神谷政幸の発言 (厚生労働委員会)
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○神谷政幸君 ありがとうございます。
健康被害が目に見えて起きていないからいいのではなくて、いかに事前に防ぐか、また、被害拡大をどのように防止するかが専門家が関わる理由であると思います。医薬品販売は前提として薬剤師や登録販売者といった専門家が関与するわけでありますから、それらがしっかりと機能することを担保した制度となることを再度改めて強く求めます。
それでは、それに関連をして、薬剤師等の遠隔販売管理における指定濫用防止医薬品の取扱いについて伺います。
改めて、この遠隔販売管理下での医薬品販売が可能になることは、国民にとって一体どんなメリットがあるのでしょうか。それは、医薬品アクセスの円滑化ということなんだと思います。
例えば、今は市販薬をウェブで、インターネットで購入しようとすると、少なくとも一日は配送を待つことになると思います。また、コンビニは近所にあるけどドラッグストアは遠いという環境もあると思います。それ以外に、ドラッグストアは夜間営業していないから、二十四時間営業のコンビニで買えると助かるのにという声は以前よりあります。
今改正案によって常にコンビニの医薬品保管庫に薬が置かれているとなれば、それらが解決されます。オンラインで管理店舗とやり取りをして、その後に歩いて近所のコンビニへ行けば、すぐに目薬が手に入る、貼り薬が手に入る、場合によっては夜間に解熱鎮痛剤が手に入ることになるわけであります。
一方で、安易に手に入るからこそ起こる問題も考えるべきではないでしょうか。
一般用医薬品による救急搬送は、インターネット販売が可能となった平成二十六年以降急増をしています。そして、昨今、医薬品の過量服用、いわゆるオーバードーズが行われている背景には、生きづらさを感じている若者が、嫌なことを忘れたい、つらい気持ちから逃れたいとして、ドラッグストアを買い回れば安易に医薬品が手に入るという点があります。今法改正で医薬品アクセスが円滑になることで、新たに苦しむ人たちを生み出すことになるということは何としても避けなければなりません。
その上で、対面しないと分からない、かつ専門的な知識が必要なケースもあるのではないかと危惧をしています。実店舗では、指定濫用防止医薬品を購入に来た人で明らかに不適切な使用をしていると思われる場合は、これはなかなか言葉で表現するのはちょっと難しい部分もありますが、しぐさや雰囲気でこれは伝わってくる、分かることがあります。そのため、薬剤師や登録販売者が販売を断る事例があります。
他方、オンラインだけではそこまで伝わらない可能性も否定はできないと思います。例えば、家でA管理店舗でブロン液の購入手続を進めて、その後B管理店舗でトニン液の購入手続を行った人が、Zコンビニに行って同時にそれらを受け取っても、受渡し店舗従業員では同時購入の問題点に気が付かないと思います。また、風邪薬の購入手続をC管理店舗とD管理店舗とE管理店舗全てで行った人が、その後Zコンビニへ受け取りに来たとします。しかし、受渡し店舗内で最終的にオンラインの確認があるかと思いますが、オンラインでやり取りした際に、各管理店舗に対して他店では購入していないと言い張ることがもしあれば、乱用のおそれのある薬の複数購入は受渡し店舗の従業員のみが把握をしているという状況になります。その場合はどのような対応を取るのでしょうか。
そして、販売しないことも重要でありますが、オーバードーズの背景にある社会的孤独、孤立を考えれば、寄り添った声掛けやしかるべき支援にしっかりとつないでいくような対応が必要不可欠です。これらの場合、一体誰がそれを担っていくことになるのでしょうか。新たな販売制度を導入するわけでありますから、医薬品アクセスが円滑になることでオーバードーズへのハードルを更に下げることがないような運用が必要であります。また、そのような若者への支援策も同時に検討した上で施行される必要があると考えますが、政府の姿勢とお考えをお聞かせください。