武見敬三の発言 (本会議)

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○武見敬三君 自由民主党、武見敬三でございます。
 私は、会派を代表し、石破総理大臣の施政方針演説を始めとする政府四演説について質問いたします。
 現在、国内外において地政学的な対立が激化する中、自由、民主主義という普遍的な価値の揺らぎ、貧富の差の拡大、左右の分断、国民に広がる現状への不満といった様々な不透明感、不安感が急速に高まっています。そのような中、我が国の直面する最も深刻な危機は人口動態の変化であります。
 我が国の総人口は、二〇二〇年の約一億二千六百十五万人から二〇六五年には九千百五十九万人にまで減少します。十五歳から六十四歳人口、いわゆる生産年齢人口は、二〇二〇年代の十年間では四百三十三万人が、さらには二〇三〇年から四〇年までにはその倍の八百六十万人強の減少、つまり、その頃の東京都の生産年齢人口に匹敵する人口が消滅することとなります。
 昨年の出生数は六十八万人台、ピークであった一九四九年の二百七十万人弱と比較すれば、実に四分の一。人口減少は不可逆です。
 昨年、団塊の世代が全て後期高齢者になりましたが、平均寿命の延伸により、十年後にはかなりの方々が八十五歳以上となります。独居老人も増加し続け、その七、八割を女性が占めます。認知症の患者も増える超超高齢社会が到来します。
 東京など都市部では高齢者人口は増え続け、地方では減少し続けます。人手不足はますます深刻化します。超高齢化社会が進展し担い手が減れば、稼ぐ人も減り、消費する人も減ります。その間、貧富の格差が拡大するとともに、SNSの投票行動に与えるインパクトも増大をし、国民世論は左右両極に分化、中道勢力が縮小していくことで、政治の不安定化が構造化することが予見されます。
 二〇三〇年代の危機は、機能不全となりがちな民主主義と相まって、極めて深刻なものになることが危惧されます。これを放置すると、我が国は衰退するのみであります。
 私は、昨年の秋まで一年一か月、厚生労働大臣を務めさせていただきました。また、我が国の保健、医療、介護の価値と可能性を誰よりも信じ、ライフワークとして取り組んでまいりました。そして、デジタル化とデータサイエンスに基づく未来思考を旨としてまいりました。
 その立場から、死中に活を見出すのはまさに今であり、過去の延長線にある政策だけでは日本の未来はない、創造的な未来こそ求めなければ活路は見付からないということを申し上げたいと思います。
 二〇三〇年前後から深刻化するこうした事態を解決する未来志向のビジョンと、それを実現する体制をつくり上げること、これこそが今必要なものであります。本日は、こうした問題意識の下で質問をさせていただきます。
 人口が減れば国内需要が減る。そうすれば経済規模は縮小し、国力は衰退する。デフレスパイラルから抜け出せなくなります。
 まずは、すぐにでも、グローバルな視点から、他国と比較優位性がある分野、特に保健、医療、介護のように国内需要のみを対象としてきた分野では、医学、医療の進歩を吸収し、持続可能性を高めるため、国内で制度改革を実践する際には、新たに産業政策を導入して国内外に新たな市場を開拓していかなければなりません。
 そして、国民皆保険制度として築き上げてきたユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、つまり、全ての人々が経済的困難を伴わずに適切な予防や治療、リハビリなどの保健医療サービスを受けられる環境は、明らかに我が国の強みであります。
 我が国は、UHCについて、国連の持続可能な開発目標への位置付け、G7伊勢志摩サミット、G20大阪サミットでの安倍元総理、G7広島サミットでの岸田前総理のほか、国連総会、WHO等、様々な国際的なフォーラムでその重要性を訴えるなど、リーダーシップを取ってまいりました。
 そして、近未来において急速に高齢化が進み、日本に遅れて我が国が直面している課題に対応を迫られることになるアジア・インド太平洋地域に、日本のソフトパワーの一つとしてUHCにより解決策を提示していくことは、有望な産業政策となります。
 そこで、アジア・インド太平洋地域における医療水準の向上や健康格差の是正に貢献するとともに、インバウンド、アウトバウンド等において我が国の産業政策を推進していく上で重要な人材となることが期待される外国医療人材の育成事業として、我が国の医学部への海外留学生のための奨学金制度の導入など、医学部定員数の削減と併せて海外留学生の受入れ体制を整備していくことはどうかと考えます。この点について総理の御所見をお聞かせください。
 あわせて、途上国における保健財政の拡大とその適正な配分により持続可能性の高いUHCを達成するためには、保健財政担当者のための人材育成を行うことが重要です。
 そのため、我が国はWHO及び世界銀行と協力をして人材育成の世界的な拠点となるUHCノーレッジハブの日本設置を進めていますが、UHCノーレッジハブ等の外交的貢献を進めつつ、保健・医療・介護分野を産業政策の対象としてUHCをどのように我が国の成長戦略に位置付けていくのか、総理の御見解を伺います。
 我が国では、欧米で承認されているが日本では承認されていない未承認薬は百四十品目ほどあり、こうしたコストの掛かる医学、医療の進歩の果実が国民に届かないという実情があります。このうち六割程度は、そもそも日本での開発に着手されておらず、ドラッグラグ、ドラッグロスが発生しており、我が国の医療が先進国としての水準を保てなくなる兆候も出始めています。
 医学、医療の進歩を我が国の医療保険制度にどのようにして取り込むのか。その解決策の一つが、保健・医療・介護分野の産業政策として我が国への医療インバウンド戦略を積極的に進めることであります。
 医療滞在ビザの発給件数は、二〇二二年千八百四件、二〇二三年二千二百九十五件と増加傾向にあります。短期滞在ビザ等で我が国の医療を目的として訪日されている方々も含めれば、医療のインバウンドは推計で二万人から三万人ほどです。訪日外国人には我が国の健康保険が適用されず、各医療機関が自由診療として任意に価格を設定することになります。医療インバウンドの拡大は、我が国の有力な成長戦略分野、日本の稼ぐ力として極めて有望であります。
 同時に、自由診療が広がり、コストが下がれば、保険診療の適用となり、国民全てが医学、医療の進歩の恩恵を受けることが可能となるとともに、現在の国民皆保険制度を維持するための新たな医療財源を確保することも見込めるようになります。
 そこで、医療インバウンドの拡大、そして国民皆保険制度を維持し、補填し、医学、医療の進歩の果実を国内に導入する入口とするためにも自由診療の在り方を検討すべきと考えますが、総理の御認識を伺います。
 また、医療滞在ビザ以外で訪日されている医療インバウンドの実態把握のために医療機関への詳細な調査等を行うとともに、国民皆保険制度を損なうことがないよう、現在の病床規制の別枠として、医療インバウンドの入院治療のための自由診療における病床の在り方について検討すべきと考えますが、厚生労働大臣の御所見を伺います。
 もう一つの成長の鍵は創薬力です。
 日本はかつて低分子医薬の分野で世界市場の一割弱を占めていましたが、現在の主流であるバイオ医薬品開発に出遅れ、医薬品の貿易収支も二〇〇〇年代になると赤字額が急増し、一昨年は日本の貿易赤字の三分の一強を占めています。
 一方で、ライフサイエンス分野におけるアカデミア、研究領域での日本の比較優位はいまだに高いものがあります。研究分野での日本の存在感が保たれている今こそ、我が国の創薬分野におけるイノベーションを加速させなければなりません。
 私は、厚生労働大臣として、多様なイノベーションや最新技術を医療現場で活用するとともに、産業政策の観点も踏まえたスタートアップ支援の観点からも創薬力の強化を進めてまいりました。
 また、政策を実行する体制として、グローバルな創薬に携わっている海外の人材を国内に直接活用するスキームがなかったことから、創薬に関わる主要先進国の研究者と結び付け、創薬の基盤を強化し支援する仕組み、つまりグローバルな創薬エコシステムと連結する研究開発の創薬基盤の再構築と、そこから起業家と結び付けるスタートアップ支援を間断なく行う組織の立ち上げも打ち出しました。海外で創薬に携わる極めてレベルの高い専門家と我が国の創薬研究者が組むことで、研究開発能力はダイナミックに高まっていくことが期待できます。
 そこで、海外の研究者とのネットワークとつながるグローバルな創薬エコシステムと結び付いた我が国の創薬研究開発基盤の再構築について、総理に御見解を伺います。
 政策を遂行するに当たっては、ガバナンス抜きで考えることはできません。ポストコロナの政策を考えるに当たっても、いま一度、組織及び人材に係る教訓を考え起こす必要があります。
 我が国には健康情報を一元管理するデジタルシステムがなく、感染者数や検査数の情報収集も滞り、感染者情報をリアルタイムで把握できず、対応が後手に回った経験があります。
 昨年八月、厚生労働省が取りまとめた近未来健康活躍社会戦略には、電子カルテ情報共有サービスの構築、普及、次の感染症に備えた情報の一元的集約、診療報酬改定DXといった全国医療情報プラットフォームの構築、医療等情報の一次利用及び二次利用の推進など、医療現場の生産性向上と健康活躍社会の構築という二兎を得るための医療DXの推進方針を盛り込んであります。これを受けて、政府は現在、社会保険診療報酬支払基金を改組し、医療情報プラットフォームの実行主体として位置付ける予定であります。しかし、関係するシステムを統合する際に、単に組織を足し算するだけでは一体的に機能できるとは限りません。また、組織自体のガバナンスが保たれるわけでもありません。
 医療DXの更なる推進による患者自身の治療、そして公的医療保険財政への貢献、あわせて、医療DX活用の前提となるマイナ保険証の一層の利用促進をどのように進めていかれるのでしょうか。さらに、医療DX推進のために新たに改組される組織のガバナンス強化の方針をどのようにお考えでしょうか。厚生労働大臣に伺います。
 我が国の近未来を考えるには、都市と地方の高齢化の過去、現在、未来を踏まえることが不可欠です。過去における高齢化は地方が中心でありましたが、地域社会の支え合いの機能があり、家族のサポートも期待できた時代の問題でした。近未来では地方の高齢者人口も減少します。
 片や、これから都市部では異次元の高齢化が進展します。七十五歳以上、それから八十五歳以上の超高齢化社会が出現をし、二〇四〇年まで増加し続けます。都市部における超高齢化は、地域社会の支え合いや家族のサポートが希薄化していく中で進展します。高齢者の孤立が深刻化し、人道問題となりかねません。
 都市部と地方で高齢人口の増減が著しく異なることから、二〇四〇年を目標とした地域医療構想や地域医療計画の策定の仕方も随分と異なるものとなります。都市と地方で保健、医療、介護の需要と供給のバランスの違いを全体として捉え、医療資源の開発と配分を考えなければなりません。ただし、中長期的に今まで以上に医療にお金が掛かるようになることだけは明白であります。
 現状では、コロナ禍が終わっても患者が戻らず、物価高騰で医療機関の経営が病院を中心に著しく悪化しており、地域医療の持続可能性が低下していくことが危惧されています。都市と地方で保健、医療、介護の需要と供給のバランスの違いを全体として捉えたグランドデザインを示しつつ、医療資源の開発と配分を考えなければなりません。
 そこで、当面の問題と近未来の課題を一体的に考えて、地方創生とも連動した近未来の保健、医療、介護のグランドデザインをいかに設計したらよいのか。同時に、物価高及び経済成長等による税収の増加部分から新しい医療財源を確保する仕組みをつくることが重要と考えますが、総理の御所見を伺います。
 外交・安全保障に目を転じます。
 政治目的を達成するために軍事力を行使する非民主的な権威主義体制が、その軍事力に裏打ちされた勢力範囲の拡大を着実に実行しようとする危険な国際情勢となり始めています。特に、我が国の周辺には、冷戦の残滓とも言える分断国家が朝鮮半島及び台湾海峡に存在し、紛争が起きる軍事的リスクは年々増大をしています。
 この増大する軍事的リスクに対応して、我が国の自由と民主主義を基本的価値とする独立した主権国家としての立場を堅持するために、平和主義に基づき近隣諸国と協調し、共存する外交的努力に努めつつも、同時に、我が国の安全保障三文書に基づく戦略的能力の強化は必須であります。
 しかし、戦略的能力の強化を語るにおいても、地政学的な対立が深まる中、従来のような戦争か平和かとの二分論は余りにも非現実的であり、現実的な国家戦略を語れません。何が戦略的意志で、何が戦略的能力なのかを明確に意識して国家戦略を構築していくことが極めて重要となります。
 我が国の戦略的意志とは何か。それは、戦後貫かれてきた平和主義であります。我が国の戦略的能力とは何か。それは、我が国の防衛力と日米同盟を基軸とした同志国を含めた戦略的連携に裏打ちされた抑止力であります。この戦略的意志と戦略的能力をいかにそれぞれ具体化していくのか。これが我が国の国家戦略となります。
 戦略的意志と戦略的能力、それぞれの具体化は極めて現実的な対応として必要です。
 戦略的意志である平和主義を国民の意識の中でしっかりと定着させるためには、人間の安全保障といった未来志向で更に具体的な政策概念により、人類社会と地球とを共存させることを前提に、人道上の課題や、保健、医療、介護といった国境を越えた共通課題に平素から常に積極的に貢献する積極的平和主義が何よりも重要であると考えます。
 その際、我が国は保健、医療、介護の分野において国際社会で顕著な比較優位性があることを踏まえ、例えば、休戦が一時的に成立しているとはいえ人道上の課題に直面しているガザ地区の人々の健康回復のため、メディカルエバキュエーションを含めた保健医療の支援を積極的に実施していくことが考えられます。
 このように変化する安全保障環境の中で、平和主義が単なるお題目に終わるのではなく、人道的問題など、平素から国際社会の共通課題の解決に貢献していくことで平和主義に対する確信と自信を持つことにより、我が国においても将来に政治的目的のために戦略的能力を行使する意思を持つことがないよう、より確実に抑止することになると考えますが、総理の御見解をお伺いをいたします。
 戦略的能力も、我が国の安全保障への脅威に対して、防衛力を整備し日米同盟を強化しつつも抑止力を完結するためには、自らの身を自ら守るという覚悟が必要と考えます。世界の主要民主主義諸国がいずれも内向化し不安定化する中、自らの身を自ら守るという覚悟なくして抑止力は完結せず、自国の安全を守ることはできません。
 その上で、国民の多くが自衛隊員に対してその感謝の気持ちを持ち、その名誉を守ろうとすることなくして、将来も永続して隊員の募集を行うことは困難になるものと考えます。
 また、自らの意思で、国家国民のために身をもって責務の完遂に務め、国民の負託に応える覚悟を持つ人材の育成も極めて大切です。そのために何をしたらよいのか、総理の御所見をお伺いします。
 そして、その際、現在の日本国憲法についても考える必要があります。
 戦略的意志と戦略的能力という観点から見ると、憲法第九条は、戦略的意志としての平和主義を第一項に、戦略的能力については第二項に示しています。
 あらゆる脅威から我が国の主権を守り、国民の生命を守るため真に必要な防衛力を確保するが、抑止力としていかなる防衛力を保有しても、紛争を解決する手段として武力の行使をすることはないという平和主義に基づく現実主義は徹底的に貫かれるべきです。同時に、自衛隊、自衛官が違憲論にさらされることに終止符を打つべきであります。
 そこで、現行の九条一項、二項は変えず、九条の二を加えるといった我が党の条文イメージを含め、憲法改正について今こそ議論を前に進めるべきと考えますが、総理の御所見をお聞かせください。
 今月二十日に就任したトランプ米国大統領は、第一次政権時より、大統領個人の影響力を圧倒的に強化しています。就任演説で、常識の革命を始めるとして、領土の拡大という言葉も予測不可能であります。基本的には現実主義者であり、ディールを重んじる大統領とも言われています。
 今回の就任式に出席した岩屋外務大臣は、ルビオ国務長官と会談し、日米同盟の更なる強化に向けて緊密に連携していく方針で一致したほか、日米とオーストラリア、インドの四か国の枠組み、クアッドの外相会合では、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、重層的な連携を行うことを確認しました。
 これら戦略の共有を首脳同士でしっかりと確認することが極めて重要となります。日米の首脳同士の信頼関係が、この抑止力の維持強化に今まで以上に重要になったと考えます。
 そこで、日米両国が、自由で開かれたインド太平洋、そしてクアッドを戦略的に共有していることを早急に首脳会談にて米大統領と確認した上で、日米同盟に基づく更なる抑止力の強化を図ることが最重要と考えますが、石破総理の御所見をお伺いいたします。
 今月二十日に就任したトランプ米国大統領は、就任早々、温室効果ガス削減を定めたパリ協定や、WHO、世界保健機関等の国際的枠組みからの離脱に関する大統領令に署名しました。米国は国際社会共通の課題の解決から距離を置こうとしており、第一次トランプ政権時のWHO離脱で見られたマルチ外交での孤立主義と、それによる外交的な真空地帯が再び発生しようとしております。
 一方、我が国は、本年十一月に世界銀行及びWHOと連携して立ち上げる保健財政の研修プログラムを中心としたUHCノーレッジハブのような、医療・介護分野など日本が得意とする分野での貢献により、米国の撤退により生み出されるマルチ外交における真空地帯を埋め合わせ、その分野での課題解決につながる保健外交を実施することで、平和主義に基づくマルチ外交における我が国の影響力の基盤を強化することができます。
 米国の国際的な枠組みからの離脱と、それにより生まれるマルチ外交の真空地帯を埋め合わせるために、我が国の平和主義に基づくマルチ外交をこの際積極的に展開することで、日本の貢献を通じて我が国国民が平和主義に確信と自信を深めることにつながると考えますが、総理の御所見をお聞かせください。
 私は、厚生労働大臣当時に北京を訪問し、国家衛生健康委員会主任、中国共産党中央政治局委員、北京市委員会書記らと面会をし、日中韓三国保健大臣会合への参加の打診を含む意見交換を行ってまいりました。改めて、中国との関係では、特に個人的な人間関係が占める影響の大きさを痛感をしております。また、保健分野における中国との共通課題についての認識も相互に深めることができたと感じております。
 日中間に様々な課題が横たわっている中でありますから、我が国は中国との関係においていたずらに対立構図をつくり上げるのではなく、力による現状変更は中国にとって得策ではないというメッセージを同盟国、同志国と連携しながら常に継続して発信し続けること、高齢化、社会格差、環境、保健分野などでの共通課題解決に向けては、国境を越えて積極的に連携していくことが求められると考えます。
 そこで、先々週、六年三か月ぶりとなる中国共産党と政党間交流、日中与党交流協議会等に臨むための与党幹事長の訪中、また昨年十二月の外務大臣の訪中といった、政府や党などによる重層的な交流や対話は極めて有意義であったと考えます。
 その上で、やはり首脳同士の信頼関係の構築が極めて重要であります。中国との間に共通利害を見出し、共に解決していく前向きな外交関係の構築に向けた重層的な外交の重要性への認識をお尋ねした上で、日中首脳会談の早期開催への決意について総理にお伺いをいたします。
 最新の自殺対策白書によりますと、令和五年の自殺者数は前年からやや減少しましたが、小中高生の自殺は増加しつつ、過去最多だった前年と同水準で推移をしております。自殺や不登校などにつながるいじめの件数も過去最多となっております。
 現在、政府は、自殺やいじめの要因の分析や自殺予防のためのチームの設置などに取り組んでおりますが、厚生労働省、文科省、こども家庭庁等の関連する府省庁がしっかりと連携をして多方面から対策を講ずる体制をつくり上げることが大切です。
 昨年末、超党派の議連で石破総理に自殺防止対策の強化を申し入れましたが、子供の自殺防止に向けた取組について御所見を伺います。
 最後となりましたが、政治資金に関わる不記載により政治への信頼と期待を大きく損ねることになったことを深く反省し、我が党の信頼回復につながる、分かりやすく、そして誰もが納得のできる政治改革を必ずや成し遂げてまいりたいと存じます。
 その上で、昨年を振り返れば、我が国を始め民主主義国家の政権与党には、インフレなどを背景に政権への不満が噴出し、国民世論が左右両極に分裂し、中道勢力が後退し、政治の不安定化が構造化する厳しい結果となりました。
 また、世界における議会制民主主義の在り方が問われた一年でもありました。ポピュリズムの台頭に加えて、SNSによる偽情報の拡散や外部からの選挙介入等もあり、民主主義の機能を損ない、混乱を深めています。
 余波は我が国にも及びつつあります。兵庫県知事の出直し選挙やその前後の混乱等の間に、SNSによる誹謗中傷やデマが広がりました。また、尊い命が失われる事態ともなりました。
 昨今のSNSの政治に及ぼすインパクトに鑑みれば、人権を侵害したり民主主義をゆがめたりすることがないよう、法律的にも厳しくこれを規制していくことの必要性について議論すべきときが来ていると考えますが、総理の御認識を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 121715254X00220250128_005

発言者: 武見敬三

speaker_id: 849

日付: 2025-01-28

院: 参議院

会議名: 本会議