赤池誠章の発言 (文教科学委員会)

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○赤池誠章君 ありがとうございました。
 私は、我が国の課題の根幹には国家意識の欠如があるのではないかと、この委員会に限らず、質問の機会をいただいた際にはいつも申し上げてまいりました。
 今の日本という国は、自然発生的に存在しているものではありません。長い歴史の中で、多発する自然災害を始め様々な難局を乗り越え、皇室を中心に先人が努力してきた英知のたまものだと思います。他国と比べても、日本は類を見ない歴史、伝統、文化を持つ国であり、それは、日本が日本であるべく先人が守り続けてきた結果だと思っております。目の前の課題にただひたすら取り組み、積み上げていきさえすれば自動的に日本ができ上がるわけではありません。日本であり続けることの意識がなければ今はなかったのではないかと思います。
 しかしながら、この国家意識は戦後大きく変わってきたと言わざるを得ません。私は、我が国の伝統的な考え方である三徳、つまり智恵の智、思いやりの仁、勇気を奮う勇、この智、仁、勇を大事に考えております。国の政策もこの智、仁、勇に当てはまっているように感じます。智はまさにこの文教科学政策、仁は社会保障とともに経済財政、産業政策、勇は外交、防衛、防災対策ではないかと思っています。
 先ほど、日本という国は先人がつくり上げてきたものだと申し上げましたが、それを考えると、智、仁、勇を大事にする日本人であったからこそ、それに基づく政策になっていたのではないかと思います。
 私は、国会議員初当選以来二十年、国づくり、地域づくりは人づくりからを一貫して掲げてまいりました。改めて、日本を大事に思う人材育成の重要性を感じております。天然資源が少ない我が国にとって教育こそが、大臣もおっしゃっていただきましたが、根幹だと思っております。そして、教育基本法にあるとおり、教育の目的は人格の完成と国家、社会の形成者たる国民の育成であります。
 その目的を忘れ、知識、技能だけを教育した事例の一つとして、最近、プログラミングを学んだ子供たちがサイバー犯罪に手を染めた事件がありました。
 私は、本委員会で何度でも質問してきたわけでありますが、プログラミングという高度な技術を教えるのであれば、同時に、その技術を悪用してはならず、国家、社会に貢献するために活用しなければならないことも教育しなければならないのに、現状は、犯罪に巻き込まれないようにという性善説的な、一方的な性善説に立った教育しか行われておりませんでした。
 今回の子供たちのサイバー犯罪を契機に、私が主張していたように、文科省ではようやくサイバー犯罪をしてはならないことを教えるべく動画教材を作成していただいているということであります。この事件は一つの事例でありますが、やはり教育の目的を忘れず、プログラミング等の手段を目的化してはならないと思います。
 そして、教育基本法には、子の教育に第一義的に責任を持つのは父母等の保護者と書いてあります。その上に学校の教師がいて、教師の役割は、先ほど大臣もおっしゃっていただきました、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めることとされています。さらに、学校、家庭及び地域住民等の相互の連携、協力に努めるとあります。そのように、教育基本法は多層的、複層的に教育を捉えているわけであります。
 教師とは、学校での教育がその役割なのであって、全ての教育を担うものではないことを改めて確認する必要があると思います。そして、今までに議論している教師の環境整備、処遇改善ですが、これらを解決すれば自動的に教育の目的がストレートに直接実現するわけでもなく、教育の質が向上するわけでもありません。そもそもの目的である教育の質向上の議論も併せて行うべきだと考えています。
 今回の給特法改正案は三本柱となっております。第一は学校における働き方改革の一層の推進、第二は組織的な学校運営及び指導の促進のため主務教諭の設置、第三は教師の処遇改善であります。まず、学校における働き方改革の一層の推進とありますが、これをどういう意味で使っているのか。理念、目的は文科省はどういう意味で使っているのか。また、文科省が学校現場における業務改善のためのガイドラインを出してはや十年がたつわけであります。そして、令和元年度に、前回、給特法の改正を行って、変形労働制の導入、第七条に教育職員の業務量の適切な管理等に関する指針の作成等の規定を作ったわけであります。その後の進捗状況と課題、これがなかなか進まない、その原因をどう文科省は考えているのでしょうか、それが今回の法改正とどうつながっているのか。
 当初は、大臣告示として、法文化しなくてもいいんじゃないかみたいな議論があったとも聞いております。私どもの求めによって法文化したことは評価いたしますが、改めて文部科学省に見解を伺います。

発言情報

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発言者: 赤池誠章

speaker_id: 5194

日付: 2025-05-29

院: 参議院

会議名: 文教科学委員会