山下芳生の発言 (環境委員会)
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○山下芳生君 私は、会派を代表して、環境影響評価法の一部を改正する法律案及び山本太郎議員提出の修正案に対し、いずれも反対の討論を行います。
改正案で新たに規定される計画段階建替配慮書による評価の簡略化は電気事業連合会の強い要請で、風力だけでなく、原子力、火力などの発電所アセスまで適用対象にしたことに厳しく抗議するとともに、以下の理由で反対するものです。
反対する第一の理由は、巨額の公費を投入する国策事業の半導体工場やデータセンターが大量の電力、水を消費し、PFASやCO2を大量に使用、放出いたします。前回の法改正時にも附帯決議に盛り込まれていたにもかかわらず、こうした個別事業の計画実施に枠組みを与える上位の計画や政策の検討段階を対象にした戦略的環境影響評価制度を今回も導入しなかったことです。
第二は、原子力発電所の安全性は原子力規制委員会のいわゆる新規制基準で一〇〇%担保され、重大な環境影響が回避されるわけではありません。なのに、環境影響評価法では放射性物質も評価項目に入っていながら、他の事業と違い、供用時における原子力発電所においては環境影響評価法に基づいた評価がされないことです。
さらに、二〇一一年に東京電力福島第一原発事故が発生し、放射性物質の拡散により広範囲が汚染され、十四年経過した今でも二万四千人余りが避難生活を余儀なくされています。しかし、原子力規制委員会の審査任せで、米国の国家環境政策法のような原子力発電所アセス評価項目に事故の設定がないことも重大です。
第三に、環境影響評価法で規定している報告書の送付及び公表、環境大臣の意見、経産大臣の意見は、電気事業法第四十六条の二十三により、発電所については適用除外のままになっています。これでは、既存事業の報告書にある調査結果を踏まえた環境配慮を反映した建替配慮書を作成することができません。
第四に、横須賀石炭火力発電所でのリプレースのように、既に環境影響の調査、予測、評価を行うことなく方法書が簡略化されています。今回、新たに建替配慮書による簡略化で、事業の位置、規模等の検討、重大影響を回避するための調査、予測、評価等を不要とするならば、事実上、アセス手続の後退となることです。
第五に、北海道北部での風力発電の建設、青森の下北半島、秋田県の男鹿半島など、日本では陸上でも洋上でも計画が多く、既設の風車も多々ある地域があります。そのために、このような地域では累積的影響評価をしっかりと行う必要があります。環境影響評価図書の公開情報の収集、情報交換等は必要ですが、累積的影響評価は義務付けていないことは問題です。
なお、山本太郎議員提出の修正案は、原案の建替配慮書による手続の簡略化を容認したまま、火力発電所と原子力発電所のみを除外するものであり、賛成できません。
日本共産党は、環境影響評価の目的に代替案の検討と市民参加の位置付けを明確にすること、欧米並みの戦略的環境影響評価制度を実施すること、原発ゼロの日本を目指し、省エネと再エネの促進を強く求めて、反対討論とします。