけです。
 そのプロセスを詳しく見た研究によると、十五ページにあるような結果が報告されています。
 ここでは、育休は伝染するということでまとめさせていただいているんですが、考え方としては、周りの誰かが育休を取るとほかの誰かが育休をぐっと取りやすくなるということがあって、どんどんどんどん育休取得の連鎖が、輪が広がっていくんですね。
 具体的な数字としては、職場の同僚あるいは血のつながった実の兄弟が育休を取ると、じゃ、自分も取ってみようかなということで、育休取得率が一一から一五%ポイント上がることが報告されています。そして、驚くべきところは、子供を持たれる方で部下を持つ方も多いんですが、上司が育休を取ると、もうその職場においては男も育休を取ることは問題ないんだよと強烈なメッセージになるんですね。結果、同僚同士の影響の二・五倍という非常に大きな影響を持っているわけです。したがって、日本においても、誰かが育休を取るということは次の誰かが育休を取ることの手助けにつながっているんですね。
 十六ページを御覧ください。
 こちらのチャートでは、北欧において育休取得が増えていったメカニズムに、背後に何があったかを示しています。
 まず最初に、職場で誰かが勇気を持って育休を取得するわけです。まだ誰も職場で取っていないんだけれど、誰か取らないとまず始まらないわけですね。この部分を例えば制度的に助けてやることはできるのではないかというふうに考えています。後ほどお話しします。
 その結果、誰かが育休を取って、育休取った結果、問題なかったなというのが同僚が見て、周りが確認すると、じゃ、自分も取ってみようかなということでまた後に続く人が取る。さらに、その後に続く人も育休を取るようになっていって、育休取得というのが社会の中で当たり前のものに最終的にはなっていくということが報告されています。
 十七ページを御覧ください。
 では、日本でどのように育休取得を男性の間で広めていくかということについて、簡単なアイデアを三つまとめています。
 そもそも当然のことなんですが、第一に、育休取得したからといって不利に扱わない。職場で昇進させないですとか仕事から干してしまうといったことは、当然違法でもありますし、行わないようにしなければならないと。
 その上で、最初に職場で勇気ある父親というのが出てこなければいけないわけです。これについては、給付金の引上げということで経済的なインセンティブを提供することも制度としては良いと思いますし、会社の中で表彰する、あるいは何かの報奨金を付けるというのもアイデアになると思います。
 その上で、社内で、社内の誰々は育休取ったんだけれど、その後、プライベートも仕事も充実していますよといったことをどんどん広めていくことが肝腎かなというふうに考えています。
 では、最後に、十八ページを御覧いただいて、私からの報告をまとめさせていただきたいと思います。
 主に三点ございます。
 一つ目、日本の育休制度は世界最高だけれども、取得率が著しく低いと。主な障壁は職場にあるので、これからは、経済界に対する働きかけ、経済界が変わっていかなければいけない、働き方改革というのが必要だということを指摘しておきたいと思います。
 二つ目、男性の育休取得というのは本人と家族に大きくプラスの影響があります。たかが一か月というふうに思われるかもしれませんが、大変大きなインパクトがあります。私の個人的な意見ではあるんですが、男性の育休取得推進というのは最も効果を過小評価されている政策、施策の一つではないかというふうに考えています。
 そして最後に、男性の育休取得というのは伝染するのだと。誰かが周りの地域なり職場なりで先陣を切って育休を取ることは、後に続く人に対して道を開いていることにつながるということを指摘しておきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
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福山哲郎#6
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。
 次に、筒井参考人にお願いいたします。筒井参考人。
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筒井淳也#7
○参考人(筒井淳也君) よろしくお願いします。
 資料、お手元の配付資料並びに前のスクリーン、同じものが映し出されますので、お好きな方を御覧になっていただければと思います。(資料映写)
 まずは、スライドの四ページ目から御覧になってください。
 しばしば女性労働力参加に関しましてM字型というものが注目されるわけですね。そのM字型というのは、未婚のときには就職、就業していますが、一旦、結婚、出産に合わせて就業離れて、再び、子供がある程度育った場合に再就業する、それがM字型に結び付くというふうに言われてきたわけです。
 ただ、このM字型という見方、これは数値としては非常にシンプルで、そもそもその集計対象になっているのは、未婚か有配偶かも区別していませんし、フルタイムかパートかも区別していないという、若干大ざっぱな数字になっているわけですね。ですので、もうちょっと細かく見ていく必要があるかな。具体的には、配偶状態、それからフルタイムなのかパートなのか、あるいは賃金率とか、そういったことを実は詳しく見ていかないと女性の就業の実態は分からないということをお伝えしたいと思います。
 今回見ていくのは、結婚してフルタイムで働くようなライフスタイル、ライフコースというのが果たして増えてきたのかという話をしたいと思います。結論から申しますと、増えていませんということですね。
 次のページを御覧になってください。
 五ページ目ですが、これは、いわゆる行政の報告書等ではここまでは詳しく報告されることがあって、これは配偶関係別の労働力率、労働力参加率ですね。見ていただけると分かりますが、この配偶関係別、要するに結婚しているのかどうかということで女性の労働力参加見た場合には、M字型というのはもちろん見えません。見えてくるのは、未婚の方は就業継続、結婚している方はそれよりかなり低い。もちろん、令和になりまして、かなり有配偶の就業者数も、就業率も上がっているんですが、それでもまだ無配偶の方には追い付いていないという格差があるということです。このことは非常に見やすく分かるんですね。
 ただ、じゃ、この有配偶の方で働いておられるというのはどういう働き方をしているのかというところまでは、なかなか行政のデータでは、行政の報告書等では示されないところになります。
 そこで、我々社会学者のグループがSSM調査といって非常に大規模な調査を行っていまして、非常に詳しい労働の実態について調査をしています。そのデータを用いながらもうちょっと詳しく見ていこうということなんです。ただ、ちょっとグラフが煩雑ですので見にくいかと思います。お手元の資料だと一段階見にくくなっていまして、前のスクリーンのがまだ区別が分かりやすいとは思うんですが。
 ただ、ここで示しているのが、まず、有配偶と無配偶それぞれ一〇〇としたときに、どれぐらいのパーセンテージの方がどういう働き方をしているのか。正規雇用なのか、非正規雇用なのか、無職なのか。この場合、自営等はデータからは外しておりますが。
 見ていただくと、一九九五年から二〇一五年の二十年間の変化において、まず目立つのは有配偶の無職の方はかなり割合が減っているんですよね。ただ、これ、青が未婚の方、赤が有配偶の方なんですけど、この青と赤のそれぞれの正規雇用の差を見た場合に、実はこの差は、縮まってはいますけどまだ非常に大きいです。三〇ポイントほど違うわけですよね。有配偶の無職の方、いわゆる専業主婦の割合は減ったんですけど、その分、じゃ、どういう方が増加しているかというと、増加幅でいうと圧倒的に非正規雇用の方の方が大きいわけですね。
 つまり、結婚しても働く女性が増えたというときに、実はかなり多くの割合は非正規雇用であるということですね。それはいつの時代の話だというふうな実感をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、全国的な平均で見ると、もう圧倒的にそうであるということです。なかなか、東京にいるとフルタイム共働きというのがかなり目立つようにはなってきていると思うんですけど、全国的に見るとそんなことはないということですよね。
 そして、次の七ページ目のスライドに行きたいと思います。これは男性について見た場合です。
 男性について見た場合に非常に目立つのは、上の方に二つ線がありますね。これは、先ほどと同じで赤が有配偶、青が無配偶、未婚なんですけど、この正規雇用の差が広がっている。これはどういうことかと申しますと、要するに、未婚の正規雇用の割合、男性です、男性の割合というのが非常に下がっているということなんですね。これは、女性と今度は逆の動きになりますよね。女性は有配偶の就業率は非正規雇用だけでも上がっているんですけど、男性の場合は、正規雇用に関して見れば、未婚の方の非正規雇用率が格段に増えているということなんですよね。
 実は、働き方について見る場合には、この配偶関係と併せて考えないと、結婚していることを前提と考えてしまうと、そうじゃない方が見えてこないので、その点は少し、一段階下がったデータというのも見ていただく必要はあるかなと思います。
 後でまた小括ということでお示ししたいと思いますので、取りあえず次の八ページ目なんですけど、今度は、非常に恐縮なんですけど、またこれグラフがたくさん線があって、一体どこを見たらいいんだというような感じなんですけど、多分前のスクリーンのが少し見やすいと思うんですけど、太い赤い線に注目していただきたいんですね。
 このグラフは、先ほどのグラフと違って、女性全体を一〇〇としたときに、その中にいろんな方がいらっしゃいますよね、未婚の正規雇用の方もいらっしゃるし、有配偶の非正規雇用の方もいらっしゃる。そんな感じで全体を一〇〇としたときの内訳のグラフです。先ほどは配偶関係、それぞれの配偶関係を一〇〇としたときですよね、未婚一〇〇、有配偶一〇〇としたときなんですが、今回は全て合わせて一〇〇にしている。ということは、未婚化の影響がよく分かるグラフになっております。
 その上で御覧になっていただいて、今回はもう一つだけ指摘しておきたいと思うんですけど、この真ん中にある若干太めの線で、スクリーンの方は恐らく見やすいと思うんですけど、要するに、有配偶正規雇用ですね、有配偶フルタイムで働いていらっしゃるような方が二十年間で割合として増えたのかというと、ほとんど増えていないです。その一つの原因は、結婚しない女性が増えてきているということですよね。結婚している女性の正規雇用率は若干上がっているんですけど、それでもやっぱり非正規雇用の上昇幅の方が大きい。
 この二つの理由、要するに、そもそも結婚しない人がフルタイムで働き続けるという方多いですよね。なんだけど、結婚してフルタイムで働き続けるという方の数は余り増えていないということが分かるわけです。ということは、その女性の、いわゆる女性活躍という言葉で何を目指すのかというのは、なかなか、いろんな目標があり得るんですけど、もし結婚してもフルタイムで働き続けるということを一つの目標とした場合には、これは達成できているのかというと、できていないということになります。
 次、男性について同じグラフなんですけど、これもいろいろ指摘できるところはあるんですけど、一点だけ、二〇一五年でいうと、上から三番目の青い線なんですけど、これ要するに未婚の非正規雇用の方ですよね、非正規雇用の未婚の方の割合が今、特に二十代、三十代ではもう非常に目立つ上昇の仕方をしているということです。これがよく分かるかなと思います。
 ちょっと小括の方で少し頭を整理していこうかなと思うんですけど、スライド十ページ目を御覧になってください。
 まず、女性についてです。女性について、結婚した後も正規雇用を続ける女性の割合は徐々に増えてきているんですけど、ただ、未婚者の水準、未婚者が正規雇用を続けるような水準ですよね、そこまでは行っていない。まだ、やっぱり結婚した場合に、その正規雇用の格差、正規雇用の方のその割合の格差というのは非常に大きい。つまり、簡単に言ってしまうと、もう結婚というのはやはり女性のフルタイムの継続就業に対してはいまだに高い壁のままであるということです。
 二番目です。女性は未婚化が進んだために、全体に占める有配偶正規雇用女性の割合はこの二十年間余り増えてこなかったということです。この二番目のことをどういうふうに受け止めていいのかというのはなかなか難しいと思うんですよね。というのは、多くの政策というのは、どうしても有配偶の方を出発点に考えてしまうんですよね。なんですけど、未婚化は間違いなく進んできました。最近、徐々に未婚率というのは上昇幅が減ってきて、少し落ち着いてきてはいるんですけど、落ち着いてきているということは下がっているということではないです。つまり、未婚率が高いままキープされてしまっているということですね。ですので、余り現状変わっていないということです。この方たちを少し視野に入れていただくと、ああ、そうか、結婚して働き続けるというのは、結婚を出発点として考えるだけではなくて、そもそも結婚していない方が増えているんだと。そこら辺の正規雇用率は高いですので、その点も考え合わせていくと少し別の視点も見えてくるかなと思います。
 三番目ですね、男性です。未婚化の中で、未婚の非正規雇用男性が増加してきました。これ、女性とは逆の形での正規、非正規と配偶関係の結び付きが目立ってきたということです。簡単に申しますと、女性は結婚すれば非正規になりやすいし、男性は非正規だと未婚継続しやすいということです。これは、就業と、働くことと結婚することの関係の影響の向きですよね。女性に関しては、やはりまだどちらかといえば結婚した場合にフルタイムを続ける障壁が大きいということ、男性に関しては、そもそも非正規で未婚時代を過ごしてしまうと、その後の結婚確率が大幅に減ってしまうということですね。この点が見えてくるかなと思います。
 いずれにしろ、結婚して正規雇用を継続するというキャリアパスは男女共に増えてこなかったということが言えるかなと思います。女性はほぼ変化なし、男性は実は減ってきましたということですね。
 そして、次の十二枚目のスライドです。ここからはちょっと文章中心になります。
 有配偶女性に注目しますと、継続就業を阻む壁というのがいっぱいあって、一つは雇用システムになります。日本的雇用システムというのは、労働時間、職務、勤務先を自分で決めることがすごくやりにくいという、そういう特徴があります。いわゆるこれメンバーシップ型雇用と言われているんですけど、このメンバーに入れるのは大抵男性、もうちょっと厳密に言うと、主婦がいる男性、主婦付き男性と言われている方ですね、が非常に多いということですね。これはもう徐々に変わってきてはいますけど、まだちょっと支配的な地位にあるかなと思います。
 海外だと、そもそも職務と等級が同じなら、性別、年齢、企業規模が異なっていても賃金率は近似するという傾向があるんです。これをジョブ型雇用と申します。同一労働同一賃金というふうにも言いますが、これは、同じような職務を経験してやっているのであれば、男性でも女性でも、二十五歳でも五十五歳でも、トヨタでもそこら辺の、そこら辺のというか、比較的規模の小さい企業でも、同じ職務であれば大体賃金率がそろってくるという、これがジョブ型雇用と言われていることなんですね。このジョブ型雇用だと、キャリア中断や転職、時短労働がキャリア形成に依存しにくいですので男女均等になりやすいと言われているんですけど、日本では余り一般的ではないですのでなかなか難しいということです。このジョブ型の導入というのは非常に難しいんですけど、近づけていくことはできるのかなと思います。
 そして、もう一つの壁ですね、こっちは制度ですけど、高度成長期から安定成長期に男性稼ぎ手モデルに合わせた各種制度が定着してきました。配偶者控除と第三号被保険者制度ですね。これ、実は現在だと、もうやっぱり社会保険、こちらの制度の壁の意識が非常に強いと思いますが、その後修正されつつもいまだに女性の就業に制約を課しているのは明らかで、この制度を見据えつつ就業時間を調整している女性はかなり多いというデータがございます。
 他方で、じゃ、このいろんな壁があるんですね、右の方のグラフに書かせていただいたんですけど、この壁を全て説明できる人がこの世に何人いるのかというぐらいややこしいです。私も実はこの場に来る前にもう一回復習してきたぐらいですね、ちゃんと把握できているのかというと、なかなか怪しいものがあると思います。そもそも複雑な制度というのがあって、その複雑な制度の根本的なところを変えずに少しパッチを当ててきたみたいな歴史があるんですよね。余計分かりにくくなっているということですよね。
 ただ、他方で、この制度の壁を撤廃しても、賃金率が低い非正規雇用であれば継続的なキャリアアップとか賃金増は見込めません。最初の報告でもありましたように、非正規雇用と正規雇用の賃金格差、日本では非常に高いですよね。ですので、就業調整が撤廃されたら、じゃ、これはもう問題解決かというと、そんなことはないということですよね。やっぱり雇用システムの改革、働き方改革というのはいろんなところで大事になってくるということです。
 そして、次、家庭ですね。これは私どもが、今、十四ページになります、十四枚目になります。
 なかなか東京とか首都圏にお住まいの方だと、今どき家のことをしない男性なんてまだいるのかというようなリアリティーをお持ちの方もいるかもしれませんけど、びっくりするぐらい日本の男性は家のことはしません。これはもう日本全国の平均で見た場合に、下の数字を見ていただければ分かるんですけど、これは、このデータはちょっとややこしいです。フルタイムの有配偶女性に限ったデータなんですよね。そのフルタイムの有配偶女性が家事、育児、下に書いてあるような家事、育児をほぼ毎日行っているという人だけを集めた場合に、じゃ、その夫はどれぐらいやっているのかというデータなんです。
 少し補足させていただくと、要するに、男性と、妻と夫が比較的対等に働いている共働き、フルタイムの共働きというふうに考えていただければ、フルタイム、共働きなので、もう家事とか育児も均等化しているだろうというふうに思いきや、圧倒的な格差がまだあるということなんですね。同じぐらい働いていても、やっぱり男性は家事、育児参加しません。見ていただければ分かるんですけど、食事の用意に関してはもう六六%の方がほとんど行わないという、男性はですよね、後片付けに関しても半数、子供の身の回りの世話に関しては、若干これは低くなりますが、それでもまだまだ四割近くですよね、ほとんどしていないという方がいらっしゃるということですね。
 ということで、これもうほぼ時間が来ましたけど、十五ページ目です。
 有配偶女性の継続的な就業を阻む壁、今回、三つポイントをお話ししてきました。
 一つは雇用システムです。この雇用システムはなかなか行政が変えることが難しいです。民間の企業が蓄積してきたものですよね。難しいんですけど、ただ、やはり、長期的、総合的、持続的に変えていく必要があるのかなと思います。この雇用システム、どうしても、家のことをやってくれる男性じゃないと活躍できないような、そういう働き方ですよね。こういう雇用に関して、これはなかなかお金を使えば変わるというものではないので、仕組みを変える必要があります。この仕組みに関して変えていくという機運を、これやっぱり簡単に言うと働き方改革になるんですけど、働き方改革なんだけど、仕組みについても少し手当てするということですね、それが必要になる。
 それから、制度もそうですね。こちらはまさに行政ですよね。政府が設定している制度ですので、こちらも、今のところは、基本やっぱり男性稼ぎ手モデルのときにつくられた制度にパッチを当てている状態なんですね。パッチを当てるんじゃなくて、もうちょっと根本的なところで変えていく、そういうことが男女賃金格差、あるいは女性の長期的な継続就業においては必要になってくる、制度改革が必要になってくるということです。
 それから、家庭ももちろんそうだと思います。家庭に関してはなかなか行政が介入するのは難しいですけど、ただ、先ほど山口先生が報告されたように、制度が波及する効果というのはもちろんありますので、こちらはやれることはあるかなと思います。
 ただ、最重要としてはやっぱり働き方ですよね、雇用システムの改革というのが重視できるのかなと思います。
 最後のスライドです。十六ページ目になります。
 有配偶女性の継続的キャリアの問題というのは、女性が結婚できていることが出発点になっているんですけど、ただし、かなり多くの方、男性についてはもちろんそうですけど、出発点に着いていない人が増加しているということも意識しておく必要があるのかなと思います。
 これは、もう無配偶であろうが有配偶であろうが必要になってくるのは、若者が五年後、十年後の生活の安定が予期できる社会というのが私は大事になってくるかなと思います。十年後に、ああ、自分は安心して働けているんだなという実感が今の若い人は非常に難しいですね、そういう実感を得るのが難しい状態です。これを改善していけば未婚化も緩和できるでしょうし、結婚してからの働き方にもプラスの影響があるのかなと思います。
 具体的には、例えば不本意な転居ですよね、転勤とか、転勤というのは非常に日本独特の慣習ですので、これまだまだ改善する余地があります。それから時間外労働、それから賃金率ですよね、が現状の非正規雇用より高い仕事の就業を増やすことが大事になってくるかなと思います。
 可能ならば、今回、実は地元と都市部の話ができなかったんですけど、地元に居続けながら上記のような仕事が継続できる環境があるといろんな点で望ましい効果があるのかなと思いますが、ちょっとこの点に関しては余りお話ができなかったので、また後ほど時間があればということでお願いしたいと思います。
 私の報告は以上です。
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福山哲郎#8
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 発言は着席のままで結構でございます。
 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十五分以内となるように御協力お願いいたします。
 これより一巡目の質疑を行います。
 質疑のある方は挙手を願います。
 友納理緒君。
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友納理緒#9
○友納理緒君 自由民主党の友納理緒でございます。
 今日は、理事の皆様、参考人の皆様への質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 本日は、お忙しい中、竹信先生、山口先生、筒井先生、大変貴重な御意見を賜りました。誠にありがとうございます。皆様からの御意見を伺って、一人一人が大切な社会の構成員であって、性別に関係なく、この国が誰にとっても希望を持って生きていくことができる国となるためのヒントをいただいたと思います。心から感謝を申し上げたいと思います。
 まず、質問ですけれども、竹信三恵子参考人にお伺いをいたします。
 私は元々看護師をしておりましたので、看護職も九割女性という中で、専門性の割には賃金が低く、これは正規雇用でも同じような状況がございますが、働き続けてもなかなか給与が上がらないという問題に直面をしています。ですので、看護も含めて、女性が多いその他の医療、介護、そのほかのサービスについても正当な評価を受けるべきだと思いますので、今日の参考人のお話から学ばせていただくことは大変多くございました。
 その中で、私、看護師の後には弁護士を十年ほどやっていまして、その弁護士のときは、今度自営になりましたので、ちょっと産休とか育休とかほぼきちんと取れませんでしたけれども、ただ、労働時間ですとか職務は自由に選択ができましたし、キャリアの中断はなく、収入も特に下がらないような状況でここに至ることができました。
 ただ、今、国会議員になりますと、やはりまだ女性が少ない職場ですので、働き方としてすごく難しいなと感じることがございます。例えば、私はまだ幼い子供が二人いますので、朝の会議は保育園に預けてからだと間に合わないですし、夜の会合は子供のお迎えですとか世話がありますから行くことができないわけですね。そうしますと、会議や会合の出席の多さで評価をされたりですとかやる気を見られたりすると、すごく困ってしまうということがあります。
 これは、恐らく男性の働き方に女性を当てはめてもうまくいかないといった状況、まあ形式的平等というんですかね、そういった状況だとうまくいかない状況があって、先ほど参考人のお話にも男女雇用機会均等法がそういった状況を助長してしまったというものがあったかと思いますけれども、まさにそういった側面が本当にこの世界にもあるのかなと思っています。
 その中に、先ほど生理休暇の取得率の激減というお話がありましたけれども、生理休暇に関してはちょっと思うところがありますので、この点について質問をさせていただきたいと思うんですが。
 生理休暇については、御存じのとおり、労基法の六十八条に、「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。」というふうに規定がありますけれども、ただ、この就業が著しく困難という判断を女性がしていくことは恐らくすごく難しくて、そうすると、自分の今状況が働くことが著しく困難な状況かというのは、かなり厳しい中で働いていますけれども、でも、働けるから平気じゃないかと思って、なかなか取得することができないということがあるんですね。その意味で、この法律の規定の仕方というのは女性に優しくないんではないかと思うんです。
 そのほかにも、今回の国会で子の看護休暇の取得の時期の拡大とか取得の目的の見直しというのが議論されているんですけれども、私からしてみますと、日数の拡大とかを含めて、この子の看護休暇というのをすごい重視してほしいと思うんです。
 それは、親の立場であれば、まあ病児保育とかももちろん重要なんですけど、病気の子供を人に預けるというのはやっぱりやりたくないというか、できれば自分で見たいということを考えますと、やっぱりこういった子の看護休暇みたいな制度がもっと進んできてもいいんだろうというふうに、取りやすく進んできていいんだろうと思うんですけど、それを考えますと、子育てに優しい政策とか、そういった政策が遅れてしまうのは、政策に女性の目線がやっぱり入りづらい状況がある、入っていないことがある。今日のテーマでもありますけど、例えば働き方に関する様々な政策とか法律も、女性の視点がもう少し入っていればもっと違った世界があったのではないかなと思ったりするんですね。
 この問題は、結局その原因の一つに、法律を作るこの国会の場に今女性の議員がすごく少ないということも影響しているのかなという気がするんですけれども、ちょっとこの点について参考人の御意見があればお伺いしたいなと思うんですけれども。ヤジ
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竹信三恵子#10
○参考人(竹信三恵子君) 済みません。よろしいでしょうか。
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福山哲郎#11
○会長(福山哲郎君) はい、結構です。
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竹信三恵子#12
○参考人(竹信三恵子君) 竹信、お答えします。
 大変貴重な御意見いただきまして、ありがとうございます。
 フリーランスの問題から始まって、看護師さん、女性の専門職の安さというようなこともいろいろ含めてお話ししていただいて、補っていただいてありがとうございました。
 それで、やっぱり、どこの部分かな、女性の意思決定の参画の仕方が余りにも足りないというのは全くおっしゃるとおりで、日本の労働時間がなかなか短縮されないというのはなぜかというと、おっしゃることだと思います。つまり、労働時間が短いと困る人がほとんど決めていないんです。
 議員にしても、それから、何でしょうね、企業の幹部にしても、大抵の人が長時間労働を、それこそ妻の無償労働で支えられて長時間労働を勝ち抜いてきた勝ち組なんですよね。それやらないと日本の社会って勝てないので、女性もそれやらないとなかなかできないという、こうなってきてしまっているシステムがあるので、そうなると、勝ち組が労働時間短縮するということを余り実は真剣に考えていなくて、労働時間短縮で問題になるのはいつも過労死だけです。だから、死ななければいいレベルのことを考えている、最終的には。
 だから、そこはやはり、その部分の女性の政治意思決定への参画というところと、それから、その女性たちが子育てをちゃんとできるような、何といったらいいんですかね、考えられるような人たちがたくさん入っている方がいい。比率が高ければそういう人が入ってきます。数が余りに少ないと勝ち抜いた人しか入れない。でも、勝ち抜いた人の中にもよく分かっていて入ってくださる方もいらっしゃるので駄目という意味では全くありませんが、でも、比率を増やせばいろんな人が入ってきますから、おっしゃるような形になると思うんですね。
 となると、今日は触れませんでしたけど、やはりクオータ制は私は必要だと思っています。そこにはいろんな御意見があって、クオータ制ならいいんですかという反対意見があることも十分承知していますが、これほど増えないということは、さっき社会的規制というのを申し上げましたけど、やっぱり一定期間でいいから社会的規制で増える状態というのをつくってみないと変わらないと思います。先ほど、それを変えることによって波及効果があるという男性の育休の話を先生がされていましたけれども、それと似ていて、そのような仕組みが一遍入ってきてやってみると、あっ、これ普通じゃないかというふうになっていくんですよね。それがいまだにできていないから、普通じゃないと思っているんですね。
 というようなことが必要なので、おっしゃるとおり、まず意思決定の場面でのクオータ制を入れる必要があると私は考えています。
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友納理緒#13
○友納理緒君 ありがとうございます。意思決定の場に、また、女性というか多様な人材が増えて、すごく多様性を受け入れられる社会になればいいなというふうに私も考えます。
 次に、山口参考人にお伺いをいたします。
 女性の活躍を推進するためには、女性だけを支援するだけではなくて、男性の働き方を変えなければいけないというのがもう原則だと思っています。その意味で、先生のお話は大変共感をするところばかりでございました。
 やっぱり、育休を取って早い時期に生まれてきた子供に接することは、アタッチメントという、子にとってもとてもいいですけれども、先ほどおっしゃったように、オキシトシンの分泌というところで、父親にとっても、やっぱり十月十日子供をおなかの中で育ててきた母親と、生まれてその場で出産によって突然父親になる、父性をすぐ持つことは難しいと思いますので、やっぱりそういった中で、関わっていく中で父性を育てていくという機会はとても重要だと思います。特に産後一年ぐらいは産後のホルモンのバランスでうつになったりというようなことがあって、そのときの冷たい声掛けとかはその後の離婚につながったりというのが、実際離婚事件たくさんやっていましたから、元をたどってみるともうそこが原因だったというのがたくさんありますので、すごく感じています。
 そこで、是非男性には育休を取ってほしいというふうに思うんですけれども、それを阻む一つの要因としては、先生の記事にもあったんですけど、職場の雰囲気というのがやはり今根強くまだあるんだと思います。今回、国会に提出された法案で、子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案で育児休業給付金の支給率を手取り十割程度にするというような手当てはされましたけど、やっぱりお金だけの問題ではなくて、この何とも言えない職場の雰囲気ですね、先生、実体のない雰囲気というふうにお書きになっていらっしゃいましたけれども。でも、何か実体がないからこそ、この雰囲気を打ち消すことというのがすごく難しい、どこに原因が、その雰囲気が出てくる原因があるのかというのがすごく分かりづらいんではないかと思っていまして、それで勇気あるお父さんというのがなかなか出てこないという状況があるんではないかと思うんですけど、その雰囲気を打ち消す方法というか、そういう方法にはどういったものがあるかというのを御示唆いただければと思います。
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山口慎太郎#14
○参考人(山口慎太郎君) ありがとうございます。友納議員、御質問ありがとうございました。
 どういうふうに職場で男性育休の取得を進めていくかということですが、一つは心構えみたいなものについてお話ししたいと思いますし、もう一つはもう少し具体的な施策についてお話ししようと思います。
 一つ目なんですが、職場で男性の育休取得を進める上で最も大切なものはトップのコミットメントです。社長がどれぐらい本気であるかと、ほとんどこれで決まります。逆に言うと、人事部が男性の育休取得増やしたいということでたまに私のところに御相談に見える方もいるんですが、社長はどうおっしゃっていますかということを聞くと、人事は頑張っているんだけど社長は余りいい顔しないとなると、ほぼ確実にうまくいきません。逆に、社長自らいらっしゃることですとか、あるいは社長室長が来たりすると、話は大分早い。もうトップはやる気である、あとは制度を整備するだけ、あるいは社長の意思を現場に伝えていくだけということになって、非常に話がスムーズです。
 したがって、まずトップが本気を見せるというのが必要条件になっていると思いますし、そのために、上場企業においては、育休取得率の開示の義務化ですとか、あるいは取得率に数値目標を設定するという方向でもいいのかもしれません。さらには、取得率だけですと、一日取ったらもうそれはカウントされてしまうわけで、実態としてやっぱり期間がどれぐらいであるのかといった情報開示につなげていくのがよいかなというふうに思います。
 もうちょっと現場のレベルで具体的に機能しそうな施策としては、一部の民間企業、自治体で取り入れられているんですが、同僚に対して手当を支給する、あるいは、形ばかりなんだけど、お祝いの品を、お菓子ですとかそういったものを配っていって、誰々さんは育休取って仕事は一旦離れるわけですが、その間ちょっと御不便をお掛けしますとかカバーしてくださいという形で、同僚にある程度負担というのは避けられない部分があるわけです。そこに対して会社の方から手当を支給したりお祝いの品物をお渡しすることで、少し職場の中で育休取得を歓迎していく、支援していく空気の醸成というのは可能だというふうに聞いていますので、そこに対して更に行政が支援するような、財政的な支援をしていってもよいのかなというふうに感じております。
 以上です。
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友納理緒#15
○友納理緒君 ありがとうございます。
 ハラスメントの対策と一緒ですね。やっぱりトップがちゃんとやっていただくというところが重要なんだろうなというふうに思います。
 最後に、筒井参考人にお伺いしたいと思います。
 ある論文を、先生のものをお読みしましたら、女性の就労促進のためには、女性の負担が多い時期を重点的に支援するのではなくて、男性も含めてルーティーン的な家事遂行を可能にする恒常的な労働時間の削減、家庭の事情に仕事を合わせることができるように柔軟な働き方を推進すべきだというふうにお書きになっていらっしゃいました。
 全くそのとおりだと思っておりますけれども、他方で、ここ数年、数十年、先ほどの家事の分配の話がありましたけど、分担の話がありましたけれども、家事負担の再分配というのはやっぱりうまく進んでいなくて、家庭内の無償労働が極端に女性に偏っているという状況が続いているんだと思います。そうすると、なかなか難しいな、難しい状況があるなと思うんですが。
 そこで、一つの考え方として、女性の家事負担を家庭外に委託するということがあり得ると思うんです。女性の負担を減らして働きやすくするということですね。例えば、いわゆる家事支援サービスとかを利用する中で、炊事、洗濯だけではなくて、それこそ学童保育、ベビーシッターとか育児に関する業務もそういったものを委託すると。これらの利用を促進するための方策として、家事支援サービスの利用枠を所得控除するとか、家事支援控除のような制度を採用することもどうかというような話が多々上がることがあると思うんですけれども、こういった点について参考人がどうお考えになるか、お教えください。
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筒井淳也#16
○参考人(筒井淳也君) どうもありがとうございました。
 家事分担ですよね、この問題を解決する方法はいろいろあって、全体の作業量を減らすとか、それから、もちろんおっしゃったように外部委託ですね。ただ、この外部委託が日本では非常に進みにくいわけですね。例えば、掃除なりを外部委託している方の割合という統計データがあるんですけど、一%とか二%とか非常に低い水準。これはどういうふうな理屈でそれほど外部委託が進まないのかというと、やはり日本の場合、家庭の中に他人を入れるということが非常に抵抗感が強くなってしまっているんですね。ドメスティックワーカーと言われるいわゆる家事手伝いの方とかがなかなか増えていかない理由はそこに一つあるんですよね。
 これに関しては、文化的で、あるいはその感性的な理由もあるのでなかなかあれなんですけど、ただ他方で、じゃ、その不安感なりを和らげていくために、例えば何かあった場合には行政と連携してちゃんと補償制度があるとか、いろんな安心感ですね、やっぱりこの安心感が非常にでかいと思うんですよね。ですので、この点を、実は家事委託の業者自体は増加傾向にあると思うんですけど、ただ、利用率が低調であるところのネックになっているのが、やっぱりちょっと不安だよねという考え方がある。それか、割高というのももちろんありますよね。
 この二点ですね、料金と一種のリスク、不安感ですね、この両面で行政ができることというのは、なかなかその料金を割り引くというのは、一部の自治体では実は非常に期間限定でやっているんですよね、クーポンを配付して。ただ、それも呼び水としては一つあり得ると思うんですよね。
 ですので、いろんなやり方でそれができるのかなという点はありますけど、他方で、ドメスティックワーカー、家事を手伝うような方の賃金というのは非常に低く抑えられがちという問題があります。ですので、これは万能の解決法では全然ありません。やはり、構造的に、働きやすさ、柔軟に家庭のことがやれる時間を増やすとか、そういった、やっぱり一番大きいのは男性の働き方を変えることだと思うんですけど、この点が一番大事な目標でありつつ、ほかにもいろんな補助的な課題があるのかなと思います。
 以上です。
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友納理緒#17
○友納理緒君 ありがとうございます。
 男性の働き方を変えることが一番の手段という先生の御意見がありましたので、是非国会議員の皆さんから一緒に始めていくことができればと思いました。
 ありがとうございました。
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福山哲郎#18
○会長(福山哲郎君) 柴愼一君。
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柴愼一#19
○柴愼一君 立憲民主・社民の柴です、柴愼一です。
 三名の参考人の方々、本当に考えさせられるというか、我が身を振り返って、質問をする、非常にしにくいなと思いながら、ただ、私も妻がフルタイムでずっと郵便局の管理職までやっていましたので、一緒に家事もやっていました。昨年、勤続四十年で早期退職をしまして、今まで家事分担していたのが妻が主にやってくれるようになって、こんなに生活が楽になるのかと思うぐらいやっぱり激変をしまして、それだけやっぱり大変な、家事の分担というのは大変なことなんだなと逆の意味で感じています。
 これまで、この調査会では、様々な困難な状況に置かれている方々、生活困窮、格差、一人親、子ども・子育て世帯であるとか、障害を持たれる方、不登校とか、自殺やヤングケアラーの方々の実態や、そういった方々を支える活動をしている団体の方々から意見を聞いてきました。今日の話は、逆に、社会の半分を占める女性が抱える困難な状況というのはまた極めて大きな問題なんだなというふうに思いました。
 そして、私も労働組合の役員をずっとやってきましたので、女性活躍とか男女共同参画とかというテーマでも様々な取組をしてきました。参考人の皆さんから提起いただいた問題、処遇の格差、子育てや家事の分担、また労働参加などは、話聞いていると、根っこはみんな同じところで何かぐるぐる回っているのかなというふうに感じました。
 働く場面、雇用とか賃金、処遇面でのこの男女の格差は、女性に問題があるのではなくて、社会全体、特に意思決定の場でのマジョリティーである男性の意識の問題だなというふうに思っています。そんな実態、大変な状況にあるという実態についての理解不足や問題意識の低さ、男性にとってはこの状況が居心地が良かったりとかするということや、企業においては労務費、人件費抑制の、そんなものにもつながっているということだと思います。
 そこで、竹信参考人、筒井参考人にお聞きをしたいんですが、男女の賃金格差の是正、女性の労働参加、キャリア形成を阻害しているものというのは様々お聞かせいただきました。性別の役割分担意識であるとか様々なものがあると思います。それを克服するための方策、幾つかいただきましたが、まず何から手を着けるべきなのかと。政治、社会が取り組むもの、企業、労使が取り組むものなど、社会的規制であるとか雇用システムということもいただきましたが、具体的にまず何からやるべきなのかということがあればお聞かせいただきたいと思います。
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福山哲郎#20
○会長(福山哲郎君) 竹信参考人からでよろしいですか。
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柴愼一#21
○柴愼一君 はい。
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竹信三恵子#22
○参考人(竹信三恵子君) じゃ、お答えします。
 何からというと全部という感じになるので難しいんですけど、一つは、意識の中では、もう大黒柱型で男性が稼いでいれば家族は成り立っていくんだということがなくなっているんだということの共有が必要だというふうに思っています。女性だけの問題ではなくて、男性の賃金がこれだけ下がっていっていると、下がっているんですよ、それ余りみんな気付いていないと思いますけど。そうすると、今もう大黒柱型から多就業型、たくさんの人が家族全員総出でもって働くみたいな、そういう状況になっているおうちが物すごく増えているんですね。
 なので、女性がちゃんとした賃金をもらえるようになると、家族中みんな物すごく楽になるんですよ。それがそういっていないということがとても大きな壁になっていて、それをもっとキャンペーンも含めてきちんと組合も変えていく必要がある。父ちゃんに賃金をという昔のスローガンではなくて、母ちゃんにも賃金をにしないともうもたないなって。
 ヨーロッパなんかもよく美化して言われていますけど、実質的にもうそれですよね。男性の賃金が製造業が外に出ていったりする中でそうそう高くはもらえないですし、そうなってくるとサービス産業も盛んになってくるわけですから、サービス産業に就くことが多い女性の賃金がいろんなさっき言った偏見によって実質以上に低くされていたら、絶対家計は豊かになりません。単身の人ももちろん非常にきついです。
 それを考えたら、もう大黒柱だからということ自体を実態とは違っているのだというふうにしてやっていかなきゃいけないときの重要なファクターが女性がどれだけちゃんと稼げるかで、そこに差別をなくして仕事に見合った賃金をと、こういう話になってくるという、そういう筋道になると思います。
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筒井淳也#23
○参考人(筒井淳也君) 男女賃金格差、それから男女のキャリアの在り方の違いですね、この差が縮まっているようでなかなか縮まっていかないということについて、これはどうしたらいいのかということなんですけど、比較的日本よりはヨーロッパあるいはアメリカの方が賃金格差はまあ少し小さいということ。
   〔会長退席、理事田名部匡代君着席〕
 じゃ、何が違うのかというと、働き方がやはり違う。その一点目は、やはり職務単位の働き方なんですね。ヨーロッパやアメリカの主要な働き方というのは、日本でいえばアルバイト的な感覚がちょっとあるんですね。同じ仕事をしていれば同じ賃金であるということです。これは日本人には非常に受け入れ難いというか、そのイメージがしにくいんですよね。
 例えば、同じレベルの経理の仕事をしていた場合に、トヨタで働いているのと、まあトヨタの例ばっかり出すのもあれなんですけど、大企業で働いている場合と比較的小規模の企業で働いている場合だと、日本人だと、どうしてもそれは大企業の方が給料は高いだろうという感覚があるんですけど、諸外国でいえば、同じ仕事をしているんだったら大体同じ賃金になるんじゃないのという感覚なんですね。
 これは、実は企業規模とかそういったものに応じて、職務ではない、具体的な働いている職務内容じゃなくて別のところで賃金が決まりやすいというのは若干日本独特のところがございまして、ここがなかなか変わりつつはあるんですけど変わっていかない。これ非常に分かりやすく言うと、同一労働同一賃金ということなんですね。同一労働同一賃金の同一労働というのは職務なんですね。同じような仕事、同じぐらいスキルが要する仕事をしている場合の賃金格差が大き過ぎないこと、こういった理念があるわけです。
 ところが、日本だと、正規雇用と非正規雇用、特に、例えば派遣労働とか契約労働、契約社員の方ですね、それほど違う仕事をしているようには見えないのに、場合によっては賃金率が三倍ぐらい違ったりするわけですね。これは恐らく諸外国の方が見たらびっくりする。あれ、同じぐらい仕事をしている、労働時間が違えばもちろん給料も変わっていいのに、同じ職務の賃金率、つまり時給ですよね、ここが格差が日本だと正規雇用、非正規雇用、非常に高い。
 この理由の一つは、正規雇用の方が配置転換とか転勤とか長時間労働を受け入れているから高いんだという理屈なんですよね。だから、これはちょっともう女性の働き方、要するに転勤も受け入れなきゃいけないし、長時間労働、残業も受け入れなきゃいけない、そうじゃないと出世できないぞと。こういった働き方だと女性のキャリアにとって非常に不利になりますので、その点、持続的に変えていく必要があるのかなというのが一点あります。
 他方で、これ賃金格差はなかなか諸外国もなくなりません。例えば、直近のノーベル経済学賞受賞されている方ですね、クラウディア・ゴールディンさん、この研究テーマ、男女賃金格差ですよね。アメリカでもまだまだ高いんだという議論なんですね。
   〔理事田名部匡代君退席、会長着席〕
 その理由は、彼女は、労働時間ですよね、やはり無制限に仕事にコミットできるような男性的働き方をした方が賃金が有利になるという、この点を改めるために、結局は労働時間ですよね、ここ、男性が家庭のことをしてくれる人がいるから安心して一〇〇%仕事に打ち込めるような、これはもう持続不可能になっている時代なんです。賃金格差の面でも望ましくないということで、分かりやすい対策として、やっぱり労働時間のキャップをもうちょっと厳しくやる。
 ただ、その副作用として、実は労働時間のキャップを掛けるとどういう副作用があるかというと、時間外労働で実は日本のサラリーマンはお金稼いでいるんですね。これがなくなりますので賃金が下がりかねない。ということは、賃金率をやっぱり上げていかないといけない、要は賃金を上げなきゃいけないということなんですね。
 そういう感じで連関していますので、全てはつながっているということなんですけど、私が注目したいのは、労働時間と、それから時間当たりの賃金率をやっぱり上げるというのがいろんなところでプラスに作用するであろうという話です。
 以上です。
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柴愼一#24
○柴愼一君 ありがとうございます。
 同一労働同一賃金を、例えば女性の処遇を引き上げていくというのはやっぱりお金が掛かりますと。労務費掛かるということでいけば、今回、今まさに春闘で賃上げしなきゃいけないと言っているときにこそ、適正な労務費というのはそういったところも含めて見ていくべきじゃないかというのをちょっと改めて自分自身でも感じました。
 次に、山口参考人に質問いたします。
 女性の育児負担の軽減というのは、男性の家事や育児への参加を増やすということというのはお金が掛からない少子化対策にもなるというのは事前にいただいた資料でも拝見しました。男性を家庭に返すということは男性を豊かな人生に導くという、そういう御意見もそのとおりだなと、そういうふうに思いましたし、そうあるべきだと。そして、そのことはこの日本社会をじわじわと変えていくことにつながっていくのかなというふうに思いました。
 男性の育休取得を増やしていくには具体的にどうしていくのかと。先ほど言ったとおり、日本の制度というのは、制度は世界最高だけれども実際には進まないと。ただ一方、私の出身の例えば日本郵政グループとかは一生懸命やっていたりとか、びっくりするほど取得率が上がってきています、期間は短いですけど。
 ですので、大企業では制度の整備とか取得促進に向けた様々な取組が一定の成果を上げてきているんじゃないかというふうに思っているんですが、一方で、企業の大部分を占める中小企業での育休取得というのはどういう状況なのか、もし課題があるとすればどのような措置が必要か、お聞かせいただけたらと思います。
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山口慎太郎#25
○参考人(山口慎太郎君) 中小企業と大企業の間で男性の育休取得率には大きな差があります。もう一つ大きな差を生み出しているのは地域によるものですね。大都市では取得率は高く、東京では高く、地方部では低くなっています。
 これに対して、どのように中小企業においても取得を高めていくかというのは、これ結構難しい課題だなというふうに思っています。というのも、やはり組織が大きければ、一人ぐらい抜けても規模に対しては小さな欠損にしかならないのに対して、十人の企業だったら、残りの九人が頑張らなきゃいけないということになって、かなり大きなダメージになりかねないというふうに考えられるわけです。
 したがって、代替人材を雇用するための財政的な支援ですとか、あるいは、今いる人材により長く働いてもらうというようなことをした場合には、そこに対してちゃんと金銭的に手当を付けていく、残業代をきちんと支払うといった形で、金銭的な報酬というのを用意していくことによって納得感のある働き方をしていただきたいなというふうに思っています。そして、誰かが働けなくなってしまう状況というのは、子育てに限らず介護もあるかもしれない、病気もあるかもしれない、あるいは何かほかの理由というのもあるかもしれない。そういうときのために、お互いさまということで、誰かが何らかの事情で抜けてしまったときに周りがカバーするんだというのが当たり前の空気を醸成していく必要があると思います。
 そして、先ほどの友納議員の御質問にもお答えしたときにも申し上げたように、周囲に対する手当を会社が支払っていって、そこに対して行政が財政支援をしていくというのも可能なやり方かなというふうに考えております。
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柴愼一#26
○柴愼一君 ありがとうございます。
 もう少しだけ山口参考人にちょっと聞かせていただきたいと思います。
 性別役割分担意識というのは変わってきているのかと。山口先生は東大ですので、東大生の男性はどんな意識になってきているのかと。東大生はきっと年収水準が高い家庭が例えば多かったりすると、専業主婦率が高かったりとかするんじゃないかと。すると、子育てに専念をした母親に育てられた子供たちというのは変わってきているのか、又は再生産がされているのか、どんな受け止めをされていますでしょうか。
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山口慎太郎#27
○参考人(山口慎太郎君) なかなか自分の学生だけをもって東大全体について語れないんですが、アンケートなんかを見ていくと真っ先に感じるのは、確実に若い世代ほどジェンダーニュートラルの考え方、性別役割分業意識から離れていっているというのは感じます。この世代差というのは非常に大きくて、我々の世代とはちょっと想像の付かないような水準になっていると思います。
 現代においての若い人たちの中では、男性も将来の配偶者には自分と同じぐらいやっぱりフルタイムで働いてほしいというのがよくある要望になっていますし、女性の側から見ても、男性が稼いでくるだけじゃなくて、しっかり子育て、育児ともしてほしいということになっていて、そういった価値観の変化というのはかなり劇的なものがあるというふうに感じています。
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柴愼一#28
○柴愼一君 時間になりました。これで終わります。ありがとうございました。
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福山哲郎#29
○会長(福山哲郎君) 竹内真二君。
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