妹尾昌俊の発言 (文教科学委員会)

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○参考人(妹尾昌俊君) 皆さん、おはようございます。よろしくお願いします。
 私の方からは、このプレゼンテーションの資料を基にお話しさせていただきます。
 表紙は、子どもたちにとっても、教職員にとっても、ウエルビーイングな学校づくりというふうにしました。
 ある調査、国がやった調査ですけれども、によると、約四割の小学校の教諭が寝不足ぎみ、不眠症というふうになっているほど、今先生方は疲れていて元気のない状態です。
 私も子供が五人おりまして、しっちゃかめっちゃか子育て中ではありますけれども、本当に先生たちが疲れ果てている状態では、うちの子にとっても良くないということで、本腰を入れてこの問題に取り組んでいきたいなというふうに思っております。
 先生方も大変御協力いただいているところでありますけれども、更に一歩、二歩踏み込んでいただきたいなという思いで今日はお届けしたいというふうに思います。
 一ページめくっていただいて、自己紹介はもう飛ばします。次のページも飛ばさせていただきます。また、どの党にかかわらず応援しておりますので、是非、また勉強会等にも呼んでいただければと思います。
 次のページですね、黒に背景なっているものですけれども。今般、給特法の改正が議論されているわけですけれども、ともすれば、この改正自体が、何というか、目的化しちゃうといいますか、手段が目的化していないでしょうかということを一緒に問いかけたいなというふうに思っております。
 処遇改善だとか残業の削減、これも大事ですけれども、これはあるプロセスの一つ、手段の一つでありまして、何を目指しているのかということをしっかり考えないと、一〇パーがいいのか、一三パーがいいのか、何パーがいいのかというような話になりますので、そうじゃなくて、いい方をやっぱり学校教育にももっと来てほしいという話だったと思うんですよね。そういった人材獲得なり、あるいはいい方が辞めんといてほしいという部分ですね、そういった部分も意識しながら、しっかりこの法の在り方について一緒に考えていければというふうに、少々失礼な表現かもしれませんけれども、改めて申し上げたいところです。
 次のページです。四ページ目ですけれども、じゃ、今、教員の人気は下がっているのかどうかについては、正直申し上げるとはっきり分からないということが答えになるかと思います。
 といいますのは、教員採用試験のこれ新規の学卒の、新卒の方の受験者数ですけれども、小学校はほぼ横ばい、中高はいわゆる減少傾向です。ただ、これはダブルカウント、トリプルカウントされている併願者もいますので、正直実態がよく分かっていない、誰も分かっていないという、こういった部分も含めて、てこ入れの必要があるところかなと思います。
 ただ、次のページですけれども、一つ正確に分かっていることがあります。女性にとって、受験者が激減しているという状況です。
 二〇〇〇年と二〇一〇年、二〇一九年ぐらいを比較していただきますと、小学校は約二割、中学校は三六%、高校に至っては約半減も女性の受験者しているということです。かつての受験者が多かったというふうな解釈もできますけれども、ただ、少なくとも女性にとっては、教員、教職について目指さない子も増えているということです。内田良先生の研究なんかでも言われていて、教育実習生にもそういったことが示唆されているところであります。
 次のページです。
 これはあくまでも一例ですけれども、ある私大の教職課程の子たちですけれども、最初登録するんだけれども、卒業時の免許取得する子はやっぱり半減したり約三割ぐらいに減っている。これはあくまで一事例ですけれども、全国でどうなっているかも含めて把握しないといけないです。
 ですから、まず大学の教員養成のところで離脱者がいると。しかも、教育実習を経たとしても、今度、教員採用試験を受けてくれるかどうかでまず離脱すると。その後、受けてくれたとしても、民間とかほかの公務員に行っちゃうという意味で離脱すると。いろんな段階で教員の人をちょっと逃しちゃっているという、そういうもったいない状況があるということであります。
 次のページですけれども、少しまとめますが、少なくとも女性にとっては志望度が下がっているし、男女問わず、免許取得前や採用試験の前に離脱する学生も相当数に上ります。ただ、この背景とか要因が、残念ながら、まだまだ私も含めて十分に解明できているわけではなくて、どこにメスを入れるのかということがまだまだ不明瞭なので、今回の法改正は私は応援したいと思っておりますけれども、まだまだ一里塚といいますか、一歩二歩でありまして、もっともっと必要な部分があるんじゃないかとかいうことも含めて考えないといけない。今日は、その一端を少し、検証し切れていないところはたくさんありますけれども、お話ししたいと思います。
 今日は、八ページ目です。今日いらっしゃっている広田先生の本から引用しておりますけれども、まず事実認識ですね。先ほど、受験者がどういう状況なのかといったような状況も含めて十分把握できているわけではない、しかも、その背景だとか、女性の受験者なぜ減っているのかということも実は余り明らかじゃない。となると、対策も十分練られないといったような、これまさに三つの問題が生じているわけであります。
 とはいえ、幾つか参考になるデータはありますので、今日は時間の関係上、本当は三時間でも四時間でもお話しできますが、十分ぐらいで短くお話しいたします。
 九ページ目ですけれども、これは愛知の六つの大学の学生に聞いたものですが、教育実習を受けた学生が、ですから、もうすぐ教員になろうかなというふうに志望度の高い学生のアンケート調査なんですけれども、何が不安ですかねって聞くと、やっぱり保護者との向き合い方、苦情とか、仕事が忙し過ぎないか、こういった部分がすごく高く出ています。
 あるいは、この調査で貴重なのは、次のページですけれども、教職を最初志していたんですけれども、大学生の途中でやっぱりやめたという子たちにも聞いているわけです。しかも、男女別にも聞いているわけですが、特に女性の方が敏感にやっぱり感じ取っているということがこれで分かりますけれども、下の方、休日出勤や長時間労働のイメージとか処遇の問題、つまり長く働く割には処遇が十分じゃない、こういったところに不安とか不満があるわけだし、あるいは先ほどの調査と同じで、授業ができるかとかいじめの問題、保護者対応等に不安だということであります。
 つまり、次のページですけれども、今ユーチューブで教員になろうとかって検索していただくと、ざあっといっぱい動画が出てきます。教師の魅力とかやりがいを各自治体一生懸命発信して、なるべく受験者を増やそうということで、試験会場もいっぱいしたりとか、いろんな努力をされています。そういったことが無駄だとは申し上げませんけれども、本当に必要なのは、魅力発信よりも不安に向き合うこと、あるいは不安と不満を低くしていくことではないかと思います。
 そのために、今回の法で、いいところもたくさんありますけれども、まだ十分じゃないでしょうというところもしっかり考えないといけないし、今、限られた若者の人数を自治体間で奪い合っている状況なので、こういう状況も含めて考えないといけない。
 しかも、今これだけ忙しい忙しいと言われている学校現場でわざわざ教師を目指してくれている子たちは、教師としてのやりがいとか魅力というのはある程度分かった上でエントリーしてくれているわけですね。しかも、自分が生徒だったときの思い出が良かったとか、先生が良かったということがあります。つまり、最大の広報の場は学校現場でして、今いる先生たちがハッピーでウエルビーイングな状態であればいい人材は自然と集まってくるという、あるいは三十年前、四十年前はそうだったわけなんですね。そういう部分を復活させたいということを申し上げたいと思います。
 じゃ、そのためにどうするのかということでありますが、今般、給特法が一番の問題になっているわけですが、十二ページに書いたとおり、これは本当に難題です。給特法を維持した場合も、あるいは廃止した場合も、それぞれ難しいところがあるということで、それぞれ、ほかの参考人の方もおっしゃっていただいたところと重なりますので、後でまた質疑があればお話しいたしますけれども、次のページです。
 今回の法案のように、給特法の基本は維持した場合ですね、その場合も、この次のページのように、まだまだほとんどの時間外が労基法上の労働ではないといったようなよく分からぬ状態が続くとか、使用者にコスト意識をどう高めるかといったことがまだまだ積み残しとして残ります。あるいは、今国立の附属とか私立学校は労基署がばんばん来ていて、それで是正をしているわけですけれども、そういったことも公立学校では起こっていないというような問題ですね。
 もし、今回の法案を維持するなり、あるいは可決するんだったら、こういった問題に対しても対策を一定程度もっと打っていけるような修正案なり附帯決議なりをもっともっと作っていかないと、まだまだ十分ではないだろうというふうに考えております。
 難題ではありますけれども、一緒に考えていきたいというところが十四ページです。
 つまり、これは難しい問題ですけれども、教員の健康確保という価値が一つ、あっ、価値というか、大事にしないといけないことが一つ。もう一つは、もちろん時間外を削減しないと教員人気も復活しないし、まあいろんなところがおかしいしということで、時間外をいかに削減するような仕掛け、仕組みをつくっていくか。三つ目、一方で教員の専門性とか裁量も大事にしないと、あれこれ細かく言われても面白くないといったようなこともあったり、あるいは子供にとっても良くないといったことがありますので、この三つをどうやったら満たせるのかということを考えないといけません。
 健康確保につきましては、もう釈迦に説法かもしれませんが、労基法の一条に、労働者が人たるに値する生活を営むための条件ですよということを書いてあるわけですけれども、今の先生たちは、広田先生もおっしゃっていただいたように、ほとんど授業で埋まっていて、小学校であれば六時間あれば六時間ともほとんど埋まっていて、休憩もほとんど取れず、トイレに行く暇もなく、あるいは理不尽なクレームにも一時間も二時間も傾聴だといって耐えろというようなことをやっていますので、人たるに値する生活が大丈夫なのかといったようなことから含めて考えないといけない。勤務間インターバルなんかも、十一時間では健康確保の面では不十分なので、そういったことも含めて考えたいということです。二、三も含めて、一緒に考えていかないといけないというところです。
 じゃ、どうするのかということで、特効薬は決してないんですけれども、私は、今日は五つの点を強調したいなというふうに思っております。
 ちょっと時間がないので、はしょりながらお話ししますけれども、十六ページですけれども、以前、先生はスーパーマンじゃないという記事を書きましたけれども、これは左の方は文科省の公文書から引用しておりますが、学校を取り巻く状況についてはということで、もう全部読み上げませんが、これ丸が付くまで三百四十八文字もあって原稿用紙ほとんど埋まっちゃうような、ちょっと僕だったら余り書かない悪文だと思うんですけれども、それはちょっとおいておいて。
 これだけ複雑怪奇なたくさんのことが、例えば担任の先生はしょい込んでいるわけですよね。もちろんいろんなチーム対応だとかいろんなことがありますけれども、昭和のときにできた義務教育標準法等のときには、まだまだ、一部ありましたけれども、なかったような複雑な問題もあっている。しかも、いろんなことに詳しくないと駄目だみたいな感じで、我々はよく、あるいは文科省さんも教師の資質、能力の向上というふうにすぐ言うけれども、資質、能力といったっていろんなことに詳しい人なんているわけないよねということも含めて考えないといけない。もう荷物を背負わせ過ぎているということです。
 そんな状況で、次のページですけれども、これは一つの過労死の事案ですが、滑川で、富山の、二〇一六年に四十二歳の先生が亡くなっています。これは非常に残業も多くて、部活動も強豪の部活を持っていたということです。
 次のページですけれども、当時小さな娘さんがいらっしゃいましたが、ドラえもんのもしもボックスといって、もしもというふうに電話ボックスで話すと現実になるというアイテムがあるんですけれども、現実になったらパパが生き返るというふうに書いているんですよ。
 まさに、こういう事案、事故を本当に減らしたい、ゼロにしたい、こういう健康確保、改めて大事にやっぱりしないといけない。ついつい先生方やり過ぎちゃうし、熱心な先生だねということで周りも褒めてきたわけですけれども、考えないといけないというところです。
 次の保護者対応の話はもう飛ばします。
 二十ページですけれども、教員がやらなくてもいい仕事、教員が担うべきではない業務をやっぱり明確にするとともに、ただ、これまた別紙を見ていただければと思いますけれども、ただ明確にしただけでは、じゃ、担い手がいないと学校が結局やるということになりますので、一部首長部局も担当する、あるいは教員以外のスタッフをもっと充実させるという合わせ技じゃないとうまくいかないということを申し上げたいと思います。
 次のページです。
 詳しくは広田先生もおっしゃっていただきましたが、今の勤務実態見ますと、ほとんど授業とその準備と成績処理で勤務時間が埋まります。こういった状態をやっぱり変えないと、せめて勤務時間の中で授業準備ができるような基礎定数の改善をやっぱりしないといけない。そうすると、一年目からいきなり担任やらなくてよくなったり、あるいは中学校であっても、若手とか希望しない場合は部活動の顧問をしなくていいとか、その分授業準備にしっかり集中するとかできると、さっきの学生の不安も随分減りますので、そういった部分も含めて考えないといけないというところです。
 二十二ページ、今のこま数ですね。文科省はよく平均で示しますけれども、平均が大事じゃなくて、二十六こま以上でほとんど過密になっている人が約四割もいるんですね。こういった状況も含めて考えていただきたいと思います。
 次のページはもう飛ばしますけど、二十四ページです。
 やはり、加配定数でやるから大丈夫だよと文科省よく言うんですけれども、加配定数だと毎年の予算で変わりますので、各教育委員会にとっては安定的に正規職を増やすという施策は打てません。しかも、この少子化の時代ですね。やはり、基礎定数の改善ということをしっかり盛り込んでいただきたいなというふうに思っております。
 次のページ、二十五ページ以降は、少しもう飛ばしながらですけれども、今学習指導要領の改訂が議論されていますが、今よりも増やさないということを前提にと言いますが、私が聞くと、教員の先生、特に小学校はそうですけれども、増やさないじゃなくて減らすと書いてほしいというふうに皆さんおっしゃいますよ。それだけ、しかも子供の声も含めて、これちょっと細かく後で見ていただければと思いますけれども、考えないといけないというところであります。
 次の、二十六の後なので二十七になりますけれども、こういった学習指導要領を精選しろとなると、いや、もう学力低下するでしょうとか格差拡大するでしょうとおっしゃる方が必ずいらっしゃるし、その心配ももちろん大事なんですけれども、ただ、少なくともOECDのレポートだとかPISAを分析した限りではそういう部分はないという部分、必ずしもそうとは限らないというところもありますので、この辺も冷静にしっかり考えないといけませんし、下の方に書いておりますが、標準時数を減らすか、今中教審で検討されている研究開発校等を増やして学校の裁量を増やす、これも大事だと思います。ただ、それだけで本当に十分な時間が生まれるのかということはまだまだ疑問ですので、一日六時間も授業をせずに、四時間とか、せめて五時間で済むような感じでやっていくということも含めて考えていきたいということだと思います。
 次のページは飛ばしまして、二十九まで飛ばします。
 衆議院でも、文部科学省さんは、国による勤務実態調査はもうやらないと、自治体のタイムカード等あるからという話を答弁されていると思いますけれども、この理由一、二、三書きましたとおり、もちろん各自治体での把握も大事ですけれども、まだまだそれでは十分じゃないところありますし、タイムカード等のデータでは何にどれぐらい忙しいのかということが十分分析できませんので、そういった中では時短プレッシャーが高まるばかりになりますので、何に忙しくて、じゃ、どういう施策が必要なのか、どういうことを伴走支援しないといけないのかということは、家計簿と一緒ですけれども付けないと分からないので、そういうことも含めて考えていただきたいと思います。
 三十ページ、改めて、ここについてはもうさらっとですけれども、これは総務省にも言わないといけない話なのであれですけれども、一、二、三、四、五、是非御検討いただければと思っております。
 私からは以上です。ありがとうございます。

発言情報

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発言者: 妹尾昌俊

speaker_id: 5917

日付: 2025-05-27

院: 参議院

会議名: 文教科学委員会