大森直樹の発言 (文部科学委員会)
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○大森参考人 御質問ありがとうございます。
減らすのはやはり難しいところがございます。私も大学で教員をしておりますので、小学校でも大学でも、教員には、学生のためになるなら、子供のためになるなら頑張ってこれもあれもやはり教えていこう、そういう気概のようなものもございます。
でも、この間、もうそういったことが限界になっていますし、教員のサイドだけではなくて、日本の教育課程の在り方というのは、やはり教育課程基準の影響が大きいものでございますから、やはりそれも減らすところを考えなければいけないというふうに思っております。
では、どこなのかということなんですけれども、やはり一つは、標準時数のそもそものボリュームを変えないと、今はもう本当に、小学四年から中学三年まで、額面どおりにやると毎日六時間という状況ですから、ここは、簡単ではないかもしれないけれども、減らしていくということが必要だと考えております。
それから、簡単ではないというふうについ申し上げたんですけれども、突き詰めて考えると、減らせるんですね。
よく言われるのは、時数を減らすのはいいかもしれないけれども内容が減らせないじゃないか、内容を減らさないで時数を減らしたらかえってきつくなってしまうということがよく言われるんですね。
それで、今、私たちは、具体的な内容の大きさというのは、基準そのものというより、基準の結果としての教科書に表れますので、教科書の分析を行っております。お手元の私の資料の十三ページを御覧いただけたらと思います。
大前提なんですけれども、教科書会社も、それから恐らく文部科学省も、こうすることが子供にとっていいことだろうということの善意だというふうに私は考えているんですけれども、その善意が重なったときに何が起きるかということをお話しします。
例えば、最近の教科書、こういう問題が増えております。十三ページの一番下なんですけれども、小学二年生です。「二十八円のラムネと十七円のカステラを一つずつ買います。あわせて何円になるでしょうか」。一つ前の教科書ですと、「計算のしかたを考えましょう。」になっています。これは、四則計算の基本のところ、考え方、これだって結構大変なことです。今の教科書です、「計算のしかたを考えましょう。はるとさんとゆきさんの考えをいいましょう。」。
教室の中で子供たちから複数の解法が出てきて、それを先生が取り上げるのはすごくいいことなんです。でも、教科書の中にあらかじめ二つの解法が印刷されていて、それを子供に見せて、それぞれの解法の違いを言葉で説明させるということが全国の学校で行われています。二年生にこれが本当に必要なのか。二年生に必要なのは、まず一つの基本的な考え方を習得して、手を使って何回も何回もそれをやって、算数を使いこなせることなんですね。
共同研究をしている、公立小学校の教員であると同時に公教育計画学会の会員である水本王典さんの一番最近の研究成果なんですけれども、教科書における不合理な教材のページ数を全部書き出しています。分類がございますけれども、一番多かったのが八十五ページです。「思考力・判断力・表現力等に形式的に対応した難解な内容」です。
私は、思考力、判断力、表現力が大事でないと申し上げているのではなくて、それに形式的に対応する余りに、ひねり込んだ、御紹介したような問題が増えているというところがございますので、そこを減らすことはむしろ子供にとってメリットになる、そのように考えている次第です。