田中和徳の発言 (財務金融委員会)

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○田中(和)委員 自民党の田中和徳であります。
 再犯防止推進法に基づく重要なポイント、再犯防止対策のゲートウェーは、金融機関における口座開設であります。今般は、刑務所出所者などの口座開設と、その課題について伺います。
 私は、昭和五十八年、一九八三年の十二月五日に、秦野章法務大臣のとき、保護司に委嘱され、今日まで長きにわたって保護司を務めてまいりました。私の上着の右襟についている黄色い羽根が、更生保護、保護司のシンボルでございます。
 その後、平成八年、一九九六年に衆議院に初当選をしたときに、仲間の議員とともに更生保護を考える議員の会をつくって、会長に就任し、今日に至っている。その関係で、自民党の再犯防止推進特別委員会の委員長を務め、超党派で再犯防止を進める議員連盟の会長も務めております。また、地元川崎では、出所者の支援をしております更生保護施設川崎自立会の副理事長も長年務めております。
 特にエポックとなったのは、平成二十八年、二〇一六年十二月七日に議員立法で成立をさせた再犯防止推進法でございまして、この法律は、同年十二月十四日に公布、同日施行されました。この法律に基づいて、全ての都道府県と政令指定都市、自治体が自ら策定した、再犯防止推進計画が既に定められ、一般の基礎自治体でも大変なスピードで策定が今日進められ、再犯防止政策の推進の主役は地方に移ってまいりました。
 我が国の一般刑法犯の認知件数は、平成十四年、二〇〇二年に二百八十五万三千七百三十九件とピークを迎えましたが、その後、急速に減少に転じ、再犯防止推進計画の効果もあって、令和三年、二〇二一年には、何と五十六万八千百四件まで激減をして、過去最低を記録したのでございます。しかし、残念ながら、その後、再び増加傾向となって、令和四年は六十万一千三百三十一件、令和五年は七十万三千三百五十一件となっております。そして、犯罪の半分を占めるのが再犯でございまして、効果的な再犯対策こそが一番重要な肝だ、こういうことでございます。
 また、試算によれば、矯正施設の受刑者一人当たりおよそ一千万円の公費がかかっていると言われておりまして、当然、犯罪を減らすことは、分かりやすい国民負担の軽減ということにもなるわけであります。
 昨今、矯正施設の入所者の数は減り続けておりますが、令和七年三月末時点で刑務所及び拘置所に収容されておられる被収容者の人員は四万七百四十三人と伺っておりますが、再犯防止の中で最も大切なことは、一度犯罪をした人たちが、刑を終えた後は一般の社会人として生活ができるように、二度と犯罪に手を染めないようにする環境の整備と支援をみんなですることであります。
 今、我が国もそうでありますけれども、世界中でキャッシュレス化が急速に進みまして、就職をして働く、社会生活を営む上で、金融機関の口座なくしては生活上極めて不便を来すことになっております。口座が開設できなければ会社からの給料の振り込みもできませんし、それが理由で就職を断られるという理由がしばしばございます。また、クレジットカードの発行もできない、携帯電話の契約も難しい、家賃や電気、ガス、上下水道の引き落としも難しい、あらゆる場面で生活に支障を来しているのであります。
 しかし、対象者、すなわち満期出所者、仮出所者、判決で執行猶予を受けた方、また、その中でも保護観察を受けている人と受けていない人がいるわけでありますが、また、さらに、刑期を完全に終わった人などもいますが、今日、それぞれの口座開設の有無についての統計が全く分かっておりません。
 金融機関にはブラックリストというようなものがあると仄聞をするわけですが、それによって口座開設ができなくなって困っている人たちが大勢おります。私が役を務めている更生保護施設でも、しばしばその実態がございます。口座が開設できないことによって、就職ができない、生活ができづらい、その結果、再び犯罪者になるという負のスパイラルに陥ることの大きな要因になっておるわけでございます。
 再犯を誘発することは絶対にあってはなりませんし、対象者の、新しい、始まった生活を支えることは、再犯防止に絶対重要なことであります。金融庁は、この重大な問題をどのように思っておられるのか、金融機関に対してどのような働きかけをしておられるのか。法務省との協議などもしておられるはずでありますが、承っておきたいと思います。

発言情報

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発言者: 田中和徳

speaker_id: 151

日付: 2025-05-30

院: 衆議院

会議名: 財務金融委員会