平林晃の発言 (憲法審査会)

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○平林委員 公明党の平林晃と申します。
 本日、初めて会派発言をさせていただきます。これまでの議論の過程あるいは本日の主張と重なる部分もあろうかと思いますけれども、御容赦いただけたらと思います。
 言うまでもなく、近年の日本において、災害は、いつ起きるかではなく、いつもどこかで起きているような、そんな状況になってしまっていると考えております。感染症の蔓延も予断を許しません。安全保障事態も懸念されます。こうした緊急事態が国政選挙を目前に控えた時期に発生した場合にどのように対応するかを定めておくことは、立法府が果たすべき当然の責務と考えております。
 憲法五十四条一項において、衆議院が解散された場合、解散の日から四十日以内に総選挙を実施し、その選挙の日から三十日以内に特別国会を召集しなければならないこととされております。本規定に基づけば、合計七十日の衆議院議員不在期間が許容されていると捉えることができるということだと思います。
 ところが、緊急事態が広範なエリアにおいて発生し、これらの選挙区において七十日以内に衆議院議員の選出が困難となった場合、こうした事態が選挙困難事態と言えるのかどうか、このことについて意見を申し述べます。
 国難とも言える東日本大震災において選挙の実施が困難となったのは、比例区の三ブロック、十五小選挙区でした。これら選挙区における合計定数は、二〇二一年の第四十九回総選挙で六十九名、二〇二四年の第五十回総選挙では六十七名となっております。これは、現国会におきまして、日本維新の会三十八名と国民民主党・無所属クラブ二十八名を合わせた六十六名を超える人数であります。
 このような状態において、公明党がこれまで主張してきたことは、一斉投票、あるいは選挙の一体性についての配慮であります。すなわち、特定の投票区のみで投票を延期した場合、当初日程で得られ公知となった選挙結果は、実施されていない投票に対して影響を与えることとなります。このことが選挙の一体性を害することとなる、この考え方を我が党は示してまいりました。
 その上で、本日、加えて指摘したい点は、首班選挙への影響であります。
 憲法五十四条一項において、選挙の日から三十日以内に特別国会を召集するとされているのは、直近の民意を反映して首班選挙を直ちに行う必要があるからであります。一定数の議員が欠員となっている状態において特別国会を召集して、選ばれた内閣総理大臣が直近の民意を反映していると言えるのかどうか、この点を慎重に考える必要があると考えております。
 例えば、昨年十月の第五十回総選挙におきまして、当該解散の後から投開票日までの間に東日本大震災が起きたとします。本日配付した資料を御覧いただけたらと存じます。一番左上に政党名があり、その右に現有議席が示してございます。その左に、震災の欠員で影響を受ける党派別の人数を示してございます。参考までに、中段に、震災影響を小選挙区と比例区の別に示しているところでございます。
 一番上の表に戻りまして、現有議席から震災シミュレーションで影響を受ける真ん中の列の議員数を差し引いたものが、召集日に決定をしている議員の数ということになります。
 その結果を与野党別に示したものが、一番下にあります小さな表でございます。左が現在の議席数、右側が震災の影響を受けた場合です。与党は二十八減り、野党は三十九減るということになります。数値を示しておりませんが、与野党の差は、左では二十一で、右が十ということになっております。議員全体の減り方は、四百六十五から三百九十八で、一四・四%の減となっておりますけれども、与野党の議席数の差は、左が二十一で右が十ということで十一減っておりまして、二十一分の十一、五二・四%も減っているということとなります。
 要するに、緊急事態によって生じる欠員が、全体の結果に押しなべて一様に生じるものではなく、地域の特性に応じたものになるということであり、このことに着目する必要があると考えております。
 更に付言すれば、先ほども御発言ありましたけれども、首相候補になり得る議員が当該選挙を終えていない可能性も否定できません。このように考えますと、緊急事態による議員の欠員は、延期して実施されるであろう選挙に影響を与えるだけではなくて、首班選挙の正統性にも影響を与えることとなります。
 続いて、投票を長期間繰り延べることによって対応することの問題点についても意見を申し述べます。
 繰延べ投票の延期期限は公選法に規定されておりませんので、東日本大震災のように八か月後の実施も、法令上は問題ないこととなります。ただし、非常に長い繰延べということになり、選挙運動期間もとても長くなります。過去の国政選挙、先ほど船田委員の方から昭和四十九年の御発言がございまして、そのようなことも私も認識をしているところでございます。繰延べ投票は、速やかに全体の選挙の結果を得るためにもできるだけ早期に行うべきとされておりまして、せいぜい数週間程度の延長に適用されるべき制度であると考えますし、また、これも発言があったところでございますが、選挙の公示前であれば、そもそも繰延べ投票は適用できないということも指摘させていただきます。
 以上、選挙困難事態に関する立法事実について意見を申し述べてまいりましたが、一部地域の欠員が首班指名選挙にまで与える影響を考えますと、選挙困難事態の立法事実が存在することは否定され得ないのではないかと申し上げまして、意見陳述とさせていただきます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 平林晃

speaker_id: 21927

日付: 2025-03-13

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会