堂込麻紀子の発言 (本会議)
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○堂込麻紀子君 国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。
会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について、石破総理及び加藤財務大臣に対し質疑を行います。
初めに、昨日三月十一日、東日本大震災から十四年、そして重なる岩手県大船渡市の大規模山林火災、また、昨年は能登半島の大規模災害、心より、お亡くなりになられた皆様へ衷心よりお悔やみを申し上げるとともに、被災に遭われた皆様へお見舞いを申し上げます。
茨城県の働く者の代表として、生活者の代表としても、皆様の復興を何より衷心、私も進めていけるように取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに、我が国経済は、二〇二四年の名目GDPの実額が六百兆円を超えるなど、一見好調に見えます。しかしながら、終わりの見えない物価高など、日々の国民生活は厳しさを増すばかりです。国民が日本経済の成長、真に経済の好循環を実感するには、何より手取りを増やす対策、この先も継続的に収入が増えていく将来を見据えることができるかが重要と考えます。そのような視点から、以下、所得税法等改正案について伺います。
まず、基礎控除等の見直しについてです。
今般、約三十年ぶりに百三万円の壁が動くこととなりました。しかし、先日、衆議院で可決された修正案では、政府案をベースにしつつ、年収を四段階に分け、段階に応じた金額を基礎控除に上乗せするとされています。加えて、恒久的な措置と令和七年、八年限りの時限措置とが混在しており、大変複雑な制度となっております。
基礎控除には生計費の観点が含まれていることを政府も国会答弁において認めています。生きていく上での一定の生活費が加味される基礎控除の意義を踏まえると、修正案のように、細切れに年収別の基礎控除額を設定することは適切とは言い難いのではないでしょうか。総理の認識を伺います。
年収制限があることで減税額が抑えられるばかりか、複雑化したことで源泉徴収義務者や国税当局の負担も増します。政府は、社会保険料に係る年収の壁対策を推進しているにもかかわらず、新たに複数の壁を出現させ、一体何のための見直しなのか、全く理解できません。
総理の思い切った御決断さえあれば、このような誰もが納得しないような結果には至らなかったと思います。将来に禍根を残しかねない、複雑過ぎる税制を生み出してしまったその責任をお感じになりませんか。総理の認識をお伺いします。
次に、ガソリンに係るいわゆる暫定税率についてです。
ガソリンなど揮発油等には、昭和四十九年以来、租税特別措置により本則税率よりも高い暫定税率が適用されています。道路特定財源が一般財源化された後も当分の間税率として名前を変えて継続されてきました。そもそも暫定であるにもかかわらず、五十年間見直しが行われなかった理由について、政府はどのように認識されていますか。財務大臣、答弁を求めます。
昨年十二月に自民党、公明党と国民民主党の幹事長間でガソリン税の暫定税率の廃止について合意がなされたものの、協議はその後進んでおりません。立憲民主党と国民民主党は共同で、衆議院においてガソリン税の暫定税率を今年四月から廃止することを明示した修正案を提出しましたが、与党などの反対で否決をされました。そのため、今も廃止時期のめどが立っておりません。
総理は、政党間協議に任せているため、それを飛び越えて廃止時期などを明示することはできないとされておりますが、与党幹部や政府に対して具体的な指示は出されているのでしょうか。
既存の制度を廃止するには様々な検討すべき論点があることも確かで、やみくもな議論では前に進みません。この際、総理自ら先頭に立ち、関連する論点や課題を整理し、議論を進めるための指標となる具体的な工程を示されてはいかがでしょうか。総理の見解を伺います。
そのほかにも、現在の社会経済情勢に合わせて見直すべき税制があります。
例えば、単身赴任手当は、現行制度では給与所得として扱われます。自宅往復の飛行機代や新幹線代の実費弁償であっても課税対象となり、実質的に手取りが減少します。単身赴任手当は非課税とするべきと考えますが、財務大臣の答弁を求めます。
また、これほど物価が上昇している中で、食事の現物支給の非課税限度額は、昭和五十九年以来据え置かれています。政府は公平性の観点から見直しには消極的な態度を示しておりますが、インフレ対応として引上げを行うのは当然であり、それにより公平性が損なわれることはないはずです。
通勤手当の非課税限度額も、特に自動車等の交通用具を用いる場合には、ガソリン価格の上昇等のインフレの影響を受けている側面があります。食事の現物支給及び通勤手当の非課税限度額の見直しの必要性について財務大臣の見解を伺います。
令和六年度税制改正で実施された定額減税について伺います。
政府は、賃金上昇が物価高に追い付くまでの間、国民の可処分所得を下支えし、経済の好循環を実現するための措置であると説明してきました。しかし、実質賃金は一時的にプラスになる月はあるものの安定してはおらず、残念ながら、政府が定額減税の目的として掲げていた物価上昇を上回る賃金上昇の定着には至っておりません。また、消費の下支え効果も限定的であったと考えますが、定額減税には効果があったと言えるのでしょうか。現時点での総理の認識を伺います。
効果を疑問視する声以外にも、手法の妥当性、定額減税と給付金の二重取りの問題、源泉徴収義務者や地方自治体の事務負担など多くの懸念点が指摘をされました。一回限りの定額減税という手段が果たして費用対効果に見合ったものであったのか、はっきりさせる必要があります。総理は、定額減税の効果検証について、令和六年分の税務統計がまとまる来年度末以降、速やかにその分析を開始し、結果を公表したいと答弁されました。
経済効果のみならず、定額減税の実施と給付金の支給に係る源泉徴収義務者や地方自治体の事務負担等についても丁寧な検証が必要かと考えますが、その点も踏まえた分析、検証を行う予定でしょうか。総理に伺います。
地域経済を支え、雇用の七割を占める中小企業は重要な存在です。今般の税制改正でも、中小企業者等の法人税の軽減税率の延長や、中小企業経営強化税制の拡充などが行われることとされておりますが、特に重視すべきは中小企業の継続的な賃上げの実現です。
二〇二四年春闘では、全体の賃上げ率が三十三年ぶりに五%を超えたものの、中小企業の賃上げ率は四・四五%にとどまりました。体力のある大企業は毎年のように賃上げを行うことができますが、人手不足、また物価高に苦しむ中小企業にとっては厳しい状況が続いております。賃上げ疲れが見られるのも正直なところです。
昨今の中小企業を取り巻く厳しい環境の認識も踏まえ、中小企業の継続的な賃上げを実現するためにどのように取り組んでいくおつもりか、総理に伺います。
従来の賃上げ促進税制は法人税の支払がある黒字の企業が対象でしたが、令和六年度税制改正において、中小企業については五年間の繰越控除制度が創設をされました。赤字の中小企業にも配慮した制度としては評価できる部分もございますが、五年以上赤字が続く企業については依然として活用が難しく、課題もあります。今般の適用実態をしっかりと分析し、中小企業にとってより良い制度としていただきたいと思いますが、財務大臣の見解を伺います。
最後に、日本経済の持続的な成長と手取りを増やし、国民生活の安定に向けたふさわしい税制の在り方をやめることなく議論していくことを申し上げ、私の質疑といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕